JP2003297617A - 強磁性合金ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

強磁性合金ナノ粒子の製造方法

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JP2003297617A
JP2003297617A JP2002100864A JP2002100864A JP2003297617A JP 2003297617 A JP2003297617 A JP 2003297617A JP 2002100864 A JP2002100864 A JP 2002100864A JP 2002100864 A JP2002100864 A JP 2002100864A JP 2003297617 A JP2003297617 A JP 2003297617A
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ferromagnetic alloy
surfactant
metal
dispersion
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Motohisa Mizuno
幹久 水野
Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
Hiroshi Iwasaki
洋 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子径サイズ分布が制御され、単分散でナノ
サイズ(10nm以下)の高い保磁力を有する強磁性合
金からなるナノ粒子の簡便で安価な製造方法を提供する
と共に、単分散の強磁性合金ナノ粒子を用いて超高密度
磁気記録用途に適合させた構造体を提供する。 【解決手段】 界面活性剤によって有機溶媒中に安定に
分散したナノサイズの水滴を反応場として利用する逆ミ
セル法を適用し、複数種の金属イオンと界面活性剤とを
含む逆ミセル溶液(1)と、ホウ水素化物よりなる還元
剤と界面活性剤とを含む分散液(2)とを急速に混合す
る。粒子径サイズの選択的沈殿により得られたナノ粒子
の分散溶液を基板上に滴下させ溶媒を素早く乾燥させて
ナノメートル・スケールで自己組織化的に配列させて構
造体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度磁気記録媒
体やナノエレクトロニクスあるいは永久磁石などの情報
機器や電気・電子機器用途、生体分子標識剤や薬剤キャ
リアなどの医薬・医療用途、新規合成反応の触媒用途等
に用いられる強磁性ナノ粒子の製造方法に関し、特に超
高密度磁気記録媒体に好適な強磁性ナノ粒子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンピュータなどに用いられる磁
気記録媒体は急速に高密度化が進んでいる。例えば、ハ
ードディスク(HD)装置における記録密度の上昇は年
率60%とも言われ、それに伴い強磁性粒子の微細化の
要求が高まっている。ところが、強磁性体粒子はサイズ
が小さくなると、その小さな体積中の磁気モーメントが
自由に熱振動するため、磁化方向を記録することができ
なくなる。HD装置においては、Co、Cr、Ptなど
の磁性材料が用いられているが、熱揺らぎの観点から1
0nm程度の大きさで限界が見えはじめている。そのた
め、磁気記録媒体に必要な保磁力を維持しながら微細化
を達成するためには、磁気異方性が強い材料を用いるこ
とが重要となる。このような強い磁気異方性を示す磁性
材料としては、Co、FePt、CoPt、MnBi、
MnAlなどの遷移金属・合金、あるいはTb、Dy、
Ho、RCo5やR2Co17(R:軽希土類元素)などの
希土類金属・合金がある。
【0003】他方、ナノ粒子の製造方法として知られて
いるものに金属塩の液中還元法がある。この液中還元法
を用いれば、従来の物理的あるいは化学的合成法である
スパッタ、金属蒸着、機械的粉砕、有機金属化合物の熱
分解、電気化学めっき等と比較して、製造方法が簡便か
つ安価であるほか、粒子サイズ分布が良好な粒子が得ら
れる。これまでに液中還元法により製造されたナノ粒子
としては、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Fe、C
o、FePtなどの金属や合金があり、これらの中で強
磁性ナノ粒子としてはFe、Co、FePtが含まれ
る。
【0004】一方、界面活性剤を用いて油中で安定に分
散したナノサイズの水滴を反応場として利用する、いわ
ゆる逆ミセル法による金属塩の液中還元によっても粒子
サイズ分布の良い均一な粒子が得られる。このような方
法で製造したものとしてAu、Ag、Pd、Pt、C
o、Cuなどの金属ナノ粒子が報告されており、強磁性
ナノ粒子としてはCoが含まれる。
【0005】FeやCo等の単分散強磁性金属ナノ粒子
は空気に対して非常に敏感であり、化学的に不安定であ
るため、大量の材料を扱うときには安全性の問題があ
る。また、製造過程での処理操作においても費用のかか
る空気遮断方策を講じた手法や手順を使用する必要があ
り、しかも最終製品は密閉しない限り、酸化による経時
変化を起こすという問題がある。
【0006】一方、前記FePt合金ナノ粒子は空気に
対して安定である。このFePt合金ナノ粒子の製造方
法に関しては、「Monodispers FePt
Nanoparticles and Ferroma
gnetic FePt Nanocrystal S
uperlattices」:S.Sun,C.B.M
urray,D.Weller,L.Folks,A.
