JP2006050543A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力インピーダンスの調整が容易で、かつ挿入損失特性、アイソレーション特性に優れた非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に配置した第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとアースとの間に配置した第2インダクタンス素子と、第1インダクタンス素子と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、第2インダクタンス素子と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、第1並列共振回路に並列接続した抵抗素子と、第1入出力ポートと第1インダクタンス素子との間に配置したインピーダンス調整手段とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、具体的には携帯電話などの移動体通信システムの中で使用され、一般にアイソレータと呼ばれる非可逆回路素子に関する。
数100MHzから十数GHzの周波数帯を利用した移動体通信機器、すなわち携帯電話基地局や、携帯電話の端末機等には、アイソレータなどの非可逆回路素子を用いる例が多い。
アイソレータは、例えば移動体通信機器の送信段において電力増幅器とアンテナとの間に配置され、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぎ、また電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる等の目的で用いられ、挿入損失特性、反射損失特性、アイソレーション特性に優れることが要求される。
このような非可逆回路素子として、従来から図27に示すアイソレータが良く知られている。このアイソレータは、フェリ磁性体であるマイクロ波フェライト38の一主面に、3つの中心導体31,32,33が互いに電気的絶縁状態で、かつ、120度の角度をなすように交差させて配置されており、各中心導体の一端はアースに接続され、更に他端には整合コンデンサC1〜C3が接続され、そして各中心導体31,32,33の何れか1つのポート(例えばP3)に終端抵抗Rtが接続される。フェライト38の軸方向には、永久磁石(図示せず)からの直流磁界Hdcが引加されるように構成されている。 このアイソレータは、ポートP1から入力した高周波信号を、ポートP2に伝送し、ポート2から進入する反射波を、終端抵抗Rtで吸収してポートP1へ伝送するのを阻止するように機能し、これによりアンテナのインピーダンス変動に伴う不要な反射波が、電力増幅器等に逆進入するのを防止している。
最近、従来のアイソレータとは異なる等価回路で構成され、挿入損失特性、反射特性に優れたアイソレータが注目されるようになった(特許文献1)。このアイソレータは、2つの中心導体を用いて構成されるものであり、2端子対アイソレータと呼ばれる。図24は、その基本構成を示す等価回路である。
この2端子対アイソレータは、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間に、電気的に接続された第1中心電極L1(第1インダクタンス素子)と、前記第1中心電極L1と電気的絶縁状態で交差して配置され、第2入出力ポートP2とアース電位との間に電気的に接続された第2中心電極L2(第2インダクタンス素子)と、前記第1入出力ポートP1と前記第2入出力ポートP2の間に電気的に接続され、前記第1中心電極L1と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子C1と、抵抗素子Rと、前記第2入出力ポートP2とアース電位の間に電気的に接続され、前記第2中心電極L2と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子C2とを有する。
第1並列共振回路でアイソレーション特性(逆方向減衰特性)が最大となる周波数が設定され、第2並列共振回路で挿入損失特性が最小となる周波数が設定される。第1入出力ポートP1から第2入出力ポートP2に高周波信号が伝搬する際には、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2間の第1並列共振回路は共振しないが、第2並列共振回路が共振するため、伝送損失が少なく挿入損失特性に優れたものとなる。
また、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に接続された抵抗素子Rにより、第2入出力ポートP2から第1入出力ポートP1へと逆流してくる電流が吸収される。
図25は2端子対アイソレータの具体的な構造例を示す分解斜視図である。この2端子対アイソレータ1は、軟鉄などの強磁性体からなり磁気回路を構成する金属ケース(上側ケース4、下側ケース8)と、永久磁石9と、マイクロ波フェライト20と中心導体21,22とからなる中心導体組立体13と、前記中心導体組立体13を搭載する積層基板30を備えている。
永久磁石9を収容する上側ケース4は略箱形状に形成されており、上面部4aおよび四つの側面部4bを備える。また下側ケース8は、底面部8aと左右の側面部8bを備える。そして、それぞれの表面には適宜AgやCuなどの導電性に優れた金属がめっきされている。
中心導体組立体13は、円板状のマイクロ波フェライト20と、その上面側に、絶縁層(図示せず)を介在させ、直交して交差するように配置した第1および第2中心導体21,22を備え、第1、第2中心導体21,22は前記交差部で電磁気的に結合している。
第1中心導体21,第2中心導体22は、それぞれ二本の線路で構成され、その両端部21a,21b、22a,22bは、マイクロ波フェライト20の下面に延在し、それぞれの端部21a〜22bは相互に分離されている。
