JP2005309053A - 複層中間転写体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全体として、形状均一性に優れた複層中間転写体を提供する。
【解決手段】
基層と表面層とを有する複層中間転写体において、
前記基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなり、
前記表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも大きく、
下記式(1)で表される変位量Dが2以上8以下であることを特徴とする複層中間転写体である。
【式1】
Figure 2005309053

(上記式(1)中、α1は基層材料の線膨張率、h1は基層の厚み(mm)、E1は基層材料の縦弾性率、α2は表面層材料の線膨張率、h2は表面層の厚み、E2は表面層材料の縦弾性率、T2は、表面層形成時の温度又は表面層材料のガラス転移点、T1は使用時の温度を示す。m=E1/E2、n=h1/h2
【選択図】 なし

Description

本発明は、静電複写プロセスの中間転写体として用いられ、ポリイミド樹脂を基層に使用した複層中間転写体に関するものである。
静電複写方式を用いた画像形成装置は、光導電性感光体からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。
上記トナー像を、中間転写体を介して静電的に転写することにより所要の再生画像を得る場合の画像形成装置としては、種々のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のような中間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられる中間転写体材料としても、ポリカーボネート樹脂(例えば、特許文献2参照)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、(例えば、特許文献3,4参照)、ポリアルキレンフタレート(例えば、特許文献5参照)などの熱可塑性樹脂の導電性の無端ベルトや、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂(例えば、特許文献6参照)を用いる提案がなされている。
なかでも、全芳香族ポリイミド樹脂は強度が強いため転写部材に好んで用いられている。
この中間転写ベルトは、トナーをやりとりするため、帯電防止領域の抵抗値制御が必要であるが、それ以外の要求特性としてベルトの形状均一性がある。なかでも、端部平面度が悪くなるとベルトが蛇行して画像がゆがむだけでなく、ひどい場合にはベルト自身が破損することもある。この端部平面度は±4mm以内、望ましくは±3mm以内が要求される。
中間転写体用のポリイミド材料としては、強度の点から、3,4:3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとからなるポリイミドを用いる事が多いが、この材料を用いた中間転写体を作製する場合には、端部が内面側に折れ曲がる問題があり、±4mmの範囲にすることは困難であった。
例えば、特許文献7には、導電性カーボンブラックにより付与された半導電性ポリイミド層と実質的電気絶縁性ポリイミド層とからなるポリイミド系多層無端管状フィルムにおいて、該実質的電気絶縁性ポリイミド層の有する線膨張率が、該半導電性ポリイミド層の有する線膨張率に対して0.8〜1.3倍であることを特徴とするポリイミド系多層無端管状フィルムが開示されている。しかし、この場合には、ベルト端部平面度がより大きく内側へ曲がりこむ結果となった。
また、特許文献8,9には、いずれもポリイミド系樹脂を主体とする外層と内層とを有する半導電性ベルトにおいて、少なくとも前記外層は導電性物質を含有しており、この外層と前記内層との50〜400℃における線膨張率の差が30(ppm/℃)以下であり、前記外層より前記内層の線膨張率が大きいことを特徴とする半導電性ベルトが開示されている。しかし、内層の線膨張率を大きくするとベルトの端部が跳ね上がるためベルトの寄り止めがガイドからはずれてしまうという不具合があった。
すなわち、本発明者の実験においては、内層の線膨張率が大きい場合にはより大きくベルト内側へ曲がり込み、端部平面度を一層悪くする結果となった。
特開昭62−206567号公報 特開平06−095521号公報 特開平5−200904号公報 特開平6−228335号公報 特開平6−149081号公報 特許第2560727号明細書 特開2002−086599号公報 特開2002−156835号公報 特開2002−365927号公報
以上から、本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、全体として、形状均一性に優れた複層中間転写体を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明者は、表面層として線膨張率の大きな材料を用い、また、表面層と基層とに要求される特性として、バイメタルでの曲がり量計算に準じた式を満たすようにすることで、形状均一性、特に、端部平面度の優れた中間転写体が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、基層と表面層とを有する複層中間転写体において、
前記基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなり、
