JP2005306281A - 減速制御装置 - Google Patents

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達也 鈴木
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原平 内藤
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Abstract

【課題】 アクセルペダルの操作に応じてドライバに加速感を与えつつ駆動力と制動力との干渉を回避して十分な減速効果を得る。
【解決手段】 安定した旋回走行を確保するための目標減速度を達成するための減速トルクTcと、アクセルペダルの操作量θthに応じたドライバ要求トルクTeとの和を目標トルクT*とし(ステップS5〜S7)、減速トルクTc及びドライバ要求トルクTeが、|Tc|<|Te|を満足するときには制動制御介入は行わず目標トルクT*相当の駆動トルクを発生するようエンジン制御を行い(ステップS9)、|Tc|≧|Te|を満足するときには駆動トルクが零となるようエンジン制御を行うと共に目標トルクT*相当の制動トルクを発生するよう制動制御を行う(ステップS10)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーブ等を旋回走行する車両の減速制御を行うようにした減速制御装置に関するものである。
従来、カーブ或いはコーナ等を旋回走行する車両の運動状態及び運転操作状況から安全車速を算出し、その安全車速を実際の車速が上回るような場合には、自動的に安全車速以下に車速を減速し、スピン、ドリフトアウト又は横転等を防止する減速制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このようにドライバの運転操作に関わらず制御介入を行って車両挙動を制御する際に、制動側と駆動側とが互いに干渉することを回避するために、例えば、ドライバによるアクセルペダル操作量が増加傾向にあるときには、車両挙動制御を終了するようにした制御装置等も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−278762号公報 特開2002−127888号公報
前述のように、車両の運動状態等から安全車速を算出し、自動的に安全車速以下に減速するようにした方法においては、ドライバがアクセル操作を行っている場合であっても安全車速以下に減速されることになる。このため、ドライバが、加速意思をもってアクセル操作を行っている場合においても減速が行われることになり、ドライバが加速を期待してアクセル操作を行っているにも関わらず十分な加速が行われず、失速感を与える場合がある。
また、ドライバによるアクセルペダル操作量が増加傾向にあるときには、車両挙動制御を終了するようにした方法においては、減速制御を行う必要がある状態であっても、前記アクセルペダル操作量が増加傾向となった場合には、減速制御が行われないことになって、十分な減速効果を得ることができないという問題がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、ドライバに違和感を与えることなく、駆動力と、減速制御による制動力との干渉を回避し、且つ、ドライバに加速感を与えることの可能な減速制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る減速制御装置は、アクセルペダルを操作すること等により要求される駆動力相当の駆動力を発生する駆動力発生手段を、駆動力制御手段により制御すると共に、制動力制御手段によって車両に作用する制動力を制御することによって、走行状況に応じて車両に減速度を発生させて車両の安定走行等を図るが、このとき、前記減速度を発生させるために必要な減速制御力と、アクセルペダルの操作等により要求される駆動力とから目標減速制御力を算出し、駆動力発生手段で発生される駆動力及び制動力制御手段の制御介入に伴う制動力増加分の何れか一方が前記目標減速制御力相当となり且つ他方が零となるように、駆動力制御手段及び制動力制御手段を制御する。
本発明に係る減速制御装置は、走行状況に応じて発生すべき減速度を発生し得る減速制御力と、アクセルペダルの操作等により要求される駆動力とから目標減速制御力を算出し、駆動力発生手段で発生される駆動力及び制動力制御手段の制御介入に伴う制動力増加分の何れか一方が目標減速制御力相当となり、且つ他方が零となるように、駆動力制御手段及び制動力制御手段を制御するようにしたから、減速度を発生させる際には、駆動力及び制動力の何れか一方のみが車両に作用することになって、車両に作用する駆動力及び制動力の干渉を回避し所望の減速度を発生させることができると共に、所望の減速度を確保し得る範囲で、要求に応じて駆動力を発生させることができ、ドライバ等の駆動力の要求に沿って駆動力を発生させることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明における減速制御装置を適用した車両概略構成図である。
図中、1は、制動流体圧制御ユニットであって、各車輪2FL〜2RRの図示しない各ホイールシリンダに供給される制動流体圧を制御するようになっている。つまり、通常は、ドライバによるブレーキペダルの踏込み量に応じて、マスタシリンダで昇圧された制動流体圧が各ホイールシリンダに供給されるようになっているが、マスタシリンダと各ホイールシリンダとの間に介挿された制動流体圧制御ユニット1によって、ブレーキペダルの操作とは別に各ホイールシリンダへの制動流体圧を制御するようになっている。
前記制動流体圧制御ユニット1は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。
この制動流体圧制御ユニット1は、後述する減速制御コントローラ10からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダの制動流体圧を制御するようになっている。
