JP2006103244A - 自動車内装材用基材および自動車内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変成ポリフェニレンエーテル系樹脂等の耐熱性樹脂を基材樹脂とした非常に軽量でかつガラスフリーにて、適度な難燃性を保持する事等による安全性、要求される諸特性、環境適合性等を満足させる自動車内装材用基材(発泡積層シート)および自動車内装材を得る。
【解決手段】 耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の片面のみに、耐熱性樹脂からなる非発泡層を積層した自動車内装材用基材であって、耐熱性樹脂からなる発泡層を上面に配置し、耐熱性樹脂からなる非発泡層を下面に配置した構成とすることにより、上記特性を有する自動車内装材用基材(発泡積層シート)および自動車内装材を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車内装材用基材および自動車内装材に関する。さらに詳しくは、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す。)を基材とする発泡シートを用いた、ガラスフリーで非常に軽量、かつ環境適合性、耐燃焼性などの安全性を兼ね備えた自動車内装材用基材および自動車内装材に関する。
従来、自動車内装材として、ウレタンフォームにガラス繊維を積層したシートあるいはポリプロピレン樹脂にガラス繊維を混合または積層した積層シートが広く用いられ、成形加工性および耐熱特性に優れているという特徴がある。これらの自動車内装材は、ガラス繊維を構成材料とするため、リサイクル性、特にマテリアルリサイクル性に劣る、または、軽量化が図れず燃費が上昇することによりCO2量が増加するという面から環境適合性に劣るものであった。近年、自動車の更なる燃費向上要求に対し、より一段の自動車内装材の軽量化が求められている。
また、自動車の内装材に対しては、火災発生時に車内に取り残された人身の安全確保のため難燃規制が課せられているので、ガラスフリーであって難燃性に劣る発泡積層シートでは、規制に合致する難燃性を得るための種々の工夫を行う必要がある。
より環境に優しく、安価であって有効な自動車の内装材を得るために、積層シートに難燃剤を添加する方法が検討されたが、製造が煩雑であり材料コストや製造コストの上昇を引き起こす。また、難燃性を得るために難燃性の熱可塑性樹脂被膜を用いる方法も開示されているが、現在、求められている難燃性を得るために、難燃性の熱可塑性樹脂被膜を用いることは、最近の環境適合性を求める要請に反する結果となるとともに、材料コストや製造コストの上昇にも繋がる。
これらの問題のうち、自動車内装材の軽量化、表皮材の接着性および難燃性を解決するために、軽量で耐熱性のある変性PPE系樹脂発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動車天井材用発泡積層シート(例えば、特許文献1参照)、変性PPE系樹脂発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートの片面に天然繊維が混紡された表皮を積層した自動車内装材用発泡積層シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。変性PPE系樹脂非発泡層を用い、表皮層で難燃性を保持させたこれらの技術では、かなりの効果を発揮してきているが、表皮構成に依らないで、自動車内装材用基材の難燃性を維持しつつ、更なる軽量化を達成することが望まれる。
実開平4−11162号報 特開2002−120328号報
本発明の目的は、変性PPE系樹脂を基材とする発泡シートを用いた、ガラスフリーで非常に軽量で、かつ成形性に優れ、安定した品質と環境適合性、耐燃焼性などの安全性を兼ね備えた自動車内装用基材および自動車内装材を提供することである。
本発明者は、耐熱性樹脂、特に、ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、「PPE系樹脂」と記す)およびポリスチレン系樹脂(以下、「PS系樹脂」と記す)との混合樹脂である変性PPE系樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の片面にのみ、PPE系樹脂およびポリスチレン系樹脂との混合樹脂である変性PPE系樹脂、および/または耐熱PS系樹脂からなる非発泡層を形成し、材料構成として、上面に発泡層を、かつ、下面に非発泡層を配置することにより、意匠用表皮での難燃に依らない、ガラスフリーにして軽量、かつ安定した品質、環境適合性及び耐燃焼性を備えた自動車内装材用基材および自動車内装材が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡シートの片面にのみ、耐熱性樹脂非発泡層を積層してなり、上面に発泡層を、下面に非発泡層を配置した構成であり、難燃剤を使用せず、意匠用表皮材の積層構成での難燃によらない、発泡積層シートのみ(基材単体)で燃焼性に優れることを特徴とする自動車内装材用基材に関する。
耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の片面のみに、耐熱性樹脂からなる非発泡層を積層し、かつ、耐熱性樹脂からなる発泡層を上面に配置し、耐熱性樹脂からなる非発泡層を下面に配置した構成であることが好ましい。
発泡層を構成する耐熱性樹脂がPPE系樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂75〜30重量%からなる変性PPE系樹脂であることが好ましい。
発泡層は、炭化水素系発泡剤を用いて押出発泡成形されたものであることが好ましい。
