JP2011104947A - 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 Download PDF

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Abstract

【課題】変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材とする発泡積層シートを用いた、ガラスフリーで非常に軽量、好適な意匠性、深絞り成形性を有し、寸法安定性に優れ且つ繊維のほつれが発生しない外観良好な自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の提供。
【解決手段】変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層10の両面に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層が積層され、室外側非発泡層14面に不織布層20が積層されてなり、成形加熱を経て自動車内装材に成形される発泡積層シート30であって、不織布層として、構成繊維が、融解ピークを有し、その最も低い融解ピーク温度が前記成形加熱温度よりも高く、23℃または130℃における流れ方向および幅方向の破断および30%モジュラスを特定範囲にあるものを積層することにより、上記特性を有する自動車内装材用発泡積層シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、良好な深絞り成形性を有する自動車荷室構成内装部材用発泡積層シートおよび自動車荷室構成内装部材に関する。
従来、自動車天井材のような自動車内装材として、ウレタンフォームにガラス繊維を積層したシートあるいは、ポリプロピレン系樹脂にガラス繊維を混合または積層した積層シートが広く用いられている。それらの自動車内装材は、成形加工性・耐熱特性に優れているという特徴がある。
しかしながら、上記のような自動車内装材は、ガラス繊維を構成材料とするため、環境適合性(即ちリサイクル性、特にサーマルリサイクル性)に問題がある。
更に、これらのガラス繊維を含有する複合材料では、ガラス繊維を用いているため、軽量化に限界があり、自動車の燃費が上がることによるCO量の増加による環境負荷という面においても環境適合性に劣るものであった。
このような問題を解決するため、軽量で耐熱性のある変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す。)発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動車内装用発泡積層シートが提案されている(特許文献1)。変性PPE系樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートは、耐熱性に優れ、軽量であるだけでなく、ガラスフリーの素材で構成されているため、リサイクル性を含み環境適合性に優れた素材である。
一方で、変性PPE系樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートを用いた場合、例えば、自動車天井材のような成形延伸程度(深絞り性)が比較的小さな成形品を得る際には、特に大きな問題は発生しないものの、例えば、自動車トランクルームの構成部材であるラゲージサイド、デッキサイドのような深絞り形状を有する自動車内装材を成形加工する際、成形金型により発泡積層シートが接触冷却され、成形延伸できないという問題が発生していた。
そのため、この問題を解決するために、ウレタンフォームや嵩密度のあるニードルパンチ不織布を予め発泡積層シートの反意匠面側表面に積層することにより、発泡積層シートが金型接触にて冷却されないよう対応している。
しかしながら、この方法は、作業が煩雑であり、材料コストや製造コストのアップを引き起こすため、これらに代わる方法の出現が待望されていた。
他方、自動車トランクルームの構成部材であるラゲージサイド、デッキサイドのような自動車内装材を成形する際、自動車内装材用発泡積層シートと表皮材とを一体化させ加熱成形する方法(以下、「表皮一体成形」と称する)を採ると、表皮材の加熱により、表皮材の起毛が低下して(へたり)、表皮の風合い低下による外観不良となる。
そのため、ラゲージサイド、デッキサイドのような内装材を成形する場合、表皮材の外観を損なわないために、自動車内装材用発泡積層シートのみを加熱軟化させ、金型賦型部で常温の表皮材と貼合賦型する成形方法(以下、「表皮同時成形」と称する)が多く採られている。この方法によると、表皮材は加熱による熱履歴を受けないため、表皮材の起毛低下が起こらず、外観良好な成形品を得ることができる。
ただし、賦型時に、加熱履歴を受けない常温の表皮材と、加熱軟化された自動車内装材用発泡積層シートが接触し、該自動車内装材用発泡積層シートが冷却されることにより、自動車内装材用発泡積層シートの非発泡層に内在歪みを発生させると共に、常温で成形された表皮材の弾性戻りに起因する応力によって成形品の初期形状発現不良(スプリングバック)、湿冷熱サイクル試験での変形を引き起こし、形状良好な成形品を得ることができないという問題が発生していた。
上記表皮同時成形の技術課題を解決するため、変性PPE系樹脂発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層してなり、室外側非発泡層面に、芯部がポリエチレンテレフタレートで、鞘部が芯部より低融点である熱可塑性樹脂で構成される芯鞘構造繊維からなる不織布が積層された発泡積層シートを用いた自動車内装用発泡積層シートが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では、成形品の変形抑制には効果を発揮するものの、成形時に不織布の鞘部のみが溶融するため、繊維のほつれが生じる等、外観性に改善の余地があった。
実開平4−11162号公報 特開2009−113371号公報
本発明の目的は、変性PPE系樹脂を基材とする発泡積層シートを用いた、ガラスフリーで非常に軽量、好適な意匠性、深絞り成形性を有し、寸法安定性に優れ、且つ、繊維のほつれが発生しない外観良好な自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材を提供することである。
本発明者は、前記実情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、「PPE系樹脂」と記す)およびポリスチレン系樹脂(以下、「PS系樹脂」と記す)との混合樹脂である変性PPE系樹脂を押出発泡成形して得られた発泡層の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層してなる発泡積層シートであって、室外側非発泡層面に、構成繊維の最も低い融解ピーク温度が成型加熱温度よりも高く、適度なモジュラス強度(ある伸張状態における引張強度)を有する不織布層を積層することにより、深絞り形状が必要とされ、表皮材の外観の保持を必要とする自動車内装材の成形において、成形体の寸法安定性に優れ、表皮材の外観を保持しつつ不織布層のほつれが抑制された、自動車内装材用発泡積層シート、および自動車内装材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層が積層されてなり、且つ、室外側非発泡層面に不織布層が積層されてなり、成形加熱を経て自動車内装材に成形される発泡積層シートであって、
前記不織布層の構成繊維が、少なくとも1つの融解ピークを有し、その最も低い融解ピーク温度が前記成形加熱温度よりも高く、かつ、
