JP2009158503A - ウエハ加工用テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイシング時のチップ側面のチッピングや接着剤層のバリの発生を抑制するとともに、薄膜チップをピックアップする際の剥離性に優れるウエハ加工用テープを提供すること。
【解決手段】本発明のウエハ加工用テープ10は、基材フィルム1上に中間樹脂層2、粘着剤層3、及び接着剤層4がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、中間樹脂層2は粘着剤層3よりも硬く、中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さはそれぞれ10μm未満であり、且つ、中間樹脂層2と粘着剤層3との合計の厚さは15μm未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等の加工のために使用されるウエハ加工用テープであって、より詳細には、ウエハのダイシング工程にて使用されるダイシングテープ、及び、ダイシング工程とダイシングされたチップをリードフレームや他のチップに接着させるためのマウント工程とに使用されるダイシング・ダイボンディングテープに関する。
ICなどの半導体装置の製造工程では、半導体ウエハの裏面に伸縮性のある粘着テープを貼り付けた後、パターン形成後の半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する工程と、切断されたチップをピックアップする工程と、ピックアップされたチップをリードフレームやパッケージ基板等に接着する、あるいは、スタックドパッケージにおいては、半導体チップ同士を積層、接着するマウント工程が実施される。
上記半導体装置の製造工程に使用される粘着テープとして、基材フィルム上に粘着剤層が設けられたダイシングテープの他、基材フィルム上に粘着剤層、接着剤層がこの順に積層されたダイシング・ダイボンディングテープが提案され、既に実用化されている。
ダイシングテープは、半導体ウエハをダイシングする工程で、切断されたチップが飛び散らないようにウエハを固定するものであり、ウエハを強力に固定する高い粘着力が求められる一方で、チップのピックアップ時には、チップから容易に剥がれることが求められる。
一方、ダイシング・ダイボンディングテープは、上記ダイシングテープの機能に加え、ダイシングテープとダイボンディングフィルム(ダイアタッチフィルムともいう)としての機能を有するものであり、チップのピックアップ工程において、接着剤層は粘着剤層から剥離して、チップの裏面に付着した状態でチップとともにピックアップされる。このようなダイシング・ダイボンディングテープを用いることで、接着剤層付きのチップを、リードフレームやパッケージ基板等にダイレクトにマウント可能であるので、接着剤の塗布工程や別途各チップにダイボンディングフィルムを接着する工程を省略することができる。
上記ダイシング工程では、ダイシングブレードにより、チップ形状に沿って粘着剤層の一部まで、あるいは、基材フィルムの一部まで切削される。しかしながら、ダイシング・ダイボンディングテープに用いられている接着剤層は、エポキシ樹脂等の低分子量物質を多く含んでおり、一般のダイシングテープに用いられている粘着剤層と比較すると、軟らかく切削性が劣る傾向がある。そのため、ダイシング時に接着剤層のバリが発生する。このような接着剤層のバリは、ダイシング後のピックアップ工程でのピックアップ不良や、マウント工程でのチップの接着不良などを引き起こし、半導体装置の歩留まりを低下させる。
上記の問題を解決するために、例えば、特許文献1には、基材フィルムと粘着剤層との間に、粘着剤層よりも貯蔵弾性率の大きい中間樹脂層を設けたウエハ加工用テープが開示されている。
特開2006−49509号公報
上記特許文献1には、基材フィルムと粘着剤層との間に、粘着剤層よりも貯蔵弾性率の大きい中間樹脂層を設けることで、チップ側面の欠けや割れ(チッピング)を抑制できるとともに、ダイシング時のヒゲ状切削屑が少なく、接着剤層の良好な切削性を得ることができることが記載されている。また、特許文献1では、厚さ100μmのウエハをダイシング及びピックアップした際に、ピックアップ成功率100%を達成できたことが記載されている。
しかしながら、近年、半導体装置の小型化、薄膜化に伴い、ダイシングするウエハの薄膜化が進み、その厚さが50μm以下のものが多くなり、チップのテープからの剥離が困難になってきている。したがって、ウエハ加工用テープに対して、ピックアップ時の剥離性のさらなる改善が求められている。
そこで、本発明は、ダイシング時のチップ側面のチッピングや接着剤層のバリの発生を抑制するとともに、薄膜チップをピックアップする際の剥離性に優れるウエハ加工用テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、基材フィルムと粘着剤層との間に、粘着剤層よりも硬い中間樹脂層を設け、中間樹脂層及び粘着剤層の厚さをそれぞれ10μm未満、且つ、中間樹脂層と粘着剤層との合計の厚さを15μm未満に設定することで、ダイシング時のチップ側面のチッピングや接着剤層のバリの発生を抑制するとともに、50μm以下の薄膜チップを良好にピックアップできることを見出した。本発明は、この知見に基づき完成されたものである。
本発明の第1の態様は、基材フィルム上に中間樹脂層、粘着剤層がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、前記中間樹脂層は前記粘着剤層よりも硬く、前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ10μm未満であり、且つ、前記中間樹脂層と前記粘着剤層との合計の厚さは15μm未満であることを特徴とするウエハ加工用テープである。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記粘着剤層の上に、さらに接着剤層を有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ7μm未満であり、且つ、前記中間樹脂層と前記粘着層との合計の厚さは14μm未満であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、上記第3の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層と前記粘着剤層との合計の厚さは10μm未満であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、上記第4の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ5μm未満であることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、上記第1から第5のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層の厚さは、前記粘着剤層よりも大きいことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、上記第1から第6のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層の80℃における貯蔵弾性率が、5×104〜1×107Paの範囲にあることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、上記第1から第7のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層の25℃における貯蔵弾性率が、5×104〜1×107Paの範囲にあることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、上記第1から第8のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層は、3次元網状構造を有するアクリル系樹脂であることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、上記第1から第9のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記中間樹脂層は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、上記第1から第10のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物(B)とを含有することを特徴とする。
本発明のウエハ加工用テープは、薄膜チップのピックアップ時に要求される剥離性に優れ、ウエハのダイシング時に発生するチップ側面のチッピングや接着剤層のバリの発生を抑制、防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明のウエハ加工用テープの二つの例を示したものである。図1は、基材フィルム1上に中間樹脂層2、粘着剤層3、及び接着剤層4が積層されたダイシング・ダイボンディングテープ10であり、図2は、基材フィルム1上に中間樹脂層2、粘着剤層3が積層されたダイシングテープ20である。図1及び図2においては、ウエハ加工用テープに半導体ウエハWとダイシング用リングフレーム12とが貼り合わされた様子が示されている。
それぞれの層は、使用工程や装置に併せて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよい。また、ウエハWが貼り合わされる前のダイシング・ダイボンディングテープ10及びダイシングテープ20には、接着剤層4又は粘着剤層3を保護するためにカバーフィルムが設けられていても良い。また、本発明のウエハ加工用テープは、ウエハ1枚分ごとに切断された形態と、これが複数形成された長尺のシートをロール状に巻き取った形態とを含む。
図1及び図2の構成において、中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さはそれぞれ10μm未満であり、且つ、中間樹脂層2と粘着剤層3との合計の厚さは15μm未満に設定される。中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さを、このような範囲に設定することで、薄膜チップをピックアップする際に優れた剥離性が発現される。より好ましくは、中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さがそれぞれ7μm未満であり、且つ、中間樹脂層2と粘着層3との合計の厚さが14μm未満である。さらに好ましくは、中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さがそれぞれ7μm未満であり、且つ、中間樹脂層2と粘着層3との合計の厚さが10μm未満である。よりいっそう好ましくは、中間樹脂層2及び粘着剤層3の厚さがそれぞれ5μm未満である。また、チップ側面のチッピングを抑制する観点からは、中間樹脂層2の厚さが、粘着剤層3よりも大きいことが好ましい。
なお、中間樹脂層2及び粘着剤層3は、それぞれ複数の層が積層された構成であってもよい。
次に、基材フィルムと各層の構成について順に説明する。
(基材フィルム)
本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10及びダイシングテープ20を構成する基材フィルムについて説明する。
基材フィルムとしては、特に限定されるものではなく公知のプラスチック、ゴムなどを用いることができる。一般に基材フィルムとしては熱可塑性のプラスチックフィルムが用いられている。放射線透過性であることが好ましく、特に粘着剤層に放射線硬化性の粘着剤を使用する場合にはその粘着剤が硬化する波長での放射線透過性の良いものを選択する必要がある。このような基材として選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、これらを複層にしたものを使用しても良い。
なお、半導体チップ間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルムを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタン、分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を例示することができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルムを用いると効果的である。
基材フィルムの中間樹脂層が設けられる側の表面には、中間樹脂層との接着性を向上させるためにコロナ処理、あるいはプライマー層を設ける等の処理を適宜施しても良い。
基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることによって、ブロッキング防止、粘着テープの放射状延伸時の粘着テープと治具との摩擦を減少することによる基材フィルムのネッキング防止などの効果が得られ、好ましい。
(中間樹脂層)
本発明の本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10及びダイシングテープ20を構成する中間樹脂層2は、後述する粘着剤層3より硬いもの、すなわち室温又は80℃での貯蔵弾性率が粘着剤層3よりも高いものである限り、特に制限は無い。ダイシング時のチップの割れ・欠け(チッピング)を抑制するためには、中間樹脂層2の80℃又は25℃における貯蔵弾性率の好ましい範囲は5×10〜1×10Paであり、より好ましくは1×10〜5×10Paである。
特に、図1に示すダイシング・ダイボンディングテープ10を用いる場合には、このように粘着剤層3よりも硬い中間樹脂層2を設けることで、粘着剤層3を介して、流動性の高い柔軟な接着剤層4の下に硬い中間樹脂層2が存在することになるので、ダイシングの際の接着剤層4の切削性が向上し、接着剤層のバリの発生を抑制することができる。
中間樹脂層は粘着成分と硬化成分とを含む混合物を基材フィルム上に塗工した後、硬化させることによって形成することができる。中間樹脂層には、室温で1週間程度放置することによって徐々に硬化し、好ましい範囲の弾性率となるような材料を用いることが好ましい。