図26に、積層基板30の分解斜視図を示す。
積層基板30は、前記中心導体の端部と接続する接続電極51〜54を裏面に設けたシート46aと、コンデンサ電極55,56や抵抗27を裏面に設けた誘電体シート41と、コンデンサ電極57を裏面に設けた誘電体シート42と、グランド電極58を裏面に設けた誘電体シート43と、入力外部電極14や出力外部電極15やアース外部電極16を設けた誘電体シート45などで構成されている。
中心導体接続電極51は、前記等価回路の第1入出力ポートP1となり、中心導体接続電極53,54は第2入出力ポートP2となり、中心導体接続電極52は第3ポートP3となる。
第1中心導体21の一端部21aは、第1入出力ポートP1(中心導体接続電極51)を介して入力外部電極14に電気的に接続されている。第1中心導体21の他端部21bは、第2入出力ポートP2(中心導体接続電極54)を介して出力外部電極15に電気的に接続されている。
第2中心導体22の一端部22aは、第2入出力ポートP2(中心導体接続電極53)を介して出力外部電極15に電気的に接続されている。第2中心導体22の他端部22bは、第3ポートP3(中心導体接続電極52)を介してアース外部電極16に電気的に接続されている。第1キャパシタンス素子C1(25)は第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に電気的に接続され、第1中心導体L1(21)とともに第1並列共振回路を形成する。第2キャパシタンス素子C2(26)は、第2入出力ポートP2と第3ポートP3の間に電気的に接続され、第2中心導体L2(22)とともに第2並列共振回路を形成する。
特開2004−88743
電気的特性に優れた非可逆回路素子を得ようとすれば、リアクタンス素子を接続する接続線路によって生じるインダクタンスや、電極パターン間の干渉により生じる浮遊キャパシタンス等、製造上の様々なばらつき要因を考慮する必要がある。
前記2端子対アイソレータでは、不要なリアクタンス成分が、前記第1、第2並列共振回路に接続する場合があり、その結果、2端子対アイソレータの入力インピーダンスが所望の値からずれ、2端子対アイソレータと接続する他の回路とのインピーダンス不整合を生じ、その結果、挿入損失特性、アイソレーション特性を劣化させる問題があった。
前記不要なリアクタンス成分を考慮して、前記第1、第2並列共振回を構成するインダクタンス、キャパシタンスを決定することは可能である。しかしながら、単純に第1、第2中心導体21,22を構成する線路の幅や間隔等を変更するなどしても、第1、第2中心導体21,22が相互に結合しているために、第1、第2インダクタンス素子L1,L2のインダクタンス値が共に変化し、第1入出力ポートP1,第2入出力ポートP2の入力インピーダンスを,それぞれ独立して調整するのが難しく、外部回路との最適な整合条件を得るのが困難な場合があった。また、特に第1入出力ポートP1の入力インピーダンスのずれは、挿入損失の増加を招く為に好ましいものでは無かった。
そこで本発明は、入力インピーダンスの調整が容易で、かつ挿入損失特性、アイソレーション特性に優れた非可逆回路素子を提供することを目的とする。
本発明は、第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に配置された第1インダクタンス素子と、 第2入出力ポートとアースとの間に配置された第2インダクタンス素子と、前記第1インダクタンス素子と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2インダクタンス素子と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1並列共振回路に並列接続された抵抗素子と、前記第1入出力ポートと前記第1インダクタンス素子との間に配置されたインピーダンス調整手段とを備えたことを特徴とする非可逆回路素子である。
本発明においては、前記インピーダンス調整手段を、インダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子で構成するのが好ましい。前記インピーダンス調整手段を、ローパスフィルタ又はハイパスフィルタとするのも好ましい。更に、前記第2並列共振回路とアースとの間に、インダクタンス素子を接続するのも好ましい。更に、前記第2並列共振回路とアースとの間に接続されるインダクタンス素子と並列にキャパシタンス素子を接続するのも好ましい。
本発明の非可逆回路素子において、前記第1インダクタンス素子及び前記第2インダクタンス素子は、フェリ磁性体に配置された第1中心導体と第2中心導体で形成される。そして前記第1又は2のキャパシタンス素子の少なくとも一部を、積層基板の電極パターンにより形成するのが好ましい。
また、前記インピーダンス調整手段用のインダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子が、前記積層基板の電極パターンにより形成されているか、又は前記積層基板への搭載素子により構成されているのが好ましい。
本発明に係る非可逆回路素子によれば、第1の入出力ポートと第1のインダクタンス素子との間にインピーダンス整合手段を備えることにより、そのインピーダンス整合手段後の回路構成によって得られる良好な挿入損失特性、アイソレーション特性を損なうことなく、入力インピーダンスの調整ができる。これにより、入力インピーダンスの調整が容易で、かつ挿入損失特性、アイソレーション特性に優れた非可逆回路素子を得ることが出来る。
以下本発明の非可逆回路素子について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。
