JP2002138908A - 筒内噴射火花点火式内燃機関 - Google Patents

筒内噴射火花点火式内燃機関

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JP2002138908A
JP2002138908A JP2000335891A JP2000335891A JP2002138908A JP 2002138908 A JP2002138908 A JP 2002138908A JP 2000335891 A JP2000335891 A JP 2000335891A JP 2000335891 A JP2000335891 A JP 2000335891A JP 2002138908 A JP2002138908 A JP 2002138908A
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egr
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fuel
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Koichi Sasaki
康一 佐々木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】噴射燃料の気化特性に起因する燃焼の悪化を好
適に抑制することのできる筒内噴射火花点火式内燃機関
を提供する。 【解決手段】燃焼室18内に直接噴射された燃料と空気
との混合気を火花により着火及び燃焼させる筒内噴射火
花点火式のエンジン11は、EGR機構31及び温度調
節機構34を備える。EGR機構31は排気通路21及
び吸気通路19をつなぐEGR通路32と、そのEGR
通路32の途中に配されたEGRバルブ33とを備え
る。EGR機構31では、混合気の燃焼にともない生じ
て排気通路21を流れる排気の一部が、EGRガスとし
て、EGR通路32を通じて吸気通路19に還流され
る。温度調節機構34は、EGR通路32を流れるEG
Rガスの温度を、燃焼室18内の温度である筒内温度に
応じて調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に直接噴
射された燃料と空気との混合気を火花により着火及び燃
焼させる筒内噴射火花点火式内燃機関に関し、より詳し
くは、排気の一部を排気還流通路(EGR通路)を通じ
て吸気系に還流させる機構を備えた筒内噴射火花点火式
内燃機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、筒内噴射火花点火式内燃
機関では、燃料がインジェクタによって燃焼室内に直接
噴射される。そして、噴射された燃料が気化することに
より空気との混合気が形成され、この混合気が電気火花
により着火されて爆発・燃焼される。このタイプの内燃
機関では、成層燃焼により混合気の空燃比(空気と燃料
の重量比)を極めてリーン側に設定することができるた
め、燃費の大幅な向上を図ることができるようになる。
ここで、リーンとは、燃料を完全燃焼させるのに必要な
空燃比の理論値(理論空燃比)よりも、燃料が少なく空
気が多い状態をいう。
【0003】反面、こうした内燃機関では、一般の火花
点火式内燃機関に比べて燃焼温度が高くなり、排気中の
窒素酸化物(NOx)が増大する傾向にある。そこで、
従来は、同機関に排気還流機構(EGR機構)を付加
し、排気を吸気系に還流させることによってこうした問
題に対処している。EGR機構は、これも周知のよう
に、排気通路と吸気通路とを排気還流通路(EGR通
路)によって接続し、内燃機関の運転状態に応じて、そ
のEGR通路の途中に設けた排気還流バルブ(EGRバ
ルブ)を開閉する機構である。このEGR機構による
と、還流ガス(EGRガス)により混合気の燃焼温度を
低下させて、NOxの排出量を低減させることが可能と
なる。ただし、この機構を通じて大量のEGRガスを還
流させた場合、例えばEGR通路等が過度に加熱される
ことがあるため、従来はさらに、例えば特開2000−
87807号公報にみられる態様で、EGRガスを冷却
水により冷却することも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、筒内噴射火
花点火式内燃機関にあっては上述のように、筒内に噴射
供給された燃料が気化されることにより混合気が形成さ
れ、この混合気に対する点火によって爆発・燃焼が行わ
れるが、筒内温度が低いときには、上記噴射供給された
燃料の気化が抑制されて、燃焼の悪化を招く。
【0005】一方、上記吸気系に還流されるEGRガス
は、吸入空気とともに燃焼室内に取り込まれることか
ら、そのガス温度は上記筒内温度にも影響を与えること
となる。そして、例えば上記公報に記載の装置の場合に
は、冷却水によるEGRガスの冷却を通じてEGR通路
等の過熱を防止することができるとはいえ、その冷却さ
れたEGRガスが燃焼室内に導入されることで、筒内温
度を必要以上に低下させてしまうことがある。このた
め、当該機関の運転状態によっては、噴射された燃料が
十分に気化されず、燃費や排気エミッションの悪化を招
