JP2005238674A - 水圧転写シート及び金属調成形品の製造方法 - Google Patents

水圧転写シート及び金属調成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形品に金属光沢とヘアライン模様等の凹凸模様とを同時に施すことができる水圧転写シート及びその水圧転写シートを用いた金属調成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】 水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層とが積層された水圧転写シートであって、基材シートが転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、転写層がその凹凸を埋めるように形成されている水圧転写シートにより、上記課題を解決した。この水圧転写シートは、光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、基材シートにおける凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことが好ましい。
【選択図】 図1




Description

本発明は、水圧転写シート及びその水圧転写シートを用いた金属調成形品(本明細書において、表面に金属調の装飾が施された成形品をいうものとする。)の製造方法に関し、更に詳しくは、金属調の装飾を成形品に施すための水圧転写シート及びその水圧転写シートを用いた金属調成形品の製造方法に関するものである。
自動車の内装品、家電製品又はOA機器等に利用される各種の非金属材料からなる成形品には、表面に金属素材を再現するための金属調の装飾(金属光沢)が施された成形品が利用されている。これら各種の成形品は複雑な三次元形状を有する場合が多く、このような複雑な形状を有する成形品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法としては、水圧を利用して成形品に金属調の装飾を施す水圧転写法が知られている。
水圧転写法とは、水溶性又は水膨潤性の基材シートと、成形品に金属調の装飾を施すための転写層とがこの順に積層された水圧転写シートを用いる転写法であり、具体的には、水圧転写シートを基材シート側の面が水面に向くように水面に浮遊させ、その水圧転写シートの上から成形品を押し付けて、水圧により水圧転写シートと成形品を密着させることにより、転写層を成形品に転写させる方法である。このような水圧転写法によれば、水面に浮遊させた水圧転写シートに成形品を押し付けた際に、成形品の形状に沿って加わる水圧により水に溶解又は膨潤した基材シートが展延するので、水圧転写シートが三次元形状を有する成形品に簡便に密着し、転写層が成形品に転写されて、金属調の成形品を容易に得ることができる。
従来より、成形品に金属調の装飾を施すための水圧転写シートとしては、転写層が金属粉末を含む透明合成樹脂で形成された水圧転写シートが用いられていた(例えば、特許文献1を参照。)。
特開昭61−40200号公報
しかしながら、近年は、金属調成形品として、ヘアライン模様等の凹凸模様が施された高級感のある金属素材を再現したものが求められている。それに対し、特許文献1に記載されている従来の水圧転写シートは、成形品に金属光沢のみを施すものであり、金属光沢とヘアライン模様等の凹凸模様とを同時に施すことはできなかった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、金属光沢とヘアライン模様等の凹凸模様とを同時に成形品に施すことができる水圧転写シート及びその水圧転写シートを用いた金属調成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の第1の形態に係る水圧転写シートは、水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層とが積層された水圧転写シートであって、前記基材シートが前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、基材シートの転写層側の面が所定パターンの凹凸を有するので、成形品に金属調の装飾を与える転写層にその凹凸が賦形される。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、成形品に金属光沢と凹凸模様とを同時に施すことができる。
上記課題を解決するための本発明の第2の形態に係る水圧転写シートは、水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、水溶性の樹脂で形成された凹凸層と、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、前記凹凸層が前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、凹凸層の転写層側の面が所定パターンの凹凸を有するので、成形品に金属調の装飾を与える転写層にその凹凸が賦形される。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、成形品に金属光沢と凹凸模様とを同時に施すことができる。
上記課題を解決するための本発明の第3の形態に係る水圧転写シートは、水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層と、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、前記基材シートが前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、基材シートの転写層側の面が所定パターンの凹凸を有するので、成形品に金属調の装飾を与える転写層にその凹凸が賦形される。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、成形品に金属光沢と凹凸模様とを同時に施すことができる。また、この発明によれば、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層が転写層の上に形成されているので、活性剤の塗布により接着層が溶解又は膨潤し、転写層と成形品とが接着し易くなる。そのため、活性剤を直接転写層に塗布して転写層を溶解又は膨潤させなくても転写層と成形品とを接着させ易くできるので、転写層が溶解又は膨潤することによる転写層の凹凸の変形を抑制することができる。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、金属調成形品に施される凹凸模様が鮮明になる。ここで、活性剤とは、水圧転写シートの基材シート側とは反対側の面に塗布されてその面を溶解又は膨潤させることにより、転写層と成形品とを接着させ易くするものであり、通常は転写層に直接塗布される。
