JP2005517019A - 多形1型フルチカゾンの製造方法 - Google Patents

多形1型フルチカゾンの製造方法 Download PDF

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Abstract

結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法であって、式(II):
【化1】
Figure 2005517019

の化合物またはその塩と式:LCH2F(式中、Lは脱離基である)の化合物とを、場合により相間移動触媒、水非混和性の非溶媒和性有機溶媒および水の存在下で反応させることを含む上記方法を記載する。

Description

本発明は、プロピオン酸フルチカゾン、特に結晶1型多形(crystaslline Form 1 polymorph)のプロピオン酸フルチカゾンを調製する新規方法に関する。
プロピオン酸フルチカゾンはアンドロスタンファミリーのコルチコステロイドであり、強力な抗炎症活性を有して、炎症性およびアレルギー性症状、例えば鼻炎、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するための有用な治療法として広く認められている。プロピオン酸フルチカゾンは化学的に次の構造式:
Figure 2005517019
で表される。
プロピオン酸フルチカゾンおよびそれを製造する方法は、最初に、英国特許第2088877号(GB 2088877)に記載された(同特許の実施例14を参照)。多形1型と名付けられるプロピオン酸フルチカゾンの結晶型は、粗生成物(GB 2088877に記載のように得られる)を酢酸エチルに溶解し次いで再結晶することにより得られる。標準スプレー乾燥法でも1型のプロピオン酸フルチカゾンを得ることが示されている。Phillips ら, (1994) J Med Chem, 37, 3717-3729も、プロピオン酸フルチカゾンのアセトンからの直接再結晶を記載している。国際特許出願WO98/17676は、超臨界液体技術により得られる多形2型と名付けられるプロピオン酸フルチカゾンの新しい多形型を開示した。超臨界条件を改変すれば1型多形を作製することも可能である。WO98/17676に記載された1型を調製するための実施例の条件は、二酸化炭素とアセトンに溶解したプロピオン酸フルチカゾン溶液を同軸ノズルを経由して微粒子発生容器中に同時導入することを含むものであった。プロピオン酸フルチカゾンの多形1型および2型は、そのXRPDプロファイルおよびセル次元により区別することができる。例えば、結晶多形1型(polymorphic From 1)は次の特性を持つ単斜晶構造を有する:
a=7.722'、b=14.176'、c=11.290'、β=98.458°。
対照的に、結晶多形2型は次の特性を持つ斜方晶構造を有する:
a=23.404'、b=14.048'、c=7.695'、全ての角度=90°。
XRPDプロファイルにおける特徴的なピークを次表に示す:
Figure 2005517019
2種の多形のXRPDプロファイルを図1に示す。
国際特許出願WO 00/38811(Glaxo Group)は、超音波照射の存在で水と混合することによる、アセトンに溶解したプロピオン酸フルチカゾンの結晶化を開示する。国際特許出願WO 01/32125(Glaxo Group)は、プロピオン酸フルチカゾンのアセトン溶液の流れと貧溶媒としての水の流れとを、軸方向に出口ポートをもつ円筒形混合室内に正弦方向に導入し、それにより上記両液の流れがボルテックス形成を介して密接し混合することによるプロピオン酸フルチカゾンの結晶化を開示する。そして今回、本発明者らは、結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを調製する新しい方法を発明した。
従って、本発明によれば、結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法(以後「主プロセス」と呼ぶ)であって、非溶媒和性有機溶媒(non-solvating organic liquid solvent)中のプロピオン酸フルチカゾン溶液と非溶媒和性有機貧溶媒(non-solvating organic liquid anti-solvent)とを混合してそれにより結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを溶液から晶出させることを含む上記方法が提供される。
好ましくは、本方法は周囲大気圧において実施し、溶媒および貧溶媒(anti-solvent)は周囲大気圧で液体であるものを使用する。
非溶媒和性有機溶媒および非溶媒和性有機貧溶媒は、プロピオン酸フルチカゾンと結晶溶媒和化合物を形成する傾向を持たない液であろう。非溶媒和性有機溶媒の例は、酢酸メチル、酢酸エチルおよびペンタノン、例えば、ペンタン-3-オン、特に酢酸エチル、さらに特にペンタン-3-オンを含む。非溶媒和性有機貧溶媒の例は、トルエン、イソオクタンまたはヘキサン、特にヘキサン、さらに特にトルエンを含む。定義により、水は有機貧溶媒ではない。
本発明による方法は先行技術の方法よりも有利であり、例えば、本方法は、手間のかかる装置、例えば超臨界二酸化炭素の使用または超音波の使用を可能にする装置またはボルテックス混合条件を作り出す装置を用いる必要がなく、大気圧において実施することができる。また、本発明の一態様においては、プロピオン酸フルチカゾン前駆体から結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを直接調製することが可能であり、本方法の中間工程として実質的に純粋な形のプロピオン酸フルチカゾンを単離する必要がない。従って、本方法は全体の合成工程数を減少することができるので、経済的および他の処理上の利点を有する。
プロピオン酸フルチカゾンを調製する一方法(以後、「プロセス(a)」と呼ぶ)は、式(II):
Figure 2005517019
の化合物またはその塩と式LCH2F(式中、Lは脱離基であるメシル、トシルまたはハロゲン、例えばCl、BrまたはIを表す)の化合物とを反応させることを含む。好ましくはLはハロゲン、特にBrを表す。
本発明者らが発明したこの工程を実施するための有利な条件は、式(II)の化合物またはその塩を、場合により相間移動触媒、水非混和性の非溶媒和性有機溶媒および水の存在下で組合わせることを含む。式(II)の化合物の遊離酸を用いる場合は、-SHプロトンを除去するために塩基も加えなければならない。好適な塩基は、トリ-n-プロピルアミン、トリブチルアミン、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどを含む。
水非混和性の非溶媒和性有機溶媒は、上記リストから選択される非溶媒和性有機溶媒であることが好ましい。プロセス(a)の利点を生かすために、主プロセスに用いる非溶媒性有機溶媒は同じ溶媒、すなわち水と非混和性であることが好ましく、そして酢酸エチルが最も好ましく、ペンタン-3-オンがさらにより好ましい。これにより単離工程の必要性がなくなる。
