JP2004284164A - 半導電性シームレスベルトの製造方法 - Google Patents

半導電性シームレスベルトの製造方法 Download PDF

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Toru Kawashima
徹 川嶋
Tadanori Domoto
忠憲 道本
Tomoyuki Kasagi
智之 笠置
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Abstract

【課題】半導電性シームレスベルトの製造方法に関し、導電性フィラーの凝集を抑え、良好な可撓性を有する半導電性シームレスベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて作製した分散液中で、ポリアミド酸との混合あるいはポリアミド酸中での重合をさせた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して所定量のイミド化触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、金属製円筒状金製内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、塗膜を均一にゲル化する工程と、前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、からなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性シームレスベルトの製造方法に関するもので、例えば、電子写真式画像形成装置に用いられるシームレスベルトの製造方法として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ及びこれらの複合装置などの電子写真式画像形成装置においては、一般的に、帯電させた感光体の表面に、画像読取装置で得られた画像に対応する静電潜像を形成し、現像器によってトナー画像とした後、シームレスベルトからなる中間転写体に静電転写(一次転写)し、中間転写体から紙等へ再度転写(二次転写)して定着ロールまたは定着ベルトで加熱定着される。また、中間転写体だけではなく、感光体や転写を兼ねた定着等にもシームレスベルトの使用が検討されるようになってきている。
【0003】
従来より、シームレスベルトの材料としては、成形性が良いこと、軽量であること等の理由からプラスチック材料が使用され、このプラスチック材料としては、耐熱性、機械的強度、耐環境特性に優れることから、ポリイミド系樹脂を使用したポリイミド系シームレスベルトの検討がなされている。また静電的な転写方式に用いられるベルト材料に要求される特性としては、表面抵抗値が10 〜1013Q・cm程度の、いわゆる中抵抗を有することが挙げられる。そこで、ポリイミド樹脂中に多量のカーボンブラックを含有せしめる手法が一般的に用いられている(例えば特許文献1または2参照)。
【0004】
一方、有機ジアミンとテトラカルボン酸から製造されるポリアミド酸にイオン解離定数が少なくとも1×10−10 のルイス塩基である3級アミンを存在せしめ、ポリイミドへ転化する方法により触媒の存在で加熱しポリイミドに変え、強度低下の原因となる加水分解を抑制する方法が公知である(例えば特許文献3参照)。また、無水酢酸などの脱水剤と前記3級アミン化合物とをポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液に混合し、脱水反応であるイミド転化反応を促進する化学キュア法がよく知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−77252号公報
【特許文献2】
特開平10−63115号公報
【特許文献3】
特公昭39−30060号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリイミド樹脂の合成、製膜は複雑な工程を経るためこのカーボンブラックの凝集による不具合、即ち抵抗率のばらつきや使用中の電気的負荷による電気抵抗値が低下する問題がある。このような電気抵抗値の低下は転写時にベルトに過大な電流を流すため、該ベルトを中間転写ベルトに用いた場合、トナーのチリ(飛散)等画像上の不具合を発生させる。このような抵抗低下は、電子写真方式の画像形成装置における半導電性ベルトの寿命の短命化につながり、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを押し上げる結果につながる。
【0007】
また、樹脂中に存在する多量のカーボンブラックは、樹脂の可撓性を著しく低下させ、このようなベルトを装置中に組み込んだ際、クラック発生などの部品破損が生じるまでの期間、すなわちこれも電子写真方式の画像形成装置における半導電性ベルトの寿命の短命化につながり、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを押し上げる結果につながる。
【0008】