また、この車両には、図示しないスロットルバルブのスロットル開度を制御可能なエンジンスロットル制御ユニット3が設けられており、このエンジンスロットル制御ユニット3は、単独で、スロットル開度を制御可能であるが、前述した減速制御コントローラ10からのスロットル開度指令値が入力されたときには、そのスロットル開度指令値に応じてスロットル開度を制御する。
また、この車両には、自車両に発生するヨーレートφ′を検出するヨーレートセンサ11、ステアリングホイール12aの操舵角δを検出する操舵角センサ12、各車輪2FL〜2RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ13FL〜13RR、図示しないアクセルペダルの踏込み量θthを検出するアクセルセンサ14が設けられ、それらの検出信号は前記減速制御コントローラ10に出力される。
そして、減速制御コントローラ10では、入力される各種情報に基づいて、減速制御演算を行い、前記制動流体圧制御ユニット1及びエンジンスロットル制御ユニット3への制御信号を生成するようになっている。
図2は、減速制御コントローラ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、減速制御コントローラ10は、車輪速度センサ13FL〜13RRからの車輪速VwFL〜VwRRに基づいて自車両の走行速度Vを算出する走行速度推定部21、走行速度推定部21で算出した自車両の走行速度V及び操舵角センサ12からの操舵角δに基づいてヨーレートを推定するヨーレート推定部22、このヨーレート推定部22で推定したヨーレート及びヨーレートセンサ11からのヨーレートφ′に基づいて、演算処理に用いるヨーレート(ヨーレートセレクト値φ*)を算出するヨーレートセレクト部23、及び、このヨーレートセレクト部23で算出したヨーレートセレクト値φ*に基づいて安定した旋回走行可能な目標車速を算出し、この目標車速と走行速度推定部21で推定した自車両の走行速度Vとに基づいて、自車両の走行速度を前記目標車速に制御するために必要な減速トルクを算出する減速トルク算出部24を備えている。さらに、アクセルセンサ14からのアクセル操作量θthに基づいて、アクセル操作量θthに応じた駆動トルクを算出するドライバ要求トルク算出部25と、このドライバ要求トルク算出部25で算出した、ドライバ要求トルクと減速トルク算出部24で算出した減速トルクとをもとに、目標トルクを算出する目標トルク算出部26と、前記制動流体圧制御ユニット1及び前記エンジンスロットル制御ユニット3を制御し、これらの何れか一方により、前記目標トルク算出部26で算出した目標トルクを発生するよう制御するトルク制御部27と、を備えている。
次に、前記減速制御コントローラ10で行われる演算処理の処理手順を図3のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、所定サンプリング時間毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読み出される。
この演算処理では、まず、ステップS1で、ヨーレートを算出する。
具体的には、まず、車輪速度センサ13FL〜13RRで検出した車輪速Vwiに基づいて自車両の走行速度Vを算出し、この走行速度Vと操舵角δとに基づいて公知の手順でヨーレートを推定する。なお、前記走行速度Vは例えば駆動輪の車輪速の平均値等を用いるようにすればよい。
そして、このようにして推定したヨーレート推定値と、ヨーレートセンサ11で検出したヨーレートφ′とのうち、その絶対値が大きい方を選択し、このヨーレートセレクト値φ*(φ*>0)をヨーレートとする。
ここで、車両にヨーレートが発生する場合、通常、操舵角δに基づいて推定されるヨーレート推定値の方が、ヨーレートセンサ11で検出されるヨーレートよりも先に検出することができる。しかしながら、低摩擦係数路面等においては、例えばスロースピンモードの場合等のように、ステアリングホイールをそれほど操舵しない状態であってもヨーレートが増加する方向に車両挙動が発生する場合がある。このため、このような場合にはヨーレートセンサ11で検出したヨーレートφ′を用いることで、減速制御を早期に介入し、より早い段階で減速制御を開始するようにしている。
このようにして、ヨーレート(ヨーレートセレクト値φ*)を算出したならば、ステップS2に移行し、横加速度制限値Yg*を設定する。この横加速度制限値Yg*は、例えば、0.45〔G〕程度に設定される。この横加速度制限値Yg*は、車両が、カーブ内をスピン、ドリフトアウト又は横転等が発生することなく走行し得る、目標横加速度の限界値である。
次いで、ステップS3に移行し、ステップS2で算出した横加速度制限値Yg*に基づいて目標車速V*を算出する。この目標車速V*は、ステップS1で算出したヨーレートセレクト値φ*及びステップS2で算出した横加速度制限値Yg*と、路面摩擦係数の推定値μとに基づいて次式(1)にしたがって算出する。
*=(μ×Yg*)/φ* ……(1)
なお、前記路面摩擦係数の推定値μは公知の手順で算出するようにしてもよく、また、路面摩擦係数を検出するためのセンサを設け、このセンサ出力を用いるようにしてもよい。
前記(1)式からわかるように、目標車速V*は、路面摩擦係数μが低いほど小さな値となって制御介入がしやすい傾向となり、同様に横加速度制限値Yg*が小さいほど小さな値となって制御介入がしやすい傾向となり、また、ヨーレートセレクト値φ*が大きいほど小さな値となって制御介入がしやすい傾向となるように設定される。
次いで、ステップS4に移行し目標減速度Xg*を算出する。
具体的には、ステップS1の演算過程で算出した自車両の走行速度Vと、ステップS3で算出した目標車速V*との差である車速偏差ΔV(=V−V*)に基づいて次式(2)から算出する。
Xg*=K×ΔV/Δt ……(2)
なお、式(2)において、Kは予め設定したゲイン、Δtは予め設定した所定時間であって、車速偏差ΔVを零とするまでの所要時間である。
つまり、目標減速度Xg*は、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差である車速偏差ΔVが正の方向へ大きくなるほど、目標減速度Xg*も正の方向に大きくなるように設定される。なお、目標減速度Xg*は、Xg*>0であるとき減速側とする。
