JP2005337757A - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動範囲の大きな被測定対象物の正確な位置測定が可能なアブソリュートリニアエンコーダの提供。
【解決手段】 複数検出用スケール1〜3と同数のピックアップ1〜3を検出ヘッド4上に設けて相対移動させると状態1〜6が示現される。状態1、3、5では各々ピックアップ1、2、3の信号S1 、S2 、S3 を採用し、状態2、4中の各所定位置で各々S1 とS2 、S2 とS3 の間で採用信号の切替を行なう。正しい絶対位置信号を得るために、信号切替時の連続性が保証されるような加減算補正をS2 とS3 について行なう。補正量はキャリブレーションにより状態2、4で両ピックアップ信号の比較から計算、記憶される。状態2、4でその都度ピックアップ及び検出用スケールの相互位置関係から計算しても良い。ピックアップ数を2個としても、状態3での信号切替を追加すれば同様の絶対位置検出が可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、アブソリュートリニアエンコーダに関し、特に、移動範囲の大きな被測定対象物の位置測定が可能なアブソリュートリニアエンコーダに関する。
アブソリュートタイプのリニアエンコーダを構成する場合、アブソリュート位置検出用パターンが形成された検出用スケールの長さが長ければ長い程、検出レンジを大きくとることが可能であると一応は考えられる。しかし、製造技術上の限界により、3mを越えるようなものの使用は現実的ではなかった。また、例えば下記特許文献1に記されているように、アブソリュート位置検出用パターンが形成された検出用スケールを持つユニットをいくつかつなぎ合わせて3m以上の検出レンジを得ることも可能であるが、その場合でも、検出用スケール同士のつなぎ目での寸法誤差により、実際に連続的な絶対位置を小さな誤差で得ることは困難であった。
特開2003−57072号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、例えば3mを越えるような長い検出レンジ(測定長)を実現して、正確な計測を行なうことができるアブソリュートリニアエンコーダを提供することにある。
本発明は、複数の検出用スケールと複数のピックアップを利用することにより、長い計測長を持つアブソリュートリニアエンコーダを提供するものである。本発明においては、2個または3個以上の検出用スケールの長手方向(絶対位置検出を行なう軸に沿った方向)が互いに平行関係になるように結合されて配置される。一方、複数のピックアップは上記長手方向の相互位置関係を不変に保って1つの検出ヘッドに保持される。検出ヘッドと複数の検出用スケールとは、通常のアブソリュートリニアエンコーダと同じく、長手方向に相対移動できるようになっている。
本発明では、複数のピックアップを利用することで、各隣合う検出用スケールについて、2つのピックアップで重複検出可能な範囲(重複検出範囲)を確保することができる。そして、この重複検出範囲において、検出出力に採用するピックアップデータの切り替えを行なうとともに、検出出力の連続性を担保する補正を行なうことで、検出スケールの接続に伴う誤差に影響されずに計測長を延ばすことができる。また、重複検出範囲以外における同様のデータ切替と補正を組み合わせれば、検出スケールが3個以上使用されてもピックアップ数を2個にとどめることが可能である。
より具体的に言えば、先ず請求項1に記載の発明は、N個(但し、Nは2以上の正整数)の検出用スケールとN個のピックアップを有するアブソリュートリニアエンコーダに係るもので、前記N個の検出用スケールは、各検出用スケールの長手方向が平行関係になるように結合されており、前記N個のピックアップは、前記長手方向に関する相互位置関係を保った状態で一つの検出ヘッドに固定され、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドとは前記長手方向に相対的に可動である。
そして、n番目(但し、n=1、2・・・N−1)の検出用スケールとn番目のピックアップにより検出範囲Rn 内での絶対位置が検出可能であり、且つ、検出範囲Rn と検出範囲Rn+1 は、重複検出範囲Qn を持ち、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Fn において、n番目のピックアップにより検出される絶対位置データSn と(n+1)番目のピックアップにより検出される絶対位置データSn+1 との間での切り替えが行なわれる。また、該切り替え後のデータSn+1 またはSn について、該切り替え前後に出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な補正を該必要に応じて行われる。
ここで、前記補正における補正量は、キャリブレーションにより予め求めて記憶しておくことができる(請求項2)。
あるいは、前記補正における補正量を、予め与えられた複数のパラメータに基づいて、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Fn において計算する方式も採用できる。その場合、前記複数のパラメータには、前記N個のピックアップの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータと、前記N個の検出スケールの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータが含まれる(請求項3)。
なお、上記いずれのエンコーダにおいても、前記N個の検出用スケールは、n番目の検出用スケールとn+1番目の検出用スケールとが、前記長手方向と垂直な方向に互いにずらして配置され、且つ、前記長手方向の位置について一部同士が重なり合って配置されていても良い(請求項4)。
次に、請求項5に記載の発明は、N個(但し、Nは2以上の正整数)の検出用スケールと、2個のピックアップ(第一及び第二のピックアップ)を有するアブソリュートリニアエンコーダに係るもので、前記N個の検出用スケールは、各検出用スケールの長手方向が平行関係になるように結合されており、前記2個のピックアップは、前記長手方向に関する相互位置関係を保った状態で一つの検出ヘッドに固定され、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドとは前記長手方向に相対的に可動である。
そして、n番目(但し、n=1、2・・・N−1)の検出用スケールと前記第一のピックアップにより検出範囲Rn の絶対位置を検出可能であり、(n+1)番目の検出用スケールと前記第二のピックアップにより検出範囲Rn+1 の絶対位置を検出可能であり、検出範囲Rn と検出範囲Rn+1 は重複検出範囲Qn を持ち、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Rn にある所定位置Gn で、前記第一のピックアップにより検出される絶対位置データS1 と前記第二のピックアップにより検出される絶対位置データS2 との間での切り替えを行なうとともに、該切り替え後のデータS2 またはS1 について、該切り替え前後で出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な第1種の補正を、該必要に応じて行うようになっている。
また更に、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が前記重複検出範囲Qn を除く検出範囲Rm (但し、m=2・・・N−1)にある所定位置Hm において、前記第二のピックアップにより検出される絶対位置データS2 と前記第一のピックアップにより検出される絶対位置データS1 との間での切り替えを行なうともに、該切り替え後のデータS2 またはS1 について、該切り替え前後で出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な第2種の補正を該必要に応じて行うようになっている。
