JP2005180221A - Lpg燃料エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】 LPG燃料エンジンにおいて気相LPG燃料の温度を高めることのできる新規な手段を提供する。
【解決手段】 気相供給系の一部を構成する気相インジェクタ5を排気ポートの真下に、また気相デリバリ管25を排気マニホールド13の近傍に熱交換可能に配置する。排気熱が気相供給系に作用することにより、気相供給系にある気相のLPG燃料が加熱され、したがってLPG燃料の気相状態を好適に維持できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LPG(Liquid Petrol Gas;液体石油ガス)を燃料として利用した内燃機関に関し、特にLPG燃料を液相および気相で供給できるようにしたものに関する。
従来から、液相状態にあるLPG燃料を燃焼室内に噴射する液相インジェクタと、気相状態にあるLPG燃料を燃焼室内に噴射する気相インジェクタとを備え、両者を切り替えて用いるようにしたLPG燃料エンジンが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、液相インジェクタと気相インジェクタとを備え、液相燃料の供給経路である液相供給系におけるベーパの発生状態に応じて気相インジェクタで補正噴射を行うようにした構成も提案されている(特許文献2)。
特開2000−320405号公報 特開2001−107805号公報
ところで、ガソリンエンジン等の液体燃料エンジンの分野においては、筒内噴射によって成層燃焼を行わせる技術が実用化されており、低燃費化に寄与しうるものとして期待されている。ここにいう成層燃焼とは、燃焼室内に燃料ないし混合気の層を周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)させ、この状態で点火することによって、少量の燃料で安定した燃焼を実行させる技術である。この点、気体燃料は液体燃料に比べて、噴流速度が速く、気化時間が不要である上、噴流による筒内脈動を誘発する作用も期待できるため、気体燃料で成層燃焼を行わせることができれば有利と考えられる。
しかし、LPG燃料は図11に示されるとおり、低圧・高温であるほど気化し易いところ、筒内噴射を実行するには、少なくとも噴射期間内は噴射圧が筒内圧を上回ることが必要であるから、LPG燃料を気相の状態に保ちながら筒内噴射するには、LPG燃料をそれだけ高い温度にする必要がある。
そこで本発明の目的は、LPG燃料エンジンにおいて気相LPG燃料の温度を高めることのできる新規な手段を提供することにある。
第1の本発明は、LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、前記気相供給系の少なくとも一部を、前記燃焼室からの排気経路と熱交換可能に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジンである。
第1の本発明では、排気経路からの排気熱が気相供給系の少なくとも一部に作用することにより、気相供給系にある気相のLPG燃料が加熱され、したがってLPG燃料の気相状態を好適に維持できる。
第2の本発明は、請求項1に記載のLPG燃料エンジンであって、前記気相供給系を構成する筒内直噴式のインジェクタを、前記燃焼室に接続された排気マニホールドのほぼ真下に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジンである。
第2の本発明では、気相供給系を構成する筒内直噴式のインジェクタを、排気マニホールドのほぼ真下に配置したので、LPG燃料を好適に加熱できる。
第3の本発明は、LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、前記燃焼室に連通した排気経路から分岐し燃焼室からの排気が導入される分岐経路を、前記気相供給系の少なくとも一部と熱交換可能に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジンである。
第3の本発明では、分岐経路に燃焼室からの排気が導入され、その分岐路によって気相供給系の少なくとも一部が加熱されるので、第1の本発明と同様の効果を得ることができる。
第4の本発明は、請求項3に記載のLPG燃料エンジンであって、前記分岐経路を、前記気相供給系を構成しインジェクタにLPG燃料を分配する気相デリバリ管に沿って形成したことを特徴とするLPG燃料エンジンである。