なお、ここでは、車速偏差ΔVに基づいて目標減速度Xg*を算出するようにした場合について説明したが、車速偏差ΔVの差分値を考慮して、次式(3)から目標減速度Xg*を設定するようにしてもよい。
Xg*=(K1×ΔV+K2×dΔV)/Δt ……(3)
なお、(3)式において、K1、K2は予め設定したゲイン、dΔVは、dΔV=〔ΔV(t)−ΔV(t−1)〕であって、ΔV(t)は今回の車速偏差、ΔV(t−1)は1演算周期前の車速偏差である。なお、ΔVはΔV>0とする。
このように車速偏差ΔVの差分値を考慮することにより、例えば、比較的早い速度で操舵を行った場合には、ヨーレートセレクト値φ*の変化量に対する目標減速度Xg*の増加量も多くなる。よって、例えばドライバが速い操舵操作を行った場合、目標減速度がそれに応じて即座に反応して瞬時に増加するようになる。この結果、ドライバの操舵操作に応じてすばやく減速制御を行うことができる。
次いで、ステップS5に移行し、前記ステップS4で算出した目標減速度Xg*に基づいて、旋回中のオーバースピードを抑制するための減速トルクTcを算出する。
具体的には、図4のフローチャートに示すように、まず、ステップS21で、前記ステップS4で算出した目標減速度Xg*がXg*<0であるかどうかを判定し、Xg*<0であるときには加速側の制御であると判断し、目標減速度Xg*をXg*=0に更新する。そして、ステップS23に移行する。一方、ステップS21で目標減速度Xg*がXg*<0でないときには減速側の制御であると判断し、そのままステップS23に移行する。
このステップS23では、次式(4)から減速トルクTcを算出する。つまり、車両重量m、タイヤ半径R、目標減速度Xg*から駆動軸トルクを算出し、これを減速トルクTcとしている。なお、目標減速度Xg*は、減速側を正値として算出するようにしているため、トルクの方向を、後述のドライバ要求トルクTeと合わせるために、負値として算出している。
Tc=−m×R×Xg* ……(4)
このようにして減速トルクTcを算出したならば、図3に戻ってステップS6に移行し、公知の手順で、アクセル操作量θthに基づいて、ドライバが要求するドライバ要求トルクTeを算出する。
次いでステップS7に移行し、前記ステップS5で算出した減速トルクTcと、前記ステップS6で算出したドライバ要求トルクTeとを加算し、これを目標トルクT*とする。前記減速トルクTcは負値、ドライバ要求トルクTeは正値であることから、減速トルクTcの絶対値とドライバ要求トルクTeの絶対値との差分値が、目標トルクT*となる。
次いで、ステップS8に移行し、減速トルクTcの絶対値とドライバ要求トルクTeの絶対値とを比較し、|Tc|<|Te|であるときにはステップS9に移行し、図示しないエンジンの出力が前記目標トルクT*相当の駆動トルクとなるように前記エンジンスロットル制御ユニット3を制御するための制御信号を生成し、これを前記エンジンスロットル制御ユニット3に向けて出力する。このとき、前記制動流体圧制御ユニット1の制御は行わない。つまり、前記減速トルクTcを発生させるための、制動流体圧制御ユニット1による制御介入は行わない。
一方、前記ステップS8で、|Tb|<|Te|でないときには、ステップS10に移行し、前記制動流体圧制御ユニット1を制御することにより、前記目標トルクT*相当の制動トルクを発生させるための制御信号、つまり、制動流体圧を目標トルクT*相当増圧させるための制御信号を生成し、これを制動流体圧制御ユニット1に向けて出力する。また、エンジンから出力される駆動トルクを零とするための制御信号を生成し、これを前記エンジンスロットル制御ユニット3に向けて出力する。
以上の処理が終了したならば、タイマ割込処理を終了し図示しないメインプログラムに戻る。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
今、車両が旋回走行していない状態であって、現時点におけるヨーレートセレクト値φ*、横加速度制限値Yg*及び路面摩擦係数μに基づいて算出される目標車速V*が比較的大きく目標減速度Xg*が零以下であるときには、減速制御による制御介入は行われないから、減速トルクTcは略零となり(ステップS5)、アクセル操作量θthに応じたドライバ要求トルクTeが目標トルクT*として算出される(ステップS7)。このとき、ドライバ要求トルクTeの大きさは減速トルクTcの大きさよりも大きいから(|Tc|<|Te|)、ステップS8からステップS9に移行し、目標トルクT*、つまり、ドライバ要求トルクTeを発生するようエンジンスロットル制御ユニット3が駆動制御される。このとき、制動流体圧制御ユニット1による制動力に対する制御介入(以後、制動制御介入ともいう。)は行われない。したがって、アクセル操作量θthに応じた駆動トルクが発生され、このとき制動力に対する制御介入は行われないから、ドライバの運転操作に即した車両挙動となる。
この状態から、例えば、アクセルペダルを踏み込んだ状態で、自車両がコーナにオーバースピードで進入した場合には、目標減速度Xg*が零よりも大きくなることから(Xg*>0)、この目標減速度Xg*を達成し得る減速トルクTcが算出され、また、アクセルペダルの操作量θthに応じたドライバ要求トルクTeが算出される。
このとき、比較的アクセルペダルを踏み込んだ状態でカーブに進入し、目標減速度Xg*を達成するための減速トルクTcとドライバ要求トルクTeとが|Tc|<|Te|を満足する場合には、ステップS8からステップS9に移行し、目標トルクT*相当の駆動トルクを発生するようエンジンスロットル制御ユニット3が駆動制御される。このとき、制動流体圧制御ユニット1による制動制御介入は行われない。
したがって、目標減速度Xg*が零よりも大きくなりオーバースピードが検出された時点でエンジン制御が介入されて減速制御が図られることになり、このとき、エンジン制御を行うことによって減速制御を行うようにしているから、ドライバが加速意思をもってアクセルペダルを踏み込んでいる場合には、ドライバが期待するほどの加速感よりは小さいものの、継続して加速感を与えることができる。また、このとき、制動制御介入は行われないから、制動制御介入による制動トルクとエンジン出力による駆動トルクとが干渉することはない。