前記不織布層が、23℃において、流れ方向および幅方向での破断伸びが35%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラス強度が20〜130N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が2〜40N/25mm幅であり、130℃において、流れ方向および幅方向での破断伸びが40%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラスが5〜70N/25mm幅、幅方向での30%モジュラスが1〜20N/25mm幅である、自動車内装材用発泡積層シート
[2]自動車内装材の成形加熱最高温度領域が130℃〜155℃である、[1]に記載の自動車内装材用発泡積層シート、
[3]不織布層の目付が20〜100g/mである、[1] または[2]に記載の自動車内装材用発泡積層シート、
[4]発泡層の基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂25〜70重量%およびポリスチレン系樹脂75〜30重量%からなる混合樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
[5]非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である、[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
[6]非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が、耐熱ポリスチレン系樹脂である、[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、および
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シートに対して、表皮材が室内側に配置されるように成形してなる、自動車内装材
に関する。
本発明においては、熱可塑性樹脂を押出発泡成形して得られた発泡シートの両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した熱可塑性樹脂発泡積層シートであって、室外側非発泡層に、23℃における流れ方向および幅方向での破断伸びが35%以上、かつ、流れ方向での30%モジュラス強度が20〜130N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が2〜40N/25mm幅であり、130℃における流れ方向および幅方向での破断伸びが40%以上、かつ、流れ方向での30%モジュラス強度が5〜70N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が1〜20N/25mm幅であり、構成繊維が、少なくとも1つの融解ピークを有し、その最も低い融解ピーク温度が前記成形加熱温度よりも高い不織布層を積層することにより、表皮同時成形での深絞り成形性に優れ、表皮材の風合い、色目等好適な意匠性を有し、成形体の寸法安定性に優れ、且つ、不織布層の外観良好な自動車内装材用発泡積層シート、並びにそれを成形してなる自動車内装材を得ることができる。
さらに、該自動車内装材用発泡積層シートは、オールプラスチック素材からなるガラスフリーで非常に軽量であり、環境適合性に優れると共に、製造コストを低減できる等の、自動車内装材に要求される諸特性を満たす点で工業的に有利である。
本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートの要部拡大断面説明図 本発明に係る自動車内装材の一例を示す側面説明図 本発明に係る自動車内装材の一例を示す上面説明図
本発明の自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の構成を示すものであり、変性PPE系樹脂を基材樹脂とする発泡層10の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(室内側非発泡層12および室外側非発泡層14)が形成され、室外側非発泡層14の表面に接着剤層16を介して不織布層20が積層され、室内側非発泡層12の表面に接着剤層18を介して表皮材22が積層されてなるが、これらに限定されるものではない。
本発明における押出発泡シートである発泡層10の基材樹脂として使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱性ポリスチレン系樹脂;PPE系樹脂とPS系樹脂との樹脂混合物、PPEへのスチレングラフト重合体等のスチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性PPE系樹脂;、ポリカーボネート樹脂;ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である点で、変性PPE系樹脂が好ましい。
本発明における変性PPE系樹脂は、PPE系樹脂とPS系樹脂とを混合することによって変性を行ったものであり、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂をいう。PPE系樹脂とPS系樹脂との混合による変性は、製造が容易であるなどの点から好ましい。
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)などがあげられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちで、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)が、原料の汎用性、コストの点から好ましい。また、難燃性を付与したい場合には、ハロゲン系元素が含まれるポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)が好ましい。
変性PPE系樹脂中のPS系樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレンで代表されるスチレン−ブタジエン共重合体などがあげられる。これらのうちでは、ポリスチレンがその汎用性、コストの点から好ましい。
本発明において、発泡シートである発泡層10に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、変性PPE系樹脂である混合樹脂におけるPPE系樹脂とPS系樹脂の割合としては、PPE樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂30〜75重量%であることが好ましく、PPE系樹脂30〜60重量%およびPS系樹脂40〜70重量%であることがより好ましい。PPE樹脂の混合割合が25重量%未満では、耐熱性が劣る傾向にあり、70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し、発泡成形が困難になる場合がある。
本発明における発泡シートである発泡層10は、発泡剤として炭化水素系発泡剤を用いて、押出発泡成形して得られるものが好ましい。
発泡シートである発泡層10を得る際に使用される炭化水素系発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、具体的には、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどがあげられる。なかでも、発泡剤の溶解度を示すカウリブタノール値(KB値)が20〜50である炭化水素系発泡剤が好ましい。また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して前記範囲としたものも使用することができる。