くようになる。
【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、噴射燃料の気化特性に起因
する燃焼の悪化を好適に抑制することのできる筒内噴射
火花点火式内燃機関を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、燃焼室
内に直接噴射された燃料と空気との混合気を火花により
着火及び燃焼させるとともに、その燃焼にともない前記
燃焼室から排出される排気の一部を排気還流通路を通じ
て吸気系に還流させる筒内噴射火花点火式内燃機関にお
いて、前記排気還流通路を流れる還流ガスの温度を前記
燃焼室内の温度である筒内温度に応じて調節する温度調
節手段を備えている。
【0008】上記の構成によれば、例えば成層燃焼時に
混合気の空燃比が極めてリーン側に設定された場合、燃
焼温度が高くなって排気中の窒素酸化物(NOx)が増
大するが、この窒素酸化物は、排気還流(EGR)によ
り低減される。すなわち、点火により生じた排気が排気
還流通路を通って吸気系に還流され、吸入空気に混合さ
れることにより、混合気中の不活性ガスの割合が増えて
燃焼最高温度が下がり、窒素酸化物の発生が抑制され
る。
【0009】さらに、上記の構成によれば、温度調節手
段により、排気還流通路を流れる還流ガスの温度が筒内
温度に応じて変更可能である。従って、筒内温度が高く
噴射燃料が良好に気化する場合に、例えば温度調節手段
により還流ガスが冷却されれば、還流ガスの温度が下が
る。そのため、大量の排気が還流された場合であって
も、排気還流機構の各部の過熱を抑制し、これらを熱か
ら保護することが可能である。
【0010】一方、筒内温度が低く、燃料が気化しにく
い場合に、例えば前記温度調節手段による還流ガスの冷
却度合が小さくされれば(冷却停止を含む)、同還流ガ
スの温度低下にともなう筒内温度の低下が抑制され、燃
料が一層気化しにくくなる現象が防止される。また、こ
のとき、還流ガスの冷却度合を小さくすることにとどま
らず、温度調節手段により還流ガスが積極的に加熱され
ることとすれば、同還流ガスの温度が上昇し、燃料が気
化しやすくなり、空気と混合しやすくなる。このため、
機関の状況にかかわらず、噴射燃料の気化特性に起因す
る混合気の燃焼の悪化を抑制することができ、ひいて
は、燃費、排気エミッション、ドライバビリティ等の向
上を図ることが可能となる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記温度調節手段は、前記排気還流通路を
流れる還流ガスを冷却するとともに、前記筒内温度の低
い領域での機関運転時に、前記還流ガスの冷却度合を小
さくするものであるとする。ここで、冷却停止も、冷却
度合を小さくすることに含まれるものとする。
【0012】上記の構成によれば、排気還流通路を流れ
る還流ガスは、基本的には温度調節手段により冷却され
る。この冷却により、還流ガスの温度が下がる。しか
し、筒内温度が低く噴射燃料が気化しにくいときには、
冷却度合が小さくされる。従って、還流ガスによる筒内
温度のさらなる低下を抑制し、噴射燃料の気化特性が悪
くなることにともなう燃焼の悪化を抑制できる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記温度調節手段は、前記筒内温度が低い
領域での機関運転時に、前記排気還流通路を流れる還流
ガスを加熱するものであるとする。
【0014】上記の構成によれば、筒内温度が低く噴射
燃料が気化しにくいときには、還流ガスは排気還流通路
を流れる際に温度調節手段により加熱される。この加熱
により温度の上昇した還流ガスが吸気系に還流されて、
筒内温度が上昇する。この上昇にともない噴射燃料が気
化しやすくなる。従って、この場合も、噴射燃料の気化
特性が悪くなることにともなう燃焼の悪化を好適に抑制
できる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記温度調節手段は、さらに、前記筒内温
度の高い領域での機関運転時に、前記排気還流通路を流
れる還流ガスを冷却するものであるとする。
【0016】上記の構成によれば、筒内温度が高いとき
には、還流ガスは排気還流通路を流れる際に温度調節手
段により冷却される。この冷却により還流ガスの温度が
下がる。そのため、大量の排気が還流された場合であっ
ても、排気還流機構の各部の過熱を抑制することができ
る。なお、このときには、噴射燃料は気化しやすい状態
にあるため、燃焼悪化の心配はない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の筒内噴射火花点火
式内燃機関を、自動車用多気筒ガソリンエンジン(以
下、単にエンジンという)に具体化した一実施形態を、
図1〜4に従って説明する。
【0018】図1に示すように、エンジン11はシリン
ダヘッド12と、複数のシリンダ13(図1ではその一
つを示す)を有するシリンダブロック14とを備えてい
る。各シリンダ13内には、ピストン15が往復動可能
に収容されている。各ピストン15は、コネクティング
ロッド16を介しクランクシャフト17に連結されてい
