JP4293118B2 - 非可逆回路素子および通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用される非可逆回路素子および通信装置に関する。
一般に、非可逆回路素子である2ポート型アイソレータは、信号を伝送方向のみに通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有しており、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
この種の2ポート型アイソレータ(第1中心電極および第2中心電極の二つの中心電極を有するアイソレータ)として、特許文献1に記載のものが知られている。図17に示す2ポート型アイソレータ300は、フェライト303と、該フェライト303の上面に配置された2本の中心電極301,302と、整合用コンデンサ304,305と、抵抗306とを備えている。第1ポートP1とアースの間には、第1中心電極301のインダクタンスL1と整合用コンデンサ304の静電容量C1とが並列共振回路を構成している。第2ポートP2とアースの間には、第2中心電極302のインダクタンスL2と整合用コンデンサ305の静電容量C2とが並列共振回路を構成している。なお、図17において、符号311は入力端子、312は出力端子である。
この2ポート型アイソレータ300は、第1および第2中心電極301,302が直交していることから、使用周波数帯域外でも高い減衰量が得られ、広帯域のアイソレーションが得られるという利点がある。そして、2ポート型アイソレータ300の構造の大きな特徴は、第1中心電極301の一端を第1ポートP1とし、第2中心電極302の一端を第2ポートP2とし、第1および第2中心電極301,302の他端(共通端)をそれぞれアースに接続し、第1ポートP1と第2ポートP2の間に抵抗306を接続していることである。
また、図18に示す2ポート型アイソレータ320は、フェライト323と、該フェライト323の上面に配置された2本の中心電極321,322と、整合用コンデンサ324,325と、抵抗326とを備えている。第1ポートP1と第3ポートP3の間には、中心電極321のインダクタンスL1と整合用コンデンサ324の静電容量C1と抵抗326が並列共振回路を構成している。第2ポートP2と第3ポートP3の間には、中心電極322のインダクタンスL2と整合用コンデンサ325の静電容量C2とが並列共振回路を構成している。なお、図18において、符号331は入力端子、332はアース端子、333は出力端子である。
2ポート型アイソレータ320の構造の大きな特徴は、第1中心電極321の一端を第1ポートP1とし、第1および第2中心電極321,322の他端(共通端)を第3ポートP3とし、第2中心電極322の一端を第2ポートP2としていることである。そして、2ポート型アイソレータ320では、入力端子331から出力端子333に信号が伝搬する際、第1ポートP1と第3ポートP3間の共振回路(インダクタンスL1と静電容量C1からなる共振回路)は共振することがなく、一つの共振回路(第3ポートP3と第2ポートP2間に接続されているインダクタンスL2と静電容量C2からなる共振回路)が共振しているだけなので、挿入損失を大幅に改善することができる。
ところで、近年、移動体通信機器に用いられる2ポート型アイソレータに対して、通過帯域の2倍の周波数帯域(2倍波)、3倍の周波数帯域(3倍波)での高減衰量を要求されている。これは、移動体通信機器に用いられるフィルタ素子を不要にしたり、あるいはフィルタ素子を構成する回路素子を簡略化したりして、低価格化や低損失化を実現するためである。
特開平9−232818号公報
そこで、本発明の目的は、通過帯域の2倍の周波数帯域(2倍波)、3倍の周波数帯域(3倍波)での減衰量を大きくすることができる非可逆回路素子および通信装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
(c)フェライトに配置され、一端が第1ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第1中心電極と、
(d)第1中心電極と電気的絶縁状態で交差してフェライトに配置され、一端が第2ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第2中心電極と、