本発明においては、前記発泡剤の具体例のなかでも、発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さい点で、イソブタン、または、イソブタンおよびノルマルブタンの混合体であって、イソブタンの比率が高いものが好ましい。発泡剤がイソブタンおよびノルマルブタンの混合体である場合は、混合体中のイソブタン含有量は、50重量%以上が好ましい。イソブタン含有量が50重量%より少ないと発泡剤の逸散性が大きく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が大きくなる傾向がある。
本発明における押出発泡成形時の炭化水素系発泡剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、2.0〜5.0重量部であることが好ましく、2.5〜4.5重量部であることがより好ましい。炭化水素系発泡剤の添加量が2.0重量部より少ないと、成形加熱時の二次発泡倍率が低くなりすぎることも有り得、良好な成形性を得るのに悪影響を与える傾向があり、5.0重量部を超えると、押出発泡が不安定になり、発泡シートの表面荒れが発生する傾向がある。
本発明においては、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さとしては、1.0〜5.0mmが好ましく、1.5〜3.5mmがより好ましい。発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さが1.0mmより小さいと、強度および断熱性に劣り、自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、5.0mmを超えると、成形時の加熱の際、発泡層10(1次発泡層)はさらに発泡(2次発泡)するが、発泡層10の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行えず、成形性が低下する傾向がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルに破泡などが生じ、製品として許容できるものが得られ難くなる傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率は3〜20倍が好ましく、5〜15倍がより好ましい。発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率が3倍より低いと、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また、軽量化の効果が少なくなる傾向がある。発泡層10(1次発泡層)の発泡倍率が20倍を超えると、強度が低下し、中心部まで加熱しにくいことにより、成形性が低下する傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10を形成する一次発泡層の独立気泡率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。独立気泡率が70%未満では、断熱性、剛性に劣るとともに、成形加熱によって目的とする二次発泡倍率を得ることが困難となり、成形性に劣る傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)のセル径は0.05〜0.9mmが好ましく、0.1〜0.7mmがより好ましい。セル径が0.05mmより小さいと、充分な強度が得られ難くい傾向があり、0.9mmを超えると、断熱性に劣る傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の目付は100〜300g/mが好ましく、120〜200g/mがより好ましい。目付が100g/mより低いと、内装用基材としての剛性が不足する傾向があり、目付が300g/mを超えると、重量増により軽量性の効果が低下する傾向がある。
本発明における、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)中の残存揮発成分量は、発泡層10の全重量に対して1.0〜5.0重量%が好ましく、2.0〜4.0重量%がより好ましい。残存揮発成分量が1.0重量%より少ないと、2次発泡倍率が低くなりすぎることも有り得るため、良好な成形性を得るのに影響を与える傾向がある。また、残存揮発成分量が5.0重量%を超えると、接着剤層との間に空気溜まりが発生したり、経時による寸法安定性が低下する傾向がある。なお、発泡層10中の残存揮発成分量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層10の試験片を耐熱性樹脂が軟化を始める温度以上でかつ分解温度以下の温度範囲で加熱して揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定することができる。
一般に、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)においては、押出発泡成形時に延伸され扁平となっていたセルが、成形加熱時に扁平率を解消する方向にその形状を変化させることにより、加熱収縮が発現させる。その加熱収縮が、結果的に自動車内装材の耐熱変形を起こす。
本発明において、「耐熱変形」とは、自動車内装材を加熱試験した場合、加熱前後での発泡セルの加熱収縮による形状変形等により自動車内装材の寸法変化が発生することを意味する。
本発明においては、耐熱変形等の形状変化を抑制するためには、発泡層10(1次発泡層)のセル形状としては、発泡層の両面表層部のセル密度アップを押出発泡成形シート化時に両表面とも均一に冷却することによりハードスキン層として形成することにより、発泡層の表層部を剛直化することで加熱収縮の量を抑制することができる。
さらに、発泡層10のセル内圧の変化をなるべく小さくすることにより、加熱収縮量を小さくできる。例えば、発泡層10の押出発泡成形後、非発泡層12および14を積層加工するまでの養生時間を30日以上確保することにより、セル内圧の変化をなるべく小さくすることができる。
さらに、加熱収縮による耐熱変形量は、二次加熱成形時の加熱温度を130〜155℃の範囲に制御し、発泡層10のセルに加熱成形時の歪みを与えない条件にて成形加工することによっても、非発泡層12または14を積層しない場合でも小さくすることができる。
本発明において使用される発泡シートである発泡層10の基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤、タルクなどを添加してもよい。
本発明において、非発泡層12または14に用いられる熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうちでも、発泡層10との接着性の観点から、変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
本発明において、非発泡層12または14に用いられる熱可塑性樹脂として変性PPE系樹脂を用いる場合は、上述の発泡層10の場合と同様に、変性PPE系樹脂は、PPE系樹脂とPS系樹脂とを混合することによって変性を行ったものであり、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂をいう。PPE系樹脂とPS系樹脂との混合による変性は、製造が容易である等の点から好ましい。