さらに、触媒の存在で加熱しポリイミド化する方法や化学キュア法では、ポリアミド酸溶液に脱水剤と3級アミンを混入した直後からイミド転化反応が誘起され固化しやすいため、反応を抑制するための冷却装置や溶液の混合機等の大掛りな設備の管理、あるいは温度や環境等の高度な管理が要求される等という問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ポリイミド樹脂の合成、製膜は複雑な工程を経てもカーボンブラックの凝集が抑えられ、かつカーボンブラックを多量に充填した場合でも良好な可撓性を有する半導電性シームレスベルトが容易に得られる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、半導電性シームレスベルトについて鋭意研究したところ、下記のシームレスベルトの製造方法によって良好な可撓性を有する半導電性シームレスベルトを提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、半導電性シームレスベルトの製造方法において、(1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液とポリアミド酸を混合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド化転触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、そして(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、からなることを特徴とする。かかる製造方法により、均一に分散された導電性フィラーがベルト製膜されるまで、著しい凝集を起こすことがないため、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられ、かつイミド化触媒と脱水剤の使用で、可撓性に優れたシームレスベルトを提供することができる。従って、ベルトの長寿命化が達成され、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを低減できる。
【0012】
また、(1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液中でポリアミド酸を重合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド転化触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、そして(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、からなることを特徴とする。かかる製造方法により、さらに均一に分散された導電性フィラーの凝集を防止し、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられた可撓性に優れたシームレスベルトを提供することができる。
【0013】
このとき、前記導電性フィラーをカーボンブラックとし、前記高分子分散剤が少なくともポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことが好適である。少量の添加で、所望の表面抵抗率を出現させるには、カーボンブラックが好ましく、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含む高分子分散剤を用い、ポリアミド酸溶液との溶解性の優れた有機極性溶媒との組合せによって、カーボンブラックの分散性がより高まることとなる。
【0014】
また、前記有機極性溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなることが好適である。こうした有機極性溶媒は、低分子量で成型品からの除去が容易であり、かつカーボンブラックの分散性に優れた特性を有する。
【0015】
さらには、前記イミド化触媒が第3級アミンを含むことが好適である。触媒自体の安定性が高く、イミド化の制御が容易で、かつ、急激な反応を生じることがない点において、本発明に好適な触媒であるといえる。
【0016】
本発明は、上記のいずれかに記載の製造方法によって作製された半導電性シームレスベルトであって、当該ベルトの表面抵抗率の常用対数値が8〜13(logΩ/□)であることを特徴とする。
【0017】
また、上記のいずれかに記載の製造方法によって作製された半導電性シームレスベルトであって、放電劣化試験前と放電劣化試験後の表面抵抗率の差が、常用対数値で2.0(logΩ/□)以下であることが好適である。こうした特性を有するベルトによって、使用中の部分放電の発生による抵抗値低下および過電流に伴うベルトの寿命低下を防止することができる。
【0018】
さらに、上記のいずれかに記載の製造方法によって作製された半導電性シームレスベルトであって、当該ベルトの引張弾性率が4000MPaかつ耐折強さが100回以上であることが好適である。こうした特性を有するベルトによって、転写方式等に用いられるベルト材料に要求される機械的な強度・弾性を満たし、かつ可撓性に優れたシームレスベルトを提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
つまり、本発明者らは、導電性フィラーを特定の分散剤で特定の有機溶媒中に保護、分散させることで、ポリアミド酸との混合時にもポリアミド酸中での重合時にもフィラーの凝集を起こすことがないことを見出した。また、該導電性フィラーを含有する半導電性ポリアミド酸溶液の製膜の際、特定のイミド転化触媒の存在下で製膜することにより、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられさらに導電性フィラーを多く充填しても可擦性のあるシームレスベルトが作製できることを見出した。
【0020】
具体的には、本発明は、半導電性シームレスベルトの製造方法において、
