JP5081651B2 - 電子写真用中間転写媒体及び該中間転写媒体を用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置における中間転写媒体に関し、特に該中間転写媒体として用いる導電性ポリマーシートの膜厚方向の電気抵抗分布を実態に即した測定法により測定することによって得られた耐久性のある中間転写媒体、並びにその中間転写媒体を用いた画像形成装置に関する。
近年、フルカラー画像の複写やプリントが可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。フルカラー画像の転写材への転写方式としては、感光体等の像担持体上に形成される複数(通常はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の各色画像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写し、転写されたフルカラーのトナー像を一括して転写材(記録媒体)に転写する中間転写体ダブル転写方式(単に中間転写方式とも称する)が、ペーパーフリー性や全面コピーが可能等の点で有利であることから広く実用化されている。かかる画像形成装置において中間転写媒体は画像品質を左右するキーパーツの一つと位置付けられる。
電子写真方式を用いた画像形成装置には、像担持体を一つのみ持ち、その像担持体で各色について画像を形成するリボルバ方式、また、像担持体を各色1本で使用するタンデム方式がある。リボルバ方式では比較的コストが安く、また、タンデム方式ではコストが高くなるが、高速印刷を行なうことができる。現在の主流は、高速印刷が可能なタンデム方式である。なお、本発明でいう画像形成装置とは、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置あるいは印刷機、およびこれら機能を複合させた構成を有する画像形成装置を意味する。
本発明に用いる画像形成装置についてタンデム方式を例に挙げて説明する。
図5は中間転写方式を採用する画像形成装置である。図5において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像担持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。この装置は、4連タンデム構成の中間転写方式の画像形成装置にあたる。
上記各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、一次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写体22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、その表面に、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙(記録媒体)Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50上に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、二次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が転写される。このカラー画像が転写された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
ところで、上記の中間転写媒体は、押出成形法、遠心成形法、金型コーティング法、浸漬塗工等、あるいはそれらの組み合わせで作られている。押出成形法は量産性に向いているが、概して電気抵抗のばらつきが大きく、また寸法精度を確保しにくい欠点がある。遠心成形法と金型コーティング法は、所望の厚みが増すほど均一な乾燥が難しくなり、関連して、分散した導電性材料(フィラー)の分布(分散性)で決まるところの電気特性の固体内偏差が生じやすい欠点がある。
中間転写媒体は、(1)誘電体で形成されているか若しくは少なくともトナーが転写される中間転写媒体の表面のみ誘電体で形成されているか、或いは(2)誘電体でなく中抵抗材料で形成されているか、の2方式に大別されるが、上記の押出成形法、遠心成形法、金型コーティング法は、(2)の中抵抗タイプの中間転写媒体の製法としてふさわしく、他方、多くの場合は芯層材を用意して、これに浸漬塗工やスプレイ塗工やラミネートをもって多層化する製法は(1)の誘電体タイプの中間転写媒体の製法に適している。
誘電体タイプの中間転写媒体は、転写バイアスや摩擦帯電電荷に由来する電荷が次工程である転写工程に影響を及ぼし、電荷を除去するための特別な除電装置が必要となりコストが増大する。このため、最近は、中抵抗タイプの中間転写媒体が用いられることが多くなってきている。ただし、誘電体タイプか中抵抗タイプかは整然と区別できるわけではなく、現実の中間転写媒体は多かれ少なかれ両者の性質を併せ持っている。
本発明者らの経験による判断では、転写を伴う電子写真方式の作像プロセスにおいては、中抵抗タイプの中間転写媒体が最も好ましく、かつ、その構成の中核は、導電性材料をポリマー中に分散してなる層とすることが好ましい。かかる中間転写媒体の例は、たとえば特許文献1〜3に開示されている。
ところで、中間転写媒体の特性には、表面抵抗、体積抵抗等の電気特性と膜厚、硬度、弾性率、伸び、表面摩擦、可撓性等の機械特性があり、そのうち幾つかの特性の代表的な測定例を挙げれば次のとおりである。表面抵抗と体積抵抗は「JIS K6911 5.13.1」に基づいて測定できる。表面マイクロ硬度はマイクロゴム硬度計(例えば、高分子計器社製:MD−1)により測定できる。引張強度および破断強度は「JIS K7113」に基づいて測定できる。可撓性は耐屈曲回数として「JIS P8115」に基づいて測定できる。表面粗さRzは「JIS B0601−2001」に基づいて測定でき、触針式表面粗さ測定器(例えば、株式会社東京精密製Surfcom)が利用できる。静止摩擦係数は、例えばオイラーベルト式(日本機械学会編「機械工学便覧基礎編A3力学・機械力学」P35(1986年発行))で測定できる。これらの特性の測定は、業界や学会の標準的な測定方法を採用してもよく、再現性のよい手段ならば、独自に開発してもよいことはいうまでもない。