る。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッ
ド16によって回転運動に変換された後、クランクシャ
フト17に伝達される。
【0019】燃焼室18は、ピストン15の頂面、シリ
ンダ13の内壁面及びシリンダヘッド12の下面によっ
て区画形成されている。燃焼室18には吸気通路19及
び排気通路21が接続されており、これら各通路19,
21は、シリンダヘッド12に往復動可能に支持された
吸気バルブ22及び排気バルブ23によって開放又は閉
鎖される。
【0020】吸気通路19内には、スロットルバルブ2
4が軸24aにより回動可能に支持されている。軸24
aには、運転者によるアクセルペダル25の踏込み操作
に応じて作動するスロットル用モータ26が駆動連結さ
れている。吸気通路19を流れる空気の量、すなわち吸
入空気量は、スロットルバルブ24の回動角度(スロッ
トル開度)に応じて変化する。
【0021】シリンダヘッド12には、燃焼室18内に
燃料を直接噴射するインジェクタ27が、各シリンダ1
3に対応して取付けられている。各インジェクタ27か
ら噴射された燃料は気化し、吸気通路19を通って燃焼
室18内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気と
なる。シリンダヘッド12には、点火プラグ28が各シ
リンダ13に対応して取付けられており、前記混合気が
点火プラグ28の電気火花によって着火され、爆発・燃
焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピ
ストン15が往復動され、クランクシャフト17が回転
されて、エンジン11の駆動力が得られる。なお、適切
な燃焼の実現のためには、噴射燃料と空気とが十分に混
合することが必要であり、そのためには、燃焼室18内
の温度(筒内温度)を高めて噴射燃料を気化しやすくす
ることが重要である。
【0022】本実施形態では、混合気の燃焼方式として
少なくとも均質燃焼と成層燃焼とがあり、これらはエン
ジン11の運転状態に応じて切替えられる。均質燃焼
は、エンジン11の高負荷時等において、吸気行程(ピ
ストン15の下降中)に燃料を噴射させることにより、
拡散時間を長く取り、気化を促進して燃料と空気とを均
一に混合して、理論空燃比付近の混合気とし、その後に
点火を行う燃焼方式である。均質燃焼では、十分に混合
してからの点火となるためススが出にくく、燃焼が円滑
に進むため高出力を得ることができる。
【0023】成層燃焼は、エンジン11の低負荷時等に
おいて、圧縮行程(ピストン15の上昇中)の後半に燃
料をピストン15の頂面に向けて噴射することにより、
混合気を層状化し、その後に点火を行う燃焼方式であ
る。すなわち、燃料の噴射時期を可能な限り遅らせるこ
とで、燃料が燃焼室18の全体に拡散する前に、点火プ
ラグ28の周辺には燃料の濃い(理論空燃比程度)混合
気の層を形成し、その周りには燃料の少ない混合気の層
を形成する方式である。成層燃焼では、シリンダ13内
の全体の空燃比を考えると、30〜50程度のリーン状
態となり、燃費が向上する。
【0024】燃焼室18で生じた燃焼ガスの多くは、排
気として排気通路21を通ってエンジン11の外部へ排
出される。排気通路21には、同通路21を流れる排気
を浄化するための触媒を内蔵した触媒コンバータ29が
設けられている。
【0025】エンジン11には、排気の一部を、吸気
系、例えば吸気通路19に還流させる排気還流機構(以
下「EGR機構」という)31が設けられている。EG
R機構31は、還流にともない吸入空気に混合された排
気により、混合気中の不活性ガスの割合を増やして燃焼
最高温度を下げ、大気汚染物質である窒素酸化物(NO
x)の発生を低減させるものであり、混合気の空燃比が
リーン側に設定される成層燃焼時において少なくとも実
行される。EGR機構31は、排気通路21及び吸気通
路19をつなぐ排気還流通路(以下「EGR通路」とい
う)32を備えている。ここでは、EGR通路32が排
気通路21に対し、触媒コンバータ29よりも上流側で
接続されているが、下流側で接続されてもよい。EGR
通路32の途中には、同通路32を流れる還流ガス(以
下「EGRガス」という)の流量を調節するための排気
還流バルブ(以下「EGRバルブ」という)33が取付
けられている。
【0026】EGR通路32には、同通路32を流れる
EGRガスの温度を筒内温度に応じて調節する温度調節
機構34が設けられている。本実施形態では、温度調節
機構34はEGRガスを冷却する機構と、加熱する機構
とを備えている。
【0027】冷却機構は、EGRガスを冷却又は冷却停
止する等して、冷却度合を少なくとも2段階で切替える
ことのできるものであればどのようなタイプであっても
よいが、冷却度合を無段階で調節できるタイプが好まし
い。その一例として本実施形態では、エンジン11の冷
却水を利用したものが採用されている。詳しくは、冷却
機構は、ラジエータ37に接続された冷却水通路38を
備えており、その一部がEGR通路32の周りに設けら
れている。より詳しくは、EGR機構31の一部がニ重
管構造となっており、その内側の管の内部空間がEGR
