JP2006027949A - 炭素酸化物含有ガスの利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石炭ガス化ガスや石炭燃焼排ガスなどの炭素含有ガス中に含まれるCOおよびCOを固定化して、環境への排出量を低減し、付加価値が高く、有用性のある物品を新しく生み出すことのできる燃焼排ガスの利用方法を得る。
【解決手段】炭素酸化物含有ガスを変換炉1に導入し、排ガス中のCOをCOに変換し、このCOを反応炉8に送り込み、このCOを炭素源とし、気相成長法により単層カーボンナノチューブを製造する。気相成長法は、触媒金属を担持した支持体を用い、常圧で700〜800℃で行う。触媒金属には、Coなどの主触媒金属もしくはこれとMoなどの助触媒金属とが用いられ、主触媒金属を疎にまたは密に分散した状態で支持体に担持されたものが好ましい。
【選択図】図1

Description

この発明は、石炭ガス化炉から得られる石炭ガス化ガス、天然ガス改質装置から得られる改質ガス、石油、石炭、天然ガスなどの燃料を火力発電所などのボイラー等で燃焼させた際に発生する燃焼排ガスなどの炭素酸化物含有ガスに含まれる一酸化炭素、二酸化炭素を有効に利用して高付加価値製品を製造する方法、およびその装置に関する。
なお、本発明では、石炭ガス化炉から得られる石炭ガス化ガス、天然ガス改質装置から得られる改質ガス、石油、石炭、天然ガスなどの燃料を火力発電所などのボイラー等で燃焼させた際に発生する燃焼排ガスなどを炭素酸化物含有ガスと総称するものとする。
このような炭素酸化物含有ガスのうち、二酸化炭素は、地球温暖化ガスであり、その環境への排出量を削減することが世界的に急務とされている。
二酸化炭素の排出量を削減するには、エネルギー源として化石燃料以外の原子力発電、太陽光発電、風力発電、燃料電池などに頼ることや熱利用の効率化を推進することが必要になる。しかしながら、現実には、これらの代替エネルギー源で、必要とされるエネルギーのすべてを賄うことは不可能であり、その大部分を化石燃料に頼るしかなく、熱量の効率化を計ったとしてもかなりの二酸化炭素が排出されることになる。
そのため、二酸化炭素を化学的方法あるいは生物化学的方法により固定化して、有効利用を計り、大気中に放散されないようにする方法などが考えられているが、具体的な成果は未だほとんど上がっていない。
「CO2削減・固定化・有効利用技術の実用化調査」平成15年3月、新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成14年度調査報告書
よって、本発明における課題は、炭素酸化物含有ガス中に含まれる二酸化炭素および一酸化炭素を固定化して、環境への排出量を低減することができるとともに付加価値が高く有用性のある物品を新しく生み出すことのできる燃焼排ガスの利用方法を得ることにある。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、炭素酸化物含有ガス中の一酸化炭素を炭素源とし、気相成長法により単層カーボンナノチューブを製造することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項2にかかる発明は、炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換し、この一酸化炭素を炭素源とし、気相成長法により単層カーボンナノチューブを製造することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項3にかかる発明は、気相成長法が、触媒金属を担持した支持体を用い、常圧で700〜800℃で反応を行うものであることを特徴とする請求項1または2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項4にかかる発明は、炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素をボッシュ法により一酸化炭素に変換することを特徴とする請求項2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項5にかかる発明は、炭素酸化物含有ガスが、石炭ガス化炉からの石炭ガス化ガスであることを特徴とする請求項1または2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項6にかかる発明は、炭素酸化物含有ガスが、天然ガス改質装置からの改質ガスであることを特徴とする請求項1または2記載に記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法である。
請求項7にかかる発明は、炭素酸化物含有ガス発生装置と、この炭素酸化物含有ガス発生装置からの炭素酸化物含有ガス中の一酸化炭素を炭素源として気相成長法により単層カーボンナノチューブを合成する反応装置を有することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用装置である。