上記課題を解決するための本発明の第4の形態に係る水圧転写シートは、水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、水溶性の樹脂で形成された凹凸層と、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層と、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、前記凹凸層が前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、凹凸層の転写層側の面が所定パターンの凹凸を有するので、成形品に金属調の装飾を与える転写層にその凹凸が賦形される。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、成形品に金属光沢と同時に凹凸模様を施すことができる。また、この発明によれば、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層が転写層の上に形成されているので、活性剤を直接転写層に塗布して転写層を溶解又は膨潤させなくても転写層と成形品とを接着させ易くできる。その結果、転写層が活性剤に溶解又は膨潤することによる転写層の凹凸の変形を抑制することができるので、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、金属調成形品に施される凹凸模様が鮮明になる。
本発明の水圧転写シートは、上記第1〜第4の形態に係る水圧転写シートにおいて、前記光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、前記凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことが好ましい。
この発明によれば、転写層に含まれる光輝性鱗片状薄片の平均粒径が基材シート又は凹凸層の凹部の間口の大きさの平均よりも小さいので、基材シート等の凹部に対応して賦形されている転写層の凸部に、光輝性鱗片状薄片の平板面が面内方向に平行又は略平行に配向し易くなる。そのため、平面視したときに転写層の凹凸面が光輝性鱗片状薄片により隙間なく充填され易くなる。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、成形品に均一な金属光沢を施すことができ、また、金属光沢が均一になることにより成形品に施される凹凸模様が鮮明になる。
本発明の水圧転写シートは、上記第3又は第4の形態に係る水圧転写シートにおいて、前記透明バインダー樹脂が前記活性剤に溶解又は膨潤し難いことが好ましい。
この発明によれば、転写層を形成する透明バインダー樹脂が活性剤に溶解又は膨潤し難いので、接着層に塗布された活性剤が接着層を溶解又は膨潤させて転写層に達した場合でも、転写層が活性剤に溶解又は膨潤し難く、転写層の凹凸が変形し難い。その結果、金属調成形品の製造にこの水圧転写シートを用いると、金属調成形品に施される凹凸模様が鮮明になる。
上記課題を解決するための本発明の金属調成形品の製造方法は、上記水圧転写シートを前記基材シート側の面が水面に向くように水面に浮遊させ、前記水圧転写シートの上方から成形品を押し入れることにより、水圧で前記水圧転写シートを前記成形品に密着させて、当該成形品の表面に前記転写層を転写させることを特徴とする。
本発明の第1〜第4の形態に係る水圧転写シートによれば、成形品に金属光沢と凹凸模様とを同時に施すことができる。また、本発明の第3及び第4の形態に係る水圧転写シートによれば、成形品に施される凹凸模様がより鮮明になる。
本発明の金属調成形品の製造方法によれば、本発明の水圧転写シートを用いるので、各種凹凸模様を有する金属調成形品を簡便に製造することができる。
以下、本発明の水圧転写シート及びその水圧転写シートを用いた金属調成形品の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
(水圧転写シート)
本発明の水圧転写シートは、水圧転写法により成形品に金属調の装飾を施すためのシートである。図1に本発明の水圧転写シートの代表的な4つの形態の断面を示す。本発明の水圧転写シートには、図1(A)に示すような第1の形態に係る水圧転写シート1、図1(B)に示すような第2の形態に係る水圧転写シート1、図1(C)に示すような第3の形態に係る水圧転写シート1、及び、図1(D)に示すような第4の形態に係る水圧転写シート1の4つの形態がある。
本発明の第1の形態に係る水圧転写シート1は、図1(A)に示すように、水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された表面に凹凸を有する基材シート2と、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層3とが積層された構造を有する。本発明の第2の形態に係る水圧転写シート1は、図1(B)に示すように、表面が平坦な基材シート2と転写層3との間に凹凸層4が設けられた構造を有する。本発明の第3の形態に係る水圧転写シート1は、図1(C)に示すように、上記第1の形態に係る水圧転写シートの転写層3の上に接着層5が設けられた構造を有する。本発明の第4の形態に係る水圧転写シート1は、図1(D)に示すように、上記第2の形態に係る水圧転写シートの転写層3の上に接着層5が設けられた構造を有する。
図2は、本発明の水圧転写シートを用いて製造される金属調成形品の一例を示す断面図である。ただし、図2において、金属調成形品6に施された凹凸模様は、図の簡略化のために省略されている。金属調成形品6は、図2(A)及び(B)に示すように、成形品7の表面に水圧転写シート1の転写層3が転写されたものである。本発明の第3及び第4の形態に係る水圧転写シート1を用いて製造される金属調成形品6は、図2(B)に示すように、成形品7の表面に接着層5を介して転写層3が転写されている。
[基材シート]
基材シート2は、水溶性又は水膨潤性を有する樹脂で形成されている。このような基材シート2は、水圧転写シート1が水面に浮かべられることにより水に溶解又は膨潤し、その後、成形品7が水圧転写シート1に押し付けられると水圧により展延して成形品7の三次元形状に沿って変形する。そのため、水圧転写シート1は、複雑な三次元形状を有する成形品7に対しても追従し易い。なお、基材シート2は、金属調成形品6の製造の際に除去されて、金属調成形品6を構成しない。
基材シート2を形成する水溶性又は水膨潤性を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、基材シート2には、マンナン、キサンタンガム又はグアーガム等のゴム等が添加されていてもよい。基材シート2は、通常、鹸化されたポリビニルアルコール及び澱粉が混合された樹脂に必要に応じてゴム等が添加されて形成されている。
