JP2019200318A - ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
未変性イミド系樹脂(A)と、シロキサン変性イミド系樹脂(B)と、シロキサン処理された導電剤(C)と、を含有するイミド系樹脂層を有するベルト。
<2>
前記シロキサン処理された導電剤(C)がシロキサン処理されたカーボンブラックである<1>に記載のベルト
<3>
前記シロキサン処理された導電剤(C)の前記シロキサン処理がジメチルシロキサン処理である<1>又は<2>に記載のベルト。
<4>
前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)がジメチルシロキサン変性イミド系樹脂である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のベルト。
<5>
前記未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対する前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量が5質量部以上50質量部以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のベルト。
<6>
前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量が10質量部以上40質量部以下である<5>に記載のベルト。
<7>
前記未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対する前記シロキサン処理された導電剤(C)の含有量が10質量部以上40質量部である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のベルト。
<8>
前記シロキサン処理された導電剤(C)の含有量が15質量部以上30質量部以下である<7>に記載のベルト。
<9>
前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)に対する前記シロキサン処理された導電剤(C)の質量比が0.2以上8.0以下である<5>〜<8>のいずれか1つに記載のベルト。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1つに記載のベルトからなる無端ベルト。
<11>
<10>に記載の無端ベルトからなる中間転写ベルト。
<12>
<10>に記載の無端ベルトを備える画像形成装置。
未変性イミド系樹脂とシロキサン変性イミド系樹脂と導電剤とを含有するイミド系樹脂層を有するベルトにおいて、導電剤が未処理導電剤である場合に比べ、屈曲耐久性に優れるベルトが提供される。
未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対するシロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量が5質量部未満又は50質量部超えである場合に比べ、屈曲耐久性に優れるベルトが提供される。
未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対してシロキサン処理された導電剤(C)の含有量が10質量部未満又は40質量部超えである場合に比べ、屈曲耐久性に優れるベルトが提供される。
<9>に係る発明によれば、
未変性イミド系樹脂とシロキサン変性イミド系樹脂と導電剤とを含有するイミド系樹脂層を有するベルトにおいて、導電剤が未処理導電剤であるものを適用した場合に比べ、屈曲耐久性に優れる無端ベルト、無端からなる中間転写ベルト、及び前記無端ベルトを備える画像形成装置が提供される。
さらに、ベルトの樹脂層中に導電剤が配合されていることにより、変形応力に対してベルトの伸びが抑制され、常にベルトに高い負荷が掛かり、耐久性の面から長期的に使用することが困難であった。
それに対し、本実施形態のベルトは、未変性イミド系樹脂(A)と、シロキサン変性イミド系樹脂(B)と、シロキサン処理された導電剤(C)と、を含有するイミド系樹脂層を有している。
このイミド系樹脂層に含まれるシロキサン変性イミド系樹脂(B)は、イミド基及びシロキサン結合基を有している。また、イミド系樹脂層に含まれる未変性イミド系樹脂(A)はイミド基を有しており、シロキサン処理された導電剤(C)はシロキサン結合基を有している。
それゆえ、シロキサン変性イミド系樹脂(B)は、イミド基を持つもの同士の親和性により未変性イミド系樹脂(A)との親和性が高く、また、シロキサン結合基を有しているもの同士の親和性により導電剤(C)との親和性も高い。
したがって、本実施形態のベルトのイミド系樹脂層に含まれる、未変性イミド系樹脂(A)とシロキサン変性イミド系樹脂(B)とシロキサン処理された導電剤(C)は互いによく混ざり合い、特にシロキサン処理された導電剤(C)は、前述した親和性によりシロキサン変性イミド系樹脂(B)との界面の接着強度は高いものであり、また、イミド樹脂層中における分散性は高いものであると考えられる。
さらに、シロキサン変性イミド系樹脂(B)とシロキサン処理された導電剤(C)の両者は共に、シロキサン基を有しており、シロキサン基は分子構造上、回転自由度が高い官能基であるため、本実施形態のベルトは、繰り返し変形応力に対して追従性を発揮し、長期使用に際し耐久性が発揮されるものと考えられる。
以上から、本実施形態では、屈曲耐久性に優れるベルトが得られると推測される。
上記構成とすることで、本実施形態に係るベルトは、屈曲耐久性、抵抗安定性、及び寸法安定性に優れたものである。また、本実施形態に係るベルトを、例えば電子写真用ベルトとして使用した場合、トナー付着が低減されるためクリーニング不良が抑制される。
