JP2006040572A - 水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池 - Google Patents

水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高価なCoを含まず、高い放電容量を発揮できると共に、充放電サイクル特性に優れた水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】正極活物質を含有する正極2と、負極活物質を含有する負極3と、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液とを有する水系リチウム二次電池1及び水系リチウム二次電池用正極活物質である。正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とする。負極活物質は、上記一般式で表される化合物よりも、リチウムの吸蔵・脱離電位が低い物質を主成分とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解液として、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液を有する水系リチウム二次電池用の正極活物質、及び該正極活物質を用いた水系リチウム二次電池に関する。
電解液の溶媒として有機系溶媒を用いた非水系のリチウム二次電池は、高電圧でエネルギー密度が高く、また小型・軽量化が図れることから、パソコンや携帯電話等の携帯情報端末等を中心に情報通信機器の分野で実用が進み、広く一般に普及するに至っている。また他の分野では、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれる中、このようなリチウム二次電池を電気自動車用電源として用いることが検討されている。
一般に、非水系のリチウム二次電池は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を、負極活物質として炭素材料を用い、非水電解液として有機溶媒にリチウム塩を溶解した電解液を用いて構成されている。
具体的には、正極活物質としては、例えばLiCoO2、LiNiO2、及びLiMn24等が用いられており、これらの活物質は、金属Liに対して3.5〜4.3Vの電位範囲で使用される。また、負極活物質としては炭素材料等が用いられており、1〜0.1V程度の電位範囲で使用される。非水系のリチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質とを組み合わせることにより、単セルにおいて3〜4V級の高い起電力を発揮できる。
しかし、非水系のリチウム二次電池には、次のような問題が指摘されている。
即ち、非水系のリチウム二次電池は、電解液として有機溶媒等の非水系電解液を含有しているため、常に引火や爆発の危険性を有している。過充電状態や高温環境下にされされた状態においては、特にその危険性が高い。
二次電池は、エネルギーを電気化学的に蓄え放出する装置である。したがって、電気化学的に蓄えたエネルギーが、例えば正極と負極との短絡等の何らかのきっかけで、急激に熱エネルギーに変換されてしまったときに、内部に可燃性の有機溶媒がある場合には、必然的に引火、爆発を引き起こすおそれがある。
このような問題は、特に電気自動車やハイブリッド車等のように大型の電池を必要とする用途においては致命的である。また、自動車用電源として用いると、使用温度や充放電サイクルの面でも過酷な条件で使用されることとなり、引火や爆発の危険性がより高くなると考えられている。
ところで、非水系のリチウム二次電池は、電解液に水を使用しないため、水の電気分解反応に縛られることがなく、約4Vという高電圧の起電力を発揮することができる。その反面、電池内に水分が存在すれば、電気分解に伴ってガスが発生したり、リチウムとの反応により充放電サイクル特性が低下したり、また、副反応により充放電効率が低下したり、電池構成材料が腐食したりする等という様々な問題を引き起こすおそれがある。
そのため、非水系のリチウム二次電池においては、その製造工程において徹底したドライ環境を維持する必要があり、水分を完全に除去するために特殊な設備と多大な労力を要している。そのため、製造コストが高くなってしまうという問題がある。この観点からも、特に電気自動車用の二次電池をにらんだ将来の量産化に対応し難いという問題があった。
一方、電解液として水溶液を用いた水系リチウム二次電池がある。この水系リチウム二次電池は、上述の非水系リチウム二次電池が有する問題に対して非常に有利であると予測される。
