JP2005350349A - 単層カーボンナノチューブの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単層カーボンナノチューブ構造体を簡便な装置手段によって高効率で、しかも品質に優れたものとして製造することのできる、改善された新しい製造装置を提供する。
【解決手段】 レーザー蒸発による単層カーボンナノチューブの製造装置であって、少なくとも、反応容器と、反応容器内に設置される炭素ターゲット物質と、反応容器内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段と、炭素ターゲット物質に照射するレーザを連続発振させるレーザ発振手段とを備えることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 レーザー蒸発による単層カーボンナノチューブの製造装置であって、少なくとも、反応容器と、反応容器内に設置される炭素ターゲット物質と、反応容器内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段と、炭素ターゲット物質に照射するレーザを連続発振させるレーザ発振手段とを備えることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置とする。
【選択図】 なし
Description
この出願の発明は、単層カーボンナノチューブの製造装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、ナノメートルスケールの微細構造を有する単層カーボンナノチューブ構造体を簡便な装置手段によって高効率で、しかも品質に優れたものとして製造することのできる、改善された新しい製造装置に関するものである。
近年、ナノメートルスケールの微細構造を有する炭素物質が、カーボンナノチューブや、フラーレン、ナノカプセル等として注目されている。これらの炭素物質は、ナノ構造黒鉛(グラファイト)物質として、新しい電子材料や触媒、光材料等への応用が期待されているものである。
このうちのカーボンナノチューブについては、この出願の発明者によって始めて提供されたものである。このカーボンナノチューブの単層のものは、炭素原子の厚さを有する単層グラファイト膜が管(チューブ)状形体を構成するという特異な構造を有している。
従来、この単層カーボンナノチューブは、アーク放電法や、高温レーザ蒸発法により製造されることが知られている。
しかしながら、これらの従来の単層カーボンナノチューブの製造においては改善すべき以下のような問題点があった。
まずアーク放電流法の場合には、単層カーボンナノチューブ以外の炭素物質、例えば非晶質炭素などが同時に生成され、また得られる単層カーボンナノチューブの構造は不均質になるという欠点があった。
一方、高温レーザ蒸発法は、生成物の選択性や均質性の点でアーク放電法よりも優れている。しかしながら、この方法では、1200℃程度の高温度に加熱した電気炉内に設置された石英管内に金属を少量含む炭素ターゲット物質を置いて不活性ガス雰囲気中で、パルス幅数ナノ秒、パルス周波数10ヘルツ程度のNd:YAGパルスレーザ光を照射し、ガス中に発生するすす状物質の一部として単層カーボンナノチューブを回収している。このように、従来の方法では、1200℃程度の極めて高温度の加熱が欠かせないため、製造装置は複雑で特殊な構造や素材からなるものとなり、また生成される単層カーボンナノチューブが高温に曝されるために熱変成が避けられないという問題があった。そしてまた、レーザ光の照射はパルス照射であることから、単層カーボンナノチューブの生成効率の向上には制約があるという問題があった。
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの従来のレーザ蒸発法の特徴を生かしつつ、その欠点を解消して、経済性に優れ、簡便な手段によって均質な単層カーボンナノチューブを効率的に生成することのできる新しい製造装置を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、レーザー蒸発による単層カーボンナノチューブの製造装置であって、少なくとも、反応容器と、反応容器内に設置される炭素ターゲット物質と、反応容器内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段と、炭素ターゲット物質に照射するレーザを連続発振させるレーザ発振手段とを備えることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置を提供する。
第2には、この出願の発明は、前記レーザ発振手段が、CO2 ガスレーザ発振手段であることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置を提供する。
さらに、第3には、前記CO2 ガスレーザ発振手段が、出力200〜2000WのCO2 ガスレーザの連続発振が可能であることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置を提供する。
また、第4には、記反応容器内のガス圧が、104 〜105 Paであることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置を提供する。
加えて第5には、前記炭素ターゲット物質が、触媒金属が混入されたグラファイトであることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置をも提供する。
この出願の発明の装置によると、ターゲットや雰囲気ガスを加熱する必要がないため、製造装置を簡単にすることができ経済的に優れている。また形成される単層カーボンナノチューブが高温に曝されることがないため熱変成を防ぐことができる。したがって均質の単層カーボンナノチューブが得られる。さらにCO2 レーザは高出力で連続発振させることができるため、従来のパルス法に比べ単層カーボンナノチューブ収量を大幅に改善することができる。
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明の単層カーボンナノチューブの製造装置は、レーザー蒸発による単層カーボンナノチューブの製造装置であって、少なくとも、反応容器内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段と、反応容器内に設置される炭素ターゲット物質にCO2 ガスレーザを照射して蒸発させるためのCO2 ガスレーザ発振手段とを備えることを特徴としている。
レーザ光を照射する炭素ターゲット物質としては、従来法と同様に、触媒としての少量の金属、たとえばFe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、..... 等を混入したグラファイト(黒鉛)等の物質を用いる。この炭素ターゲット物質は、容器内に置かれることになる。この際に、従来のように1200℃という高温度に加熱するための特殊な手段の採用は全く必要がない。炭素ターゲット物質、そして雰囲気ガスを加熱することがこの発明の方法においては必要がないからである。