(1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液とポリアミド酸を混合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド化転触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、
(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、
(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、
からなることを特徴とする。
【0021】
上記工程からなる半導電性シームレスベルト製造方法によると、均一に分散された導電性フィラーがベルト製膜されるまで、著しい凝集を起こすことがない。このため、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられ、かつイミド化触媒の使用で、可撓性に優れたシームレスベルトを提供できるため、ベルトの長寿命化が達成され、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを低減できる。
【0022】
また、本発明は、半導電性シームレスベルトの製造方法であって、
(1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液中でポリアミド酸を重合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド転化触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、
(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、
(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、
からなることを特徴とする。
【0023】
上記工程からなる半導電性シームレスベルト製造方法により、上述のように、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられ、かつ可撓性に優れたシームレスベルトを提供できるため、ベルトの長寿命化が達成され、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを低減できる。特に、分散液中でポリアミド酸を重合させることで、導電性フィラーが分散した状態を固定化することができることから、さらに凝集の発生を防止することができるという特有の効果を得ることができ、より優れた可撓性のあるシームレスベルトを作製することができる。
【0024】
このとき、前記導電性フィラーをカーボンブラックとし、前記高分子分散剤が少なくともポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことが好適である。 つまり、導電性フィラーとしては、例えばケッチェンブラックやアセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケルのような金属、酸化錫のような酸化金属化合物やチタン酸カリウム等の導電性粉末、あるいはポリアニリンやポリアセチレンのような導電性ポリマー等の適宜なものの1種又は2種以上を用いることができる。また、高分子分散剤については、後述のように多種のポリマーの使用が可能であるが、少なくともポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことによって、ポリアミド酸溶液との溶解性の優れた有機極性溶媒との組合せによって、カーボンブラックの分散性がより高まることとなる。
【0025】
また、前記有機極性溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなることが好適である。つまり、有機極性溶媒については、後述のように多種の溶剤の使用が可能であるが、特に上記のような有機極性溶媒は、低分子量で成型品からの除去が容易であり、かつ導電性フィラー、特にカーボンブラックの分散性に優れた特性を有する。従って、こうした有機極性溶媒を使用することで、表面抵抗率のバラツキの少ない、電気抵抗値の低下が生じないベルトを容易に作製することができる。
【0026】
さらに、前記イミド化触媒が、第3級アミンを含むことが好適である。つまり、本発明における化学イミド化触媒については、触媒自体の安定性が高く、イミド化の制御が容易で、かつ、急激な反応を生じることがないことが好ましく、第3級アミンを含む触媒は好適であるといえる。第3級アミンの具体的な化合物については、後述する。
【0027】
また、本発明に係る半導電性シームレスベルトは、表面抵抗率の常用対数値が8〜13(logΩ/□)であることが好適である。表面抵抗率が13(logΩ/□)を超えると、電子写真式画像形成装置に用いられた場合等において、ベルトの残留電位が高くなり、転写不良が生じ、画質が乱れやすくなり好ましくない。また、表面抵抗率が8(logΩ/□)未満であれば、トナーのチリ(飛散)がおこり画質が粗くなってしまうおそれがある。上記の製造方法は、従来の方法では困難であったシームレスベルトにおけるこうした特性を確保するのに最適であり、可撓性を有しかつ安定した半導電性を有するシームレスベルトを容易に提供することができる。なお、ここでいう表面抵抗率は、後述の<評価方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0028】