即ち、水系リチウム二次電池は、電解液に有機溶媒を含有していないため、基本的には燃えることはない。また、製造工程においてドライ環境を必要としないため、製造にかかるコストを大幅に減少することができる。さらに、一般的に水溶液電解液は非水系電解液に比べて導電性が高いため、水系リチウム二次電池は、非水系のリチウム二次電池に比べて内部抵抗が低くなるという利点がある。
しかし、水系リチウム二次電池は、水の電気分解反応が起こらない電位範囲での使用が求められる。そのため、水系リチウム二次電池は、非水系のリチウム二次電池と比較して起電力が小さくなる。水の電気分解電位から計算すると1.2V程度が限界であるが、実際には電気分解によりガスが発生するためには過電圧が必要であることから、2V程度が限界となる。このことは、水系リチウム二次電池は、高エネルギー密度、即ち軽くて小さいことを重視する携帯機器等の用途には向かないが、比較的コストを重視し、大型の電池が用いられる電気自動車やハイブリッド電気自動車、ひいては家庭用分散電源等の用途に適することが予想されている。
水系リチウム二次電池を構成する上で重要なことは、水溶液中で安定で、かつ水の電気分解により酸素や水素を発生しない電位範囲において、可逆的に大量のリチウムを吸蔵及び脱離できる活物質、つまり特定の電位範囲において大きな容量を発揮できる活物質を用いる点にある。
また、電解液としては、中性からアルカリ性の電解液を用いることが望まれている。活物質として主として用いられる酸化物系の電極材料は、一般に酸性の水溶液中では安定性に乏しく、また、酸性電解液中の多量のH+イオンは、純粋なLi+イオンのロッキングチェア反応を阻害するおそれがあるからである。
中性、即ちpH=7の電解液を用いた場合には、水の分解電圧は、水素発生電位が2.62V、酸素発生電位が3.85Vである。また、強アルカリ性、即ちpH=14の電解液を用いた場合には、水の分解電圧は水素発生電位が2.21V、酸素発生電位が3.44Vである。
したがって、正極活物質としては、最低限3.85V(pH=7)までにより多くのLiが引き抜ける材料が望まれている。負極活物質としては、2.21V(pH=14)までにより多くのLiが挿入できる材料が望まれている。ガス発生過電圧が存在するため、実際にはこの範囲外の電位においても使用可能ではあるが、自己放電や高温での使用を考えるとできるだけこの範囲内の電位で使用することが望まれる。
現在までに、水系リチウム二次電池としては、正極活物質として、Li−Mn酸化物、Li−Ni酸化物、Li−Co酸化物等を含有し、負極活物質としてLi−Mn酸化物、VO2、LiV38等を含有するものが提案されている(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、このような活物質は、放電容量や水溶液電解液中での安定性が未だ不充分であった。そのため、従来の水系リチウム二次電池は、容量が小さく、充放電を繰り返し行うことにより容量劣化が起こりやすいという問題があった。それ故、現状の水系リチウム二次電池は、未だアイデア段階を抜けておらず、従来の非水系のリチウム二次電池等に取って代わる程の実用性を備えるには至っていない。
また、Li−Co酸化物等のようにCoを含む活物質は、高い放電容量を発揮できる一方で、高価なCoを含有するため、製造コストが増大するという問題がある。そのため、Coを含む活物質を水系リチウム二次電池に用いると、安価に製造できるという水系リチウム二次電池の利点が損なわれてしまう。したがって、Coを含む活物質は、電気自動車やハイブリッド電気自動車、及び家庭用分散電源等のように、特に水系リチウム二次電池の適用が望まれている用途に適していないという問題があった。
特表平9−508490号公報 特開2000−77073号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、高価なCoを含まず、高い放電容量を発揮できると共に、充放電サイクル特性に優れた水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池を提供しようとするものである。
第1の発明は、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液を有する水系リチウム二次電池用の正極活物質であって、
上記正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とすることを特徴とする水系リチウム二次電池用正極活物質にある(請求項1)。