前記表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも大きく、
下記式(1)で表される変位量Dが2以上8以下であることを特徴とする複層中間転写体である。
Figure 2005309053
上記式(1)中、α1は基層材料の線膨張率(/K)を示し、h1は基層の厚み(mm)を示し、E1は基層材料の縦弾性率(MPa)示し、α2は表面層材料の線膨張率(/K)を示し、h2は表面層の厚み(mm)を示し、E2は表面層材料の縦弾性率(MPa)を示す。また、T2は、「表面層形成時の温度(K)」および「表面層材料のガラス転移点(K)」のうち低い方の温度を示し、T1は使用時の温度(K)を示す。さらに、m=E1/E2、n=h1/h2とする。
また、本発明は、基層と表面層とを有する複層中間転写体において、
前記基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなり、
前記表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも大きく、
端部平面度が±4mm以下であることを特徴とする複層中間転写体である。
既述の本発明の複層中間転写体は、導電剤を含有することが好ましく、当該導電剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
本発明によれば、全体として、形状均一性、特に、端部平面度の均一性に優れた複層中間転写体を提供することができる。
〔第1の複層中間転写体〕
本発明の第1の複層中間転写体は、基層と表面層とを有し、その基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物(以下、「本発明に係るポリアミック酸組成物」ということがある)をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなる。
なお、ここで、「基層」とは、中間転写体の基材となる部分であり、「表面層」とは、中間転写体として使用した場合にその表面にトナー像が形成される層である。
ポリイミド樹脂は、種々のポリアミック酸組成物をイミド化して得ることができるが、本発明では、上記本発明に係るポリアミック酸組成物よりなるポリイミド樹脂を基層(基材)とする。当該ポリイミド樹脂は、強度等の実用面において、非常に優れた特性を有している。
基層上には表面層が形成されており、当該表面層の線膨張率は、基層の線膨張率よりも大きくなっている。表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも小さいと、中間転写体の端部が跳ね上がるなどして端部平面度が悪くなり、ベルトの蛇行による画像の歪み等の不具合が発生してしまう。
また、線膨張率の測定は、島津製作所製熱分析装置TMA−50を用い、昇温速度5℃/minの条件で、30〜400℃上昇させたときのチャートより読み取ることができるが、ガラス転移温度が測定範囲内にある場合にはガラス転移温度までのデータとする。
基層の厚みは、30〜150μmであることが好ましく、50〜100μmであることが好ましい。また、一般的にはイミド転化後の縦弾性率は5400〜6200(MPa)の範囲となる。
一方、表面層の厚みは、1〜200μmであることが好ましく、5〜150μmであることが好ましい。表面層が1μmより薄いと耐久性の点で問題が生ずることがあり、200μmよりも厚いとロール屈曲部での変形によるベルト表面の応力が集中してしまうために、表面層にクラックが発生するなどの問題が生じることがある。
また、縦弾性率は使用するモノマーの種類や、得られるポリイミド樹脂の分子量によって変化するが、500〜40000(MPa)であることが好ましく、1000〜20000(MPa)であることが好ましい。縦弾性率が500〜40000(MPa)であること、傷つきにくく、駆動ロールへの追従性がよくなるといった利点が得られる。
なお、縦弾性率は、幅5mm、長さ80mmで、基層や表面層を構成する材料からなる試験片をチャック間距離が40mmになるように引っ張り試験機(アイコーエンジニアリング製1605N)にセットし、20mm/minで引っ張り、変位量が1mmになった時の応力より計算することで求めることができる。
本発明の複層中間転写体は、下記式(1)で表される変位量Dが2以上8以下となっている。
Figure 2005309053
上記式(1)中、α1は基層材料の線膨張率(/K)を示し、h1は基層の厚み(mm)を示し、E1は基層材料の縦弾性率(MPa)示し、α2は表面層材料の線膨張率(/K)を示し、h2は表面層の厚み(mm)を示し、E2は表面層材料の縦弾性率(MPa)を示す。また、T2は、「表面層形成時の温度(K)」および「表面層材料のガラス転移点(K)」のうち低い方の温度を示し、T1は使用時の温度(K)を示す。さらに、m=E1/E2、n=h1/h2とする。
なお、使用時の温度T1とは、複層中間転写体を実際に使用する際の平均温度をいい、通常は、室温(10〜30℃)である。
変位量Dが2未満であると、基材のみの場合と同様に複層中間転写体が内側に反り、平面度が劣ってしまい、8を超えると、反対に外側に反り平面度が悪くなってしまう。そのため、複層中間転写体として使用するには、変位量Dは、2〜8であることが好ましく、4〜7であることがより好ましい。