炭化水素系発泡剤は、イソブタンであることが好ましい。
炭化水素系発泡剤の添加量が耐熱性樹脂100重量部に対し、2〜5重量部であることが好ましい。
発泡シートの厚さが1〜5mm、発泡倍率が3〜20倍、発泡シートの目付が100〜300g/m2であることが好ましい。
非発泡層を構成する耐熱性樹脂がPPE系樹脂5〜70重量%およびPS系樹脂95〜30重量%からなる変性PPE系樹脂及び/又は耐熱PS系樹脂であることが好ましい。
非発泡層の目付は、50〜300g/m2であることが好ましい。
自動車内装材は、自動車内装材用基材からなることが好ましい。
本発明は、耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡シートの片面にのみに非発泡層を積層し、かつ、上面に発泡層を、下面に非発泡層を配置した構成とすることにより、オールプラスチック素材からなる自動車内装材であって、ガラスフリーで非常に軽量であり、難燃性にも優れ、かつ環境適合性、安全性に優れると共に自動車内装材に要求される諸特性を満たす自動車内装材を得ることができる。
本発明は、耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の片面にのみ、耐熱性樹脂からなる非発泡層を積層してなる自動車内装材用基材に関し、発泡層を上面に、非発泡層を下面に配置した構成に関する。
また、本発明は、自動車内装材用基材からなる自動車内装材に関する。
本発明の自動車内装材用基材および自動車内装材を、図面に基づいて説明するが、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係わる自動車内装材用基材または自動車内装材の断面の構成を示している。耐熱性樹脂を基材樹脂とする押出発泡シートである発泡層10の片面にのみ、耐熱性樹脂を基材樹脂とする非発泡層11が積層される。
発泡シートである発泡層10の基材樹脂として使用される耐熱性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱性ポリスチレン系樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱性ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合体等のスチレン・フェニレンエーテル共重合体等の変性PPE系樹脂;、ポリカーボネート樹脂;ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である点で、変性PPE系樹脂が好ましい。
本発明における変性PPE系樹脂は、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂であることが好ましい。
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)などがあげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これらのなかでも、汎用性およびコストの点で、スチレンが好ましい。
変性PPE系樹脂中においてPPE系樹脂と混合樹脂を形成するPS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどを主成分とする樹脂があげられる。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず、他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
本発明において、発泡シートである発泡層10に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、通常、PPE系樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂75〜30重量%であることが好ましく、PPE系樹脂35〜60重量%およびPS系樹脂65〜40重量%であることがより好ましく、PPE系樹脂38〜58重量%およびPS系樹脂62〜42重量%であることがさらに好ましい。変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂が25重量%より少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂が70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
本発明における発泡シートである発泡層10は、発泡剤として炭化水素系発泡剤を用いて押出発泡成形して得られるものが好ましい。
発泡シートである発泡層10を得る際に使用される炭化水素系発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、具体的には、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどがあげられる。なかでも、発泡剤の溶解度を示すカウリブタノール値(KB値)が20〜50である炭化水素系発泡剤が好ましい。また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して前記範囲としたものも使用することができる。
本発明においては、前記発泡剤の具体例のなかでも、発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さい点で、イソブタン、または、イソブタンおよびノルマルブタンの混合体であって、イソブタンの比率が高いものが好ましい。発泡剤がイソブタンおよびノルマルブタンの混合体である場合は、混合体中のイソブタン含有量は、50重量%以上が好ましい。イソブタン含有量が50重量%より少ないと発泡剤の逸散性が大きく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が大きくなる傾向がある。