請求項8にかかる発明は、炭素酸化物含有ガス発生装置と、この炭素酸化物含有ガス発生装置からの炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換する変換装置と、この変換装置からの一酸化炭素炭素源として気相成長法により単層カーボンナノチューブを合成する反応装置を有することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用装置である。
本発明によれば、炭素酸化物含有ガス中に含まれる二酸化炭素および一酸化炭素を単層カーボンナノチューブとして固定化することができる。このため、二酸化炭素、一酸化炭素の環境への排出量を低減することが可能となる。また、単層カーボンナノチューブは、各種電子デバイスや超伝導材料、あるいはプラスチックの補強用材料などに使用することができる有用で、付加価値の高いものであり、本発明によれば炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素または一酸化炭素を有用な素材に転化できる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の炭素酸化物含有ガスの利用装置の一例を示すもので、この例では、石炭ガス化炉から得られる石炭ガス化ガスを利用して単層カーボンナノチューブ(以下、SWNTと略記する)製造するものである。
図1において、符号1は、変換炉(変換装置)を示す。この変換炉1は、排ガス中の二酸化炭素をボッシュ法により一酸化炭素に変換する反応炉であり、内部には鉄、ルテニウム、ニッケル、白金などからなる変換用触媒が充填されている。この変換炉1には、管2を経て石炭ガス化炉からの石炭ガス化ガスと、水素が混合して供給されるようになっている。この水素は、水電解装置3において、水の電気分解により製造されたものが用いられるようになっている。なお、この石炭ガス化ガスには、予め窒素酸化物、硫黄酸化物、灰などが除去され、二酸化炭素、一酸化炭素、水、炭化水素が含まれているものが用いられる。
変換炉1においては、内部温度が450〜1200℃程度になるように加熱され、変換用触媒の作用により二酸化炭素と水素が反応し、一酸化炭素と水分と未反応の水素を含む転換ガスとして、管4から第1凝縮器5に送られる。この第1凝縮器5では、この転換ガスが冷却され、転換ガス中の水分が凝縮されて分離され、この水分は管6から排出され、水電解装置3に送られるようになっている。
これにより、転換ガス中には、一酸化炭素が大部分を占め、水素が残余を占めるようになり、第1凝縮器5からの排ガスは管7から、反応炉(反応装置)8に送られるようになっている。
この反応炉8は、管7を介して送り込まれた転換ガス中の一酸化炭素を炭素源として気相成長法(CVD法)によってSWNTを合成する装置である。
図2は、この反応炉8を詳しく示すものである。
この反応炉8は、石英ガラスなどからなる反応管81と、この反応管81を包囲してこれを加熱するヒータ82とからなるもので、反応管81内部にはSWNT合成用触媒が装填されるようになっている。また、反応管81の一端には、上記管7が接続され、管7を介して転換ガスが導入されるようになっている。反応管81の他端には、管9が接続され、反応炉8においてSWNT合成によって発生する水分、未反応の一酸化炭素、未反応の水素を含む排ガスが管9を経て、第2凝縮器10に送られるようになっている。
第2凝縮器10では、送り込まれた排ガスを冷却し、これに含まれる水分を凝縮して除去し、除去された水分は管11から排出され、水電解装置3に送られるようになっている。水分が除去されて未反応の一酸化炭素および水素は管12から回収され、管7を経て、再度反応炉8に送り込まれるようになっている。
上記SWNT合成用触媒としては、特に限定されるものではなく、従来から気相成長法によってSWNTを合成することのできる触媒、例えば石英ガラス板などの板状材や多孔質シリカ、ゼオライトなどからなる粒状物などの支持体表面に、ニッケル、コバルト、鉄などの8族、9族、10族金属からなる触媒金属を担持したものであれば、いかなるものでも使用できる。なかでも、以下に説明する合成用触媒を用いることが、反応条件が温和で、生成効率がよく、構造欠陥が少なく、高純度のSWNTが得られる点で好ましい。
図3は、上記SWNT合成用触媒の好ましいものの第1の例を模式的に示すものである。この例の合成用触媒21は、基板に触媒金属が担持された形態のもの(以下、触媒基板と言う)であって、基板22と、この基板22の表面に分散されて担持された主触媒金属23および助触媒金属24とから構成されている。
基板22としては、石英ガラス、耐熱ガラスなどからなるガラス板、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素などからなるセラミックス板などが用いられる。