第4の本発明では、分岐経路によって気相デリバリ管が加熱されるので、これによって気相LPG燃料を好適に加熱できる。
第5の本発明は、LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、前記気相供給系を構成しインジェクタにLPG燃料を分配するための気相デリバリ管を加熱すべく、ヒータを更に備えたことを特徴とするガス燃料エンジンである。
第5の本発明では、ヒータによって、気相のLPG燃料をインジェクタに分配するための気相デリバリ管を加熱するので、これによってLPG燃料を好適に加熱できる。
第6の本発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のLPG燃料エンジンであって、前記液相供給系および前記気相供給系のいずれかを燃料供給経路として選択する制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記気相供給系におけるLPG燃料の温度および圧力に基づいて、前記LPG燃料の気相状態を維持でき且つ筒内噴射が可能な場合に、前記気相供給系を選択することを特徴とするLPG燃料エンジンである。
第6の本発明では、LPG燃料の気相状態を維持でき且つ筒内噴射が可能な場合に、制御手段が気相供給系を選択するので、気相のLPG燃料を適正な場面で利用することができる。
本発明の実施形態につき、以下に図面に従って説明する。なお、以下に示される実施形態やその変形はあくまで例示にすぎず、これらにより本発明が限定されるわけではない。
図1は、本発明の第1実施形態に係るLPG燃料エンジン1を示す概略構成図である。同図に示されるLPG燃料エンジン1は、液化プロパンガス燃料や液化ブタンガス燃料といったLPG燃料(液化石油ガス燃料)を用いる直列4気筒エンジンとして構成されており、車両の走行駆動源として用いられると好適なものである。このLPG燃料エンジン1は、シリンダブロック1aに形成された複数の燃焼室2を有し、各燃焼室2の内部でLPG燃料(本実施形態では、液化プロパンガス燃料)を燃焼させてピストン3を往復移動させることにより動力を発生する。
LPG燃料エンジン1は、燃焼室2に液相LPG燃料を供給するための液相インジェクタ4と、気相LPG燃料を供給するための気相インジェクタ5とを有する。図2に示されるように、液相インジェクタ4は、シリンダヘッド6に形成された吸気ポート7に設置され、吸気弁8aに向けられている。気相インジェクタ5は、シリンダヘッド6に形成された排気ポート9の真下に、排気ポート9に沿って設けられている(なお、図1においては理解の容易のために、気相インジェクタ5を排気マニホールド13の上に重ねて図示している)。シリンダヘッド6には更に点火プラグ10および排気弁8bが設けられ、また、ピストン3の頂面には凹部3aが設けられている。
このLPG燃料エンジン1では、液相インジェクタ4からの液相LPG燃料が用いられるときには、液相LPG燃料と空気との混合気が、燃焼室2内に吸入された状態で点火プラグ10により点火されて、均質燃焼が行われる。また、気相インジェクタ5からの気相LPG燃料が用いられるときには、凹部3aに噴き込まれた気相LPG燃料と吸入空気との成層混合気が点火プラグ10により点火されて、成層燃焼が行われる。この場合には、きわめて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。
各燃焼室2の吸気ポート7は、それぞれ図1に示される吸気マニホールド11に接続され、吸気マニホールド11には、例えばドライブバイワイヤ式のスロットルバルブ12が設置されている。一方、各燃焼室2の排気ポート9は、図1に示される排気マニホールド13にそれぞれ接続されている。
複数の液相インジェクタ4は、これらに液相LPG燃料を分配するための液相デリバリ管21に接続されている。他方、LPG燃料を貯蔵する燃料タンク22の底面には、液相供給管23が接続されており、この液相供給管23が液相デリバリ管21に接続されている。また液相供給管23には液相燃料フィードポンプ24が設けられている。液相インジェクタ4、液相デリバリ管21、液相供給管23および液相燃料フィードポンプ24により、液相供給系が構成される。