(e)第1ポートとアースの間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと、
(f)第2ポートとアースの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
を備え
より具体的には、第3ポートとアースの間に抵抗を電気的に接続し、第1ポートと第2ポートとをそれぞれ入出力ポートとしたことを特徴とする。あるいは、第1ポートもしくは第2ポートのいずれか一方のポートとアースの間に抵抗を電気的に接続し、抵抗が接続されていない第1ポートもしくは第2ポートと第3ポートとをそれぞれ入出力ポートとしたことを特徴とする。
本発明によれば、第3ポートのインピーダンスが、第1ポートのインピーダンスおよび第2ポートのインピーダンスより低くでき、通過帯域で従来と同等特性を実現しつつ、通過帯域の2倍の周波数帯域(2倍波)、3倍の周波数帯域(3倍波)での減衰量を大きくすることができる非可逆回路素子や通信装置を得ることができる。
以下に、本発明に係る非可逆回路素子および通信装置の実施例について添付図面を参照して説明する。
[第1実施例、図1〜図8]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施例の分解斜視図を図1に示す。2ポート型アイソレータ1は、集中定数型アイソレータである。図1に示すように、2ポート型アイソレータ1は、概略、金属製上側ケース4と金属製下側ケース8とからなる金属ケースと、樹脂ケース3と、永久磁石9と、フェライト20と中心電極21,22とからなる中心電極組立体13と、積層基板30を備えている。
金属製下側ケース8は左右の側壁8aと底壁8bとを有している。下側ケース8はインサートモールド法によって、樹脂ケース3と一体成形されている。下側ケース8の底壁8bの対向する一対の辺からは、それぞれ2本のアース端子16が延在している(奥側の2本のアース端子は図示せず)。金属製上側ケース4および金属製下側ケース8は磁気回路を形成するため、例えば、軟鉄などの強磁性体からなる材料で形成され、その表面にAgやCuがめっきされる。
中心電極組立体13は、円板状のマイクロ波フェライト20の上面に2組の第1および第2中心電極21,22を、絶縁層(図示せず)を介在させて交差するように配置している。二つの中心電極21,22の交差角度は90度と異なる角度に調整されている。本第1実施例では、中心電極21,22を最外幅が平行な二つのラインで構成したが、一つあるいは三つ以上のラインで構成してもよいし、非平行や湾曲の形状の中心電極であってもよい。第1中心電極21と第2中心電極22のそれぞれの両端部21a,21b、22a,22bは、フェライト20の下面に延在している。端部21bと22bは一つの共通端部を形成し、端部21a,22aとは相互に分離している。
中心電極21,22は銅箔を用いてフェライト20に巻きつけてもよいし、フェライト20上あるいは内部に銀ペーストを印刷して形成してもよい。あるいは、特開平9−232818号公報記載のように積層基板で形成されていてもよい。ただし、印刷した方が中心電極21,22の位置精度が高いので、積層基板30との接続が安定する。特に、今回のように微小な中心電極用接続電極51〜53(後述)で接続する場合には、中心電極21,22を印刷形成した方が信頼性、作業性が良い。
積層基板30は、図2に示すように、中心電極用接続電極51〜53と、コンデンサ電極56,57や抵抗27を裏面に設けた誘電体シート41と、グランド電極58を裏面に設けた誘電体シート42などにて構成されている。中心電極用接続電極51は第1ポートP1とされ、中心電極用接続電極52は第2ポートP2とされ、中心電極用接続電極53は第3ポートP3とされる。
この積層基板30は、以下のようにして作製される。すなわち、誘電体シート41,42は、Al23を主成分とし、SiO2,SrO,CaO,PbO,Na2O,K2O,M
gO,BaO,CeO2,B23のうちの1種類あるいは複数種類を副成分として含む低
温焼結誘電体材料にて作製する。
さらに、積層基板30の焼成条件(特に焼成温度1000℃以下)では焼成せず、積層基板30の基板平面方向(X−Y方向)の焼成収縮を抑制する収縮抑制シート46,47を作製する。この収縮抑制シート46,47の材料は、アルミナ粉末および安定化ジルコニア粉末の混合材料である。シート41,42,46,47の厚みは10μm〜200μm程度である。