ここで、前記第1種の補正における補正量及び前記第2種の補正における補正量は、キャリブレーションにより予め求めて記憶しておくことができる(請求項6)。
あるいは、前記第1種の補正における補正量を、予め与えられた複数のパラメータに基づいて、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Gn において計算し、前記第2種の補正における補正量を、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が前記重複検出範囲Qn を除く検出範囲Rm (但し、m=2・・・N−1)にある所定位置Hm において計算するようにしても良い。この場合、前記複数のパラメータには、前記N個のピックアップの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータと、前記N個の検出スケールの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータが含まれる(請求項7)。
なお、これらのエンコーダにおいても、前記N個の検出用スケールは、n番目の検出用スケールとn+1番目の検出用スケールとが、前記長手方向と垂直な方向に互いにずらして配置され、且つ、前記長手方向の位置について一部同士が重なり合って配置されていても良い(請求項8)。
本発明に係るアブソリュートリニアエンコーダによれば、複数の検出スケールの使用に伴う誤差を排除して、長い計測長(例えば3m超)にわたっての絶対位置検出ができるようになる。また、高い製造コストをかけて無理に長尺(例えば3mに近いもの)の検出スケールを用意する必要がなくなるので、経済的にも有利である。
図1は、本発明を適用したアブソリュートリニアエンコーダを含むシステム構成の概略を示した図である。同図において符号1は例えば工作機械のテーブルで、±X方向に可動な状態で支持されている。テーブル1の移動はサーボモータを含む駆動部2によって行なわれ、その制御はCNC(数値制御装置)3によって行なわれる。本例では、このテーブル1のX位置(絶対位置)がアブソリュートリニアエンコーダで検出され、CNC3で周知の態様でフィードバック制御等に利用される。アブソリュートリニアエンコーダは、検出ヘッド4、検出用スケール部5、AD変換器6、信号処理部7で構成されている。符号8はテーブル1を持つ機械(例えば工作機械)の操作盤で、ディスプレイ、キーボード、電源スイッチ等を周知の態様で具備している。
検出用スケール部5には複数(N個;本例ではN=3)の検出用スケール51〜53が±X方向に沿って直列配置され、テーブル1の全可動範囲をカバーしている。例えばテーブル1の全可動範囲が5mである場合、各検出用スケール51〜53の各単独長は2m以下(例えば1.7m)に設計することができる。検出ヘッド4は後述するように複数のピックアップを有するもので、計測対象物であるテーブル1と一体的に移動するように支持されている。各ピックアップは、後述する態様で検出用スケール51〜53を読み取る。各ピックアップの検出信号は、AD変換器6でAD変換され、信号処理部7へ送られる。信号処理部7の内部構成は省略したが、CPU、メモリ、入出力インターフェイス等を備えたもので、後述する処理を内部で行なってCNC3にテーブル1の絶対位置を表わす信号を出力する。
なお、検出ヘッド4のピックアップによる検出方式は、周知の光学式(透過光読み取り式あるいは反射光読み取り式)、磁気式のいずれであっても良く、個々のピックアップの構成、検出用スケールの構成等については、採用した検出方式に応じて適宜選択すれば良い事項であるから詳細説明は省略する。但し、いずれも方式を採用した場合でも、各検出用スケール51〜53には、個々の検出用スケールを識別するIDコードパターンが、対応する検出用スケールの読み取り可能位置にあるピックアップにより随時認識可能な態様で形成されている。従って、いずれのピックアップも、検出用スケール51〜53のいずれかを読み取れる位置にある限り、それら検出用スケールのいずれの検出用スケール読み取りが可能な位置にいるのかを表わす信号を出力するようになっている。
図2(a)〜図2(c)にIDコードパターンの一例を示した。これらの図において、(a)、(b)、(c)にはそれぞれ検出用スケール51、52、53に描かれている絶対位置検出用パターン(例えば反射光学式であれば濃淡繰り返しパターン)51a、52a、53aとIDコードパターン51b、52b、53bを表わしている。IDコードパターン51b、52b、53bは、例えば反射光学式であれば順に、1本の黒線、二重の黒線、三重の黒線とすることができる。各IDコードパターンは絶対位置検出用パターンが形成されている全範囲に対応して延在して形成されており、既述の通り、あるピックアップで位置検出用パターンが読み取れる限り、同ピックアップにより対応するIDコードパターンも読み取れるようになっている。なお、絶対位置検出用パターン51a、52a、53a自体は、一般に複数トラックで構成される周知のもので、ここでは簡略表示されている。
また、上記した構成では、検出ヘッド4をテーブル1と一体で移動させ、検出用スケール51〜53を静止配置したが、場合によっては、検出用スケール51〜53をテーブル1と一体で移動させ、検出ヘッド4を静止配置しても良い。いずれにしても、検出ヘッド4はピックアップとともに検出用スケール51〜53に対して±X方向に沿って相対移動するので、以下の説明では、「検出ヘッドの位置」、「ピックアップの位置」等の表現を用いる。
さて、検出ヘッド4に設けるピックアップの数、使用する検出用スケールの個数、配置形態等の組み合わせには、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で多様なバリエーションが存在するが、検出ヘッド4に設けるピックアップの数と使用する検出用スケールの個数の関係に応じて、2つの類型に分類することが可能である。第1の類型では、「使用する検出用スケールの使用数と同数のピックアップ」を検出ヘッド4に設ける。一方、第2の類型は、「使用する検出用スケールの使用数が3個以上いくつであっても2個のピックアップ」を検出ヘッド4に設けるものである。以下、いくつかの実施例について、ピックアップと検出用スケールの配置、動作、信号処理等を説明する。なお、以下の説明では検出用スケール51〜53に対応するものを「検出用スケール1〜検出用スケール3」と呼称する。また、4個の検出用スケールを使用する例では検出用スケール1〜検出用スケール4と呼ぶ。
[第1の実施例]
図3は第1の実施例における検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置とを最上段に側面図(絶対位置検出用パターン(例えば濃淡繰り返しパターン)とIDコードパターンを描いた面を正面方向に見る図;以下、同様)で示し、その下に順に検出ヘッド(ピックアップ配列)が取り得る状態を5つに分けて底面図(各検出用スケールの側縁を正面から見る図;以下、同様)で示したものである。最上段に示したように、本実施例は上記した第1の類型に属し、3個(N=3)の検出用スケールに対して3個のピックアップ1〜3が1つの検出ヘッド4上に設けられている。
ピックアップ1〜3は各検出用スケールの長手方向(±X方向)に沿って間隔をとって設けられており、ピックアップ1とピックアップ2の間隔はdp12 、ピックアップ2とピックアップ3の間隔はdp23 である。これらdp12 、dp23 は、後述する補正量Δ2 、Δ3 に関係するパラメータであり、補正量Δ2 、Δ3 のデータがキャリブレーション(後述)により求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わない。但し、補正量Δ2 、Δ3 を位置計測時に計算する場合(後述)には、これらdp12 、dp23 の値は適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。