Moser;Science、Vol.287、198
9、17March、2000に報告されている。しか
しながら、この製造方法はPt(acac)2(白金の
アセチルアセトン錯体)のポリオールによる還元(ポリ
オールプロセス)とFe(Co)5の熱分解を同時に進
行させることによってFePt合金ナノ粒子を得る製法
であり、高温加熱が必要である。そのため、反応中に費
用のかかる熱源を要するほか、反応系を空気から遮断す
る操作が必要であり、反応操作が煩雑となるなどの問題
がある。更に、Fe(Co)5を原料として用いている
ため、熱分解の際にCOガスを発生するので安全上、取
り扱い難いという問題がある。
【0007】また、逆ミセル法によって希土類イオンを
含有する溶液を加水分解して単分散希土類酸化物超微粒
子を得る技術も知られている(特開平9−255331
号公報)。しかし、この方法は希土類の酸化物微粒子を
得るものであり、金属合金を得る方法ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、粒子径サ
イズ分布が制御され、単分散でナノサイズの高保磁力を
有する強磁性合金からなるナノ粒子の簡便で安価な製造
方法を提供することにある。更には、単分散の均一ナノ
粒子を化学的自己組織化の手法により、超高密度磁気記
録用途に適合したナノメートル・スケールで規則的に配
列した構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、界面活性剤によって有機溶媒中に安定に
分散したナノサイズの水滴を反応場として利用する逆ミ
セル法を適用し、複数種の金属イオンと還元剤とを急速
に混合することによって、単分散状態を有する強磁性合
金からなるナノ粒子の製造方法を提供するものである。
【0010】すなわち本発明は、界面活性剤によって有
機溶媒中に安定に分散したナノサイズの水滴を反応場と
して利用する逆ミセル法による強磁性合金ナノ粒子の製
造方法であって、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸
塩、金属酢酸塩または金属炭酸塩を原料とする複数種の
金属イオンと界面活性剤とを含む逆ミセル溶液(1)
と、ホウ水素化物よりなる還元剤と界面活性剤とを含む
分散液(2)とを急速に混合する工程を備えたことを特
徴とする強磁性合金ナノ粒子の製造方法である。この製
造方法によって、凝集せず、単分散で粒子径サイズが1
0nm以下の強磁性合金からなるナノ粒子を簡便にかつ
安価に製造することが可能である。
【0011】また、前記逆ミセル溶液(1)と前記分散
液(2)との混合を室温下で行うことにより、簡便で安
価な強磁性合金ナノ粒子が製造される。更に、前記分散
液(2)を均一な分散液とすることにより、容易に単分
散の強磁性合金ナノ粒子が得られる。更にまた、前記逆
ミセル溶液(1)および前記分散液(2)における水と
界面活性剤のモル濃度比Rw([H2O]/[界面活性
剤])を4〜16の範囲とすることにより、逆ミセル溶
液の生成が可能となり、粒子が不可逆的に凝集しない単
分散の強磁性合金ナノ粒子が製造される。あるいは、前
記還元剤と全金属イオンのモル濃度比([還元剤]/
[金属イオン])を4〜30の範囲とすることにより、
還元速度の異なる金属イオンを合金化して単分散の強磁
性合金ナノ粒子が製造される。また、粒子径サイズを1
0nm以下とすることにより、超高密度記録用に適した
ナノメートル(nm)・スケールで規則的に配列した薄
膜(構造体)の自己組織化的構成を実現することが可能
となる。
【0012】更に、上記請求項1に記載の強磁性合金ナ
ノ粒子の製造方法は、実質的に以下の工程を備えてい
る。すなわち、界面活性剤によって有機溶媒中に安全に
分散したナノサイズの水滴を反応場として利用する逆ミ
セル法による強磁性合金ナノ粒子の製造方法であって、
金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩また
は金属炭酸塩を原料とする複数種の金属イオンと界面活
性剤とを含む逆ミセル溶液(1)と、ホウ水素化物より
なる還元剤と界面活性剤とを含む分散液(2)とを急速
に混合する工程(a)と、得られた分散溶液中に一般
式:R−X(式中、Rは炭素原子数が6〜22の直鎖ま
たは分岐の炭化水素基を表し、Xはカルボン酸基、ホス
ホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、スルフィン
酸基、チオール基またはアミノ基を表す。)で表される
化合物(表面保護剤)および凝集剤を加えてナノ粒子を
析出させる工程(b)と、ナノ粒子に炭化水素溶媒を加
えてナノ粒子の再分散を行う工程(c)と、凝集剤を加
えて粒子径サイズの選択的沈殿を行う工程(d)と、得
られたナノ粒子をアニールすることにより強磁性合金ナ
ノ粒子を得る工程(e)とを備えており、前記工程
(a)〜(e)によって、粒子径サイズ分布が狭く制御
され、単分散でナノサイズ(粒子径サイズ10nm以
下)の高い保持力を有する強磁性合金からなるナノ粒子
