JP2006063186A - ポリプロピレンフイルムの製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンフイルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、ポリプロピレン樹脂の規則性を高めながら、2軸延伸性に優れ、得られた2軸延伸フイルムの厚み斑、熱寸法安定性に優れ、かつ高温での耐電圧も高く維持できることが可能な2軸延伸ポリプロピレンフイルムを製造法する方法を提供する。
【解決手段】
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン樹脂(A)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(B)とを溶融混練して得られるポリプロピレン樹脂を溶融押出し、冷却キャストしたのち2軸延伸を施してなるポリプロピレンフイルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸ポリプロピレンフイルムの製造方法に関するものであり、特にコンデンサ用途、離型用途等に用いられる、耐熱性、厚み・フイルム物性の高い均一性の要求される二軸延伸ポリプロピレンフイルムの製造方法に関するものである。
ポリプロピレンはポリオレフイン樹脂の中でも融点が高く耐熱性に優れ、電気特性、離型性に優れ、その二軸延伸フイルムは、食品類、スナック類、雑貨等の包装材料、粘着テープ、プリントラミネーション等に幅広く用いられている。中でも、その電気特性を生かしたコンデンサ用途、離型性を生かした液晶材料等の光学材料製造用の工程紙等については、更なる耐熱性の向上が求められており、このための改善技術について多くの提案がなされている。
具体的には、ポリプロピレンの融点と低分子量物の量を規定する方法(特許文献1)、ポリプロピレン樹脂の立体規則性を上げる方法(特許文献2〜4)、等が例示される。
特開2001−146536号公報(特許請求の範囲) 特開H10−156938号広報(特許請求の範囲) 特開H10−156939号広報(特許請求の範囲) 特開H10−156940号広報(特許請求の範囲) しかしながら、このような方法をとった場合、いたずらにポリプロピレン樹脂の結晶性を上げてしまい、2軸延伸が困難になったり、延伸ができたとしてもフイルム厚みの均一性に劣ったものとなったり、ボイドが多発して絶縁破壊電圧の低いフイルムになってしまい、結果的に実用上の問題を生じることがあった。
本発明は、ポリプロピレン樹脂の規則性を高めながら、2軸延伸性に優れ、得られた2軸延伸フイルムの厚み斑、熱寸法安定性に優れ、かつ高温での耐電圧も高く維持できることが可能な2軸延伸ポリプロピレンフイルムを製造法する方法を提案せんとするものである。
本発明は、上述の問題を解決するために、
(1)数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン樹脂(A)と、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(B)とを溶融混練して得られるポリプロピレン樹脂を溶融押出し、冷却キャストしたのち2軸延伸を施してなるポリプロピレンフイルムの製造方法。
(2)ポリプロピレン樹脂(A)のメソペンタッド分率が0.945〜0.995であることを特徴とする(1)項に記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
(3)ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対してポリプロピレン樹脂(B)を0.2〜50重量部添加することを特徴とする(1)項または(2)項に記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
(4)少なくとも一軸に延伸する際のフイルム温度がポリプロピレン樹脂(A)の該融点−15(℃)〜該融点+5(℃)であることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
(5)ポリプロピレンフイルムの厚みが2.5〜6μmであることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
(6)ポリプロピレンフイルムの厚みが30〜100μmであることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
を提案するものである。
本発明は、高規則性のポリプロピレン樹脂をその構成要件としながら、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を添加することにより、2軸延伸性に優れ、厚み均一性に優れ、高い熱寸法安定性、高耐電圧を有するポリプロピレンフイルムを得ることができる。もちろん、包装用途、プリントラミネーション用途、粘着テープ用途等の一般のポリプロピレンフイルム用途としても好適であるが、特にコンデンサ用途、離型用途に好適な2軸延伸ポリプロピレンフイルムを得る方法として最適である。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明は少なくともポリプロピレン樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)とからなることを基本要件とするものである。