本発明における押出発泡成形時の炭化水素系発泡剤の添加量は、耐熱性樹脂100重量部に対し、2.0〜5.0重量部であることが好ましく、2.5〜4.5重量部であることがより好ましい。炭化水素系発泡剤の添加量が2.0重量部より少ないと、成形加熱時の二次発泡倍率が低くなりすぎることも有り得、良好な成形性を得るのに悪影響を与える傾向があり、5.0重量部を超えると、押出発泡が不安定になったり、発泡シートの表面荒れが発生する傾向がある。
本発明においては、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さとしては、1.0〜5.0mmが好ましく、1.5〜3.5mmがより好ましい。発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さが1.0mmより小さいと、強度および断熱性に劣り、自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、5.0mmを超えると、成形時に熱がかかる際、発泡層10(1次発泡層)はさらに発泡(2次発泡)するが、発泡層10の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行えず、成形性が低下する傾向がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルに破泡などが生じ、製品として許容できるものが得られ難くなる傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率は3〜20倍が好ましく、5〜15倍がより好ましい。発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率が3倍より低いと、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また、軽量化の効果が少なくなる傾向がある。発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率が20倍を超えると、強度が低下し、中心部まで加熱しにくいことにより、成形性が低下する傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)のセル径は0.05〜0.9mmが好ましく、0.1〜0.7mmがより好ましい。セル径が0.05mmより小さいと、充分な強度が得られ難くい傾向があり、0.9mmを超えると、断熱性に劣る傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の独立気泡率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。独立気泡率が70%より低いと、断熱性および剛性に劣るとともに、成形加熱によって目的とする2次発泡倍率を得ることが困難となり、成形性に劣る傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の目付は100〜300g/m2が好ましく、120〜200g/m2がより好ましい。目付が100g/m2より低いと、内装用基材としての剛性が不足する傾向があり、目付が300g/m2を超えると、重量増により軽量性の効果が低下する傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)中の残存揮発成分の量は、発泡層10の全重量に対して1.0〜5.0重量%が好ましく、2.0〜4.0重量%がより好ましい。残存揮発成分が1.0重量%より少ないと、2次発泡倍率が低くなりすぎることも有り得るため、良好な成形性を得るのに影響を与える傾向がある。また、残存揮発成分が5.0重量%を超えると、接着剤層との間に空気溜まりが発生したり、経時による寸法安定性が低下する傾向がある。なお、発泡層10中の残存揮発成分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層10の試験片を耐熱性樹脂が軟化をはじめる温度以上で分解温度以下の温度範囲で加熱して揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定することができる。
一般に、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)においては、押出発泡成形時に延伸され扁平となっていたセルが、成形加熱時に扁平率を解消する方向にその形状を変化させることにより、加熱収縮が発現させる。その加熱収縮が、結果的に自動車内装材の耐熱変形を起こす。
耐熱変形とは、自動車内装材を加熱試験した場合、加熱前後での発泡セルの加熱収縮による形状変形等により自動車内装材の寸法変化が発生することを意味し、例えば、自動車天井材の場合、加熱試験後の天井成形体の屈曲部において、加熱試験で変形が発生し、フロント端末部位の変形になることである。
そこで、耐熱変形等の形状変化を抑制するためには、発泡層10(1次発泡層)のセル形状としては、発泡層の表裏面表層部のセル密度アップを、押出発泡成形シート化時に表裏面とも均一に冷却することでハードスキン層として形成することにより、発泡層の表層部を剛直化することで加熱収縮の量を抑制することができる。
さらに、発泡層10のセル内圧の変化をなるべく小さくすることにより、加熱収縮量を小さくできる。例えば、発泡層10の押出発泡成形後、非発泡層11を積層加工するまでの養生時間を30日以上確保することにより、セル内圧の変化をなるべく小さくすることができる。
