JP2006156754A - ダイシングダイボンドテープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルムの破断伸び率が500%以下、破断強度が10〜40MPaである基材フィルムを使用し、更に粘着剤と接する基材フィルム層がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることによって、ダイシング時の切削性が向上できることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
ダイシング工程は、半導体ウエハをあらかじめダイシングテープに貼り付けて固定した後、チップ形状に沿ってダイシングを行う。その後マウント工程が行われるが、近年前記ダイシングテープの粘着層にチップを基板にマウントするのに適した接着剤があらかじめ塗工されるか、ダイシング工程とマウント工程の両工程に適した粘接着剤が塗工された、いわゆるダイシングダイボンドテープが開発されている。前者の場合は、粘着層と接着層の間で剥離することによってマウント工程に供されるのに対し、後者の場合は、粘接着層と基材層の間で剥離することによってマウント工程に供されるのが一般的である。
また、マウント工程においては、チップ−チップ間およびチップ−基板間において十分な接着力が要求され、各種のダイシングダイボンドテープが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらのダイシングダイボンドテープに用いられているフィルム状接着剤はエポキシ樹脂等の低分子量物質を多く含んでおり、一般のダイシングテープに用いられている粘着剤層と比較すると、軟らかく切削性が劣る傾向がある。そのため、ダイシング時に、ヒゲ状の切削屑やフィルム状接着剤のバリが多く発生する、ダイシング後のピックアップ工程でピックアップ不良をおこしやすい、ICなどの半導体装置組立工程でのチップの接着不良が生じやすい、あるいはIC等の不良品が発生してしまうという問題点があった。
(1)基材フィルム上に粘接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープであって、該基材フィルムの破断伸び率が500%以下で、かつ破断強度が10〜40MPaであることを特徴とするダイシングダイボンドテープ、
(2)前記粘接着剤層と接する基材フィルム層がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)記載のダイシングダイボンドテープ、
(3)前記粘接着剤層と接する基材フィルム層の酢酸ビニル含量が3〜20質量%であることを特徴とする(2)記載のダイシングダイボンドテープ、
(4)前記粘接着剤層のうち基材フィルム層に接する層は粘着剤層であって、該粘着剤層に直接または間接に接着剤層が積層されてなる(1)〜(3)のいずれか1項記載のダイシングダイボンドテープ、
(5)前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることを特徴とする(4)記載のダイシングダイボンドテープ、
(6)半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定されて、ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする(4)または(5)に記載のダイシングダイボンドテープ、
を提供するものである。
図1における本発明のダイシングダイボンドテープ10は、基材フィルム1上に粘着剤層2、接着剤層3が順次この順に設けられた構造を有している。図1にはこのように粘着剤層2と接着剤層3が積層されて、粘接着剤層が形成されている場合が記載されているが、このような場合だけでなく、1層で粘接着の両方の性質を有する場合でもよい。本発明においては、前者の場合は粘着剤層2と接着剤層3の積層されたものを、粘接着剤層と称する。
図2には、ダイシング用リングフレーム12部分には、基材フィルム上に粘着剤層が形成されているだけであるが、該リングフレーム内側の半導体ウエハ貼合部分にのみ該粘着剤層上に接着剤層が形成された本発明のダイシングダイボンド用粘接着テープが示されている。本実施形態では、リングフレームには粘着剤層が貼合されているだけで、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
次に、本発明のダイシングダイボンドテープの構成について順に説明する。
本発明のダイシングダイボンドテープを構成する基材フィルムについて説明する。基材フィルムは複層でもよいし、単層で構成されていてもよい。ダイシング時に、ヒゲ状の切削屑やフィルム状接着剤のバリを少なくするために基材フィルムの破断伸び率が500%以下、破断強度が10〜40MPaであることが好ましく、更に好ましくは伸び率が200〜500%でかつ破断強度が20〜35MPaである。基材フィルムを構成する樹脂組成物としては上記物性値の範囲内であれば特に限定されるものではなく、従来公知の各種プラスチック、ゴムなどを用いることができる。
基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることによって、ブロッキング防止、粘着テープの放射状延伸時の粘着テープと治具との摩擦を減少することによる基材フィルムのネッキング防止などの効果が得られ、好ましい。
以上のように基材フィルムが形成された後、基材フィルム上にさらに粘接着剤層が形成され、本発明のダイシングダイボンド用粘接着テープが製造される。以下、基材フィルム上に粘着剤、接着剤が順次形成される粘接着剤層が積層タイプの場合について説明する。
粘着剤層は、基材フィルム上に粘着剤を塗工して製造してよい。本発明のダイシングダイボンドテープを構成する粘着剤層に特に制限はなく、ダイシング時には接着剤層とのチップ飛びなどの不良を発生しない程度の保持性や、ピックアップ時には接着剤層と剥離が容易とする特性を有するものであればよい。ダイシング後のピックアップ性を向上させるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましく、接着剤層との剥離が容易な材料であることが好ましい。
例えば、本発明では、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることが好ましい。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物((1))と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物((2))とを反応させて得たものが用いられる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の質量平均分子量である。
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。を挙げることができ、具体的には、コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製商品名)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製商品名)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(C)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
粘着剤層の厚さは少なくとも5μm、より好ましくは10μm以上であることが好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
本発明の好ましい一実施態様である、ダイシングダイボンドテープとしては前記の粘着剤層に接着剤層が積層された構成とすることができる。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着剤層と剥離してチップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、特に限定されるものではないが、ダイシングダイボンドテープに一般的に使用されるフィルム状接着剤であれば良く、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
下記のように粘着剤層組成物、接着フィルムを調整し、各種基材フィルムに粘着剤層組成物を乾燥膜厚が表1に示す厚さとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着テープを作製した。これらの粘着テープの粘着剤層上に接着フィルム3A〜3Cを貼合し、表1、表2に示すような実施例1〜7、比較例1〜3のダイシングダイボンドテープを作製した。実施例8については基材フィルムに粘接着剤層組成物を乾燥膜厚が表1に示す厚さとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、ダイシングダイボンドテープを作製した。この際に、実施例1〜7、比較例1〜3については基材フィルムと粘着剤との密着性を良好とするため基材フィルムの表面改質処理としてコロナ処理を行った。実施例8についてはダイシング後に基材フィルムからの粘接着剤の剥離を容易とするために表面改質処理を行わなかった。これら実施例1〜8、比較例1〜3のダイシングダイボンドフィルムで各種特性評価を行った。