本発明の第1及び第3形態に係る水圧転写シート1の基材シート2は、図1(A)及び(C)に示したように、転写層3側の面に所定パターンの凹凸を有する。基材シート2自体が表面にこのような凹凸を有することにより、隣接して設けられた転写層3に基材シート2の有する凹凸に応じた凹凸模様を賦形することができる。
基材シート2の凹凸のパターンは、成形品7に施したい所望の凹凸模様を転写層3に賦形できる凹凸パターン、すなわち、成形品7に施したい所望の凹凸模様(転写層3に賦形する凹凸模様)を反転した凹凸パターンである。転写層3に賦形する凹凸模様としては、成形品の装飾に通常用いられる各種凹凸模様が挙げられ、例えば、ヘアライン模様、砂目模様、木目導管溝模様、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア模様、花崗岩の劈開面模様等が挙げられる。ここで、一般に、ヘアライン模様とは多数の細い線状の凹部が平行又は略平行に並列した模様であり、また、砂目模様とは多数の小さな点状の凹部が散在した模様である。
基材2の凹凸の寸法(凹部の間口の大きさや凸部の高さ等)は、転写層3に賦形する凹凸模様により異なる。ここで、本明細書において「凹部の間口の大きさ」とは、その内側に凹部を形成して凹部の外郭となる凸部同士の頂部間の最小距離をいい、基材シート2の凹凸パターンがヘアライン模様を反転したパターンのように溝状の凹凸パターンである場合には、「凹部の間口の大きさ」は、図3(A)に示すように凹部の間口の幅Wを意味する。
例えば、基材シート2の凹凸パターンが図3(A)に示すようなヘアライン模様を反転したパターンである場合に、凹部の間口の幅W及び凸部の幅Wは、それぞれ平均値で通常30〜1000μmである。また、この場合の凸部の高さHは、基材シート2の厚さを超えない範囲であればよく、平均値で通常10〜100μmである。基材シート2の凹凸パターンが図3(B)に示すような砂目模様を反転したパターンである場合に、凹部の間口の大きさWは平均値で通常10〜1000μmである。また、この場合の凸部の高さHは、基材シート2の厚さを超えない範囲であればよく、平均値で通常1〜100μmである。
第1及び第3の形態に係る水圧転写シート1における基材シート2の形成方法としては、加熱溶融された樹脂をTダイからキャスティングドラムに押出してシート状又はフィルム状に成形するTダイ押出し法、又は、樹脂を水や有機溶剤等の溶剤に溶解又は分散させた溶液又は分散液をキャスティングドラムに流延し溶剤を乾燥させてシート状又はフィルム状に成形する溶液流延法等を用いることができる。Tダイ押出し法や溶液流延法により基材シート2を形成する場合には、キャスティングドラムとして、基材シート2に所定パターンの凹凸を賦形できる凹凸を表面に有するものを用いるとよい。なお、この基材シート2の厚さ(凸部の高さを含めた総厚さ)は、30〜200μmであることが好ましい。
第2及び第4の形態係る水圧転写シートの有する基材シート2の形成方法としては、上記の樹脂をシート状又はフィルム状に成形できる方法であれば特に限定されず、Tダイ押出し法、溶液流延法、カレンダー法等を用いることができる。なお、この基材シート2の厚さは30〜200μmであることが好ましい。
[凹凸層]
凹凸層4は、図1(B)に示す本発明の第2の形態に係る水圧転写シート1及び図1(D)に示す本発明の第4の形態に係る水圧転写シート1において、基材シート2と転写層3との間に設けられて、転写層3に凹凸形状を賦形させる役割を有する。本発明の第2及び第4の形態に係る水圧転写シート1は、凹凸層4が設けられているので、基材シート2に凹凸を付与しなくても隣接する転写層3に凹凸が賦形される。なお、凹凸層4は、金属調成形品6の製造の際に除去されて、金属調成形品6を構成しない。
凹凸層4は、転写層3側の面に所定パターンの凹凸を有する。凹凸層4の凹凸のパターンは、基材シート2の欄で例示した各種の凹凸模様を反転させた凹凸パターンであり、凹凸の寸法(凹部の間口の大きさや凸部の高さ等)についても基材シート2で説明したのと同様である。また、凹凸層4の厚さ(凸部の高さを含めた総厚さ)は、30〜100μmであることが好ましい。
凹凸層4は、金属調成形品6を製造する際に水により容易に除去される必要があるため、水溶性の樹脂で形成されている。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性のウレタン樹脂、又は、水溶性のアクリル系樹脂とカゼインとを混合した樹脂等が挙げられる。凹凸層4には、体質顔料、チキソトロピック付与剤等の添加剤が含有されていてもよい。チキソトロピック付与剤が含有されていると、後述するように凹凸層用塗工液を用いて凹凸層4を形成する際、印刷等により凹凸を有する液状の塗膜を形成した後、塗膜が乾燥されて固化するまでの間に、その液状の塗膜が流動してしまうことによる凹凸の崩れや平坦化を防止することができる。
凹凸層4は、上記の樹脂を溶剤により溶解又は分散させた凹凸層用塗工液を調整し、転写層3に賦形するための各種凹凸パターンに応じた印刷版を用い、凹凸層用塗工液を印刷用のインキとして基材シート2に印刷し、塗膜を乾燥させることにより形成される。凹凸層4の形成は、各種凹凸パターンに応じた印刷版を用いて行われるので、例えば各種凹凸パターンに応じたキャスティングロールを用いて行われる基材シート2(本発明の第1及び第3の形態に係る水圧転写シート1の基材シート2)の形成と比較して、簡便でコスト的にも有利である。したがって、成形品7に多種類の凹凸模様を施して多種類の金属調成形品6を製造する場合には、本発明の第2及び第4の形態に係る水圧転写シート1を用いると、製造コストを抑えることができる。
凹凸層用塗工液の印刷方法としては、シルクスクリーン印刷法、グラビア印刷法等を用いることが好ましい。また、凹凸層用塗工液の溶剤としては、凹凸層4を形成する際に基材シート2が溶解又は膨潤するのを防ぐ観点から、水を用いずに、基材シート2を溶解又は膨潤させない有機溶剤を用いることが好ましい。そのような有機溶剤としては、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、又は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。
[転写層]
転写層3は、水圧転写シート1を用いた水圧転写の際に成形品7に転写される層であり、成形品7に金属調の装飾を付与する役割を有する。
本発明の水圧転写シートの転写層3は、成形品7に転写された際に視認される側の面にヘアライン模様等を表す所定パターンの凹凸を有する。この凹凸は、転写層3に隣接して設けられている基材シート2自体の有する凹凸又は凹凸層4の有する凹凸により賦形されている。転写層3がこのような凹凸を有することにより、成形品7に金属調光沢とヘアライン模様等の凹凸模様とを同時に施すことができる。