さらに、加熱収縮による耐熱変形量は、二次加熱成形時の加熱温度を135〜155℃の範囲に制御し、発泡層10のセルに加熱成形時の歪みを与えない条件にて成形加工することによっても、非発泡層11を積層しない場合でも小さくすることができる。
本発明において使用される発泡シートである発泡層10の基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤、タルクなどを添加してもよい。
本発明において、非発泡層11に用いられる熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変成PPE系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうちでも、発泡層10との接着性の観点から、変成PPE系樹脂および耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
本発明において、非発泡層11として変成PPE系樹脂を使う場合は、上述の発泡層10の場合と同様に、PPE系樹脂に対しスチレン系化合物を主体とする単量体による重合またはその重合体との混合による変成を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層10において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)で代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡層11の耐衝撃性改善効果が大きいという点から好ましい。
本発明において、非発泡層11として耐熱PS系樹脂を使う場合は、使用される耐熱PS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体である。耐熱性の改善効果を有し、スチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものと、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が、その耐熱性改善効果、汎用性およびコストの面から好ましい。
耐熱PS系樹脂は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、耐熱PS系樹脂は、他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。これらのうちでは、汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
本発明における非発泡層11の目付は50〜300g/m2が好ましく、75〜200g/mがより好ましい。非発泡層11の目付が50g/m2より低い場合には、強度、剛性、耐熱性などが低下する傾向があり、300g/m2を超える場合には、発泡積層シートの成形性が劣る傾向にある。
本発明においては、非発泡層11を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
耐衝撃性改良剤は、非発泡層11を発泡層10に積層し、加熱成形時に2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層11の割れなどを防止するのに有効である。本発明における耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層11に耐衝撃性を付与することができる。
次に、発泡層10の片面にのみ、耐熱性樹脂からなる非発泡層11を積層してなり、発泡層10を上面に、非発泡層11を下面に配置した構成に関して説明する。
本発明においては、発泡層10の片面にのみ耐熱性樹脂非発泡層11を積層し、かつ、発泡層10を上面に、非発泡層11を下面に配置することにより、良好な燃焼性が確保できる。
なお、耐熱性樹脂からなる発泡層を上面に配置し、耐熱性樹脂からなる非発泡層を下面に配置した構成に関し、上面とは、燃焼性の規格であるFMVSS(Federal Motor Vihcle Safety Standard)302<車両用の材料に対して実施される米国の試験規格のひとつで燃焼性能(燃焼速度)を試験する規格>の燃焼試験方法において、材料を燃焼面に対し、上側に配置した構成を言い、下面とは材料を燃焼面に対し、下側に配置した構成のことを言う。
特に、自動車内装材においては、製品表面を下側に、製品裏面を上側に配置することを意味する。
本発明における良好な燃焼性は、燃焼挙動として、発泡層10と非発泡層11との間でその燃焼速度が異なるために、すなわち、発泡剤を含有する発泡層10の燃焼速度の方が非発泡層11の燃焼速度よりも速いために、発泡層10に対し燃焼が遅延する非発泡層11の炭化膜が形成され、発泡層10の燃焼は進行していても、当該膜にて内装材基材全体としては下支えされることにより、燃焼に必要な空気(酸素)が燃焼火炎に対して下部より供給されず、結果的に、内装材基材全体の燃焼速度が遅延するためと考えられる。
逆に、発泡層10を下面に、非発泡層11を上面に配置させた場合、燃焼挙動としては、発泡剤を含有する発泡層10の方が非発泡層11よりも燃焼速度が速いため、内装材基材全体を下支えすべき発泡層10が燃焼により先に焼失してしまい、ドリッピングとともに燃焼速度が加速度的に増加し、良好な燃焼性が得られないと考えられる。
また、発泡層10のみの場合、燃焼挙動としては、発泡層10が火炎により燃焼し、内装材基材そのものが燃焼ドリッピングすることよりで、燃焼速度が増加すると考えられる。
一方、発泡層10の両面に非発泡層11を積層した場合、燃焼挙動としては、発泡層10の燃焼は進むが、発泡層10の両側を覆っている非発泡層11も均等に燃焼していくため、内装材基材構成の上層と下層において燃焼速度の差異が発生せず、内装材基材を下支えすべき非発泡層11による膜が形成されず、燃焼によるドリッピングを伴い、良好な燃焼性を維持できないと考えられる。
