JP2005349750A - 生分解性積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 生分解性を有し、防湿性に優れた生分解性積層フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも片面に防湿層が形成された積層フィルムであって、防湿層が生分解性樹脂と天然ワックスとを含有することを特徴とする生分解性積層フィルム。防湿層における天然ワックスの含有量が、生分解性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部である上記生分解性積層フィルム。40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が、50g/(m2・day)以下である上記生分解性積層フィルム。生分解性樹脂の数平均分子量が2万以下である上記生分解性積層フィルム。生分解性樹脂が脂肪族−芳香族共重合ポリエステルである上記生分解性積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性を有し、防湿性に優れた生分解性積層フィルムに関するものである。
従来より、各種食品、薬品、雑貨等の包装用資材、農業用資材、建築用資材など幅広い用途において、強度や耐久性、コスト等の優れた性能を有したプラスチックフィルムが、袋や熱成形された容器として使用されている。現在、これらの用途に使用されているプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等がある。しかし、上記のようなプラスチックからなるフィルムは、石油資源からなり、廃棄の際に埋設処理された場合は自然環境中に残存し、焼却処理された場合は有害なガスを生じたり焼却炉を劣化させたりするという問題がある。
近年、これらの問題を解決するために、水分や微生物などにより分解可能であり、コンポスト中での堆肥化処理が可能であるポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンテレフタレートアジペート等の生分解性を有する樹脂からなるフィルムが要求されている。これらの中でも、特に、ポリ乳酸は、各種でんぷんや糖類などを発酵して得られる乳酸を重合した植物由来の原料で、最終的には再び炭酸ガスと水になり、地球的規模で環境リサイクルされる理想的なポリマーとして、各種用途に利用され始めている。
しかし、これらの生分解性樹脂は水蒸気透過性が高く、湿気を嫌う製品や水分を多く含む製品等を包装する際には、吸湿や放湿が問題となる。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、脂肪族ポリエステル5重量%以上80重量%以下及びポリオレフィンワックス20重量%以上95重量%以下含有する組成物からなる、土中での分解性制御が可能な低透湿性フィルムが開示され、また、特許文献2には、二つの生分解性樹脂層の間に生分解性の防湿層を備えている生分解性フィルムが開示されている。しかし、前者では、非生分解性組成物であるポリオレフィンワックスを20重量%以上含むため、生分解性フィルムとは認められず、後者では、二つの生分解性樹脂層の間に防湿層を備えているため、少なくとも3層以上の構成となり、工程や生産性に問題があった。
特開平09−194706号公報 特開2003−311868号公報
本発明は、上記問題点を解決し、生分解性を有し、防湿性に優れた生分解性積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸系重合体からなる二軸延伸フィルムを基材層とし、この層に、生分解性樹脂と天然ワックスとからなる防湿層を積層した生分解性積層フィルムが上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも片面に防湿層が形成された積層フィルムであって、防湿層が生分解性樹脂と天然ワックスとを含有することを特徴とする生分解性積層フィルム。
(2)防湿層における天然ワックスの含有量が、生分解性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部であることを特徴とする(1)記載の生分解性積層フィルム。
(3)40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が、50g/(m2・day)以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の生分解性積層フィルム。
(4)生分解性樹脂の数平均分子量が2万以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の生分解性積層フィルム。
(5)生分解性樹脂が、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の生分解性積層フィルム。
本発明の生分解性積層フィルムは、水蒸気透過性が高い生分解性フィルムに優れた防湿性を付与し、湿気を嫌う製品や水分を多く含む製品等を包装する際に、好適に使用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを基材層とし、この基材層の少なくとも片面に防湿層が形成された積層フィルムである。基材層に用いられるポリ乳酸系重合体としては、主成分として、ポリ乳酸または乳酸成分を有するものであればよく、ポリ乳酸、乳酸またはラクチドと他のヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、環状ラクトンとの共重合体、ブレンド体が挙げられる。これらには、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することができる。