転写層3は、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成されている。そのような透明バインダー樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂又は塩素化ポリプロビレン等を挙げることができる。
セルロース系樹脂としては、ニトロセルロース(硝化綿)、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロビオネート等が用いられる。また、アクリル樹脂としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−エチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が用いられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ウレタン樹脂は、主としてポリオールとポリイソシアネートとを反応させて生成される。ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート若しくはジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアンーネート、又は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート若しくはイソホロンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネートが用いられる。なお、これらのポリイソシアネートは、付加体又は3量体や5量体等の多量体の形で用いることもできる。また、これらのポリイソシアネートは、必要に応じ、予めアルコール類やフェノール類等と可逆的に結合させた、いわゆるブロックイソシアネートの形態で用いられてもよい。ウレタン樹脂の形態としては、1液型ウレタン樹脂とした形態又は2液硬化型ウレタン樹脂とした形態等を挙げることができる。1液型ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを予め線状高分子となるように重合した熱可塑性ウレタン樹脂であり、溶剤で溶解希釈されて用いられる。また、2液硬化型ウレタン樹脂は、転写層3を基材シート2に形成する際に、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを硬化剤として混合した転写層用塗工液を調整し、この塗工液を基材シート2に印刷又は塗工した後に両者を反応させて得られるウレタン樹脂である。
本発明の第3又は第4の形態に係る水圧転写シート1において、転写層3を形成する透明バインダー樹脂は、活性剤である有機溶剤にも溶解又は膨潤し難い樹脂であることが好ましい。本発明の第3又は第4の形態に係る水圧転写シート1は、転写層3の基材シート2又は凹凸層4とは反対側の面に、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂により形成された接着層5が設けられている。ここで「活性剤」とは、接着層5を溶解又は膨潤させて接着層5に接着性又は粘着性を発現させることにより、接着層5を介して転写層3を成形品7に接着し易くさせるものである。これらの水圧転写シート1は、後述するように転写層3の代わりに接着層5が活性剤に溶解等するので、活性剤による転写層3の凹凸の変形が抑制され、成形品7に鮮明な凹凸模様を施すことができる。
本発明の第3又は第4の形態に係る水圧転写シート1において、転写層3が活性剤に溶解又は膨潤し難い樹脂で形成されていると、塗布された活性剤が接着層5を溶解等させて転写層3に達しても、転写層3がその活性剤に溶解又は膨潤し難いので、転写層3の有する凹凸の変形が一層抑制され、これらの水圧転写シート1により成形品7に施される凹凸模様がより鮮明になる。
本発明の第3又は第4の形態に係る水圧転写シート1において、透明バインダー樹脂の活性剤に対する溶解性又は膨潤性は、活性剤が転写層3に達した場合に少なくともその凹凸が変形しない程度であればよいが、転写層3の凹凸を変形させない観点からはできるだけ小さいことが好ましい。活性剤に溶解又は膨潤し難い樹脂は、使用する活性剤に応じて適宜選択され、例えば活性剤にトルエン又はメチルエチルケトンを使用する場合には、ポリフッ化ビニリデン樹脂を用いることができる。
光輝性鱗片状薄片としては、金属光沢を有するものであれば特に限定されず、金属の薄片、合金の薄片又は真珠光沢(パール)顔料の薄片等を用いることができ、なかでも金属の薄片又は合金の薄片を用いることが好ましい。光輝性鱗片状薄片として金属の薄片又は合金の薄片を用いると、成形品に施される金属光沢の鏡面性が向上し、金属素材の再現性が高い金属調成形品を得ることができる。金属の薄片としてはアルミニウム、金、銀、銅、チタン、クロム、ニッケル等の薄片が挙げられ、合金の薄片としては真鍮、ニッケルクロム、ステンレス鋼等の薄片が挙げられ、真珠光沢顔料の薄片としては二酸化チタンで被覆された雲母等の薄片が挙げられる。これらの薄片のなかでも可視光線全域で高い反射率を有し安価で製造・入手の容易なアルミニウムの薄片を用いることが好ましい。
光輝性鱗片状薄片は、図4(A)に示すように、扁平状で不規則な形状を有する。光輝性鱗片状薄片8がこのような形状を有することにより、図4(B)に示すように、転写層3において、光輝性鱗片状薄片8の平板面Fが転写層3の面内方向と平行又は略平行となる。したがって、この水圧転写シート1を用いて得られた金属調成形品6を巨視的に平面視すると、図4(C)に示すように、転写層3中の光輝性鱗片状薄片8が面状に配向して金属調成形品6の表面を隙間なく充填している。その結果、転写層3が転写された成形品7は、金属調の素材感を有するものとなる。
光輝性鱗片状薄片の平均粒径は、基材シート2(第1及び第3の形態に係る水圧転写シート1における基材シート2)又は凹凸層4の有する凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことが好ましい。ここで、本明細書にいう「光輝性鱗片状薄片の粒径」とは、光輝性鱗片状薄片の平板面方向での最大幅Dをいい(図4(A)を参照。)、光学顕微鏡又は電子顕微鏡等の顕微鏡を用いた顕微鏡法(顕微鏡の画像により粒径を測定する方法)により測定される。光輝性鱗片状薄片の平均粒径が基材シート2等の凹部の間口の大きさの平均よりも小さいと、図4(B)に示すように、基材シート2等の凹部に対応して賦形された転写層3の凸部においても、光輝性鱗片状薄片8が面内方向に平行又は略平行に配向し易くなる。その結果、転写層3の凹凸面(転写された際に視認される側の面)の凹部及び凸部とも光輝性鱗片状薄片により隙間なく充填され易くなるので、このような水圧転写シート1を用いて金属調成形品を製造すると、成形品7に施される金属光沢が全面において均一になり易く、また、金属光沢が均一になることにより成形品7に施される凹凸模様が鮮明なものとなる。