また、主触媒金属23には、コバルト、ニッケル、鉄などの8族、9族、10族金属の微細粒子からなるものが用いられ、この主触媒金属23は、主にSWNTの生成に寄与する触媒機能を発揮するものである。
助触媒金属24には、モリブデン、クロム、タングステンなどの6族金属の微細粒子からなるものが用いられ、この助触媒金属24は、主に主触媒金属23の微細粒子の凝集、焼結を防止する機能を発揮するものである。
そして、この例の触媒基板21では、基板22表面上に少なくとも主触媒金属23が疎に分散された状態で担持されている。ここで、「疎に分散された状態」とは、主触媒金属23の微細粒子間の間隔が広い(大きい)状態で分散されている状態を言い、例えば隣接する主触媒金属23の微細粒子間の間隔が中心間距離で4nmを越える程度であるものを言い、その間隔の上限は特になく例えば1mmであっても、1cmであっでも良い。
また、助触媒金属24も、同様に疎に分散された状態で担持されていることが好ましく、このものにおける疎に分散された状態とは、先の主触媒金属23におけるものと同様である。
図4は、好ましい触媒基板21の第2の例を模式的に示すものである。この第2の例の触媒基板21が第1の例のものと異なるところは、少なくとも主触媒金属23が基板22の表面に密に分散して担持されている点である。ここで、「密に分散された状態」とは、主触媒金属23の微細粒子間の間隔が狭い(小さい)状態で分散されている状態を言い、例えば隣接する主触媒金属23の微細粒子間の間隔が中心間距離で3〜4nm程度であることを言う。
図5は、好ましい触媒基板21の第3の例を模式的に示すものである。この例の触媒基板21が第1の例の触媒基板21と異なる点は、基板22表面に厚さ1nm以上の多孔質のシリカ膜25が設けられ、この多孔質シリカ膜25の表面および内部に主触媒金属23の微細粒子が分散されて担持もしくは埋設されており、多孔質シリカ膜25の表面に露出した主触媒金属23が疎に分散された状態となっているところである。
この例での「疎に分散された状態」とは、先に説明したものと同様である。
次に、このような3種の合成用触媒(触媒基板21)の製造方法について説明する。
まず、第1および第2の例の触媒基板21の製造方法について、説明する。
この製造方法は、基本的には、主触媒金属23となる前駆体と、助触媒金属24となる前駆体とを含む溶液または分散液に、基板22を浸漬し、ついでこの基板22を所定の速度で引き上げ、さらに400〜500℃で加熱するものである。
上記前駆体としては、例えば、コバルト、ニッケル、モリブデン、クロムなどの触媒金属の可溶性塩やこれら金属の酸化物などが用いられ、これらをアルコール、水などの溶媒、分散媒に溶解もしくは分散した溶液または分散液として使用に供される。
この製造に際して、基板22の引き上げ速度が重量な意味を持つ。すなわち、基板22の引き上げ速度を4cm/分未満とした場合には、第2の例の触媒基板21;主触媒金属23が密に分散した状態で担持されたものが得られる。
また、引き上げ速度を4cm/分以上とした場合には、第1の例の触媒基板21;主触媒金属23が疎に分散した状態で担持されたものが得られる。
主触媒金属23の分散密度は、この引き上げ速度以外に、上記前駆体を含む溶液または分散液中の前駆体の濃度にも依存するが、この濃度による寄与は少なく、分散密度はほとんど基板22の引き上げ速度によって定まることが判明した。
したがって、実用上は、この引き上げ速度を4cm/分を境界値として、制御することにより、第1または第2の例の触媒基板21を製造することができる。
次に、第3の例の触媒基板21の製造方法について説明する。
このものの製造に際しては、ゾル−ゲル法によって、主触媒金属23の微細粒子が分散した多孔質シリカ膜25を基板22上に形成する。
具体的には、アルコキシシランに水、アルコールなどの溶媒、酢酸コバルト、硝酸コバルトなどの主触媒金属の可溶性塩を添加、混合してゾルを作製する。ついで、このゾル中に基板22を所定時間浸漬したのち、基板22を引き上げ、これを400〜500℃で加熱して、基板22上に主触媒金属23が分散した多孔質シリカ膜25を形成する。この時、多孔質シリカ膜25での主触媒金属23が疎に分散した状態とするために、ゾル中の主触媒金属の可溶性塩の濃度を低く、例えば0.01〜0.05wt%程度とする。
つぎに、この利用装置を用いてSWNTを製造する方法を次に説明する。
まず、変換炉1を動作させて、石炭ガス化炉からの石炭ガス化ガスを変換炉1に導入し、ここで該ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換する。ついで、このガスを反応炉8に送り込み、気相成長法によりSWNT合成用触媒(触媒基板21)上にSWNTを成長させる。
この際、反応炉8の反応管81内に装填される触媒基板21の種類によって、異なるSWNTの成長が生じる。これについては、後述する。