本実施形態に係るベルトは、有端ベルトであっても、無端ベルトであってもよく、それらは、イミド系樹脂層のみからなる単層のベルトであってもよいし、その他の層を更に含む積層構造のベルトであってもよい。
未変性イミド系樹脂(A)として、ベルトの屈曲耐久性向上の観点から、ポリイミド樹脂、及びポリエーテルイミド樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましく、ポリエーテルイミド樹脂であることがより好ましい。
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂としては、酸無水物基を有する3価のカルボン酸(トリカルボン酸)と、イソシアネート又はジアミンとの重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
ポリエーテルイミドは、例えば、エーテル結合を含むジカルボン酸二無水物と、ジアミンとの重合反応により得られたものが挙げられる。つまり、ポリエーテルイミドは、例えば、エーテル結合を含むジカルボン酸二無水物とジアミンとから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有するポリエーテルイミドが挙げられる。
前記ジアミンは、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは、1種単独で使用してもよいし、それらのうち選択される2種以上を併用してもよい。
シロキサン変性イミド系樹脂(B)は、イミド系樹脂をシリコーン樹脂により変性して得られ、シロキサン結合を有するイミド系樹脂である。変性対象であるイミド系樹脂は前述したとおりである。
シリコーン樹脂として、公知のシリコーン樹脂から選択でき、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられるが、イミド系樹脂への処理のし易さの観点から、ジメチルシロキサン樹脂が特に好ましい。
なお、シロキサン変性イミド系樹脂の変性量は、シロキサン変性イミド系樹脂全体の分子量に対するシロキサン基量とする。
未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対するシロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量は、ベルトの屈曲耐久性向上の観点から、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上40質量部以下であることがより好ましい。
シロキサン処理された導電剤(C)とは、シリコーン樹脂による表面被覆処理により導電剤の表面にシロキサン基が付与された導電剤のことを示す。
シリコーン樹脂として、公知のシリコーン樹脂から選択でき、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられるが、イミド系樹脂への処理のし易さの観点から、ジメチルシロキサン樹脂が特に好ましい。
表面処理カーボンブラックは、その表面に、例えば、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、ヒドロキシル基等を付与して得られる。前記表面処理の方法としては、例えば、高温雰囲気下で空気と接触して反応させる空気酸化法、常温(例えば、22℃)下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、高温雰囲気下での空気酸化後、低温でオゾンにより酸化する方法等を挙げられる。
導電剤の平均一次粒子径の上限値を50nm以下であれば、イミド系樹脂層内において導電剤の分散性が十分に得られるため、ベルトの表面平滑性が向上し好ましい。一方、導電剤の平均一次粒子径の下限値として、分散時の凝集抑制の観点から、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
まず、得られたベルトから、ミクロトームにより、100nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、導電剤(導電性粒子)50個の各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として、その平均値を平均一次粒子径とする。
未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対するシロキサン処理された導電剤(C)の含有量として、ベルトの屈曲耐久性向上の観点から、10質量部以上40質量部以下であることが好ましく、15質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
また、シロキサン変性イミド系樹脂(B)に対する前記シロキサン処理された導電剤(C)の質量比が、ベルトの屈曲耐久性向上の観点から、0.2以上8.0以下であることが好ましく、0.4以上6.0以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るベルトのイミド系樹脂層は、上述した成分以外の成分であるその他の成分を含むことができる。
例えば、ベルトの熱劣化を防止するための酸化防止剤、流動性を向上させるための界面活性剤、耐熱老化防止剤等、特に、画像形成装置のベルトに配合される公知の添加剤が挙げられる。また、強度を向上させるため、シリコーンパウダー、シリコーンオイル含有シリカ等のケイ素含有粒子を配合してもよい。
その他の成分の含有量は、イミド系樹脂層に対して50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。