上記第1の発明の水系リチウム二次電池用正極活物質においては、上記一般式LitNixMnyz2で表される層状構造の化合物を主成分としている。そして上記一般式で表される化合物は、その組成中に高価なCoを含んでおらず、比較的安価なMnを多く含んでいるため、低コストに製造することができる。そのため、電気自動車やハイブリッド電気自動車、及び家庭用分散電源等のように、量産化が要求される用途にも適用することができる。
また、上記一般式LitNixMnyz2で表される層状構造の化合物は、Li以外の主要構成金属元素がMnのみで構成される層状LiMnO2やスピネル型LiMn24等に比べて、水の電気分解が起こらない電位範囲内でより多くの可逆容量を有している。そのため、上記正極活物質は、水系リチウム二次電池に用いたとき、高い放電容量を発揮することができる。さらに充放電を繰り返し行ったときの容量の劣化を防止することができ、充放電初期における高い放電容量を維持することができる。また、上記正極活物質は、水溶液電解液中においても安定であるため、水系リチウム二次電池の正極活物質として好適である。
このように、上記第1の発明によれば、高価なCoを含まず、高い放電容量を発揮できると共に、充放電サイクル特性に優れた水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池を提供することができる。
第2の発明は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液とを有する水系リチウム二次電池において、
上記正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とし、
上記負極活物質は、上記一般式で表される化合物よりも、リチウムの吸蔵・脱離電位が低い物質を主成分とすることを特徴とする水系リチウム二次電池にある(請求項2)。
上記第2の発明の水系リチウム二次電池において最も注目すべき点は、上記水系リチウム二次電池は、一般式LitNixMnyz2で表される層状構造の化合物を上記正極活物質の主成分としている点にある。
即ち、上記水系リチウム二次電池は、上記第1の発明の正極活物質を含有している。そのため、上記水系リチウム二次電池は、低コストで製造できると共に、従来の水系リチウム二次電池に比べて高い放電容量を示すことができる。また、上記水系リチウム二次電池においては、充放電によるサイクル劣化を抑制することができる。
このように、上記第2の発明によれば、高価なCoを含まず、高い放電容量を発揮できると共に、充放電サイクル特性に優れた水系リチウム二次電池を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において、上記正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とする。
上記一般式LitNixMnyz2において、t、x、及びyの値が上記の範囲を外れる場合には、上記正極活物質を用いて水系リチウム二次電池を構成したときに、その放電容量や充放電サイクル特性が劣化するおそれがある。
また、一般式LitNixMnyz2において、Mは任意の成分である。Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上である。z=0の場合には、上記一般式は、LitNixMny2で表される。
上記正極活物質においては、Mを含有することもできるが、Mを含有しなくとも、優れた放電容量及び充放電サイクル特性を発揮することができる。
上記一般式LitNixMnyz2において、zは、0<z≦0.2であることが好ましい。
この場合には、上記一般式において、Mが必須成分となり、この場合には、上記正極活物質は、より優れた放電容量及び充放電サイクル特性を発揮することができる。
zが0.2を超える場合には、上記一般紙記で表される化合物の層状構造が不安定になったり、上記一般式で表される化合物がもはや層状構造をとれなくなったりするおそれがある。そのためこの場合には、上記正極活物質の充放電特性が低下するおそれがある。
また、上記一般式LitNixMnyz2で表される化合物としては、Mの種類や、t、x、y、及びzの範囲を変えることにより、種々のものが存在する。上記水系リチウム二次電池においては、これらのうち1種類を正極活物質として正極に用いることもできるが、2種以上を混合して用いることもできる。さらに、上記一般式で表される層状構造の化合物と公知の正極活物質とを混合したものを用いることもできる。
上記正極活物質は、例えば、共沈法を用いてNi、Mn、及びMの混合水酸化物を作製し、該混合水酸化物を焼成することにより、NiとMnとMとの酸化物固溶体を作製し、該酸化物固溶体とLiOHとを焼成すること等により作製することができる。