しかしながら、従来の中間転写媒体の特性測定では、中間転写媒体内部の材料的な実態を直接反映した三次元的な情報が得られないという、極めて根本的・本質的な問題があった。とりわけ、溶液に導電性材料を分散し、かかる溶液を成膜する中抵抗タイプの中間転写媒体では、三次元的な導電性材料の分散の状況が基本特性を決定付けるにも関わらず、その実態の確認手段は従来においては存在しなかった。
追加的な説明をすると、従来は、シート状部材の材質的な評価は、多くの場合、それを二次元体とみなす評価の範囲にとどまっていた。膜の厚み方向に関しては、材料構成と層構成が設計の課題とはされても、ミクロな特性の分布まではほとんど考慮されなかった。そのために、面に沿ってのマクロおよびミクロな二次元的な特性値が、プロセスから望まれる特性の範囲であっても、作像プロセスでの耐久性、画像等の品質で明らかに優劣があった。
ミクロな特性分布が考慮されなかった主な理由の一つには、その確認が従来技術では困難なことがある。膜の断面の状況は、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)で観察することは容易であるが、それらは試料からの二次電子、反射電子、あるいは試料の電子密度等を観察する技術であり、例えば、ポリマーにカーボン粒子を分散してなる材料では、電気的特性(この場合は主に電気抵抗)の分布を決定付けるところのカーボンの分布は、十分な精度で確認することができなかった。元素や分子構造や結合基を対象とする検出方法をもってしても、ほとんど不可能である。
結局、性能および耐久性において高度に優れた中間転写媒体は、材料構成や層構成に関わる設計の範囲だけでは達成が困難であり、さらに導電性材料の厚み方向の分布態様を、その測定法を確立した上で好ましく規定することにより、初めて達成しえる。
本発明者らは、上記従来の問題を解決すべく鋭意検討を行い、本発明者らが「JapanHardcopy 2003論文集;p.301」、「日本画像学会誌,42(4)、p.39(2003)」、「Ricoh Technical Report,30、p.27(2004)」等で発表したところの、トナーの内部構造の解析手段として独自に開発したCross−sectional SPoM(SPoM;Surface Potential Microscopy)を中間転写媒体に用いられる導電性ポリマーシートの測定方法に応用展開する技術を開発し、かかる測定・評価方法に依拠して好適な中間転写媒体を設計し得ることを見出し、先に出願をした(特願2007−223710)。
上記の技術開発により、導電性材料の厚み方向の分布状態が均質な中間転写媒体が得られるようになったが、特に生産性の高い高速のプリンタにおいて、耐久性の一層の向上が求められている
特開2007−25096号公報 特開平5−345368号公報 特開2004−32834号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トナー像の担持と転写のむらが軽減・改良され、かつ機械的特性が均質で等方的で、しかも高耐久の中間転写媒体を提供すること、さらに、かかる中間転写媒体を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討を行い、前記Cross−sectional SPoMに依拠して測定した電気抵抗分布が、電子写真用中間転写媒体の面方向では実質的に同一で、膜厚方向では極大値(Rmax)と極小値(Rmin)を有し、極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminが5〜100であり、かつ前記電気抵抗分布の極大値の位置で分割した膜厚方向での電子写真用中間転写媒体(ポリマーシート)の、トナー像を転写する面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の比率Tt/Tbが、1.5〜4である電子写真用中間転写媒体によれば、上記目的が達成されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する電子写真用中間転写媒体であって、前記中間転写媒体が導電性粒子を分散してなる導電性のポリマーシートであり、かつ、下記(1)から(3)の要件を備えていることを特徴とする。
(1)導電性のポリマーシートを表・裏面と垂直な面で0.1〜1.0μmの厚さに切削して切片を得、この切片を実質的に導電性のプレートに切削面を表にして貼着し、露呈した切削面を帯電器により一定の極性に帯電し、帯電した表面を表面電位顕微鏡で観察し、前記導電性ポリマーシートの電位分布を測定する方法に依拠して測定された電気抵抗分布が、前記導電性ポリマーシートの膜厚方向では極大値(Rmax)と極小値(Rmin)を有し、前記導電性ポリマーシートの面方向では実質的に同一であること。
(2)前記電気抵抗分布の極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminが5〜100であること。
(3)前記極大値(Rmax)の位置で分割した膜厚方向におけるポリマーシートのトナー像を転写する面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の比率Tt/Tbが、1.5〜4であること。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子写真用中間転写媒体において、体積抵抗が10〜1012Ω・cmであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子写真用中間転写媒体において、前記ポリマーシートのポリマーがポリイミド系樹脂であり、導電性粒子がカーボンブラックであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、静電潜像が形成され、かつ、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写媒体と、前記中間転写媒体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを少なくとも備えた電子写真方式の画像形成装置であって、前記中間転写媒体として請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用中間転写媒体を用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、複数色のトナーの重ね合わせによってフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色の現像手段に対応する複数の像担持体を直列に配置してなることを特徴とする。