さらに、本発明に係る半導電性シームレスベルトは、放電劣化試験前と放電劣化試験後の表面抵抗率の差が、常用対数値で2.0(logΩ/□)以下であることが好適である。導電性フィラーなどがベルト内において均一に分散していないと、電子写真式画像形成装置に用いられた場合等において、部分的に放電が生じることがあり、逆に、放電試験を行うことによって、こうした欠陥を検知することができる。具体的には、放電劣化試験前後での表面抵抗率の差が2.0(logΩ/□)を超えると、使用中の部分放電の発生による抵抗値低下や過電流に伴うベルトの寿命低下を生じることがあり、予め係る試験によって確認・選別されたベルトを供給することで、長期間安定した転写等が可能となる。なお、ここでいう放電劣化試験は、後述の<評価方法>に記載した方法を基準として行うものとする。
【0029】
また、本発明に係る半導電性シームレスベルトは、引張弾性率が4000MPaかつ耐折強さが100回以上であることが好適である。つまり、転写方式等に用いられるベルト材料には一定の機械的な強度・弾性が要求され、引張弾性率あるいは耐折強さが上記よりも小さい場合には、ベルトが破損しやすくなり好ましくない。上記製造方法によって作製された、強度・可撓性に優れたシームレスベルトを提供することによって、電子写真式画像形成装置における長期間安定した転写等が可能となる。なお、ここでいう引張弾性率および耐折強さは、後述の<評価方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0030】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
まず、前記有機極性溶媒中にカーボンブラック及び高分子分散剤を添加、分散してカーボンブラック分散液を調製する。本発明に用いるカーボンブラックは、平均粒子径が5〜100nmであり、好ましくは10〜70nmであり、より好ましくは15〜60nmである。平均粒子径が5nm未満のものは、実質的に入手することが困難であり、平均粒子径が100nmを越える場合、該カーボンブラックを含有したポリイミド樹脂組成物の表面粗さ、機械的強度及び電気抵抗制御性等の観点から実用上満足できるものが得られ難いからである。前記平均粒子径は、電子顕微鏡などで測定された一次粒子径に基づく平均粒子径を示す。また、前記カーボンブラックは、粒子表面にポリマーをグラフト化させたり、絶縁材を被覆したりすることで電気抵抗を制御してもよく、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施してもよい。本発明に用いるカーボンブラックとしては、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
【0031】
具体的には、ファーネスブラックとして、デグサ・ヒュルス社製の「SpecialBlack550」、「Special Black350」、「Special Black250」、「Special Black100」、「Printex 35」、「Printex 25」、三菱化学社製の「MA7」、「MA77」、「MA8」、「MA11」、「MA100」、「MA100R」、「MA220」、「MA230」、キャボット社製、「MONARCH 1300」、「MONARCH 1100」、「MONARCH 1000」、「MONARCH 900」、「MONARCH 880」、「MONARCH 800」、「MONARCH 700」、「MOGUL l」、「REGAL 400R」、「VULKAN XC−72R」等が挙げられ、チャンネルブラックとしてデグサ・ヒュルス社製の「Color B1ack FW200」、「Color Black FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color Black FW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」,「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等が挙げられ、単独及び複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。
【0032】
本発明に用いられる高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩害の分散安定化剤を用いることもできる。本発明においては、カーボンブラックの分散性がより高まることから、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことが好ましい。
【0033】
本発明に用いる有機極性溶媒は、導電性フィラー、特にカーボンブラックの分散性を高めるものであれば特に制限されないが、N,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えば低分子量のものとしてN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは、蒸発、置換又は拡散によりポリアミド酸及びポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、分散方法としては公知の方法が適用でき、ポールミル、サンドミル、バスケットミル、超音波分散等が挙げられる。
【0034】
次に、半導電性ポリアミド酸溶液を調製するためには、有機極性溶媒中にジアミンと酸二無水物を溶解し、重合反応後得られたポリアミド酸溶液中に該カーボンブラック分散液を添加し混合・攪拌する方法、該カーボンブラック分散液中にジアミン及び酸二無水物を溶解し、重合反応する方法等が挙げられるが、カーボンブラックの分散性を均一にするためには、後者の方法が好ましい。