焼成においては、粒成長が進むと特性が悪くなるため、できるだけ単一相になり、充分な結晶化が起こる最低の温度で焼成を行うことが好ましい。
また、上記第2の発明の水系リチウム二次電池において、上記負極活物質は、上記一般式LitNixMnyz2で表される化合物よりも、リチウムの吸蔵・脱離電位が低い物質を主成分とする。
このような物質としては、例えばLiV24、LiV38、Li1.53y(7≦y≦8)等のリチウムバナジウム複合酸化物、Li4Ti512等のリチウムチタン複合酸化物、鉄酸化物、及び鉄水酸化物等がある。
また、上記水系リチウム二次電池は、電解液としてリチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液を有する。
このようなリチウム塩としては、例えばLiNO3、LiOH、LiCl、及びLi2S等がある。これらのリチウム塩は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用することもできる。
次に、上記水溶液電解液のpHは、6〜10であることが好ましい(請求項3)。
上記水溶液電解液のpHが6未満の場合には、上記一般式LitNixMnyz2で表される化合物が不安定となり、電池の容量や充放電サイクル特性が低下するおそれがある。一方、pHが10を超える場合には、水の電気分解電位、即ち水素発生電位及び酸素発生電位がそれぞれ2.21V及び3.44Vまで低下する。そのため、正極や負極で酸素や水素が発生し易くなるおそれがある。
また、上記水系リチウム二次電池においては、例えばリチウムを吸蔵・放出する正極及び負極と、これらの間に狭装されるセパレータと、正極及び負極間でリチウムを移動させる水溶液電解液などを主要構成要素として構成することができる。
上記水系リチウム二次電池において、正極は、例えば上記正極活物質に導電材及び結着材を混合し、必要に応じて適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを成形し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、若しくはポリアクリロニトリル系高分子等を用いることができる。
これら活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
負極は、上記正極と同様に、例えば上記負極活物質に導電材や結着材を混合し、必要に応じて適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を成形し、その後必要に応じてプレスして形成することができる。
また、正極及び負極に狭装させるセパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、例えばセルロース、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
また、上記水系リチウム二次電池の形状としては、例えばコイン型、円筒型、角型等がある。正極、負極、セパレータ及び水溶液電解液等を収容する電池ケースとしては、これらの形状に対応したものを用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1及び図2を用いて説明する。
本例は、正極活物質及び該正極活物質を用いて水系リチウム二次電池を作製し、該水系リチウム二次電池の放電容量及び充放電サイクル特性を評価する例である。
本例においては、正極活物質はLiNi1/2Mn1/22で表される層状構造の化合物で表される層状構造の化合物を主成分とする。
図1に示すごとく、本例の水系リチウム二次電池1は、正極活物質を含有する正極2と、負極活物質を含有する負極3と、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液とを有する。正極活物質は、上記のごとく、LiNi1/2Mn1/22で表される層状構造の化合物を主成分とする。負極活物質は、LiNi1/2Mn1/22よりも、リチウムの吸蔵・脱離電位が低い物質、即ちLi1.53y(7≦y≦8)を主成分とする。水溶液電解液は、リチウム塩としてのLiNO3を水に溶解してなる。
水系リチウム二次電池1においては、CR2016型の電池ケース11中に、正極2及び負極3と共に、これらの間に狭装させた状態でセパレータ4が配置されている。また、電池ケース11内には、水溶液電解液が注入されている。電池ケース11内の端部には、ガスケット5が配置されており、電池ケース11は封口板12により密閉されている。
次に、本例の水系リチウム二次電池の作製方法につき、説明する。