なお、式(1)中のガラス転移温度は、例えば、基層や表面層を構成する材料からなる試験片を、島津製作所製の熱分析装置DSC−50にて、昇温速度5℃/分の条件で、30〜400℃上昇させたときのチャートより読みとることで、求めることができる。
本発明の複層中間転写体は、例えば、以下に説明するようにして製造することができる。
まず、複層中間転写体の基材となる基層を形成するために、基層用材料を円筒状金型の表面にディッピング法や流延法で塗布する。当該基層用材料は、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物を溶媒に溶解または分散したものを使用する。
ポリアミック酸組成物(ポリアミド酸)を溶解または分散する溶媒としては、DMF(無水ジメチルホルムアミド)やNMP(N−メチルピロリドン)といったアミド系溶媒やフェノール類等の極性溶媒を使用することが好ましい。このとき、粘度調整等の目的でこれらの溶媒に芳香族系炭化水素等を少量混合してもよい。また、必要に応じてカーボンブラックや金属酸化物といった導電剤を添加してもよい。
塗布後、溶液が偏らないように円筒状金型を回転させながら、加熱して溶媒を除去する。ここで、基層の乾燥度が低いと次の塗布時にたれが生じるが、逆に乾燥度が高すぎると表面層が接着しない。そこで、乾燥後の基層の固形分率は50〜90%とすることが好ましく、60〜75%とすることがより好ましい。
なお、当該固形分率は、乾燥後の皮膜付の金型重量と金型重量との皮膜重量とにより、皮膜重量÷(乾燥後の皮膜付の金型重量−金型重量)、で測定することができる。
所望の乾燥度となった基層上に、表面層を形成するための表面層用材料をディッピング法や流延法で塗布する。当該表面層用材料は、基層を構成する材料より線膨張率が高く、既述の式(1)から算出される変位量Dが所望の範囲となる材料を使用する。当該材料としては、強度など考慮して、ポリアミック酸組成物を溶媒に溶解または分散したものを使用することができる。
上記ポリアミック酸組成物におけるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−メチル−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン等が挙げられる。
当該表面層用材料には、これらの中から、基層を構成する材料より線膨張率が高く、既述の式(1)から算出される変位量Dが所望の範囲となる材料を使用すればよい。
ポリアミック酸組成物(ポリアミド酸)を溶解または分散する溶媒としては、基層の場合と同様のものを使用することができる。
その後、300〜380℃で加熱することでイミド転化反応を行う。反応後のポリイミドフィルムを円筒状金型より取り外し適当な幅に切断することで無端状のベルト、すなわち、本発明の複層中間転写体が製造される。
〔第2の複層中間転写体〕
本発明の第2の複層中間転写体は、本発明の第1の複層中間転写体と同様に、基層と表面層とを有し、その基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなる。また、本発明の第1の複層中間転写体と同様に、表面層の線膨張率は基層の線膨張率よりも大きくなっている。
本発明の第2の複層中間転写体においては、端部平面度が±4mmの範囲となっている。端部平面度が±4mmの範囲となっていることで、ベルトの蛇行による画像歪み等を防止し優れた形状均一性を発揮することができる。
ここで、端部平面度は、例えば、図1に示すようにして測定することができる。まず、外形φ28mmの2本の金属ロール10a,10bを中間転写体20内に入れ、片側の金属ロール10aを固定し、ベルトテンションが均一にかかるように注意しながら、残りの片側の金属ロール10bを39.2Nのテンションで張架する。移動側の金属ロール10bの軸から固定側の金属ロール10aの軸側に200mm入った部分の高さについて、レーザ変位計を用いて軸と平行な方向に測定し、ベルト両端部とその両端のそれぞれより15mmベルト内側に入った部分の高さの差を端部平面度として、求める。
ここで、端部平坦度の数値が「+」の場合は、端部が上がっていることを示す。
なお、上記平面度の測定方法は、例示であり、ベルトの幅等の大小により、測定位置や張架するテンション等も適宜変更する必要がある。
本発明の第2の複層中間転写体の代表的な構成としては、本発明の第1の複層中間転写体を挙げることができる。
以上のような本発明の複層中間転写体は、静電複写方式の画像形成装置に用いる転写部材等に用いることができる。また、導電剤を含有させて、複層中間転写体に導電性を付与してもよい。
当該導電剤としては、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。これらの導電剤は、単独、あるいは、併用して使用してもよい。特に、ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制する等の観点から、カーボンブラックを使用することが好ましい。
導電剤の含有量は、複層中間転写体中、3〜50質量%とすることが好ましく、5〜30質量%とすることがより好ましい。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(基層用材料)
