JP2006196080A - 再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 環境変化の影響を受けることなく、再生されたデジタルデータに位相同期したクロックを得る。
【解決手段】 再生信号をクロックに応じてデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段から出力されたデジタル信号にPR(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られるnサンプルのデータからなるnビットデータ中の特定パターンを検出するパターン検出手段と、パターン検出手段の出力に応じてデジタル信号を抽出して位相誤差信号として出力する抽出手段と、位相誤差信号に応じてクロックを出力するクロック発生手段と、パターン検出手段の出力に応じてデジタル信号を抽出し、この抽出結果に基づいてデジタル信号のセンターレベルに対するオフセットを検出して調整する調整手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 再生信号をクロックに応じてデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段から出力されたデジタル信号にPR(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られるnサンプルのデータからなるnビットデータ中の特定パターンを検出するパターン検出手段と、パターン検出手段の出力に応じてデジタル信号を抽出して位相誤差信号として出力する抽出手段と、位相誤差信号に応じてクロックを出力するクロック発生手段と、パターン検出手段の出力に応じてデジタル信号を抽出し、この抽出結果に基づいてデジタル信号のセンターレベルに対するオフセットを検出して調整する調整手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は再生装置に関し、特には、再生データに同期したクロックの発生に関するものである。
近年、デジタルデータを高密度に記録可能な光ディスクに対し、画像データなどをデジタルデータとして記録再生する装置が普及している。この種の装置において、ディスクからの再生信号から元のデジタルデータを正確に検出するためには、再生信号に同期したクロックを得る必要がある。再生信号に同期したクロックを得る回路として、従来、図2に示す様なPLL回路が用いられている(例えば、特許文献1参照)。図2では、再生信号がA/D変換器と位相比較器とに入力され、位相比較器によってVCOからの出力クロックと再生信号との位相誤差を検出する。検出された位相誤差信号はループフィルタを介してVCOに供給され、VCOの発振周波数を変更する。A/D変換器はVCOからのクロックに応じて再生信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、再生信号処理回路に出力する。
特開平10−144008号公報
しかしながら、従来の構成では、再生信号に同期したクロックを得るためにアナログ回路でPLLを構成しており、温度変化や経時変化等の周囲の環境変化により回路の特性が変動しやすく、また、調整や選別が必要といった問題がある。
本発明は前述の如き問題を解決し、環境変化の影響を受けることなく、再生されたデジタルデータに位相同期したクロックを得ることを目的とする。
前記課題を解決し、目的を達成するため、本発明の再生装置は、記録媒体から情報信号を再生する再生手段と、前記再生手段から出力された再生信号をクロックに応じてサンプリングし、1サンプル複数ビットのデジタル信号に変換する変換手段と、前記変換手段から出力されたデジタル信号に対してパーシャルレスポンス(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られる連続したnサンプル(nは2以上の整数)のデータからなるnビットのデータ中の特定のパターンを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出し、前記再生信号と前記クロックとの位相差を示す信号として出力する抽出手段と、前記抽出手段の出力に応じて前記クロックを出力するクロック発生手段と、前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出し、この抽出結果に基づいて前記変換手段から出力されたデジタル信号のセンターレベルに対するオフセットを検出するオフセット検出手段と、前記オフセット検出手段の出力に基づいて前記変換手段から出力されたデジタル信号のセンターレベルを調整する調整手段とを備える。