ポリ乳酸のL−乳酸とD−乳酸との割合は、(L−乳酸)/(D−乳酸)=100/0〜92/8(モル%)であることが好ましい。ポリ乳酸に占めるD−乳酸の含有量が8モル%を超えると結晶性が低下し、延伸時の厚み精度が悪化したり、延伸後の熱セットによる配向結晶化が進行せず、機械的強度の不足や熱収縮率のコントロールが困難になるという問題が生じる。また、L−乳酸を単独で使用してもよいが、D−乳酸が配合されている方が、結晶性が緩和され、製膜性が良い。従って、本発明においては、L−乳酸とD−乳酸とが、(L−乳酸)/(D−乳酸)=99/1〜95/5(モル%)の範囲で配合されていることが、より好ましい。なお、上記の割合で配合されていれば、共重合体であってもブレンド体であってもかまわない。
ポリ乳酸系重合体の数平均分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5万未満であると、得られるフィルムは機械的強度に劣るものとなり、延伸工程や巻き取り工程での切断も頻繁に起こり、操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると、加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
本発明の積層フィルムにおいて、防湿層は生分解性樹脂と天然ワックスとを含有する。防湿層に用いられる生分解性樹脂としては、生分解性を有する樹脂であればよく、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、ポリエステルカーボネート等が挙げられる。
防湿層の生分解性樹脂に用いられる脂肪族ポリエステルとしては、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、ラクチド、グリコリド等の環状ラクトン類、エチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等のジオール類、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とした脂肪族ポリエステル重合体等が挙げられる。その中でも、ポリ乳酸系重合体、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートが好適に用いられる。また、生分解に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することもできる。
防湿層の生分解性樹脂に用いられる脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族成分及び芳香族成分を有するポリエステルであればよく、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、ラクチド、グリコリド等の環状ラクトン類、エチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等のジオール類、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とし、脂肪族成分と芳香族成分を有する共重合体等が挙げられる。その中でも、脂肪族成分として1,4−ブタンジオールとアジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有する共重合ポリエステルが好ましい。また、生分解に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することもできる。上記脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、耐熱性、強度等の物理的性質、及び操業性の点から、結晶性を有することが好ましい。
防湿層の生分解性樹脂に用いられるポリエステルカーボネートとしては、ジヒドロキシ化合物とジカルボン酸又はそのアルキルエステル、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを反応させることにより得られるものを用いることができる。
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ブロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トルエンジオール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールを成分の1種として用いることが好ましい。
ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を適宜併用することができる。中でも、コハク酸を成分の1種として用いることが好ましい。
なお、ジヒドロキシ化合物及びジカルボン酸は、これらのエステルあるいは酸無水物であってもよい。また、ジヒドロキシ化合物及びジカルボン酸は、それぞれ単独あるいは混合物として用いることができ、所望の組合せが可能であるが、本発明においては適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る程度の高い融点のものが好ましい。また、ジヒドロキシ化合物としては、1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸としてコハク酸を含むことが好ましい。
炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネートなどを挙げることができ、中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。
本発明において、防湿層は、上記の生分解性樹脂と天然ワックスとを含有する。天然ワックスしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろうなどの植物ワックス、セラックワックス、ラノリンワックスなどの動物ワックス、モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックスが挙げられる。その中でもキャンデリラワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスが適度な生分解性を有し、かつ生分解性樹脂と混合することで優れた防湿性を発現することから好ましく、特に、キャンデリラワックスが好ましい。