複数の気相インジェクタ5は、これらに気相LPG燃料を分配するための気相デリバリ管25に接続されている。他方、燃料タンク22の上面には気相供給管26が接続されており、この気相供給管26が気相デリバリ管25に接続されている。気相デリバリ管25には気相燃料フィードポンプ27が設けられている。ポンプ24,27にはデューティ制御可能な電動ポンプが採用される。気相インジェクタ5、気相デリバリ管25、気相供給管26および気相燃料フィードポンプ27により、気相供給系が構成される。
燃料タンク22、液相デリバリ管21および気相デリバリ管25には、それらの内部の圧力を検出するための圧力センサ22a,21a,25a、および温度を検出するための温度センサ22b,21b,25bが設けられている。
排気マニホールド13の下流側には、三元触媒を含む前段触媒装置14、およびNOx吸蔵還元触媒を含む不図示の後段触媒装置が接続されている。排気ポート9、排気マニホールド13、前段触媒装置14、その下流側の不図示の後段触媒装置およびこれらを連結する排気管により、本発明における排気経路が構成される。
そしてLPG燃料エンジン1は、制御手段として機能する電子制御ユニット(ECU)30を含む。ECU30は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。上述した圧力センサ22a,21a,25aおよび温度センサ22b,21b,25bは、それぞれ検出値を示す信号をECU30に与える。
また、ECU30の入出力ポートには、上述のポンプ24,27に加えて、各インジェクタ4,5、スロットルバルブ12、点火プラグ10、動弁機構などの各種アクチュエータ類、およびアクセル位置センサや回転数センサといった各種センサ類が接続される。ECU30は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に、各種センサの検出値等に基づいて、LPG燃料エンジン1が所望の出力を発生するように、ポンプ24,27の動作、インジェクタ4,5の開弁タイミング、スロットルバルブ12の開度、更には、各吸気弁8aおよび各排気弁8bの開閉動作等を制御する。
また、ECU30のROMにおける所定の記憶領域には、図3に例示される燃料性状特定マップが記憶されている。この燃料性状特定マップは、燃料タンク22の内部圧力(蒸気圧)および内部温度と、燃料タンク22の内部に貯留されているLPG燃料の性状(本実施形態では、プロパン比)との関係を規定するものであり、予め実験やシミュレーション等に基づいて作成されている。
また、ECU30のROMにおける別の所定の記憶領域には、図4に例示されるベーパ未発生圧力特定マップが記憶されている。このベーパ未発生圧力特定マップは、LPG燃料の性状(プロパン比)および温度と、LPG燃料がベーパ化しない圧力との関係を規定するものであり、予め実験やシミュレーション等に基づいて作成されている。
次に、以上のとおり構成されたLPG燃料エンジン1の動作について説明する。
図5において、まず、ユーザによってイグニッションスイッチが操作されると、ECU30は、燃料タンク22の圧力センサ22aおよび温度センサ22bからの信号によって取得した燃料タンク22の内部圧力および内部温度によって、上述の燃料性状特定マップ(図3)を参照し、これにより燃料タンク22の内部圧力と内部温度とに対応する燃料性状の値(プロパン比)を求める(S10)。
次に、検出されている現在のエンジンの回転数および要求トルクが、所定の成層運転領域にあるかが判定される(S20)。この判断はECU30の記憶領域に保持された所定のマップの参照によって行われ、例えば回転数および要求トルクが所定の基準値より低い領域で肯定される。
ステップS20で否定の場合、すなわち成層運転領域にない場合には、ECU30は、液相デリバリ管21内の圧力・温度および燃料性状に基づいて、液相燃料にベーパが発生しないように圧力を制御し、液相状態での運転を行う(S30)。すなわち、ECU30は、液相デリバリ管21の温度センサ21bから受け取った信号より、液相デリバリ管21内のLPG燃料の温度(すなわち、ポンプ24により吐出されて各インジェクタ4に導入されることになるLPG燃料の温度)を取得すると共に、上述のベーパ未発生圧力特定マップ(図4)を参照し、これにより、燃料性状と、液相デリバリ管21内の温度とに対応するベーパ未発生圧力を求める。そして、求めたベーパ未発生圧力を目標圧力として、この目標圧力と、液相デリバリ管21の圧力センサ21aの検出値(すなわち、ポンプ24により吐出されて各インジェクタ4に導入されることになるLPG燃料の圧力)とが一致するように、ポンプ24をフィードバック制御しながら、LPG燃料エンジン1を液相燃料で動作させる。なお、ステップS10およびS30の処理により、LPG燃料が所定の温度まで昇温している状態で始動が行われる場合においても、ポンプ24から吐出されて各インジェクタ4に導入されるLPG燃料のベーパ化を抑制できる。