本発明によれば、簡単な構成で、高精度に再生データとクロックとの位相差を検出し、再生データに同期したクロックを生成することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される再生装置の再生系の構成を示したブロック図である。本形態の再生装置は、光ディスクに記録されたデジタル映像信号を再生し、この映像信号中の特定のデータパターンに従って再生信号とクロックとの位相差を検出する。
図1において、光ピックアップ101はディスクDに記録されている映像信号を読み取り、A/D変換器102に出力する。A/D変換器102は、VCO112から発生されたクロックに従って光ピックアップ101の出力信号をサンプリングし、1サンプル複数ビットのデジタル信号に変換する。A/D変換器102から出力された再生データは、ハイパスフィルタ103によりその高周波数成分が抽出され、センターレベル調整用の加算器104を介して所定の高域を持ち上げる周波数特性を持つFIRフィルタ105に出力される。FIRフィルタ105から出力されたデータは、データ検出器106と位相検出器110へ供給される。
データ検出器106はビタビアルゴリズムを用いて1サンプル複数ビットの入力データから1サンプル1ビットのデジタルデータを検出する。データ検出器106により検出された再生データは、誤り訂正回路107に出力される。誤り訂正回路107は、記録時に付加したパリティデータを用いて伝送路で生じた再生データ中のエラーを訂正し、再生信号処理回路108に出力する。再生信号処理回路108は、誤り訂正回路107から入力された再生映像データに対し、記録時に施された圧縮・符号化処理に対応した伸長・復号処理を施し、再生信号を出力端子109を介して再生装置外部に出力する。
一方、位相検出器110は、再生データと後述するVCO112から出力されたクロックとの位相差を検出し、位相差に応じて位相誤差信号を出力する。位相検出器110から出力される位相誤差信号は、ループフィルタ111を介し、再生信号に位相同期したクロックを生成するようVCO112を制御する。この位相検出器110〜ループフィルタ111〜VCO112〜A/D102によりPLL回路が構成されている。
センターレベル調整回路113は位相検出器110の出力を基に、HPF103〜出力されたデジタルデータのセンターレベルが最適な位置になるよう、センターレベル調整用のオフセット信号を生成し、加算器104に出力する。
本形態では、ディスクDに記録されている信号はランレングスリミテッド(以下RLL)(1、7)変調方式により変調されて記録されており、記録・再生系の周波数特性がパーシャルレスポンス(以下PR)(1,2,2,1)の特性を持つ。このとき、ディスクDに記録される信号が取りうる状態遷移図を図3に示す。
S0(0,0,0)、S1(0,0,1)、S2(0,1,1)、S3(1,1,1)、S4(1,1,0)、S5(1,0,0)は状態を表し、状態と状態を結ぶ線は状態の遷移を表す。図3の状態遷移図より再生信号の取りうる値は、−3、−2、−1、0、1、2、3の7値である。
従って、再生信号のアイパターンは、サンプリングポイントで7値を取る図4(a)に示す波形になる。図4(a)の波形では、値0で二値化してもクロック成分を抽出することは出来ない。
そこで、図4(a)の再生信号波形にPR(1,1)処理を施すことで、図4(b)の波形に変換する。この波形は、サンプリングポイントを0.5T(Tはサンプル周期)シフトした波形となっており、サンプリングポイントにおいてアイパターンが開いている。このような波形に変換した後、値0を閾値として二値化することで、クロックを抽出することが出来る。
図5を用いて位相検出器110の動作を説明する。
図5(a)はディスクDからの再生信号の波形を示しており、横軸は経過時間、縦軸はA/D変換器102によりサンプリングされたデータの値を示している。a、b、c、dの付いた縦線はA/D変換器102のサンプリング点を示し、黒丸はA/D変換器102の出力の値を示す。破線は位相検出器110に入力される再生信号波形を示しており、ここでは[−3、−2、0、2、3、3]に対応するアナログ再生波形が入力されてきた場合を示している。
図5(b)は、図5(a)の再生信号にPR(1,1)処理を施した信号の波形を示しており、ここでは[−5、−2、2、5、6]の点を通る。この図5(b)のPR(1,1)波形を、値0を閾値として二値化することにより、[0、0、1、1、1]の値が得られる。図5(a)、(b)より、PR(1,1)波形を二値化した値が0から1へ変化する変化点(a点からb点)において、対応する再生信号波形中にゼロクロス点が含まれていることがわかる。このようにPR(1,1)波形を二値化した値の変化点“0から1”、“1から0”を検出すれば、位相差に比例した傾きをもつ再生波形のゼロクロス点を検出することができる。
本形態ではこの様な考えに基づいて位相検出器110を構成している。
図6は位相検出器110及びセンターレベル調整回路113の構成を示す図である。