光輝性鱗片状薄片の好ましい平均粒径は、基材シート2又は凹凸層4の有する凹凸の寸法(転写層3に賦形される凹凸の寸法)により異なる。なお、光輝性鱗片状薄片の平均粒径の下限は、金属調成形品6の金属光沢性を向上させる観点から0.1μm程度であることが好ましく、1μm程度であることがより好ましい。なお、光輝性鱗片状薄片の厚さは、通常0.1〜1μmである。
光輝性鱗片状薄片は、透明バインダー樹脂100質量部に対して30〜100質量部程度含有されていることが好ましい。なお、転写層3には、必要に応じて、体質顔料、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤等の添加剤が含まれていてもよい。
転写層3は、上記の材料を溶剤に溶解又は分散させた転写層用塗工液を、基材シート2の凹凸面(凹凸層4が形成されているときは凹凸層4の上)に、その凹凸を埋めるように印刷又は塗工し、塗膜の溶剤を乾燥させて形成される。溶剤としては、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、又は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。また、印刷方法としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、活版印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法等を用いることができ、塗工方法としては、ロールコート法、グラビアロールコート法、バーコート法等を用いることができる。転写層3の厚さ(凸部の高さを含めた総厚さ)は、1〜100μmであることが好ましい。
なお、水圧転写シート1には、必須の構成である上記の光輝性鱗片状薄片を含有した転写層3のほかに、成形品7に施す金属光沢を損なわない範囲で必要に応じて成形品7に転写される他の層(以下、他の転写層という。)が含まれていてもよい。他の転写層としては、例えば、金属光沢を有さない通常の着色剤を含む非水溶性の透明バインダー樹脂(インキ)からなる層を挙げることができる。このような他の転写層は、全面ベタ状の層であってもよく、また、部分的に形成された模様状の層であってもよい。他の転写層が模様状の層である場合の模様としては、ヘアライン模様、砂目模様、木目模様、石目模様等のほか、文字、記号、数字等を挙げることができる。
[接着層]
接着層5は、図1(C)に示す本発明の第3の形態に係る水圧転写シート1及び図1(D)に示す本発明の第4の形態に係る水圧転写シート1において、転写層3の基材シート2(又は凹凸層4)とは反対側の面に設けられている。接着層5は、有機溶剤である活性剤が塗布されることにより溶解又は膨潤する層であり、活性剤の塗布により溶解等して成形品7と接着し易くなる。そのため、第3又は第4の形態に係る水圧転写シートを用いて金属調成形品を製造すると、転写層3と成形品7との接着性が向上する。
また、転写層3の基材シート2等とは反対側の面に活性剤に溶解又は膨潤する接着層5が設けられているので、活性剤を直接転写層3に塗布しなくても転写層3と成形品7を接着させることができる。その結果、転写層3が活性剤に溶解又は膨潤することによる転写層3の凹凸の変形を抑制できるので、このような水圧転写シート1を用いて金属調成形品を製造すると、成形品7に施される凹凸模様が鮮明になる。
接着層5は、有機溶剤である活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成されている。接着層5を形成する樹脂は、使用する活性剤により適宜選択され、そのような樹脂として、例えばアクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。
接着層5の厚さは、1〜30μm程度であることが好ましい。接着層5の厚さが1μm未満であると、接着層5を溶解又は膨潤した活性剤が転写層3に容易に達し易くなってしまい、転写層3が変形して凹凸模様が鮮明でなくなるおそれがある。更に、接着層5の厚さが1μm未満であると、充分な量の接着層5が活性剤に溶解又は膨潤せず、接着力が低下するおそれがある。また、接着層5の厚さを30μmより厚くしても、それ以上の効果は期待できず、無駄に材料を消費することとなってしまう。
接着層5は、上記の樹脂を溶剤に溶解又は分散した接着層用塗工液を転写層3上に印刷又は塗工し、塗膜を乾燥させることにより形成される。接着層用塗工液の溶剤としては、後述の活性剤として列挙した有機溶剤のうち上記の樹脂を溶解又は分散できるものが選択される。塗工方法としてはロールコート法、グラビアロールコート法、バーコート法、カーテンフローコート法等が用いられ、印刷方法としてはグラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等が用いられる。
(金属調成形品の製造方法)
本発明の金属調成形品の製造方法は、図5に示すように、水面Sに浮遊させた本発明の水圧転写シート1の上方から成形品7を押し入れて、水圧で成形品7の装飾を施そうとする面の形状に水圧転写シート1を追従させて密着させること(以下、この工程を水圧印加工程という。)により、成形品7の表面に水圧転写シート1の転写層3を転写する方法である。本発明の金属調成形品の製造方法は、必要に応じて、水圧印加工程の前に水圧転写シート1の転写層3又は接着層5上に活性剤を塗布する活性化工程を含んでいてもよく、また、水圧印加工程の後に転写層3と共に成形品7に転写された基材シート2及び凹凸層4を除去する脱膜工程や成形品7に転写された転写層3を保護するための保護膜を形成する塗装工程を含んでいてもよい。以下、活性化工程、水圧印加工程、脱膜工程及び塗装工程について説明する。
[活性化工程]
活性化工程は、本発明の水圧転写シート1に活性剤を塗布し、転写層3と成形品7とを接着させ易くするための工程である。
本発明の第1又は第2の形態の水圧転写シート1を用いる場合には、転写層3上に活性剤を塗布して、転写層3の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることにより、転写層3を成形品7に付着し易い状態にする。また、本発明の第3又は第4の形態の水圧転写シート1を用いる場合には、接着層5上に活性剤を塗布して、接着層5の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることにより、接着層5を成形品7に付着し易い状態にする。
活性剤としては、転写層3の透明バインダー樹脂又は接着層5を形成する樹脂を溶解又は膨潤させる有機溶剤を用いる。このような有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。