非発泡層におけるPPE系樹脂、PS系樹脂の具体例や好ましいものの例示、それを使用する理由などは、発泡層10において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)で代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡層12または14の耐衝撃性改善効果が大きいという点から好ましい。
本発明において、非発泡層12または14に用いられる熱可塑性樹脂として、変性PPE系樹脂を用いる場合には、変性PPE系樹脂である混合樹脂におけるPPE系樹脂とPS系樹脂の割合としては、PPE樹脂5〜70重量%およびPS系樹脂30〜95重量%であることが好ましく、PPE系樹脂7〜50重量%およびPS系樹脂50〜93重量%であることがより好ましい。PPE樹脂の混合割合が5重量%未満では、耐熱性が劣る傾向にあり、70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し、非発泡層の押出加工成形が困難になる場合がある。
本発明において、非発泡層12または14に用いられる熱可塑性樹脂として耐熱PS系樹脂を使う場合は、使用される耐熱PS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体と、耐熱性の改善効果を有する他の単量体との共重合体である。耐熱性の改善効果を有し、スチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものと、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が、その耐熱性改善効果、汎用性およびコストの面から好ましい。耐熱PS系樹脂は、単独で用いても良く、または2種類以上組み合わせても良い。
本発明においては、耐熱PS系樹脂は、他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。これらのうちでは、汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
本発明における非発泡層12および14の目付は、50〜300g/mが好ましく、75〜200g/mがより好ましい。非発泡層の目付が50g/mより低い場合には、強度、剛性、耐熱性などが低下する傾向があり、300g/mより高い場合には、発泡積層シートの成形性が劣る傾向にある。
本発明においては、非発泡層を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を、単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
耐衝撃性改良剤は、非発泡層12および14を発泡層10に積層し、加熱成形時に2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層12および14の割れなどを防止するのに有効である。本発明における耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば、特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えば、HIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層12または14に耐衝撃性を付与することができる。
本発明においては、不織布層20を自動車内装材用積層発泡シートの室外側非発泡層14に積層することにより、該積層発泡シートの成形加工における金型との接触による冷却を防止することで、該シートを用いた成形品の加工歪みを低減することができ、さらに、不織布層20はクッションの役割となるため、成形加工した自動車内装材の他部材との擦れ音を防止することもできる。
不織布層20の構成繊維としては、少なくとも1つの融解ピークを有し、その最も低い融解ピーク温度が成形加熱温度よりも高いものを用いることが好ましい。なお、構成繊維の融解ピーク温度は、例えば、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツル(株)製、DSC6200]を用いて、不織布の構成繊維3mgを測定用パンに封入し、40℃から300℃まで10℃/分にて昇温する示差走査熱量測定により測定できる、すなわち、得られたチャートのピーク温度値として測定できる。
例えば、1つの融解ピークを有し、融解ピーク温度が自動車内装材の成形加熱温度以下である不織布を使用した場合、成形加工時の加熱により不織布層が溶融し、不織布層の風合いが損なわれるため、クッションとしての機能が低下し、擦れ音の防止ができなくなる傾向がある。
例えば、2つの融解ピークを有する、芯部としてポリエステル系樹脂、鞘部として芯部よりも低融点であり、且つ自動車内装材の成形加熱温度領域以下の融解ピークを有する熱可塑性樹脂で構成された芯鞘構造の不織布を使用した場合、同時成形方式にて成形加工された成形体において、成形加工時の加熱により鞘部のみが溶融するため、不織布層の繊維がほつれてしまい成形体の外観を損ねてしまう傾向がある。
不織布層20の不織布としては、23℃における流れ方向(以降、「MD方向」と称する場合がある)および幅方向(以降、「TD方向」と称する場合がある)での破断伸びが35%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラス強度が20〜130N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が2〜40N/25mm幅であることが好ましい。なお、破断伸び、および30%モジュラスとは、不織布から切り出した幅25mm×長さ150mmの試験片を、引張試験機[例えば、(株)島津製作所製、オートグラフDSS2000]を用い、治具間距離100mm、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行った場合の、破断時の伸び、および30%伸張時の引張強度である。
23℃における流れ方向および/または幅方向での破断伸びが35%未満の場合、成形加工時の伸び性が不足し、不織布層の破断による外観不良、並びに、当該層の保温層、異音防止層としての機能発現ができなくなる傾向にある。また、23℃での30%モジュラスが流れ方向で20N/25mm幅未満、且つ/もしくは、幅方向で2N/25mm幅未満の場合、同時成形方式にて成形加工された成形体において、意匠層を構成する表皮材に内在する弾性戻りに起因する応力に拮抗できず変形を生じ、成形品の形状、高温雰囲気下での使用における寸法安定性が劣る傾向にある。一方、23℃での30%モジュラスが流れ方向で130N/25mm幅を超える、且つ/もしくは、幅方向で40N/25mm幅を超える場合、同時成形方式にて成形加工された成形体において、意匠層を構成する表皮材に内在する弾性戻りに起因する応力を遥かに凌ぐこととなり、不織布層側への変形を生じ、成形品の形状、高温雰囲気下での使用における寸法安定性が劣る傾向にある。
不織布層20の不織布としては、130℃における流れ方向および幅方向での破断伸びが40%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラス強度が5〜70N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が1〜20N/25mm幅であることが好ましい。 130℃における流れ方向および/または幅方向での破断伸びが40%未満の場合、成形加工時の伸び性が不足し、不織布層の破断による外観不良、並びに当該層の保温層、異音防止層としての機能発現ができなくなる傾向にある。また、130℃での30%モジュラスが流れ方向で5N/25mm幅未満、且つ/もしくは幅方向で1N/25mm幅未満の場合、自動車内装材用発泡積層シートを成形加工する際、表皮材の応力に拮抗できず、成形品の形状が所望の形状に発現できない傾向にある。一方、130℃での30%モジュラスが流れ方向で70N/25mm幅を超える、且つ/もしくは幅方向で20N/25mm幅を超える場合、同時成形方式にて成形加工された成形体において、意匠層を構成する表皮材に内在する弾性戻りに起因する応力を遥かに凌ぐことによって、不織布層側への変形を生じ、成形品の形状、高温雰囲気下での使用における寸法安定性が劣る傾向にある。