を、大気中で室温下、簡便かつ安価に製造することが可
能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は前記のように強磁性合金からなる
ナノ粒子を、界面活性剤で有機溶媒中に安定に分散した
ナノサイズの水滴を反応場として利用した逆ミセル法を
用いることによって製造する方法に係るものである。こ
のような本発明の製造方法により製造される強磁性合金
ナノ粒子としては、例えばCoPt、FePt、MnB
i、MnAl等の遷移金属合金、あるいはRCo5、R2
Co17(R:軽希土類元素)等の希土類金属合金があ
り、これらの強磁性合金は高密度磁気記録媒体に適し
た、高い結晶磁気異方性(Ku〜106−107J/
3)を有している。
【0014】上記強磁性合金の遷移金属合金は、希土類
金属合金に較べて空気中の酸素に対して安定であるほ
か、錆びにくいという利点がある。このため、数nmサ
イズ程度の強磁性体として用いる場合には、希土類金属
合金よりも安定な遷移金属合金の方が適している。
【0015】本発明の強磁性合金ナノ粒子の製造方法に
ついて以下に説明する。前述のように本発明の製造方法
は、複数種の金属イオンと界面活性剤とを含む逆ミセル
溶液(1)と、ホウ水素化物よりなる還元剤と界面活性
剤とを含む分散液(2)とを急速に混合する工程(a)
と、混合により得られた分散溶液中に前記の一般式R−
Xで表される化合物(表面保護剤)を加えた後、凝集剤
を加えてナノ粒子を析出させる工程(b)と、ナノ粒子
に炭化水素溶媒を加えてナノ粒子の再分散を行う工程
(c)と、凝集剤を加えて粒子径サイズの選択的沈殿を
行う工程(d)と、得られたナノ粒子をアニールするこ
とにより強磁性合金ナノ粒子とする工程(e)とを備え
ている。
【0016】まず工程(a)では、複数種の金属イオン
を含む水溶液と界面活性剤とを有機溶媒中で均一に混合
し透明な逆ミセル溶液(1)を調製する。一方、還元剤
水溶液と界面活性剤とを有機溶媒中で均一に混合し分散
液(2)を調製する。なお、この分散液(2)の調製に
際しては、還元剤水溶液と界面活性剤との混合後に、分
散液(2)を静置しても還元剤が沈降しないように行う
ことが重要であると共に、特に分散液(2)が白濁した
状態に保たれるように調製することが好ましい。
【0017】次に、調製した逆ミセル溶液(1)と分散
液(2)とを急速に混合する。急速に混合するに際して
は、溶液を激しく撹拌することが重要である。すなわ
ち、急速かつ激しく攪拌する目安は、上記(1)と
(2)の混合分散溶液中で生成する合金ナノ粒子が凝集
しない程度に制御することが必要である。このような攪
拌として、例えば超音波を照射する方法も使用できる。
攪拌混合によって、混合後直ちに溶液の色が変化し、ナ
ノ粒子が生成するが、これらの粒子は凝集せず、安定な
ナノ粒子分散溶液として得られる
【0018】工程(a)において、水と界面活性剤の濃
度比Rw([H2O]/[界面活性剤])は、4から1
6の範囲となるようにして逆ミセル溶液(1)を調製す
ることが好ましい。この理由は、Rwが4よりも小さい
場合、逆ミセル溶液状態とすることができないためであ
り、他方Rwが16よりも大きい場合、前記逆ミセル溶
液(1)と分散液(2)とを混合して急速に激しく撹
拌、あるいは超音波を照射しても、生成したナノ粒子が
不可逆的に凝集して沈殿を生じるためである。
【0019】また、工程(a)において還元剤として
は、Li、Na、Kなどのホウ水素化物(スーパーハイ
ドライド等含む)が用いられる。かかる強い還元剤を使
用することによって、室温で金属イオンの液中還元が行
えるため、合金形成反応に熱源を必要としない。このよ
うなホウ水素化物として、例えばNaBH4を使用する
とほとんどの遷移金属イオンを還元することが可能であ
る。この場合、一般にNaBH4の反応は非常に複雑で
あることが知られており、生成物は反応条件に強く依存
し、例えばコバルトイオンの還元によりコバルト粒子を
製造する場合、溶媒として水を用いるとCO2Bが生成
し、溶媒に有機溶媒を用いるとCoが生成する。しか
し、本発明におけるような反応場がナノサイズの水滴の
場合、逆ミセル内の水の状態は通常のバルク水と状態が
異なり反応挙動が変るため、上記のようなホウ素化物等
の副生成物は生成せず、目的化合物のみが得られるとい
う特徴がある。
【0020】本発明においては、合金ナノ粒子を得るた
めに複数種類の金属イオンを含むナノサイズの水滴を反
応場として同時に還元する。このような同時還元法で
は、用いる金属イオンの還元速度がそれぞれ異なるた
め、一般に還元速度の速い金属イオンが粒子の核を形成
し、還元速度の遅い金属イオンが粒子の殻を形成しやす
い傾向がある。このような粒子形成は、本発明の合金ナ
ノ粒子を製造する上で不都合である。
【0021】実際、還元剤濃度の全金属イオン濃度に対
する割合([還元剤]/[金属イオン]:モル濃度比、
なお、[金属イオン]は全金属イオンを指す)が4より
も小さい条件で還元を行うと、還元速度の速い金属イオ
ンのみが還元され、還元速度の遅い金属イオンは反応せ