本明細書に使用される、実質的に非混和性の溶媒は、溶媒を混合したときに2相を与え、かつ一溶媒の他溶媒中の溶解度が低い。例えば一溶媒の他溶媒中の溶解度が10%w/w未満、特に5%w/w未満である。
使用しうる相間移動触媒の例は、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリブチルアンモニウムクロリドおよびメチルトリオクチルアンモニウムクロリド、好ましくはベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、特にベンジルトリブチルアンモニウムクロリドを含む。
相間移動触媒は、式(II)の化合物に基づいて1〜15mol%、特に5〜12%、特にほぼ10%の量を使用するのが好ましいであろう。
本方法の利点は、反応混合物中に相間移動触媒が存在すると、その不在のときと比較して有意に速い反応速度が得られるという事実を含む。本発明の他の利点は、中間単離工程を必要とすることなく、結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンをアルキル化溶媒から直接単離しうるという事実を含む。
さらなる利点は、メチルエチルケトンの使用またはメチルエチルケトンの酢酸エチルへの添加が反応速度を増加することである。
プロセス(a)後に有機相中に存在するプロピオン酸フルチカゾン生成物の純度は高いことが好ましいので、最初にトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどのアミン化合物(下記のプロセス(b)後に存在しうる)を除去するために酸、例えば希HCL水溶液を用いて洗浄し、次いで未反応前駆体の式(II)化合物を除去するために塩基、例えば炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄する。洗浄した有機層(密度のより高い水層から、通常の方法により、例えば流し出すことにより分離することができる)は、蒸留(場合により減圧下で)により濃縮した後に、上記主プロセスに従い有機貧溶媒を用いて処理することが好ましい。
従って、本発明は、結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法であって
(a) 式(II)
Figure 2005517019
の化合物またはその塩と式:LCH2F(式中、Lは脱離基を表す)の化合物とを、場合により相間移動触媒、水非混和性の非溶媒和性有機溶媒および水の存在下で反応させること;
(b) 場合により、1以上の水溶液洗浄工程を実施することにより、有機層中のプロピオン酸フルチカゾンの純度を高くすること;
(c) 有機層を水層から分離し、場合により有機層中のプロピオン酸フルチカゾンを濃縮すること;および
(d) 有機層中に存在するプロピオン酸フルチカゾンの水非混和性の非溶媒和性有機溶媒中の溶液と非溶媒和性有機貧溶媒とを混合して、それにより結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを溶液から晶出させること
を含む上記方法を提供する。
先行技術の方法、例えば、G.H. Phillips ら, (1994) J Med Chem 37, 3717-3729、米国特許第4,335,121号(Glaxo Group Limited)に記載の方法によれば、式(II)の化合物は、式(III):
Figure 2005517019
の化合物とプロピオン酸の活性化誘導体、例えばプロピオニルクロリドとを反応させることにより調製することができる。プロピオン酸の活性化誘導体は、1モルの試薬がチオ酸部分と反応し、例えばジエチルアミンなどのアミンとの反応により除去する必要があるので、一般的に式(III)の化合物に対して少なくとも2倍モルの量を使用する。しかし、式(II)の化合物を調製するこの方法は、得られる式(II)の化合物の副生成物N,N-ジエチルプロパンアミドによる不純物の精製が容易でない点において不利である。それ故に、本発明者らは、式(II)の化合物を調製する変換を実施する方法の改良法を発明した。プロピオン酸フルチカゾンおよび関連化合物を調製する他の方法は、イスラエル特許出願第109656号(Chemagis)、WO01/62722(Abbott)、ならびにKerteszおよびMarx (1986) J Org Chem 51, 2315-2328に記載されている。
従って、本発明によれば、式(II):
Figure 2005517019
の化合物またはその塩を製造する方法(以後、「プロセス(b)」と呼ぶ)であって、
(a) 式(III):
Figure 2005517019
の化合物とプロピオン酸活性化誘導体とを、式(III)の化合物1モル当たり少なくとも1.3モル、好適なのは少なくとも2モルの活性化誘導体の量で反応させる工程;および
(b) 工程(a)の反応により形成される式(IIA):
Figure 2005517019
の化合物から、水溶性プロパンアミド(これは後で1以上の水溶液洗浄工程により除去することができる)を形成しうる有機第一級または第二級アミン塩基を用いて、硫黄連結プロピオニル部分を除去する工程;
を含む上記方法も提供する。
工程(a)におけるプロピオン酸活性化誘導体の例は、活性化エステルまたは好ましくはプロピオニルクロリドなどのハロゲン化プロピオニルを含む。この反応は通常、非反応性有機塩基、例えばトリC1-4アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、またはトリブチルアミン、特にトリエチルアミン、さらに特にトリ-n-プロピルアミンの存在下で実施する。この方法に対する溶媒は、実質的に水非混和性の有機溶媒、例えば酢酸エチルもしくは酢酸メチル、または水混和性の有機溶媒、例えばアセトン、N,N-ジメチルホルムアミドもしくはN,N-ジメチルアセトアミド、特にアセトンを含む。
工程(b)において、水溶性プロパンアミドを形成する有機第一級または第二級アミン塩基の例は、ジエチルアミンより極性の高いアミン、例えばアルコールアミン、例えばジエタノールアミン、またはジアミン、例えばN-メチルピペラジンを含む。好ましくは、N-メチルピペラジンを使用する。アミンを、メタノールなどの小容量の有機溶媒に溶解すると好都合である。水溶液洗浄工程は、好適には、水または希酸、例えば希HClまたは酢酸を用いて実施することができる。これらの工程において、より密度の高い水層を、通常の技術、例えば重力下の流出により有機層から分離することができる。
工程(a)および(b)は低温、例えば0〜5℃にて実施することが好ましい。
プロセス(b)から得られる式(II)の化合物は通常の技術により単離することができる。しかし好ましくは、かつ本発明から最大の恩恵を受けるには、本方法の工程(a)で用いた溶媒は、実質的に水非混和性の有機溶媒、さらに好ましくは工程(a)で用いたのと同じ溶媒、そしてさらにより好ましくは主プロセスで用いたのとも同じ溶媒である。このやり方では、プロセス(b)の後に固体形態で式(II)の化合物を単離する必要はないが、有機溶媒中の式(II)の化合物を通常の技術、例えば蒸留、場合により減圧下の蒸留により濃縮することは好ましい。従って、工程(a)で用いる溶媒は最も好ましくは酢酸エチル、さらにより好ましくはペンタン-3-オンである。