具体的なSWNTの製造は、石英ボートなどに上述の触媒基板21を載置して、反応管81の内部に触媒基板21を装填する。ついで、水素を反応管81内に流しながら、ヒーター82を動作させて反応管81内部の温度を700〜800℃に昇温し、これにより触媒基板21に担持されている主触媒金属23と助触媒金属24とを還元する。
ついで、管7から炭素源である一酸化炭素と水素とを25〜300℃に加熱した状態で反応管81に送り込み、SWNTを合成する。
この反応時の温度は700〜800℃、圧力は10kPa〜10MPa、一酸化炭素および酸素の流量は、空間速度(ガスの体積流量/反応管の有効体積)で、それぞれ5〜10/min、1〜5/minとされる。
反応終了後、反応管81への一酸化炭素と水素の供給を停止し、反応管81内にアルゴン等を流して室温まで冷却する。
反応中に生成した排ガスは、第2凝縮器10に管9を経て送り込まれ、ここで冷却されて、未反応の一酸化炭素および水素は管12を経て再度反応炉8に送られる。ここで分離された水分は、管11から水電解装置3に送られる。
図6ないし図8は、このようにして合成されたSWNTの成長状態を模式的に示すものである。
図6は、図3に示した第1の例の触媒基板21を用いてSWNT31を成長させた時のもので、主触媒金属23が疎に分散されて担持されたものを用いた場合である。このように、主触媒金属23が疎に分散されて担持された触媒基板21を用いることによって、これに成長するSWNT31は、基板22表面に平行に配向し、基板22表面を這うように成長する。
図7は、図4に示した第2の例の触媒基板21を用いてSWNT31を成長させた時のもので、主触媒金属23が密に分散されて担持されたものを用いた場合である。このように、主触媒金属23が密に分散されて担持された触媒基板21を用いることによって、これに成長するSWNT31は、基板22表面に垂直に配向し、草木が延びるように成長する。
図8は、図5に示した第3の例の触媒基板21を用いてSWNT31を成長させた時のもので、主触媒金属23が疎に分散されて担持されたものを用いた場合である。このように、主触媒金属23が疎に分散されて担持された触媒基板21を用いることによって、これに成長するSWNT31は、第1の例の触媒基板21を用いたものと同様に、基板22表面に平行に配向し、基板22表面を這うように成長する。
このようにして得られたSWNTは、ラマン散乱スペクトルの観察から、その直径が1nm程度の細いものであり、直径分布が非常に狭いもので、直径のばらつきの少ないものであり、かつ高純度であって触媒金属を含まないものであることが判明した。また、走査型電子顕微鏡観察から、複数本が束になったバンドルを形成していること、基板22の表面に平行には配向して成長したSWNTは直線性が良く、長さも長いことが明らかになった。
上述の実施形態では、石炭ガス化ガス中に含まれる一酸化炭素は、変換装置1において、還元されることなく、そのまま次段の第1凝縮器5を経て、反応炉8に送られることになる。また、同ガス中に含まれる水分は、変換炉1において何ら反応を受けることなく、次段の第1凝縮器5において凝縮、分離される。
また、石炭ガス化ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素とを予め分離し、二酸化炭素のみを変換炉1に供給し、一酸化炭素のみを直接反応炉8に供給するようにすることも可能である。
さらに、石炭ガス化ガス中の一酸化炭素のみを原料ガスとして用いるようにしてもよく、この場合には変換炉1および第1凝縮器5は不要となる。
また、石炭燃焼排ガス以外の石油や天然ガスなどの炭素酸化物含有ガスを原料ガスとすることができることは当然である。
このような炭素酸化物含有ガスの利用方法によれば、従来環境に放出されていた二酸化炭素を付加価値の高いSWNTに変換することができ、環境対策としても有効である。また、従来のSWNTの合成原料は、アセチレン、エチレン、アルコールなどの価格が一酸化炭素に比較して高いものであったが、本発明では原料コストが安価となる効果もある。さらに、SWNT合成反応条件が温和であるので、特殊な設備、装置が不要であり、設備コストも安価となる。また、この実施形態で得られたSWNTは、その内部に触媒金属、アモルファスカーボンなどがほとんど含まれないグラファイトからなる高純度のものである。
以下、具体例を示す。
微粉炭燃焼火力発電所のボイラーから排出された排ガスを予備精製し、窒素酸化物、硫黄酸化物、灰等を除去し、二酸化炭素15vol%、一酸化炭素0vol%、水分11vol%、温度100℃の排ガスを、図1に示す変換炉1に送り込み、排ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換した。変換炉1には、これと同時に水素が供給され、変換炉1内には、変換用触媒として鉄(Fe)が装填されており、温度900℃の条件で、ボッシュ法により、CO+H→CO+HOの反応を行って、一酸化炭素を生成した。