ずに残ってしまった。また、前記割合が30よりも大き
い条件で還元を行うと、使用する金属の還元速度の違い
に関わらず、いずれの金属イオンも還元されたが、生成
したナノ粒子は不可逆的に凝集してしまった。本発明に
よる製造方法では、[還元剤]/[金属イオン]を4〜
30の範囲とする適切な還元剤濃度を選択することによ
り、ナノサイズの合金粒子からなる分散溶液を作製する
ことができる。
【0022】また、工程(a)の逆ミセル溶液(1)お
よび分散液(2)の調製において用いる界面活性剤とし
ては、例えば下記式(Na(AOT))、(DDA
C)、(CTAB)、(NP−6)、(DP−6)、
(DP−5)に示す化合物が挙げられるが、界面活性剤
はこれらの例に限られるものではない。
【0023】
【化1】 (C510(C25)CH2OCOCH2)(C510(C25)CH2OCO )CHSO3 -Na ……(Na(AOT) )
【0024】
【化2】 (C12242(CH32Cl- ……(DDAC)
【0025】
【化3】 C1633(CH33Br- ……(CTAB)
【0026】
【化4】 CH3(CH2866(OCH2CH26OH ……(NP−6)
【0027】
【化5】 C1225(OCH2CH26OH ……(DP−6)
【0028】
【化6】 C1225(OCH2CH25OH ……(DP−5)
【0029】また、工程(a)において用いられる有機
溶媒としては、シクロヘキサン、イソオクタン、n−ヘ
プタン、n−ドデカン、トルエン、等の無極性溶媒から
選択するのが好ましい。
【0030】更に、工程(a)において用いられる金属
塩としては、CoIICl2・nH2O、FeIICl2・n
2O、H2PtIVCl6・nH2O、PtIICl2、Mn
IICl 2・nH2O、BiIIICl3、AlIIICl3・nH
2O、RIIICl3・nH2O、(R:軽希土類元素)等の
塩化物をはじめ、各種遷移金属や希土類金属の塩化物、
硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩を原料として用いるこ
とができる。
【0031】次の工程(b)では、前記工程(a)で得
られた分散溶液に、まず表面保護剤を加える。表面保護
剤は、一般式:R−X(式中、Rは炭素原子数が6〜2
2の直鎖または分岐の炭化水素基を表し、Xはカルボン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、
スルフィン酸基、チオール基またはアミノ基を表す。)
で表される化合物から選択する。表面保護剤(R−X)
を加えることによって、ナノ粒子表面上の工程(a)で
用いた界面活性剤がR−Xと置き換わり、R−Xがナノ
粒子表面に共有結合あるいはイオン結合することによっ
て表面を覆い、ナノ粒子を外部環境の影響から保護する
ことができる。
【0032】上記分散溶液に表面保護剤を加えた後、凝
集剤を加えてナノ粒子を析出させる。ここで用いる凝集
剤としては、前記工程(a)で用いた有機溶媒(例え
ば、シクロヘキサン、イソオクタン等)と混和すること
ができ、この混和によって表面保護剤で覆われたナノ粒
子の溶解度を減少させるような働きを有する溶媒が好適
である。このような溶媒としては、エタノールあるいは
アセトン等があり、凝集剤として用いれば、ナノ粒子を
永久凝集させることなく析出させ、分散溶液中の界面活
性剤および不要な表面保護剤を分離することができる。
【0033】次に、工程(c)では上記析出したナノ粒
子を炭化水素溶媒を用いて再分散する。このような再分
散において用いる炭化水素溶媒としては、例えばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、エーテ
ル、ピリジンその他、いわゆる表面保護剤を構成する分
子構造中の炭化水素鎖が可溶な溶媒から選択するのが好
適である。
【0034】次いで、再分散したナノ粒子の粒子径サイ
ズ分布を狭めるため、化学的粒子サイジングを行う。す
なわち、工程(d)における化学的な粒子径サイズの選
択的析出では、前記工程(b)で用いられたのと同様の
凝集剤(エタノールあるいはアセトン等)を分散溶液に
滴下することにより、粒子径サイズを制御しながら大き
な粒子を選択的に沈殿させることができる。必要とする
粒子径を制御して選択的沈殿を行った後、遠心分離ある
いは濾過により沈殿物(ナノ粒子)を分離し、上澄みを
除去する。分離により得られる沈殿物は、工程(c)で
用いた炭化水素溶媒に分散可能である。また、化学的な
粒子サイズの選択的析出は複数回繰返し行うことによ
り、粒子サイズ分布が更に狭められ、厳選されたナノ粒
子を得ることが可能となる。
【0035】このようにして得られたナノ粒子は、粒子
径サイズ分布幅が狭められ揃っているため、ナノ粒子の
分散溶液を基板上に滴下し、溶媒を素早く(数秒以内)
に乾燥させることにより、ナノ粒子が一つ一つ自己組織
化的に配列した薄膜(構造体)を作製することができ
る。
【0036】上記のように各工程を経て得られた製造直
後のナノ粒子は常磁性体であり、強磁性体に転位するに