式(III)の化合物の式(II)の化合物およびその塩への変換および最終生成物の単離に関するさらなる一般的条件は、当業者に周知であろう。
もし式(II)の化合物の単離を意図するのであれば(上記のように、本発明全体の主な特徴は、そのような単離を不要とするが)、遊離した式(II)の化合物よりもむしろ固体結晶塩の形態で単離することが有利であろう。好ましい塩は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、2,6-ジメチルピリジン、N-エチルピペリジンなどの塩基またはカリウムを用いて、特にトリエチルアミンを用いて形成する。式(II)の化合物のかかる塩形態は、遊離した式(II)の化合物より安定であり、濾過および乾燥が容易であり、そして高純度で単離することができる。最も好ましい塩はトリエチルアミンを用いて形成した塩である。カリウム塩も重要である。
式(II)の化合物は先行技術の方法より高効率で有利に単離することができる。例えば、G.H. Phillips ら, (1994) J Med Chem 37, 3717-3729に開示された式(II)の化合物を製造する方法は、アセトン/水系から生成物を単離する工程に関わる。この方法で調製した生成物は濾過が極めて困難である。対照的に、本発明により調製した式(II)の化合物は濾過がはるかに容易である。さらに、本発明の方法は純度の改善も与える。
かかる方法の1つは、式(II)の化合物を含有する有機層を塩基を用いて処理し、式(II)の化合物を固体結晶塩の形態で沈降させることを含む。塩基の例は、トリエチルアミン、2,6-ジメチルピリジン、N-エチルピペリジンまたは塩基性カリウム塩、例えば炭酸水素カリウムを含む。本発明者らは、本発明のさらなる態様として、固体結晶塩の形態で単離した式(II)の化合物を請求する。
さらに、式(III)の化合物をイミダゾール塩として調製しかつ利用することが有利である。G.H. Phillips ら, (1994) J Med Chem 37, 3717-3729は、式(IV)の化合物から式(III)の化合物を調製することを開示している。しかし、その方法で調製した式(III)の化合物の物理化学的特性は濾過速度の非常に低い生成物を与える。式(III)の化合物のイミダゾール塩を調製することにより得られる利点は、その特性、すなわち、容易に調製しかつ迅速に濾過することができ、取扱いが容易であり、かつ保存しうる式(III)の化合物の供給源となることにあり、式(III)の化合物を例えば塩酸による酸性化により塩から容易に得ることができる。さらに、こうして誘導した式(III)の化合物は高純度である。式(III)の化合物のイミダゾール塩は、調製し、単離して、上記式(II)の化合物を製造する方法で次に利用するために保存することができる。あるいは、式(III)の化合物のイミダゾール塩を調製し、次の式(II)の化合物への変換において湿ケーキ(cake)として直接使用し、そして、さらなる反応の前にイミダゾール塩を乾燥する必要をなくすることができる。
式(III)の化合物のイミダゾール塩は新規であり、従って本発明のさらなる態様を形成すると考えられる。またさらに式(III)の化合物のイミダゾール塩を製造する方法であって、式(IV):
Figure 2005517019
の化合物とカルボニルジイミダゾールおよび硫化水素との反応を含む上記方法も提供する。
典型的には、式(IV)の化合物と1.1〜2.5当量、好適なのは1.8当量のカルボニルジイミダゾールとを、0〜2容量(vol)、好適なのは0.5容量のN,N-ジメチルホルムアミドを含有する好適な溶媒、例えば酢酸エチル中で好適な温度、例えば18-20℃にて好適な時間、例えば1時間攪拌する。得られる懸濁液を好適な温度、例えば-5〜5℃、好適なのは-3〜3℃まで冷却し、そして硫化水素ガスを15〜60分間、好適なのは20〜30分間にわたり、懸濁液を攪拌しながら導入する。反応混合物を、さらに約30分間、-5〜5℃にて攪拌し、約10℃まで約20分間にわたり加温し、そして6〜12℃にて90〜120分間攪拌する。次いで生成物を、好適な温度、好適なのは5〜25℃、好ましくは10〜15℃にて濾過により単離し、好適な溶媒、例えば酢酸エチルを用いて洗浄し、そして真空で乾燥して式(III)の化合物のイミダゾール塩を得る。
式(III)の化合物は一塩基性酸であり、従って、イミダゾール塩部分:式(III)の化合物の化学量論量は近似的に1:1であるイミダゾール塩を形成すると予測される。しかし、意外にも、イミダゾール塩形成部分:式(III)の化合物の化学量論量は、4:1まで可能であることを見出した。従って、疑いを避けるために、用語「イミダゾール塩」は式(III)の化合物のイミダゾール塩および式(III)の化合物との会合化合物を包含し、ここでイミダゾール塩部分:式(III)の化合物の化学量論量は4:1まで、例えば、1:1〜4:1、好適なのは1.8:1〜2.5:1である。典型的な化学量論量の例は2:1である。化学量論量値の文脈において、正確な数値はそれからの名目偏差(nominal variations)を含むと解釈されるべきであると理解されよう。
好ましくは、本明細書に記載の方法で使用される式(III)の化合物はイミダゾール塩として使用される。
またプロピオン酸フルチカゾンを、式(IV)の化合物から直接、すなわち中間化合物を単離することなく調製することが有利であることも確認されている。かかる方法の利点は、より高い効率、容易な操作、および化学中間体の取扱いと保存の回避を含む。この方法は式(IV)の化合物から式(III)の化合物のワンポット調製、次いで式(II)の化合物へのin situ変換、次いで(以上記載のとおり)単離することなくプロピオン酸フルチカゾンを形成する式(II)の化合物の反応を含む。
従って、式(IV)の化合物から中間化合物を単離することなくプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法であって、式(IV)の化合物からの式(III)の化合物またはその塩の調製、次いで式(III)の化合物の式(II)の化合物へのin situ変換、次いで式(II)の化合物のプロピオン酸フルチカゾンへのin situ変換を含む上記方法を提供する。