次に、本発明の自動車内装材基材の製造法について説明する。
本発明において使用される発泡層10(1次発泡層)は、例えば、以下のように製造することができる。すなわち、基材樹脂である耐熱性樹脂に対し、必要に応じ各種の添加剤をブレンドしたものを、押出機を用いて樹脂温度150〜400℃にて溶融・混練する。次いで、高温高圧(樹脂温度150〜400℃および樹脂圧3〜50MPa)下にある押出機内へ、耐熱性樹脂100重量部に対して炭化水素系発泡剤2.0〜5.0重量部を圧入し、さらに、樹脂温度を発泡最適温度域(150〜300℃)に調節した後、サーキュラーダイなどを用い、低圧帯(通常は大気中)に押出し発泡させる。その後、マンドレル(円筒状冷却筒)などに接触させながら、例えば0.5〜40m/分の速度で引き取ることによりシート状に成形し、カットした後、巻き取るなどの方法により製造することができる。
発泡層10に対しと非発泡層11を積層する方法としては、特に限定されるものではないが、予め発泡成形して巻き取られた発泡層10を繰り出しながら、押出機から供給される溶融状態の非発泡層11の基材樹脂を、発泡層10に対し層状に積層した後、冷却ローラーなどによって圧着する方法が好ましい。なかでも、発泡層10の押出発泡シート成形と非発泡層11の押出とをインラインで行って積層する方法が、製造工程の簡略化という点で好ましい。
得られた発泡層10の片面のみに非発泡層11を積層した自動車内装材用基材(1次発泡積層シート)から賦形により自動車内装材(2次発泡積層成形体)を得る成形方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度(例えば、発泡積層シートの表面温度を135〜155℃)になるように加熱して2次発泡させた後、温度調節した金型にてプレス冷却し、賦形する方法が挙げられる。
成形方法の例としては、具体的には、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法があげられる。
本発明において、発泡層(1次発泡シート)を加熱により2次発泡させる際には、1次発泡シートに対して、通常1.2〜4倍に2次発泡させるのが好ましく、さらには1.5〜3倍に2次発泡させるのが好ましい。従って、2次発泡後の発泡層(2次発泡シート)の発泡倍率は、3.6〜80倍が好ましく、7.5〜45倍がより好ましく、10〜40倍がさらに好ましい。2次発泡後の発泡層(2次発泡シート)の厚さは、1.2〜20.0mmが好ましく、2.25〜10.5mmがより好ましく、3.0〜7.0mmがさらに好ましい。
2次発泡倍率が1.2倍未満では、柔軟性に劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。2次発泡倍率が4倍を超えると、強度が低下する傾向がある。また、2次発泡後の発泡層の厚さが1.2mmより小さいと、強度および断熱性に劣り、自動車内装材用基材として適当でない場合がある。厚さが20mmを超えると、成形賦形時の形状発現性が劣ったり、必要以上に嵩高くなり車室内が狭くなる傾向がある。
このようにして得られる自動車内装材の全体の目付けは、200〜850g/m2が好ましく、240〜500g/m2がさらに好ましい。自動車内装材の全体の目付けが200g/m2未満では、強度が劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。850g/m2を超えると、重量増に伴う取り扱い性(作業者のハンドリング性)が低下し、本発明の課題である軽量性に反する傾向がある。
以上、本発明に係わる自動車内装材用基材および自動車内装材の実施態様を種々説明したが、本発明は前記の態様に限定されるものではない。例えば、自動車内装材用発泡積層シートは用途として電車、航空機、建築物の室内などの内装材用発泡積層シートにも使用することができ、広義に解釈されるべきものである。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。実施例に用いた樹脂を、表1に示す。
Figure 2006103244
なお、表1に示した各符号に関する記載は、次の通りである。
PPE :ポリフェニレンエーテル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
SMAA :耐熱ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
実施例で行った評価方法を以下に示す。
(発泡層および成形体の厚さ)
得られた1次発泡シートおよび成形体に対し、幅方向に20ヵ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた1次発泡シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K 7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
(独立気泡率)
得られた1次発泡シートに対し、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTMD−2859に準じて測定し、独立気泡率を求めた。
(セル径)
発泡層の断面を光学顕微鏡で観察して20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
(目付)
得られた1次発泡シートにおいて押出方向の任意の5ヵ所より、100mm×100mmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定した後、平均値を算出し、m2当たりに換算した。