また、ピックアップ1は基本的に検出用スケール1専用のもので、検出用スケール1の絶対位置検出用パターン(例えば図2中の51a参照)を読みとって位置信号S1 を出力する。同様に、ピックアップ2は基本的に検出用スケール2に専用のもので、検出用スケール2の絶対位置検出用パターン(例えば図2中の52a参照)を読みとって位置信号S2 を出力し、ピックアップ3は基本的に検出用スケール3に専用のもので、検出用スケール3の絶対位置検出用パターン(例えば図2中の53a参照)を読みとって位置信号S3 を出力する。
各検出用スケール1〜3の原点O1 〜O3 は各検出用スケール1〜3の左端付近にある。また、検出用スケール1の原点O1 は検出用スケール1〜3の全体の原点ともなるもので、その意味で検出用スケール1は「基準検出用スケール」である。原点O1 と原点O2 の間隔はdo12 、原点O2 と原点O3 の間の距離はdo23 である。これらdo12 、do23 も、後述する補正量Δ2 、Δ3 に関係すパラメータであり、補正量Δ2 、Δ3 のデータがキャリブレーション(後述)により求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わない。但し、補正量Δ2 、Δ3 を位置計測時に計算する場合(後述)には、これらdo12 、do23 の値は適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。ここで、原点O1 〜O3 の検出時に出力される信号S1 〜S3 については、いくつかの設定方式があり得るが、ここでは次のような設定がなされているものとする。
(1)ピックアップ1が丁度原点O1 を検出した時の信号S1 は、S1 =0である。
(2)ピックアップ2が丁度原点O2 を検出した時の信号S2 は、S2 =0である。
(3)ピックアップ3が丁度原点O3 を検出した時の信号S3 は、S3 =0である。
以上の配置で、例えば検出ヘッド4が+方向(図中左方から右方)、あるいは−方向(図中右方から左方)へ移動(一般には相対移動;以下、同様)した場合、各ピックアップ1〜3の位置に応じて、5種類の状態1〜5が示現されることになる。各状態の要点は、下記の通りである。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取り(絶対位置検出用パターンの読み取り;以下、同様)が可能な状態(“ON”で表記;以下、同様)であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りは可能であるが無効化された状態である。即ち、信号S2 は絶対位置信号の出力には使用されず、図中では“OFF”で表記されている(以下、同様)。なお、状態1では当然ピックアップ3による検出用スケール3の読み取りは不可能である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りも可能な状態である。なお、ピックアップ3による検出用スケール3の読み取りは不可能である。
●状態3=ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが可能であり、且つ、ピックアップ1による検出用スケール1の読み取り及びピックアップ3による検出用スケール3の読み取りはいずれも不可能な状態である。
●状態4=ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが可能であり、且つ、ピックアップ3による検出用スケール3の読み取りも可能な状態である。なお、ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りは不可能である。
●状態5=ピックアップ3による検出用スケール3の読み取りは可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りは不可能な状態である。ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りも不可能である。
このように状態1〜5の内、状態2及び状態4において検出ヘッド4は、重複検出範囲にあると言うことができる。本実施例ではアブソリュートリニアエンコーダが絶対位置の出力として採用する信号を、状態2の最中にピックアップ1の出力する位置信号S1 とピックアップ2の出力する信号S2 との間で切り替え、また、状態4の最中にピックアップ2の出力する位置信号S2 とピックアップ3の出力する信号S3 との間で切り替えることで、検出用スケール1〜検出用スケール3にわたる長い範囲で絶対位置の計測を行なう。切替の向きは、+方向移動ではS1 →S2 、あるいはS2 →S3 であり、−方向移動ではS2 →S1 、あるいはS3 →S2 である。実際に切替を行なう位置は、例えば次のように定めておく。
(1)状態2の左右の限界の中点付近にピックアップ1とピックアップ2の中点が来た時にピックアップ1が出力する信号S1 の値をS1fとして予め記憶しておき、S1 =S1fとなる位置を信号S1 S2 間の切替位置とする。S1 ≦S1fでは信号S1 が採用され、S1 >S1fでは信号S2 が採用される。
(2)状態4の左右の限界の中点付近にピックアップ2とピックアップ3の中点が来た時にピックアップ2が出力する信号S2 の値をS2fとして予め記憶しておき、S2 =S2fとなる位置を信号S2 S3 間の切替位置とする。S2 ≦S2fでは信号S2 が採用され、S2 >S2fでは信号S3 が採用される。
但し、位置信号の切り替えに際して連続した絶対位置を表わす信号を得るためには、信号S2 、S3 の補正が必要になることに注意すべきである。この補正を行なわなければ、例えば信号S1 からS2 の切り替えを行なった瞬間に、不連続な絶対位置の計測結果が得られてしまう。逆に言えば、位置信号の切り替えに際して連続した絶対位置を表わす信号が得られるような補正を必要に応じて行えば、複数検出用スケールの使用に伴う誤差が除去できることになる。必要な補正量は、メモリに記憶されたピックアップ間の既知の間隔のデータを用いて算出可能である。なお、信号S1 はここでは基準となる検出用スケールの検出信号であるから、補正を要しない。換言すれば、状態1にある時に信号S1 は補正なしで絶対位置を表わす信号となっている。また、状態2においても、信号S2 が採用される限り、信号S1 は補正なしで絶対位置を表わす信号となっている。
このような補正を含む処理は、信号処理部7(図1参照)でCPUによって行なわれる。処理に必要なソフトウェアと諸パラメータは、信号処理部7のメモリに用意しておく。図4はこの処理(絶対位置検出処理1)の概要を記したフローチャートで、各ステップの要点は次のようになる。処理は電源オンで開始され、電源オフで強制終了される。
ステップT1;各ピックアップでIDコードパターンと検出用パターンを読み取る。但し、前述したように、検出用パターンから位置信号を得られるピックアップは、状態1〜5に応じて、1個または2個である。IDコードパターンは、全ピックアップ1〜3で読み取られる。
この読み取り結果に基づいて、現在の状態(検出ヘッド4の位置;以下、同じ)が状態1、2A、2B、3、4A、4B、5のいずれであるか判別される。ここで、状態1、3、5の定義は既述の通りである(図3参照)。また、状態2A、2B、4A、4Bは次のように定義される。
状態2A;状態2であって、且つ、S1 ≦前述したS1f(状態2の前半)
状態2B;状態2であって、且つ、S1 >前述したS1f(状態2の後半)
状態4A;状態4であって、且つ、S2 ≦前述したS2f(状態4の前半)
状態4B;状態4であって、且つ、S2 >前述したS2f(状態4の後半)
この定義に基づいて、ステップT2以下を実行する。