この非可逆回路素子は、第1入出力ポートP1、第2入出力ポートP2を備えた2端子対アイソレータであって、ポートPTとポートPC間に接続された第1インダクタンス素子L1と、ポートPCとポートPEとの間に接続された第2インダクタンス素子L2と、前記ポートPTと前記ポートPC間に接続され、前記第1インダクタンス素子L1と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、前記ポートPCと前記ポートPEとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子L2と、第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子Cfと、前記ポートPTと前記ポートPC間に接続された抵抗素子Rと、前記第1入出力ポートP1と前記ポートPTとの間に接続されたインピーダンス調整手段90とを備える。そしてポートPEはアース電位と接続されている。なお、図2の等価回路に示すように、前記第1インダクタンス素子L1、第2インダクタンス素子L2は、フェリ磁性体に配置された第1中心導体21と第2中心導体22によって形成されている。
図3〜図5にインピーダンス調整手段90の一例を示す。インピーダンス調整手段90は、第3インダクタンス素子及び/又は第3キャパシタンス素子で構成される。インピーダンス調整手段90は、ポートPTの入力インピーダンスが誘導性を示すか、容量性を示すかにより適宜選択される。例えば、ポートPTから見た2端子対アイソレータの入力インピーダンスが誘導性を示す場合には、入力インピーダンスが容量性を示すインピーダンス調整手段90を用い、逆に前記入力インピーダンスが容量性を示す場合には、入力インピーダンスが誘導性を示すインピーダンス調整手段90を用いれば、所望のインピーダンスに整合させることが出来る。
前記インダクタンス素子やキャパシタンス素子は、取り扱いが容易で、定数の変更が比較的容易であるチップ部品で構成するのが好ましい。また、インダクタンス素子は分布定数線路で構成しても良い。
さらに、インピーダンス調整手段90をローパスフィルタで構成すれば、第1、第2の並列共振回路の第1、第2インダクタンス素子L1,L2及び、第1、第2キャパシタンス素子Ci,Cfを変更しなくても、容易にインピーダンスの調整が可能となるとともに、電力増幅器からの2次高調波、3次高調波といった不要な周波数成分(高調波信号)を取り除くことが出来る。
また前記電力増幅器は、用いられる高周波電力用トランジスタの出力端であるドレイン電極に対して、基本波周波数でのインピーダンス整合を得ることに加えて、基本波の偶数倍の周波数を有する高調波成分(例えば2倍波)に対して、インピーダンスをショートにして、高調波成分の消費電力を零として、電力増幅器を高効率で動作させることが行われている。他方、2端子対アイソレータの入力インピーダンス特性(S11)を見ると、2倍波において実質的にショートとなる場合がある。このようなインピーダンス条件では、電力増幅器が不安定動作となり、発振などを起こしてしまう場合があった。そこで、インピーダンス調整手段90を位相回路として利用し、位相θを移動させることで、電力増幅器と2端子対アイソレータの整合を非共役整合として、電力増幅器の発振を抑制することが出来る。例えば、インピーダンス調整手段90のインダクタンス素子を第1入出力ポートP1とポートPTとの間に直列接続される分布定数線路とすれば、その線路長、形状を調整することで、2次高調波に対する入力インピーダンスを所望の範囲の値に調整することが可能となる。
なお位相θを大きく移動させたい場合には、分布定数線路の線路長を長くすればよいが、電気的特性も劣化してしまう。インピーダンス調整手段90だけでは、十分に位相θを調整できない場合には、図17に示すように、ポートPEとアース電位との間にインダクタンス素子を接続するのが好ましい。前記インダクタンス素子はチップインダクタや分布定数線路で形成すればよい。ポートPEにインダクタンス素子を接続することで、インピーダンス調整手段90の分布定数線路の線路長を長くする場合と同様に、位相θは時計周りに移動する。
(実施例1)
以下、本発明に係る非可逆回路素子の構造について説明する。
図6は本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。本実施例においては、インピーダンス整合手段90として、第1入出力ポートP1と第1インダクタンス素子L1との間に配置され、シャント接続されるキャパシタンス素子Czを用いた。他の回路構成は、図1に示した等価回路と同じなのでその説明を省略する。
図7は、本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の外観斜視図であり、図8はその分解斜視図である。非可逆回路素子1は、マイクロ波フェライト10と、マイクロ波フェライト10に近接し、互いに電気的絶縁状態で交差するように配置された第1中心導体21及び第2中心導体22でなる中心導体20を有する中心導体組立30と、第1中心導体21及び第2中心導体22と共振回路を構成する第1、第2キャパシタンス素子Ci,Cfを形成する積層基板50と、前記積層基板50と電気的に接続する入力端子82a、出力端子83a、及びフレーム81とが形成された樹脂ケース80と、マイクロ波フェライト10に直流磁界を供給する永久磁石40と、前記永久磁石40、前記中心導体組立30、前記積層基板50とを、前記樹脂ケース80とで成す空間に収容する上ケース70とを備える。
中心導体組立体30は、例えば矩形状のマイクロ波フェライト10の表面に、第1中心導体21および第2中心導体22を、絶縁層(図示せず)を介在させて、交差するように配置し、構成されている。なお本実施例では、第1中心導体21及び第2中心導体22が直交する、すなわち交差角が90度の場合を示したが、本発明に係る非可逆回路素子は、それに限定されるものではなく、交差角が90度以外である場合も本発明の範囲内である。第1中心導体21および第2中心導体22を80°〜110°の間で交差させても良い。なお、交差角度によっても非可逆回路素子の入力インピーダンスが変化するので、インピーダンス調整手段を含めて、最適なインピーダンス整合条件となるように適宜設定するのが好ましい。