この状態から、ドライバがオーバースピードに気づき、アクセルペダルの踏込みを解除した場合には、アクセルペダルの操作量θthに応じて算出されるドライバ要求トルクTeが減少するため、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が、速やかに減速トルクの絶対値|Tc|を下回る。このため、ステップS8からステップS10に移行し、制動流体圧制御ユニット1による制動力制御が介入されることになる。したがって、オーバースピードを速やかに抑制することができ、アクセルペダルからブレーキペダルへの踏み替えに応じて制動力を発生させる場合に比較して、アクセルペダルを開放した時点から制動力発生までの所要時間の短縮を図ることができ、より速やかに減速を行うことができる。
一方、ドライバがオーバースピードに気づき、アクセルペダルの踏込みを緩めた場合には、ドライバ要求トルクTeが減少するが、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が減速トルクTcの絶対値|Tc|よりも大きい間は、制動制御介入は行われず、目標トルクT*相当の駆動トルクが発生されることになり、目標減速度Xg*を達成しつつ、駆動トルクを発生することにより引き続きドライバに加速感を与えることができる。そして、ドライバがアクセルペダルの踏込みをさらに緩め、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が減速トルクの絶対値|Tc|を下回ると、エンジンによる駆動トルクが零となるように制御されると共に、制動制御介入が行われ、目標トルクT*相当の制動トルクが発生されることになり、エンジンによる駆動トルクを低減すること、及び目標トルクT*相当の制動トルクを発生させることにより、目標減速度Xg*を達成し得る十分な減速トルクが発生されることになる。
一方、ドライバがアクセルペダルを開放した状態でコーナにオーバースピードで進入した場合には、ドライバ要求トルクTeは零となり目標トルクT*として目標減速度Xg*を達成し得る減速トルクTcが設定され、制動流体圧を、前記目標トルクT*相当増圧するよう制動流体圧制御ユニット1による制動力制御介入が行われることになる。
したがって、オーバースピードであることが検出された時点で速やかに制動制御介入が行われて減速トルクが発生されることになって、オーバースピードを速やかに抑制することができる。
また、制動制御介入が行われる状態から、例えば、コーナの出口近傍で、ドライバがアクセルペダル操作を行った場合には、ドライバ要求トルクTeが増加するため、ドライバ要求トルクTeの絶対値が減速トルクTcの絶対値以上となった時点で、制動制御介入が停止されこれに代えてエンジン制御により駆動トルクが増大し、リカバ方向に制御されることになって、駆動トルクを速やかに回復することができる。
このように、目標トルクT*を、前記減速トルクTcとドライバ要求トルクTeとから算出するようにし、減速トルクTcの絶対値|Tc|よりもドライバ要求トルク|Te|の方が大きいときにはエンジン制御のみを行い、減速トルクTcの絶対値|Tc|がドライバ要求トルク|Te|以上であるときにはエンジン出力を零とすると共に制動制御介入を行うことにより減速トルクを発生するようにしたから、制動制御介入により発生する制動トルクとドライバ要求駆動トルクとの干渉を回避しつつ、目標減速度Xg*を確実に達成することができる。
また、このとき、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が、減速トルクTcの絶対値|Tc|よりも大きい間は、ドライバ要求トルクTeを減速トルクTc相当低減することで目標減速度Xg*を達成するようにしているから、駆動トルクを発生させてドライバの加速意思を反映しつつ減速効果を得ることができる。また、このとき、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が減速トルクTcの絶対値|Tc|を下回り、ドライバ要求トルクTeに相当する駆動トルクを低減させることだけでは目標減速度Xg*を達成することができない場合には、駆動トルクの発生を中止し制動制御介入を行うことにより制動トルクを発生させるようにしているから、ドライバ要求トルクTeの絶対値|Te|が、減速トルクTcの絶対値|Tc|よりも小さい場合であっても、確実に目標減速度Xg*を達成することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態で、減速制御コントローラ10において、前記旋回時におけるオーバースピードを防止するための減速制御を行うと共に、さらに自車両前方の障害物を検出し、障害物との接近度合に応じても減速制御を行うようにしたものである。
図5に示すように、図1に示す減速制御装置において、さらに自車両前方の障害物を検出するためのレーザレーダ等の障害物検出センサ15を備えている。そして、減速制御コントローラ10は、図6に示すように、障害物検出センサ15からの検出信号に基づいて自車両前方の障害物までの距離を検出し、これに基づいて自車両が障害物と接近し過ぎる傾向にあるときに、自車両を減速させるための減速トルクを算出する障害物減速トルク算出部31と、この障害物減速トルク算出部31で算出した障害物減速トルクと、減速トルク算出部24で算出した旋回時の減速トルクとをもとに、最終減速トルクを算出する最終減速トルク算出部32と、をさらに備えており、目標トルク算出部26では、ドライバ要求トルク算出部25で算出したドライバ要求トルクと、最終減速トルク算出部32で算出した最終減速トルクとをもとに、目標トルクを算出するようになっている。
図7は、第2の実施の形態において、減速制御コントローラ10で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図3に示す上記第1の実施の形態におけるフローチャートと同一処理部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、ステップS1からステップS4の処理は上記第1の実施の形態と同様であって、ステップS4で目標減速度Xg*を算出したならばステップS5aに移行する。このステップS5aでは、前記図4のフローチャートにしたがって、前記目標減速度Xg*を達成し得る減速トルクTcを算出する。なお、以後、目標減速度Xg*に基づいて算出した旋回時における減速トルクTcを、旋回減速トルクTcという。