通路32の一部をなし、内側の管と外側の管との間の空
間が冷却水通路38の一部をなしている。冷却水通路3
8の途中には、同通路38を流れる冷却水の流量を調節
するための流量制御バルブ39が介在されている。
【0028】加熱機構は、EGRガスを加熱又は加熱停
止する等して、加熱度合を少なくとも2段階で切替える
ことのできるものであればどのようなタイプであっても
よいが、加熱度合を無段階で調節できるタイプが好まし
い。その一例として本実施形態では、電気(電熱)ヒー
タ41が採用されている。この電気ヒータ41は、通電
により加熱し、かつ通電量に応じて発熱量が異なるもの
であり、EGR通路32の近傍、例えば周囲に配置され
ている。
【0029】エンジン11には、その運転状態を検出す
るための各種センサが取付けられている。例えば、クラ
ンクシャフト17の近傍には、その回転速度(エンジン
回転速度)を検出するクランク角センサ42が配置され
ている。スロットルバルブ24の近傍には、その軸24
aの回動角度(スロットル開度)を検出するスロットル
センサ43が配置されている。吸気通路19において、
スロットルバルブ24の下流側には、吸入空気の圧力
(吸気圧)を検出する吸気圧センサ44が設けられ、上
流側には、吸気通路19内の温度(吸気温)を検出する
吸気温センサ45が設けられている。また、スロットル
バルブ24の近傍には、アクセルペダル25の踏込み量
(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ46が設け
られている。
【0030】前記各種センサ42〜46の検出値に基づ
き、各インジェクタ27、EGRバルブ33、流量制御
バルブ39、電気ヒータ41等を制御するために、図2
に示すように、電子制御装置(以下「ECU」という)
47が用いられている。ECU47はCPU48、読み
出し専用メモリ(ROM)49、ランダムアクセスメモ
リ(RAM)51、バックアップRAM52、外部入力
回路53及び外部出力回路54を備えている。これらの
各回路はバス55によって互いに接続されている。
【0031】ROM49は、所定の制御プログラムや初
期データを予め記憶している。CPU48は、ROM4
9に記憶された制御プログラム及び初期データに従って
各種の演算処理を実行する。RAM51は、CPU48
による演算結果を一時的に記憶する。バックアップRA
M52は、ECU47に対する電源供給が停止された後
にも、RAM51内の各種データを保持するために、バ
ッテリ(図示略)によってバックアップされている。
【0032】そして、CPU48は外部入力回路53を
介して各種センサ42〜46の検出信号を入力する。ま
た、CPU48はそれらの入力に基づき、エンジン回転
速度、アクセル開度等を算出する。さらに、CPU48
はこれらの算出値に基づき、外部出力回路54を介して
各インジェクタ27、EGRバルブ33、流量制御バル
ブ39、電気ヒータ41等の作動を制御し、燃料噴射制
御、EGR制御、EGRガス温度制御等を実行する。
【0033】例えば、CPU48は燃料噴射制御とし
て、エンジン11の運転状態、例えば、エンジン回転速
度及びアクセル開度(又は吸気圧)に基づき、ROM4
9に予め記憶されているマップから基本噴射量を求め、
これを、各種センサの信号による係数や補正値に基づい
て補正して、燃料噴射量を算出する。そして、このよう
に算出した量の燃料が噴射されるように、外部出力回路
54を介してインジェクタ27に駆動信号を出力する。
【0034】また、CPU48はEGR制御として、ス
ロットル開度及びエンジン回転速度に基づきEGR開度
の目標値を算出し、EGRバルブ33の開度がこの目標
値に近づくように、外部出力回路54を介して同EGR
バルブ33に駆動信号を出力する。
【0035】次に、前記のように構成された本実施形態
の作用について説明する。図3のフローチャートは、E
CU47が実行する各処理のうち、EGRガスの温度を
筒内温度に応じて制御するためのルーチンを示してい
る。
【0036】このルーチンに従えば、ECU47はまず
機関運転状態に基づき筒内温度を推定し、その推定値
が、噴射燃料の気化の観点から適した値であるかどうか
を判断する。一般に、筒内温度は、エンジン負荷が小さ
いときには低く、同負荷の増大に従い上昇する傾向にあ
ることから、ここでは、エンジン負荷を筒内温度の代用
値(制御パラメータ)として用いている。
【0037】また、エンジン負荷は、例えばエンジン回
転速度と燃料噴射量との関係で表すことができる。通常
は、エンジン回転速度が低く、かつ燃料噴射量が少ない
ときエンジン負荷が小さく、エンジン回転速度が高く、
かつ燃料噴射量が多くなるに従いエンジン負荷が大きく
なる。このことから、エンジン回転速度と燃料噴射量と
に基づき、エンジン負荷を求めるようにしている。
【0038】ステップS101では、前記のようにして
求めたエンジン負荷が軽負荷域に属しているかどうかを
判定する。この処理は、筒内温度が、噴射燃料を良好に
気化させることのできないほど低いかどうかを判断する
ために行われる。この判定条件が満たされていないと、
ステップS103で、エンジン負荷が高負荷域に属して