ポリプロピレン樹脂(A)としては、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が5以下であることが必要であり、更に好ましくは4以下であることが好ましい。Mw/Mnはポリプロピレン樹脂の分子量分布の分散度すなわち分子量分布を示すパラメータで、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって得られる。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が小さいことを意味するが、Mw/Mnが小さすぎると、溶融ポリマーをシート状に成形する際の均一性が低下したり、2軸延伸性が低下する等の問題を生じる。しかしながら、一方で構造に寄与しない低分子量成分が少ないために耐熱性の点で優れた樹脂と言える。本発明においては、Mw/Mnが5を越えた場合は耐熱性の改善効果が小さいかまたは全く効果が発現せずに、高温での耐電圧や機械特性が劣ったものになってしまう。一方、Mw/Mnの下限としてはその値は1となるが、これは単一分子量の樹脂を意味し、現在の触媒技術では工業的に得ることが困難であり、実用上はMw/Mnは2以上、好ましくは2.5以上である。
このような分子量を有するポリプロピレン樹脂を得るためには、触媒構成を最適化することにより可能であり、公知のチーグラーナッタ系触媒、メタロセン系触媒で最適化することができる。別な方法としては、ある程度高分子量のポリプロピレン樹脂を重合しておき、ペレタイズ時にパーオキサイド等で熱減量することでも得る方法、一旦得られた樹脂パウダーをnヘプタン、キシレン等の溶媒、あるいはプロピレンモノマーで洗浄することで、所定のMw/Mnとする方法等が例示される。
更に好ましいポリプロピレン樹脂(A)の性状としては、立体規則性の指標であるメソペンタッド分率が0.945〜0.995であることが好ましく、更に好ましくは0.955〜0.990である。メソペンタッド分率が低すぎると耐熱性、機械強度が低下する恐れがある。一方メソペンタッド分率の上限については現時点工業的に得られる上限値で規定されているが、将来的に工業レベルで更に規則性の高い樹脂が開発された場合についてはこの限りではない。
次いで、ポリプロピレン樹脂(B)はいわゆる高溶融張力ポリプロピレンである。
ここで高溶融張力ポリプロピレン、分岐状の構造を有するポリプロピレン樹脂である。高溶融張力ポリプロピレンの特徴は230℃で測定した時の溶融張力(MS)とメルトフローレート(MFR)の関係が次式(1)
log(MS)>−0.56・log(MFR)+0.74 (1)
(ただし、MS:230℃で測定した溶融張力(cN)、MFR:メルトフローレート(g/10分) )
を満たすことである。このような分岐構造を有するポリプロピレン樹脂としては具体的にはBasell社製“HMS−PP”(PF−814、PF−633,PF−611,SD−632等)、製、Borealis社製“HMS−PP”(WB130HMS等)が例示される。
このような分岐構造を有するポリプロピレン樹脂を添加することでポリプロピレン樹脂の溶融結晶化温度を上昇せしめることができかつ延伸性の低下も殆ど無いばかりか場合によっては延伸性が改善され厚みの均一性も向上するので好ましい。
本発明においては、該ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対して該ポリプロピレン樹脂(B)を0.2〜50重量部添加することが必要であり、好ましくは0.5〜30重量部、更に好ましくは1〜10重量部である。ポリプロピレン樹脂(B)の添加量が少なすぎると加工適正が改善されず厚み斑の劣ったフイルムになってしまう。一方、添加量が多すぎると耐熱性、特に熱収縮の大きいフイルムしか得られなくなる。
本発明においてはシート成形された未延伸フイルムを延伸する際の一軸方向の延伸温度はポリプロピレン樹脂(A)の融点の−15〜+5℃としておくことが好ましい。このようにすると厚みの均一性が増すばかりか熱収縮が小さく、かつ高温時の耐電圧も優れたものが得られるので好ましい。
特にテンター法による逐次2軸延伸法は、Tダイ等のスリットダイから樹脂を溶融押出し冷却ドラム上で冷却し、未延伸シートを得て、更に加熱された金属ロール等で該シートを予熱した後に周速差を設けた複数のロール間で長手方向に延伸し、更にテンターによって両端部をクリップで把持し、オーブン中で横方向に延伸することにより二軸延伸フイルムを得る方法であるが、この場合は、特に縦延伸の際に該シートの温度が、ポリプロピレン樹脂(A)の融点−15〜+5℃の温度範囲なるようにコントロールすることが好ましい。このようにするとフイルムの熱寸法安定性が一層良好になると同時に横延伸でのフイルム厚みの均一性が良好となるので好ましい。ここで横延伸でのフイルム厚みの均一性は長手方向に延伸した後のフイルム上に一定間隔のマーキングを行い、横延伸後の該マーキングの間隔を測定することで実質的な延伸倍率を測定する方法で評価できる。具体的には正方枡を転写させ横延伸前後での面積を測定し、延伸前後での該面積比(=実効倍率)がフイルム幅方向でどの程度ばらついているかで評価する方法が例示される。
本発明ポリプロピレンフイルムの製造方法として好ましい2軸延伸後のフイルム厚みとしては、2.5〜6μmといった薄いフイルムかまたは30〜100μmといった厚いフイルムであるが好ましい。すなわち、本発明の樹脂構成とすることで安定して薄いシートを形成することが可能になる。更に延伸時の延伸応力も安定し均一性を一層増すことができる。一方を上述の様に厚いフイルムでは分子量分布の狭い樹脂をキャストすると球晶が発達するために延伸時のボイド形成が著しくヘイズに劣ったものになるばかりか、特に逐次2軸延伸法で製造する場合、横延伸の際の均一性を得ることが困難となり、厚み斑の劣ったフイルムとなりやすい。