防湿層における生分解性樹脂と天然ワックスとの配合比率は、防湿層の透明性および強度を維持するため、生分解性樹脂100質量部に対して、天然ワックスが1〜100質量部であることが好ましく、2〜50質量部であることがさらに好ましく、3〜35質量部であることがより好ましい。天然ワックスが1質量部未満では防湿性が充分に発現されない場合がある。また、天然ワックス成分は、その量が多くなるほど防湿性が向上する傾向にあるが、100質量部を超えて用いても防湿性能はほとんど向上しなくなるため経済的ではなく、さらに、天然ワックスの量が100質量部を超えると、防湿組成物層が白濁したり、もろくなるうえに、基材との密着性が低下する場合がある。
また、本発明において、防湿層を構成する生分解性樹脂と天然ワックスとは充分に混ざり合っていることが防湿性発現のために重要である。生分解性樹脂と天然ワックスとの混合方法は特に限定されないが、原料を同一の押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出機で溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。分散性を向上させるために、生分解性樹脂を解重合し、分子量を低下させてもよい。その際の数平均分子量としては、2万以下が好ましく、より好ましくは1万以下である。
本発明において、生分解性樹脂と天然ワックスとを含有する防湿層の厚みは、防湿性を充分高めるためには少なくとも1μmより厚くすることが望ましく、2〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体からなる二軸延伸フィルムを基材層とし、この基材層の少なくとも片面に、生分解性樹脂と天然ワックスからなる防湿層が形成された構成であることが必要である。本発明の積層フィルムは、ガスバリア性等の他の機能性を付与するために、3層以上の多層構成としてもよい。例えば、ガスバリア性を付与する方法として、PVA層、金属又は金属酸化物蒸着層を積層する方法が挙げられる。
本発明において、基材層と防湿層とを積層する方法としては、特に限定されないが、それぞれの層を構成する原料を、複数の押出機で溶融、混練した後、ダイ内あるいはそれ以前のフィードブロック内等で積層し共押出する方法、巻き出した基材フィルム層上にコーティングする方法、基材フィルム層と防湿フィルム層をロールやプレス機などで熱圧着する方法、あるいは、接着剤を用いて貼り合わせる方法等が挙げられる。
接着剤を用いて基材層と防湿層とを積層する製造方法において、接着剤として、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ゴム系、ウレタン系等が一般的に用いられるが、生分解性の点から、でんぷん、アミロース、アミロペクチン等の多糖類や、膠、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、コラーゲン等のタンパク質類やポリペプチド類、未加硫天然ゴム等の天然材料、脂肪族系ポリエステル、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、脂肪族系ポリエステルウレタン、脂肪族系ポリエステル変性ポリビニルアルコール酢酸ビニル共重合等が好ましい。
本発明において、基材フィルム層を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、原料を十分に乾燥し水分を除去した後、組成に適した溶融温度で、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等から所定の厚みに押出したシート状物または円筒状物を、冷却ロールや水、圧空等により冷却、固化させる。なお、原料の樹脂組成物は、混合を十分にするために、予め溶融混練したものを用いてもよい。その後、ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸又は二軸延伸を施してもよい。二軸延伸方法としては、同軸二軸延伸法、逐次二軸延伸法のいずれでもよい。延伸する場合は、延伸温度は50℃〜110℃の範囲で、延伸倍率は縦、横方向、それぞれ1.5〜10倍の範囲で延伸する。好ましい延伸倍率は、それぞれ2.5倍以上であり、かつ面倍率が8倍以上である。延伸倍率が2.5倍未満であると、十分な機械的強力が得られず、実用性に劣るものとなる。また、延伸倍率の上限は特に限定されるものではないが、8倍を超えるとフィルム破れが発生しやすくなる。また、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる等により熱処理を施してもよい。均一に精度よく加熱できる点で、熱風を吹き付ける方法が好ましく、70℃〜170℃の範囲で1秒以上の熱処理、またはリラックス率2〜8%の条件下で弛緩熱処理を行ってもよい。
本発明の積層フィルムは、40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が、ポリエステルフィルムと同レベルの、50g/(m2・day)以下であることが好ましい。水蒸気透過度が、50g/(m2・day)を超えると、この積層フィルムで包装した製品が吸湿することがあり、また水分を多く含む製品からは放湿することがある。積層フィルムの水蒸気透過度を50g/(m2・day)以下にするには、防湿層の厚みと、防湿層における天然ワックスの含有量をそれぞれ適宜選択すればよい。
本発明の積層フィルムには、本発明の効果を阻害しない範囲において、積層フィルムの物性や加工性を調整する目的で、可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤等の添加剤、改質剤、架橋剤あるいは、他の高分子材料等を添加することも可能である。