基材フィルム1A:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量5質量%)の単層フィルム
基材フィルム1B:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量20質量%)の単層フィルム
基材フィルム1D:エチレン−酢酸ビニル共重合体 酢酸ビニル含量 5質量%の層(厚さ50μm)とポリプロピレン50μm(日本ポリケム社製商品名 FW3E)の層を積層した2層構成のフィルム
基材フィルム1E:エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル社製 商品名ハイミラン1706)の単層フィルム
基材フィルム1F:エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポン・ケミカル製 ニュクレル 0903HC)の層(厚さ50μm)とエチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル社製商品名ハイミラン1706)の層(厚さ50μm)を積層した2層構成のフィルム
基材フィルム1G:ポリプロピレン(日本ポリケム社製商品名FW3E)と水素添加してなるスチレン・ブタジエン共重合体(JSR社製商品名ダイナロン1320P)を7:3の割合で混合してなる単層フィルム
基材フィルム1H:水素添加してなるスチレン・ブタジエン共重合体(JSR社製商品名ダイナロン1320P)の層を両側からポリプロピレン(日本ポリケム社製商品名 FW3E)の層で挟んだ3層構成のフィルム
基材フィルム1I:ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン社製商品名 テトロン)を使用した基材フィルム
(粘着剤組成物2A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、表1に示すヨウ素価、分子量、ガラス転移点をもつ放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Aを調製した。
アクリル樹脂(質量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物2Bを得た。
(接着フィルム3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分間混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が40μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルム3Aを作製した。
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体1部とした以外は接着フィルム3Aの作製と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Bを作製した。
硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部とし、キュアゾール2PZにかえてキュアゾール2PHZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニル-4,5−ジヒドロキシイミダゾール)2.5質量部とした以外は接着フィルム3Aの作成と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Cを作製した。
(粘接着フィルム1D)
エチルアクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートがモル比で80:5:15からなる重量平均分子量23万のアクリル系共重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを2−ヒドロキシエチルアクリレートに対してモル比で60%付加反応させた紫外線硬化性アクリル系共重合体100質量部とポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002)300質量部を攪拌混合し、真空脱気し、粘接着剤を得た。接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が40μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた粘接着フィルム1Dを作製した。
表1に示すような実施例1〜8、比較例1〜3のダイシングダイボンド用粘接着テープを作製し、破断伸び率、破断強度、チップ表面、基材上のヒゲ状切削屑の数、接着剤のバリの有無、ピックアップ成功率特性評価を下記のようにおこなった。
実施例および比較例に使用した基材フィルムを、JIS K 7127(プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法)の引張試験方法に準拠し、23±2℃の温度、 50±5%の湿度、50mmの標線間距離及びつかみ間距離、300mm/minの速度で試験を行ない、機械加工方向(MD)における測定値である。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドフィルムに厚さ100μm、直径200mmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DAD340)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。その後、シリコンウエハ中央部のチップ100個分について、チップ表面のヒゲ状切削屑数を顕微鏡観察によりカウントし、チップ表面のヒゲ状切削屑の数とした。また、シリコンウエハ中央部の接着剤が転着したチップ100個分を剥離後のテープ上のヒゲ状切削屑数をシリコンウエハ中央部のチップ100個分について、顕微鏡観察によりカウントし、基材上のヒゲ状切削屑数とした。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドフィルムに厚さ100μm直径200mmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DAD340)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。その後、ダイボンド剤が転着したチップの側面の接着剤のバリの有無をシリコンウエハ中央部のチップ20個について、顕微鏡観察により接着剤のバリの有無を調査した。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドフィルムに厚み100μmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、10mm×10mmにダイシングした。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
2: 粘着剤層
3: 接着剤層
10:ダイシングダイボンドテープ
11:半導体ウエハ
12:ダイシング用リングフレーム
Claims (6)
- 基材フィルム上に粘接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープであって、該基材フィルムの破断伸び率が500%以下で、かつ破断強度が10〜40MPaであることを特徴とするダイシングダイボンドテープ。
- 前記粘接着剤層と接する基材フィルム層がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記粘接着剤層と接する基材フィルム層の酢酸ビニル含量が3〜20質量%であることを特徴とする請求項2記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記粘接着剤層のうち基材フィルム層に接する層は粘着剤層であって、該粘着剤層に直接または間接に接着剤層が積層されてなる請求項1〜3のいずれか1項記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることを特徴とする請求項4記載のダイシングダイボンドテープ。
- 半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定されて、ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする請求項4または5に記載のダイシングダイボンドテープ。
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