本発明によれば、抵抗成分が等方的になり、トナー像の担持と転写のむらが軽減・改良されると共に、駆動に伴う反復の屈曲に対して特に転写面の伸張や変質が低減された、高耐久性の中間転写媒体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上述のように、電子写真用中間転写媒体であって、前記中間転写媒体が導電性粒子を分散してなる導電性のポリマーシートであり、かつ、下記(1)から(3)の要件を備えていることによって、トナー像の担持と転写のむらが軽減・改良されると共に、駆動に伴う反復の屈曲に対して特に転写面の伸張や変質が低減された、高耐久性を有する中間転写媒体を得たものである。
(1)導電性のポリマーシートを表・裏面と垂直な面で0.1〜1.0μmの厚さに切削して切片を得、この切片を実質的に導電性のプレートに切削面を表にして貼着し、露呈した切削面を帯電器により一定の極性に帯電し、帯電した表面を表面電位顕微鏡で観察し、前記導電性ポリマーシートの電位分布を測定する方法に依拠して測定された電気抵抗分布が、前記導電性ポリマーシートの膜厚方向では極大値(Rmax)と極小値(Rmin)を有し、前記導電性ポリマーシートの面方向では実質的に同一であること。
前記中間転写媒体の面方向では実質的に同一であること。
(2)前記電気抵抗分布の極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminが5〜100であること。
(3)前記極大値(Rmax)の位置で分割した膜厚方向におけるポリマーシートのトナー像を転写する面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の比率Tt/Tbが、1.5〜4であること。
最初に、本発明がかかわる中間転写媒体を構成する材料と中間転写媒体の製法について説明をし、その後で、本発明がかかわる中間転写媒体の膜厚方向の電気抵抗分布を測定する方法とそれに基づいて構成された本発明の中間転写媒体について説明する。
本発明の画像形成用中間転写媒体は、ポリマー中に導電性材料を分散してなる構成を有している。そしてポリマーとしては、機械的特性とハザードに対する安定性、さらにエンジニアリングプラスチックとしての種々の実績に裏付けられた信頼性から、ポリイミド系樹脂がもっとも好適に用いられる。また、導電性粒子としては、安定性や低価格に加えて、基本特性、その制御、修飾等に関して、公知技術を含め、きわめて多くの知見が得られている、カーボンブラックがもっとも好適に用いられる。
ここでポリイミドについて少しく説明をすると、ポリイミドとは一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られるものである。しかし、その剛直な主鎖構造により不溶、不融の性質を持つため、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(又はポリアミド酸〜ポリイミド前駆体)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる(化学式1参照)。
上記芳香族多価カルボン酸無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独或いは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
これらの芳香族多価カルボン酸無水物成分と芳香族ジアミン成分を略等モル有機極性溶媒中で重合反応させることによりポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることが出来る。
ポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に、前記した少なくとも1種以上の芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体を、固体の状態または有機溶媒溶液の状態あるいはスラリー状態で添加すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に重合溶液の粘度の増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液を得る。この時の反応温度は、−20℃から100℃、望ましくは、60℃以下である。反応時間は、30分から12時間である。
また、この反応において、上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体もしくは有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加させてもよい。また、同時に反応させてもよく、酸二無水物成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
上記のように重合反応させることにより、有機極性溶媒中に均一に溶解しているポリアミック酸溶液を得ることができるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解されているポリイミドワニスとして上市されているものを入手することも可能である。それらは例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることが出来る。
次に、本発明の中間転写媒体の抵抗制御剤としてはカーボンブラックが好適に使用される。中間転写媒体の体積抵抗としては10〜1012Ω・cmの範囲が最も好適であり、体積抵抗が高すぎると、複数の色の転写に際して、色のパタンごとに異なる電荷の残留が起こり、色のむらが生じやすくなる。また低すぎる場合は、転写時に局部的な電荷のリークに起因する白抜けが発生しやすくなり好ましくない。この範囲の体積抵抗を得るためのカーボンブラックの添加量は、ポリイミド樹脂固形分に対し13〜50重量%程度が好ましく、15〜35重量%がより好ましい。13重量%より少ないと、前記抵抗領域を発現するためには高導電性カーボンブラックを用いる必要があり、このような高導電性カーボンブラックを低添加量で加えると、安定した抵抗を再現よく製造するのが困難となる場合がある。一方、50重量%より多いと、ポリイミド樹脂本来の高い機械特性が損なわれ、脆性が発現し、ベルトを複数の駆動ローラ等により駆動する際にベルト端面に亀裂を生じることがある。