いるかどうかを判定する。この処理は、筒内温度が、多
少下げられてもなお噴射燃料を良好に気化させることの
できるほど十分に高いかどうかを判断するために行われ
る。なお、ここでの軽・高負荷域とは、図4に示すよう
に、成層燃焼が行われる負荷領域での領域を指し、同負
荷領域の中でもエンジン負荷の比較的小さな領域を軽負
荷域とし、比較的大きな領域を高負荷域としている。
【0039】前記ステップS101,S103の各判定
結果に応じ、所定のマップを参照し、流量制御バルブ3
9及び電気ヒータ41をそれぞれ制御する。ここで用い
られるマップは、エンジン回転速度及び燃料噴射量との
関係において、電気ヒータ41への通電量を規定したも
のと、同じくエンジン回転速度及び燃料噴射量との関係
において、流量制御バルブ39の開度を規定したものと
の2種類であり、いずれも予めROM49に記憶されて
いる。前者のマップでは、エンジン回転速度が低く、か
つ燃料噴射量が少ない領域、すなわち軽負荷域において
のみ、電気ヒータ41に通電される。しかも、その軽負
荷域での通電量は、エンジン回転速度が低くなるほど、
また燃料噴射量が少なくなるほど多くなるように設定さ
れている。また、後者のマップでは、エンジン回転速度
が高く、かつ燃料噴射量が多い領域、すなわち高負荷域
においてのみ、流量制御バルブ39が開弁される。しか
も、その高負荷域での開度は、エンジン回転速度が高く
なるほど、また燃料噴射量が多くなるほど大きくなるよ
うに設定されている。
【0040】前記ステップS101の判定条件が成立し
ていると、すなわち、エンジン負荷が軽負荷域に属して
いると、ステップS102において、流量制御バルブ3
9を閉弁させるとともに、電気ヒータ41への通電を行
う。このときの通電量を、エンジン回転速度及び燃料噴
射量によって規定されるエンジン負荷に応じた値とす
る。別の表現をすると、筒内温度に応じた通電量で電気
ヒータ41に通電する。流量制御バルブ39の閉弁によ
り、冷却水通路38内での冷却水の流通が止まり、同冷
却水によるEGRガスの冷却度合が小さくなる。その一
方で、前記通電により電気ヒータ41が発熱し、その熱
がEGR通路32を介し、そこを流れているEGRガス
に伝達される。この伝達によりEGRガスが加熱され
て、その温度が上昇する。
【0041】前記ステップS103の判定条件が成立し
ていると、すなわち、エンジン負荷が高負荷域に属して
いると、ステップS104において、電気ヒータ41へ
の通電を停止するとともに、流量制御バルブ39を開弁
させる。このときの開度を、エンジン回転速度及び燃料
噴射量によって規定されるエンジン負荷に応じた値とす
る。別の表現をすると、筒内温度に応じた開度で流量制
御バルブ39を開弁させる。前記通電停止により電気ヒ
ータ41の発熱が止まり、同電気ヒータ41によるEG
Rガスの加熱作用がなくなる。その一方で、流量制御バ
ルブ39の開弁により、冷却水通路38内で冷却水が流
れ、その熱がEGR通路32を介し、そこを流れている
EGRガスに伝達される。この伝達によりEGRガスが
冷却されて、その温度が下降する。
【0042】一方、ステップS103の判定条件が成立
していないと、すなわち、エンジン負荷が軽負荷域にも
高負荷域にも属していないと、ステップS105におい
て、流量制御バルブ39を閉弁させるとともに、電気ヒ
ータ41への通電を停止する。前記閉弁により冷却水通
路38内での冷却水の流通が止まり、同冷却水によるE
GRガスの冷却度合が小さくなる。また、前記通電停止
により電気ヒータ41の発熱が止まり、同電気ヒータ4
1によるEGRガスの加熱作用がなくなる。EGRガス
の温度が、冷却水及び電気ヒータ41による影響を受け
にくくなる。
【0043】そして、上記のようにステップS102,
S104,S105のいずれかの処理を行った後、この
ルーチンを終了する。以上詳述した本実施形態によれ
ば、以下の効果が得られる。
【0044】(1)図4に示すように、筒内温度が低く
噴射燃料が気化しにくい軽負荷域で、EGR通路32を
流れるEGRガスを電気ヒータ41により加熱するよう
にしている。このため、軽負荷域ではもともと噴射燃料
の気化が悪いが、前記の加熱により温度の上昇したEG
Rガスが吸気通路19に還流されて、筒内温度が上昇
し、噴射燃料が気化しやすくなる。従って、常にEGR
ガスを冷却することが原因で、もともと低い筒内温度が
一層低くなる従来技術とは異なり、噴射燃料の気化が悪
くなることにともなう燃焼悪化を好適に抑制できる。む
しろ、筒内温度の上昇にともなう気化により、混合気の
燃焼を促進し、燃費、排気エミッション、ドライバビリ
ティ等の向上を図ることができる。
【0045】(2)上記(1)に関連するが、エンジン
11の軽負荷域において、そのエンジン負荷の大きさに
応じて電気ヒータ41への通電量を変えている。エンジ
ン回転速度が低くなるほど、また燃料噴射量が少なくな
るほど、通電量を多くしてEGRガスの加熱度合を大き
くしている。このため、加熱により筒内温度をより適切
な値にして、噴射燃料を気化しやすくすることができ
る。
【0046】(3)図4に示すように、筒内温度が高い
高負荷域では、EGR通路32を流れるEGRガスを冷
却水により冷却している。この冷却によりEGRガスの