ステップS20で肯定の場合、すなわちエンジンの回転数および要求トルクが所定の成層運転領域にある場合には、次に、気相デリバリ管25内の温度と燃料性状から、気相化できる最大圧力が算出される(S40)。LPG燃料は一般に低圧であるほど気化し易いため、気相状態を維持できる圧力には上限があり、またその上限は温度に応じて異なる(図11に示されるように、一般には高温であるほど、気相化できる最大圧力は高い)。他方、本実施形態ではLPG燃料をできるだけ気相状態で成層燃焼させるため、気相デリバリ管25内の現在の温度において気相化できる最大圧力(すなわち、現在の温度に応じた、気相状態を維持できる圧力の上限値)を算出するものである。
次に、気相化できる最大圧力の値が、最小筒内噴射可能圧力と比較される(S50)。この最小筒内噴射可能圧力は、気相LPG燃料を圧縮行程で筒内噴射できるような燃料噴射圧力の下限値であって、圧縮行程中の燃料噴射時間帯における筒内圧力に所定の余裕値を加算または乗算した固定値が用いられる。
ステップS50で肯定の場合、つまり、気相化できる最大圧力が最小筒内噴射可能圧力と等しいかこれを上回る場合には、気相燃料での成層運転が可能な状況であるため、気相インジェクタ5からの気相LPG燃料による成層燃焼での運転が行われる。すなわち、目標の噴射圧力が最小筒内噴射可能圧力に設定され、気相燃料フィードポンプ27がその目標値と一致するように制御され(S60)、また、燃料性状ごとに予め作成された所定の最適適合マップの参照によって、気相燃料での成層運転制御(噴射開始時期、噴射時間、不図示の可変バルブタイミング機構におけるバルブタイミング、不図示の排気ガス再循環装置の動作タイミングの制御)が行われる(S70)。
他方、ステップS50で否定の場合、つまり、気相化できる最大圧力が最小筒内噴射可能圧力を下回り、気相での成層運転条件が満たされない場合には、気相での成層運転ができない状況であるため、処理はステップS30に移行し、液相LPG燃料での運転が行われる。本実施形態では液相インジェクタ4が吸気ポート7に設けられており、液相燃料では均質燃焼での運転のみが可能な機械的構造が用いられているため、ここでは均質燃焼での運転が行われる。なお、液相インジェクタが気筒内に設置され液相供給系が筒内直噴型に構成されている場合には、ここでの液相燃料による運転は成層燃焼によって行うことができる。
以上のとおり、本実施形態では、気相供給系の一部を、燃焼室2からの排気経路の近傍に排気経路と熱交換可能に配置したので、排気経路からの排気熱が気相供給系に作用することにより、気相供給系にある気相のLPG燃料が加熱され、したがってLPG燃料の気相状態を好適に維持できる。
また本実施形態では、筒内直噴式の気相インジェクタ5を、排気マニホールド13のほぼ真下に、排気マニホールドに沿うように配置したので、気相のLPG燃料を特に好適に加熱できる。
また本実施形態では、ECU30が、気相デリバリ管25内のLPG燃料の温度および圧力に基づいて、LPG燃料の気相状態を維持でき且つ筒内噴射が可能な場合に(S50)、気相供給系を選択する(S60・S70)こととしたので、気相LPG燃料を適正な場面で利用することができる。
なお、第1実施形態では、液相インジェクタ4を吸気ポート7に設け、液相LPG燃料についてはいわゆるポート噴射を行う構成としたが、本発明は液相インジェクタ4および気相インジェクタ5の双方を燃焼室2に設けた筒内直噴型のエンジンに適用することも可能である。この場合には、図6に示すようにピストン3の頂部に気相インジェクタ5のための凹部3aのみを設けて、液相インジェクタ4からの液相燃料を均質燃焼させる構造としてもよいし、あるいは図7に示すように、ピストン3の頂部に気相インジェクタ5のための凹部3aに加えて液相インジェクタ4のための凹部3bを別個に設けて、気相燃料と液相燃料とをそれぞれ成層燃焼させる構造としてもよい。また、本発明では液相供給系が燃料噴射式であることは必須でなく、キャブレター式であってもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、燃焼室2に連通した排気経路から分岐し燃焼室2からの排気が導入される分岐管34および排気室35を、気相供給系の少なくとも一部と熱交換可能に配置したものである。