不織布層20は、成形加工時の自動車内装材用発泡積層シートの放冷、金型接触による冷却を防止するため、つまり保温性を保持するために積層されると共に、成形加工した自動車内装材の他部材との擦れ音を防止するために積層される。そのため、不織布層20は、20〜100g/mの目付けを有していることが好ましく、35〜70g/mの目付けを有していることがより好ましい。目付けが20g/m未満では、有効な保温効果が認められず、成形加工の際、金型に接触冷却したときに、材料の冷却が進行することに伴う伸び性の不良が発生する傾向にある。一方で、目付けが100g/mを超えると、軽量性に劣り、いたずらにコストが増加する傾向がある。
不織布層20は、その流れ方向が、発泡積層シートの流れ方向に一致するように積層される。
不織布層20を室外側非発泡層14に積層する方法としては、図1に示したように、不織布層積層用接着剤層16を介して、室外側非発泡層14に不織布層20を接合する方法がある。
不織布層積層用接着剤16を介して不織布層20の繊維構成体と非発泡層14とを接合する方法としては、ホットメルト等のような膜状または粉末状の固形接着剤を介して積層する方法、ラテックス接着剤のような液状接着剤を介して積層する方法、等が挙げられる。
ホットメルト接着剤の具体例としては、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系等の樹脂を主成分とするものが挙げられる。
ホットメルトのような膜状または粉末状の固形接着剤層を介して不織布層20の繊維構成体を積層する方法としては、ホットメルト接着剤層を予め室外側非発泡層14の上に積層し、熱ラミネーション法により接着剤層を熱軟化させ、不織布層20の繊維構成体に圧着することにより接合する方法、発泡層10と室外側非発泡層14とのバインダーラミネーション加工時に、ホットメルト接着剤層を室外側非発泡層14と不織布20の繊維構成体とで挟み込み圧着して接合する方法が挙げられる。
ラテックス接着剤の具体例としては、ポリスチレン系樹脂(PS系樹脂)ラテックス、スチレン−ブタジエン系共重合体(SB系樹脂)ラテックス、カルボキシル化変性スチレン−ブタジエン共重合体樹脂ラテックス(以下、「カルボキシル化変性SB系樹脂ラテックス」と記す。)、カルボキシル化変性アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂ラテックス(以下、「カルボキシル化変性AS系樹脂ラテックス」と記す。)が挙げられ、これらを単独で用いることも可能であるが、自動車内装材としての種々の要求特性を満たすためには、数種のラテックスを混合して使用することが好ましい。その中で、低温成膜性の良好なバインダーラテックスおよび耐熱性が高いレジンラテックスとの混合物を使用することにより、製造工程内の乾燥処理条件に依存しない安定で強固な初期接着強度とラテックス接着剤層の耐熱性を両立することができ、また、機械安定性の向上により製造工程での取扱い性を改善することができることからより好ましい。
本発明におけるバインダーラテックスとしては、カルボキシル化変性SB系樹脂を構成樹脂とするラテックスが、機械安定性が良好な点および、非発泡層14と相溶性を有する点から好ましい。
本発明におけるラテックス混合物中でのレジンラテックスの混合割合は、20〜50重量%が好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。レジンラテックスの混合割合が20重量%未満では、接着剤層の耐熱性が低下し、内装材の実用特性として要求されるレベルに達しない場合があり、50重量%を超えると、バインダーラテックスが連続相とならず、ラテックス混合物の最低成膜温度が20℃以上となり、室温での乾燥によりフィルムの形成が起こらず接着不良が発生する可能性がある。
本発明におけるラテックス混合物の最低成膜温度は、20℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。ラテックス混合物の最低成膜温度が20℃を超えると、室温での乾燥によりフィルムの形成が起こらず、接着不良が発生する場合がある。
本発明におけるラテックス接着剤による室外側非発泡層14と不織布層20の繊維構成体との接着方法としては、イ)ラテックス接着剤を室外側非発泡層14表面に塗布し、未乾燥状態の塗布面に不織布層20を積層した状態で乾燥し、仮接着させた後、加熱プレスすることで接着させる方法、ロ)不織布層20の繊維構成体に予めラテックス接着剤を塗布し、未乾燥状態の塗布面に室外側非発泡層14が接する様に熱可塑性樹脂発泡積層シートを積層した状態で乾燥し、仮接着させた後、加熱プレスする方法がある。ラテックス接着剤を塗布し、未乾燥状態で室外側非発泡層14および不織布層20の繊維構成体を積層させることにより、変性PPE系樹脂発泡シート等を使用した場合には、発泡シートの熱的ダメージを受けない加熱温度での加熱プレスによっても、要求される接着性が安定的に発現される。
本発明におけるラテックスとしては、カーペットバッキング用、塗工紙用、不織布繊維処理用として当業者に知られるいずれのラテックスを使用することができる。
ラテックス原液中の固形分濃度としては、通常、40重量%以上であるが、塗布量および塗布方法にあわせ、任意に水で希釈した後使用することが可能である。但し、ラテックス水希釈溶液の固形分濃度が低すぎると、工程内での乾燥が不十分となり、接着不良を引き起こす可能性があるため、20重量%以上が好ましい。
本発明において使用するバインダーラテックスおよびレジンラテックスは、製造工程でポンプ輸送、配合の際の攪拌、コーティングの際のロールコーターによる剪断等間断なく機械的操作を受けるため機械安定性が良好なラテックスが好ましい。
機械安定性を改善する方策としては、乳化剤の添加量を増加させる、pHをアルカリ側に調整する、ラテックスをカルボキシル化変性する等があげられるが、カルボキシル化変性が最も有効であるため、カルボキシル化変性のラテックスの使用が好ましい。
本発明におけるラテックスの塗布方法としては、各種ロールコーター法、スプレー法、泡噴霧法等の方法が挙げられ、塗布量、塗布面の形状により選択される。
本発明におけるラテックスは、配合添加剤として、必要に応じて、安定剤、老化防止剤、加硫促進剤、分散剤、充填剤、増粘剤、着色剤、消泡剤、ゲル化剤、凍結防止剤、軟化剤、増粘樹脂等を含有してもよい。
本発明における不織布層積層用接着剤層16としてのラテックスの構成樹脂塗布量は、使用する熱可塑性樹脂の種類、必要とされる不織布層20との接着強度により任意に選択されるが、一般的に、混合ラテックス中の固形分として、1mあたり5〜50gが好ましく、10〜30gがより好ましい。ラテックス接着剤層18の構成樹脂塗布量が5g未満の場合は、接着性の改善効果が発現されない可能性が有り、50gを超える場合は、成形時に不織布層20より接着剤層16であるラテックスが染み出し金型を汚染する可能性がある。
本発明における自動車用内装材は、室内側非発泡層12の表面に熱可塑性樹脂接着剤層18を介して表皮材22が積層される。
本発明における表皮材22とは、自動車用内装材の室内側最外層に積層される部材であり、自動車室内から見え、触れられる部分に配置されるため、特に意匠性、耐傷つき性、風合い、色目等が要求される。
本発明における表皮材22としては、不織布構成からなるものを使用することができる。
