JP2005330526A - ナノ粒子群の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 FePtあるいはFePd合金ナノ粒子において、粒子間のFeとPtまたはPdの元素含有比の分布が小さい粒子を製造する方法を提供する。
【解決手段】 (a)非極性有機溶剤中に鉄ペンタカルボニルと、PtまたはPdの錯体とを、前記PtまたはPdの錯体1モルに対し、0.01〜0.4モルの有機保護剤の存在下、不活性雰囲気中で溶解させるステップと、(b)不活性雰囲気中、230℃以上で加熱を行ってFePtあるいはFePd合金ナノ粒子を生成するステップとからなり、Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、xは、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であるナノ粒子群を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は超高密度記録媒体用の磁性粒子として用いることができるナノ粒子群の製造方法に関し、より詳細には、FeとPtまたはPdの2元合金よりなるナノ粒子群の製造方法に関する。
磁気記録媒体の記録密度を向上させるために、粒子サイズを微小化する検討がなされている。ハードディスク媒体では、用いられる磁性材料はCoCrPt等の合金であるが、結晶異方性エネルギー(Ku)が106erg/cm3程度であるため、熱揺らぎの観点から実用可能な粒子サイズは10nm程度と考えられている。粒子サイズを更に微小化するためには、より高いKuを有する磁性材料を用いることが必要である。このような磁性材料としてはCo3Pt、CoPt、CoPt3、Fe3Pt、FePt、FePt3、FePd、MnBi、MnAl、SmCo5、Sm2Co17などの金属間化合物、合金が挙げられる。特にFePt,FePd及びCoPt等の磁性材料は、CuAu型のL10規則相において大きな一軸結晶磁気異方性(FePt:7×107erg/cm3,CoPt:5×107 erg/cm3)を示すことから、高密度磁気記録における熱揺らぎの問題を解決する磁性材料として着目されている。
近年、これらの材料を用いたスパッタ法による成膜の検討が盛んであり、保磁力が10000 Oe(796kA/m)に達するメディアも報告されている。しかしながら、得られる粒子サイズ分布を狭めることが困難で、信号対雑音比(S/N比)が十分でないのが現状である。
粒子サイズ分布が非常に狭いナノサイズの磁性粒子を作るために、近年、液相中での合成が試みられている。液相合成法とは金属塩、有機金属などを液中に溶解させ、還元あるいは分解などにより、粒子を析出させる方法である。微粒子を合成する公知の方法として共沈法、ホットソープ法、逆ミセル法などがある。
例えばSunらは、直径が3〜10nmの範囲であるFePt磁性粒子を作る方法を報告している(非特許文献1参照)。このFePt磁性粒子は、サイズ分布の標準偏差が5%以下であり、スパッタ法によって生成される粒子のサイズ分布に比して極めて狭いのが特徴である。合成直後の粒子の結晶構造は面心立方(face-centered cubic, fcc)構造であり、550℃以上の熱処理によってL10相へと転移させる。
Sunらの方法では、原料として鉄ペンタカルボニル(Fe(CO)5)と白金アセチルアセトネート(Pt(C5722)が使用される。これらを非極性有機溶媒のオクチルエーテル中に溶解させ、不活性雰囲気中で約300℃で還流させる。ここで鉄ペンタカルボニルは分解し、カルボニルを放出してFe原子となり、白金イオンは予め添加しておいたポリオール(1,2‐ヘキサデカンジオール)により還元されて0価の白金となる。これら原子が集合して核が生成、成長し、FeとPtの合金粒子が析出する。合金の化学組成は、原料である鉄ペンタカルボニルと白金アセチルアセトネートの混合比によって調整される。また、反応過程においてオレイルアミンとオレイン酸の有機保護剤が添加されており、これらは生成されるナノ粒子の粒径制御、粒子間の凝集抑制などの重要な働きを担っている。つまり、これら有機保護剤の存在によって、析出した粒子は反応溶媒中で安定に分散した状態を保持している。
S. Sun, C. B. Murray, D. Weller, L. Folks, A. Moser, Science 2000, 287, p.1989
しかしながら、2通りの金属析出のメカニズムを用いる上記手法は個々の粒子の化学組成の制御が困難である。これは以下の理由による。
(i)鉄カルボニルの分解温度と白金イオンの還元温度を厳密に合せるのが困難である。(ii)鉄カルボニルの沸点が103℃であるのに対し、反応温度が約300℃であるため、合成がFeソースの気化・還流を繰り返す不均一な反応系で行われる。
(iii)粒子のFeとPtの組成比と、原料のFeとPtの比率が異なる(例えば前記非特許文献1において、Fe(CO)5/Pt(C5722=2/1の条件でFe52Pt48が得られる)。このことは、Ptの消費後に余剰のFeが粒子表面に析出したり、あるいはFe粒子が単独で析出する可能性を有している。
L10型FePtナノ粒子の磁気特性はその化学組成に大きく依存する。L10型構造をとる化学組成は一般式FexPt1-xにおいて0.40≦x≦0.65であり、一般式FexPd1-xにおいて0.49≦x≦0.60である。この範囲外にある組成では、熱処理によっても転移が生じない。それ故、個々の粒子の組成制御は非常に重要であるが、これまでにその制御法に関する報告はない。