電極51〜53,56〜58は、パターン印刷などの方法によりシート41,42,46の裏面に形成される。電極51〜53,56〜58の材料としては、抵抗率が低く、誘電体シート41,42と同時焼成可能なAg,Cu,Ag−Pdなどが用いられる。
抵抗27は、パターン印刷等の方法により誘電体シート41の裏面に形成される。抵抗27の材料としては、サーメット、カーボン、ルテニウムなどが使用される。抵抗27は積層基板30の上面に印刷で形成してもよいし、チップ抵抗で形成してもよい。
ビアホール60や側面ビアホール65は、誘電体シート41,42にレーザ加工やパンチング加工などにより、予めビアホール用孔をあけた後、そのビアホール用孔に導電ペーストを充填することにより形成される。
コンデンサ電極56,57は、誘電体シート42を間に挟んでコンデンサ電極58に対向してそれぞれ整合用コンデンサ25,26構成する。これら整合用コンデンサ25,26や抵抗27は、電極51〜53やビアホール60,65とともに、積層基板30の内部に電気回路を構成する。
以上の誘電体シート41,42は積層され、さらに、誘電体シート41,42の積層体の上下両側から収縮抑制シート46,47で挟み込んだ後、焼成される。これにより、焼結体が得られ、その後、超音波洗浄法や湿式ホーニング法によって、未焼結の収縮抑制シート46,47を除去し、図1に示すような積層基板30とする。
図1に示すように、樹脂ケース3は底部3aと二つの側部3bを有している。底部3aには、金属製下側ケース8の底壁8bが広面積に露出している。樹脂ケース3には入力端子14(図4参照)および出力端子15がインサートモールドされている。入力端子14および出力端子15はそれぞれ一端が樹脂ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂ケース3の底部3aに露出して入力引出電極14aおよび出力引出電極(図示せず)とされている。アース端子16はそれぞれ、樹脂ケース3の対向する外側面から外方向へ導出している。
以上の構成部品は以下のようにして組み立てられる。すなわち、図1に示すように、中心電極組立体13の中心電極21,22の各々の端部21a〜22bが積層基板30の表面に形成された中心電極用接続電極51〜53にはんだにて電気的に接続されることにより、積層基板30上に中心電極組立体13が実装される。なお、中心電極21,22と中心電極用接続電極51〜53のはんだ付けは、マザーボード状態の積層基板30に対して効率良く行ってもよい。
積層基板30は金属製下側ケース8と一体成形している樹脂ケース3内に収容される。さらに、その上に中心電極組立体13および永久磁石9が積み重ねられる。積層基板30の下面に配設されているグランド電極58は、はんだによって底壁8bに接続固定され、積層基板30の端面に配設されている二つの側面ビアホール65は、それぞれはんだによって入力引出電極14aおよび出力引出電極に接続固定される。これらのはんだ付けと同時に、金属製下側ケース8と金属製上側ケース4が、はんだ等で接合されることにより金属ケースを構成し、ヨークとしても機能する。つまり、この金属ケースは、永久磁石9と中心電極組立体13と積層基板30を囲む磁路を形成する。また、永久磁石9はフェライト20に直流磁界を印加する。
こうして、図3に示す2ポート型アイソレータ1が得られる。図4はアイソレータ1の電気等価回路図である。第1中心電極21の一端部21aは、第1ポートP1(中心電極用接続電極51)を介して入力端子14に電気的に接続されている。第2中心電極22の一端部22aは、第2ポートP2(中心電極用接続電極52)を介して出力端子15に電気的に接続されている。第1中心電極21の他端部21bおよび第2中心電極22の他端部22bは、第3ポートP3(中心電極用接続電極53)並びに抵抗27を介してアース端子16に電気的に接続されている。整合用コンデンサ25は、第1ポートP1とアースの間に電気的に接続されている。整合用コンデンサ26は第2ポートP2とアースの間に電気的に接続されている。
この2ポート型アイソレータ1において、図5に示すように、第1ポートP1に負荷する抵抗をZ1とし、第2ポートP2に負荷する抵抗をZ2とし、相互インダクタンスを無視すると、以下の関係式を満足する場合に整合が取れる。