温度が下がる。そのため、大量の排気が還流された場合
であっても、EGR機構31の構成部品、例えばEGR
通路32を形成するEGR管やEGRバルブ33の過熱
を抑制し、これらを熱から保護することができる。な
お、高負荷域では、筒内温度が十分に高いことから噴射
燃料が気化しやすいため、EGRガス冷却による燃焼悪
化の心配はない。
【0047】(4)上記(3)に関連するが、エンジン
11の高負荷域において、そのエンジン負荷の大きさに
応じて流量制御バルブ39の開度を変えている。エンジ
ン回転速度が高くなるほど、また燃料噴射量が多くなる
ほど、開度を大きくすることにより、冷却水通路38を
流れる冷却水の流量を多くして、EGRガスの冷却度合
を大きくしている。このため、EGR機構31が必要以
上に冷却されるのを抑制して、EGRガスが筒内温度に
及ぼす影響を少なくすることができる。噴射燃料の気化
と、EGR通路等の過熱抑制とに関し、EGRガスの温
度をより適切な値にすることができる。
【0048】(5)筒内温度と対応するエンジン負荷を
制御パラメータとして用いているため、筒内温度を直接
検出しなくても、エンジン負荷によって筒内温度を容易
に推測することができる。そして、その推定結果に基づ
き、冷却水によるEGRガスの冷却停止や、電気ヒータ
による加熱を適切に行って、筒内温度をより好ましい値
にすることができる。
【0049】(6)エンジンにもともと使用されている
冷却水を冷却機構の冷媒として利用し、これとEGRガ
スとの間で熱交換を行うようにしているため、別途冷媒
を確保しなくてもすむ。
【0050】(7)加熱機構として電気ヒータを用いて
いるため、このヒータへの通電により、比較的短い時間
で効率よく加熱して、EGRガスの温度を上昇させるこ
とができる。
【0051】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。 ・筒内温度の低い軽負荷域において、EGRガスにより
筒内温度が一層低くなるのを抑制する手法として、前記
実施形態では、EGRガスの冷却を止めて加熱を行うよ
うにしたが、この加熱を省略してもよい。具体的には、
電気ヒータ41等の加熱機構を割愛する。そして、流量
制御バルブ39を閉弁して冷却水通路38での冷却水の
流通を止めるか、又は開度を小さくして冷却水の流量を
絞る。このようにすると、軽負荷域でも高負荷域と同程
度の流量の冷却水を通過させた場合(従来技術に相当)
に比べ、EGRガスの温度が下がりにくくなる。従っ
て、EGRガスによる筒内温度のさらなる低下を抑制
し、噴射燃料の気化特性が悪くなることにともなう燃焼
悪化を抑制できる。
【0052】・冷却機構として、前記流量制御バルブ3
9に代えて、開度調節機能はなく、冷却水通路38を開
放又は閉鎖のみするバルブ(開閉弁)を用いてもよい。
この場合、例えば、高負荷域では開閉弁を開弁させ、そ
れ以外の領域(軽負荷域を含む)では閉弁させてもよ
い。また、軽負荷域では開閉弁を閉弁させ、それ以外の
領域(高負荷域を含む)では開弁させてもよい。すなわ
ち、筒内温度の低い軽負荷域では冷却水による冷却を禁
止してもよい。
【0053】上記いずれの場合でも、高負荷域では冷却
水通路38を冷却水が流れ、EGRガスが冷却されて、
温度が下がる。軽負荷域では冷却水通路38での冷却水
の流通が遮断されて、EGRガスの冷却が停止され、そ
の温度低下が抑制される。従って、この場合には、エン
ジン回転速度及び燃料噴射量との関係において、流量制
御バルブ39の開度を規定したマップが不要となる。
【0054】同様に、電気ヒータ41の制御の態様とし
て、予め定めた量の電流を流す態様と、通電を止める態
様との2つにし、これらをエンジン負荷に応じて切替え
るようにしてもよい。この場合、軽負荷域では電気ヒー
タ41に所定量の電流を通電し、それ以外の領域(高負
荷域を含む)では通電を停止する。このような制御によ
れば、軽負荷域では電気ヒータ41が発熱し、EGRガ
スが加熱されて温度が上昇する。一方、高負荷域では電
気ヒータ41が発熱せず、EGRガスの不要な加熱が行
われない。従って、この場合には、エンジン回転速度及
び燃料噴射量との関係において、電気ヒータ41への通
電量を規定したマップが不要となる。
【0055】・前記実施形態では、成層燃焼時のエンジ
ン負荷の領域を、軽負荷域と、高負荷域と、そのいずれ
でもない領域とに区分したが、これらとは異なる数の領
域に区分してもよい。例えば、軽負荷域と、それ以外の
領域とに区分して、流量制御バルブ39及び電気ヒータ
41の制御の態様を異ならせてもよい。
【0056】・EGR通路32でのEGRガスを加熱す
るために、前記実施形態とは異なる加熱機構を採用して
もよい。図5にその一例を示す。これは、排気通路21
の熱を利用するものである。より詳しくは、EGR通路
32でのEGRガスの温度と、排気通路21での排気の
温度とは、基本的には略等しい。しかし、燃焼室18で
燃焼されないまま排気に混ざった未燃分が、排気通路2
1を流れる途中で燃焼したり、触媒を通過する際に燃焼
したりする場合がある。これらの燃焼にともなう熱によ
り、排気通路21や触媒コンバータ29には、EGRガ