は、窒素雰囲気下500〜550℃以上でアニールする
必要がある(工程(e))。この場合、凝集状態のナノ
粒子をアニールすると本発明の目的とする10nm以下
の粒子径サイズが得られず好ましくない。一方、上記の
ようなナノ粒子が自己組織化的に配列したナノメートル
・スケールの構造体としてアニールを行った場合、ナノ
粒子表面に吸着した表面保護剤の作用により高温のアニ
ールでも焼結は抑えられ、粒子サイズは大きくならずに
強磁性体に転位する
【0037】前記工程(a)〜(e)を備えた本発明の
製造方法により、室温かつ大気環境下で単分散強磁性合
金ナノ粒子を簡便かつ安価に製造することが可能とな
る。また得られるナノ粒子群の粒子径サイズ分布は上記
のように極めて狭いため、ナノ粒子が自己組織化的に二
次元および三次元に配列した構造体を形成することが可
能となる。これらの特徴は、次世代の超高密度磁気記録
媒体を開発する上で重要である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。ただし、本発明により製造される強磁性合金ナノ
粒子はなんら実施例に限定されるものではない。
【0039】実施例1 まず、CoIICl2・6H2OとH2PtIVCl6・6H2
Oとの仕込み比xmix(=[Co2+]/[Co2++Pt
4+])が0.5となるように配合した金属塩化物2種類
を合計で0.22mmol含む水溶液1.25ml(1
−a)を調製した。次に、下記式(Na(AOT))で
表される界面活性剤を6.25mmol含むイソオクタ
ン溶液25ml(1−b)を調製し、前記調製の水溶液
(1−a)に注入して溶液が透明になるまで超音波照射
することにより混合し、逆ミセル溶液(1)を得た。な
お、逆ミセル溶液(1)における水と界面活性剤のモル
濃度比Rw([H2O]/[界面活性剤])は11であ
る。
【0040】
【化7】 (C510(C25)CH2OCOCH2)(C510(C25)CH2OCO )CHSO3 -Na ……(Na(AOT) )
【0041】次に、還元剤であるNaBH4を1.45
mmol含む水溶液1.25ml(2−a)を調製し
た。この水溶液(2−a)に、前記(1−b)で調整し
た配合と同じ上記界面活性剤Na(AOT)を6.25
mmol含むイソオクタン溶液25mlを注入し、溶液
を静置しても沈殿が生じなくなるまで混合し、白濁状態
の分散液(2)を得た。分散液(2)における水と界面
活性剤のモル濃度比(Rw)は11である。なお、還元
剤と全金属イオンのモル濃度比([還元剤]/[金属イ
オン])は7である。以下、水と界面活性剤のモル濃度
比を(Rw)とし、還元剤と全金属イオンのモル濃度比
を(B)とする。次いで、上記で調製した逆ミセル溶液
(1)と分散液(2)とを素早く、激しく混合したとこ
ろ溶液は直ちに黄色から黒色に変化し、CoPt合金ナ
ノ粒子が生成した分散溶液(CoPtナノ粒子コロイド
溶液)が得られた。この分散溶液中の生成ナノ粒子は凝
集することなく、少なくとも一ヶ月以上安定な分散状態
にあった。
【0042】上記ナノ粒子分散溶液中で粒子表面には界
面活性剤が吸着しており、粒子同士の凝集を防いでい
る。一方、分散溶媒中にも余分な界面活性剤が漂ってお
り、このような粒子表面に吸着していない界面活性剤が
存在する場合、後述のナノメートル・スケールの自己組
織化的構造体形成を阻害する要因となる。すなわち、薄
膜状の構造体はアイランド状となり、広範囲で規則的な
構造体が得られない。そのため、余分な界面活性剤の除
去が必要である。この余分な界面活性剤は、分散溶液中
に凝集剤(エタノール等)を多量に加え、遠心分離によ
ってナノ粒子を沈殿させ、この沈殿させた粒子をヘキサ
ン等の溶媒に再分散させるステップを繰り返し行うこと
によって除去することができる。
【0043】このようなステップを考慮して、前記Co
Ptナノ粒子コロイド溶液に表面保護剤としてオレイン
酸およびオレイルアミンをそれぞれ0.5mmol/m
lづつ加えて処理した後、エタノールを滴下したとこ
ろ、空気に対して安定な黒色沈殿物が析出した。次に、
遠心分離の後、上澄み液を廃棄して析出した黒色沈殿物
を分離した。黒いペースト状の沈殿物はヘキサン中に再
分散させることが可能であった。なお、ここで得られた
CoPtナノ粒子の粒子径サイズ分布は20%程度であ
り、この状態では下記のナノ粒子が二次元あるいは三次
元に規則正しく配列した薄膜(構造体)を作製すること
はできなかった。そこで、上記沈殿物をヘキサン溶媒に
分散して、この分散溶液をエタノールで滴定することに
より、粒子径サイズの選択的沈殿を行い、粒子径サイズ
分布を10%以下に制御したナノ粒子を得た。次いで、
10%以下に制御したナノ粒子のヘキサン分散溶液を基
板上に滴下し、構造体を形成した。ヘキサンを用いるこ
とにより溶媒が素早く蒸発し、ナノ粒子が自己組織的に
配列してナノメートル・スケールの構造体が形成され
た。
【0044】前記ナノ粒子をEPMA(Electro
n Probe Micro Analysis)によ
り元素分析を行ったところ、前記仕込み比xmix=0.