次いで、ステップS31に移行し、前記障害物検出センサ15からの検出信号に基づいて、障害物への接近を回避するために必要な障害物減速トルクToを算出する。具体的には、障害物検出センサ15からの検出信号に基づいて障害物の有無を検出し、障害物が存在しない場合には障害物減速トルクToとして零を設定する。また、障害物が存在する場合には、この障害物と自車両との間の物体間距離、また、これら間の相対速度等を算出し、例えば、前記物体間距離を前記相対速度で割算して自車両が障害物と衝突するまでの衝突時間TTCを算出し、衝突時間TTCがしきい値を超えるとき、減速させる必要があると判断する。そして相対速度を衝突時間と自車両重量とで割算し、これを障害物減速トルクToとする。なお、障害物減速トルクToは負値のとき減速トルクを発生させるものとする。なお、この障害物減速トルクToの算出はこれに限るものではなく、任意の方法で算出すればよい。
このようにして、障害物減速トルクToを算出したならば、ステップS31からステップS32に移行し、最終減速トルクTを算出する。
この最終減速トルクTの算出は、図8のフローチャートに示す手順で行う。すなわち、まず、ステップS41で、前記障害物減速トルクToと前記ステップS5で算出した旋回減速トルクTcとを比較し、これらが、To<Tcを満足するときにはステップS42に移行し、障害物減速トルクToを最終減速トルクTとして設定する。逆に、To<Tcを満足しないときにはステップS43に移行し、旋回減速トルクTcを最終減速トルクTとして設定する。
このようにして最終減速トルクTを算出したなら、図7に戻ってステップS6に移行し、上記第1の実施の形態と同様にしてドライバ要求トルクTeを算出したならばステップS7aに移行し、目標トルクT*を算出する。この第2の実施の形態においては、前記ステップS32で算出した最終減速トルクTとステップS6で算出したドライバ要求トルクTeとの和を目標トルクT*とする。
そして、ステップS8aに移行し、最終減速トルクTの絶対値とドライバ要求トルクTeの絶対値とを比較し、|T|<|Te|を満足するときにはステップS9に移行し、|T|<|Te|を満足しないときにはステップS10に移行する。そして、以後、上記第1の実施の形態と同様に処理を行う。
次に、第2の実施の形態の動作を説明する。
今、車両が旋回走行していない状態であり、且つ自車両前方に障害物が存在していない場合には、目標減速度Xg*が零以下となって減速制御による制御介入は行われないから、旋回減速トルクTcは略零となり(ステップS5a)、また、このとき前方に障害物が存在しないから障害物減速トルクToも略零となり(ステップS31)、最終減速トルクTも略零となる。このため、アクセル操作量θthに応じたドライバ要求トルクTeが目標トルクT*として算出され(ステップS7a)、ドライバ要求トルクTeの絶対値は最終減速トルクTの絶対値よりも大きいから(|T|<|Te|)、ステップS8aからステップS9に移行し、目標トルクT*、つまり、ドライバ要求トルクトルクTeを発生するようエンジンスロットル制御ユニット3が駆動制御される。このとき、制動流体圧制御ユニット1による制動トルクの発生は行われない。したがって、アクセル操作量θthに応じた駆動トルクが発生され、このとき制動トルクは発生されないから、ドライバの運転操作に即した車両挙動となる。
この状態から、例えば、アクセルペダルを踏み込んだ状態で、コーナにオーバースピードで進入した場合には、目標減速度Xg*が零よりも大きくなると(Xg*>0)、この目標減速度Xg*を達成し得る旋回減速トルクTcが算出され、また、障害物が存在しない場合には障害物減速トルクToは略零となるから、最終減速トルクTは旋回減速トルクTcに応じた値となる(ステップS5a、S31、S32)。そして、比較的アクセルペダルを踏み込んだ状態でカーブに進入し、目標減速度Xg*を達成するための最終減速トルクTとアクセルペダル操作量に応じたドライバ要求トルクTeとが|T|<|Te|を満足する場合には、ステップS8aからステップS9に移行し、目標トルクT*相当の駆動トルクを発生するようエンジンスロットル制御ユニット3が駆動制御されるが、この時点では、制動流体圧制御ユニット1による制動制御介入は行われない。
したがって、オーバースピードが検出された時点で、エンジン制御が介入し減速制御が開始されることになって、旋回減速トルクTc相当の減速度が発生されることになる。このとき、エンジン制御を行うことによって減速トルクを発生させるようにしているから、ドライバが加速意思をもってアクセルペダルを踏み込んでいる場合には、ドライバが期待する加速感よりも小さいものの、継続して加速感を与えることができる。
この状態から、例えば自車両前方に障害物が検出され障害物減速トルクToが負方向に増加すると、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとがTo≧Tcである間は、旋回減速トルクTcが最終減速トルクTとして設定され(S41、S43)、これに基づいて目標トルクT*が算出されることになり、トルクの大きさが大きくその必要性がより大きい方、つまり、オーバースピードを抑制し得る減速トルクを達成するよう、駆動トルク及び制動トルクが制御されることになって、必要性のより高い、オーバースピードの低減を図るに十分な減速度が発生されることになる。
そして、障害物減速トルクToがさらに負方向に増加し、To<Tcとなると、障害物減速トルクToが最終減速トルクTとして設定されることになり(ステップS41、S42)、この最終減速トルクTを達成するよう、駆動トルク及び制動トルクが制御されることになる。