【0035】
酸二無水物成分としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0036】
ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−t−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロへキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへブタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H N(CH O(CH OCH NH 、H N(CH S(CH NH 、H N(CH N(CH (CH NH 等が挙げられる。
【0037】
これらの酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうるが、溶解性等の点から有機極性溶媒が好ましく用いられ、カーボンブラックの分散用と重合反応の溶媒用とを兼用できるものがより好ましい。
【0038】
各原料の配合量に関しては、最終的に得られるポリイミド樹脂組成物の目的とする用途により、これに適合した組成を実験的に検討する必要がある。例えば、表面抵抗率の常用対数値が8〜13(logΩ/□)である半導電性シームレスベルトを得るためのカーボンブラックの添加量は、ポリイミド樹脂固形分に対し10〜40重量%程度が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。前記抵抗領域を発現するためには高導電性カーボンブラックを用いる必要があり、このような高導電性カーボンブラックを10重量%より少ない低添加量で加えると、安定した抵抗を再現よく製造するのが困難となる場合がある。−万、40重量%より多いと、ポリイミド樹脂本来の高い機械特性が損なわれ、脆性が発現し、ベルトを複数の駆動ローラ等により駆動する際にベルト端面に亀裂を生じることがある。
【0039】
前記半導電性ポリアミド酸溶液のモノマー濃度(溶媒中の酸二無水物成分とジアミン成分の濃度)は、種々の条件に応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、重合反応は窒素雰囲気下で行い、反応温度は60℃以下に設定することが好ましく、反応時間は0.5〜10時間程度が好ましい。半導電性ポリアミド酸溶液は、重合反応の進行に従い、溶液粘度が増大するため、粘度を調整することができる。また、溶媒の添加等でモノマー濃度を下げることによって、粘度の調整も可能である。本発明における半導電性ポリアミド酸溶液の粘度は、通常、1〜1000Pa・sである。
【0040】
次に、該半導電性ポリアミド酸溶液にイミド転化触媒が添加され、均一混合された後、円筒状金型内で製膜されポリイミドへと転換される。
【0041】
本発明にかかるポリアミド酸溶液に添加する化学イミド化触媒としては、第3級アミンが好ましく、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、N−ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ビリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。これらは、アミド酸に対し、0.1〜2.0モル当量、好ましくは、0.4モル1.5モル当量添加され、室温付近または室温より高い温度で安定なため,特に冷却する必要はない。
【0042】
イミド転化触媒が添加された半導電性ポリアミド酸溶液は,ディスペンサーにより鏡面仕上げした円筒状金型の内周面に塗布される。内面に塗布された溶液は遠心成形の高速回転により、脱泡、レベリングされ厚みが均一で精度の良い樹脂層が得られる。回転数は、金型径にもよるが、通常500〜2000rpm、好ましくは、800〜1500回転である。
【0043】
金型内で回転成形により、均一な塗膜とされた半導電ポリアミド酸は、金型内でゆっくり回転されながら乾燥させられる。ポリアミド酸溶液中の溶媒が急激に蒸発するための微小ポイドの発生を防止するためには230℃以下が好ましく、加熱時間の短縮という観点から80℃以上が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。
【0044】
次いで、イミド転化反応完結や脱水閉環水の除去のために、さらに加熱される。通常、この時の加熱温度は上記溶媒蒸発温度以上から450℃以下、好ましくは250〜400℃、加熱時間は10〜60分である。
【0045】
完全イミド化された形成物は、次に、常温まで冷却後、金型より離型され、ベルト状物として取り出される。このようにして得られた半導電性シームレスベルトは、本発明の目的である良好な可撓性を有し、複写機、プリンタ等の転写搬送ベルト、中間転写ベルト、転写定着ベルト、感光体ベルトなどの機能性ベルトとして優れた特性を発揮することができる。併せて、その他広範囲な分野への用途展開も可能である。
【0046】
また、本発明の製造方法は、上記用途のシームレスベルトに限らずあらゆる分野に用いられるベルトに適用できる。
【0047】
以上は、ポリイミド樹脂について主に述べたが、同様の技術は、他の樹脂にも適用可能であることはいうまでもない。例えば、ポリアミドイミドやポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0049】