中間樹脂層を硬くする方法としては、主成分として使用される粘着成分のガラス転移点(Tg)を高くする、中間樹脂層に添加される硬化剤量を多く配合する、あるいは無機化合物フィラーを加えるなどの方法が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、放射線照射によって硬化する材料を使用し、放射線照射によって硬化させて中間樹脂層の硬さを調整してもよい。なお、ここで、放射線とは、例えば紫外線のような光、あるいはレーザ光、または電子線のような電離性放射線を総称して言うものである。(以下、放射線と言う。)
粘着成分は、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系などの種々の汎用粘着剤を用いることができるが、本発明においては、特にアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえばグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸グリシジル等、また水酸基を有するヒドロキシエチルアクリレートを挙げることができる。
硬化剤としてはポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この硬化剤は架橋剤として働き、アクリル樹脂等の粘着成分と反応した結果できる架橋構造により、中間樹脂層は3次元網状構造を有し、ダイシング等によって生じる温度上昇時にも軟化しにくいものとなる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、市販品として、コロネートL等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、例えば、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、例えば、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
さらに、中間樹脂層に放射線硬化性を持たせることで、ダイシング後に放射線硬化により中間樹脂層を硬化収縮させチップのピックアップ性を向上させても良い。
放射線硬化性を持たせるためには例えば光重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリレート系オリゴマーを添加することが挙げられる。これらのオリゴマーとしては光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く適用可能である。
また、上記の様なアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いる事も出来る。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
放射線により中間樹脂層を重合させる場合には、光重合性開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用する事が出来る。これらのうち少なくとも1種類を中間樹脂層に添加する事により、効率よく重合反応を進行させる事が出来る。
さらに中間樹脂層には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。
このように基材に塗布された硬化後の中間樹脂層は熱硬化性の樹脂であり、ダイシング温度付近でも急激に軟化することなく良好な切削性が得られる。
(粘着剤層)
図1に示すダイシングテープ20は、基材フィルム1に中間樹脂層2を形成し、中間樹脂層2上にさらに粘着剤層3を形成することで得られる。
粘着剤層3の形成は、通常のダイシングテープ同様に基材フィルム1に形成された中間樹脂層2上に粘着剤を塗工して製造してよく、粘着剤の塗工は、中間樹脂層2が塗工された後であればよいが、中間樹脂層2が放射線照射によって貯蔵弾性率が調整されるものであれば、中間樹脂層2が放射線によって硬化された後に塗工することが必要である。
本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10及びダイシングテープ20を構成する粘着剤層3としては、特に制限は無く、ダイシング時には接着剤層とのチップ飛びなどの不良を発生しない程度の保持性や、ピックアップ時には接着剤層と剥離が容易とする特性を有するものであれば良い。ダイシング後のチップのピックアップ性を向上させるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましく、特にダイシング・ダイボンディングテープ10においては、接着剤層との剥離が容易な材料であることが好ましい。
このような粘着剤層としては、例えば、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物(B)とを含むアクリル系粘着剤を用いることができる。
粘着剤層の主成分の1つである化合物(A)について説明する。化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の好ましい導入量はヨウ素価で0.5〜20、より好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができる。また、ヨウ素価が20以下であれば、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分であるので、ウエハダイシング後にウエハ加工用テープのエキスパンドを行う場合のチップ間隙を十分得ることができ、ピックアップ時の各チップの画像認識性を向上させることができる。さらに、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。
上記化合物(A)は、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、−66℃〜−28℃であることがより好ましい。ガラス転移点(以下、Tgと言う。)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分であり、0℃以下であれば、表面状態が粗いウエハにおけるダイシング後の素子の飛散防止効果が十分得られる。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物((1))と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物((2))とを反応させて得たものが用いられる。
このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物((1))は、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総質量の5質量%以下の範囲内で可能である。
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