まず、下記のようにして、正極活物質として、LiNi1/2Mn1/22で表される層状構造の化合物を合成する。
LiNi1/2Mn1/22の合成にあたっては、所謂共沈法を用いたNi、Mnの混合水酸化物の作製、焼成によるNi、Mnの酸化物固溶体の作製、及び該酸化物固溶体とLiOHとの焼成という三段階の反応を経て合成した。
具体的には、まず、硝酸ニッケル(II)・六水和物(Ni(NO3)2・6H2O)と、酢酸マンガン(II)・無水(C46MnO4)とを、LiNi1/2Mn1/22という組成になるような化学量論比にしたがって水に溶かして水溶液を作製した。このとき、水溶液中における各元素(Ni及びMn)の濃度が1mol/Lとなるように調整した。
次いで、この水溶液のpHが8になるまで10%アンモニア水を滴下し、Ni及びMnの混合水酸化物を得た。得られた混合水酸化物を充分に洗浄し、乾燥させた。
次に、この混合水酸化物を、窒素気流中で、温度400℃にて仮焼した。これによりNi及びMnの酸化物固溶体を得た。
続いて、水酸化リチウム・一水和物(LiOH・H2O)をLiNi1/2Mn1/22という組成の化学量論比にしたがって水に溶かし、さらに上記にて得られた酸化物固溶体を加えて混合した。混合は、ボールミルを用いて12時間行った。乾燥後、混合物を空気中にて、温度150℃で1時間加熱し、その後、さらに温度1000℃にて12時間焼成した。このようにして、LiNi1/2Mn1/22で表される層状構造の化合物を作製した。これを正極活物質とする。
次に、以下のようにして負極活物質としてのLi1.53y(7≦y≦8)を作製した。
まず、炭酸リチウム(Li2CO3)1.688gと、五酸化バナジウム(V25)8.312gとを準備し、これらの混合物10gを自動乳鉢で2時間混合した。次いで、混合物をアルゴン気流中で、4.33℃/minの昇温速度で680℃まで昇温し、12時間保持した。その後、4.33℃/minの速度で冷却した。このようにして、Li1.53y(7≦y≦8)を作製した。これを負極活物質とする。
次に、上記正極活物質及び負極活物質を用いて、水系リチウム二次電池を作製する。
具体的には、まず、正極活物質としてのLiNi1/2Mn1/22を70重量部、導電剤としてのカーボンブラックを25重量部、及び結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を5重量部混合し、正極合材を作製した。
また、負極活物質としてのLi1.53y(7≦y≦8)を70重量部、導電剤としてのカーボンブラックを25重量部、及び結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を5重量部混合し、負極合材を作製した。
次に、図1に示すごとく、CR2016型のコインセル用の電池ケース11を準備し、予め電池ケース11の内側に溶接したメッシュ上に正極合材を約0.6ton/cm2で圧着して正極2を形成した。この正極2と同様にして、メッシュ上に負極合材を約0.6ton/cm2で圧着して負極3を形成した。
正極2及び負極3は、厚さ25μmのセルロース系のセパレータ4を介して、電池ケース11内に配置した。
次いで、電池ケース11内にガスケット5を配置し、さらに電池ケース11内に水溶液電解液を適量注入し含浸させた。本例においては、水溶液電解液としては、3MのLiNO3水溶液(pH≒7)を用いた。
次に、電池ケース11の開口部に封口板12を配置し、電池ケース11の端部をかしめ加工することにより、電池ケース11を密封して、水系リチウム二次電池1を作製した。これを電池E1とする。
また、本例においては、電池E1の優れた特性を明らかにするため、正極活物質として層状構造のLiMnO2、又は層状岩塩型構造のLiNi0.8Co0.22をそれぞれ有する2種類の水系リチウム二次電池(電池C1及び電池C2)を作製した。
具体的には、まず、2種類の正極活物質(LiMnO2、LiNi0.8Co0.22)を準備した。
層状構造のLiMnO2の作製にあたっては、まず80mlのイオン交換水に6.29gの水酸化リチウム一水和物を溶かし、さらに二酸化マンガンを2.61g加え、超音波分散を30分間行った。リチウムとマンガンのモル比は5:1であった。その混合物をフッ素樹脂で内張されたオートクレーブ内で200℃の水熱条件下で7日間反応させた。容器内の沈殿物を濾過し、その後水洗し、120℃で乾燥させて、層状構造(空間群R3−m)のLiMnO2を得た。
また、層状岩塩型構造LiNi0.8Co0.22は、Li、Ni、及びCoの金属塩から液相法で合成することにより作製した。
次に、これら2種類の正極活物質を用いて、上記電池E1と同様にして2種類の水系リチウム二次電池を作製した。これらを電池C1及び電池C2とする。