スよりも温度の高い箇所が存在する。そこで、EGR通
路32が触媒コンバータ29よりも上流側で排気通路2
1に接続されているエンジン11の場合には、EGR通
路32の一部(排気通路21との接続箇所の近傍部分)
と、この温度の高い箇所(図では触媒コンバータ29)
とを接近させる。このようにすれば、前記電気ヒータ4
1等の加熱機構を別途設けることなく、簡易な構成でE
GRガスを加熱することができる。
【0057】また、排気通路21では基本的には上流側
ほど温度が高いため、EGR通路32において少なくと
も排気通路21との接続箇所の近傍部分を、同箇所より
も上流側の排気通路21に近づけてもよい。このように
しても、前記と同様の効果が得られる。図6は、EGR
通路32が触媒コンバータ29よりも下流側で排気通路
21に接続されている場合において、EGR通路32の
一部を、接続箇所よりも上流に位置する触媒コンバータ
29に近づけた例を示している。
【0058】なお、加熱機構を1種類に限らず、複数組
み合わせてもよい。例えば、前述した排気通路21から
の熱を利用するものと、電気ヒータ41とを併用しても
よい。
【0059】・EGR通路32を流れるEGRガスを冷
却するために、前記実施形態とは異なる冷却機構を採用
してもよい。図7にその一例を示す。これは、自動車の
走行にともない流れる風(走行風)56を利用するもの
である。より詳しくは、EGR通路32の近傍に複数の
風防板57を互いに離間した状態で配置し、それらをそ
れぞれ軸57aにより回動可能に支持する。これらの風
防板57を連結部材58により連結して、いわゆる平行
リンクとする。いずれかの風防板57にステップモータ
等のアクチュエータ59を駆動連結する。さらに、アク
チュエータ59の作動により所定の風防板57が、軸5
7aを支点として回動されると、その回動が連結部材5
8によって他の風防板57に伝達され、全部の風防板5
7が一斉に回動されて傾きを変えるようにする。
【0060】そして、エンジン負荷が軽負荷域に属して
いるときには、図7において二点鎖線で示すように、全
風防板57を走行風56の流れる方向に対し斜めにし、
EGR通路32に接触する走行風56の量を少なくし
て、EGRガスがあまり冷却されないようにする。これ
とは逆に、高負荷域に属しているときには、図7におい
て実線で示すように、全風防板57を走行風56の流れ
る方向に略平行にして、大量の走行風56をEGR通路
32に接触させて、EGRガスが効率よく冷却されるよ
うにする。
【0061】このように、自動車の走行にともない生ず
る走行風を利用すれば、新たな冷媒の確保が不要とな
る。また、少ない部品で、かつ比較的簡便な構成であり
ながら、走行風の風量を調節して、EGRガスの温度を
好適に制御することができる。
【0062】なお、冷却機構を1種類に限らず、複数組
み合わせてもよい。例えば、前述した走行風56を利用
するものと、冷却水を利用するものとを併用してもよ
い。 ・加熱機構と冷却機構とを同時に機能させてもよく、こ
のようにすれば、EGRガスの温度をより適切な値に制
御することが可能となる。
【0063】その他、前記各実施形態から把握できる技
術的思想について、それらの効果とともに記載する。 (1)請求項2記載の筒内噴射火花点火式内燃機関にお
いて、前記温度調節手段は、前記筒内温度と対応する機
関負荷を制御パラメータとして用い、その機関負荷が、
筒内温度の低い軽負荷域に属するときに、前記還流ガス
の冷却度合を小さくするものであることを特徴とする筒
内噴射火花点火式内燃機関。
【0064】上記の構成によれば、筒内温度を直接検出
しなくても、機関負荷によって筒内温度を推測でき、も
ともと低い筒内温度が、温度調節手段の冷却作用によっ
てさらに低くなるのを抑制することができる。
【0065】(2)請求項3又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記温度調節手段は、前記筒
内温度と対応する機関負荷を制御パラメータとして用
い、その機関負荷が、筒内温度の低い軽負荷域に属する
ときに、前記還流ガスを加熱するものであることを特徴
とする筒内噴射火花点火式内燃機関。
【0066】上記の構成によれば、筒内温度を直接検出
しなくても、機関負荷によって筒内温度を推測でき、温
度調節手段の加熱作用によって筒内温度を上昇させ、噴
射燃料を気化させやすくできる。
【0067】(3)請求項3又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記温度調節手段は、前記筒
内温度に応じて還流ガスの加熱度合を変えることを特徴
とする筒内噴射火花点火式内燃機関。
【0068】上記の構成によれば、還流ガスの加熱度合
を変えることにより、筒内温度を噴射燃料の気化に関
し、より適切な値にすることができる。 (4)請求項4記載の筒内噴射火花点火式内燃機関にお
いて、前記温度調節手段は、前記筒内温度に応じて還流
ガスの冷却度合を変えることを特徴とする筒内噴射火花
点火式内燃機関。
【0069】上記の構成によれば、還流ガスの冷却度合
を変えることにより、噴射燃料の気化と、排気還流通路
等の過熱抑制とに関し、還流ガスの温度をより適切な値
にすることができる。