化合物((2))において、用いられる官能基としては、化合物((1))、つまり単量体((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
化合物((1))と化合物((2))の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本発明で規定するものを製造することができる。
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本発明において、化合物(A)の分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射による凝集力が小さくなって、ウエハをダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
なお、ヨウ素価は、Das法に基づき反応条件を40℃、24時間にして算出したものであり、分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量と算出したものである。また、水酸基価は、FT−IR法にて算出したものであり、酸価は、JIS K 5407の11.1に準じて算出したものである。
つぎに、粘着剤層のもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルムと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(B)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.4〜3質量部とすることがより好ましい。その量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれる傾向がある。
また、本発明において、粘着剤層には、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着剤層の含まれる光重合開始剤(C)に特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
さらに本発明に用いられる放射線硬化性の粘着剤には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
(接着剤層)
図2に示すダイシング・ダイボンディングテープ20は、図1に示すダイシングテープ10に、さらに接着剤層4が形成されることで得られる。
接着剤層とは、ウエハWが貼り合わされダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着剤層から剥離してチップ裏面に付着し、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層3としては、特に限定されるものではないが、ダイシング・ダイボンディングテープに一般的に使用されるフィルム状接着剤であれば良く、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10の接着剤層3は、予め接着剤層3がフィルム化されたもの(以下、接着フィルムと言う。)を、前述の中間樹脂層2および粘着剤層3が基材フィルム1上に形成された本発明のダイシングテープの粘着剤層面にラミネートして形成することができる。ラミネート時の温度は10〜100℃の範囲で、0.1〜100kgf/cmの線圧をかけることが好ましい。なお、接着剤フィルムはセパレータ上に形成されたものを用い、ラミネート後にセパレータを剥離してもよく、あるいは、そのままダイシング・ダイボンディングテープのカバーフィルムとして使用し、ウエハを貼り合わせる際に剥離しても良い。また、接着フィルムは粘着剤層3の全面に積層してもよいが、予め貼り合わされるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層しても良い。ウエハに応じた接着フィルムを積層した場合、本発明のダイシング・ダイボンディングテープの使用時において、ウエハが貼り合わされる部分には接着剤層が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がなく、粘着剤層に貼り合わされて使用される。一般に接着剤層は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。プリカットされた接着剤フィルムを使用することで、リングフレームは粘着剤層に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように中間樹脂層組成物、粘着剤層組成物、接着フィルムを調整し、厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムに、中間樹脂層組成物を乾燥膜厚が表1に示す厚さとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、さらに粘着剤層組成物を乾燥膜厚が表1に示す厚さとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着テープを作製した。これらの粘着テープの粘着剤層上に接着フィルムを貼り合わせ、表1及び表2に示すような実施例1〜6、比較例1〜4のダイシング・ダイボンディングテープを作製し、特性評価をおこなった。
<中間樹脂層組成物の調製>
(中間樹脂層組成物1A)
アクリル樹脂(質量平均分子量:73万、ガラス転移温度−24℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して中間樹脂層組成物1Aを得た。
(中間樹脂層組成物1B)
アクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−7℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して放射線硬化性の中間樹脂層組成物1Cを得た。
<粘着剤層組成物の調製>
(粘着剤組成物2A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、表1に示すヨウ素価、分子量、ガラス転移点をもつ放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Aを調製した。
(粘着剤組成物2B)
アクリル樹脂(質量平均分子量:61万、ガラス転移温度−22℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物2Bを得た。
<接着フィルムの作製>
(接着フィルム3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製、商品名:2−フェニルイミダゾール)2.5部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が40μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルム3Aを作製した。
<特性評価>