イミド系樹脂層の厚さはベルトの用途に応じて適宜調整できるものであるが、ベルトの屈曲耐久性向上の観点から20μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る管状体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、未変性イミド系樹脂、シロキサン変性イミド系樹脂、及びシロキサン処理された導電剤を含む混合樹脂ペレットを作製し、溶融押出してイミド系樹脂層を形成し、イミド系樹脂層を含むベルトを製造することができる。
混合樹脂ペレットは、目標とする表面抵抗率、表面粗さ、繰り返し屈曲耐久性、寸法安定性等に応じて、各成分を配合すればよい。
−混合樹脂ペレットの作製−
未変性イミド系樹脂としてポリエーテルイミド樹脂(「ULTEM1010V」、サビック社製)100質量部、シロキサン変性イミド系樹脂としてシロキサン変性ポリエーテルイミド樹脂10質量部(「シルテム1500」、ジメチルシロキサン変性、シロキサン変性量50質量%、サビック社製)、シロキサン処理された導電剤としてシロキサン処理カーボンブラック(「OTS−8(商品名)」、ジメチルシロキサン変性、大東化成社製)20質量部を用いた。
まず、未変性イミド系樹脂とシロキサン変性イミド系樹脂とを予め前述の配合量となるように混合ミキサーを用いてブレンドして、ブレンドされた樹脂組成物を得た。
混合樹脂ペレットを一軸溶融押出機(L/D24、溶融押出装置(三葉製作所社製))に投入(加熱温度340℃)し、330℃に設定した金型ダイとニップルの間隙から溶融押出しながら、溶融樹脂の内周面に円筒状のインナーサイジングダイの外面を接触させて冷却し、その後所定の幅に切断し、平均膜厚120μmの無端ベルトを得た。
混合樹脂ペレットの作製において、シロキサン変性イミド系樹脂としてシロキサン変性ポリエーテルイミド樹脂(「シルテム1500」、サビック社製)30質量部用いた以外は、実施例1と同様に無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、シロキサン変性イミド系樹脂としてシロキサン変性ポリエーテルイミド樹脂(「シルテム1500」、サビック社製)50質量部用いた以外は、実施例1と同様に無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、未変性イミド系樹脂としてポリイミド樹脂(「オーラム(商品名)」、三井化学社製)を用い、シロキサン変性ポリエーテルイミド樹脂(「シルテム1500」、サビック社製)20質量部用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、シロキサン処理された導電剤としてシロキサン処理カーボンブラック30質量部用いた以外は、実施例2と同様に無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、ブレンドされた樹脂組成物に代えて、未変性イミド系樹脂であるポリエーテルイミド樹脂(「ULTEM1010V」、サビック社製)100質量部のみからなるものを用い、さらに、シロキサン処理カーボンブラックに代えて、シロキサン処理されてないカーボンブラック(「Monark880(商品名)」、CABOT社製)15質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、シロキサン変性樹脂イミドに代えて、未変性のポリエーテルイミド樹脂(「ULTEM1010V」、サビック社製)35質量部を用い、さらに、シロキサン処理された導電剤としてシロキサン処理カーボンブラック17質量部用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
混合樹脂ペレットの作製において、シロキサン変性樹脂イミドに代えて、未変性のポリエーテルイミド樹脂(「ULTEM1010V」、サビック社製)35質量部を用い、さらに、シロキサン処理カーボンブラックに代えて、シロキサン処理されてないカーボンブラック(「Monark880(商品名)」、CABOT社製)22質量部用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを得た。
各例で製造した無端ベルトについて、下記の評価を実施した。
試験方法:JIS−P8115:2001準拠(MIT試験機、試料幅15mm、引張り荷重1kgにおける破断までの耐久回数)
各例で得られた無端ベルトについて、周方向に幅15mm、長さ200mmの短冊状サンプルに切り取り、両端を固定し1kgfの引張張力をかけて、曲率形状R0.38の端子を支点として左右90°方向に繰返し屈曲(折り曲げ)させた。このときにサンプルが破断するまでの回数を耐屈曲回数として評価した。ここでは、常温常湿(温度22℃、湿度55%RH)環境下で上記試験を行った。
各例で得られた無端ベルトの表面抵抗率(logΩ/□)をAdvantest微小電流計(URプローブ/100V/荷重2kg/10秒)で測定した。ここでは、温度22℃、湿度55%RHの環境下で測定を行った。
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとしてそれぞれ富士ゼロックス社製画像形成装置「DocuPrint C2250」に搭載した。
そして、10℃/10%RHの低温低湿環境下において、50,000枚の画像出力後の無端ベルト(中間転写ベルト)の表面抵抗率(logΩ/□)について、画像出力前の表面抵抗率と同様に測定した。
各例で得られた無端ベルトの表面粗さRa(μm)を、サーフコム(東京精密社製)等を使用してJIS−B0601:2001に準拠して測定した。
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとしてそれぞれ富士ゼロックス社製画像形成装置「DocuPrint C2250」に搭載した。
そして、温度20〜25℃、相対湿度50〜55%の環境下において、50,000枚の画像出力後のベルト(中間転写ベルト)の表面粗さRa(μm)について、画像出力前の表面抵抗率と同様に測定した