ステップT2;状態1、2AのいずれかであればステップT3へ進み、そうでなければステップT4へ進む。
ステップT3;ピックアップ1で得られる信号S1 をCNC3へ出力し、ステップT1へ戻る。なお、本例では、検出用スケール1が基準検出用スケールなので信号S1 は補正を要しない。
ステップT4;状態2B、3、4AのいずれかであればステップT5へ進み、そうでなければステップT7へ進む。
ステップT5;ピックアップ2で得られる信号S2 を補正する。補正の内容については後述する。
ステップT6;補正後の信号S2 をCNC3へ出力し、ステップT1へ戻る。
ステップT7;ステップT4でNOと判断されたことは、状態4B、5のいずれかであることを意味する。従って、このステップT7では、ピックアップ3で得られる信号S3 を補正する。補正の内容については後述する。
ステップT8;補正後の信号S3 をCNC3へ出力し、ステップT1へ戻る。
以上の処理サイクルを電源がオフされるまで繰り返すことで、検出用スケール1〜3でカバーされる長レンジにわたって、常時、テーブル1の正確な絶対位置(X軸上の位置)の検出が行なわれる。
次に、ステップT5、T7で行なわれる補正について説明する。ステップT5における補正は信号S2 に対するもので、S2 はS2 +Δ2 に補正され、S2 +Δ2 がステップT6で出力される。同様に、ステップT7ではS3 がS3 +Δ3 に補正され、S3 +Δ3 がステップT8で出力される。ここで、Δ2 、Δ3 は予めキャリブレーションによって求めたものを記憶しておくことができる。また、予め「構造パラメータ」(後述)を記憶しておき、それらパラメータに基づき処理サイクル毎に計算で求めることもできる。
キャリブレーションによる方式では、図5に示した処理(キャリブレーション処理1)を予め(例えば製品出荷時)実行し、Δ2 、Δ3 を信号処理部7のメモリ(不揮発性メモリ領域)に書き込んでおく。キャリブレーション処理1の各ステップの要点を記せば次のようになる。
ステップU1;状態2の任意位置に検出ヘッド4(テーブル1)を移動させる。この移動のさせ方は任意で、例えば操作盤8を使って手動で行なうことができる。
ステップU2;検出用パターンをピックアップ1、2で読み取る。状態2では、ピックアップ1は検出用スケール1の検出用パターンを読み取る一方、ピックアップ2は検出用スケール2の検出用パターンを読み取ることになる。
ステップU3;ステップU2で得られた信号S1 (ピックアップ1の出力)、S2 (ピックアップ2の出力)の差分S1 −S2 をΔ2 として記憶する。
ステップU4;状態4の任意位置に検出ヘッド4(テーブル1)を移動させる。この移動のさせ方も任意で、例えば操作盤8を使って手動で行なうことができる。
ステップU5;検出用パターンをピックアップ2、3で読み取る。状態4では、ピックアップ2は検出用スケール2の検出用パターンを読み取る一方、ピックアップ3は検出用スケール3の検出用パターンを読み取ることになる。
ステップU6;ステップU5で得られた信号S2 (ピックアップ2の出力)、S3 (ピックアップ3の出力)の差分S2 −S3 +Δ2 をΔ3 として記憶して処理を終了する。
記憶されたΔ2 、Δ3 は上記ステップT5でS2 +Δ2 の計算に使用され、上記ステップT7でS3 +Δ3 の計算に使用される。これにより、状態2あるいは状態4の中で、信号切替(S1 →S2 、S2 →S1 、S2 →S3 あるいはS3 →S2 )が行なわれても、エンコーダが出力する絶対位置の検出値の連続性が保証される。
ところで、上記のΔ2 、Δ3 を左右する量が何か考察してみると、それはX軸方向に関するピックアップ1〜3の相互位置関係及び検出用スケール1〜3の相互位置関係である。本例では、ピックアップ1〜3の相互位置関係は、ピックアップ1、2間の間隔dp12 と、ピックアップ2、3間の間隔dp23 で代表させることができる。また、検出用スケール1〜3の相互位置関係は原点O1 と点O2 の間隔do12 と、原点O2 と点O3 の間隔do23 で代表させることができる。これらの量は、エンコーダの構造パラメータということができ、適当な計測機械を用いて実測可能である。そこで、予めこれら構造パラメータを信号処理部7のメモリ(不揮発性メモリ領域)に書き込んでおく。そして、前述のステップT5、T7でその都度これらパラメータを用いてΔ2 、Δ3 を計算し、S2 +Δ2 あるいはS3 +Δ3 で補正を行なっても良い。Δ2 、Δ3 の計算式は下記のようになる。
Δ2 =do12 −dp12 ・・・[1]
Δ3 =do12 +do23 −dp12 −do23 ・・・[2]
以上が第1の類型(使用する検出用スケールの使用数と同数のピックアップを使用)に属する第1の実施例の概要である。次に、第2の類型(使用する検出用スケールの使用数が3個以上で、2個のピックアップを使用)に属する第2の実施例について説明する。なお、以降の説明では、既述の事項の繰り返し説明は適宜省略する。
[第2の実施例]
図6は第2の実施例における検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置とを最上段に側面図(絶対位置検出用パターン(例えば濃淡繰り返しパターン)とIDコードパターンを描いた面を正面方向に見る図;以下、同様)で示し、その下に順に検出ヘッド(ピックアップ配列)が取り得る状態を6つに分けて底面図(各検出用スケールの側縁を正面から見る図;以下、同様)で示したものである。最上段に示したように、本実施例は上記した第2の類型に属し、3個(N=3)の検出用スケールに対して2個のピックアップ1〜2が1つの検出ヘッド4上に設けられている。
ピックアップ1〜2は各検出用スケールの長手方向(±X方向)に沿って間隔をとって設けられており、ピックアップ1、2の間隔はdp12 である。dp12 は、後述する補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)に関係するパラメータであり、補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)のデータがキャリブレーション(後述)により求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わない。但し、補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)を位置計測時に計算する場合(後述)には、これらdp12 、dp23 の値は適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。
また、ピックアップ1〜2は各検出用スケールで共用可能なのもので、検出用スケール1〜3のいずれかの絶対位置検出用パターンを読みとって位置信号S1 を出力する。同様に、ピックアップ2は検出用スケール1〜3のいずれかの絶対位置検出用パターンを読みとって位置信号S2 を出力する。各検出用スケール1〜3の配列は実施例1と同様で良い。原点O1 〜O3 は各検出用スケール1〜3の左端付近にある。また、検出用スケール1の原点O1 は検出用スケール1〜3の全体の原点ともなる「基準検出用スケール」である。原点O1 と原点O2 の間隔はdo12 、原点O2 と原点O3 の間の距離はdo23 である。これらdo12 、do23 も、後述する補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)に関係すパラメータであり、補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)のデータがキャリブレーション(後述)により求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わない。但し、補正量Δ2 、Δ3 、δ2(1-2)を位置計測時に計算する場合(後述)には、これらdo12 、do23 の値は適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。原点O1 〜O3 の検出時に出力される信号S1 あるいはS2 については、いくつかの設定方式があり得るが、ここでは次のような設定がなされているものとする。