本発明における表皮材22に使用される不織布としては、原料繊維を接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物であれば、いずれの種類でも使用することができる。原料繊維の種類として、合成繊維、半合成繊維を使用することができる。原料繊維として、具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル等の合成繊維を使用することができるが、これらのうちでもポリエステル繊維が好ましく、特に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
不織布の種類として、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も使用することができる。
原料繊維を接合させ、表皮材の耐摩耗性を確保するために、表皮材の構成繊維を接合するための接着剤層として、バインダー樹脂を表皮材の表面または裏面より塗布、塗工などによる含浸する方法がある。
バインダー樹脂としては、水溶性、溶剤可溶性、ビスコース液、エマルジョン、合成樹脂粉末等のタイプが挙げられる。これらの中で、耐水性、柔軟性、作業性の観点から、エマルジョンのものが好適に使用される。エマルジョンタイプとして、アクリロ・ニトリル・ブタジエンラテックス、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリレートラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が用いられ、これらは単独または2種以上の混合物としても用いることができる。
本発明における接着剤層18としては、ホットメルト等のような膜状または粉末状の固形接着剤を用いることができる。
本発明において、接着剤層18を介して表皮材22を室内側非発泡層12に積層する方法としては、特に表皮材としての意匠性が特に重要とされる内装部材、例えば、ラゲージサイド、デッキサイドのような内装材として用いられる場合は、表皮の風合い(繊維の起毛感)、色目が重要視され、表皮の外観性を保持するために、表皮材の加熱を行わない表皮同時成形による成形方式が採られる。
表皮同時成形によると、表皮材は加熱による熱的打撃を受けず、表皮材のもつ柔軟性、風合いを維持しつつ成形加工することができる。一方で、表皮材を常温で成形延伸することにより、繊維に加熱による可塑化作用が起こらず、繊維本体及び繊維結束部の弾性戻りの発生により、成形品の初期形状並びに高温下での使用における形状変形等外観不良になる傾向がある。
表皮材22に使用される不織布は、表皮材の外観性等の品質を維持しつつコストを考慮すると、180〜350g/mの目付けを有していることが好ましく、230〜330g/mの目付けを有していることがより好ましい。不織布の目付が180g/m未満では、表皮同時成形加工において、常温下にある表皮材が延伸加工され。表皮の伸び性のばらつきに伴うスケ、ムラの外観不良が発生しやすくなる傾向がある。一方、不織布の目付が350g/mを超えると、表皮材の成形歪み過大となり寸法安定性に影響を与える傾向があるだけでなく、無駄なコストを消費してしまうことになる。
次に、本発明の自動車内装材用発泡積層シートの製造法について説明する。
本発明において使用される発泡層10(1次発泡層)は、例えば、以下のように製造することができる。すなわち、基材樹脂である耐熱性樹脂に対し、必要に応じて各種添加剤をブレンドしたものを、押出機を用いて樹脂温度150〜400℃にて溶融・混練する。次いで、高温高圧(樹脂温度150〜400℃および樹脂圧3〜50MPa)下にある押出機内へ、耐熱性樹脂100重量部に対して炭化水素系発泡剤2.0〜5.0重量部を圧入し、さらに、樹脂温度を発泡適正温度域(150〜300℃)に調節した後、サーキュラーダイなどを用い、低圧帯(通常は大気中)に押出し発泡させる。その後、マンドレル(円筒状冷却筒)などに接触させながら、例えば0.5〜40m/分の速度で引き取ることによりシート状に成形し、カットした後、巻き取るなどの方法により製造することができる。
発泡層10に対し、非発泡層12および14、接着剤層18、接着剤層16を介して不織布層20を積層する方法としては、特に限定されるものではないが、予め発泡成形して巻き取られた発泡層10を繰り出しながら、押出機から供給される溶融状態の室内側非発泡層12の基材樹脂を、膜状、粉末状の固形接着剤層18とで挟み込む形で層状に積層した後、冷却ローラーなどによって圧着する方法(押出ラミネート法)、発泡層10と押出機から供給される溶融状態の室外側非発泡層14の基材樹脂を発泡層10と接着剤層16を介して不織布層20で挟み込む形で層状に積層した後、冷却ローラーなどによって圧着する方法により製造することができる。なかでも、発泡層10の押出発泡シート成形と非発泡層12および14の押出とをインラインで行って積層する方法が、製造工程の簡略化という点で好ましい。
得られた自動車内装材用発泡積層シート(1次発泡積層シート)から賦型により自動車内装材(2次発泡積層成形体)を得る成形方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度になるように加熱させた後、温度調節した金型にて表皮材と貼合の上、プレス冷却し、賦型する方法が挙げられる。成形に適した温度(「成形加熱温度」と称する場合がある)としては130〜155℃が好ましい。成形加熱最高温度が130℃未満の場合、成形加工時の伸び性が不足し、発泡積層シートが破断してしまい自動車内装材が得らない傾向があり、155℃を超える場合、発泡積層シートのセルが破泡して自動車内装材の形状が維持できなくなる傾向がある。
成形方法の例としては、具体的には、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法があげられる。
本発明における自動車内装材用発泡積層シートは、室外側非発泡層14に不織布層20を積層することにより、該積層発泡シートの成形加工における金型との接触による冷却を防止することができ、該シートを用いた成形品の加工歪みを低減することができる。さらに、不織布層20を室外側非発泡層14に異音防止層として配置することにより、自動車の振動等による自動車内装材と自動車ボディ本体の擦れによって発生する異音を、該不織布層にて防止することができる。
本発明において、自動車内装材用発泡積層シート中の発泡層(1次発泡シート)を加熱により2次発泡させる場合には、1次発泡シートに対して、通常1.2〜4倍に2次発泡させるのが好ましく、さらには1.5〜3倍に2次発泡させるのが好ましい。従って、2次発泡後の発泡層(2次発泡シート)の発泡倍率は、3.6〜80倍が好ましく、7.5〜45倍がより好ましく、10〜40倍がさらに好ましい。2次発泡倍率が1.2倍未満では、柔軟性に劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。2次発泡倍率が4倍を超えると、強度が低下する傾向がある。
2次発泡後の発泡層(2次発泡シート)の厚さは、1.2〜20mmが好ましく、2.25〜10.5mmがより好ましく、3.0〜7.0mmがさらに好ましい。2次発泡後の発泡層の厚さが1.2mmより小さいと、強度および断熱性に劣り、自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。厚さが20mmを超えると、成形賦型時の形状発現性が劣り、さらに必要以上に嵩高くなり車室内が狭くなる傾向がある。