(耐衝撃性試験)
自動車内装材用基材(1次発泡積層シート、サイズ:幅1050mm×長さ1500mm)を、上下に遠赤外線ヒーターを持つ加熱炉の中央にクランプして導き、1次発泡積層シートの表面温度を135〜155℃になるように加熱して2次発泡させた後、温度調節したエアコンダクト用金型(図2参照;金型サイズ:幅400mm×長さ1000mm、2個取り型)にてプレス冷却し、賦形した後、トリミング型にてトリミングをした自動車内装材の割れを目視にて観察した。
(燃焼試験)
耐衝撃性試験時に成形し、トリミングして取得した自動車内装材に対し、自動車用材料に適用される自動車安全基準、自動車内装材料の燃焼基準(FMVSS302)に従い、燃焼速度試験を行った。すなわち、取得した自動車内装材(図2中の天面部の中央付近)より切出した巾100mm×長さ350mmのサンプル片について、n数10にて燃焼速度試験を行った。得られた燃焼速度の中で最大値を燃焼速度とした。
(残存揮発成分の量)
発泡層(一次発泡シート)の試験片を加熱温度220℃にて1時間加熱し、加熱前後の試験片の重量差により、残存揮発成分の量を測定した。
(実施例1)
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対して、iso−ブタンを主成分とする炭化水素系発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を押出機により樹脂温度270℃にて混練し、樹脂温度を196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取り、一次発泡層の厚さ2.2mm、一次発泡倍率13.5倍、独立気泡率90%、セル径0.16mmおよび目付150g/m2の1次発泡シートの巻物を得た。残存揮発成分の量は、発泡シート全重量に対し3.2重量%であった。
次いで、前記発泡シートをロールより繰り出しながら、スチレン−メタクリル酸共重合体(C)47.5重量部、HIPS(D)47.5重量部および耐衝撃性改良材(E)5重量部とを混合した混合樹脂を、押出機を用い樹脂温度250℃にて溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を前記1次発泡シートに積層し、目付150g/m2の耐熱PS系非発泡層を形成した。
1次発泡積層シートの巾方向2方をクランプして加熱炉に入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、非発泡層が下側になるように金型に配置し、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車用エアコンダクト材(図2参照;幅400mm×長さ1000mm×厚み4.0mm)を得た。取得した自動車用エアコンダクト材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。なお、自動車内装材用基材の積層発泡シートの目付けは300g/m2、2次発泡倍率は2.2倍、2次発泡後の発泡シートの厚さは5.4mmであった。
一方で、得られた自動車用エアコンダクト材から試験片を切り出し、当該試験片の燃焼性試験を実施したところ、燃焼速度75mm/分と非常に良好な燃焼性を示した。
(実施例2)
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100部に対して、iso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を押出機により樹脂温度270℃にて混練し、樹脂温度196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻き取り、一次発泡層の厚さ1.9mm、一次発泡倍率13.5倍、独立気泡率86%、セル径0.15mm、目付け120g/m2の発泡シートの巻物を得た。残存揮発成分の量は、発泡シート全重量に対し4.0重量%であった。
次いで、前記発泡シートをロールより繰り出しながら、PPE系樹脂成分20重量%およびPS系樹脂成分80重量%となるようにPPE樹脂(A)28.6重量部およびPS樹脂(B)71.4重量部を混合した混合樹脂を、押出機を用い樹脂温度265℃にて溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を発泡シートに積層し、面目付120g/m2の変性PPE系非発泡層を形成した。
1次発泡積層シートの巾方向2方をクランプして加熱炉に入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、変成PPE系樹脂非発泡層が下側になるように金型に配置し、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車用エアコンダクト材を得た。取得した自動車用エアコンダクト材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。なお、自動車内装材用基材の積層発泡シートの目付けは240g/m2、2次発泡倍率は2.0倍、2次発泡後の発泡シートの厚さは4.6mmであった。
一方で、得られた自動車用エアコンダクト材から試験片を切り出し、当該試験片の燃焼性試験を実施したところ、燃焼速度88mm/分と良好な燃焼性を示した。
(比較例1)
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対してiso−ブタンを主成分とする炭化水素系発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を押出機により樹脂温度270℃にて混練し、樹脂温度を196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻き取り、一次発泡層の厚さ2.2mm、一次発泡倍率13.5倍、独立気泡率90%、セル径0.16mm、目付150g/m2の発泡シートの巻物を得た。残存揮発成分の量は、発泡シート全重量に対し4.0重量%であった。