このため、今度は障害物減速トルクToに相当する減速度が発生されることになり、すなわち、オーバースピードを抑制し得る減速度を発生させることによって旋回減速トルクTcが低減すると、今度は、より必要性の高い、障害物への接近を回避し得る障害物減速トルクToに相当する減速度が発生されることになって、障害物への接近の抑制が図られることになり、これと共に、オーバースピードの抑制も図られることになる。
このように、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとの何れか大きい方を満足するよう目標トルクT*を発生させるようにしているから、現在の走行状況においてより必要とされている減速度が優先して発生されることになって障害物との接近及びオーバースピードの低減を確実に図ることができる。
一方、アクセルペダルを開放した状態で、コーナにオーバースピードで進入した場合には、目標減速度Xg*が零よりも大きくなると(Xg*>0)、この目標減速度Xg*を達成し得る旋回減速トルクTcが算出され、このとき、障害物が存在しない場合には、最終減速トルクTは旋回減速トルクTcに応じた値となり、このとき、アクセルペダルを開放しているから、ステップS8aからステップS10に移行し、目標トルクT*相当の減速度を発生するよう制動力制御が行われる。したがって、アクセルペダルを開放した状態でコーナにオーバースピードで進入した場合には、目標減速度Xg*が零よりも大きくなった時点で速やかに制動制御介入が行われることになる。
この状態から、自車両前方に障害物が検出され障害物減速トルクToが負方向に増加すると、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとがTo≧Tcである間は、トルク値がより大きく必要性がより高い旋回減速トルクTcが最終減速トルクTとして設定され、これに基づいて目標トルクT*が算出されることになって、オーバースピードを抑制し得る減速度が発生されて、オーバースピードの低減が図られる。そして、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとがTo<Tcとなると、障害物減速トルクToが最終減速トルクTとして設定されることになり、この最終減速トルクTを達成するよう、駆動トルク及び制動トルクが制御されることになる。
このため、今度は障害物減速トルクToに相当する減速度が発生されることになって、オーバースピードの低減が優先して図られると共に、障害物との接近を低減することができる。このとき、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとの何れか大きい方を満足するよう目標トルクT*を発生させるようにしているから、現在の走行状況において必要とされている減速度が優先して発生されることになって障害物との接近及びオーバースピードの低減を確実に図ることができる。
そして、このような減速制御介入によりオーバースピード或いは障害物に対して減速度が発生されている状態から、例えばコーナ終了に差しかかりドライバがアクセルペダルの踏込み操作を行った場合には、ドライバ要求トルクTeが大きくなるため、目標トルクT*が正方向に増加してリカバ方向に制御することができ、オーバースピード或いは障害物に対する減速度を発生しつつ、ドライバのアクセルペダル操作に即して加速感を与えることができる。
このように、本発明の第2の実施の形態においては、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができると共に、オーバースピードに対する減速だけでなく、自車両前方の障害物との接触に対する減速をも実現することができ、このとき、必要性がより高い方の減速を優先して行うようにしているから、減速効果を有効に発揮させることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、図7のステップS32での最終減速トルクTの算出処理が異なること以外は、上記第2の実施の形態と同様であるので同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図9は、第3の実施の形態における、最終減速トルクTの算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この第3の実施の形態においては、図9に示すように、まず、ステップS51の処理で、障害物減速トルクTo及び旋回減速トルクTcが負値、つまり、減速度発生方向にあり、且つ障害物減速フラグFoが“OFF”、旋回減速フラグFcが“ON”であるかを判定する。そして、これらを何れも満足するときにはステップS52に移行し、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとの和を最終減速トルクTとして設定する。
なお、前記障害物減速フラグFo、旋回減速フラグFcは、初期状態では、“OFF”に設定されているものとする。
一方、ステップS51で、障害物減速トルクTo及び旋回減速トルクTcが負値、且つ障害物減速フラグFoが“OFF”、旋回減速トルクFcが“ON”という条件を全て満足しない場合にはステップS53に移行し、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとを比較し、To<TcであるときにはステップS54に移行し最終減速トルクTとして障害物減速トルクToを設定し、また、障害物減速フラグFoを“ON”に設定する。逆に、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとがTo≧TcであるときにはステップS53からステップS55に移行し、最終減速トルクTとして旋回減速トルクTcを設定する。また、旋回減速フラグFcを“ON”に設定する。
このようにしてステップS52、ステップS54又はステップS55で最終減速トルクTを設定したならばステップS56に移行し、この最終減速トルクTが零より小さいときにはそのまま処理を終了するが、最終減速トルクTが正値であるとき、つまり減速制御を行う必要のないときにはステップS57に移行し、障害物減速フラグFo及び旋回減速フラグFcを“OFF”に設定する。そして処理をする。
次に、上記第3の実施の形態の動作を説明する。