宇部興産製のユーワニスS(ビフェニールテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンからなるポリアミド酸のNMP溶液で 固形分率が18wt%)に、カーボンブラック(Special Black 4 Degussa製 pH3,揮発分14質量%)を24phr添加し、ジーナスPY(ジーナス製)を用い分散時の圧力が200MPaになる条件で5パス分散を行った後、目開き20μmのフィルタで凝集塊を取り除き、基層用材料を作製した。基層用材料の線膨張率は27PPM(/K)であった。また、縦弾性率は6000MPaであった。
(表面層用材料1)
宇部興産製ユーワニスA(3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とオキシジアニリンとからなるポリアミド酸のNMP溶液で 固形分率が18wt%)にカーボンブラック(Special Black 4 Degussa製 pH3,揮発分14質量%)を22phr添加し、基層用材料と同様に分散を行った。この液を表面層用材料1とする。表面層用材料1の線膨張率は37PPM(/K)であった。また、縦弾性率は4200MPaであった。この材料のガラス転移点温度は290℃であった。
(表面層用材料2)
東レ製トレニース#3000(ピロメリット酸二無水物とオキシジアニリンとからなるポリアミド酸の溶液で固形分率が21.8質量%)にカーボンブラック(Special Black 4 Degussa製 pH3,揮発分14質量%)を25phr添加し、基層用材料と同様に分散を行った。この液を表面層用材料2とする。表面層用材料2の線膨張率は44PPM(/K)で、この材料のガラス転移温度は観察できなかった。また、縦弾性率は2800MPaであった。
(表面層用材料3)
東洋紡製バイロマックスHR14ET(ポリアミドイミドにシリコーン基を付加した樹脂で固形分率が25wt%)にカーボンブラック(Special Black 4 Degussa製 pH3,揮発分14質量%)を14phrとNMPを30質量%添加し、横型ビーズミルを用い分散を行った。この液を表面層用材料3とする。表面層用材料3の線膨張率は59PPM(/K)で、この材料のガラス転移点温度は250℃であった。縦弾性率は1200MPaであった。
〔実施例1〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。乾燥後の金型を取り出して冷却し、同様にディップ法で表面層用材料1を塗布した。その後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間乾燥を行った。その後、320℃まで加熱し、カーボンブラックを含有した無端状ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが71μm、表面層の厚みが9μmであり、端部平面度を使用時の温度23℃で測定したところ+1mmであった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は表面層用材料のガラス転移温度の290℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=5.8であった。
〔実施例2〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。乾燥後の金型を取り出し冷却後、同様にディップ法で表面層用材料2を塗布した。その後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間入れ乾燥を行った。その後、380℃まで加熱し、カーボンブラックを含有した無端状ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが75μm、表面層の厚みが5μmであり、端部平面度を使用時の温度23℃で測定したところ+2mmであった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は表面層用材料のガラス転移温度の380℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=6.4であった。
〔実施例3〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。この金型を取り出し冷却後、同様にディップ法で表面層用材料3を塗布した。その後、120℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間乾燥を行った。その後、300℃まで加熱し、カーボンブラックを含有した無端状ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが74μm、表面層の厚みが7μmであり、端部平面度を測定したところ±0mmであった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は表面層用材料のガラス転移温度の250℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=5.0であった。
〔比較例1〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。その後、340℃まで加熱し、無端状カーボンブラック含有ポリイミドフィルム(中間転写体)を作製した。
単層中間転写体は、厚みが80μmであり、端部平面度を使用の温度23℃で測定したところ−4.7mmであった。