図9(A)は、中心導体組立体30を構成する中心導体20の平面展開図である。また、図9(B)はマイクロ波フェライト10に配置した組立状態の斜視図である。なお中心導体20の共通部23が見えるように、第1中心導体21および第2中心導体22に包み込まれたマイクロ波フェライト10を取り除いた状態で示している。
前記中心導体20は、第1中心導体21および第2中心導体22が、共通部23から二方向に各々延在するL字状の銅板で構成される。前記銅板は、例えば厚みが30μmの薄板を用い、更にその表面には半光沢の銀メッキを1〜4μm施すのが好ましい。このように構成することで、高周波における表皮効果によって損失を低減している。
第1中心導体21は3本の並列導体(線路)からなる電極指211〜213で形成され、前記第2中心導体22は1本の導体(線路)からなる電極指221で形成されている。このように構成することで、第1中心導体21で形成されるインダクタンスを、第2中心導体22で形成されるインダクタンスよりも小さくしている。
本実施例の中心導体20は、マイクロ波フェライトフ10を第1中心導体21及び第2中心導体22で周回するように包み込む様にしていることで、単にマイクロ波フェライトの一主面に中心導体を配置する場合よりも、大きなインダクタンスを形成することが出来る。このことは、非可逆回路素子の小型化に伴い、マイクロ波フェライト10の面積、厚さの両方とも小型化せざるを得ない状況において大きな効果がある。
本実施例では、第1中心導体21及び第2中心導体22を、一体の銅板から構成しているが、第1中心導体21及び第2中心導体22を、各々別の導体で構成しても良い。また、ポリイミド等、可撓性の耐熱絶縁シートの両面に、第1中心導体21と第2中心導体22とを各々印刷またはエッチングにより形成しても良いし、引用文献1で開示されているように、マイクロ波フェライト10に第1中心導体21と第2中心導体22とを印刷して形成することも出来、様々な態様を取ることが可能である。
次に、マイクロ波フェライト10について説明する。
本実施例ではマイクロ波フェライトは、矩形状のものを用いているが特に限定されるものではなく、引用文献1に開示されたような円板状でも良い。なお矩形状のマイクロ波フェライト10を用いると、その体積を円板状のものよりも増加させることができるので、マイクロ波フェライト10に巻かれる第1、第2中心導体21,22の長さを、円板状のものよりも長く取ることが出来、第1、第2中心導体21,22のインダクタンスを大きくすることができる。
マイクロ波フェライト10は、ガーネット構造を有するフェライトであり、YIG(イットリウム・鉄・ガーネット)などが用いられる。また、YIGのYの一部をGd,Ca,V等で、Feの一部をAlやGa等で置換したものも用いることができる。なお、マイクロ波フェライトはYIGに特に限定されるものではなく、永久磁石40からの直流磁界に対して非可逆回路素子としての機能を果たす磁性体材料であれば良く、使用される周波数によっては、Ni系フェライトを用いる場合もある。
次に、永久磁石40について説明する。
永久磁石40は、中心導体組立30に直流磁界を印加するものであり、略箱型状の上ケース70の内壁面に接着剤などにより固定される。
永久磁石40としてはフェライト磁石(SrO・nFe)が最も安価であり、且つマイクロ波フェライト10との温度特性の相性も良い。より好ましくは、Sr及び/またはBaの一部をR元素(R元素は、Yを含む希土類元素の少なくとも1種)で置換し、Feの一部をM元素(M元素は、Co、Mn、Ni及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種)で置換したマグネトプランバイト型結晶構造を有し、前記R元素及び/又はM元素が化合物の状態で仮焼後の粉砕工程で添加されているフェライト磁石が良い。従来のフェライト磁石(SrO・nFe)に比較し高い磁束密度を有するので、非可逆回路素子の小型、薄型化を可能にする。好ましくは残留磁束密度Brが420mT以上であり、保持力iHcが300kA/m以上の磁気特性を有するフェライト磁石である。
次に積層基板50について説明する。
図10に積層基板50の分解斜視図を示す。積層基板50は6層の誘電体シートS1〜S6の積層して構成される。誘電体シートS1〜S6に用いるセラミックの材料組成は、Agなどの導体ペーストと同時焼成できる低温焼結セラミックス材料、所謂LTCCセラミックなら何でも使用できる。
なお、環境対策上の観点から、前記低温焼結セラミックス材料は鉛を含まない組成系が好ましい。このような低温焼結セラミックス材料としては、主成分であるAl,Si,Sr,TiをそれぞれAl、SiO、SrO、TiOに換算したとき、Al換算で10〜60質量%、SiO換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO換算で20質量%以下(0を含む)で、主成分100質量%に対して、好ましくは副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうち少なくとも1種をBi換算で0.1〜10質量%、NaO換算で0.1〜5質量%、KO換算で0.1〜5質量%、CoO換算で0.1〜5質量%含有し、更に、Cu、Mn、Agの群のうち少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量%、MnO換算で0.01〜5質量%、Agを0.01〜5質量%含有し、その他不可避不純物を含有するものがある。