このようにして自動車内装材用発泡積層シートを表皮材と貼合の上、成形して得られる自動車内装材の全体目付けは、200〜990g/mが好ましく、240〜950g/mがさらに好ましい。自動車内装材の全体目付けが200g/m未満では、強度が劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。990g/mを超えると、重量増に伴う取扱い性(作業者のハンドリング性)が低下し、本発明の課題である軽量性に反する傾向がある。
以上、本発明に係わる自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の実施態様を種々説明したが、本発明は前記の態様に限定されるものではない。例えば、自動車内装材用発泡積層シートは用途として電車、航空機、建築物の室内などの内装材用発泡積層シートにも使用することができ、広義に解釈されるべきものである。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
実施例または比較例に用いた樹脂を表1に、意匠層を形成する表皮材および表皮材接着剤層を表2に示した。また、不織布層20に用いた不織布の構成繊維種、物性等および、得られた自動車内装材用積層発泡シートの各種評価結果を表3に示した。
Figure 2011104947
Figure 2011104947
Figure 2011104947
@0003
なお、表1に示した各符号に関する記載は次の通りである。
PPE :ポリフェニレンエーテル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
SMMA :スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(「耐熱ポリスチレン」と称する場合がある)
実施例または比較例にて実施した評価方法を、以下に示す。
(発泡層および成形体の厚さ)
得られた1次発泡シートおよび成形体に対し、幅方向に20ヵ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた1次発泡シートの密度dfをJIS K7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
(セル径)
得られた1次発泡シート発泡層の断面を光学顕微鏡で観察して20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
(独立気泡率)
得られた1次発泡シートの独立気泡率は、ASTMD−2859に準じて、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて測定した。
(目付)
用いた材料の任意の5ヵ所より、100mm角の大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定した後、平均値を算出し、m当たりに換算した。
(不織布層の引張伸度、引張強度)
得られた不織布層について、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)に関して任意の5箇所より、幅25mm、長さ150mmの大きさの試験片を切り出した。得られた試験片に対して、引張試験機[(株)島津製作所製、オートグラフDSS2000]を用い、治具間距離100mm、引張速度200mm/分にて、以下の測定条件下での引張試験を実施した。
<常温時>
23℃にて引張試験を行い、破断時の伸度および、30%伸張時の引張強度(30%モジュラス)を測定した。
<高温時>
130℃に設定したオーブン中に、3分間試験片を放置後、オーブン中にて引張試験を行い、破断時の伸度および、30%伸長時の引張強度(30%モジュラス)を測定した。
(外観)
得られた自動車内装材の不織布層の外観を、目視にて評価した。
また、得られた自動車内装材から、100mm角の試験片を切出し、表皮材の色目を目視にて官能評価した。さらに、表皮材の風合いを手触りの官能評価にて行った。
<表皮材の色目>
○:一色に識別できる。
△:やや白みがかっている。
×:まだら模様として認識できる。
<表皮材の風合い>
S:柔らかく感じる。
M:中間。
H:硬く感じる。
(実装耐熱性試験)
図2および図3に示すようなデッキサイド22(幅400mm×長さ900mm)を上面に意匠層である不織布表皮材を配置して、デッキサイド用検具に装着した。なお、デッキサイド成形品について、平滑部4箇所、深絞り部2箇所、屈曲部2箇所の8箇所の測定点を刻印した(図2、図3中a〜h)。測定点付近に標線を設け、垂直方向の距離を測定した。
次に、50℃±1℃、相対湿度95%に設定した恒温恒湿室に23.5時間投入放置した後、恒温恒湿室の設定条件を23℃±1℃、相対湿度50%に変更し、30分間放置した。その後、恒温恒湿室の設定条件を−30℃±1℃に変更して7.5時間放置した後、恒温恒湿室の設定条件を23℃±1℃、相対湿度50%に戻し、30分間放置した。その後、恒温恒湿室の設定条件を80±1℃に変更して15.5時間放置後、恒温恒湿室の設定条件を23℃±1℃、相対湿度50%に戻し、1時間放置した。
一連の温度履歴を経た成形体に、刻印された測定点の垂直方向の寸法変化量を測定し、a〜hの最大値を記録した。
寸法変化量の絶対値の最大量より、耐熱変形性を以下のように判断した。
○:変化量 ±2.0mm以内
△:変化量 ±2.0mm超、±3.5mm以内
×:変化量 ±3.5mm超
なお、最大変位量は、垂直反り上がり方向をプラス(+)、垂直垂れ下がり方向をマイナス(−)として測定した値である。
(実施例1)
<発泡層の製造>
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対して、iso−ブタンを主成分とする炭化水素系発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を押出機により樹脂温度270℃にて混練し、樹脂温度を196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取り、一次発泡層の厚さ2.3mm、一次発泡倍率14.0倍、独立気泡率90%、セル径0.17mmおよび目付150g/mの1次発泡シートの巻物を得た。
<室外側非発泡層の積層>
前記1次発泡シートをロールより繰り出しながら、PPE樹脂成分10.0重量%、PS樹脂成分79.3重量%およびゴム成分10.7重量%となるように、PPE樹脂(A)14.3重量部およびHIPS樹脂(C)85.7重量部を混合した混合樹脂を、押出機を用い樹脂温度250℃にて溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の室外側非発泡層を前記1次発泡シートに積層し、目付130g/mの変性PPE系樹脂非発泡層を形成した。
その際、変性PPE系樹脂室外側非発泡層を積層時に、不織布層として、カルボキシル化変性スチレン−ブタジエン系樹脂ラテックス接着剤(F)[JSR(株)製、0569]が10g/m目付で塗布された、スパンボンド不織布 [旭化成せんい製スパンボンド不織布、PC8045]<融解ピーク温度=162℃、23℃での破断伸び=70%以上、流れ方向の30%モジュラス=39N/25mm幅、幅方向の30%モジュラス=4N/25mm幅;130℃での破断伸び=70%以上、流れ方向の30%モジュラス=15N/25mm幅、幅方向の30%モジュラス=2.5N/25mm幅>を積層した。
<室内側非発泡層の積層>
得られた変性PPE系樹脂非発泡層を形成した発泡積層シートに、PPE樹脂成分7.0重量%、PS樹脂成分88重量%、ゴム成分3.9重量%および顔料1.2重量%となるようにPPE樹脂(A)10重量部、PS樹脂(B)58重量部、HIPS樹脂(C)30重量部およびグレー色顔料(E)2.0重量部を混合した混合樹脂を、樹脂温度が255℃となるようフィルム状に押し出し、変性PPE系樹脂室外側非発泡層を形成したシートの反対面に目付200g/mの変性PPE系樹脂室内側非発泡層を形成した。
