JP2006193345A - セラミックス微小球およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均円相当径が10μm以上76μm以下の範囲内にあり、その標準偏差値が平均円相当径の8%以下であり、平均円形度が0.9〜1の範囲内にあり、その標準偏差値が0.025以下であり、かつ焼結後の表面の算術平均線粗さが4μm以下であるセラミックス微小球を用いる。
【選択図】 選択図なし
Description
しそれらは平均粒径に対する標準偏差が8%を超えており、粒径のバラツキが大きく、分散・粉砕メディアとして用いた場合、原料とメディアの分離が難しく、原料側にメディアが混入するという課題があった。
本発明のセラミックス微小球の平均円形度は、0.9〜1の範囲内にあり、その標準偏差は0.025以下である。
平均円形度が、0.9未満の場合は楕円形状のものが多くなり、セラミックス微小球を焼結して、高速攪拌ミル用の粉砕メディアやブラストなどの投射材に使用した場合、原料とメディアの分離セパレータへの噛み込みや割れ欠けの要因となり、粉砕した原料側に割れ欠け品が混入し、原料の特性に大きな影響を及ぼしたり、ブラストした被処理材の表面に突き刺さるという品質上の問題につながる。
平均円相当径が50μm以下のセラミックス微小球では、内部欠陥が多いと高速攪拌ミル用の粉砕メディアやブラストなどの投射材に使用した場合、割れ欠けの要因となり、粉砕した原料側に割れ欠け品が混入し、原料の特性に大きな影響を及ぼし、ブラストした被処理材の表面に突き刺さるという品質上の問題につながる。
核となる噴霧球を得る工程や該核を液中造粒により成長させる工程において、より緻密な微小球を得ることができると共に、この微小球を焼結する際の温度を下げることができるので、焼結時において、球同士が付着焼結し、凝集物となることがない。
市販の東ソー製ZrO2粉末(TZ−3Y−E)をφ10mmジルコニアボールが充填された粗粉砕機を用いて同量の水に分散させ、平均中心粒径0.57μm、1μm以上の粗粒の比率が30%のスラリーとした。次に、該スラリーをφ0.2mmジルコニアビーズが充填された高速攪拌ミルを用いて循環粉砕し、平均中心粒径0.25μm、1μm以上の粗粒の比率が0%のジルコニア粉砕スラリーを得た。該粉砕スラリーの一部をアトマイザー方式により噴霧乾燥し、超音波式篩で分級した。
実施例1で得た平均中心粒径0.25μmの粉砕スラリーを更に、実施例1で得た平均円相当径が75.1μmのジルコニア焼結球が充填された高速攪拌ミルを用いて循環粉砕し、平均中心粒径0.12μm、1μm以上の粗粒の比率が、0%のジルコニア粉砕スラリーを得た。
核として実施例2で得られたジルコニア造粒球(画像解析による平均円相当径が42.5μmであり、その標準偏差が平均円相当径の7.08%)を使用する以外は実施例2と同じ条件で造粒と乾燥を2回繰り返し、オーブン乾燥機に入れ、120℃で乾燥した後、目開き63μmと77μmで分級し、画像解析による平均円相当径が66.5μmであり、その標準偏差が平均円相当径の3.12%のジルコニア造粒球を約5kg得、大気雰囲気下で電気炉により、1275℃、保持4時間の条件で焼結した。得られた微小球は、画像解析による平均円相当径が51.8μmであり、その標準偏差が平均円相当径の3.98%、平均円形度が0.932であり、その標準偏差が0.018、また、撮影倍率1000倍における表面の算術平均線粗さが2.41μm、平均対理論密度が98%のジルコニア焼結球であった。
初期核として20〜25μmのジルコニア噴霧球(画像解析による平均円相当径が24.1μmであり、その標準偏差が平均円相当径の7.55%)を使用する以外は実施例2と同じ条件で造粒を行い、オーブン乾燥機に入れ、120℃で乾燥した後、目開き25μmと34μmで分級し、画像解析による平均円相当径が32.7μmであり、その標準偏差が平均円相当径の6.48%のジルコニア造粒球を約5kg得、大気雰囲気下で電気炉により、1275℃、保持4時間の条件で焼結した。得られた微小球は、画像解析による平均円相当径が24.4μmであり、その標準偏差が平均円相当径の7.65%、平均円形度が0.912であり、その標準偏差が0.022、また、撮影倍率1000倍における表面の算術平均線粗さが2.42μm、平均対理論密度が98.5%のジルコニア焼結球であった。