電池C1は、正極活物質として層状構造のLiMnO2を含有する点を除いては、上記電池E1と同様のものである。
電池C2は、正極活物質として層状岩塩型構造のLiNi0.8Co0.22を含有する点を除いては、上記電池E1と同様のものである。
次に、上記のようにして作製した3種類の水系リチウム二次電池(電池E1、電池C1及び電池C2)について、充放電サイクル特性を調べた(充放電サイクル試験)。
充放電サイクル試験は、各電池について、温度60℃の条件下で、電流密度0.5mA/cm2の定電流にて電池電圧1.2Vまで充電し、その後電流密度0.5mA/cm2の定電流にて電池電圧0.1Vまで放電する充放電を1サイクルとし、このサイクルを10サイクル繰り返すことにより行った。各充放電サイクルにおいては、1.2Vまで充電した後、及び0.1Vまで放電した後に、充電休止時間及び放電休止時間をそれぞれ1分間ずつ設けた。そして、各サイクル毎に、各電池(電池E1、電池C1、電池C2)の放電容量を測定した。
放電容量は、各サイクル毎の放電電流値(mA)を測定し、この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより算出した。
その結果を図2に示す。
図2において、横軸はサイクル数(回)を示し、縦軸は放電容量(mAh/g)を示すものである。同図には、正極活物質としてLiNi1/2Mn1/22を用いて構成した電池を電池E1とし、LiMnO2を用いて構成した電池を電池C1として表し、LiNi0.8Co0.22を用いて構成した電池を電池C2として表した。
また、電池E1、電池C1、及び電池C2の初期充電容量及び初期放電容量を下記の表1に示す。初期充電容量及び初期放電容量は、各電池の1回目の充電容量及び放電容量を示すものである。また、充電容量は、充電電流値(mA)を測定し、この充電電流値に充電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内の正極活物質の重量(g)で除することにより算出した。
Figure 2006040572
表1より知られるごとく、電池E1は、電池C1及び電池C2に比べて初期充電容量は小さいものの、大きな初期放電容量を発揮できることがわかる。
また、図2から知られるごとく、電池C2は、3サイクル目まで放電容量が増加し、その後低下するという特異な特性を示したが、電池E、電池C1、及び電池C2は、いずれもほぼ同程度の放電容量の低下率を示した。しかし、電池Eは、電池C1及び電池C2に比べて、初期放電容量が顕著に高く、充放電サイクルを繰り返した後においてもこの高い放電容量を維持し、電池C1及び電池C2に比べて高い放電容量を発揮できることがわかる。
このように、本例の電池E1は、従来の水系リチウム二次電池に比べて、高い容量を発揮できると共に、優れた充放電サイクル特性を発揮できることがわかる。また、電池E1は、正極活物質の組成中に高価なCoを含んでおらず、安価に製造することができる。
実施例1にかかる、水系リチウム二次電池の構成を示す説明図。 実施例1にかかかる、3種類の水系リチウム二次電池(電池E1、電池C1、電池C2)の充放電サイクル特性を示す線図。
符号の説明
1 水系リチウム二次電池
2 正極
3 負極

Claims (3)

  1. リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液を有する水系リチウム二次電池用の正極活物質であって、
    上記正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とすることを特徴とする水系リチウム二次電池用正極活物質。
  2. 正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、リチウム塩を水に溶解してなる水溶液電解液とを有する水系リチウム二次電池において、
    上記正極活物質は、一般式LitNixMnyz2(0.9≦t≦1.2、0.4≦x≦0.55、0.4≦y≦0.55、0≦z≦0.2、Mは、Mg、Al、Fe、Ti、Ga、Cu、V、及びNbから選ばれる1種以上)で表される層状構造の化合物を主成分とし、
    上記負極活物質は、上記一般式で表される化合物よりも、リチウムの吸蔵・脱離電位が低い物質を主成分とすることを特徴とする水系リチウム二次電池。
  3. 請求項2において、上記水溶液電解液のpHは、6〜10であることを特徴とする水系リチウム二次電池。
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