Z1・Z2/(Z1+Z2)=(R+jωL1・L2/(L1+L2))/(1+jω(C1+C2)R−ωL1・L2/(L1+L2)・(C1+C2)) …(1)
ここで、ωL1・C1=1、ωL2・C2=1の条件でこの回路が共振しているとすると、関係式は、
Z1・Z2/(Z1+Z2)=1/(jω(C1+C2))+L1・L2/(L1+L2)/(R(C1+C2))
となる。従って、
R=L1・L2/(L1+L2)・(Z1+Z2)/(Z1・Z2)/(C1+C2)
と設定すれば、実部の整合が取れる。上式では1/(jω(C1+C2))分虚部がずれるが、実際のアイソレータの場合、相互インダクタンスがあり、これでキャンセルされていると考えられる。
上式で、L1=L2=0.75nH、C1=C2=21.5pFとし、さらに、通常、第1ポートP1および第2ポートP2には50Ωのストリップラインを接続するので、Z1,Z2をそれぞれ50Ωとすると、Rは約1Ωとなる。これにより、第3ポートP3のインピーダンスは、第1ポートP1および第2ポートP2に接続した外部回路のインピーダンスよりも低くできる。
こうして、第3ポートP3のインピーダンスを、第1ポートP1および第2ポートP2のインピーダンスよりも低くすることができるので、アイソレーションが広帯域な2ポート型アイソレータ1が得られる。表1は、2ポート型アイソレータ1の回路定数と電気特性の一例を示す表である。比較のために、表1には、アイソレーションが広帯域なアイソレータとして知られている従来の2ポート型アイソレータ300(図17参照)の回路定数と電気特性も記載している。フェライト20,303は共に、直径が1.5mmで、厚さが0.3mmの円板状のものであり、飽和磁化が85mT、ΔHが2400A/mである。また、入力反射損失と挿入損失とアイソレーションは通過帯域893〜958MHzでの最悪値、2倍波は1786〜1916MHz帯域での最悪値、3倍波は2679〜2874MHz帯域での最悪値である。
Figure 0004293118
表1より、第1実施例は比較例1と比べて、アイソレーションが若干劣るものの、通過帯域内で25dB以上とれており問題はない。入力反射損失と挿入損失は両者同等であり、2倍波と3倍波の減衰量は第1実施例の方が優れている。図6は入力反射損失特性を示すグラフであり、図7はアイソレーション特性を示すグラフであり、図8は挿入損失特性を示すグラフである。図6、図7および図8において、実線が第1実施例の特性を表示しており、点線が比較例1の特性を表示している。
2ポート型アイソレータ1が、通過帯域で従来と同等特性を実現しつつ、2倍波および3倍波での減衰量を大きくすることができるのは、以下の理由によると考えられる。2ポート型アイソレータ1の第1ポートP1および第2ポートP2のインピーダンス(入出力の整合インピーダンス)を50Ωとした場合、第3ポートP3のインピーダンスは約1Ωとなる。このため、終端用の抵抗27の抵抗値Rは1Ωと非常に低く、第3ポートP3はアースにショートしている状態に近い。このため、近似的に図17の従来の2ポート型アイソレータ300の抵抗306を取り外したものとみなすことができる。従って、2ポート型アイソレータ1は、従来の抵抗306を伝播していた信号をカットすることができ、通過帯域で従来と同等特性を実現しつつ、通過帯域の2倍の周波数帯域(2倍波)、3倍の周波数帯域(3倍波)での減衰量を大きくすることができる。
なお、2ポート型アイソレータ1の中心電極21,22のインダクタを大きくすると、第1、第2および第3ポートP1,P2,P3の全てのインピーダンスが高くなる。また、中心電極21,22のインダクタを小さくすると、第1、第2および第3ポートP1,P2,P3の全てのインピーダンスが低くなる。また、第1ポートP1に50Ωより高いインピーダンスの負荷を繋ぐと、第3ポートP3のインピーダンスが低くなる。第2ポートP2に50Ωより高いインピーダンスの負荷を繋いだ場合も、第3ポートP3のインピーダンスが低くなる。
また、図17の従来の2ポート型アイソレータ300の場合、抵抗306の両端が第1ポートP1及び第2ポートP2に接続されており、放熱性の良い金属ケースに接続されていない。一方、第1実施例の2ポート型アイソレータ1は抵抗27を放熱性の良い金属ケースに接続しており、耐電力を向上できる。
[第2実施例、図9〜図15]