平均中心粒径0.12μmのジルコニア粉砕スラリーを液中造粒に使用する以外は、実施例1と同じ条件で造粒と乾燥および分級を行い、画像解析による平均円相当径が95.3μmであり、その標準偏差が平均円相当径の3.24%のジルコニア造粒球を約6kg得、大気雰囲気下で電気炉により、1250℃、保持4時間の条件で焼結した。得られた微小球は、画像解析による平均円相当径が74.5μmであり、その標準偏差が平均円相当径の3.02%、平均円形度が0.936であり、その標準偏差が0.013、また、撮影倍率1000倍における表面の算術平均線粗さが2.79μm、平均対理論密度が98%のジルコニア焼結球であった。
市販の東ソー社製ZrO2粉末(TZ−8Y)を実施例1と同じ粗粉砕機で同量の水に分散させ、平均中心粒径0.58μm、1μm以上の粗粒の比率が28%のスラリーとした後、実施例5で得たジルコニア焼結球が充填された高速攪拌ミルを用いて循環粉砕し、平均中心粒径0.12μm、1μm以上の粗粒の比率が0%のジルコニア粉砕スラリーを得た。
市販の東ソー社製ZrO2粉末(TZ−0)と日産化学社製コロイダルシリカ(スノーテックスN:SiO220%)を実施例1と同じ粗粉砕機を用いて混合し、セラミックススラリーとし、アトマイザー方式で噴霧乾燥し、ZrO265%−SiO235%のジルコン組成の粉末(理論密度:4.7g/cm3)を得た。
市販の大明化学社製Al2O3粉末(TM−D:理論密度:3.98g/cm3)に東ソー製ZrO2粉末(TZ−3Y−E)を4.2重量%添加し、実施例7と同じ条件で粉砕し、平均中心粒径0.12μm、1μm以上の粗粒の比率が0%のアルミナ粉砕スラリーを得た。
実施例1と同じ平均中心粒径0.57μm、1μm以上の粗粒の比率が、30%のスラリーをφ0.8mmジルコニアビーズが充填された高速攪拌ミルを用いて循環粉砕し、平均中心粒径0.45μm、1μm以上の粗粒の比率が、2%のジルコニア粉砕スラリーを得た。
液中造粒に用いる平均中心粒径0.25μmのジルコニア粉砕スラリーを8kg、初期核として同じスラリーで噴霧乾燥し、分級した目開き53μm以下のジルコニア噴霧球(画像解析による平均円相当径が35.1μmであり、その標準偏差が平均円相当径の12.56%)を2kg使用する以外は、実施例2と同じ条件で、該核に被着させた後、オーブン乾燥機に入れ、120℃で乾燥し、目開き25μmと63μmで分級し、画像解析による平均円相当径が47.7μmであり、その標準偏差が平均円相当径の13.52%のジルコニア造粒球を約5kg得、大気雰囲気下で電気炉により、1300℃、保持4時間の条件で焼結した後、目開き20μmと45μmで分級した。得られた微小球は、画像解析による平均円相当径が37.7μmであり、その標準偏差が平均円相当径の11.8%、平均円形度が0.897であり、その標準偏差が0.033、また、撮影倍率1000倍における表面の算術平均線粗さが2.90μm、平均対理論密度が98%のジルコニア焼結球だった。
Claims (6)
- 平均円相当径が10μm以上76μm以下、その標準偏差が平均円相当径の8%以下、平均円形度が0.9以上1以下、その標準偏差値が0.025以下、かつ焼結後の表面の算術平均線粗さが4μm以下であることを特徴とするセラミックス微小球。
- 年輪状あるいは空孔として5μm以上の欠陥が存在する内部欠陥保有率が3%以下、平均対理論密度が97%以上である請求項1記載のセラミックス微小球。
- セラミックスが、ジルコニア、アルミナ、ジルコン、ムライト、シリカ、チタニアの1種、またはこれらを主成分とする複合材料のいずれかであることを特徴とする請求項1〜2に記載のセラミックス微小球。
- セラミックス微小球が、噴霧球を液中造粒した造粒球を焼結した焼結球であることを特徴とする請求項1〜3に記載のセラミックス微小球。
- 平均粒径が0.3μm以下のセラミックススラリーを噴霧造粒し、平均円相当径が10〜53μmの範囲内、その標準偏差値が平均円相当径の8%以下の噴霧球に分級し、該噴霧球の初期核上に同組成の平均中心粒径が0.3μm以下のセラミックススラリーをアルカリ液中で該初期核に被着した造粒球とし、該造粒球を乾燥後、目開きが16〜100μmの範囲内、その標準偏差値が平均円相当径の8%以下に分級し、焼結することを特徴とする請求項1〜4に記載のセラミックス微小球の製造方法。
- 平均中心粒径が0.3μm以下のセラミックススラリーをアルカリ液中で核に被着して造粒球とし、該造粒球を乾燥後、目開きが16〜100μmの範囲内、その標準偏差値が平均円相当径の8%以下に分級する工程を2回以上繰り返すことを特徴とする請求項5に記載のセラミックス微小球の製造方法。
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