その際、変性PPE系樹脂室内側非発泡層を積層時に、表皮材接着剤層として、目付け50g/mのホットメルトフィルム(G)を積層した。
<自動車内装材の成形>
得られた自動車内装材用発泡積層シートを、不織布層が上面側に(不織布層の流れ方向と発泡積層シートの流れ方向が一致するように)、意匠面表皮材用接着剤層が下面側になるよう配置し、該積層シートの幅方向2方をクランプして加熱炉に入れ、自動車内装材用発泡積層シートの表面温度が、発泡積層シートの表面温度が150℃となるように33秒加熱した。その後、デッキサイド用金型(幅400mm,長さ900mm,深絞り形状部の深さ300mmの成形品が2個取りできる形状の金型、上凹型、下凸型形状)を用い、金型クリアランス4.7mmでプラグ成形を行った。なお、金型賦型部で、意匠面表皮として、ディロアニードルパンチ不織布表皮材(H)と、加熱した自動車内装材用発泡積層シートが一体化するように、表皮同時成形方式にてプラグ成形を実施した。その後、トリミング、パンチング加工を施し、自動車内装部材としてのデッキサイド成形体を得た。
得られたデッキサイド成形体の外観を観察したところ、割れ等の外観異常は観察されなかった。
一方、得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施した。
不織布の構成、物性および各種評価結果を、表3に示した。
(実施例2)
不織布層としてスパンボンド不織布(J)[旭化成せんい製、EK1045]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体および成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例3)
不織布層としてスパンボンド不織布(K)[旭化成せんい製、Y15050]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例4)
不織布層としてスパンボンド不織布(L)[三井化学製、シンテックス MY R−214]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例5)
不織布層としてスパンボンド不織布(M)[旭化成せんい製、PC8030]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例6)
不織布層としてスパンボンド不織布(N)[旭化成せんい製、EK1025]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例7)
室外側非発泡層として、PPE樹脂成分30.03重量%、PS樹脂成分62.83重量%およびゴム成分7.14重量%となるように、PPE樹脂(A)42.9重量部およびHIPS樹脂(C)57.1重量部を混合した混合樹脂を、押出機を用い樹脂温度250℃にて溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の室外側非発泡層を前記1次発泡シートに積層し、目付130g/mの変性PPE系樹脂非発泡層を形成した以外は、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(実施例8)
室外側非発泡層として、SMMA共重合体(D)50.0重量部およびHIPS樹脂(C)50.0重量部を混合した混合樹脂を、押出機を用い樹脂温度250℃にて溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の室外側非発泡層を前記1次発泡シートに積層し、目付130g/mの耐熱PS系樹脂非発泡層を形成した以外は、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(比較例1)
不織布層としてスパンボンド不織布(O)[旭化成せんい製、N3040]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得たが、成形において伸び不良による裂け発生し、外観良好な成形体をえることができなかった。
(比較例2)
不織布層としてスパンボンド不織布(P)[旭化成せんい製、E1040]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得たが、成形において伸び不良による裂け発生し、外観良好な成形体をえることができなかった。
(比較例3)
不織布層として芯鞘構造スパンボンド不織布(Q)[ユニチカ製、S0503WDO]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
(比較例4)
不織布層としてスパンレース不織布(R)[ユウホウ製、S6050]を用いた以外は、実施例1で製造した1次発泡シートを用いて、実施例1と同様な方法にて自動車内装材用発泡積層シートを得た後、実施例1と同様な方法にて自動車内装材の成形を得た。
得られたデッキサイド成形体及び成形体から試験片を切り出し、各種評価項目について評価試験を実施し、表3に示した結果を得た。
10 発泡層
12 室内側非発泡層
14 室外側非発泡層
16 不織布層積層用接着剤層
18 表皮材接着剤層
20 不織布層
22 表皮材
30 熱可塑性樹脂発泡積層シート

Claims (7)

  1. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層が積層されてなり、且つ、室外側非発泡層面に不織布層が積層されてなり、成形加熱を経て自動車内装材に成形される発泡積層シートであって、
    不織布層の構成繊維が、少なくとも1つの融解ピークを有し、その最も低い融解ピーク温度が前記成形加熱温度よりも高く、かつ、
    上記不織布層が、23℃において、流れ方向および幅方向での破断伸びが35%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラス強度が20〜130N/25mm幅、幅方向での30%モジュラス強度が2〜40N/25mm幅であり、130℃において、流れ方向および幅方向での破断伸びが40%以上、且つ、流れ方向での30%モジュラスが5〜70N/25mm幅、幅方向での30%モジュラスが1〜20N/25mm幅である、自動車内装材用発泡積層シート自動車内装材用発泡積層シート。
  2. 自動車内装材の成形加熱温度が130℃〜155℃である、請求項1に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 不織布層の目付が20〜100g/mである、請求項1または2に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 発泡層の基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂25〜70重量%およびポリスチレン系樹脂75〜30重量%からなる混合樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  5. 非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  6. 非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が、耐熱ポリスチレン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シートに対して、表皮材が室内側に配置されるように成形してなる、自動車内装材。
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