典型的には、好適な溶媒、例えば、酢酸エチルとN,N-ジメチルホルムアミドの混合物を式(IV)の化合物とN,N'-カルボニルジイミダゾールの緊密な混合物(6.3g)に逐次加える。得られる懸濁液を好適な温度、例えば18〜20℃で約1時間攪拌して淡黄色の溶液を得る。次いで溶液を-5〜25℃、好適なのは-3〜3℃に冷却し、そして硫化水素を溶液を通して15〜60分間にわたり、好適なのは20〜30分間、内容物を12±2℃に維持しつつバブリングする。得られる懸濁液を12±2℃にてさらに90〜120分間攪拌し、次いで軽度の真空下におき、ゆっくりと窒素を補いつつ約1時間激しく攪拌する。次いで真空を開放し、容器を不活性ガス、好適なのは窒素を用いて洗浄する。次いで好適な溶媒、例えば3-ペンタノンを加え、スラリーを鉱酸水溶液、例えば2M塩酸を用いて洗浄し、次いで水を用いて洗浄する。得られる溶液を0〜5℃に冷却し、反応温度が0〜5℃に保たれることを保証しつつトリプロピルアミンを2分間にわたって加える。溶液を0〜5℃にて攪拌し、反応液を0〜5℃に保ちつつプロピオニルクロリドを約5分間にわたって加える。次いで溶液を約10℃に加温し、この温度で90〜120分間攪拌する。次いで溶液を0〜5℃に冷却し、反応液を0〜5℃に保ちつつ1-メチルピペラジンを加える。溶液を0〜5℃にて約20分間攪拌し、次いでブロモフルオロメタンを1回で加える。溶液を周囲温度に加温して16時間攪拌する。次いで溶液を逐次的に、希鉱酸、例えば1M HCl、水、塩基水溶液、例えば1%NaHCO3および水を用いて洗浄し、次いで大気圧蒸留により約80mlに濃縮し、次いで90℃に冷却する。溶液にプロピオン酸フルチカゾン(I型)の種晶を加え、次いでスラリーを約90℃に保ちつつ好適な貧溶媒、例えばトルエンを加える。次いでスラリーを大気圧蒸留により濃縮して約8mlにした。次いでスラリーを約90℃に冷却する。次いでスラリーを約90℃に保ちつつトルエンを20分間にわたり加える。次いでスラリーを90分間にわたり約10℃に冷却し、約10℃にて約1時間熟成し次いで濾過する。ケーキを好適な溶媒、例えば、3-ペンタノンとトルエン(1:4)の混合物を用いて洗浄し、そして吸引乾燥する。次いで固体を通常の手法により乾燥する。
本発明を以下の実施例を参照して説明する。
実施例
全般
1H-NMRスペクトルは400MHzにて記録し、化学シフトはテトラメチルシランと比較してppmで表現した。以下の略語を用いてシグナルの多重度を記載した:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、dd(二重項の二重項)、ddd(二重項の二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)およびb(ブロード)。
LCMSは、25cm X 0.46cm、5μm Inertsil ODS-2カラム上で、58%0.1%ギ酸を含む3%メタノール(水溶液)(溶媒A)、および42%0.1%ギ酸を含む3%メタノール(アセトニトリル溶液)(溶媒B)により、次の溶出勾配:0〜40分間42%B、40〜60分間53%B、60〜75分間87%B、75〜85分間42%Bを用いて、流速1ml/minで溶出して実施した。質量スペクトルは、HP LC/MSD分光計でエレクトロスプレー正および負モード(ES+veおよびES-ve)を用いて記録した。
液体クロマトグラフィ(方法A)は、25cm X 0.46cm ID、5μm Inertsil ODS-2を充填したカラム上で次の酸性化移動相により溶出して実施した:
溶液A:酸性アセトニトリル:酸性メタノール:酸性水(42:3:55)
溶液B:酸性アセトニトリル:酸性メタノール:酸性水(53:3:44)
溶液C:酸性アセトニトリル:酸性メタノール:酸性水(87:3:10)
{ここで、酸性アセトニトリルはアセトニトリル中に0.05%v/vリン酸(1000ml中に0.5ml)を含有し、酸性メタノールはメタノール中に0.05%v/vリン酸(1000ml中に0.5ml)を含有し、そして酸性水は水中に0.05%v/vリン酸(1000ml中に0.5ml)を含有する}。
次の溶出勾配:0〜40分間;溶液A(100%)、40〜60分間;溶液B(100 %)、60〜75分間;溶液C(100%)および75〜90分間;溶液A(100%)を、流速1.0ml/minでオーブン温度40℃にて実施した。
液体クロマトグラフィ(方法B)は、ステンレス鋼、5μm Octyl、20cmx0.46cm IDのカラム上で次の酸性化移動相により溶出して実施した:
溶液A:アセトニトリル:0.05Mリン酸二水素アンモニウム水溶液(35:65、容積基準)
溶液B:アセトニトリル:0.05Mリン酸二水素アンモニウム水溶液(70:30、容積基準)
次の溶出勾配:0〜15分間;溶液A(100%)、15〜40分間;溶液 B(100%)、40〜45分間;溶液B(100%)および45〜60分間;溶液A(100%)を、流速1.5ml/minでオーブン温度30℃にて実施した。融点はMettler Toledo FP62融点装置を用いて測定した。XRPDはPhillips X’pert MPD粉末回折計を用いて測定した。
中間体
中間体1:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(GB 2088877Bに記載の方法に従って調製した)(7g)のアセトン(73.6ml)中の溶液を、-5℃〜-6℃にてトリエチルアミン(10.9ml)を用いてほぼ15分間にわたり処理した。溶液を添加中-5℃〜0℃にて攪拌し、次いでアセトン(2.8ml)を用いて洗浄した。得られる懸濁液をさらに-3℃〜-7℃に冷却し、プロピオニルクロリド(6.2ml)を用いて反応温度を-5℃〜+2℃に維持しつつほぼ30分間にわたり処理した。アセトン(2.8ml)を加えてライン洗浄し、溶液を-5℃〜+2℃にてさらに2時間攪拌した。得られる懸濁液を、さらに-3℃〜-7℃に冷却し、メタノール(20ml)中のジエタノールアミン(23.8ml)を用いてほぼ30分間にわたり温度を-5℃〜+2℃に維持しつつ処理した。アセトン(2.8ml)を加えてライン洗浄し、溶液を-5℃〜+2℃にてさらに30分間攪拌した。混合物を-5℃〜+5℃の温度を維持しつつ水中に入れてクエンチした。アセトン(5.6ml)を加えてライン洗浄し、混合物を0℃〜5℃に冷却した。濃塩酸(65ml)を、0℃〜5℃の温度範囲を維持しつつ1〜2時間にわたり加え、次いで温度を<5℃に維持しつつ水(125ml)を加えた。混合物を0℃〜5℃にて15分間攪拌し、生成物を濾過して取除き、水を用いて洗浄し、真空下でほぼ45℃にて18時間乾燥して表題化合物を白色〜灰白色の固体(7.91g、99.5%)として得た。
HPLC保持時間:27.225分間、m/z 469.2(正分子イオン)およびm/z 467.2(負分子イオン)。
NMR (DMSOd6) 7.27 (1H, d, 10Hz), 6.34 (1H, d, 10Hz), 6.14 (1H, s), 5.31 (1H, d), 5.17 (1H, ddd), 4.27 (1H, m) 2.40 (2H, q, 7Hz), 2.00-2.14 (5H, m), 1.85 (1H, m), 1.65 (1H, m), 1.51 (3H, s), 1.14 (3H, s), 1.05 (3H, t, 7Hz), 0.88 (3H, d, 7Hz)。
実施例1:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつヘキサンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(5.5g)(Phillips ら, (1994) J Med Chem, 37, 3717-3729に記載の方法に従って調製した)の酢酸エチル(300ml)中の溶液を、真空蒸留によりほぼ32mlまで容積を減少し、そしてヘキサン(63ml)を用いて温度をほぼ20℃に維持しつつ30分間にわたり処理した。混合物を20℃にて1時間熟成し、得られる沈降物を濾過により回収し、1:4酢酸エチル/ヘキサン(3x5 ml)を用いて洗浄し、そしてほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(5.06g、92%)。
NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
HPLC保持時間35.2分間。
NMR (DMSOd6) 7.29 (1H, d, 10Hz), 6.34 (1H, d, 10Hz), 6.17 (1H, s), 6.00 (2H, d), 5.68 (1H, ddd), 4.26 (1H, m), 3.40 (3H, s), 2.40 (2H, q, 7Hz), 1.80-2.30 (5H, m), 1.52 (3H, s), 1.14 (3H, s), 1.07 (3H, t, 7Hz), 1.05 (3H, s), 0.94 (3H, d, 7Hz)。
実施例2:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつトルエンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(5.5g)(Phillips ら, (1994) J Med Chem, 37, 3717-3729に記載の方法に従って調製した)の酢酸エチル(300ml)中の溶液を、真空蒸留によりほぼ32mlまで容積を減少した。反応混合物をトルエン(80l)を用いて処理しかつさらに蒸留して全反応容積32mlにした。トルエン(40ml)のさらなる部分を60℃にて加え、混合物をほぼ10℃に冷却した。混合物をこの温度にてほぼ1時間熟成し、得られる沈降物を濾過により回収し、トルエンと酢酸エチルの混合物(5:1の比)を用いて洗浄し、ほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(4.70g、85.4%)。
NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
実施例3:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつイソオクタンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル5.5g(Phillips ら, (1994) J Med Chem, 37, 3717-3729に記載の方法に従って調製した)の酢酸エチル(300ml)中の溶液を、蒸留してほぼ32ml容積とし、そしてイソオクタン(80ml)を用いて少なくとも30分間にわたりほぼ20℃の温度を維持しつつ処理した。混合物をさらに蒸留して全反応液容積をほぼ32mlにした。イソオクタンのさらなる部分(40ml)を60℃にて加え、混合物をほぼ10℃に冷却し、そして混合物をこの温度にてほぼ60分間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、酢酸エチルとイソオクタンの混合物(5:1の比)を用いて洗浄し、ほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(5.07g、92.2%理論値)。
NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
実施例4:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(酢酸メチルを溶媒としてかつトルエンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(5.5g)(Phillips ら, (1994) J Med Chem, 37, 3717-3729に記載の方法に従って調製した)の酢酸エチル(300ml)中の溶液を、蒸留してほぼ32ml容積とし、そしてイソオクタン(80ml)を用いて少なくとも30分間ほぼ20℃の温度を維持しつつ処理した。混合物をさらに蒸留して全反応容積32mlとした。トルエン(40ml)のさらなる部分を60℃にて加え、混合物をほぼ10℃に冷却し、そして混合物をこの温度にてほぼ60分間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、酢酸メチルとトルエンの混合物(5:1の比)(32ml)を用いて洗浄し、ほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(5.06g、92.2%理論値)。
NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
実施例5:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつヘキサンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(中間体1)(3.7g)の酢酸エチル(167ml)および水(13.5ml)中の溶液を、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(0.37g)およびトリエチルアミン(1.3ml)を用いて処理し、混合物を5℃に冷却した。ブロモフルオロメタン(0.5ml)を反応温度をほぼ5℃に維持しつつ加えた。混合物を20℃に2〜3時間にわたり加温し、得られる懸濁液を0.5M塩酸(23ml)、1%w/w炭酸水素ナトリウム水溶液(3x23ml)および水(2x23ml)を用いて逐次的に洗浄した。有機層を分離しかつ水層を場合により酢酸エチル(30ml)を用いて逆抽出した。一緒にした有機層を蒸留してほぼ22mlの容積にし、さらに酢酸エチル(7ml)を加えた。混合物をほぼ20℃に冷却し、ヘキサン(42ml)を少なくとも30分間にわたって加え、そして混合物を20℃にて15分間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、1:4酢酸エチル/ヘキサン(3x5ml)を用いて洗浄し、ほぼ50oCにて18時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(3.54g、95.7%w/w)。
NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
この実施例は、相間移動触媒としてベンジルトリブチルアンモニウムブロミドを使用するかまたは塩基をジイソプロピルエチルアミンもしくは炭酸水素ナトリウムのいずれかにより置換えて繰り返したときに、表題化合物の合成が等しく効率的であることを立証した。