各例で得られた無端ベルトを、45℃、90%RHの環境と、45℃、10%RHの環境とを交互に設定できる恒温槽にて、環境変化前後の伸縮量について測定した。測定方法は以下の方法で行った。
各例で得られた無端ベルトから長辺30cm×短辺2.5cmの試料を採取し、試料を45℃、90%RHの環境下で48時間吊架した後の試料の長辺の寸法を測定し、次いで試料を45℃、10%RHの環境下で48時間吊架した後の試料の長辺の寸法を測定した。45℃、90%RHの環境下で48時間吊架した後の試料の長辺の寸法に対する45℃、10%RHの環境下で48時間吊架した後の試料の長辺の寸法の割合を伸長率とした。
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製C2250」に搭載し、10℃/10%RHの低温低湿環境下(転写時における中間転写ベルト表面での用紙剥離にともなう放電が起きやすい環境下)で、連続、50,000枚の画像出力した後、ハーフトーン(マゼンダ30%)画像について画質評価を行った。 また、この連続、50,000枚の画像出力前後の無端ベルト(中間転写ベルト)の表面抵抗率(常温常湿(22℃55RH%)、印加電圧100V)を測定した。
ここで、画質評価は以下の基準で評価した。
A:画像濃度低下なし
B:わずかに画像濃度が低下
C:画像濃度低下あり(許容できないレベル)
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとしてそれぞれ富士ゼロックス社製画像形成装置「DocuPrint C2250」に搭載した。40℃、95%RHの環境下で100時間放置した後、10℃、10%RHの環境下で、A5用紙にハーフトーン(マゼンダ30%)画像を連続、1,000枚の画像出力を行い、中間転写ベルトの変形等による画質への影響を確認した。ここで、10枚目の画像と1,000枚目の画像を目視にて比較し、以下の基準で画質評価を行った。
A:画像濃度低下なし
B:わずかに画像濃度が低下
C:画像濃度低下あり(許容できないレベル)
また、本実施例の無端ベルトは、画像出力前後において、無端ベルトの表面抵抗率に顕著な低下がみられず、また、ベルトに表面荒れが発生しなかった。一方、比較例のベルトは、画像出力前後において、ベルトの表面抵抗率に顕著な低下がみられ、また、ベルトに表面荒れが発生したことがわかる。
また、クリーニング耐久試験において、本実施例の無端ベルトは、画像濃度低下はみられなかったが、比較例の無端ベルトは、無端ベルトの表面荒れに起因するクリーニング不良から生じる画像白スジや、画像出力前後の顕著な表面抵抗の低下によるハーフトーン画像濃度斑の発生がみられた。
また、吸湿寸法変化が画像形成に及ぼす実機における画像評価結果についてみると、本実施例のベルトは、画像への影響見受けられなかったが、比較例の無端ベルトは画質不良が発生したため、本実施例のベルトは、吸湿下における画像形成において画質に優れるといえる。
したがって、本実施例で得られた無端ベルトは、吸湿による寸法安定性に優れ、かつ、トナー付着が低減されクリーニング性が良好であることがわかる。
10 一次転写部
11 感光体
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100 画像形成装置
Claims (12)
- 未変性イミド系樹脂(A)と、
シロキサン変性イミド系樹脂(B)と、
シロキサン処理された導電剤(C)と、
を含有するイミド系樹脂層を有するベルト。 - 前記シロキサン処理された導電剤(C)がシロキサン処理されたカーボンブラックである請求項1に記載のベルト。
- 前記シロキサン処理された導電剤(C)の前記シロキサン処理がジメチルシロキサン処理である請求項1又は請求項2に記載のベルト。
- 前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)がジメチルシロキサン変性イミド系樹脂である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のベルト。
- 前記未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対する前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量が5質量部以上50質量部以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のベルト。
- 前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)の含有量が10質量部以上40質量部以下である請求項5に記載のベルト。
- 前記未変性イミド系樹脂(A)100質量部に対する前記シロキサン処理された導電剤(C)の含有量が10質量部以上40質量部である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のベルト。
- 前記シロキサン処理された導電剤(C)の含有量が15質量部以上30質量部以下である請求項7に記載のベルト。
- 前記シロキサン変性イミド系樹脂(B)に対する前記シロキサン処理された導電剤(C)の質量比が0.2以上8.0以下である請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載のベルト。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のベルトからなる無端ベルト。
- 請求項10に記載の無端ベルトからなる中間転写ベルト。
- 請求項10に記載の無端ベルトを備える画像形成装置。
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