以上のように、従来の技術では、個々の粒子に着目した場合に化学組成の分布の狭いFePtあるいはFePd粒子を製造することは困難であった。この分布が広いと、加熱処理した後にL10構造に転移する粒子と転移しない粒子が同時に含まれることになり、媒体とした時の電磁変換特性を劣化させる要因となる。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであり、個々の粒子の化学組成の分布が狭いFePtまたはFePdナノ粒子群の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、FeとPtまたはFeとPdの2元合金からなるナノ粒子群の製造方法であって、
(a)非極性有機溶剤中に鉄ペンタカルボニルと、PtまたはPdの錯体とを、前記PtまたはPdの錯体1モルに対し、0.01〜0.4モルの有機保護剤の存在下、不活性雰囲気中で溶解させるステップと、
(b)不活性雰囲気中、230℃以上で加熱を行ってFePtあるいはFePd合金ナノ粒子を生成するステップとからなり、
Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、xは、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であるナノ粒子群を製造することを特徴とするナノ粒子群の製造方法である。
ここで、前記ナノ粒子群の製造方法は、還元剤を添加せずに行われることが望ましい。
前記Ptの錯体としては、白金エチレンジアミン錯体、白金トリエチルホスフィン錯体、白金トリフェニルホスフィン錯体、白金アンミン錯体及び白金(II)アセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種の白金化合物であり、
前記Pdの錯体は、パラジウムトリフェニルホスフィン錯体、パラジウムアンミン錯体、パラジウムエチレンジアミン錯体及びパラジウムアセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種のパラジウム化合物であることが好ましい。
また、前記有機保護剤は、式:R−X(式中、Rは5〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖、芳香族炭化水素鎖およびシクロヘキサン環からなる群から選択される基であり、Xはカルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィン、スルホン酸、スルフィン酸およびアミンからなる群から選択される基である。)
で表される有機化合物の少なくとも一種を含むことが好ましい。
さらに本発明によれば、上記の方法で製造されたFeとPtまたはFeとPdの2元合金からなるナノ粒子群であって、
Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であることを特徴とするナノ粒子群が提供される。
ここで、ナノ粒子群は、熱処理によりL10規則相を発現するものであることを好適とする。ナノ粒子がL10規則相を発現することで、大きな一軸結晶磁気異方性を示す磁気材料として用いることができる。
本発明によれば、FePtあるいはFePd合金ナノ粒子において、粒子間のFeとPtまたはPdの元素含有比の分布が小さい粒子を作製することが可能である。このため、この粒子は熱処理によりそのほとんどがL10規則相を発現し、電磁変換特性の優れた媒体が得られる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明によるナノ粒子群の製造方法は、
(a)非極性有機溶剤中に鉄ペンタカルボニルと、PtまたはPdの錯体とを、前記PtまたはPdの錯体1モルに対し、0.01〜0.4モルの有機保護剤の存在下、不活性雰囲気中で溶解させるステップと、
(b)不活性雰囲気中、230℃以上で加熱を行ってFePtあるいはFePd合金ナノ粒子を生成するステップと
によって製造することができる。
まず、(a)ステップについて説明する。
本発明で用いられるPtまたはPdの錯体としては、Ptの錯体として、白金エチレンジアミン錯体、白金トリエチルホスフィン錯体、白金トリフェニルホスフィン錯体、白金アンミン錯体及び白金(II)アセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種の白金化合物が挙げられる。また、Pdの錯体としては、パラジウムトリフェニルホスフィン錯体、パラジウムアンミン錯体、パラジウムエチレンジアミン錯体及びパラジウムアセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種のパラジウム化合物が挙げられる。これら錯体は単独で用いることもできるし、2つ以上が混合されて用いられても良い。
本発明の方法におけるPtまたはPdの錯体の濃度は、0.5mmol/ml以下であることが好ましい。
また、鉄ペンタカルボニルの使用量は、モル比で、鉄ペンタカルボニル/(PtまたはPdの錯体)=1.5〜3.0となるような量が好ましい。
本発明で用いられる有機保護剤としては、式:R−X(式中、Rは5〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖、芳香族炭化水素鎖およびシクロヘキサン環からなる群から選択される基であり、Xはカルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィン、スルホン酸、スルフィン酸およびアミンからなる群から選択される基である。)