図6において、FIRフィルタ105から出力された複数ビットのデジタルデータは端子601を介してレジスタ602に入力される。入力されたデジタルデータとレジスタ602からの出力データが加算器603で加算される。加算器603から出力される加算結果はコンパレータ604へ入力される。コンパレータ604は加算結果が値0より大きいか否かを判定する。具体的には、加算結果のMSBをレジスタ605とパターン検出器606に供給する。また、レジスタ605は比較器604の出力を1サンプルクロック期間遅延させてパターン検出器606に出力する。パターン検出器606は比較器604から出力された信号aとレジスタ605から出力された信号bの2ビットの信号を用いて特定のパターンを検出し、信号sとtを出力する。
また、レジスタ612は端子601から入力された複数ビットのデータを1サンプル期間遅延させ、反転回路607、スイッチ608のb端子及び、センターレベル調整回路113に出力する。
スイッチ608はパターン検出器606からの出力信号sによって接続が切り替わり、反転回路607の出力とレジスタ612の出力のうち一方を出力する。スイッチ608の出力はスイッチ609のa側端子に供給される。
スイッチ609はパターン検出器606からの信号tによって接続が切り替わる。具体的には、パターン検出器606において、ゼロクロス点に対応したパターンを検出した場合にはt=1が出力され、スイッチ607はa側に接続してレジスタ610の値を更新する。そして、レジスタ610の出力を位相差信号として出力端子611より出力する。
一方、パターン検出器606においてゼロクロスに対応したパターンを検出しなかった場合にはt=0が出力され、スイッチ609はb側端子に接続してレジスタ610の値をホールドする。
また、センターレベル調整回路113において、レジスタ612から出力された複数ビットの信号がスイッチ621の端子aに出力される。スイッチ621はパターン検出器606からの制御信号e_enによって切り替わる。
パターン検出器606は、ゼロクロスするパターンを検出した場合にはc_en=1を出力し、スイッチ621はa側端子に接続してレジスタ622の値を更新する。また、パターン検出器606がゼロクロスするパターンを検出しなかった場合にはc_en=0を出力し、レジスタ622の値をホールドする。
レジスタ622から出力されたデータはスイッチ621の端子bと加算器623に出力され、加算器623、リミッタ624、レジスタ625によって積分され、増幅器626によりレベル調整された後、端子627よりセンターレベルオフセット信号として加算器104に出力する。
加算器104はHPF103の出力に対し、このオフセットを加算し、センターレベルが最適な位置になるよう調整する。
ここで、2次歪みの再生波形について図7を用いて説明する。
図7において、701はディスクDに記録する際の信号波形(入力)とピックアップ101により読み出された再生信号の波形(出力)との関係を示しており、また、702は実際にピックアップ101により読み出された信号波形の例を示している。701の(a)の線形特性を持つ702の(c)のような波形の信号が再生された場合、HPF103で直流成分を抑圧すれば、比較器604の閾値の値0とセンターレベルとが一致するので位相検出特性に問題は生じない。
しかし、701の(b)の2次歪みの特性を持つ702の(d)のような波形の信号が再生された場合、HPF103で直流成分を抑圧しても直流オフセットが残ってしまい、比較器604の閾値の値0と再生波形のセンターレベルとに誤差が生じてしまい、比較器604による比較結果が誤ってしまう可能性がある。本実施形態では、センターレベル調整回路113によりこの問題を解決しており、2次歪みの再生波形が入力されても、正確な位相検出特性を得る。
次に、パターン検出器606によるパターン検出処理について説明する。図8はパターン検出器606に入力される信号a,bの2ビットのデータとその出力信号の動作ロジックを示す真理値表である。
パターン検出器606にはa,bの2ビットのデータが供給される。全部で4種類の2ビットパターンのうち、位相差に比例した傾きをもつゼロクロスするパターンは、信号a,bの組み合わせが“01”、“10”の2パターンである。“01”の位相検出特性を図9(a)に示し、“10”の位相検出特性を図9(b)に示す。図9に示すように、“01”のときと“10”のときで位相検出特性が逆になるので、“10”のパターンを検出した場合には、図9(a)に示す理想的な位相検出特性をもつように反転回路607によって極性を反転する。
そして、パターン検出器606から出力される制御信号sによってスイッチ608を制御し、極性を反転させる場合にはs=1を出力して端子aに接続し、反転させない場合にはs=0を出力して端子bに接続する。