次に、本発明の中間転写媒体を製造する方法について説明する。
本発明の中間転写媒体は、つなぎ目のない、いわゆるシームレスベルトとして製造される。前記したポリイミド前駆体を含む塗工液を用いてシームレスベルトを製造する場合、概略次の工程を基本工程として製造される。すなわち、(1)当該塗工液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、(2)支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、(3)昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、(4)形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程、により製造することができる。
ここでは、まず、ポリイミドシームレスベルトの最も代表的な製造方法の一つである遠心成形を例に説明する。以下の説明は、一例であり条件などはこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を円筒の内面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温しつつ、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体のイミド化またはポリアミドイミド化を行なう。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように、予め離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。本成型方法により、押し出し成形などでは困難である比較的薄い膜厚のものも作製が可能となる。
遠心成型の場合、金型が高速回転するため、ポリイミドの配向度が上がり、周方向と軸方向の物性が異なる傾向があるという欠点がある。この欠点を解消したポリイミド製シームレスエンドレスベルトの製造方法としてロールコート工法が挙げられる。
図6に基づいてロールコート工法について説明する。
予め十分に脱泡されたポリアミック酸塗料を塗料パンに流し込む。金属ローラの下部を塗料中に浸漬し、例えば40mm/secの非常にゆっくりとした速度で金属ローラ表面に塗料を付着させつつ上方に汲み上げていく。その後、金属ローラ上部に設置され、金属ローラと任意の隙間を調整することが出来る偏芯ローラにより、金属ローラ上の塗料厚が調整される。次に金属ローラとの隙間を例えば0.4mmに調整され、金属ローラとは逆方向に回転するワーク(金型)上に金型ローラから塗料が転移し、金型上に所定膜厚の塗料が付着される。
この後の工程は前述した遠心成型工法と同様に、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程(2)、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程(3)、形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程(4)により製造することができる。
また、厚膜ベルトや複層ベルトを製造する場合は、工程(2)の後、塗工装置に戻し、更に塗料を塗布することで任意の膜厚や層構成を有するベルトを製造することが出来る。
ロールコート工法は、遠心成型工法に比べて塗工時の金型回転速度が非常に緩やかなため、ポリイミドの配向性が少なく、周方向と軸方向の物性差が生じにくく、周方向と軸方向の吸湿線膨張率の差をなくすことが出来る。吸湿線膨張率を測定することで、ベルトの走行性や端部ソリを評価することが出来る。
ロールコート工法と遠心成型工法のいずれにおいても、塗工液の塗布・流延の過程で、流量、塗布タイミング、温度、回転速度等のいずれかに不連続を持たせることで、膜厚方向に一定の組成密度の分布・偏りを与えることができる。併せて、複数の異なる処方の塗工液を準備してもよい。かかる手段が、本発明において採用される。
以下、本発明における中間転写媒体の膜厚方向の電位分布を測定・評価する方法と該方法に基づいて構成された本発明の中間転写媒体について説明する。
まず、本発明の背景技術となる、導電性ポリマーの評価法のCross−sectional SPoMについて、本発明に則して説明する。ただし、その上位技術である走査型プローブ顕微鏡(SPM;Scanning Probe Microscope)および原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)については、関係する学会、業界、研究者、技術者に知られた技術であり説明を省略する。SPMの総説は、例えば、森田清三編著:走査型プローブ顕微鏡 基礎と未来予測、丸善(2003)に詳しい。SPoMそのものについては、例えば、Veeco社のアプリケーションノートAN27,10/99に原理と事例の解説がなされている。なお、前述したように、本技術は、トナーの内部構造の解析手段として発明者らが独自に開発したCross−sectional SPoM(SPoM;Surface Potential Microscopy)を、中間転写媒体に用いられる導電性ポリマーシートの測定・評価方法に応用展開した新規技術である。そして、かかる測定・評価方法に基づいて、トナー像の転写むらなどの軽減にとって好適な中間転写媒体を構成し得ることを見出し、先に出願したことは先述のとおりである。
図1に観察試料の作成方法を示す。