積層基板50は、低温焼結セラミックス材料を用いることで、AgやCu、Auなどの高い導電率を有する金属材料を内部電極として使用できる。その結果、高いQ値を有する誘電体材料を用い、しかも電気抵抗による損失を抑えた内部電極を用いることで、極めて損失の小さい非可逆回路素子を構成できる。
前述の組成を有する混合物を700℃〜850℃で仮焼、粉砕して平均粒径0.6〜2μmの微粉砕粉とし、それをバインダや溶剤などと共にスラリー化して、ドクターブレード法などで誘電体のグリーンシートを製作した。得られた複数のグリーンシートに、ビアホールを形成し、導電性ペーストで印刷して電極パターンを形成し、前記ビアホールにも導電性ペーストを充填した。しかる後、前記グリーンシートを積層し、焼成して積層基板50を作製した。
多層基板50の表面に形成された電極パターンには、Niメッキを下地としてAuメッキの施されることが多い。Auメッキは半田濡れ性を良くすると共に、導電率が高いので非可逆回路素子を低損失にできる効果がある。Niメッキは中間層として、Ag,Cu,Ag−Pdなどの下地層とAuメッキの上地層との間の固着強度を向上する為のものである。電極パターンの厚みは、通常2〜20μm程度であり、表皮効果の表皮厚さの2倍以上に設定される。
なお、積層基板50の寸法は約4mmか、それ以下の小型なものとなる。そこで積層基板50を多数集合してなるマザー積層基板を準備し、予め形成された分割溝に沿って折ることにより、積層基板50を多数製造するのが好ましい。あるいは、マザー積層基板の状態で製造した後、ダイサーやレーザ加工により切断して製造することも出来る。
また、積層基板30の焼成条件(特に焼成温度1000℃以下)では焼成しない収縮抑制シートで、積層基板30の平面方向(X−Y方向)の焼成収縮を抑制するにように、上下を挟持して焼成した後に、収縮抑制シートを除去して積層基板50を得る拘束焼成法によると、焼成歪が小さい積層基板を得ることができる。前記収縮抑制シートの材料は、アルミナ粉末や、アルミナ粉末と安定化ジルコニア粉末の混合材料などが使用できる。収縮抑制シートは焼成後、超音波洗浄、湿式ホーニング法、ブラスト法などで除去される。
誘電体シートS1〜S6には導電性ペーストで電極パターンが印刷され、誘電体シートS1には、電極パターン501〜504、520が配設されている。誘電体シートS2には、電極パターン505、506が形成される。誘電体シートS3には電極パターン507、誘電体シートS4には電極パターン508、誘電体シートS5には電極パターン509、誘電体シートS6には電極パターン510が形成される。
誘電体シートS1〜S6の各層間は、導電性ペーストを充填したビアホールVHg1〜VHg6,VHi1〜VHi9,VHo1〜VHo9で電気的に接続される。ビアホールVHg1〜VHg6は、各層の電極パターン504、505,510をグランド電極GNDに電気的に接続する。ビアホールVHi1〜VHi9は、電極パターン502を電極パターン508を介して入力端子INに電気的に接続する。ビアホールVHo1〜VHo9は、各層の電極パターン520、507、509を出力端子OUTに電気的に接続する。電極パターン503、506、507、508、509で第1キャパシタンス素子Ciを構成し、電極パターン520、505、507及び電極パターン509,510で第2キャパシタンス素子Cfを構成している。
本実施例においては、第1、第2キャパシタンス素子Ci,Cfを構成する電極パターンを、複数の層に配置し、これをビアホールで並列接続している。このようにして、積層基板50の面積を最大限に有効利用し、一層当りの電極パターンの形成面積を広面積として、30pF程度の静電容量を形成した。
積層基板の主面には、誘電体シートS1に設けられた複数の電極パターンが現れる。電極パターン503、504には、インピーダンス整合回路90として働くチップコンデンサ61が搭載、半田付けされ、電極パターン501、520には、チップ抵抗64が搭載、半田付けされる形成される。また、電極パターン501の略円形部には、中心導体20の共通部23が半田付けなどにより電気的に接続される。本実施例では、前記電極パターン501を略円形としているが、これは周囲の電極パターン502,503,504の形成面積を広く取りながら、それら電極パターンとの絶縁距離を最大に取るためである。前記電極パターン503には、第1中心導体21の端部21aが半田付けなどにより電気的に接続され、前記電極パターン504には、第2中心導体22の端部22aが半田付けなどにより電気的に接続される。
積層基板50を裏面には、入力端子INと出力端子OUTとが、グランド電極GNDを挟んで配設される。グランド電極GNDは、後述する樹脂ケース80の底部にインサート成形されたフレーム底部81bに、田付けなどで電気的に接続される。入力端子INは樹脂ケース80の内側に配設された入力端子の一部82bに、出力端子OUTは樹脂ケース80の内側に配設された出力端子の一部83bに、それぞれ半田付けなどで電気的に接続される。
本実施例では、インピーダンス整合手段として用いたキャパシタンス素子Cinを、積層基板50の主面に実装したチップコンデンサ61とした。これにより、所望の値のチップコンデンサを選んで実装することができ、容易に入力インピーダンスの調整が可能である。また、図11に示すように、このインピーダンス整合手段のキャパシタンス素子Cinを積層基板50の内部に電極パターン511で形成することも出来る。図11に示した積層基板の例では、キャパシタンス素子Cinを誘電体シートS7に形成し、誘電体シートS6に形成された電極パターン510、誘電体シートS7に形成されたグランド電極GNDとで、キャパシタンス素子Czを形成している。これにより、チップコンデンサの搭載工程を無くし、インピーダンス整合が可能である。更に、このチップコンデンサの実装と積層基板内のキャパシタンス素子との両者を組み合わせて形成しても良い。これにより、積層基板50の内部に構成したインピーダンス整合手段の容量の調整として、チップコンデンサを搭載することができる。