<評価方法>
(1)表面抵抗率とそのばらつき
ハイレスタUP、MCP−HTP16(三菱化学社製、プローブ:UR−100)にて印加電圧100V、10秒後、測定条件25℃、60%RHでの表面抵抗率を調べ、その表面抵抗率を常用対数値にて示した。各サンプルにつき9箇所を測定して、その変動幅により表面抵抗率のばらつきを評価した。
(2)放電劣化試験
サンプルにコロナ放電処理を行い放電劣化させることにより、電圧の集中による表面抵抗率の低下と同様の効果が得られる。実施例、比較例で得た各サンプルをコロナ放電試験機を用いて、電圧:70V、電流:3A、電極長さ0.3m、電極−サンプル間距離:3mm、サンプル移動速度:0.45m/minという条件下でコロナ放電処理を行い、処理前と処理後の表面抵抗率を測定して表面抵抗率の低下量(△ρs)を求めた。
(3)引張弾性率
JIS K6301に準じて、ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)について調べた。
(4)耐折強さ
JIS P8110に準じて、試験片(全長110mm/幅15mm)が破断するまでの往復折り曲げ回数を測定した。
【0050】
<実施例1>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1700g中にカーボンブラック(MA100、三菱化学社製、ファーネスブラック、一次粒子に基づく平均粒子径22nm)200gとポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)100gを添加した。ポールミルで12時間室温で攪拌することにより分散した後、#400ステンレスメッシュでろ過しカーボン濃度10%のカーボン分散液を得た。このカーボン液1923.39gを5000mlの4つ口フラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン2040.13gとp−フェニレンジアミン227.09g(2.1モル)を仕込み、常温で攪拌させながら溶解した。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物617.86g(2.1モル)を添加し、温度20℃で1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら攪拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が150Pa・sのカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液(固形分濃度20wt%、カーボンブラックの添加量樹脂に対して25部)を得た。このカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過した。
次に、前記半導電性シームレスベルト形成用ワニスのアミド酸に対し0.6モル当量のイソキノリンを添加し、均一攪拌したのち、ディスペンサーにより、直径200mm、長さ500mmの円筒状金型の内周面に厚みが600μmになるように塗布した。次に、回転成形機にて1500rpmで10分間回転させて均一厚の展開層としたのち、50rpmで回転させながら該円筒状金型の外側より130℃の熱風を5分間吹き付け乾燥させた後、300℃で2分間、380℃で10分間加熱処理して、溶媒の除去とイミド化を完結させた。その後、冷却、金型より剥離して、75μmの半導電シームレスベルトを得た。
【0051】
<実施例2>
実施例1で得られたカーボン液1442.93gを5000ml の4つ口フラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン1533.25gとp−フェニレンジアミン129.77g(1.2モル)と4,4’‐ジアミノジフフェニルエーテル60.06g(0.3モル)を仕込み、常温で攪拌させながら溶解した。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物441.33g(1.5モル)を添加し、温度20℃で1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら攪拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が130Pa・sのカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液(固形分濃度20wt%、カーボンブラックの添加量樹脂に対して25部)を得た。このカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過した。
次に、5℃に冷却した前記半導電性シームレスベルト形成用ワニスのアミド酸に対し0.3モル当量のイソキノリンを添加し、均一攪拌したのち、ディスペンサーにより、直径200mm、長さ500mmの円筒状金型の内周面に厚みが600μmになるように塗布した。ここまで溶液温度は5℃を維持していた。次に、回転成形機にて1500rpmで10分間回転させて均一厚の展開層としたのち、50rpmで回転させながら該円筒状金型の外側より100℃の熱風を5分間吹き付けゲル化させた後、300℃で5分間、380℃で10分間加熱処理して、溶媒の除去とイミド化を完結させた。その後、冷却、金型より剥離して、75μmの半導電性シームレスベルトを得た。
【0052】
<比較例1>