301は中間転写媒体であって、これよりダイヤモンド・ミクロトームで厚さ100から1000nmの切片302が、媒体の表・裏と垂直な面で切削される。切片の厚みは200nmが最も好適である。切片の長さは0.2〜2mmの程度の範囲であればよい(幅は膜厚に相当する)。中間転写媒体では多くの場合、切削に際しての試料の樹脂による包埋は省略できるが、必要により包埋処理を採用してもよい。切り取った切片302は十分に平滑で実質的に導電性である材料の薄板303に貼着される。この薄板は金属でもよく、静電荷をリークする程度の抵抗ならば非金属でもよい。例えば、イーエムジャパン株式会社から販売されている超薄シリコンマウント0.5mm厚、5×5mmが好適に使用できる。清浄なシリコンウエハー片でもよい。ここでは、測定の際に磁力固定する便宜から、さらに導電性のカーボンテープ304を介して、軟鉄のディスク305に貼りつけている。なお、ダイヤモンド・ミクロトームでの切削は通常ウエットな状態でなされるが、本測定においてもその条件は排除されない。切り出した薄片は基板に分子間力で接着剤なしに張り付けることができる。貼着後の試料は乾燥デシケータ中に8時間以上保存後に測定することが望ましい。
貼着された薄片試料はSPMにセットし、ステージを観察位置より外した状態で、観察に先立って静電的に非接触で正または負に帯電される。帯電にはコロトロン、スコロトロン等のいわゆる高圧帯電装置を使ってもよいが、ピエゾ素子を利用したMilton社のZEROSTATが好適に利用できる。ZEROSTATではトリガーを引いたときに正、リリースしたときに負のイオンが先端から放出される。試料の上部5〜20cmの距離からの放電が好ましい。帯電電位の若干の高低は、絶対値ではなく分布が意味を持つ本発明に関わる測定にとって問題にはならない。電位データの解釈とそれから計測される抵抗の最適範囲については実施例において説明する。
帯電後、試料の表面は、その電気物性の分布を反映した電位の分布を持つ。帯電直後、電位は急激な減衰をするが、測定する電位は、安定的に残留するか分極した電位であり、測定の数10分では変動が無視できる。試料を観察位置に移動し、その電位分布が、SPMのアプリケーションのひとつである表面電位顕微鏡モードSPoMで観察される。このCross−sectional SPoMの画像こそ、中間転写媒体内部の膜厚方向での導電性材料の分布を直接に反映したものであり、従来の技術ではまったく得られなかった情報をもたらすものである。
以上のようにして中間転写媒体の、Cross−sectional SPoMによる電位分布から測定した内部抵抗の膜厚方向分布の極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminを一定の範囲にすることで、電気特性と機械特性の安定性と優れた画像品質を得ることができた。その理由は明らかではないが、導電性フィラーの膜厚方向の分布が整然と確定しているため、電気特性の面方向のムラが抑えられると同時に、駆動時に働くミクロな内部の機械的ひずみを、いわば層状に分散させる効果が働いているものと考えられる。Rmax/Rminの測定については実施例で具体的に説明する。
本発明では、電気及び機械特性のみでなく、更に高耐久の中間転写媒体について追求した結果、上記膜厚方向分布の極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminを5〜100の範囲とし、かつ、前記電気抵抗分布の極大値の位置で分割した膜厚方向でのポリマーシートのトナー像を転写する面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の比率Tt/Tbが、1.5〜4とすることで、電気特性と機械特性の安定性、さらに高耐久性と優れた画像品質が得られた。すなわち膜厚の分割が上記範囲外であると、特に耐久性が実用上不十分となる。なお、Tt/Tbの計量方法については、後述するRmax/Rminの測定法の説明の中で説明する。
上記本発明による効果の理由は、明らかではないが、導電性フィラーの分布変位の少ない部分を転写面側に相対的に厚くする、言い換えれば抵抗の極大部分を“裏側”に寄せる、ことで、駆動時の表面伸張に対抗する強度が高まるためと考えられる。なお、導電性フィラーの膜厚方向の分布が整然と確定しているため、電気特性の面方向のムラが押さえられると同時に、駆動時に働くミクロな内部の機械的ひずみをいわば層状に分散させる効果は、本発明において基本となっている。
上記本発明において、抵抗の極大値と極小値の比率Rmax/Rminが5より小さい場合は、抵抗分布に極値を持たせる効果が現れず、100より大きくなると、マクロな実質抵抗値が増大し、また、不要な容量成分が増大して、転写が不安定になる。フィラーの分散状態が電気特性と機械特性の双方を根本的に決定付けることから、ミクロに整えられた膜内での分布および位置が、微細なレベルでの画像品質を高め、同時に、駆動時にともなう中間転写媒体の微細な伸張やゆがみ、振動等も軽減して耐久性を向上せしめるものと考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
塗工液は共通で、シームレスベルトA、Eが実施例、シームレスベルトB〜Dが比較例である。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、像担持体として感光体ドラムを用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体ベルトなど全ての像担持体に適用可能である。また、本実施形態では、黒、イエロー、シアン、マゼンタ色別に専用の感光体ドラムを用いる、いわゆる4連タンデム型のフルカラー画像形成システム形態であるが、像担持体を一つのみ持ち、その像担持体で各色について画像を形成するいわゆるリボルバ方式でも適用は可能である。また、本実施形態では、一次転写手段として転写ローラを用いたが、回転型転写ブラシなどの回転型接触転写方式は勿論のこと、転写ブラシ、転写ブレード、転写プレートなどの接触転写方式を用いた画像形成装置であれば本発明を適用可能である。
[塗工液Aの調製]
ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの各等モルをN−メチルピロリドン溶媒中で重合反応させ、ポリアミック酸溶液を得た。これに、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(キャボット製BP−L)分散液を、カーボン含有率がポリアミック酸固形分の18重量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液Aを作製した。
[塗工液Bの調製]
カーボン含有率がポリアミック酸固形分の15重量%とした以外は塗工液Aと同様として塗工液Bを作製した。
[シームレスベルトAの作製](Tt/Tb:2.3、実施例1)