自車両前方の障害物に対する減速制御介入を行っている状態で、旋回状態となりオーバースピードとなったときには、障害物減速フラグFoが“ON”に設定されているから、ステップS51からステップS53に移行し、上記第2の実施の形態と同様に、障害物減速トルクTo及び旋回減速トルクTcのうち、その絶対値の大きい方が最終減速トルクTとして選択され、これを達成するよう制動力制御及びエンジン制御が行われる。
一方、旋回時のオーバースピードに対し減速制御介入を行っている状態から、障害物が検知され障害物減速トルクToが負方向に増加すると、このとき、旋回減速トルクTcに相当する減速度を発生させるための減速制御が行われているから、旋回減速フラグFcは“ON”に設定され、また、旋回減速制御トルクTcは負値である。また、障害物減速トルクToは負値であり、障害物減速フラグFoは“OFF”であるからステップS51からステップS52に移行し、前記障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとの和が最終減速トルクTに設定される。
そして、この最終減速トルクTとドライバ要求トルクTeとの和から目標トルクT*が算出され、この最終減速トルクT相当の減速度を発生するようエンジン又は制動制御が行われることになる。
したがって、オーバースピードを抑制し得る減速度及び障害物への接近を回避し得る減速度の双方を達成し得る減速度が発生されることになって、旋回中に検出された前方障害物に対し、瞬時に減速制御が反応し、オーバースピードの抑制を実現することができると共に、障害物に対する減速効果をも発揮することができる。
そして、減速度の発生によって旋回減速トルクTcが低下し略零となると、ステップS51からステップS53を経てステップS54に移行し、障害物減速トルクToが最終減速トルクTとして設定され、障害物減速フラグFoが“ON”に設定される。
そして、以後、ステップS51からステップS53を経てステップS54に移行し、障害物減速トルクToが最終減速トルクTとして設定され、障害物への接近を回避するための減速度が発生されることになる。
逆に、減速度の発生によって障害物減速トルクToが低下し略零となると、ステップS51からステップS53を経てステップS55に移行し、旋回減速トルクTcが最終減速トルクTとして設定され、オーバースピードの抑制を図るための減速制御が行われることになる。
そして、この状態から、障害物減速トルクTo及び旋回減速トルクTcが共に略零となると、ステップS53からステップS55、ステップS56を経てステップS57に移行し、旋回減速フラグFc、障害物減速フラグFoが共に“OFF”に設定され、一連の減速制御が終了することになる。
したがって、この第3の実施の形態においては、旋回減速トルクTcに相当する減速度を発生させている状態で、障害物に対する障害物減速トルクToを発生させる必要があるときには、旋回減速トルクTcと障害物減速トルクToとの和を最終減速トルクTとして設定するようにしているから、旋回中に前方障害物への接近に対処する緊急度が高まったと同時に、より大きな減速度を発生させることができ、前方障害物に対して速やかに制御が反応し、十分な減速効果を得ることができる。
なお、上記第3の実施の形態においては、旋回状態でオーバースピードに対する減速を行っている状態で障害物に対する減速を行うときに障害物減速トルクTo及び旋回減速トルクTcとの和を最終減速トルクTとして設定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、障害物に対する減速制御を行っている状態から、オーバースピードでの旋回状態となった場合においても、障害物減速トルクToと旋回減速トルクTcとの和に基づいて最終減速トルクTを設定するようにしてもよく、この場合には、オーバースピードに対しこれに相当する減速制御を速やかに行うことができ、十分な減速効果を得ることができる。
なお、上記各実施の形態においては、旋回時における減速制御を行う場合に、駆動トルクと制動トルクとの干渉を回避するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、上記第2及び第3の実施の形態のように自車両前方の障害物への接近を回避するための減速制御を行う場合であっても適用することができ、また、カーブ手前等において予め自車両の走行速度を安定走行可能な目標車速まで減速するようにした減速制御、或いは、走行路側に配設されたインフラ設備からのインフラ情報等に基づいて自車両前方の走行環境に応じて減速するようにした減速制御等を行う場合等、ドライバの減速操作に関わらず強制的に減速度を発生させるようにした減速制御であれば適用することができる。
また、上記第2及び第3の実施の形態においては、旋回時における減速制御と共に、自車両前方の障害物に対する減速制御を行うようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、上述の各種減速制御の何れかを組み合わせることも可能である。
また、上記各実施の形態においては、アクセルペダルの操作量θthに基づいて、ドライバが要求するドライバ要求トルクTeを算出するようにした場合について説明したが、例えば、先行車両と自車両との間の車間距離を所定の距離に保って、前記先行車両に追従して走行するよう自車両の走行速度を制御したり、或いは、一定速度で自動走行するよう走行速度を制御するようにした車両制御装置が搭載されている場合には、この車両制御装置によるスロットル開度の制御量等に基づいてドライバ要求トルクTeを算出するようにすればよい。
なお、上記各実施の形態において、エンジンスロットル制御ユニット3が駆動力発生手段及び駆動力制御手段に対応し、制動流体圧制御ユニット1が制動力制御手段に対応し、減速制御コントローラ10が減速制御手段に対応している。また、第1の実施の形態において、図3のステップS5の処理が減速制御力算出手段に対応し、ステップS6の処理が要求駆動力検出手段に対応し、ステップS7の処理が目標減速制御力算出手段に対応している。また、第2及び第3の実施の形態において、図7のステップS5a、ステップS31、S32の処理が減速制御力算出手段に対応し、ステップS6の処理が要求駆動力検出手段に対応し、図7のステップS7aの処理が目標減速制御力算出手段に対応している。