変換炉1からの変換ガスを第1凝縮器5に送り、ここで副生成物の水分を除去し、一酸化炭素14.4vol%、二酸化炭素0vol%、水素14.4vol%のガスとし、このガスを原料ガスとして反応炉8に導入した。
反応炉8の反応管(石英製、内径25mm))81内には、以下のようにして調製した触媒基板21を装填した。予め水素を流しながら、ヒーター82を動作させ、反応管81内の温度を750℃まで昇温し、触媒金属を還元した。
ついで、上記原料ガス0.4NLMと水素0.1NLMとを反応管81に供給し、750℃、1atmで30分間反応を行った。反応終了後、反応管81にアルゴンを流して室温まで冷却し、触媒基板を反応管81から取り出した。
酢酸コバルトと酢酸モリブデンとをエタノールに分散し、1〜2時間超音波を照射し、金属コバルト濃度0.01wt%、金属モリブデン濃度0.05wt%の分散液を作製した。この分散液に石英ガラス製基板を数分間浸漬したのち、引き上げ速度4.5cm/分で引き上げ、これを石英ボートに載せ、500℃で5分間加熱して、触媒基板を調製した。
気相成長反応後の触媒基板上に成長したSWNTの走査型顕微鏡写真を図9に示す。
この写真から、SWNTが基板に対して平行に配向して成長していることが明らかになった。また、これにより炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素を原料として、SWNTが合成できることが明らかになった。
本発明の炭素酸化物含有ガスの利用装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の炭素酸化物含有ガスの利用装置における反応炉の一例を示す概略構成図である。 本発明において使用される触媒基板の第1の例を模式的に示す概略断面図である。 本発明において使用される触媒基板の第2の例を模式的に示す概略断面図である。 本発明において使用される触媒基板の第3の例を模式的に示す概略断面図である。 本発明で合成されたSWNTの成長状態の第1の例を模式的に示す概略断面図である。 本発明で合成されたSWNTの成長状態の第2の例を模式的に示す概略断面図である。 本発明で合成されたSWNTの成長状態の第3の例を模式的に示す概略断面図である。 具体例で合成されたSWNTの走査型電子顕微鏡写真である
符号の説明
1・・・変換炉、2・・・反応炉、21・・・触媒基板

Claims (8)

  1. 炭素酸化物含有ガス中の一酸化炭素を炭素源とし、気相成長法により単層カーボンナノチューブを製造することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  2. 炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換し、この一酸化炭素を炭素源とし、気相成長法により単層カーボンナノチューブを製造することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  3. 気相成長法が、触媒金属を担持した支持体を用い、常圧で700〜800℃で反応を行うものであることを特徴とする請求項1または2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  4. 炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素をボッシュ法により一酸化炭素に変換することを特徴とする請求項2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  5. 炭素酸化物含有ガスが、石炭ガス化炉からの石炭ガス化ガスであることを特徴とする請求項1または2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  6. 炭素酸化物含有ガスが、天然ガス改質装置からの改質ガスであることを特徴とする請求項1または2記載の炭素酸化物含有ガスの利用方法。
  7. 炭素酸化物含有ガス発生装置と、この炭素酸化物含有ガス発生装置からの炭素酸化物含有ガス中の一酸化炭素を炭素源として気相成長法により単層カーボンナノチューブを合成する反応装置を有することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用装置。
  8. 炭素酸化物含有ガス発生装置と、この炭素酸化物含有ガス発生装置からの炭素酸化物含有ガス中の二酸化炭素を一酸化炭素に変換する変換装置と、この変換装置からの一酸化炭素炭素源として気相成長法により単層カーボンナノチューブを合成する反応装置を有することを特徴とする炭素酸化物含有ガスの利用装置。
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