〔比較例2〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。この金型を取り出し冷却後、実施例1と同様に表面層用材料1を塗布した。その後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間入れ乾燥を行った。その後、320℃まで加熱し、無端状カーボンブラック含有ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが67μm、表面層の厚みが13μmであり、端部平面度を使用の温度23℃で測定したところ+4.2mmであった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は表面層用材料のガラス転移温度の290℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=8.6であった。
(比較例3)
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。この金型を取り出し冷却後、実施例2と同様に表面層用材料2を塗布した。その後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間入れ乾燥を行った。その後、380℃まで加熱し、無端状カーボンブラック含有ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが78.5μm、表面層の厚みが2μmであり、端部平面度を使用の温度23℃で測定したところ−4.5mmであった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は表面層用材料のガラス転移温度の380℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=1.9であった。
〔比較例4〕
基層用材料をディップ法でφ302mmのアルミ製金型外面に塗布後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら1時間乾燥を行った。この金型を取り出し冷却後、実施例1と同様に表面層用材料1を塗布した。その後、150℃に設定した乾燥機中で回転させながら0.5時間入れ乾燥を行った。その後、320℃まで加熱し、無端状カーボンブラック含有ポリイミドフィルム(複層中間転写体)を作製した。
複層中間転写体は、基層の厚みが41μm、表面層の厚みが39μmであり、端部平面度を使用の温度23℃で測定したところ外側に反り返り測定不能であった。
また、この結果を式(1)に当てはめ、T2は成型温度の380℃、T1は使用時の温度23℃として計算すると、D=22.1であった。
Figure 2005309053
Figure 2005309053
以上のような結果より、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとからなるポリイミドを基層に持つ複層中間転写体において、線膨張率の大きな材料からなる表面層を形成し、D値を2以上8以下とすることで、端部平面度の優れたベルトが得られる事がわかる。また、D値を2以上8以下とする事で端部平面度が±4mm以下のベルトを得られることが判る。
これは、ポリイミドが形成された後の冷却時にビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンからなるポリイミドベルト端部は内側へ折れ曲がろうとするが、表面側のポリイミドはビフェニールテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンよりも線膨張率が大きいためより大きく収縮し、その結果、外側方向への応力が発生し折れ曲がりを防止できると考えられる。
また、線膨張率、縦弾性率、成形時の温度、表面層厚みを最適化することで、端部平面度の優れたベルトを得られる。
端部平面度の測定法を説明するための概略説明図である。
符号の説明
10a,10b・・・金属ロール
20・・・中間転写体

Claims (2)

  1. 基層と表面層とを有する複層中間転写体において、
    前記基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなり、
    前記表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも大きく、
    下記式(1)で表される変位量Dが2以上8以下であることを特徴とする複層中間転写体。
    Figure 2005309053
    (上記式(1)中、α1は基層材料の線膨張率(/K)を示し、h1は基層の厚み(mm)を示し、E1は基層材料の縦弾性率(MPa)示し、α2は表面層材料の線膨張率(/K)を示し、h2は表面層の厚み(mm)を示し、E2は表面層材料の縦弾性率(MPa)を示す。また、T2は、「表面層形成時の温度(K)」および「表面層材料のガラス転移点(K)」のうち低い方の温度を示し、T1は使用時の温度(K)を示す。さらに、m=E1/E2、n=h1/h2とする。)
  2. 基層と表面層とを有する複層中間転写体において、
    前記基層が、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを含有するポリアミック酸組成物をイミド転化させてなるポリイミド樹脂からなり、
    前記表面層の線膨張率が基層の線膨張率よりも大きく、
    端部平面度が±4mm以下であることを特徴とする複層中間転写体。
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