5の場合、合金ナノ粒子の組成はCo0.45Pt0.55であ
ることが分かった。なお、仕込み比xmixを変えて前記
と同様にして得たナノ粒子のEPMA分析の結果から、
ナノ粒子の組成は仕込み比xmixに応じて変化し、組成
を制御することが可能であった。また、Co3Pt、C
oPt3合金ナノ粒子の場合、CoIICl2・6H2Oと
2PtIVCl6・6H2Oとの仕込み比xmixを変えるこ
とにより製造できる。更に、Fe3Pt、FePt、F
ePt3の場合には、原料としてCoIICl2の代りにF
IICl2あるいはFeIIICl3を用いることによって
製造でき、他の希土類−遷移金属合金の場合にも同様に
して合金ナノ粒子が製造できる。
【0045】前記粒子径サイズの選択的沈殿を行って析
出、分離した沈殿物を再びヘキサン溶媒中に分散し溶液
とした。この分散溶液を透過電子顕微鏡(TEM)グリ
ッド上に滴下し、素早く乾燥させることにより作製した
薄膜(構造体)のTEM像を図1に示す。球状のCo
0.45Pt0.55ナノ粒子(直径3〜4nm)が約4nmの
間隔で、二次元ヘキサゴナルに配列した構造体を形成し
ていることが分かった。また、図2はCo0.45Pt0.55
ナノ粒子が3次元に配列した構造体のTEM像を示す。
図1、図2に示すような規則的な配列が観測されたの
は、本発明により合成したCo0.45Pt0.55ナノ粒子の
粒子径サイズ分布の標準偏差が10%未満と極めて狭い
ことにより実現したものである。なお、自己組織化構造
体の膜は約20μm×20μm程度に形成された。
【0046】また、Co0.45Pt0.55ナノ粒子を粉末X
線回折法により観測した結果を図3の粉末X線回折パタ
ーンに示す。粉末X線構造解析から合成直後のCo0.45
Pt 0.55ナノ粒子は、面心立方(fcc)構造を有する
ことが分かった(図3(a))。更に、磁気測定を振動
試料型磁力計により行ったところ、室温で常磁性を示し
た。このような常磁性Co0.45Pt0.55ナノ粒子が室温
で強磁性を示すためには、結晶磁気異方性の大きい面心
正方(fct)構造(Ku〜107Jm)を有する必
要がある。通常、バルク状態のCoPt(Co:25−
60at%)は、825℃でfcc構造からfct構造
へ転位することが知られており、ナノサイズのCoPt
はこれよりも低い温度で転位が起こると考えられる。そ
こで、Co 0.45Pt0.55ナノ粒子を窒素雰囲気下、50
0℃、550℃、600℃の各温度でアニーリングを行
ったところ、それぞれ図3(b)、(c)、(d)に示
すように、温度上昇に伴い(111)、(200)面か
らの回折ピークが徐々に高角度側へシフト、500℃
(b)から550℃(c)の間で(001)、(11
0)面の回折ピークが出現し、fcc構造からfct構
造へ構造転位した。fct構造へ構造転位したナノ粒子
の磁気測定を行った結果、アニール温度550℃の場合
に室温で保磁力3420G、600℃の場合に室温で保
磁力6280Gの強い強磁性を示した。図4にナノ粒子
のアニール温度と保磁力の関係を示す。
【0047】上記のように製造直後のナノ粒子は常磁性
体であり、窒素雰囲気下500〜550℃以上でアニー
ルすることにより強磁性体に転位する。この場合、ナノ
粒子が凝集した状態でアニール(550℃)すると、焼
結により粒子サイズは10〜20nm程度まで大きくな
った。従って凝集状態のナノ粒子をアニールすると本発
明の目的とする10nm以下の粒子サイズが得られず好
ましくない。しかしながら、前記図3で示したようなナ
ノ粒子が一つ一つ配列したナノメートル・スケールの構
成状態(構造体)でアニールを行った場合、ナノ粒子表
面に吸着した表面保護剤の作用により550℃のアニー
ルでも焼結は抑えられ、粒子サイズは大きくならないこ
とが確認された。
【0048】実施例2〜6 実施例1において、水と界面活性剤のモル濃度比(R
w)を11とし、還元剤と全金属イオンのモル濃度比
(B)を7としたのを、これら(Rw)と(B)の濃度
比のどちらか一方を変えて、(Rw:B)=(13:
7)(実施例2)、(16:7)(実施例3)、(4:
7)(実施例4)、(11:30)(実施例5)、(1
1:4)(実施例6)とした以外は実施例1とまったく
同様にしてナノ粒子を製造した。得られたそれぞれのナ
ノ粒子の粒子径サイズをTEM観察から求めた。粒子径
サイズの測定結果および分散溶液状態を、ミセル溶液調
製条件:水と界面活性剤のモル濃度比(Rw)、全金属
イオンのモル濃度比(B)と併せて表1に示す。
【0049】参考例1〜5 実施例1において、水と界面活性剤のモル濃度比(R
w)を11とし、還元剤と全金属イオンのモル濃度比
(B)を7としたのを、これら(Rw)と(B)の濃度
比を変えて、(Rw:B)=(18:7)(参考例