また、本発明に係る非可逆回路素子のインピーダンス整合手段は、インダクタンス素子、あるいはインダクタンス素子とキャパシタンス素子を組み合わせも構成することが出来る。前記インダクタンス素子は、チップインダクタを用いて形成しても良いし、誘電体シートの上に導電性ペーストを印刷して形成された電極パターン(ラインパターン)で形成しても良い。
インピーダンス整合手段として用いるインダクタンス素子やキャパシタンス素子を、電極パターンで積層基板に形成する場合は、トリミング加工により調整する以外は、調整が困難なのに対して、チップコンデンサやチップインダクタを用いることで、細かくコンデンサ値、インダクタンス値を設定出来、インピーダンス整合が良好に取れるように自在に調整できる。
次に上ケース70について説明する。
上ケース70は略箱型形状で、磁気回路を形成するため、例えば、軟鉄などの強磁性体からなる材料で形成され、その表面にAgやCuがメッキされる。上ケース70は、樹脂ケース80にインサート成形された金属板であるフレーム側壁81a,81cとともに、それぞれの合わせ面を接合することにより、磁気ヨークとしても機能する。つまり、永久磁石40と中心導体組立30と積層基板50を囲む磁路を形成する。また、上ケース70は材質が金属であるから、磁気回路を形成するとともに他の構成部材を収納保持する外部ケースとしての機能も有する。
更に、上ケース70の表面に、Ag、Cu、Au、Alのうち、少なくとも一つを含む金属または合金で、電気抵抗率が5.5μΩcm以下、好ましくは3.0μΩcm、更に好ましくは1.8μΩcm以下の導電性の高い金属層をメッキなどにより形成するのが好ましい。金属層の厚さは0.5〜25μm、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1〜8μmである。このように構成することで、外部との相互干渉を抑制して損失を低減することができる。
次に樹脂ケース80について説明する。
図12に樹脂ケース80の平面図を示す。この樹脂ケース80は、0.1mm程度の導体薄板を有し、この導体薄板を用いた入力端子82a(IN−等価回路の第1入出力ポートP1)、出力端子83a(OUT−等価回路の第2入出力ポートP2)、及びフレーム81をインサート成形で備えたものである。本実施例では、入力端子82a(IN)及び出力端子83a(OUT)を、それぞれ前記フレーム81と一体の金属材料から、打ち抜き等の板金加工や、エッチングなどにより成形している。フレーム81は、フレーム底部81bと、その両側へ立設された2つのフレーム側壁81a,81cとが一体の板金などにより加工されたものである。フレーム端子部81d〜81gもフレーム81の一部として一体であり、グランド端子として使用される。フレームの金属材料は、例えばSPCCで厚み0.15mm程度のものが使用される。さらにその表面にCuメッキ1〜3μmを施し、その上に厚み2〜4μmのAgメッキが施している。このようにめっき処理することで高周波特性を改善している。
フレーム底部81bは、入力端子IN及び出力端子OUTとから電気的に絶縁してグランドとして機能させる為に、入力端子INの一部82b、及び出力端子OUTの一部83bとから0.3mm程度の空間で隔てて絶縁距離を確保している。フレーム側壁81a,81cを前記上ケース70の側壁と向かい合うように嵌め合わせることで、永久磁石70の磁束を中心導体組立30に均一分布で供給できるようにしている。
樹脂ケース80に形成される空間部に積層基板50を収容し、前記積層基板50の入力端子INと樹脂ケース80の入力端子の一部82bとを、積層基板50の出力端子OUTと樹脂ケース80の出力端子の一部83bとを半田付により電気的に接続した。積層基板50の底部のグランドGNDは、樹脂ケース80のフレーム底部81bに半田付により電気的に接続し、グランドとして安定に機能するようにした。
図12に示した樹脂ケースは、グランド端子GNDを4つ設けているので、アース電位を確実かつ安定に得ることが出来る。更に、入力端子IN、出力端子OUTを含めて6箇所で半田付けすることで、非可逆回路素子の実装強度を向上させる効果もある。
樹脂ケース80と上ケース70との合わせ面となる、樹脂ケース80のフレーム側壁81a,81cの2箇所は、両方とも上ケース70と半田接合するのではなく、片方のみを半田接合するか、両方を接着剤で接合するのが好ましい。両方とも上ケース70と半田接合すると挿入損失が悪化することがある。これは高周波電流のループが上ケース70に形成されることで発生する高周波磁界が、中心導体組立30に影響するためと考えられる。
上記のようにして、周波数830〜840MHzで3.2mm角の超小型な非可逆回路素子を作製した。この非可逆回路素子で用いたマイクロ波フェライト10他の構成部品の寸法等は以下の通りである。マイクロ波フェライト10は直径1.9mm×厚み0.35mmのガーネットを、永久磁石40は長さ2.8mm×幅2.5mm×厚み0.4mmのフェライトを用いた。第1中心導体21と第2中心導体22は、L字状の金属板でエッチングにより一体に形成した。金属板の材質は、厚み30μmのCuで、厚み1〜4μmの半光沢Agメッキを施した。第1中心導体21は、全体の幅が1.0mm、各々の幅が0.2mmの3本の並列接続導体で形成し、各導体の間は幅0.25mmの切欠きで隔てられる。他方、第2中心導体22は、幅0.2mmの単線で形成される。そして、ダミー抵抗としてチップ抵抗70Ωを積層基板に半田付け、搭載した。また、インピーダンス整合手段として1pFのチップコンデンサを第1入出力ポートP1とグランドとの間に接続するように、積層基板に半田付け、搭載した。
このようにして製作した非可逆回路素子について、S11スミスチャート、入力側反射損失、挿入損失、アイソレーションを比較例と共に測定した。測定は、周波数785〜885MHzでネットワーク・アナライザに依った。比較例は、入力インピーダンスの整合手段であるチップコンデンサを接続しないものとした。