第2実施例の2ポート型アイソレータ1Aは、図9に示すように、図1に示した構造において、積層基板30の代わりに積層基板30Aを用い、端子14を出力端子とし、端子15を入力端子とし、端子16に抵抗27を接続して終端端子としたものである。図10に積層基板30Aの分解斜視図を示す。
図11はアイソレータ1Aの電気等価回路図である。第1中心電極21の一端部21aは、第1ポートP1(中心電極用接続電極51)を介して出力端子14に電気的に接続されている。第2中心電極22の一端部22aは、第2ポートP2(中心電極用接続電極52)並びに抵抗27を介してアース端子16に電気的に接続されている。第1中心電極21の他端部21bおよび第2中心電極22の他端部22bは、第3ポートP3(中心電極用接続電極53)を介して入力端子15に電気的に接続されている。整合用コンデンサ25は、第1ポートP1とアースの間に電気的に接続されている。整合用コンデンサ26は第2ポートP2とアースの間に電気的に接続されている。
こうして入力反射損失が広帯域であり、かつ挿入損失が低損失である2ポート型アイソレータ1Aが得られる。表2は、2ポート型アイソレータ1Aの回路定数と電気特性の一例を示す表である。比較のために、表2には、挿入損失が低損失なアイソレータとして知られている従来の2ポート型アイソレータ320(図18参照)の回路定数と電気特性も記載している。フェライト20,323は共に、直径が1.5mmで、厚さが0.3mmの円板状のものであり、飽和磁化が85mT、ΔHが2400A/mである。また、入力反射損失と出力反射損失と挿入損失とアイソレーションは通過帯域893〜958MHzでの最悪値、2倍波は1786〜1916MHz帯域での最悪値、3倍波は2679〜2874MHz帯域での最悪値である。
Figure 0004293118
表2より、第2実施例は比較例2と比べて、アイソレーションと入力反射損失と出力反射損失と挿入損失は同等であり、2倍波と3倍波の減衰量は第2実施例の方が優れている。図12は入力反射損失特性を示すグラフであり、図13は出力反射損失特性を示すグラフであり、図14はアイソレーション特性を示すグラフであり、図15は挿入損失特性を示すグラフである。図12、図13、図14および図15において、実線が第2実施例の特性を表示しており、点線が比較例2の特性を表示している。
2ポート型アイソレータ1Aが、通過帯域で従来と同等特性を実現しつつ、2倍波および3倍波での減衰量を大きくすることができるのは、以下の理由によると考えられる。従来の2ポート型アイソレータ320では、整合用コンデンサ324が第1ポートP1と第3ポートP3の間に接続されている。従って、整合用コンデンサ324の静電容量C1と第1中心電極321のインダクタンスL1とが形成する並列共振回路はハイパス回路となり、高周波が通過し易くなる。一方、本第2実施例の2ポート型アイソレータ1Aでは、整合用コンデンサ25が第1ポートP1とアースの間に接続されている。従って、整合用コンデンサ25の静電容量C1と第1中心電極21のインダクタンスL1とが形成する並列共振回路はローパス回路となり、高周波が通過し難くなる。この結果、2倍波および3倍波での減衰量が、従来のアイソレータ320よりも本第2実施例のアイソレータ1Aの方が良くなる。
また、従来の2ポート型アイソレータ320の入力インピーダンス(第1ポートP1のインピーダンス)が50Ωであるのに対して、本第2実施例の2ポート型アイソレータ1Aの入力インピーダンス(第3ポートP3のインピーダンス)は1Ωとなる。従って、入力端子15に接続される外部回路が低インピーダンスの場合には、2ポート型アイソレータ1Aは好適である。
また、図18の従来の2ポート型アイソレータ320の場合、抵抗326の両端が第1ポートP1及び第3ポートP3に接続されており、放熱性の良い金属ケースに接続されていない。一方、第2実施例の2ポート型アイソレータ1Aは抵抗27を放熱性の良い金属ケースに接続しており、耐電力を向上できる。
[第3実施例、図16]
第3実施例は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