表1に示すような実施例1〜6及び比較例1〜4のダイシング・ダイボンディングテープを作製し、また、中間樹脂層の25℃および80℃における弾性率80℃での粘着剤層の弾性率とチップ表面、接着剤のバリの有無、側面チッピングの平均値(μm)、ピックアップ成功率特性評価を下記のようにおこなった。
(弾性率)
中間樹脂層および粘着剤層の25℃または80℃での弾性率は、粘弾性計(レオメトリックサイエンス社製、商品名:ARES)を用いて、0℃から測定を開始し昇温速度5℃/分、周波数1Hzで、動的粘弾性を測定し、25℃または80℃に達した時点での貯蔵弾性率G´をそれぞれの弾性率とした。
また、測定される中間樹脂層および粘着剤層には作製後14日経過したものを使用した。
(接着剤のバリの有無)
実施例および比較例によって得られるダイシング・ダイボンディングテープに厚さ50μm直径200mmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DAD340)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。その後、シリコンウエハ中央部のチップ20個について、ダイボンド剤が転着したチップ側面の接着剤のバリの有無を顕微鏡観察により調査した。
(側面チッピング)
ダイシング時の欠け・クラック(チッピング)の評価として、側面チッピングを下記のように測定した。
実施例および比較例によって得られるダイシング・ダイボンディングテープに厚さ50μm直径200mmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DAD340)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。その後、5mm×5mmにダイシングし、ダイシング後のチップを観察し、チップ側面に発生したチッピングの大きさ(チップ端部からの大きさ)をシリコンウエハ中央部のチップ50個について測定し、その平均値を側面チッピングの値として求めた。
(ピックアップ性)
実施例および比較例によって得られるダイシング・ダイボンディングテープに厚み50μmのシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、10mm×10mmにダイシングした。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名:CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。ピックアップ性を以下のようにランク付けした。
突き上げピンによる突き上げ高さ0.7mm、0.5mm、0.3mmにおけるピックアップ成功率が100%のもの・・・◎
突き上げ高さ0.5mm、0.5mmにおけるピックアップ成功率が100%で、且つ、突き上げ高さ0.3mmにおけるピックアップ成功率が100%未満のもの・・・○
突き上げ高さ0.7mmにおけるピックアップ成功率が100%で、且つ、突き上げ高さ0.5mm、0.3mmにおけるピックアップ成功率が100%未満のもの・・・△
突き上げ高さ0.7mm、0.5mm、0.3mmにおけるピックアップ成功率が100未満のもの・・・×
それぞれの実施例、比較例における80℃および25℃での中間樹脂層の弾性率、80℃における粘着剤層の弾性率、チップ表面、接着剤のバリの有無、側面チッピングの平均値(μm)、ピックアップ性を表1、表2にまとめた。
Figure 2009158503
Figure 2009158503
比較例1及び2では、中間樹脂層及び粘着剤の厚さがそれぞれ10μm以上であるため、薄膜チップのピックアップ性に劣る。特に、比較例2では、中間樹脂層が粘着剤層よりも柔らかいため、接着剤のバリも発生した。
比較例3及び4では、中間樹脂層がないため、ダイシング時に接着剤のバリが生じた。
これに対し、実施例1〜6では、ダイシング時のチップ側面のチッピングや接着剤層のバリの発生を抑制するとともに、薄膜チップを良好にピックアップすることができた。
本発明の実施形態にかかるウエハ加工用テープに、半導体ウエハとダイシング用リングフレームとが貼り合わされた状態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態にかかるウエハ加工用テープに、半導体ウエハとダイシング用リングフレームとが貼り合わされた状態を示す断面図である。
符号の説明
1:基材フィルム
2:中間樹脂層
3:粘着剤層
4:接着剤層
10:ダイシング・ダイボンディングテープ
12:ダイシング用リングフレーム
20:ダイシングテープ

Claims (11)

  1. 基材フィルム上に中間樹脂層、粘着剤層がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、
    前記中間樹脂層は前記粘着剤層よりも硬く、
    前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ10μm未満であり、且つ、前記中間樹脂層と前記粘着剤層との合計の厚さは15μm未満であることを特徴とするウエハ加工用テープ。
  2. 前記粘着剤層の上に、さらに接着剤層を有することを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
  3. 前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ7μm未満であり、且つ、前記中間樹脂層と前記粘着層との合計の厚さは14μm未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
  4. 前記中間樹脂層と前記粘着剤層との合計の厚さは10μm未満であることを特徴とする請求項3に記載のウエハ加工用テープ。
  5. 前記中間樹脂層及び前記粘着剤層の厚さはそれぞれ5μm未満であることを特徴とする請求項4に記載のウエハ加工用テープ。
  6. 前記中間樹脂層の厚さは、前記粘着剤層よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  7. 前記中間樹脂層の80℃における貯蔵弾性率が、5×104〜1×107Paの範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  8. 前記中間樹脂層の25℃における貯蔵弾性率が、5×104〜1×107Paの範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  9. 前記中間樹脂層は、3次元網状構造を有するアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  10. 前記中間樹脂層は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  11. 前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物(B)とを含有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
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