で表される有機化合物の少なくとも一種であることが望ましい。
有機保護剤は金属粒子の表面に配位結合することで、金属粒子の成長速度、すなわち、粒子径を制御する働きを担っている。また有機保護剤層は粒子に吸着し立体障害層として寄与し、粒子表面間の直接の接触を防ぐことにより多結晶化するのを防止することが可能である。粒子は有機保護剤の式:R−Xにおける炭素数が5個未満であると非極性有機溶媒に対する溶解性が悪くなる。一方、22個を超えるとその効果は飽和する。これら有機保護剤は単独で用いてもよく、あるいは複数で用いてもよい。
有機保護剤の添加量は、PtまたはPdの錯体1モルに対し、0.01〜0.4モルである。この範囲であれば、後述する(b)ステップにおいて析出した粒子は有機保護剤の不足により十分な斥力を得ることができず凝集し、沈殿を生じる。沈殿生成を反応の終点とし、速やかに冷却することにより、余剰の鉄ペンタカルボニルが分解した鉄原子が粒子表面で析出し、コア−シェル構造となることを抑制することが可能である。なお、この沈殿は永久的な凝集体ではなく、前述のように、有機保護剤が障害層となり、粒子表面の直接の接触を防ぐため、反応時と同種あるいは前記記載の有機化合物を添加することにより、非極性溶媒中に分散させることが可能である。
有機保護剤の添加量が0.01モルより少ない場合には、永久凝集を起こす粒子の割合が高くなり、歩留まりが低下する。逆に0.4モルよりも多い場合には、析出した粒子は安定な分散状態を保持するため、粒子表面に鉄の多い層が形成されやすく、全体として組成の分布が大きくなることに繋がる。
本発明で用いられる非極性有機溶媒は高沸点のもので、例えばジドデシルエーテル、ジオクチルエーテル、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテルなどが挙げられる。
次に、(b)ステップについて説明する。
(b)ステップにおける加熱温度は230℃以上であることが必要である。加熱温度が230℃未満であると、Feの分解速度が低いため、Feの含有量にばらつきが生じる。加熱温度の上限は、特に規定はされないが、350℃以上では有機物が分解するおそれがあるため、350℃以下であることが好ましい。
また、本発明ではPtあるいはPdのイオンを還元するための還元剤は用いない。これらイオンは鉄ペンタカルボニルから放出されるCO(カルボニル)によって還元される。
本発明のナノ微粒子の合成は、微粒子の酸化を防止し、かつ合成中にFe(CO)5が反応系外に排出されるのを防ぐために、窒素あるいはAr等の不活性ガスにより陽圧にした不活性雰囲気中で行われる。
前述したように、有機保護剤の添加量を本発明の範囲としたことにより、加熱により析出した粒子は有機保護剤の不足により十分な斥力を得ることができず凝集し、沈殿を生じる。沈殿生成を反応の終点とし、速やかに冷却することにより、余剰の鉄ペンタカルボニルが分解した鉄原子が粒子表面で析出し、コア−シェル構造となることが抑制される。この沈殿は永久的な凝集体ではなく、反応時と同種あるいは前記記載の有機化合物を添加することにより、非極性溶媒中に分散させることが可能である。
上記した方法により、Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、xは、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であるナノ粒子群を得ることができる。ここで、Fex1-xにおけるxは鉄ペンタカルボニルとPt錯体またはPd錯体の比率を変えることによって任意に変えることができる。xが上記の範囲をとることで、熱処理した時にL10規則相を発現する。またこのL10規則相を発現することで、大きな一軸結晶磁気異方性を示す磁気材料として用いることができる。
また、粒子の粒度分布を極めて狭いものとするために、得られたナノ粒子群は公知の方法で選択的サイズ分級を行うことができる。例えば界面活性剤で被覆された金属ナノ粒子を非極性溶媒中に分散させ、極性溶媒(例えばアルコール、ケトン)を加えることによって元の分布から単分散成分を抽出する。これによって粒度分布の標準偏差を好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下にする。
得られたナノ粒子群から磁気記録媒体を作成する方法としては、従来公知のいかなる方法も適用できる。例えば、基板上にシランカップリング剤であるAPTS([3-(2-aminoethylamino)propyl]trimethoxysilane)よりなる層を形成し、その上にナノ粒子分散溶液を接触させ、乾燥後、熱処理する方法は、結晶構造を転移させるための熱処理時に粒子間焼結を抑制できるというメリットがあるため、好ましい方法の一つである。
得られたナノ粒子群は、熱処理することによりL10規則相を発現する。熱処理温度は400〜800℃が好ましい。処理温度がこれより低い場合には、L10層への転移が不完全であり、一方、処理温度が800℃よりも高い場合には、基板から他元素が拡散し、磁気特性が劣化する恐れ等があり不適である。
以下、実施例に基づき本発明の内容を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
(実施例1)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。得られたFePtナノ粒子の分散液を透過型電子顕微鏡(TEM)観察用のグリッドに載せ、乾燥後、FePtナノ粒子のTEM像を測定した。その結果を図1に示す。TEM像から粒子の平均粒径は4.2nmであることがわかった。