実施例6:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつトルエンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(中間体1)(3.7g)の酢酸エチル(167ml)および水(13.5ml)中の溶液を、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(0.37g)およびトリエチルアミン(1.3ml)を用いて処理し、混合物を5℃に冷却した。ブロモフルオロメタン(0.5ml)を反応温度をほぼ5℃に維持しつつ加えた。混合物を20℃に2〜3時間にわたり加温し、得られる懸濁液を0.5M塩酸(23ml)、1%w/w炭酸水素ナトリウム水溶液(3x23ml)および水(2x23ml)を用いて逐次的に洗浄した。有機層を分離しかつ水層を場合により酢酸エチル(30ml)を用いて逆抽出した。一緒にした有機層を蒸留してほぼ22mlの容積にし、トルエン(54ml)を加えた。反応混合物をさらに蒸留してほぼ22mlの全反応容積にした。トルエンのさらなる部分(27ml)をほぼ60℃にて加え、混合物をほぼ10℃に冷却し、そしてこの温度にてほぼ1時間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、トルエンおよび酢酸エチル(5:1の比)の混合物を用いて洗浄し、ほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(3.1g、83.7%)。NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
実施例7:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(酢酸エチルを溶媒としてかつイソオクタンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(中間体1)(3.7g)の酢酸エチル(167ml)および水(13.5ml)中の溶液を、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(0.37g)およびトリエチルアミン(1.3ml)を用いて処理し、混合物を5℃に冷却した。ブロモフルオロメタン(0.5ml)を反応温度をほぼ5℃に維持しつつ加えた。混合物を20℃に2〜3時間にわたり加温し、得られる懸濁液を0.5M塩酸(23 ml)、1%w/w炭酸水素ナトリウム水溶液(3x23 ml)および水(2x23 ml)を用いて逐次的に洗浄した。有機層を分離しかつ水層を場合により酢酸エチル(30ml)を用いて逆抽出した。一緒にした有機層を蒸留してほぼ22mlの容積にし、イソオクタン(54ml)を用いて少なくとも30分間にわたりほぼ20℃の温度を維持しつつ処理した。混合物をさらに蒸留してほぼ22mlの全反応容積にし、混合物をほぼ10℃に冷却し、そしてこの温度にて少なくとも30分間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、酢酸エチルおよびイソオクタン(1:5の比)の混合物を用いて洗浄し、ほぼ50℃にて12時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(3.4g、92.3%)。NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
実施例8:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(中間体6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸の単離を避けるために単一溶媒を用いて)
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(GB 2088877Bに記載の方法に従って調製した)(7g)の酢酸エチル(350ml)中の溶液を、20〜25℃にて攪拌し、0〜5℃にてトリエチルアミン(10.9ml)を用いてほぼ20分間にわたり処理し、さらに酢酸エチル(5ml)を加えてライン洗浄した。得られる懸濁液をさらに-3℃〜-7℃に冷却し、プロピオニルクロリド(6.2ml)を用いてほぼ30分間にわたり反応温度を-5℃〜+2℃に維持しつつ処理した。酢酸エチル(5ml)を加えてラインを洗浄し、溶液を-5℃〜+2℃にてさらに2時間攪拌した。得られる懸濁液を、さらに-3℃〜-7℃に冷却し、メタノール(20ml)中のジエタノールアミン(23.8ml)を用いてほぼ30分間にわたり温度を-5℃〜+2℃に維持しつつ処理した。酢酸エチル(5ml)を加えてラインを洗浄し、溶液を-5℃〜+2℃にてさらに30分間攪拌した。酢酸(25ml)を、-5oC〜+2oCの温度範囲に維持しつつほぼ10分間にわたり加え、得られる懸濁液を-5℃〜+5℃にて少なくとも10分間熟成した。水(30ml)をほぼ10分間にわたり-5℃〜+2℃の温度範囲を維持しつつ加え、有機層を分離し、水(3x50ml)を用いて洗浄した。水層は場合により酢酸エチル(120ml)を用いて-5℃〜+2℃にて逆抽出し、一緒にした有機層をほぼ45mlに真空蒸留により(10℃以下で)濃縮した。得られる溶液のほぼ半分を水(13.5ml)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(0.37g)およびトリエチルアミン(1.3ml)を用いて処理し、混合物を5℃に冷却した。ブロモフルオロメタン(0.5ml)を、ほぼ5℃の反応温度を維持しつつ加えた。混合物を20℃に2〜3時間にわたり加温し、得られる懸濁液を0.5M塩酸(23ml)、1%w/w炭酸水素ナトリウム水溶液(3x23ml)および水(2x23ml)を用いて逐次的に洗浄した。有機層を分離しかつ水層を場合により酢酸エチル(30ml)を用いて逆抽出した。一緒にした有機層を蒸留してほぼ22mlの容積にし、さらに酢酸エチル(7ml)を加えた。混合物をほぼ20℃に冷却し、ヘキサン(42ml)を少なくとも30分間にわたって
加え、そして混合物を20℃にて15分間熟成した。得られる沈降物を濾過により回収し、1:4酢酸エチル/ヘキサン(3x5ml)を用いて洗浄し、ほぼ50oCにて18時間乾燥して表題化合物を白色固体として得た(3.54g、95.7%w/w)。
本方法は、酢酸エチルの代わりにペンタン-3-オンを溶媒に用いたときにも繰り返して成功した。
実施例9:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-イルS-(1-オキソプロポキシ)チオ無水物
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(10g)のアセトン(125ml)中の溶液を、ほぼ-5℃に冷却し、0〜-5℃にてトリエチルアミン(16ml)を用いてほぼ15分間にわたり処理した。懸濁液をプロピオニルクロリド(8.5ml)を用いてほぼ90分間にわたり-5℃〜0℃の温度を維持しつつ処理し、溶液を-5℃〜0℃の温度にてさらに2時間攪拌した。反応混合物を2M塩酸(470ml)中に10分間にわたって注ぎ、得られる懸濁液を5℃にて30分間熟成した。生成物を濾過除去し、水(3x125ml)を用いて洗浄し、真空下でほぼ40℃にて15時間乾燥して表題化合物を白色固体(12.78g、100.6%)として得た。