また、制御信号tはゼロクロスであるか否かを示す信号で、パターン検出器606が“01”、“10”のパターンを検出した場合、再生波形にゼロクロス点が存在するので、制御信号t=1を出力してスイッチ609を端子aに接続し、スイッチ608からの信号をレジスタ610に出力してレジスタ610の値を更新する。また、逆にゼロクロス点が存在しない場合には、制御信号t=0を出力してスイッチ609を端子bに接続し、レジスタ610の値をそのまま保持する。
次に位相検出器110による位相差検出の動作原理を図10を用いて説明する。
図10において、a,b,c,dの付いた縦線は、A/D変換器102のサンプリング点を示し、黒丸はA/D変換器102の出力の値を示す。
破線は、入力される再生データの波形を示しており、ここでは、[−3、−2、0、2、3、3]に対応する再生データが入力された場合を示している。
図10(a)では、A/D変換器102のサンプリングクロックの位相が再生データの位相と合っている場合に出力されるサンプルの様子を示している。パターン検出器606は図10の如き再生波形のゼロクロス点を検出してそのときの再生信号の値をサンプリングする。図10(a)ではサンプリング点aとbの間でゼロクロス点となり、そのときサンプリング点aのサンプリング結果が、値0なので、位相検出器110の出力端子611の出力結果は0となり、位相誤差がないことを示している。
図10(b)は再生データの位相がA/D変換器102のサンプリングクロックの位相より進んでいる場合を示している。図10(b)より明らかなように、ゼロクロス点を検出してそのときの再生信号の値をサンプリングすると、その値は再生信号とサンプリングクロックとの位相差に比例している。
ここでは、サンプリング点aのサンプリング結果が、値0より大きいので、位相検出器110の出力端子611の出力結果はクロックと再生信号との位相差に比例した正の数となる。パターン検出器606は図8の真理値表に従いゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点を検出した際の再生データの値を抽出してレジスタ610の値を更新することで、出力端子611には再生データとクロックとの位相のずれに応じた正の数が出力されることになる。ここで正の符号は再生データの位相が、サンプリングクロックより進んでいることを示している。
また、図10(c)は再生データの位相がA/D変換器102のサンプリングクロックの位相より遅れている場合に出力されるサンプルの様子を示している。
ここでは、サンプリング点aのサンプリング結果が値0より小さいため、位相検出器110の出力端子611の出力結果は負の数となる。パターン検出器606は図8の真理値表に従いゼロクロス点を検出してレジスタ610の値を更新し、出力端子611には位相のずれに応じた負の数が出力されることになる。負の符号は、再生信号の位相がA/D変換器102のサンプリング位相より遅れていることを示している。
この様に、本実施形態では、ディスクから再生された映像信号をA/D変換した後、PR(1,1)の処理を施し、これを2値判別して得た2ビットのデータ中における、再生信号中のゼロクロス点に対応した特定パターンを検出して、そのときの再生データを抽出して位相差信号としてVCOを制御するので、簡単且つ高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することができる。また、映像信号中に含まれる特定パターンを検出するので、位相変動の検出用の特定パターンを映像信号とは別にディスクに記録する必要もなく、ディスクの記録容量を有効に使うことができる。
また、ゼロクロス点における再生データを抽出したものを積分した信号を用いて再生信号のセンターレベルのオフセットを調整することで、再生波形に2次歪みがある場合にも、高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することができる。
次に、第2の実施形態を説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態としての位相差検出器110及びセンターレベル調整回路113の構成を示す図である。
第1の実施形態では連続する2サンプルを2値判別した2ビットのデータ中の特定パターンを検出することでゼロクロス点を検出していたが、本実施形態では、連続する4サンプルを用いてゼロクロス点を検出する。それ以外の構成は図6に示した回路と同様である。
図6と同様、加算器603からのPR(1,1)処理された再生信号がコンパレータ604に出力される。コンパレータ604は入力信号のMSBをレジスタ605とパターン検出器606aに供給する。また、レジスタ605、605a、605bはそれぞれ、入力されたデータを1サンプルクロック期間遅延させてパターン検出器606aに出力する。パターン検出器606aは比較器604から出力された信号dとレジスタ605、605a、605bからそれぞれ出力された信号c、b、aの4ビットの信号を用いてゼロクロス点に対応した特定のパターンを検出し、図6のパターン検出器606と同様、制御信号sとtを出力する。