図8は、第2実施形態に係るLPG燃料エンジン101を示す概略構成図である。図8においては、LPG燃料エンジン101の吸気側と排気側とを図1とは上下逆に図示しており、シリンダブロック1aに対して図中上側に吸気側が配置され、また図中下側に排気側が配置されている。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に液相インジェクタ4が吸気ポートに設置されているが、気相インジェクタ5が排気マニホールド13の真下ではなく、吸気マニホールド11の真下に設けられている。
また、排気経路を構成する排気マニホールド13の両肩部から分岐して、分岐管34が設けられている。他方、気相LPG燃料を分配する気相デリバリ管25を囲むように、排気ガスの一部を一時的に蓄積するための排気室35が形成されている。分岐管34の終端側は、この排気室35に接続されている。一方の分岐管34と排気室35との境界部には、バルブ34aが設けられている。また、排気室35と、吸気マニホールド11の肩部近傍とを結ぶように、EGR(Exhaust Gas Re-circulation;排気ガス再循環)を行うためのEGR管36が設けられている。EGR管36の両端部には、バルブ36aが設けられている。バルブ34a,36aは、いずれも排気ガスの流路を全開・全閉可能なバタフライ弁であり、不図示のトルクモータによって個別に制御される。分岐管34、排気室35およびEGR管36により、本発明における分岐経路が構成される。
LPG燃料エンジン101は、制御手段として機能するECU130を含む。ECU130の入出力ポートには、上記第1実施形態におけるECU30と同様の各種センサ類および各種アクチュエータ類が接続されるほか、バルブ34a,36aを駆動するトルクモータが接続され、これらはECU130の出力によってデューティ制御される。なお、第2実施形態の残余の構成は上記第1実施形態のものと同様であるため、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態の動作について説明する。まず、通常運転時には、ECU130はバルブ34aを全開に、かつバルブ36aを全閉に制御する。これによって、排気マニホールド13からの排気ガスは、分岐管34を経由して排気室35に導入され、排気室35と気相デリバリ管25との間の熱交換により、高温となっている排気ガスの熱が気相デリバリ管25に伝達される。
また、EGRを行うための所定条件が成立した場合には、ECU130はバルブ34aを全閉に、かつバルブ36aを所定のEGR条件によって算出される開度に制御する。これにより、排気マニホールド13からの排ガスは分岐管34・排気室35およびEGR管25bを経由して、吸気マニホールド11へと還流される。
以上のとおり、第2実施形態では、燃焼室2に連通した排気マニホールド13から分岐し燃焼室2からの排気が導入される分岐経路の一部である排気室35を、気相供給系の一部である気相デリバリ管25と熱交換可能に配置したので、排気の導入に伴う気相デリバリ管25の加熱により、気相供給系にある気相のLPG燃料が加熱され、したがって第1実施形態と同様に、LPG燃料の気相状態を好適に維持することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態における分岐経路に代えて、気相デリバリ管25を加熱するためのヒータ202を備えたものである。
図9は、第3実施形態に係るLPG燃料エンジン201を示す概略構成図である。図9において、気相デリバリ管25には、これを加熱するためのヒータ202が設置されている。ヒータ202には、PTCヒータなどの急速加熱が可能なものが好適である。ヒータ202には、これに給電するための電圧供給回路203が接続されている。電圧供給回路203は、バッテリ204からの直流電圧を昇圧して任意の電圧値およびタイミングでヒータ202に給電するものであり、DC/DCコンバータ等を含んで構成されている。
LPG燃料エンジン201は、制御手段として機能するECU230を含む。ECU230の入出力ポートには、上記第1実施形態におけるECU30と同様の各種センサ類および各種アクチュエータ類が接続されるほか、電圧供給回路203が接続され、ECU130の出力によってデューティ制御される。なお、第3実施形態において上記第2実施形態におけるものと同様の部材については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3実施形態の動作について説明する。図10において、まず、ユーザによってイグニッションスイッチが操作されると、ECU230は、燃料タンク22の圧力センサ22aおよび温度センサ22bからの信号によって取得した燃料タンク22の内部圧力および内部温度によって、上述の燃料性状特定マップ(図3)を参照し、これにより燃料タンク22の内部圧力と内部温度とに対応する燃料性状の値(プロパン比)を求める(S110)。