イミド化触媒をアミド酸に対して、0.05モル当量とした以外は、実施例1と同様にして、平均厚さ75μmのシームレスベルトを得た。
【0053】
<比較例2>
イミド転化触媒を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、平均厚さ76μmのシームレスベルトを得た。
【0054】
<比較例3>
イミド転化触媒を使用しないこと以外は実施例2と同様にして、平均厚さ76μmのシームレスベルトを得た。
【0055】
<比較例4>
分散剤を使用しない以外は実施例1と同様にして、平均厚さ75μmのシームレスベルトを得た。
【0056】
<比較例5>
分散剤、イミド化触媒を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、平均厚さ76μmのシームレスベルトを得た。
【0057】
<評価結果>
以上の実施例、比較例の評価結果を表1にまとめる。
【表1】
Figure 2004284164
表1の結果より、本発明の分散剤を用い、イミド転化触媒の存在下で製膜すれば、特におおがかりな設備や温度や環境などの高度な管理を必要とせず、表面抵抗のばらつきが小さくかつ可撓性のあるシームレスベルトが得られる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の半導電性シームレスベルト製造方法によると、均一に分散されたカーボンブラックがベルト製膜されるまで、著しい凝集を起こすことがないため、抵抗率のばらつきや電気抵抗値の低下が抑えられ、かつイミド転化触媒の使用で温度や環境の可撓性に優れたシームレスベルトを、提供できる。本発明の半導電性シームレスベルトを感光体ベルト基体や中間転写体として用いれば、安定した画像とベルトの長寿命化が達成され、ベルトの交換等のメンテナンスの手間とランニングコストを低減できる。
【0059】
このとき、前記導電性フィラーをカーボンブラックとし、前記高分子分散剤が少なくともポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことで、導電性フィラーを少量添加するだけで所望の表面抵抗率を出現させ、かつフィラーの分散性がより高まることとなる。
【0060】
また、前記有機極性溶媒が特定物からなる場合には、低分子量で成型品からの除去が容易であり、かつカーボンブラックの優れた分散性を有することができる。
【0061】
さらには、前記イミド化触媒が第3級アミンを含む場合には、触媒自体の安定性が高く、イミド化の制御が容易で、かつ、急激な反応を生じることがない点において、本発明に好適な触媒であるといえる。
【0062】
上記のいずれかに記載の製造方法によって作製され、所定の表面抵抗率を有する半導電性シームレスベルトについては、電子写真式画像形成装置に用いた場合等において、ベルトの残留電位による転写不良やトナーのチリなどの乱れのない画質を得ることができるという優れたシームレスベルトの供給が可能となる。
【0063】
また、上記のいずれかに記載の製造方法によって作製され、放電劣化試験前と放電劣化試験後の表面抵抗率の差が所定の範囲にある半導電性シームレスベルトについては、使用中の部分放電の発生による抵抗値低下および過電流に伴うベルトの寿命低下を防止することができる。
【0064】
さらに、上記のいずれかに記載の製造方法によって作製され、引張弾性率および耐折強さが所定の範囲にある半導電性シームレスベルトによって、転写方式等に用いられるベルト材料に要求される機械的な強度・弾性を満たし、かつ可撓性に優れたシームレスベルトを提供することができる。

Claims (5)

  1. (1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液とポリアミド酸を混合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド転化触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して、均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、からなることを特徴とする半導電性シームレスベルトの製造方法。
  2. (1)導電性フィラーを高分子分散剤の存在下で有機極性溶媒中に分散させて導電性フィラー分散液とし、該分散液中でポリアミド酸を重合させた半導電性ポリアミド酸溶液に、アミド酸に対して0.1〜2.0モル当量のイミド転化触媒を添加し、混合・攪拌することによって均一な溶液を得る工程と、(2)円筒状金型内に塗布し回転成形して,均一な厚みのポリアミド酸塗膜を形成する工程と、そして(3)前記ポリアミド酸をポリイミドに完全に転換させるのに十分な温度と時間で加熱する工程と、からなることを特徴とする半導電性シームレスベルトの製造方法。
  3. 前記導電性フィラーをカーボンブラックとし、前記高分子分散剤が少なくともポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導電性シームレスベルトの製造方法。
  4. 前記有機極性溶剤が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性シームレスベルトの製造方法。
  5. 前記イミド転化触媒が第3級アミンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性シームレスベルトの製造方法。
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