図16は携帯電話220のRF部分の電気回路ブロック図である。図16において、222はアンテナ素子、223はデュプレクサ、231は送信側アイソレータ、232は送信側増幅器、233は送信側段間用帯域通過フィルタ、234は送信側ミキサ、235は受信側増幅器、236は受信側段間用帯域通過フィルタ、237は受信側ミキサ、238は電圧制御発振器(VCO)、239はローカル用帯域通過フィルタである。
ここに、送信側アイソレータ231として、前記第1または第2実施例の2ポート型アイソレータ1,1Aを使用することができる。これらのアイソレータを実装することにより、電気的特性の向上した、かつ、信頼性の高い携帯電話を実現することができる。
[他の実施例]
なお、本発明は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、永久磁石9のN極とS極を反転させれば、入力ポートと出力ポートが入れ替わる。
本発明に係る非可逆回路素子の一実施例を示す分解斜視図。 図1に示した積層基板の分解斜視図。 図1に示した非可逆回路素子の外観斜視図。 図1に示した非可逆回路素子の電気等価回路図。 第3ポートP3からアイソレータ1内部を見たときの等価回路図。 入力反射損失特性を示すグラフ。 アイソレーション特性を示すグラフ。 挿入損失特性を示すグラフ。 本発明に係る非可逆回路素子の別の実施例を示す分解斜視図。 図9に示した積層基板の分解斜視図。 図9に示した非可逆回路素子の電気等価回路図。 入力反射損失特性を示すグラフ。 出力反射損失特性を示すグラフ。 アイソレーション特性を示すグラフ。 挿入損失特性を示すグラフ。 本発明に係る通信装置の一実施例を示す電気回路ブロック図。 従来の非可逆回路素子を示す電気等価回路図。 さらに別の従来の非可逆回路素子を示す電気等価回路図。
符号の説明
1,1A…2ポート型アイソレータ
4…金属製上側ケース
8…金属製下側ケース
9…永久磁石
13…中心電極組立体
20…フェライト
21…第1中心電極
22…第2中心電極
25,26…整合用コンデンサ
27…抵抗
220…携帯電話
P1…第1ポート
P2…第2ポート
P3…第3ポート

Claims (3)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
    前記フェライトに配置され、一端が第1ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第1中心電極と、
    前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに配置され、一端が第2ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第2中心電極と、
    前記第1ポートとアースの間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと、
    前記第2ポートとアースの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
    を備え
    前記第3ポートとアースの間に抵抗を電気的に接続し、前記第1ポートと前記第2ポートとをそれぞれ入出力ポートとしたこと、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
    前記フェライトに配置され、一端が第1ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第1中心電極と、
    前記第1中心電極と電気的絶縁状態で交差して前記フェライトに配置され、一端が第2ポートに電気的に接続され、他端が第3ポートに電気的に接続されている第2中心電極と、
    前記第1ポートとアースの間に電気的に接続された第1整合用コンデンサと、
    前記第2ポートとアースの間に電気的に接続された第2整合用コンデンサと、
    を備え、
    前記第1ポートもしくは前記第2ポートのいずれか一方のポートとアースの間に抵抗を電気的に接続し、抵抗が接続されていない前記第1ポートもしくは前記第2ポートと前記第3ポートとをそれぞれ入出力ポートとしたこと、
    を特徴とする非可逆回路素子
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子を備えたことを特徴とする通信装置。
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