次に、ECU230は、液相デリバリ管21内の圧力・温度および燃料性状に基づいて、液相燃料にベーパが発生しないように圧力を制御し、液相状態での運転を行う(S120)。このステップS120における処理は、上記第1実施形態におけるステップS30の処理と同様である。
次に、エンジンの回転数および要求トルクが、所定の成層運転領域にあるか、またはエンジンの運転状態が所定の気相運転優位領域にあるかが判定される(S130)。前者の判断は、ECU230の記憶領域に保持された所定のマップの参照によって行われ、この条件は例えば回転数および要求トルクが低い領域で肯定される。後者の判断は、例えば冷間時であって液相燃料では気化不足による出力の不足から通常の燃料噴射制御では噴射量が増大側に制御される領域である等、気相燃料の直噴によることが望ましいような運転状態に該当するかによって行われ、具体的には温度センサ21bによって取得される液相デリバリ管21の温度や、所定のソフトウェアタイマのカウント値に基づく始動後の経過時間による方法、あるいは液相LPG燃料の噴射量とエンジン回転数とが所定範囲内で対応するか否かによる方法などを採用できる。ステップS20で否定の場合、すなわち成層運転領域になく且つ気相運転優位領域にない場合には、処理がリターンされてステップS110・S120の処理が繰り返される。
ステップS130で肯定の場合、すなわち成層運転領域にあるか又は気相運転優位領域にある場合には、次に、温度と燃料性状から、気相化できる最大圧力が算出される(S140)。次に、気相化できる最大圧力の値が、最小筒内噴射可能圧力と比較される(S150)。ステップS150で肯定の場合には、気相燃料での成層運転が可能な状況であるため、気相インジェクタ5からの気相LPG燃料による成層燃焼での運転が行われる。すなわち、噴射圧力が最小筒内噴射可能圧力に設定され、気相燃料フィードポンプ27が制御され(S160)、また、燃料性状ごとに予め作成された所定の最適適合マップの参照によって、気相燃料での成層運転制御またはその領域での気相運転制御が行われる(S170)。なお、ステップS140ないしS160の処理、およびステップS170における成層運転制御に係る部分の処理は、上記第1実施形態におけるステップS40ないしS70における処理と同様である。
他方、ステップS150で否定の場合、つまり、気相化できる最大圧力が最小筒内噴射可能圧力を下回り、気相での成層運転条件が満たされない場合には、気相での成層運転ができない状況であるため、処理はステップS180に移行し、液相LPG燃料での運転が行われる。本実施形態では液相インジェクタ4が吸気ポート7に設けられており、液相燃料では均質燃焼での運転のみが可能な機械的構造が用いられているため、ここでは均質燃焼での運転が行われる。なお、液相インジェクタが気筒内に開口され液相供給系が筒内直噴型に構成されている場合には、ここでの液相燃料による運転は成層燃焼によって行うことができる。
次に、規定時間にわたるヒータ202の通電が実行される(S190〜S210)。この規定時間は、気相LPG燃料を十分に加熱できるような単位時間に予め定められる。ヒータ202の通電により、気相デリバリ管25が昇温される。なお、ヒータ202の通電中におけるエンジンの運転は、液相LPG燃料によって行われる。
規定時間の加熱の終了後、気相デリバリ管25の温度が再び測定され(S220)、取得された現在の気相デリバリ管25の温度を利用して、ステップS140・S150の処理が再び実行される。このようにして、ヒータ202による気相デリバリ管25の加熱は、気相化できる最大圧力が最小筒内噴射可能圧力を上回るまでの間、繰り返し実行される。
以上のとおり、第3実施形態では気相デリバリ管25を選択的に加熱するためのヒータ202を備えたので、気相デリバリ管25内の気相LPG燃料を好適に加熱できる。