HPLC保持時間40.7分間(99.5面積%純度)
CHN:測定値C、61.8%;H、6.7%;S、6.1%;C27H34F2O6S理論値C、61.8%;H、6.5%;S、5.7%。
NMR (DMSOd6) 7.27 (1H, d, 10Hz), 6.32 (1H, d, 10Hz), 6.12 (1H, s), 5.81 (1H, d), 5.65 (1H, ddd), 4.37 (1H, m), 2.40 (2H, q, 7Hz), 2.00-2.45 (4H, m), 1.85 (1H, m), 1.87 (1H, m), 1.51 (3H, s), 1.27 (1H, m), 1.11-1.22 (4H, m), 0.90-1.05 (6H, m), 0.88 (3H, d, 7Hz)。
実施例10:6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸イミダゾール塩(1:2)の調製
6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-ヒドロキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボン酸(35g、0.089モル)およびカルボニルジイミダゾール(25.75g、0.16モル)を、酢酸エチル(350ml)およびN,N-ジメチルホルムアミド(17.5ml)中で20±2℃にて60分間攪拌した。懸濁液を0℃に冷却し、バッチを0±5℃にて攪拌するとともに硫化水素(7.7g、0.23モル)を焼結ガラス製浸漬パイプを経由して32分間にわたり加えた。バッチを0±3℃にて30分間攪拌し、20分間にわたり9℃に加温し、そして9±3℃にて全部で100分間攪拌した。生成物を濾過(ワットマン54濾紙)により回収し、ケーキを酢酸エチル(2x105ml)により洗浄した。生成物を真空下でほぼ20℃にて20時間乾燥して、表題化合物を白色ないし淡紫色の固体として得た(47.7g、98.5%理論値)。
NMR (MeOHd4) 0.86 (3H) d, J=7.4 Hz; 1.11 (3H) s; 1.20 (1H) m; 1.61 (3H) s; 1.62-1.82 (3H) m; 2.14-2.25 (2H) m; 2.33 (1H) m; 2.54 (1H) m; 3.19 (1H) m; 4.26 (1H) ddd, J=11.2,4.0,1.8 Hz; 5.57 (1H) dddd, J=49.0,11.6,6.8,1.9 Hz; 6.32 (1H) m; 6.35 (1H) dd, J=10.0,2.0 Hz; 7.35 (4H), d, J=1.0 Hz (イミダゾール); 7.41 (1H) dd, J=10.0,1.4 Hz; 8.30 (2H) t, J=1.0 Hz (イミダゾール)。
MP 120℃(分解)。
実施例11:6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 イミダゾール塩(1:2)から6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17b-カルボチオ酸の溶液の調製
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸イミダゾール塩(47.7g)を酢酸エチル(811ml)中で攪拌し、懸濁液を15±3℃に冷却した。2M(水溶液)塩酸(286ml)を加え、混合物をほぼ5分間攪拌して、透明な2相混合物を得た。層を分離し、遊離カルボチオ酸の有機溶液をさらに2M塩酸(190ml)を用いて洗浄した。
代替法
6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸イミダゾール塩(47.7g)をペンタン-3-オン(954ml)中で攪拌し、懸濁液を15±3℃に冷却した。2M塩酸(286ml)を加え、混合物をほぼ5分間攪拌して、透明な2相混合物を得た。層を分離し、遊離カルボチオ酸の有機溶液をさらに水(190ml)を用いて洗浄した。
いずれの場合にも、(乾燥固体よりもむしろ)溶媒で湿った6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸イミダゾール塩のケーキを、上記酸性化方法の原料として利用することができる。
実施例12:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸イミダゾール塩(1:2)(13.3g)を3-ペンタノン(200ml)中に懸濁し、2M塩酸(60ml)を用いて、次いで水(60ml)を用いて洗浄した。得られる溶液を3℃に冷却し、トリプロピルアミン(14.0ml)を2分間にわたり反応液が3±2℃に維持されるのを確認しつつ加えた。溶液を3±2℃にて攪拌し、プロピオニルクロリド(5.3ml)を5分間にわたり反応液を3±2℃に維持しつつ加えた。次いで溶液を12℃まで加温し、12±2℃にて90分間攪拌した。次いで溶液を3℃まで冷却し、そして1-メチルピペラジン(5.1ml)を反応液を3±2℃を保ちながら加えた。溶液を3±2℃にて20分間攪拌し、次いでブロモフルオロメタン(1.4ml)を1回で加えた。溶液を18℃に加温し、18±2℃にて16時間攪拌した。次いで溶液を逐次的に1M HCl(60ml)、水(60ml)、1%NaHCO3(60ml)および水(60ml)を用いて洗浄し、次いで大気圧蒸留により約80mlに濃縮し、次いで90℃に冷却した。溶液に表題化合物(0.05g)を種晶として加え、次いでトルエン(120ml)を20分間にわたりスラリーを87±3℃に保ちつつ加えた。次いでスラリーを大気圧蒸留により約80mlに濃縮し、次いで90℃に冷却した。次いでトルエン(120ml)を20分間にわたりスラリーを87±3℃に保ちつつ加えた。次いでスラリーを10℃に90分間にわたり冷却し、10±3℃にて60分間熟成し、次いで濾過した。ケーキを3-ペンタノン:トルエン(1:4、2x20ml)を用いて洗浄し、吸引乾燥した。固体を真空オーブン中で50℃にて16時間乾燥して表題化合物を白色針状固体として得た(8.7g、69%理論値)。
実施例13:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