本発明フイルムには、滑り性、帯電防止性、耐酸化劣化性等を改善する目的で、公知の有機・無機の滑り剤、帯電防止剤、一次及び/または2次酸化防止剤等を添加することができる。またその他の機能性付与として、耐光性、隠蔽性等のため、UV吸収剤、フィラー、他のポリオレフイン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂等を添加することができる。
また、本発明フイルムは目的に反しない範囲で少なくとも1層以上の他の樹脂層との共押出・共延伸をすることが可能であることは言うまでも無い。
以下実施例に基づき、本発明の実施態様を説明するが、本実施例に限定されるもので
無い。
次に本発明の実施例に用いる測定法及び評価法について説明する。
(1)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)はぞれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量: Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
重量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi)/Σ(Ni・Mi)
分子量分布: Mw/Mn 。
なお、測定条件は次の様にした(( )内はメーカーを示す)
装置: ゲル浸透クロマトグラフ GPC−150C (Waters)
検出器:示差屈折率検出器 RI 感度 32×、20% (Waters)
カラム:Shodex HT−806M(2)(昭和電工)
溶媒: 1,2,4−トリクロロベンゼン(BHT 0.1w/v%添加)(Ardrich)
流速: 1.0ml/min
温度: 135℃
試料: 溶解条件 165±5℃×10分(攪拌)
濃度 0.20w/v%
濾過 メンブレンフィルター孔径0.45μm(昭和電工)
注入量:200μl
分子量校正:単分散ポリスチレン(東ソー)を検体と同一条件で測定して得られた分子量と保持時間との関係を用い、ポリプロピレンの分子量とした。ポリスチレン基準の相対値である
データ処理:(株)東レリサーチセンター製GPCデータ処理システムによった。
(2)メソペンタッド分率
メソペンタッド分率(mmmm)の測定
試料を溶媒に溶解し、13C−NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)(100分率)を求める。
・測定条件
装置:Bruker社製、DRX−500
測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
測定濃度:10wt%(試料10wt%、溶媒90wt%)
溶媒:ベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=1:3混合溶液(容積比)
測定温度:130℃
スピン回転数:12Hz
NMR試料管:5mm管
パルス幅:45°(4.5μs)
パルス繰り返し時間:10秒
データポイント:64K
換算回数:10000回
測定モード:complete decoupling
・解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1.0としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとした。WINFITソフト(Bruker社製)を用いて、ピーク分割を行う。その際に、高磁場側のピークから以下の様にピーク分割を行い、更にソフトの自動フィッテイングを行い、ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmとss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)のピーク分率の合計をメソペンタッド分率(mmmm)とする。
尚、測定はn=5で行い、その平均値を求める。
・ピーク
(a)mrrm
(b)(c)rrrm(2つのピークとして分割)
(d)rrrr
(e)mrmm+rmrr
(f)mmrr
(g)mmmr
(h)ss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)
(i)mmmm
(j)rmmr 。
(3)極限粘度([η])
試料0.1mgを135℃のテトラリン100mlに溶解させ、この溶液を135℃の恒温槽中で粘度計を用いて測定し、比粘度Sにより次式にしたがって極限粘度[η]をもとめた(単位:dl/g)。
[η]=(S/0.1)×(1+0.22×S) 。
(4)融点(℃)
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、下記の条件で測定を行った。
試料の調整:ポリプロピレン樹脂10mgを測定用のアルミパンに封入する。
・測定条件
室温より20℃/分の割合で280℃まで昇温した際に観測される吸熱ピークを融点(Tm(℃))とした。該ピーク値が複数ある場合は最もピーク面積が大きい融解ピークを採用する。上記測定を5回繰り返し、その内の最大値と最小値の2点を省いた残り3点の平均値をTm(℃)とした。
(5)延伸均一性
テンター式逐次2軸延伸法を用いて、以下の様に2軸延伸性の評価を実施した。
(A)2軸延伸
スクリュー径65mmφの押出機よりスリット幅300mmのT型口金からシート成型冷却ドラム上でシート化した未延伸シートを、ロール延伸装置に導いて長手方向に表2に示す温度で4.6倍に延伸した後に、テンターにて幅方向に158℃の温度で機械倍率で7倍延伸した。なお、冷却ドラム温度は、2軸延伸フイルム厚みで15μm以上は60℃として、10μm以下は90℃とした。
(B)延伸均一性