なお、第2および第3実施形態では、気相インジェクタ5および気相デリバリ管25をエンジンブロック1aに対して吸気側に設けたが、第2および第3実施形態において気相供給系をエンジンブロック1aに対して排気側に設けてもよく、特に気相インジェクタ5を第1実施形態と同様に排気マニホールド13の真下に沿わせて設置してもよいものであって、このような構成によれば排気熱の利用による気相LPG燃料の加熱を期待でき有利であるということができる。
また、上記各実施形態では排気ポート7または排気マニホールド13を気相インジェクタ5または気相デリバリ管25と近接して配置することで、気相供給系と排気経路との熱交換を実現したが、本発明では排気熱により気相LPG燃料を有効に昇温できるような配置であれば、その熱交換を行う箇所は排気経路や気相供給系の他の部分であってもよい。さらに、排気経路と気相供給系との熱交換を実現するために、表面式・蓄熱式・液体連結間接式などの熱交換器を設けてもよく、かかる構成も本発明の範疇に属するものである。
本発明の第1実施形態に係るLPG燃料エンジンを示す概略構成図である。 図1に示されるLPG燃料エンジンの要部を示す側面図である。 LPG燃料の性状を特定するために用いられるマップを説明するための図表である。 ベーパ未発生圧力を特定するために用いられるマップを説明するための図表である。 第1実施形態における処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係るLPG燃料エンジンの要部を示す側面図である。 第1実施形態の他の変形例に係るLPG燃料エンジンの要部を示す側面図である。 第2実施形態に係るLPG燃料エンジンを示す概略構成図である。 第3実施形態に係るLPG燃料エンジンを示す概略構成図である。 第3実施形態における処理を示すフローチャートである。 温度・圧力とLPG燃料の性状、ならびに気相筒内噴射可能領域を示す蒸気圧線図である。
符号の説明
1,101,201 LPG燃料エンジン
2 燃焼室
4 気相インジェクタ
5 液相インジェクタ
11 吸気マニホールド
13 排気マニホールド
22 燃料タンク
21 液相デリバリ管
25 気相デリバリ管
30,130,230 ECU
34 分岐管
35 排気室
36 EGR管
202 ヒータ

Claims (6)

  1. LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、
    前記気相供給系の少なくとも一部を、前記燃焼室からの排気経路と熱交換可能に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジン。
  2. 請求項1に記載のLPG燃料エンジンであって、
    前記気相供給系を構成する筒内直噴式のインジェクタを、前記燃焼室に接続された排気マニホールドのほぼ真下に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジン。
  3. LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、
    前記燃焼室に連通した排気経路から分岐し燃焼室からの排気が導入される分岐経路を、前記気相供給系の少なくとも一部と熱交換可能に配置したことを特徴とするLPG燃料エンジン。
  4. 請求項3に記載のLPG燃料エンジンであって、
    前記分岐経路を、前記気相供給系を構成しインジェクタにLPG燃料を分配する気相デリバリ管に沿って形成したことを特徴とするLPG燃料エンジン。
  5. LPG燃料を液相で供給するための液相供給系と、前記LPG燃料を気相で供給するための気相供給系とを備え、前記液相供給系および前記気相供給系から供給されたLPG燃料を燃焼室で燃焼させるLPG燃料エンジンにおいて、
    前記気相供給系を構成しインジェクタにLPG燃料を分配するための気相デリバリ管を加熱すべく、ヒータを更に備えたことを特徴とするガス燃料エンジン。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のLPG燃料エンジンであって、
    前記液相供給系および前記気相供給系のいずれかを燃料供給経路として選択する制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記気相供給系におけるLPG燃料の温度および圧力に基づいて、前記LPG燃料の気相状態を維持でき且つ筒内噴射が可能な場合に、前記気相供給系を選択することを特徴とするLPG燃料エンジン。
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