可塑剤としては、特に限定されないが、本発明で使用する重合体との相溶性に優れたものが好ましく、具体的には、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシ酸エステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体等から選ばれた単一または複数の混合物が挙げられる。
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪族カルボン酸アミドが好ましい。このような脂肪族カルボン酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、天然または合成珪酸塩化合物、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸ソーダ等が好ましい。珪酸塩化合物としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ等の層状珪酸塩が挙げられる。これらの層状珪酸塩は膨潤性であっても非膨潤性であってもよく、また、表面処理が施されていてもよい。
次に実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。なお、本発明における評価方法は以下の通りである。
(1)分子量
島津製作所社製GPCを用いて、濃度10mg/ml、溶媒テトラヒドロフラン、測定温度40℃、ポリスチレン換算で分子量を測定した。
(2)水蒸気透過度
モコン社製の透湿度測定器(PERMATRAN−W3/31MW)を用いて、40℃×90%RHにおける水蒸気透過度を測定した。
実施例1
ポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマー社製、D体=1%、数平均分子量100000)を用い、210℃で溶融しTダイより押出し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを100℃で、縦方向3倍×横方向3倍の延伸倍率で同時二軸延伸を行い、リラックス率4%、130℃で熱処理し、15μmの二軸延伸フィルムを得た。
脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製 Ecoflex F、数平均分子量70000)をエチレングリコールで解重合し、数平均分子量を10000にしたものを得た。この解重合体80質量部とキャンデリラワックス(野田ワックス社製)20質量部とを混合し、160℃で溶融し、上記ポリ乳酸二軸延伸フィルム上に、厚さが10μmになるように押出し、積層フィルムを得た。この積層フィルムの水蒸気透過度は、20g/(m2・day)であった。
実施例2
ポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマー社製、D体=10%、数平均分子量100000)80質量部と、キャンデリラワックス(野田ワックス社製)20質量部とを混合し、180℃で溶融し、実施例1に記載のポリ乳酸二軸延伸フィルム上に、厚さが10μmになるように押出し、積層フィルムを得た。この積層フィルムの水蒸気透過度は、30g/(m2・day)であった。
実施例3
基材層用の樹脂としてポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマー社製、D体=1%)を用い、防湿層用の原料としてポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマー社製、D体=10%、数平均分子量100000)30質量部と、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製 Ecoflex F、数平均分子量70000)50質量部と、キャンデリラワックス(野田ワックス社製)20質量部とを混合したものを用いて、210℃で溶融しTダイより共押出し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを70℃で縦方向に2.4倍、次いで80℃で横方向に3倍の延伸倍率で延伸を行い、リラックス率4%、130℃で熱処理し、防湿層/基材層/防湿層=5/20/5(μm)からなる構成の厚さ30μmの二軸延伸積層フィルムを得た。この積層フィルムの水蒸気透過度は、30g/(m2・day)であった。
比較例1
実施例1と同様に作製した厚さ25μmのポリ乳酸二軸延伸フィルムの水蒸気透過度は、300g/(m2・day)であった。
比較例2
キャンデリラワックスを添加しない以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。この積層フィルムの水蒸気透過度は、285g/(m2・day)であった。


Claims (5)

  1. ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも片面に防湿層が形成された積層フィルムであって、防湿層が生分解性樹脂と天然ワックスとを含有することを特徴とする生分解性積層フィルム。
  2. 防湿層における天然ワックスの含有量が、生分解性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部であることを特徴とする請求項1記載の生分解性積層フィルム。
  3. 40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が、50g/(m2・day)以下であることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性積層フィルム。
  4. 生分解性樹脂の数平均分子量が2万以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性積層フィルム。
  5. 生分解性樹脂が、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性積層フィルム。

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