また、レジスタ612、613はそれぞれ、端子601から入力された複数ビットの再生データを1サンプル期間づつ遅延させて出力する。
次に、パターン検出器606aによるパターン検出処理について説明する。図12はパターン検出器606に入力される信号a,b,c,dの4ビットのデータとその出力信号の動作ロジックを示す真理値表である。
図3の状態遷移図より、図10の信号a、b、c、dの値から、b点での再生信号波形の値が7値のどれに該当するかが分かる。b点での値を図12の真理値表ではSELと表記した。
本実施形態の様に、データの変調方式としてRLL(1,7)を採用した場合、サンプル周期をTとするとき、再生データのパルス幅は2T〜8Tとなる。よって、図12の真理値表において、再生データとクロックの位相が合っている場合には1Tのパターン010、101は現れない。この場合、真理値表には#と記載した。
全部で16種類の4ビットパターンのうち、位相差に比例した傾きをもつゼロクロス点に対応したパターンは、信号a、b、c、dの組み合わせが“0011”、“1100”の2パターンである。“0011”の位相検出特性は図10(a)となり、“1100”の位相検出特性は図10(b)のように特性が逆になるので、“1100”のパターンを検出した場合には、反転回路607により符号を反転した信号を選択する。
これ以外の処理は図6に示した回路と同様である。
このように、本実施形態では、再生信号のアナログ波形をサンプリングしたデータにPR(1,1)処理を施した後、値0で2値化して得られたa、b、c、dの4ビットデータを用いて再生信号のゼロクロス点に対応したパターンを検出し、そのときの再生信号の値を抽出して位相誤差信号として出力することにより、簡単且つ高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
次に、第3の実施形態を説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態としての位相検出器110とセンターレベル調整回路113の構成を示す図である。
第1、第2の実施形態ではそれぞれ、連続する2サンプル、4サンプルを2値判別した2ビット、4ビットデータ中の特定パターンを検出することでゼロクロス点を検出していたが、本実施形態では、連続する6サンプルを用いてゼロクロス点を検出する。図13において、図6、図11と同様の構成には同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
図6、図11と同様、加算器603からのPR(1,1)処理された再生信号がコンパレータ604に出力される。コンパレータ604は入力信号のMSBをレジスタ605とパターン検出器606bに供給する。また、レジスタ605、605a、605b、605c、605dはそれぞれ、入力されたデータを1サンプルクロック期間遅延させてパターン検出器606bに出力する。パターン検出器606bは比較器604から出力された信号fとレジスタ605、605a、605bからそれぞれ出力された信号e、d、c、b、aの6ビットの信号を用いてゼロクロス点に対応した特定のパターンを検出し、図6のパターン検出器606と同様、制御信号sとtを出力する。
また、レジスタ612、613、614はそれぞれ、端子601から入力された複数ビットの再生データを1サンプル期間づつ遅延させて出力する。
次に、パターン検出器606bによるパターン検出処理について説明する。図14はパターン検出器606bに入力される信号a,b,c,d,e,fの6ビットのデータとその出力信号の動作ロジックを示す真理値表である。
本実施形態の様に、データの変調方式としてRLL(1,7)を採用した場合、サンプル周期をTとするとき、再生データのパルス幅は2T〜8Tとなる。よって、図14の真理値表において、再生データとクロックの位相が合っている場合には1Tのパターン010、101は現れない。この場合、真理値表には#と記載した。
全部で64種類の6ビットパターンのうち、位相差に比例した傾きをもつゼロクロスするパターンは、信号a、b、c、d、e、fの組み合わせが“000111”、“011001”、“100110”、“111000”の4パターンである。
図15は各パターンにおける位相検出特性を示す図である。
図15(a)は“000111”と“100110”の位相検出特性を示し、図15(b)は“011001”、“111000”の位相検出特性を示す。このように、“000111”、“100110”の位相検出特性と“011001”、“111000”の位相検出特性が逆になるので、“011001”、“111000”のパターンを検出した場合には、反転回路607によって極性を反転した信号をスイッチ6082より選択する。