1)、(25:7)(参考例2)、(11:3)(参考
例3)、(10:33)(参考例4)、(3:7)(参
考例5)とした以外は実施例1とまったく同様にしてナ
ノ粒子を製造した。得られたそれぞれのナノ粒子の粒子
径サイズをTEM観察から求めた。粒子径サイズの測定
結果および分散溶液状態を、ミセル溶液調製条件:水と
界面活性剤のモル濃度比(Rw)、全金属イオンのモル
濃度比(B)と併せて表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】TEM分析の結果実施例1〜6では、粒子
の凝集は見られず単分散の溶液が得られ、粒子径サイズ
はいずれも3〜4nmであった。これに対して、参考例
1〜5では粒子径サイズはいずれも3〜4nmであるも
のの、参考例1、2では、粒子が凝集により沈殿を生じ
てナノ分散溶液が得られなかった。参考例3では、還元
剤濃度が少ないため、Coイオンが未反応であった。参
考例4では、時間経過とともに沈殿を生じ安定した分散
液が得られなかった。参考例5では、水と界面活性剤濃
度比が小さ過ぎるために逆ミセル溶液が得られず、安定
したナノ粒子分散液は得られなかった。このように、参
考例1〜5では、粒子径サイズはいずれも3〜4nmで
あるが、凝集により沈殿が生じたりして安定した分散溶
液が得られなかった。なお、一般に逆ミセル法によって
得られるナノ粒子の大きさは、水反応場の大きさ(水と
界面活性剤の濃度による)に依存するが、本実施例にお
けるCoPt合金の場合には、粒子径サイズはいずれも
3〜4nmであった。これは、PtイオンがCoイオン
よりも還元されやすくPtナノ粒子の生成メカニズムに
誘導されてCoPt合金が成長したためと考えられる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、界面活性剤によって有
機溶媒中に安定に分散したナノサイズの水滴を反応場と
して適用し、複数種の金属イオンと界面活性剤とを含む
逆ミセル溶液(1)と、ホウ水素化物よりなる還元剤と
界面活性剤とを含む分散液(2)とを急速に混合する工
程を備えたことにより、安定した分散溶液が得られ、単
分散の強磁性合金からなる粒子径サイズが10nm以下
のナノ粒子を製造する方法が提供される。
【0053】また、前記逆ミセル溶液(1)と前記分散
液(2)との混合を室温下で行うことにより、簡便で安
価な強磁性合金ナノ粒子を製造する方法が提供される。
更に、前記分散液(2)を均一な分散液とすることによ
り単分散の強磁性合金ナノ粒子を製造する方法が提供さ
れる。更にまた、前記逆ミセル溶液(1)および前記分
散液(2)における水と界面活性剤のモル濃度比Rw
([H2O]/[界面活性剤])を4〜16の範囲とす
ることにより、逆ミセル溶液が生成され、粒子が不可逆
的に凝集しない単分散の強磁性合金ナノ粒子を製造する
方法が提供される。あるいは、前記還元剤と全金属イオ
ンのモル濃度比([還元剤]/[金属イオン])を4〜
30の範囲とすることにより、還元速度の異なる金属イ
オンを合金化し、粒子が不可逆的に凝集しない単分散の
強磁性合金ナノ粒子を製造する方法が提供される。ま
た、粒子径サイズを10nm以下とすることにより、超
高密度記録用に適したナノメートル・スケールで規則的
に配列した構造体の自己組織化的構成を実現することが
可能となる。
【0054】強磁性合金ナノ粒子の製造方法において、
以下の(a)〜(e)の工程; (a)複数種の金属イオンと界面活性剤とを含む逆ミセ
ル溶液(1)と、ホウ水素化物よりなる還元剤と界面活
性剤とを含む分散液(2)とを急速に混合する工程、
(b)表面保護剤および凝集剤を加えてナノ粒子を析出
させる工程、(c)ナノ粒子に炭化水素溶媒を加えてナ
ノ粒子の再分散を行う工程、(d)凝集剤を加えて粒子
径サイズの選択的沈殿を行う工程、(e)ナノ粒子をア
ニールすることにより強磁性合金ナノ粒子を得る工程、
を備えることによって、凝集しない安定した分散溶液が
得られ、単分散で粒子径サイズが10nm以下で粒径サ
イズ分布幅が狭く、高い保磁力を有する強磁性合金から
なるナノ粒子を、室温、大気環境下で簡便かつ安価に製
造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のヘキサン中に分散した沈殿物をTE
Mグリッド上で乾燥させた構造体の二次元ヘキサゴナル
に配列したCo0.45Pt0.55ナノ粒子のTEM像であ
る。
【図2】実施例1のヘキサン中に分散した沈殿物をTE
Mグリッド上で乾燥させた構造体の三次元に配列したC
0.45Pt0.55ナノ粒子のTEM像である。
【図3】実施例1のCo0.45Pt0.55組成を有するナノ
粒子の製造直後と500℃〜600℃でのアニーリング