テンターの入り口で10mm×10mmの正方枡を有する碁盤目状の刻印(15枡×15枡)により、該正方枡をそれぞれの辺がフィルムの長手方向、幅方向に平行になるように一軸延伸フイルム上に転写し、得られた2軸延伸フイルムの各升目の面積(mm)を求め、以下の式により延伸均一性を求めた。なお、測定する升目は升目パターンの転写性のよい1列分(フィルム幅方向)を選択して、その列の15枡分を測定した。
各升目での延伸倍率Xiを 延伸後の面積(mm)/延伸前面積(100mm) で求めて、15枡の平均値Xと最大値Xmaxと最小値Xminから延伸均一性指数を次のように求めた。延伸均一性指数は90%以上であると好ましい。
延伸均一性指数=100−(Xmax−Xmin)/X×100(%) 。
(6)140℃熱収縮率
JIS−Z−1712に準拠し、サンプルフイルムを熱風オーブン中で140℃、15分で以下の条件で保持した際の寸法変化率を熱収縮率とする。製膜のMD(長手方向)については5%以下、TD(幅方向)については2%以下であることが好ましい。
(a)サンプル 幅10mm×長さ200mm
(b)オーブン条件:140℃、荷重3g
(c)測定長は処理前L0=100mmを基準として、処理前後のフイルム長さL1(mm)の精読値を用いて次式で求める
熱収縮率(%)=(L0−L1)/L0×100 。
(7)絶縁破壊電圧(V/μm)
JIS C2330(2001年版)7.4.11.2 B法(平板電極法)によった。フイルム厚みが4μmの場合は、絶縁破壊電圧が600V/μm以上であることが好ましい。
(8)ヘイズ(%)
JIS−Z−1712に準拠し測定した。
次に、本発明の実施例に基づき説明する。
ポリプロピレン樹脂を重合する際に重合触媒を変更して表1に示す特性を有するポリプロピレン樹脂3種(A−1,A−2,A−3)を用意した。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂として、サンアロマー社製PF-814(B−1)、Borealis社製WB130HMS(B−2)を用意した。
これらの樹脂を溶融押出しする際に、表2の組み合わせであらかじめチップブレンドしたものを押出機に導いて所定の厚みにシート化して、2軸延伸フイルムを製膜した際の製膜性と得られたフイルムの延伸均一性と熱収縮率を評価した結果を表2に取りまとめた。
以下、実施例、比較例毎に評価結果を説明する。
(実施例1〜3)
表2に示すようにポリプロピレン樹脂(A−1,A−2)と高溶融張力ポリプロピレン樹脂(B−1,B−2)を用いてフイルム厚み4μmの2軸延伸フイルムを得た。いずれも延伸性に優れ、横(TD)方向の熱収縮率も1%台と小さかった。
(比較例1)
比較例1として高溶融張力PPを添加せず実施例1の条件で延伸しようとしたが、MD延伸時にフイルムが破断したために、実施例2で採用したMD延伸の145℃で延伸した。この結果得られたフイルムの延伸均一性はやや劣ったものになったと同時に熱収縮率も大きくなった。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂としてタイプA−1を用いた以外は実施例2と同様にして2軸延伸フイルムを得た。熱収縮率の大きいものが得られた。
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂としてA−1とB−1を用い、2軸延伸後のフイルム厚みが60μmのフイルムを得た。延伸均一性に優れ、熱収縮率の小さい耐熱性に優れていた。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂としてA−1のみを用いて、実施例4と同様に延伸を行ったが、延伸均一性に劣り、熱収縮率が高く、透明性に劣ったフイルムとなった。
Figure 2006063186
Figure 2006063186
本発明により得られるポリプロピレンフイルムは耐熱性に優れ、厚み、フイルム物性の均一性に優れることから、食品包装用途、粘着テープ類として好ましく用いることができる。特に、コンデンサ用途、離型用途のように高度な均一性と耐熱性、耐電圧特性を要求される用途についてはその要求特性を満足するフイルムを得ることができるので特に好ましい。

Claims (6)

  1. 数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン樹脂(A)と、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(B)とを溶融混練して得られるポリプロピレン樹脂を溶融押出し、冷却キャストしたのち2軸延伸を施してなるポリプロピレンフイルムの製造方法。
  2. ポリプロピレン樹脂(A)のメソペンタッド分率が0.945〜0.995であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
  3. ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対してポリプロピレン樹脂(B)を0.2〜50重量部添加することを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
  4. 少なくとも1軸方向に延伸する際のフィルム温度がポリプロピレン樹脂(A)の融点−15(℃)〜融点+5(℃)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
  5. ポリプロピレンフイルムの厚みが2.5〜6μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
  6. ポリプロピレンフイルムの厚みが30〜100μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフイルムの製造方法。
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