容器内には、不活性ガスを導入して、雰囲気を不活性なものとするが、この場合の不活性ガスは、Ar(アルゴン)、He(ヘリウム)等の希ガスをはじめとする各種のものであってよい。不活性ガスは、容器内を流通し、生成する単層カーボンナノチューブをこのガスの流れによって回収するようにしてもよいし、あるいは不活性ガスを導入した閉鎖雰囲気としてもよい。
不活性ガスの導入による容器内のガス圧はたとえば104 〜105 Paとすることが好ましい。
炭素ターゲット物質に照射するレーザ光は、連続発振のものとしている。この発明の製造装置においては、高出力CO2 ガスレーザ光とするのが望ましい。このCO2 ガスレーザは、その出力としては200〜2000W、より好ましくは800〜1500Wとすることができる。
CO2 ガスレーザの出力や雰囲気ガス圧等の条件によっても相違するが、レーザ光は、炭素ターゲット物質の表面に対し、ほぼ直交する位置ないしは直交線から角度として90度未満まで傾斜した方向より照射することができる。
以上のような、この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法では、ターゲットや雰囲気ガスを加熱する必要がないため、製造装置を簡単にすることができ経済的に優れている。また形成される単層カーボンナノチューブが高温に曝されることがないため熱変成を防ぐことができる。したがって均質の単層カーボンナノチューブが得られる。さらにCO2 レーザは高出力で連続発振させることができるため、従来のパルス法に比べ単層カーボンナノチューブ収量を大幅に改善することができる。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の方法について説明する。もちろん、この発明は以下の実施例に限定されることはない。
容器内に、触媒金属としてNiを1.2at%混入した炭素ターゲット物質を置き不活性ガスとしてAr(アルゴン)を雰囲気圧が6×104 Paとなるように流通させた。炭素ターゲット物質、そして雰囲気ガスは加熱することなく、その温度は室温とした。
この炭素ターゲット物質に対し、その表面に対して直交する方向よりCO2 ガスレーザ光を照射した。照射時間は2秒とした。CO2 ガスレーザ光としては次の特性を有するものとした。
出 力:1000W
レーザー光ビーム径:2mm
このレーザ光の照射により炭素レーザ蒸発が生じ、すす状物質として単層カーボンナノチューブを得た。
レーザー光ビーム径:2mm
このレーザ光の照射により炭素レーザ蒸発が生じ、すす状物質として単層カーボンナノチューブを得た。
単層カーボンナノチューブとして次の構造をもつものが主として生成されていた。
長 さ:1〜10μm
チューブ径:1〜2nm
チューブの端は閉鎖されている。
チューブ径:1〜2nm
チューブの端は閉鎖されている。
従来の高温パルスレーザ蒸発により1200℃の温度にて得られた単層カーボンナノチューブと同質のものが、CO2 レーザを用いることにより室温で生成された。
Claims (5)
- レーザー蒸発による単層カーボンナノチューブの製造装置であって、少なくとも、反応容器と、反応容器内に設置される炭素ターゲット物質と、反応容器内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段と、炭素ターゲット物質に照射するレーザを連続発振させるレーザ発振手段とを備えることを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造装置。
- 前記レーザ発振手段が、CO2 ガスレーザ発振手段であることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造装置。
- 前記CO2 ガスレーザ発振手段が、出力200〜2000WのCO2 ガスレーザの連続発振が可能であることを特徴とする請求項2記載の単層カーボンナノチューブの製造装置。
- 前記反応容器内のガス圧が、104 〜105 Paであることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の単層カーボンナノチューブの製造装置。
- 前記炭素ターゲット物質が、触媒金属が混入されたグラファイトであることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の単層カーボンナノチューブの製造装置。
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JP2005198132A JP2005350349A (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | 単層カーボンナノチューブの製造装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011519809A (ja) * | 2008-05-01 | 2011-07-14 | 本田技研工業株式会社 | 成長した単層ナノチューブの効率および品質に炭化水素および輸送ガス材料が与える効果 |
JP2012031017A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | National Institutes Of Natural Sciences | プラズマ衝突による周期的微細構造物質生成捕集方法 |
US8882970B2 (en) | 2006-04-24 | 2014-11-11 | Nec Corporation | Apparatus and method for manufacturing carbon nanohorns |
US9174847B2 (en) | 2008-05-01 | 2015-11-03 | Honda Motor Co., Ltd. | Synthesis of high quality carbon single-walled nanotubes |
-
2005
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US10850984B2 (en) | 2008-05-01 | 2020-12-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Synthesis of high quality carbon single-walled nanotubes |
JP2012031017A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | National Institutes Of Natural Sciences | プラズマ衝突による周期的微細構造物質生成捕集方法 |
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