(実施例2)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.01mmol、オレイルアミン0.01mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実施例3)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.2mmol、オレイルアミン0.2mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実施例4)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)20ml、ジフェニルエーテル(沸点:259℃)20mlの混合溶媒に鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、窒素雰囲気下で250℃で攪拌しながら加熱した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実施例5)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、ステアリン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら230℃で加熱した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実験例1)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.003mmol、オレイルアミン0.003mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。ただし、析出粒子に対し分散粒子の割合が50%であった。
(実験例2)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.5mmol、オレイルアミン0.5mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。この際、粒子は溶液中で分散状態が保持されている。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実験例3)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、更に1,2‐ヘキサデカンジオールを3mmol加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
(実験例4)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら200℃で加熱した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
実施例1〜5及び実験例1〜4で得られたFePtナノ粒子の平均粒子径と平均化学組成、及び粒子をFePt1-xとした時、粒子全体に対する0.40≦x≦0.65となる粒子の割合を表1に示す。
ここで、平均化学組成とは、粒子全体としての組成を意味し、X線マイクロアナライザにより10μmx10μmのエリア3点について求めた値の平均値である。また、個々の粒子の化学組成の分布は高分解TEMに設置されたエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により任意の10粒子についてその各元素含有量を分析することにより求めた。一例として、実施例1のTEM‐EDXによる粒子の元素含有量分析結果を表2に示す。
なお、結晶構造は何れの場合も面心立方構造であった。分散粒子の収率は実験例1を除き、約80%であった。
Figure 2005330526
Figure 2005330526
表1に示すように本発明による製造方法を採用した実施例1〜5では粒子の化学組成がFePt1-xにおいて0.40≦x≦0.65である割合が60%以上である粒子が得られた。一方、有機保護剤がPt錯体1molに対し0.01molよりも少ない条件で合成した実験例1は0.40≦x≦0.65となる粒子が60%以上であったが、凝集体の占める割合が多く、収率が低い。実験例2及び実験例4は本発明の製造条件から外れた条件で行った実験の例であるが、組成の分布が大きい結果となった。実験例3は還元剤として1,2−ヘキサデカンジオールを添加した例であるが、この場合も、粒子間の組成の分布を狭くすることはできない。
実施例1で合成されたFePt粒子を用いて粒子群の磁気特性を測定した。Si基板上にシランカップリング剤であるAPTS([3-(2-aminoethylamino)propyl]trimethoxysilane)よりなる層を形成し、その上にナノ粒子分散溶液を接触させ、乾燥後、真空下、800℃で熱処理した粒子群の磁気特性を測定した結果、5Kにおいて11 kOe(876kA/m)の保磁力を有することがわかった。結晶構造を面内X線回折スペクトル(in-plane XRD)により測定し、L10型構造への転移が確認された。