酢酸エチル(100ml)およびN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)を、6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボン酸(10.0g)とN,N'-カルボニルジイミダゾール(6.3g)の緊密な混合物に逐次的に加えた。得られる懸濁液を18〜20℃にて50分間攪拌して淡黄色の溶液を得た。溶液を10℃に冷却し、硫化水素(2.2g)を溶液を通して25分間にわたり内容物を12±2℃に維持しつつバブリングした。得られる懸濁液を12±2℃にてさらに90分間攪拌し、次いで軽い真空下で(300〜350mbar)低速の窒素吹込みをし、そして50分間激しく攪拌した。次いで真空を開放し、容器を窒素を用いて洗浄した。次いで3-ペンタノン(150ml)を加え、スラリーを2M塩酸(60ml)を用いて洗浄し、次いで水(60ml)を用いて洗浄した。得られる溶液を3℃に冷却し、トリプロピルアミン(14.0ml)を2分間にわたり反応液を3±2℃に保ちつつ加えた。溶液を3±2℃にて攪拌し、プロピオニルクロリド(5.3ml)を5分間にわたり反応液を3±2℃に保ちつつ加えた。次いで溶液を10℃に加温し、12±2℃にて90分間攪拌した。次いで溶液を3℃に冷却し、1-メチルピペラジン(5.1ml)を反応液を3±2℃に保ちつつ加えた。溶液を3±2℃にて20分間攪拌し、次いでブロモフルオロメタン(1.4ml)を1回で加えた。溶液を18℃に加温し、18±2℃にて16時間攪拌した。次いで溶液を逐次的に1M HCl(60ml)、水(60ml)、1%NaHCO3(60ml)および水(60ml)を用いて洗浄し、次いで大気圧蒸留により約80mlに濃縮し、次いで90℃に冷却した。溶液に表題化合物(0.05g)を種晶として加え、トルエン(120ml)を20分間にわたりスラリーを87±3℃に保ちつつ加えた。次いでスラリーを大気圧蒸留により約80mlに濃縮し、次いで90℃に冷却した。トルエン(120ml)を20分間にわたりスラリーを87±3℃に保ちつつ加えた。次いでスラリーを10℃に90分間にわたり冷却し、10±3℃にて60分間熟成し、次いで濾過した。ケーキを3-ペンタノン:トルエン(1:4、2x20ml)を用いて洗浄し、吸引乾燥した
。固体を真空オーブン中で50℃にて16時間乾燥して表題化合物を白色針状固体として得た(9.5g、75%理論値)。
実施例14:6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(ペンタン-3-オンを溶媒としてかつトルエンを貧溶媒として用いて)
6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(9.1g)のペンタン-3-オン(250ml)中の攪拌スラリーを還流で加熱して溶液を得た後、これを大気蒸留により約65mlに濃縮した。溶液を85℃に冷却し、次いでトルエン(120ml)を20分間にわたり混合物を85±3℃に維持しつつ加えた。得られる懸濁液を大気圧蒸留により約90mlに濃縮し、85℃に冷却し、次いでトルエン(95ml)を20分間にわたり混合物を85±3℃に保ちつつ加えた。次いでスラリーを85±3℃にて15分間熟成し、次いで10℃に90分間にわたり冷却した。スラリーを12±3℃にて30分間熟成し、次いで濾過した。ケーキをペンタン-3-オン:トルエン(1:3、2x20ml)を用いて洗浄し、吸引乾燥した。固体を真空オーブン中で50℃で4時間乾燥して表題化合物を白色針状固体(9.02g、98%理論値)として得た。NMR分析は、生成物の非溶媒和性を示しかつXRPD分析は生成物が多形1型であることを確証した。
本明細書および以下の請求項目の全体にわたって、特に断らなければ、「含む(comprise)」(及び「含む(comprises)」および「含む(comprising)」等の変化形)は、述べた整数(integer)もしくはステップまたは完全体もしくはステップのグループを包含することを意味するが、いずれの他の整数もしくはステップまたは完全体もしくはステップのグループを除外することを意味しないと理解される。

Claims (13)

  1. 結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法であって、プロピオン酸フルチカゾンの非溶媒和性有機溶媒中の溶液を非溶媒和性有機貧溶媒と混合して、それにより結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを溶液から晶出することを含む上記方法。
  2. 非溶媒和性有機溶媒がペンタン-3-オンである、請求項1に記載の方法。
  3. 非溶媒和性有機貧溶媒がトルエンである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを製造する方法であって、
    (a) 式(II):
    Figure 2005517019
    の化合物またはその塩と式:LCH2F(式中、Lは脱離基を表す)の化合物とを、場合により、相間移動触媒、水非混和性の非溶媒和性有機溶媒および水の存在下で反応させること;
    (b) 場合により、1以上の水溶液洗浄工程を実施することによりプロピオン酸フルチカゾンの有機層中の純度を高くすること;
    (c) 有機層を水層から分離し、かつ場合により有機層中のプロピオン酸フルチカゾンを濃縮すること;および
    (d) 有機層に存在するプロピオン酸フルチカゾンの水非混和性の非溶媒和性有機溶媒中の溶液を非溶媒和性有機貧溶媒と混合して、それにより溶液から結晶多形1型のプロピオン酸フルチカゾンを晶出すること;
    を含む上記方法。
  5. Lがハロゲンである、請求項4に記載の方法。
  6. 水非混和性の有機溶媒がペンタン-3-オンである、請求項4または請求項5に記載の方法。
  7. 式(II)の化合物またはその塩が、以下の:
    (a) 式(III):
    Figure 2005517019
    の化合物とプロピオン酸の活性化誘導体とを、式(III)の化合物1モル当たり少なくとも1.3モルの該活性化誘導体の量で反応させる工程;および
    (b) 工程(a)の反応により形成される式(IIA):
    Figure 2005517019
    の化合物から、水溶性プロパンアミド(これは後で1以上の水溶液洗浄工程により除去することができる)を形成しうる有機第一級または第二級アミン塩基を用いて、硫黄連結プロピオニル部分を除去する工程;
    を含む方法により得られる、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(a)を実質的に水非混和性の有機溶媒の存在下で実施する、請求項7に記載の方法。
  9. 前期溶媒がペンタン-3-オンである、請求項8に記載の方法。
  10. 式(III)の化合物をイミダゾール塩として使用する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物を固体形態で単離しない、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 式(IIA):
    Figure 2005517019
    の化合物。
  13. プロピオン酸フルチカゾンを式(IV):
    Figure 2005517019
    の化合物から、中間化合物を単離することなく製造する方法であって、
    式(IV)の化合物から式(III):
    Figure 2005517019
    の化合物を調製し、次いで式(III)の化合物を式(II):
    Figure 2005517019
    の化合物にin situで変換し、次いで式(II)の化合物をプロピオン酸フルチカゾンにin situ変換することを含む上記方法。
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