本発明における減速制御装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 図1の減速制御コントローラの機能構成を示すブロック図である。 図1の減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS5の減速トルク算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における減速制御装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 第2の実施の形態における減速制御コントローラの機能構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態における減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6のステップS32の最終減速トルク算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における、図6のステップS32の最終減速トルク算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 制動流体圧制御ユニット
2FL〜2RR 車輪
3 エンジンスロットル制御ユニット
10 減速制御コントローラ
11 ヨーレートセンサ
12 操舵角センサ
13FL〜13RR 車輪速度センサ
14 アクセルセンサ
15 障害物検出センサ

Claims (8)

  1. 要求される駆動力相当の駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    当該駆動力発生手段で発生する駆動力を制御する駆動力制御手段と、
    車両に作用する制動力を制御する制動力制御手段と、を備え、
    前記駆動力制御手段及び前記制動力制御手段を制御し、走行状況に応じて車両に減速度を発生させるようにした減速制御装置であって、
    前記減速度を発生させるために必要な減速制御力と前記要求される駆動力とから目標減速制御力を算出し、
    前記駆動力発生手段で発生される駆動力及び前記制動力制御手段の制御介入に伴う制動力増加分の何れか一方が前記目標減速制御力相当となり且つ他方が零となるように、前記駆動力制御手段及び前記制動力制御手段を制御することを特徴とする減速制御装置。
  2. 要求される駆動力相当の駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    当該駆動力発生手段で発生する駆動力を制御する駆動力制御手段と、
    車両に作用する制動力を制御する制動力制御手段と、
    前記駆動力制御手段及び前記制動力制御手段を制御し、走行状況に応じて車両に減速度を発生させる減速制御手段と、を備えた減速制御装置であって、
    前記走行状況に応じて車両に発生すべき減速制御力を算出する減速制御力算出手段と、
    前記要求される駆動力を検出する要求駆動力検出手段と、
    前記減速制御力算出手段で算出した減速制御力と前記要求駆動力検出手段で検出した駆動力とから目標減速制御力を算出する目標減速制御力算出手段と、を備え、
    前記減速制御手段は、前記駆動力発生手段で発生される駆動力及び前記制動力制御手段の制御介入に伴う制動力増加分の何れか一方が前記目標減速制御力相当となり且つ他方が零となるように、前記駆動力制御手段及び前記制動力制御手段を制御するようになっていることを特徴とする減速制御装置。
  3. 前記目標減速制御力算出手段は、前記減速制御力と前記駆動力との偏差を前記目標減速制御力とするようになっていることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  4. 前記目標減速制御力算出手段は、前記減速制御力を負値、前記駆動力を正値で表してこれらの和を前記目標減速制御力とし、
    前記減速制御手段は、前記目標減速制御力が正値であるときには前記駆動力制御手段により前記目標減速制御力相当の駆動力を発生させ、前記目標減速制御力が負値であるときには前記制動力制御手段により、制動力を、前記目標減速制御力相当増加させるようになっていることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  5. 前記減速制御力算出手段は、旋回走行時に、自車両の走行速度を安定走行可能な走行速度にし得る減速制御力を算出するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の減速制御装置。
  6. 前記減速制御力算出手段は、走行状況の複数の事象に対して前記減速制御力を個別に算出し、算出した複数の減速制御力のうちその大きさが最も大きいものを最終減速制御力とし、
    前記目標減速制御力算出手段は、前記最終減速制御力と前記駆動力とに基づいて前記目標減速制御力を算出するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の減速制御装置。
  7. 前記減速制御力算出手段は、旋回走行時に、自車両の走行速度を安定走行可能な走行速度にするための旋回時減速制御力と、
    自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段で検出された障害物への接近を回避するための障害物回避減速制御力と、を算出するようになっていることを特徴とする請求項6記載の減速制御装置。
  8. 前記減速制御力算出手段は、前記旋回時減速制御力を発生させるための減速制御が行われているときに、前記障害物回避減速制御力を発生させる必要のある状態となったときには、前記旋回時減速制御力と前記障害物回避減速制御力との和を前記最終減速制御力とするようになっていることを特徴とする請求項7記載の減速制御装置。
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