(1)ピックアップ1が丁度原点O1 を検出した時の信号S1 は、S1 =0である。
(2)ピックアップ2が丁度原点O2 を検出した時の信号S2 は、S2 =0である。
(3)ピックアップ2が丁度原点O3 を検出した時の信号S2 は、S2 =0である。
以上の配置で、例えば検出ヘッド4が+方向(図中左方から右方)、あるいは−方向(図中右方から左方)へ移動(一般には相対移動;以下、同様)した場合、各ピックアップ1〜2の位置に応じて、5種類の状態1〜5が示現されることになる。但し、状態3については、信号切替に関連して、前半部3Aと後半部3Bに分けて示した。各状態の要点は、下記の通りである。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが可能な状態であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りは可能であるが無効な状態である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りも可能な状態である。
●状態3A/3B=ピックアップ1、2いずれによる検出用スケール2の読み取りも可能であるが、状態3AではS1 が無効化され、状態3BではS2 が無効化される。また、ピックアップ1による検出用スケール1の読み取り及びピックアップ2による検出用スケール3の読み取りはいずれも不可能な状態である。
●状態4=ピックアップ1による検出用スケール2の読み取りが可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール3の読み取りも可能な状態である。なお、ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りは不可能である。
●状態5=ピックアップ2による検出用スケール3の読み取りは可能であり、且つ、ピックアップ1による検出用スケール3の読み取りも可能であるが無効化された状態である。なお、ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りも不可能である。
本実施例ではアブソリュートリニアエンコーダが絶対位置の出力として採用する信号を、状態2の最中にピックアップ1の出力する位置信号S1 とピックアップ2の出力する信号S2 との間で切り替え、また、状態3の最中にピックアップ2の出力する位置信号S2 とピックアップ1の出力する信号S1 との間で切り替え(状態3Aと3B)、更に、状態4の最中にピックアップ1の出力する位置信号S1 とピックアップ2の出力する信号S2 との間での切り替えを行なう。これにより、検出用スケール1〜検出用スケール3にわたる長い範囲で絶対位置の計測を行なうことができる。切替の向きは、+方向移動ではS1 →S2 (状態2中及び状態4中)、あるいはS2 →S1 (状態3中)であり、−方向移動ではS2 →S1 (状態2中及び状態4中)、あるいはS1 →S2 (状態3中)である。実際に切替を行なう位置は、例えば次のように定めておく。
(1)状態2の左右の限界の中点付近にピックアップ1とピックアップ2の中点が来た時にピックアップ1が出力する信号S1 の値をS1fとして予め記憶しておき、S1 =S1gとなる位置を信号S1 S2 間の切替位置とする。S1 ≦S1gでは信号S1 が採用され、S1 >S1gでは信号S1 が採用される。
(2)状態3の左右の限界の中点付近にピックアップ1とピックアップ2の中点が来た時にピックアップ2が出力する信号S2 の値をS2hとして予め記憶しておき、S2 =S2hとなる位置を信号S1 S2 間の切替位置とする。S2 ≦S2hでは信号S2 が採用され(状態3A)、S2 >S2gでは信号S1 が採用される(状態3B)。
(3)状態4の左右の限界の中点付近にピックアップ1とピックアップ2の中点が来た時にピックアップ2が出力する信号S1 の値をS1kとして予め記憶しておき、S1 =S1kとなる位置を信号S1 S2 間の切替位置とする。S1 ≦S1kでは信号S1 が採用され、S1 >S1hでは信号S2 が採用される。
但し、位置信号の切り替えに際して連続した絶対位置を表わす信号を得るためには、前述した事例と類似した信号補正が必要になる。逆に言えば、位置信号の切り替えに際して連続した絶対位置を表わす信号が得られるような補正を必要に応じて行えば、複数検出用スケールの使用に伴う誤差が除去できることになる。必要な補正量は、メモリに記憶されたピックアップ間の既知の間隔のデータを用いて算出可能である。
このような補正を含む処理は、信号処理部7(図1参照)でCPUによって行なわれる。処理に必要なソフトウェアと諸パラメータは、信号処理部7のメモリに用意しておく。図7はこの処理(絶対位置検出処理2)の概要を記したフローチャートで、各ステップの要点は次のようになる。処理は電源オンで開始され、電源オフで強制終了される。
ステップT11;各ピックアップでIDコードパターンと検出用パターンを読み取る。但し、前述したように、検出用パターンから位置信号を得られるピックアップは、状態1〜5に応じて、1個または2個である。IDコードパターンは、両ピックアップ1〜2で読み取られる。
この読み取り結果に基づいて、現在の状態が状態1、2A、2B、3A、3B、4A、4B、5のいずれであるか判別される。ここで、状態1、3A、3B、5の定義は既述の通りである。また、状態2A、2B、4A、4Bは次のように定義される。
状態2A;状態2であって、且つ、S1 ≦前述したS1g(状態2の前半)
状態2B;状態2であって、且つ、S1 >前述したS1g(状態2の後半)
状態4A;状態4であって、且つ、S1 ≦前述したS1h(状態4の前半)
状態4B;状態4であって、且つ、S1 >前述したS1h(状態4の後半)
この定義に基づいて、ステップT12以下を実行する。
ステップT12;状態1、2AのいずれかであればステップT13へ進み、そうでなければステップT14へ進む。
ステップT13;ピックアップ1で得られる信号S1 をCNC3へ出力し、ステップT11へ戻る。なお、本例では、検出用スケース1が基準検出用スケールなので信号S1 は補正を要しない。
ステップT14;状態2B、3AのいずれかであればステップT15へ進み、そうでなければステップT17へ進む。
ステップT15;ピックアップ2で得られる信号S2 を補正する。補正の内容については後述する。
ステップT16;補正後の信号S2 をCNC3へ出力し、ステップT11へ戻る。
ステップT17;状態3B、4AのいずれかであればステップT18へ進み、そうでなければステップT20へ進む。
ステップT18;ピックアップ1で得られる信号S1 を補正する。補正の内容については後述する。
ステップT19;補正後の信号S1 をCNC3へ出力し、ステップT11へ戻る。
ステップT20;ステップT17でNOと判断されたことは、状態4B、5のいずれかであることを意味する。従って、このステップT20では、ピックアップ2で得られる信号S2 を補正する。補正の内容については後述する。
ステップT21;補正後の信号S2 をCNC3へ出力し、ステップT11へ戻る。
以上の処理サイクルを電源がオフされるまで繰り返すことで、検出用スケール1〜3でカバーされる長レンジにわたって、常時、テーブル1の正確な絶対位置(X軸上の位置)の検出が行なわれる。
次に、ステップT15、T18、T20で行なわれる補正について説明する。ステップT15における補正は信号S2 に対するもので、S2 はS2 +Δ2 に補正され、S2 +Δ2 がステップT16で出力される。また、ステップT18ではS1 がS1 +δ2(1-2)に補正され、S1 +δ2(1-2)がステップT19で出力される。更に、ステップT20ではS2 がS2 +Δ3 に補正され、S2 +Δ3 がステップT21で出力される。