活性剤は、転写層3が成形品7に接着する水圧印加工程が完了するまでの間に蒸発せず、且つ、成形品7を浸蝕することのないものであることが好ましい。このような活性剤を用いると、活性剤の粘度の調整が容易となるので活性剤の塗工手段を幅広く選択することが可能となり、また、水圧印加工程に時間を要した場合でも活性剤中の溶剤が蒸発し難くいので、転写層3と成形品7の接着性がより安定する。
このような活性剤としては、上記に例示した有機溶剤に下記の樹脂を含有させたものを用いることができる。有機溶剤に含有させる樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル若しくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体、ポリスチレン若しくはスチレン誘導体等によるスチレン系重合体、ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸若しくはフマル酸等の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体の重合体、上記不飽和カルボン酸類のニトリル誘導体の重合体、上記不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体の重合体、上記不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体、上記不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−ヒドロキシエチルー(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−(メタ)アクリレート、エチレンやエチレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等の単量体の単独重合体若しくは上記単量体の共重合体等の熱可塑樹脂、上記単独重合体若しくは共重合体等の初期縮合物、天然樹脂、ロジン若しくはその誘導体、セルロース誘導体、天然ゴム若しくは合成ゴム、又は、石油樹脂等の樹脂が挙げられる。このような樹脂は、上記の溶剤に対して5〜60質量%程度添加される。
金属調成形品6の製造に本発明の第3又は第4の形態に係る水圧転写シート1を用いる場合には、上述のように、活性剤として、接着層5は溶解又は膨潤させるが転写層3は溶解又は膨潤させ難い有機溶剤を用いることが好ましい。このような活性剤を用いることにより、転写層3の凹凸の変形を抑制することができるので、成形品7に鮮明な凹凸模様を施すことができる。
活性剤を水圧転写シート1の転写層3又は接着層5上に塗工する方法としては、例えば、グラビアオフセットコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法等が挙げられる。活性剤の塗工量は、2〜30g/m程度であり、好ましくは3〜15g/m程度である。
水圧転写シート1への活性剤の塗工は、水圧転写シート1を水面に浮遊させる前に行ってもよく、また、水圧転写シート1を水面に浮遊させた後に行ってもよい。なお、水圧転写シート1を水面に浮遊させるには、枚葉の水圧転写シート1を1枚ずつ浮遊させてもよく、また、水を1方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写シート1を連続的に供給して浮遊させてもよい。
[水圧印加工程]
水圧印加工程は、図5に示すように、水圧転写シート1を基材シート2側の面が水面を向くように水面Sに浮遊させ、この水圧転写シート1の上方から、装飾を施す面を下方に向けた成形品7を押し入れて、水圧によってその水圧転写シート1を成形品7に密着させる工程である。この工程により、水圧転写シート1の転写層3と成形品7とが接着し、成形品7に転写層3が転写される。また、この工程では、基材シート2が水に膨潤又は溶解することにより展延するので、水圧転写シート1が成形品7の三次元形状に追従し易い。その結果、転写層3は成形品の三次元形状に沿って接着するので、装飾を施そうとする面が複雑な形状を有する成形品7に対しても転写層3を簡便に転写することができる。
水圧を印加するための水は、使用する水圧転写シート1の基材シート2が溶解又は膨潤し易い温度に調整されていることが好ましい。例えば、基材シート2が澱粉を含む樹脂で形成されている場合には、水温を40〜50℃とすることが好ましい。また、水には、基材シート2を溶解させて転写層3からの基材シート2の除去を促進させる添加剤を添加してもよく、基材シート2が澱粉を含む樹脂で形成されている場合には、例えばアミラーゼ等を添加することができる。
なお、成形品7の材料としては、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂のほか、陶器、磁器、ガラス等のセラミックス、木材、又は、鉄、アルミニウム、銅等の金属を挙げることができる。なお、成形品7は、本発明の水圧転写シート1が金属光沢を施すシートである観点から、非金属材料からなる成形品であることが好ましいが、成形品7が金属材料からなる成形品である場合でも、本発明の水圧転写シート1により、その成形品の有する金属光沢とは別種の金属光沢を施すことができるので、本発明の効果を得ることができる。成形品7の形状は、平面形状である二次元形状であってもよく、また、凹凸形状や曲面形状等の三次元形状であってもよい。
この工程において、基材シート2が水膨潤性の樹脂で形成されている場合には、基材シート2は転写層3と一体となって成形品7に転写される。また、基材シート2が水溶性の樹脂で形成されている場合にも、水に溶解せずに残存した基材シート2が転写層3と一体となって成形品7に転写されることがある。このような場合には、成形品7から基材シート2を除去するために次に述べる脱膜工程を行う必要がある。また、本発明の第2及び第4の形態に係る水圧転写シート1を用い、凹凸層4が転写層3と一体となって成形品7に転写された場合も同様に、脱膜工程により成形品7から凹凸層4を除去する必要がある。
[脱膜工程]
脱膜工程は、水圧転写シート1の基材シート2や凹凸層4が転写層3と共に成形品7上に転写されている場合に、その基材シート2や凹凸層4を除去する工程である。したがって、基材シート2及び凹凸層4が成形品7に転写されなかった場合にはこの工程は不要である。
基材シート2や凹凸層4の除去は、例えば、水を用いたシャワーにより成形品7を洗浄することにより行われる。この際、転写層3は非水溶性の樹脂で形成されているので除去されず、表面の凹凸模様が保持されたまま成形品7上に残存する。シャワーによる洗浄の条件は、基材シート2や凹凸層4を形成する樹脂の種類等により異なるが、通常は水温が15〜60℃、洗浄時間が0.5〜10分であることが好ましい。脱膜工程後、成形品7を十分乾燥させることにより、転写層3が成形品7に転写された金属調成形品6を得ることができる。
[塗装工程]