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、25℃の雰囲気でこの円筒型を70rpm(回/分)で回転させながら、所望最終膜厚に基づく計算全量の7/10相当量の上記塗工液Aを、円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。初回の塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を40rpmに下げ、8分間回転状態を続けた。次いで雰囲気温度を50℃まで上げ、次いで、前記計算全量の3/10相当量の塗工液Bを塗工液Aと同様に重ねて流延塗布し、上記塗工液Bによる塗膜がまんべんなく広がった時点で、熱風循環乾燥機に投入して120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された膜を円筒内面から剥離し、膜厚77μmの〔ポリイミド製シームレスベルトA〕を得た。
[シームレスベルトBの作製](Tt/Tb:0.4、比較例1)
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、25℃の雰囲気でこの円筒型を70rpm(回/分)で回転させながら、所望最終膜厚に基づく計算全量の3/10相当量の上記塗工液Aを、円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。初回の塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を40rpmに下げ、8分間回転状態を続けた。次いで雰囲気温度を50℃まで上げ、次いで、前記計算全量の7/10相当量の塗工液Bを塗工液Aの塗布面に重ねて流延塗布し、上記塗工液Bによる塗膜がまんべんなく広がった時点で、熱風循環乾燥機に投入して120℃まで徐々に昇温し30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された膜を円筒内面から剥離し、膜厚79μmの〔ポリイミド製シームレスベルトB〕を得た。
[シームレスベルトCの作製](Tt/Tb:1.0、比較例2)
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、25℃の雰囲気でこの円筒型を70rpm(回/分)で回転させながら、所望最終膜厚に基づく計算全量の5/10相当量の上記塗工液Aを、円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。初回の塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を40rpmに下げ、8分間回転状態を続けた。次いで雰囲気温度を50℃まで上げ、次いで、前記計算全量の5/10相当量の塗工液Bを塗工液Aの塗布面に重ねて流延塗布し、上記塗工液Bによる塗膜がまんべんなく広がった時点で、熱風循環乾燥機に投入して120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された膜を円筒内面から剥離し、膜厚79μmの〔ポリイミド製シームレスベルトC〕を得た。
[シームレスベルトDの作製](均一、比較例3)
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液Aと塗工液Bとの等量混合液の所望最終膜厚に基づく計算全量相当を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を150rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された膜を円筒内面から剥離し、膜厚81μmの〔ポリイミド製シームレスベルトD〕を得た。
[シームレスベルトEの作製](ロールコート、実施例2)
外径100mm、長さ300mmの外面を鏡面仕上げした金属製円筒を図4のロールコート塗工装置のワークとして取り付けた。シームレスベルトAの作製と同じ塗工液Bをパンに流し込み、25℃環境で金属ローラの回転速度35mm/secで塗料を汲み上げ、偏芯ローラギャップ0.3mmで金属ローラ上の塗料厚みを制御した。金型ワークを35mm/secに制御して、金属ローラギャップ0.2mmで塗料を均一に金型上に塗布した後、熱風循環乾燥機に投入して、60℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後金型を取り出し、常温まで冷却後再度上記と同様にシームレスベルトAの作製と同じ塗工液Aを金属ローラギャップ0.4mmとして塗工し、その後熱風循環乾燥機に投入して、130℃まで徐々に昇温して40分加熱した。その後、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。形成された膜を円筒外面から剥離し、膜厚81μmの〔ポリイミド製シームレスベルトE〕を得た。
[シームレスベルトFの作製](ロールコート、Tt/Tb:1.8、実施例3)
[シームレスベルトFの作製]
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、25℃の雰囲気でこの円筒型を85rpm(回/分)で回転させながら、所望最終膜厚に基づく計算全量の6/10相当量の上記塗工液Aを、円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。初回の塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を35rpmに下げ、18分間回転状態を続けた。次いで雰囲気温度を50℃まで上げ、次いで、前記計算全量の4/10相当量の塗工液Bを塗工液Aと同様に重ねて流延塗布し、上記塗工液Bによる塗膜がまんべんなく広がった時点で、熱風循環乾燥機に投入して100℃まで徐々に昇温して45分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された膜を円筒内面から剥離し、膜厚79μmの〔ポリイミド製シームレスベルトF〕を得た。
ついで、実施例に関わる評価方法について説明する。
[画質評価方法]