第1の実施例と同様に、Δ2 、δ2(1-2)、Δ3 は予めキャリブレーションによって求めたものを記憶しておくことができる。また、予め「構造パラメータ」(後述)を記憶しておき、それらパラメータに基づき処理サイクル毎に計算で求めることもできる。
キャリブレーションによる方式では、図8に示した処理(キャリブレーション処理2)を予め(例えば製品出荷時)実行し、Δ2 、δ2(1-2)、Δ3 を信号処理部7のメモリ(不揮発性メモリ領域)に書き込んでおく。キャリブレーション処理2の各ステップの要点を記せば次のようになる。
ステップU11;状態2の任意位置に検出ヘッド4(テーブル1)を移動させる。この移動のさせ方は任意で、例えば操作盤8を使って手動で行なうことができる。
ステップU12;検出用パターンをピックアップ1、2で読み取る。状態2では、ピックアップ1は検出用スケール1の検出用パターンを読み取る一方、ピックアップ2は検出用スケール2の検出用パターンを読み取ることになる。
ステップU13;ステップU2で得られた信号S1 (ピックアップ1の出力)、S2 (ピックアップ2の出力)の差分S1 −S2 をΔ2 として記憶する。
ステップU14;状態3の任意位置に検出ヘッド4(テーブル1)を移動させる。この移動のさせ方も任意で、例えば操作盤8を使って手動で行なうことができる。
ステップU15;検出用パターンをピックアップ1、2で読み取る。状態3では、ピックアップ1、2共に検出用スケール2の検出用パターンを読み取ることになる。
ステップU16;ステップU15で得られた信号S1 (ピックアップ1の出力)、S2 (ピックアップ2の出力)の差分S2 −S1 をベースに、S2 が元々必要としている補正量Δ2 を加えて、δ2(1-2)=S2 +Δ2 −S1 を計算して記憶する。
ステップU17;状態4の任意位置に検出ヘッド4(テーブル1)を移動させる。この移動のさせ方も任意で、例えば操作盤8を使って手動で行なうことができる。
ステップU18;検出用パターンをピックアップ1、2で読み取る。状態4では、ピックアップ1は検出用スケール2の検出用パターンを読み取る一方、ピックアップ2は検出用スケール3の検出用パターンを読み取ることになる。
ステップU19;状態4B及び状態5で必要な信号S2 の補正量Δ3 を計算して記憶し、処理を終了する。Δ3 の算出式は、Δ3 =S1 −(S2 +Δ2 )となる。ここで、S1 はステップU18で得られたピックアップ1の出力、S2 はステップU18で得られたピックアップ2の出力である。
これら記憶されたΔ2 、δ2(1-2)、Δ3 は上記ステップT15、T18、T20での補正計算に次のように使用される。
(ステップT15);S2 +Δ2 の計算
(ステップT18);S1 +δ2(1-2)の計算
(ステップT20);S2 +Δ3 の計算
このような補正計算を行なうことで、状態2、3あるいは状態4の中で、信号切替(S1 →S2 あるいはS2 →S1)が行なわれても、エンコーダが出力する絶対位置の検出値の連続性が保証される。
さて本実施例において上記のΔ2 、δ2(1-2)、Δ3 を左右する量は、X軸方向に関するピックアップ1〜2の相互位置関係及び検出用スケール1〜3の相互位置関係である。ピックアップ1〜2の相互位置関係は、ピックアップ1、2間の間隔dp12 で代表させることができる。また、検出用スケール1〜3の相互位置関係は原点O1 と点O2 の間隔do12 と、原点O2 と点O3 の間隔do23 で代表させることができる。これらエンコーダの構造パラメータは、適当な計測機械を用いて実測可能である。そこで、予めこれら構造パラメータを信号処理部7のメモリ(不揮発性メモリ領域)に書き込んでおく。そして、前述のステップT5、T7でその都度これらパラメータを用いてΔ2 、δ2(1-2)、Δ3 を計算し、S2 +Δ2 、S1 +δ2(1-2)あるいはS2 +Δ3 で補正を行なっても良い。Δ2 、δ2(1-2)、Δ3 の計算式は次のようになる。
Δ2 =do12 −dp12 ・・・[3]
δ2(1-2)=do12 ・・・[4]
Δ3 =do12 +do23 −dp12 ・・・[5]
以上説明した2つの実施例では、各検出用スケールの長手方向の軸線は一直線上に整列し、複数のピックアップもそれに沿って配置されているが、複数の検出用スケールを平行関係を保ちながら互い違いに配置し、ピックアップ配置をそれに応じて変形することも可能である。また、検出用スケール数も3個に限る必要はなく、変形が可能である。以下、図9〜図12を参照して、これらの変形を行なった例について簡単に説明する。なお、各図における描示方式は図3、図6と同様なので詳しい説明は省略する。また、絶対位置検出の処理、キャリブレーション、あるいは、それに代わる補正量計算については、上述した実施例と同様の手法によって実行できるので説明は省略する。
[変形例1](図9参照)
この変形例は第1の類型に属する第1の実施例に変形を施したものに相当する。図9に示されているように、4個の検出用スケール1〜4が平行関係を保ちながら互い違いに配置されている。これに対して4個のピックアップ1〜4が、それぞれ担当する検出用スケール1〜4の読み取りが可能な位置関係をもって検出ヘッド4上に固定されている。
ピックアップ1〜4は各検出用スケールの長手方向(±X方向)に関する位置はできるだけ揃えてあるが、誤差は残されている。この誤差を前出と同様の方式でdp12 、dp23 、dp34 で表現することができる。但し、これらは符号付の量とする。例えばピックアップ2がピックアップ1より図中右側にあればdp12 >0となり、左側にあればdp12 <0となる。これらdp12 、dp23 、dp34 は、前述した[1]、[2]と同様の計算で補正量Δ2 、Δ3 、Δ4 の補正量を計算で求める際に使用される。但し、補正量は上述と同様のキャリブレーションを行なう場合には未知であっても構わない。
各検出用スケール1〜4の原点O1 〜O4 は各検出用スケール1〜4の左端付近にある。また、検出用スケール1の原点O1 は検出用スケール1〜4の全体の原点ともなるもので、その意味で検出用スケール1は「基準検出用スケール」である。原点O1 と原点O2 の間隔はdo12 、原点O2 と原点O3 の間の距離はdo23 、原点O3 と原点O4 の間の距離はdo34 である。これらdo12 、do23 、do34 も、補正量に関係するパラメータであり、補正量がキャリブレーションにより求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わないが、位置計測時に計算する場合には、適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。原点O1 〜O4 の検出時に出力される信号S1 〜S4 は、実施例と同様、0とする。
以上の配置で、検出ヘッド4が相対移動した時にとる状態は、前述の実施例と同様、「1個のピックアップのみが検出用スケールを読み取る状態」と、「2個のピックアップが隣合う各検出用スケールを読み取る状態」のいずれかである。図9では前者の例を状態1、3で示し、後者の例を状態2で示した。これらは次のような状態である。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが可能な状態であり、他のピックアップによる検出用スケールの読み取りは不可能である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りとピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが可能な状態であり、他のピックアップによる検出用スケールの読み取りは不可能である。
●状態3=ピックアップ3による検出用スケール1の読み取りが可能な状態であり、他のピックアップによる検出用スケールの読み取りは不可能である。