塗装工程は、得られた金属調成形品6の表面に保護膜を形成する工程であり、この工程により、転写された転写層3を傷や汚染等から保護し、金属調成形品6の表面強度を向上させ、また、金属調成形品6の金属光沢の鏡面性を調整することができる。
保護膜を形成する樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ケイ素系樹脂等を挙げることができ、例えばウレタン樹脂として、上述した転写層3の透明バインダー樹脂と同様ものを用いることができる。保護膜は、上記の樹脂を溶剤により希釈した保護膜用塗工液を金属調成形品6の転写層3上に塗工することにより形成される。塗工方法としては、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り又は浸漬等の塗工法を挙げることができる。保護膜の厚さは、1〜30μm程度であることが好ましい。
以下、本発明を実施例と比較例に基づいて更に詳しく説明する。なお、以下において部とは質量部のことである。
(実施例1)
(水圧転写シートの作製)
まず、ポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1700、鹸化率:88%)100部、グアーガム10部、グリセリン5部及び界面活性剤0.5部を水450部に溶解させて基材シート形成用溶液を調整し、溶液流延法により温度95℃の条件で水膨潤性を有する基材シートを作製した。このとき、キャスティングドラムとして、成形品に施すためのヘアライン模様の凹凸パターンを表面に有するものを用いた。この基材シートは、凹部の間口の幅Wの平均及び凸部の幅Wの平均(図3(A)を参照。)がそれぞれ300μmであり、凸部の平均高さが25μmであり、凸部高さを含めた総厚さが60μmであった。
次に、光輝性鱗片状薄片として平均粒径が15μmのアルミニウム薄片を用い、透明バインダー樹脂としてニトロセルロース5部とアルキド樹脂1部とを用い、この透明バインダー樹脂100部中に光輝性鱗片状薄片60部をダイノーミルで練肉して分散させ、これを酢酸エチルとトルエンとの混合溶剤(質量比=1:1)で希釈して転写層用塗工液を調整した。
その後、基材シートの凹凸面に、転写層用塗工液をロールコート法により塗工し、この塗膜を乾燥させて、凸部高さを含めた総厚さが30μmの転写層を有する実施例1の水圧転写シートを作製した。
(金属調成形品の製造)
得られた水圧転写シートの転写層側の面に、メチルカルビトールセロソルブアセテート80部とアルキド樹脂15部と沈降性炭酸バリウム5部とからなる活性剤Aをグラビアロールコート法により塗工した。その後、この水圧転写シートを、基材シート側の面が水面に向くようにして浮遊させた。
1分間が経過した後に、図6に示す三次元形状を有したABS樹脂からなる成形品を水圧転写シートの上方から押し付けて、水圧により水圧転写シートを成形品に密着させた。その後、水圧転写シートが密着した成形品を水中から取り出し、40℃の温水シャワーを30秒噴射させた後、清水シャワーを噴射させて、成形品に付着した基材シートを除去した。その後、転写層が転写された成形品を乾燥させて、金属調成形品を得た。
(実施例2)
まず、実施例1で用いたのと同様の基材シート形成用溶液を調整し、平坦且つ平滑な表面を有するキャスティングドラムを用いた溶液流延法により温度95℃の条件で、表面が平坦な水膨潤性を有する基材シート(厚さ:40μm)を作製した。
次に、水溶性ウレタン樹脂100部をトルエンと酢酸エチルとの混合溶剤(質量比=1:1)で希釈した凹凸層用塗工液を、基材シートの片面にシルクスクリーン印刷法により印刷し、塗膜を乾燥させて凹凸層を形成した。このとき、乾燥後の凹凸層の凹凸パターンが、成形品に施すためのヘアライン模様を反転させたパターンとなるように印刷した。この凹凸層は、凹部の間口の幅Wの平均及び凸部の幅Wの平均がそれぞれ300μmであり、凸部の平均高さが25μmであり、凸部高さを含めた総厚さが30μmであった。
その凹凸層上に実施例1で用いたのと同様の転写層用塗工液をロールコート法により塗工し、この塗膜を乾燥させて、凸部高さを含めた総厚さが30μmの転写層を有する実施例2の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして実施例2の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。
(実施例3)
実施例1の水圧転写シートの作製において、ニトロセルロース樹脂5部及びアルキド樹脂1部を、酢酸エチルとトルエンとイソプロピルアルコールとの混合溶剤(質量比=1:1:1)で希釈した接着層用塗工液を、転写層上にロールコート法により塗工し塗膜を乾燥させて、厚さ5μmの接着層を設けた以外は実施例1と同様にして、実施例3の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして実施例3の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。
(実施例4)
実施例2の水圧転写シートの作製において、実施例3で用いたのと同様の接着層用塗工液を転写層上にロールコート法により塗工し塗膜を乾燥させて、厚さ5μmの接着層を設けた以外は実施例2と同様にして、実施例4の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして実施例4の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。
(実施例5)
実施例1の水圧転写シートの作製において、基材シートの凹部の間口の幅Wの平均及び凸部の幅Wの平均をそれぞれ35μmとし、また、光輝性鱗片状薄片として平均粒径が40μmであるアルミニウム薄片を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして実施例5の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。
(実施例6)
実施例4の水圧転写シートの作製において、転写層用塗工液の調整の際、透明バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン樹脂80部及びアクリル樹脂20部の混合物を用い、転写層用塗工液の溶剤としてメチルエチルケトン50部とトルエン50部との混合溶剤を用いた以外は実施例4と同様にして、実施例6の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして実施例6の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。
(比較例1)
比較例1の水圧転写シートとして、ヘアライン模様を印刷により形成した転写層を備えた水圧転写シートを作製した。