図13は第1入出力ポートP1の反射特性を示すS11スミスチャートを示す。このS11スミスチャートは、第2入出力ポートP2を特性インピーダンス50Ωで終端したときの、第1入出力ポートP1側の入射波に対する反射波の割合を示す。S11スミスチャートから、中心周波数835MHzにおいて、比較例のインピーダンスが50+j11Ωであり、誘導性のインピーダンスを示したのに対して、本発明では50+j0.3Ωとインピーダンスの虚数部が僅少でインピーダンスが50Ωと良好なインピーダンス整合が実現できた。
図14は第1入出力ポートP1側の反射損失の周波数特性を示す。中心周波数835MHzにおいて、比較例の反射損失は19dBに対して、本発明によると39dBと、入力側反射損失が著しく改善されることが分かる。図15は挿入損失の周波数特性を示す。中心周波数835MHzにおいて、比較例の0.52dBに対して本発明の非可逆回路素子は0.45dBと、挿入損失も改善されることが分かる。アイソレーション特性は、図16に示すように、本発明と従来例で変化は見られず、共に良好であることが分かる。
以上、実施例ではインピーダンス整合回路90として、専らキャパシタンス素子を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図13で例示した実施態様では、S11スミスチャートが比較例では誘導性、すなわちS11スミスチャートで上半面にインピーダンス位置が来たので、容量性のキャパシタンス素子Czで虚数部を補正して、入力インピーダンスを50Ωとしたものである。従って、入力インピーダンスがS11スミスチャートの下半分、すなわちR−jXとなった場合には、誘導性のインダクタンス素子により虚数部を補正することが可能である。
(実施例2)
本発明の他の実施例に係る非可逆回路素子について、図18〜図21を基に説明する。
図18は、本実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。実施例1と相違する点は、インピーダンス整合回路90を、キャパシタンス素子Czと、第1入出力ポートP1とポートPTの間に直列接続したインダクタンス素子Lz1で構成する点である。インダクタンス素子Lz1は、例えば、図19に示した積層基板分解斜視図において、誘電体シートS6に形成された電極パターン512により構成された分布定数線路である。図20は、インダクタンス素子Lz1を接続しない場合のS11スミスチャートであり、図21は、本実施例のS11スミスチャートである。スミスチャートにおいて、マーカ1〜3はそれぞれ835MHz、1.68GHz、2.52GHzの周波数を示している。インダクタンス素子Lz1を接続することによって、基本波(835MHz)の整合条件をほとんど変化させずに、高調波成分(1.68GHz−2倍波、2.52GHz−3倍波)の位相θを移動させることが出来るのが分かる。このため、電力増幅器と2端子対アイソレータの整合が共役整合となるのを防ぎ、電力増幅器の発振を抑制することが出来る。
(実施例3)
本発明の他の実施例に係る非可逆回路素子について、図22及び図23を基に説明する。
図23は、本実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。実施例1と相違する点は、ポートPEとアース電位との間にインダクタンス素子LWとキャパシタンス素子CWの並列共振回路を接続する点である。本実施例の非可逆回路素子によれば、他の実施利例のものと比べて通過帯域を広帯域化することが可能となる。
このインダクタンス素子LW、キャパシタンス素子CWは、例えば、図23に示した積層基板分解斜視図において、誘電体シートS6に形成された電極パターン513により構成された分布定数線路や、誘電体シートS8に形成された電極パターン514と、誘電体シートS7に形成された電極パターン510、裏面に形成された電極パターンGNDとで構成されるコンデンサである。このように、このインダクタンス素子LW、キャパシタンス素子CWは、積層基板に内蔵させることができる。これにより、搭載部品を増加させることなく、小型に構成できる。しかし、このインダクタンス素子LW、キャパシタンス素子CWは、積層基板に搭載する素子により構成することも可能である。これは、インピーダンス調整手段の場合と同様に、種々の構成を選択することができる。
本実施例の非可逆回路素子では、基本波の周波数帯が比較的広い場合であっても、その対応が容易となる。
本発明に係る非可逆回路素子によると、入力インピーダンスの調整が容易で、かつ挿入損失特性、アイソレーション特性を劣化させることの無い非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によると非可逆回路素子の入力インピーダンスを容易に調整できるため、移動体通信機器の送信部において電力増幅器とアンテナの間に配置したとき、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぐのみならず、電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させるため、携帯電話などの電池寿命を伸ばすこともできる。