リコー社製カラー複写機Imagio Neo C600改造機を用いて、上記の中間転写ベルトを搭載し、該転写ベルト上の画像評価を実施した。なお、Imagio Neo C600改造機は、現像は二成分現像方式、転写は中間転写ベルト方式で、外部信号によって任意のタイミングで作像動作を途中で止められるようにした。感光体ドラム上に複数のベタ画像及び細線画像の潜像を書き込み、一次転写の途中で作像プロセスを止め、感光体ドラムユニットと転写ベルトユニットを複写機から取り出し、感光体ドラム上のベタ画像部のパイルハイトを測定し、転写ベルト上の細線部の画像評価を実施した。なお、単位面積当たりのトナー重量M/Aは約0.7mg/cmに設定した。また、本改造機の上記転写ベルト及び感光体を始めとする各部材の表面線速は250mm/secとした。
[濃度むら、白抜け画像]
前記Imagio Neo C600改造機の中間転写体を用い、2×2ドットパターンを作像し、中間転写ベルト上の画像状態を超深度形状測定顕微鏡(VK8500;キーエンス社製)により観察した。この画像を画像解析ソフト(MediaCybernetics社製、ImagePro)を用いて二値化画像に編集後、ソリッドパターンからトナーが抜けて白抜けとなった部分の面積を定量化し、全面積中の白抜け画像を以下のようにランク評価した。
《濃度むら,白抜けの評価》
◎ 出力画像上に、濃度ムラ・白抜けが発生しない。
○ 出力画像上に、わずかに濃度ムラ・白抜けが発生するも画質上での問題ない。
× 出力画像上に、濃度ムラ・白抜けが発生し、画質上に問題あり。
[ベルトの耐久性]
ベルトサンプルを、前記リコー社製カラー複写機Imagio Neo C600改造機の中間転写ベルトとして使用し、連続50万枚出力した後の、転写ベルトの状態を目視にて評価した。その時の評価基準を、以下に示す。
《ベルトの耐久性の評価》
◎ 転写ベルトに破断が全く発生しない。
△ 転写ベルトに軽微な破断が発生する。
× 転写ベルトに目立つ破断が発生する。
[位置ズレ・色ズレ]
ベルトサンプルを、前記リコー社製カラー複写機Imagio Neo C600改造機)の中間転写ベルトとして使用した際に、出力画像上を目視にて評価した。その時の評価基準を、以下に示す。
《位置ズレ・色ズレの評価》
◎ 出力画像上に、位置ズレ・色ズレが発生しない。
○ 出力画像上に、位置ズレ・色ズレがわずかに発生するも画質上で問題ない。
× 出力画像上に、位置ズレ・色ズレが発生し、画質上に問題あり。
次に、ベルトの各特性の測定について、説明する。
[ベルトの体積抵抗環境変動幅の測定]
10℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環境)でのベルトの体積抵抗率と、30℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環境)での体積抵抗率との常用対数値の差の絶対値を、ベルトの体積抵抗の環境変動幅とした。なお、ベルトの体積抵抗率の測定は、下記のように行った。
[ベルトの体積抵抗率の測定]
ベルトの体積抵抗率は、JIS K 6911に準じた、三菱化学株式会社製ハイレスタMCP−HT450型(プローブ:HR−100)を用い、500V印加、30秒後の電流値より求めた。
[ベルトの引張強度、ヤング率の測定]
ベルトの引張強度及びヤング率は、JIS K7127に準じた引張試験方法により測定した。
[Rmax/Rminの測定]
新規に開発したCross−sectional SPoMによる測定を行った。以下に測定法を説明する。
シームレスベルトを、ダイヤモンドナイフを用いたミクロトームで表裏面と垂直な面で切削し、厚さ200nmの薄片を得た。この薄片をイーエムジャパン株式会社から販売されている超薄シリコンマウント0.5mm厚、5×5mmに貼着した。さらに、この試料薄片を貼着したシリコンマウントを導電性のカーボンテープを介して、厚さ0.5mmの軟鉄のディスクに貼り付けた。20℃/35%RH環境のデシケータ中で10時間保存後に観察した。
SPM付属の光学顕微鏡で見た観察試料の状態を、図2に示す。この試料はシームレスベルトAである。
図2の401は上から見た試料の薄片で、像の左右の縁がシート部材の表裏に相当し転写面は右側、裏面は左側になる。横方向の筋は切削時の割れで観察時に避ければ問題にならない。
転写面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の分割面(Rmaxの部分)は、光学顕微鏡観察によりコントラストの偏倚部として確認できる。すなわち、適当な任意の観察倍率で得た画像の長さ比率からTt/Tbが計量できる。図2の402の矩形はSPMの観察領域であり、ほぼその中央にコントラストの偏倚部が現れている。当然に、その位置は後に示すSPoM観察による電位の極大部と一致する。図2に示すシームレスベルトAのTt/Tbは2.3に分割されている。
上記試料を、Digital Instruments社(現Veeco社)の走査型プローブ顕微鏡Dimension3100(コントローラーNanoScopeIIIa)の測定ステージにマグネットホルダーを用いて固定した。
一旦、試料を引き出し、ZEROSTATOにより試料の10cm上方から正帯電し、その後、試料を測定位置に戻した。
NANOSENSORS社のEFM−16をプローブとして、SPoMモードで観察した。最初は、50μm×50μmの領域を、位置をずらし、複数回で膜厚全幅の表面電位像を観察した。その後、ズーミングを経て、注目すべき膜の中央付近20μm×20μm領域の表面電位像を観察した。
図3は、実施例1で得られたシームレスベルトAの観察例である。(a)は、表面電位顕微鏡による電位像で、相対的に電位の高い部分は明部として、低い部分は暗部として表出される。縦方向に電位を平均化して電位の分布を(b)に示した。ただし、図3(a)において、電位分布が縦方向、即ち中間転写媒体としての面方向でほとんど一様であることは明らかである。このような場合は平均化の処理は必須ではなく、任意の横ラインに沿っての分布で代表しても大差はない。抵抗プロファイルを電位イメージとして表すことにより面方向の分布が一目で判断できることは、本発明が提供する技術の大きな特徴の一つである。なお、電位の走査線ごとの信号は、平均値を0とする交流信号で電位の絶対値は分からないため、基準の電圧と校正して、その値を(b)に電位値として表示している。この観察では、正帯電の条件から、そもそも負の帯電部位は存在し得ない。
相対的に電位の高い部分、すなわち明部は、抵抗の高い部分であり、実態的には、導電性材料のカーボンの密度が低い部分である。カーボンの低密度領域はほぼ境界層として存在している。(b)の電位分布曲線の上下を反転すれば、近似的には、しかも十分よい近似で、カーボンの相対的な密度分布とみなすことができる。