また、図10(a)において、“000111”は“100110”に比べ、位相検出特性の傾きが2倍になっており、また、図10(b)において、“011001”は“111000”に比べ、位相検出特性の傾きが1/2倍となっていることから、パターン検出器606bが検出したパターンの種類に応じて制御信号uを出力し、スイッチ608からの出力を増幅器615によって値を2倍に変換した信号とスイッチ608からの出力とを選択する。具体的には、スイッチ608の出力を2倍に変換する場合には、u=1を出力し、スイッチ608の出力をそのまま出力する場合にはt=0を出力することで、パターンの種類にかかわらず位相検出特性を一定に補正する。
これ以外の処理は図6、図11の回路と同様である。
このように、再生信号のアナログ波形をサンプリングしたデータにPR(1,1)処理を施した後、2値化して得られた6ビットのデータを用いてゼロクロス点に対応したパターンを検出し、そのときの再生信号の値を抽出して位相誤差信号として出力することにより、簡単且つ高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
また、6ビットのパターンを検出する場合に、パターンの種類に応じた位相差検出特性の違いを補正することで、より高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
次に、第4の実施形態を説明する。
図16は本発明の第4の実施形態としての位相検出器110とセンターレベル調整回路113の構成を示す図である。
本実施形態においても、第3の実施形態と同様、連続する6サンプルを用いてゼロクロス点を検出する。図16において、図13と同様の構成には同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
図13パターン検出器606bは比較器604から出力された信号fとレジスタ605、605a、605bからそれぞれ出力された信号e、d、c、b、aの6ビットの信号を用いてゼロクロス点に対応した特定のパターンを検出し、制御信号sとtを出力する。
本形態では、スイッチ609を制御信号tによって直接切り替えるのではなく、切り替え回路617によりスイッチ609の切り替えを制御している。
即ち、パターン検出器606bは、検出したパターンに対応する再生データ波形のパルス幅が2Tであるか否かを判別し、その判別結果を閉める制御信号wを切り替え回路617に出力している。具体的には、“011001”、“100110”のパターンを検出した場合には、再生波形が2Tなのでw=1を出力し、2Tでない場合にはw=0を出力する。
また、ロック検出回路618は、レジスタ610から出力される位相誤差信号に基づいて、位相比較器110、ループフィルタ111、VCO112から構成されるPLL回路がロックしているか否かを判別し、制御信号yを切り替え回路617に出力する。具体的には、位相誤差信号の値が所定期間0が続いた場合に位相ロックしていると判断し、制御信号y=1を出力する。また、位相ロックしていない場合には制御信号y=0を出力する。
切り替え回路617はロック検出回路618の出力yとパターン検出器606bからの制御信号t、wとに基づいてスイッチ609を切り替える。
まず、クロックと再生信号の位相がロックしておらず、ロック検出回路618からy=0が入力され、パターン検出器606bにおいてゼロクロスが判定されてt=1が出力された場合には、制御信号wの値にかかわらずスイッチ609を端子aに接続してレジスタ610の値を更新する。
また、ロック検出回路からy=0が入力され、パターン検出器606bにおいてゼロクロスが判定されずt=0が入力された場合は、スイッチ609を端子bに接続してレジスタ610の値を保持する。
ロック検出回路618からの出力yが0の場合の、パターン検出器606bに入力される信号a,b,c,d,e,fの6ビットのデータとその出力信号の動作ロジックを示す真理値表を図17に示す。なお、図17において、信号zはスイッチ609に出力される制御信号で、z=1のときにスイッチ609を端子aに接続してレジスタ610の値を更新する。
本実施形態の様に、データの変調方式としてRLL(1,7)を採用した場合、チャネルビットをTとするとき、再生データのパルス幅は2T〜8Tとなる。よって、図17の真理値表において、再生データとクロックの位相が合っている場合には1Tのパターン010、101は現れない。この場合、真理値表には#と記載した。
全部で64種類の6ビットパターンのうち、位相差に比例した傾きをもつゼロクロスするパターンは、信号a、b、c、d、e、fの組み合わせが“000111”、“011001”、“100110”、“111000”の4パターンである。
また、本実施形態においても、図15に示したように、“000111”、“100110”の位相検出特性と“011001”、“111000”の位相検出特性が逆になるので、“011001”、“111000”のパターンを検出した場合には、反転回路607によって極性を反転した信号をスイッチ6082より選択する。