状態2では、前述の実施例と同様の方式で、信号の切替採用が行なわれる。また、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りとピックアップ3による検出用スケール3の読み取りが可能な状態、及び、ピックアップ3による検出用スケール3の読み取りとピックアップ4による検出用スケール4の読み取りが可能な状態においても切替採用が行なわれる。更に、ピックアップ2〜4の信号S2 〜S4 についてはキャリブレーションで得た補正量あるいはその都度計算で得られる補正量の加減算による補正が行なわれる。これにより、第1の実施例と同様に態様で、検出用スケール1〜4の全レンジにわたる絶対位置検出が可能になる。
[変形例2](図9参照)
この変形例は第2の類型に属する第2の実施例に変形を施したものに相当する。図10に示されているように、4個の検出用スケール1〜4が平行関係を保ちながら互い違いに配置されている。これに対して、ピックアップ1〜2がそれぞれ一方側の検出用スケール1〜2の読み取りが可能な位置をもって検出ヘッド4上に固定されている。
ピックアップ1〜2は各検出用スケールの長手方向(±X方向)に関する位置はできるだけ揃えてあるが、誤差は残されている。この誤差を前出と同様の方式でdp12 で表現することができる。但し、これらは符号付の量とし、ピックアップ2がピックアップ1より図中右側にあればdp12 >0となり、左側にあればdp12 <0となる。dp12 は、前述した[3]、[4]と同様の計算で補正量Δ2 、Δ3 、Δ4 の補正量を計算で求める際に使用される。但し、補正量は上述と同様のキャリブレーションを行なう場合には未知であっても構わない。
各検出用スケール1〜4の原点O1 〜O4 は各検出用スケール1〜4の左端付近にある。また、検出用スケール1の原点O1 は検出用スケール1〜4の全体の原点ともなるもので、その意味で検出用スケール1は「基準検出用スケール」である。原点O1 と原点O2 の間隔はdo12 、原点O2 と原点O3 の間の距離はdo23 、原点O3 と原点O4 の間の距離はdo34 である。これらdo12 、do23 、do34 も、補正量に関係すパラメータであり、補正量がキャリブレーションにより求められ、信号処理部7のメモリに予め書き込まれていれば未知であっても構わないが、位置計測時に計算する場合には、適当な計測機器により予め計測され、信号処理部7のメモリに予め書き込まれる。原点O1 〜O4 の検出時に出力される信号S1 〜S2 は、実施例と同様、0とする。
以上の配置で、検出ヘッド4が相対移動した時にとる状態は、前述の実施例と同様、「1個のピックアップのみが検出用スケールを読み取る状態」と、「2個のピックアップが隣合う各検出用スケールを読み取る状態」のいずれかである。図10では前者の例を状態1、3で示し、後者の例を状態2で示した。これらは次のような状態である。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが可能な状態であり、他のピックアップによる検出用スケールの読み取りは不可能である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りとピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが可能な状態である。
●状態3=ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが可能な状態であり、ピックアップ1による検出用スケールの読み取りは不可能である。
状態2では、前述の実施例と同様の方式で、信号の切替採用が行なわれる。また、検出用スケール2、3あるいは3、4の読み取りが2つのピックアップで可能な状態においても切替採用が行なわれる。
状態1及び状態2の前半(信号S1 から信号S2 への切替位置より左側)以外では、信号S2 またはS1 についてはキャリブレーションで得た補正量あるいはその都度計算で得られる補正量の加減算による補正が行なわれる。これにより、第2の実施例と同様に態様で、検出用スケール1〜4の全レンジにわたる絶対位置検出が可能になる。
[変形例3](図11参照)
この変形例は上記の変形例2と類似したもので、第2の類型に属している。変形例2との相違は、ピックアップ1〜2が検出を行なう向きにある。この相違は次のような状態1〜3の内容から容易に理解される。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが、図中上向きで読み取り可能な状態であり、他のピックアップによる検出用スケールの読み取りは不可能である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが図中上向きで読み取り可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが図中下向きで可能な状態である。
●状態3=ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが図中下向きで読可能な状態であり、ピックアップ1による検出用スケールの読み取りは不可能である。
信号の切替採用と補正については変形例2と同様である。本例でも検出用スケール1〜4の全レンジにわたる絶対位置検出が可能になる。
[変形例4](図12参照)
この変形例も上記の変形例2と類似したもので、第2の類型に属している。変形例2との相違は、検出用スケール1、3と検出用スケール2、4が反対側を向き、背中合わせの関係で順次結合されていることと、ピックアップ1〜2がそれに合わせた検出方向と配置位置をとっている点にある。この相違は次のような状態1〜3の内容から容易に理解される。
●状態1=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが、図中下向きで読み取り可能な状態であり、ピックアップ2よる検出用スケールの読み取りは不可能である。
●状態2=ピックアップ1による検出用スケール1の読み取りが図中下向きで読み取り可能であり、且つ、ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが図中上向きで可能な状態である。
●状態3=ピックアップ2による検出用スケール2の読み取りが図中上向きで読可能な状態であり、ピックアップ1による検出用スケールの読み取りは不可能である。
信号の切替採用と補正については変形例2と同様である。本例でも検出用スケール1〜4の全レンジにわたる絶対位置検出が可能になる。
本発明を適用したアブソリュートリニアエンコーダを含むシステム構成の概略を示した図である。 検出用スケールを識別するIDコードパターンの一例を示した図で、(a)、(b)、(c)はそれぞれ検出用スケール51、52、53に描かれている絶対位置検出用パターンとIDコードパターンを表わしている。 第1の実施例における検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置を最上段に側面図で示し、その下に順に検出ヘッド(ピックアップ配列)が取り得る状態を5つに分けて底面図で示したものである。 信号処理部でCPUによって行われる絶対位置検出処理1の概要を記したフローチャートである。 信号処理部でCPUによって行われるキャリブレーション処理1の概要を記したフローチャートである。 第2の実施例における検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置を最上段に側面図で示し、その下に順に検出ヘッド(ピックアップ配列)が取り得る状態を5つに分けて底面図で示したものである。 信号処理部でCPUによって行われる絶対位置検出処理2の概要を記したフローチャートである。 信号処理部でCPUによって行われるキャリブレーション処理2の概要を記したフローチャートである。 変形例1について説明する図で、検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置、3つの状態例とともに側面図と底面図で示したものである。 変形例2について説明する図で、検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置、3つの状態例とともに側面図と底面図で示したものである。 変形例3について説明する図で、検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置、3つの状態例とともに側面図と底面図で示したものである。 変形例4について説明する図で、検出ヘッド上のピックアップ配列と検出用スケール配置、3つの状態例とともに側面図と底面図で示したものである。