本発明一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路図である。 本発明一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路図である。 (a)本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いるインピーダンス整合手段の一例を示す等価回路である。(b)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(c)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(d)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(e)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。 (a)本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いるインピーダンス整合手段の一例を示す等価回路である。(b)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(c)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(d)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。 (a)本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いるインピーダンス整合手段の一例を示す等価回路である。(b)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(c)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。(d)インピーダンス整合手段の他の例を示す等価回路である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の分解斜視図である。 (A)本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる中心導体の平面展開図である。(B)その組立状態の斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる他の積層基板の分解斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる樹脂ケースの平面図である。 本発明の一実施例と比較例に係る非可逆回路素子のS11スミスチャート図である。 本発明の一実施例と比較例に係る非可逆回路素子の入力側反射損失の周波数特性図である。 本発明の一実施例と比較例に係る非可逆回路素子の挿入損失の周波数特性図である。 本発明の一実施例と比較例に係る非可逆回路素子のアイソレーションの周波数特性図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子のS11スミスチャート図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子のS11スミスチャート図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 従来の非可逆回路素子の等価回路である。 従来の非可逆回路素子の分解斜視図である。 従来の非可逆回路素子に使用される積層基板の分解斜視図である。 従来の他の非可逆回路素子の等価回路である。
符号の説明
10 フェリ磁性体
20 中心導体
21 第1中心導体
22 第2中心導体
23 中心導体の共通部
30 中心導体組立
40 永久磁石
50 積層基板
61 チップコンデンサ
63 チップ抵抗
70 上ケース
90 インピーダンス整合回路

Claims (8)

  1. 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に配置された第1インダクタンス素子と、
    第2入出力ポートとアースとの間に配置された第2インダクタンス素子と、
    前記第1インダクタンス素子と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、
    前記第2インダクタンス素子と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、
    前記第1並列共振回路に並列接続された抵抗素子と、
    前記第1入出力ポートと前記第1インダクタンス素子との間に配置されたインピーダンス調整手段とを備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記インピーダンス調整手段が、インダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記インピーダンス調整手段が、ローパスフィルタ又はハイパスフィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記第2並列共振回路とアースとの間に、インダクタンス素子を接続することを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  5. 前記第2並列共振回路とアースとの間に接続されるインダクタンス素子と並列にキャパシタンス素子を接続することを特徴とする請求項4に記載の非可逆回路素子。
  6. 前記第1インダクタンス素子及び前記第2インダクタンス素子は、フェリ磁性体に配置された第1中心導体と第2中心導体で形成されることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  7. 前記第1又は2のキャパシタンス素子の少なくとも一部が、積層基板の電極パターンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  8. 前記インピーダンス調整手段用のインダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子が、前記積層基板の電極パターンにより形成されているか、又は前記積層基板への搭載素子により構成されていることを特徴とする請求項7に記載の非可逆回路素子。
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