(実施例6)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、パラジウム(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.1mmol、オレイルアミン0.1mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePdナノ粒子の分散液を得た。
実施例1と同様にして測定したナノ粒子の平均粒子径は4.0nmであり、平均化学組成はFe51Pd49であった。また、FePd1-xにおいて0.49≦x≦0.60の粒子の含有率は70%であった。
(実施例7)
ジオクチルエーテル(沸点:297℃)40mlに鉄ペンタカルボニル2mmol、白金(II)アセチルアセトネートを1mmol、オレイン酸0.005mmol、オレイルアミン0.005mmolを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら還流した。溶液が黒色に変化した後に10分間保持し、速やかに冷却した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、遠心分離を行い黒色の沈殿を得た。これにヘキサンを加え、オレイルアミン及びオレイン酸を各々0.5mmol加え、FePtナノ粒子の分散液を得た。
実施例1と同様にして測定したナノ粒子の平均粒子径は4.3nmであり、平均化学組成はFe52Pt48であった。また、FePt1-xにおいて0.40≦x≦0.65の粒子の含有率は60%であった。
本発明の実施例1に係るFePtナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。

Claims (6)

  1. FeとPtまたはFeとPdの2元合金からなるナノ粒子群の製造方法であって、
    (a)非極性有機溶剤中に鉄ペンタカルボニルと、PtまたはPdの錯体とを、前記PtまたはPdの錯体1モルに対し、0.01〜0.4モルの有機保護剤の存在下、不活性雰囲気中で溶解させるステップと、
    (b)不活性雰囲気中、230℃以上で加熱を行ってFePtあるいはFePd合金ナノ粒子を生成するステップとからなり、
    Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、xは、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であるナノ粒子群を製造することを特徴とするナノ粒子群の製造方法。
  2. 前記ナノ粒子群の製造方法において、PtまたはPdの還元が、鉄ペンタカルボニルより放出されるCOによって行われることを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子群の製造方法。
  3. 前記Ptの錯体が、白金エチレンジアミン錯体、白金トリエチルホスフィン錯体、白金トリフェニルホスフィン錯体、白金アンミン錯体及び白金(II)アセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種の白金化合物であり、
    前記Pdの錯体が、パラジウムトリフェニルホスフィン錯体、パラジウムアンミン錯体、パラジウムエチレンジアミン錯体及びパラジウムアセチルアセトネートからなる群から選ばれる少なくとも一種のパラジウム化合物であることを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子群の製造方法。
  4. 前記有機保護剤が式:R−X(式中、Rは5〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素鎖、芳香族炭化水素鎖およびシクロヘキサン環からなる群から選択される基であり、Xはカルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィン、スルホン酸、スルフィン酸およびアミンからなる群から選択される基である。)
    で表される有機化合物の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子群の製造方法。
  5. 請求項1に記載の方法で製造されたFeとPtまたはFeとPdの2元合金からなるナノ粒子群であって、
    Fex1-x(式中、MはPtまたはPdを表し、MがPtの時、0.40≦x≦0.65であり、MがPdの時、0.49≦x≦0.60である。)で表される組成を有する粒子が全体の60%以上含まれ、かつ平均粒径が2〜10nmの範囲内であることを特徴とするナノ粒子群。
  6. 前記ナノ粒子群は、熱処理によりL10規則相を発現するものであることを特徴とする請求項5に記載のナノ粒子群。





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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008138243A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Univ Of Tsukuba Fe/Pd複合ナノ粒子の製造方法
CN100457340C (zh) * 2006-07-20 2009-02-04 同济大学 一种单分散铁铂纳米合金粒子的制备方法
CN115178735A (zh) * 2022-08-18 2022-10-14 佛山金戈新材料股份有限公司 一种AlN@Fe高导热吸波粉体及其制备方法与应用

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