基材シートとして実施例2で作製した基材シートと同様の表面が平坦な水膨潤性のシート(厚さ:40μm)を用いた。次に、ニトロセルロース5部、アルキド樹脂1部、カーボンブラック0.5部及び弁柄0.5部を、酢酸エチルとトルエンとの混合溶剤(質量比=1:1)で希釈した着色インキを用いて、グラビア印刷法により基材シートの片面にヘアライン模様を有する着色層(厚さ:2μm)を形成した。着色層のヘアライン間の平均距離及びヘアラインの平均幅は、それぞれ300μmであった。その後、実施例1と同様に調整した転写層塗工液を、着色層上にロールコート法により塗工し塗膜を乾燥させて、厚さ30μmの転写層を有する比較例1の水圧転写シートを作製した。
次に、水圧転写シートとして比較例1の水圧転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして金属調成形品を製造した。なお、得られた金属調成形品には着色層と転写層とが転写されていた。
(金属調成形品の外観の評価)
実施例及び比較例の水圧転写シートにより得られた金属調成形品の外観を目視により評価した。
その結果、実施例1〜6の水圧転写シートにより製造された金属調成形品の外観は、ヘアライン模様の凹凸感や凹部の陰翳が再現されており、ヘアライン模様が施された金属素材を良好に再現するものであった。それに対して、比較例1の水圧転写シートによる金属調成形品は、金属光沢を有するものの、ヘアライン模様に凹凸感や凹部の陰翳がなく、平面的になってしまい、実施例1〜6の水圧転写シートによる金属調成形品と比較して、ヘアライン模様が施された金属素材の再現性に劣るものであった。
また、実施例1〜4及び6の水圧転写シートによる金属調成形品は、実施例5の水圧転写シートによる金属調成形品と比較して、より金属光沢にむらがなく、ヘアライン模様が鮮明であった。その理由は、実施例1〜4及び6の水圧転写シートでは、その転写層の凸部に光輝性鱗片状薄片の平板面が面内方向に平行に配向されて、転写層の凹凸に光輝性鱗片状薄片が隙間なく充填されたことによるものと推察される。
図1(A)は本発明の第1の形態に係る水圧転写シートの一例を示す断面図であり、図1(B)は本発明の第2の形態に係る水圧転写シートの一例を示す断面図であり図1(C)は本発明の第3の形態に係る水圧転写シートの一例を示す断面図であり、、図1(D)は本発明の第4の形態に係る水圧転写シートの一例を示す断面図である。 図2(A)は本発明の水圧転写シートにより得られる金属調成形品の一例を示すための断面図であり、図2(B)は本発明の水圧転写シートにより得られる金属調成形品の他の一例を示すための断面図である。 図3(A)は、本発明の第1又は第3の形態に係る水圧転写シートの基材シートの一例を示す斜視図であり、図3(B)は、本発明の第1又は第3の形態に係る水圧転写シートの基材シートの他の一例を示す斜視図である。 図4(A)は本発明の水圧転写シートの転写層に含有される光輝性鱗片状薄片の一例を示す模式図であり、図4(B)は本発明の水圧転写シートの転写層に含有された光輝性鱗片状薄片の状態の一例を示す断面図であり、図4(C)は金属調成形品における光輝性鱗片状薄片の平面視の状態を示す模式図である。 本発明の金属調成形品の製造方法を説明するための断面図である。 金属調の装飾を施す成形品の形状を説明するための斜視図である。
符号の説明
1 水圧転写シート
2 基材シート
3 転写層
4 凹凸層
5 接着層
6 金属調成形品
7 成形品
8 光輝性鱗片状薄片

Claims (10)

  1. 水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層とが積層された水圧転写シートであって、
    前記基材シートが前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする水圧転写シート。
  2. 前記光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、前記凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の水圧転写シート。
  3. 水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、水溶性の樹脂で形成された凹凸層と、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、
    前記凹凸層が前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする水圧転写シート。
  4. 前記光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、前記凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の水圧転写シート。
  5. 水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層と、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、
    前記基材シートが前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする水圧転写シート。
  6. 前記光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、前記凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の水圧転写シート。
  7. 水溶性又は水膨潤性の樹脂で形成された基材シートと、水溶性の樹脂で形成された凹凸層と、光輝性鱗片状薄片及び非水溶性の透明バインダー樹脂で形成された転写層と、有機溶剤からなる活性剤に溶解又は膨潤する樹脂で形成された接着層とがこの順に積層された水圧転写シートであって、
    前記凹凸層が前記転写層側の面に所定パターンの凹凸を有し、前記転写層が前記凹凸を埋めるように形成されていることを特徴とする水圧転写シート。
  8. 前記光輝性鱗片状薄片の平均粒径が、前記凹凸における凹部の間口の大きさの平均よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の水圧転写シート。
  9. 前記透明バインダー樹脂が前記活性剤に溶解又は膨潤し難いことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の水圧転写シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の水圧転写シートを前記基材シート側の面が水面に向くように水面に浮遊させ、前記水圧転写シートの上方から成形品を押し入れることにより、水圧で前記水圧転写シートを前記成形品に密着させて、当該成形品の表面に前記転写層を転写させることを特徴とする金属調成形品の製造方法。
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