(b)の電位分布を見ると、最高電位と最低電位はほぼ9:1の比率関係にある。この比率は、帯電操作その他の条件で、平均の帯電電位が若干上下しても変わらない。この電位分布は実質的には膜厚方向の抵抗の分布と等価であり、結局、電位の比率は内部の抵抗の比率Rmax/Rminでもある。一般的には、この比率で体積抵抗が内部で膜厚方向に分割されているとみなせる。ただし、導電性ポリマーシートのマクロな体積抵抗は、境界層をもつ場合でも直列抵抗のモデルでは予測ができない。微細なマトリックスが電荷のパスとして機能するためと考えられる。本発明者らの検討によれば、カーボン密度が均一な条件で、体積抵抗が10〜1012Ω・cmの範囲に入る処方条件ならば、電位で見た内部抵抗の最高と最低(それぞれ極値)の比率が5〜100の範囲で、中間転写媒体としてのマクロな体積抵抗に及ぼす影響は無視できる。
図4は、比較例であるシームレスベルトDのCross−sectional SPoMによる電位像である。測定の手順と条件は前記と同様であるが、本発明に関わるCross−sectional SPoMの物理的意味を補足的に説明するために、正帯電と併せて負帯電での電位像も載せた。
図4の(a)において、膜の中央付近に島状に明部が存在している。明部は図3の(a)と同様に、相対的な高抵抗部分、すなわち、カーボンの相対的な低密度部分である。シームレスベルトDのマクロな体積抵抗はAと大差がないが、図3の(a)とは異なり、膜厚方向の抵抗の分布が確定的ではない。言い換えると、シームレスベルトDにおいては、面の異なる部分ごとに、異なる膜厚方向の抵抗プロファイルをもっていることになる。
図4の(b)は、(a)と同じ試料のほぼ同じ部分を負に帯電して観察した電位像である。(a)と(b)は明部、暗部が互いに反転している。(a)、(b)の比較から、電位像が形態(凹凸)情報の混入を受けない、独立した電気特性のマッピングであることが確認できる。一般的に、導電性ポリマーシートでは、正電荷と負電荷の移動に関して差異を問題にしない。図4の(a)、(b)は、本発明に関わるCross−sectional SPoMでは、一方の極性のみ、特に理由がなければ正の帯電で測定すればよいことを示している。
図5は、実施例3で得られたシームレスベルトFの観察例である。図3と同様(a)は、表面電位顕微鏡による電位像で、(b)は縦方向に平均化した電位の分布である。
実施例1〜3および比較例1〜3のシームレスベルトの特性と品質を表1に示す。
表1から、実施例のシームレスベルトによれば、ベルトに破断が発生せず、また、濃度ムラ・白抜けや、位置ズレ・色ズレも発生しないことが明らかである。
中間転写媒体の観察試料の作成方法を説明するための図である。 本発明の観察試料をSPM付属の光学顕微鏡で見た図である。 (a)は実施例で得られたシームレスベルトAの正帯電での表面電位像を示す図、(b)はその電位を縦方向に平均化した電位の分布を示す図である。ただし、(a)の表面電位像には(b)の電位分布の曲線を重ねている。 (a)は比較例であるシームレスベルトDの正帯電条件での表面電位像を示す図、(b)は負帯電条件での表面電位像を示す図である。 (a)は実施例で得られたシームレスベルトFの表面電位顕微鏡による電位像を示す図、(b)は縦方向に平均化した電位の分布を示す図である。 画像形成装置の概略構成図である。 ロールコート工法の概略構成図である。
符号の説明
301 中間転写媒体
303 切り取った薄片
303 導電性の板
304 カーボンテープ
305 軟鉄ディスク
401 観察試料の薄片
402 SPMの観察領域

Claims (5)

  1. 像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する電子写真用中間転写媒体であって、前記中間転写媒体が導電性粒子を分散してなる導電性のポリマーシートであり、かつ、下記(1)から(3)の要件を備えていることを特徴とする電子写真用中間転写媒体。
    (1)導電性のポリマーシートを表・裏面と垂直な面で0.1〜1.0μmの厚さに切削して切片を得、この切片を実質的に導電性のプレートに切削面を表にして貼着し、露呈した切削面を帯電器により一定の極性に帯電し、帯電した表面を表面電位顕微鏡で観察し、前記導電性ポリマーシートの電位分布を測定する方法に依拠して測定された電気抵抗分布が、前記導電性ポリマーシートの膜厚方向では極大値(Rmax)と極小値(Rmin)を有し、前記導電性ポリマーシートの面方向では実質的に同一であること。
    (2)前記電気抵抗分布の極大値(Rmax)と極小値(Rmin)の比率Rmax/Rminが5〜100であること。
    (3)前記極大値(Rmax)の位置で分割した膜厚方向におけるポリマーシートのトナー像を転写する面側の膜厚(Tt)と裏面側の膜厚(Tb)の比率Tt/Tbが、1.5〜4であること。
  2. 体積抵抗が10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用中間転写媒体。
  3. 前記ポリマーシートのポリマーがポリイミド系樹脂であり、導電性粒子がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用中間転写媒体。
  4. 静電潜像が形成され、かつ、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写媒体と、前記中間転写媒体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを少なくとも備えた電子写真方式の画像形成装置であって、前記中間転写媒体として請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用中間転写媒体を用いることを特徴とする画像形成装置。
  5. 複数色のトナーの重ね合わせによってフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色の現像手段に対応する複数の像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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