また、パターン検出器606bが検出したパターンの種類に応じて制御信号uを出力し、スイッチ608からの出力を増幅器615によって値を2倍に変換した信号とスイッチ608からの出力とを選択する。具体的には、スイッチ608の出力を2倍に変換する場合には、u=1を出力し、スイッチ608の出力をそのまま出力する場合にはt=0を出力することで、パターンの種類にかかわらず位相検出特性を一定に補正する。
次に、再生信号とクロックの位相がロックしていない場合の切り替え回路617の処理について説明する。
再生信号とクロックの位相が同期していて、ロック検出回路617からy=1が入力されている場合、切り替え回路617は更に、パターン検出器606bにより検出されたパターンが2Tパルスに対応したパターンであるか否かによってスイッチ609を切り替える。
即ち、y=1が入力された場合、ゼロクロスを示す制御信号t=1で、且つ2Tパルス幅が検出されずw=0が入力された場合には、スイッチ609を端子aに接続してレジスタ610の値を更新する。また、y=1が入力され、ゼロクロスを示す制御信号t=1で、且つ2Tパルス幅が検出されてw=1が入力された場合は、スイッチ609を端子bに切り替えてレジスタ610の値をホールドする。また、パターン検出器606bにおいてゼロクロスが判定されずt=0が入力された場合には、スイッチ609を端子bに切り替えてレジスタ610の値をホールドする。
以上説明した、ロック検出回路618からの出力yが1の場合の、パターン検出器606bに入力される信号a,b,c,d,e,fの6ビットのデータとその出力信号の動作ロジックを示す真理値表を図18に示す。
これ以外の処理は図16の回路と同様である。
このように、再生信号をサンプリングしたデータにPR(1,1)処理を施した後、2値化して得られた6ビットのデータを用いてゼロクロス点に対応したパターンを検出し、そのときの再生信号の値を抽出して位相誤差信号として出力することにより、簡単且つ高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
また、6ビットのパターンを検出する場合に、パターンの種類に応じた位相差検出特性の違いを補正することで、より高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
また、再生信号とクロックの位相がロックするまでは、パルス幅1Tのパターンに加えて2Tのパターンを検出した場合に位相誤差信号を更新し、位相ロック後には、2Tのパルス幅のパターンを検出しても位相誤差信号を更新せずにホールドすることで、迅速にクロックの位相を再生信号にロックさせ、一旦ロックした後はS/N比が悪い2Tパルス幅のゼロクロス点を検出しても位相誤差信号の値を出力せずにホールドするよう制御することにより、高精度にサンプリング点における再生データとクロックとの位相差を検出することが出来る。
なお、前述の各実施形態では、ディスク媒体に記録された信号を再生する装置について説明したが、これ以外にも、例えば、伝送路を介して信号を受信する装置などにも同様に本発明を適用可能である。
Claims (12)
- 記録媒体から情報信号を再生する再生手段と、
前記再生手段から出力された再生信号をクロックに応じてサンプリングし、1サンプル複数ビットのデジタル信号に変換する変換手段と、
前記変換手段から出力されたデジタル信号に対してパーシャルレスポンス(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られる連続したnサンプル(nは2以上の整数)のデータからなるnビットのデータ中の特定のパターンを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出し、前記再生信号と前記クロックとの位相差を示す信号として出力する抽出手段と、
前記抽出手段の出力に応じて前記クロックを出力するクロック発生手段と、
前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出し、この抽出結果に基づいて前記変換手段から出力されたデジタル信号のセンターレベルに対するオフセットを検出するオフセット検出手段と、
前記オフセット検出手段の出力に基づいて前記変換手段から出力されたデジタル信号のセンターレベルを調整する調整手段とを備える再生装置。 - 前記特定パターンは前記nビットのデータに対応する前記変換手段からのデジタル信号中にゼロクロス点が含まれているパターンであることを特徴とする請求項1記載の再生装置。
- 前記抽出手段は、前記パターン検出手段により検出されたパターンの種類に応じて、前記抽出されたデジタル信号の符号を反転させて出力することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