次いで、前記発泡シートをロールより繰り出しながら、スチレン−メタクリル酸共重合体(C)47.5重量部、HIPS(D)47.5重量部、耐衝撃性改良材(E)5重量部とを混合した混合樹脂を樹脂温度が250℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押し出し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を発泡シートに積層し、片面に面目付150g/m2の耐熱PS系非発泡層を形成した。
次いで、片面に耐熱樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートを繰り出しながら、その反対面にスチレン−メタクリル酸共重合体(C)47.5重量部、HIPS(D)47.5重量部、耐衝撃性改良材(E)5重量部とを混合した混合樹脂を樹脂温度が250℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押し出し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を発泡シートに積層し、面目付150g/m2の耐熱PS系非発泡層を形成した。
両面非発泡層が積層された1次発泡積層シートの巾方向2方をクランプして加熱炉に入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱し、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車用エアコンダクト材を得た。取得した自動車用エアコンダクト材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。なお、自動車内装材用基材の積層発泡シートの目付けは450g/m2、2次発泡倍率は2.2倍、2次発泡後の発泡シートの厚さは5.6mmであった。
得られた自動車用エアコンダクト材から試験片を切り出し、当該試験片の燃焼性試験を実施したところ、燃焼速度115mm/分の燃焼性を示した。
(比較例2)
実施例1の発泡層のみを同様にプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車エアコンダクト材を得た。取得した自動車用エアコンダクト材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。なお、自動車内装材用基材の積層発泡シートの目付けは150g/m2、2次発泡倍率は2.0倍、2次発泡後の発泡シートの厚さは4.9mmであった。
得られた自動車用エアコンダクト材から試験片を切り出し、当該試験片の燃焼性試験を実施したところ、燃焼速度140mm/分の燃焼性を示した。
本発明に係わる自動車内装材用基材の要部拡大断面説明図である。 自動車エアコンダクト材
符号の説明
10 発泡層
11 非発泡層
30 自動車用エアコンダクト

Claims (9)

  1. 耐熱性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の片面のみに、耐熱性樹脂からなる非発泡層を積層した自動車内装材用基材であって、耐熱性樹脂からなる発泡層を上面に配置し、耐熱性樹脂からなる非発泡層を下面に配置した構成であること特徴とする自動車内装材用基材。
  2. 発泡層を構成する耐熱性樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂25〜70重量%およびポリスチレン系樹脂75〜30重量%からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である、請求項1記載の自動車内装材用基材。
  3. 発泡層が、炭化水素系発泡剤を用いて押出発泡成形して得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車内装用基材。
  4. 炭化水素系発泡剤がイソブタンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材。
  5. 炭化水素系発泡剤の添加量が耐熱性樹脂100重量部に対し、2〜5重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材。
  6. 発泡層の厚さが1〜5mm、発泡倍率が3〜20倍および、発泡層の目付が100〜300g/m2である請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材。
  7. 非発泡層を構成する耐熱性樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂5〜70重量%およびポリスチレン系樹脂95〜30重量%からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、および/または耐熱ポリスチレン系樹脂である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材。
  8. 非発泡層の目付が50〜300g/m2である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動車内装材用基材からなる自動車内装材。
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