後の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図4】実施例1のCo0.45Pt0.55組成を有するナノ
粒子のアニール温度と保磁力の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/842 C22C 5/04 // C22C 5/04 38/00 303A 38/00 303 H01F 1/06 S (72)発明者 岩崎 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4K017 BA02 CA01 CA08 DA03 EA01 EJ02 FA19 5D006 BA02 BA04 BA05 BA08 5D112 AA05 BB02 BB05 BB06 BB11 5E040 AA01 CA01 CA06 HB08 HB11 NN06 NN17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤によって有機溶媒中に安定に
    分散したナノサイズの水滴を反応場として利用する逆ミ
    セル法による強磁性合金ナノ粒子の製造方法であって、 金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩また
    は金属炭酸塩を原料とする複数種の金属イオンと界面活
    性剤とを含む逆ミセル溶液(1)と、ホウ水素化物より
    なる還元剤と界面活性剤とを含む分散液(2)とを急速
    に混合する工程を備えたことを特徴とする強磁性合金ナ
    ノ粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記逆ミセル溶液(1)と前記分散液
    (2)との混合が室温下で行われることを特徴とする請
    求項1に記載の強磁性合金ナノ粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散液(2)が均一な分散液である
    ことを特徴とする請求項1に記載の強磁性合金ナノ粒子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記逆ミセル溶液(1)および前記分散
    液(2)における水と界面活性剤のモル濃度比Rw
    ([H2O]/[界面活性剤])がいずれも4〜16の
    範囲であることを特徴とする請求項1に記載の強磁性合
    金ナノ粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記還元剤と全金属イオンのモル濃度比
    ([還元剤]/[金属イオン])が4〜30の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の強磁性合金ナノ粒
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記強磁性合金ナノ粒子が粒径10nm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の強磁性合
    金ナノ粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 界面活性剤によって有機溶媒中に安定に
    分散したナノサイズの水滴を反応場として利用する逆ミ
    セル法による強磁性合金ナノ粒子の製造方法であって、 金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩また
    は金属炭酸塩を原料とする複数種の金属イオンと界面活
    性剤とを含む逆ミセル溶液(1)と、ホウ水素化物より
    なる還元剤と界面活性剤とを含む分散液(2)とを急速
    に混合する工程と、 得られた分散溶液中に一般式:R−X(式中、Rは炭素
    原子数が6〜22の直鎖または分岐の炭化水素基を表
    し、Xはカルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸
    基、スルホン酸基、スルフィン酸基、チオール基または
    アミノ基を表す。)で表される化合物および凝集剤を加
    えてナノ粒子を析出させる工程と、 ナノ粒子に炭化水素溶媒を加えてナノ粒子の再分散を行
    う工程と、 凝集剤を加えて粒子径サイズの選択的沈殿を行う工程
    と、 得られたナノ粒子をアニールすることにより強磁性合金
    ナノ粒子を得る工程と、 を備えたことを特徴とする強磁性合金ナノ粒子の製造方
    法。
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