- 前記特定パターンは前記nビットのデータに対応する前記変換手段からのデジタル信号中にゼロクロス点が含まれているパターンであり、前記抽出手段は前記デジタル信号中のゼロクロス前後のサンプル間のアイパターンの傾きに対応した前記特定パターンの種類に応じて前記抽出されたデジタル信号の符号を反転させて出力することを特徴とする請求項3記載の再生装置。
- 前記パターン検出手段は、前記特定パターンとして複数のパターンを検出することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
- 前記オフセット検出手段は、前記パターン検出手段の出力に応じて抽出した前記デジタル信号を積分する積分回路を有し、前記積分回路の積分結果を前記オフセットの情報として前記調整手段に出力することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
- 記録媒体から情報信号を再生する再生手段と、
前記再生手段から出力された再生信号をクロックに応じてサンプリングし、1サンプル複数ビットのデジタル信号に変換する変換手段と、
前記変換手段から出力されたデジタル信号に対してパーシャルレスポンス(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られる連続したnサンプル(nは2以上の整数)のデータからなるnビットのデータ中の特定のパターンを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出し、前記パターン検出手段が検出したパターンの種類に応じて前記抽出したデジタル信号の値を制御して、前記再生信号と前記クロックとの位相差を示す信号として出力する抽出手段と、
前記抽出手段の出力に応じて前記クロックを出力するクロック発生手段とを備える再生装置。 - 前記抽出手段は、前記パターン検出手段が第1のパターンを検出した場合には前記抽出したデジタル信号の値をそのまま出力し、前記パターン検出手段が第2のパターンを検出した場合には前記抽出したデジタル信号の値をm倍に変換して出力することを特徴とする請求項7記載の再生装置。
- 前記特定パターンは前記nビットのデータに対応する前記変換手段からのデジタル信号中にゼロクロス点が含まれているパターンであり、前記第1のパターンと第2のパターンは、前記デジタル信号中のゼロクロス前後のサンプル間のアイパターンの傾きが互いに異なるパターンであることを特徴とする請求項7または8記載の再生装置。
- 記録媒体から情報信号を再生する再生手段と、
前記再生手段から出力された再生信号をクロックに応じてサンプリングし、1サンプル複数ビットのデジタル信号に変換する変換手段と、
前記変換手段から出力されたデジタル信号に対してパーシャルレスポンス(1、1)の処理を施し、その結果を2値判定して得られる連続したnサンプル(nは2以上の整数)のデータからなるnビットのデータ中の特定のパターンを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段の出力に応じて前記変換手段から出力されたデジタル信号を抽出する抽出手段と、
前記再生信号と前記クロックとが位相ロックしているか否かを検出する位相ロック検出手段と、
前記抽出手段により抽出されたデジタル信号と前記位相ロック検出手段の出力とに基づいて、前記再生信号と前記クロックとの位相差を示す位相誤差信号を出力する位相差検出手段と、
前記位相差検出手段から出力された位相誤差信号に応じて前記クロックを出力するクロック発生手段とを備える再生装置。 - 前記パターン検出手段は第1のパターンと第2のパターンとを含む複数の前記特定パターンを検出し、前記位相差検出手段は、前記位相ロック検出手段により位相ロックが検出されていない場合には前記第1のパターンと第2のパターンに応じて前記抽出手段により抽出された何れのデジタル信号により前記位相誤差信号を更新して出力し、前記位相ロック検出手段により位相ロックが検出されている場合には前記第1のパターンに応じて前記抽出手段により抽出されたデジタル信号のみにより前記位相誤差信号を更新して出力することを特徴とする請求項10記載の再生装置。
- 前記情報信号がランレングスリミテッド(1、7)方式で変調されて記録されており、前記第1のパターンは前記再生信号の波形のパルス幅が1T(Tはサンプル周期)となるパターンであり、前記第2のパターンは前記再生信号の波形のパルス幅が2Tとなるパターンであることを特徴とする請求項8または11記載の再生装置。
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2005
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