符号の説明
1 テーブル
2 駆動部
3 CNC(数値制御装置)
4 検出ヘッド
5 検出用スケール部
6 AD変換器
7 信号処理部
51〜53 検出用スケール
51a〜53a 絶対位置検出用パターン
51b〜53b IDコードパターン

Claims (8)

  1. N個(但し、Nは2以上の正整数)の検出用スケールとN個のピックアップを有するアブソリュートリニアエンコーダであって、
    前記N個の検出用スケールは、各検出用スケールの長手方向が平行関係になるように結合されており、
    前記N個のピックアップは、前記長手方向に関する相互位置関係を保った状態で一つの検出ヘッドに固定され、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドとは前記長手方向に相対的に可動であり、
    n番目(但し、n=1、2・・・N−1)の検出用スケールとn番目のピックアップにより検出範囲Rn 内での絶対位置が検出可能であり、且つ、検出範囲Rn と検出範囲Rn+1 は、重複検出範囲Qn を持ち、
    前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Fn において、n番目のピックアップにより検出される絶対位置データSn と(n+1)番目のピックアップにより検出される絶対位置データSn+1 との間での切り替えを行なうとともに、
    該切り替え後のデータSn+1 またはSn について、該切り替え前後に出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な補正を該必要に応じて行うことを特徴とする、アブソリュートリニアエンコーダ。
  2. 前記補正における補正量は、キャリブレーションにより予め求められ、記憶されることを特徴とする、請求項1に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
  3. 前記補正における補正量は、予め与えられた複数のパラメータに基づいて、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Fn において計算され、
    前記複数のパラメータには、前記N個のピックアップの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータと、前記N個の検出スケールの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータが含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
  4. 前記N個の検出用スケールは、n番目の検出用スケールとn+1番目の検出用スケールとが、前記長手方向と垂直な方向に互いにずらせて配置され、且つ、前記長手方向の位置について一部同士が重なり合って配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3の内、いずれか1項に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
  5. N個(但し、Nは2以上の正整数)の検出用スケールと第一及び第二のピックアップを有するアブソリュートリニアエンコーダであって、
    前記N個の検出用スケールは、各検出用スケールの長手方向が平行関係になるように結合されており、
    前記第一のピックアップと前記第二のピックアップは前記長手方向について相互位置関係を保って前記検出ヘッドに設けられ、前記N個の検出用スケールと前記二つの検出ヘッドは前記長手方向に相対的に可動であり、
    n番目(但し、n=1、2・・・N−1)の検出用スケールと前記第一のピックアップにより検出範囲Rn の絶対位置を検出可能であり、(n+1)番目の検出用スケールと前記第二のピックアップにより検出範囲Rn+1 の絶対位置を検出可能であり、
    検出範囲Rn と検出範囲Rn+1 は重複検出範囲Qn を持ち、
    前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Rn にある所定位置Gn で、前記第一のピックアップにより検出される絶対位置データS1 と前記第二のピックアップにより検出される絶対位置データS2 との間での切り替えを行なうとともに、
    該切り替え後のデータS2 またはS1 について、該切り替え前後で出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な第1種の補正を、該必要に応じて行う一方、
    前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が前記重複検出範囲Qn を除く検出範囲Rm (但し、m=2・・・N−1)にある所定位置Hm において、前記第二のピックアップにより検出される絶対位置データS2 と前記第一のピックアップにより検出される絶対位置データS1 との間での切り替えを行なうとともに、
    該切り替え後のデータS2 またはS1 について、該切り替え前後で出力される絶対位置の連続性を保証するために必要な第2種の補正を該必要に応じて行うことを特徴とする、アブソリュートリニアエンコーダ。
  6. 前記第1種の補正における補正量及び前記第2種の補正における補正量は、キャリブレーションにより予め求められ、記憶されることを特徴とする、請求項5に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
  7. 前記第1種の補正における補正量は、予め与えられた複数のパラメータに基づいて、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が重複検出範囲Qn 内にある所定位置Gn において計算され、
    前記第2種の補正における補正量は、予め与えられた前記複数のパラメータに基づいて、前記N個の検出用スケールと前記検出ヘッドの相対位置関係が前記重複検出範囲Qn を除く検出範囲Rm (但し、m=2・・・N−1)にある所定位置Hm において計算され、
    前記複数のパラメータには、前記N個のピックアップの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータと、前記N個の検出スケールの前記長手方向に関する相互位置関係を表わすパラメータが含まれていることを特徴とする、請求項6に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
  8. 前記N個の検出用スケールは、n番目の検出用スケールとn+1番目の検出用スケールとが、前記長手方向と垂直な方向に互いにずらせて配置され、且つ、前記長手方向の位置について一部同士が重なり合って配置されていることを特徴とする、請求項5〜請求項7の内、いずれか1項に記載のアブソリュートリニアエンコーダ。
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