【0070】(5)請求項2又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記温度調節手段は、前記排
気還流通路の近傍に設けられた冷却水通路と、その冷却
水通路の途中に設けられたバルブとを備えることを特徴
とする筒内噴射火花点火式内燃機関。
【0071】上記の構成によれば、冷却水と還流ガスと
の間で熱交換を行い、燃焼に与える影響の大きい還流ガ
スの温度を制御することができる。また、機関冷却用の
冷却水を利用すれば、別途冷媒を確保しなくてもすむ。
【0072】(6)請求項3又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記温度調節手段は、前記排
気還流通路の近傍に配置され、かつ通電により発熱する
電気ヒータを備えることを特徴とする筒内噴射火花点火
式内燃機関。
【0073】上記の構成によれば、電気ヒータへの通電
により、比較的短時間で効率よく加熱して、還流ガスの
温度を上昇させることができる。 (7)請求項2又は4記載の筒内噴射火花点火式内燃機
関において、前記温度調節手段は、前記排気還流通路の
近傍に軸により支持された風防板と、前記風防板の傾き
を変えるアクチュエータとを備えることを特徴とする筒
内噴射火花点火式内燃機関。
【0074】上記の構成により、筒内噴射火花点火式内
燃機関が自動車に搭載されたものであれば、その自動車
の走行にともない生ずる風(走行風)が排気還流通路に
接触し、走行風と還流ガスとの間で熱交換が行われる。
この熱交換に係わる走行風の流量は、アクチュエータの
作動にともない傾きを変える風防板によって調節され
る。このように走行風を利用して還流ガスの温度を制御
することができる。
【0075】(8)請求項3又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記燃焼室に連通された排気
通路と、その排気通路の途中に設けられた触媒コンバー
タとをさらに備え、前記排気還流通路は、前記排気通路
に対し前記触媒コンバータよりも上流側に接続されてお
り、排気還流通路の一部と触媒コンバータとは互いに接
近して配置されていることを特徴とする筒内噴射火花点
火式内燃機関。
【0076】(9)請求項3又は4記載の筒内噴射火花
点火式内燃機関において、前記燃焼室に連通され、かつ
前記排気還流通路が接続された排気通路を備え、前記排
気還流通路の一部は、前記排気通路において排気還流通
路との接続箇所よりも上流側の部分に接近した状態で配
置されていることを特徴とする筒内噴射火花点火式内燃
機関。
【0077】上記(8),(9)の構成によると、電気
ヒータ等の加熱機構を別途設けることなく、簡易な構成
で還流ガスを加熱することができる。 (10)請求項1記載の筒内噴射火花点火式内燃機関に
おいて、前記温度調節手段は、前記排気還流通路の近傍
に配置され、かつ同排気還流通路を流れる還流ガスを冷
却する冷却機構と、前記筒内温度の低い領域での機関運
転時に、前記冷却機構による冷却を禁止する手段とを備
えることを特徴とする筒内噴射火花点火式内燃機関。
【0078】上記の構成によると、もともと低い筒内温
度が還流ガスによりさらに低下するのを抑え、噴射燃料
の気化特性が悪くなることにともなう燃焼悪化を抑制で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒内噴射火花点火式内燃機関の一実施
形態についてその構成を示す略図。
【図2】エンジンの制御系の電気的構成を示すブロック
図。
【図3】EGRガスの温度を制御する手順を示すフロー
チャート。
【図4】EGRガス温度制御の概念を示す説明図。
【図5】本発明の筒内噴射火花点火式内燃機関の他の実
施形態についてその構成を示す略図。
【図6】本発明の筒内噴射火花点火式内燃機関の他の実
施形態についてその構成を示す略図。
【図7】本発明の筒内噴射火花点火式内燃機関の他の実
施形態についてその構成を示す略図。
【符号の説明】
11…エンジン、18…燃焼室、19…吸気通路、31
…EGR機構、32…EGR通路、34…温度調節機
構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G023 AA02 AA03 AA07 AB01 AC04 AG01 AG03 3G062 AA03 AA07 CA07 CA08 ED08 FA11 GA04 GA06 GA08 GA15 3G092 AA01 AA06 AA09 AA17 DC08 EC01 FA22 GA05 GA06 HA06Z HA11Z HB01Z HD07X HE01Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室内に直接噴射された燃料と空気との
    混合気を火花により着火及び燃焼させるとともに、その
    燃焼にともない前記燃焼室から排出される排気の一部を
    排気還流通路を通じて吸気系に還流させる筒内噴射火花
    点火式内燃機関において、 前記排気還流通路を流れる還流ガスの温度を前記燃焼室
    内の温度である筒内温度に応じて調節する温度調節手段
    を備えることを特徴とする筒内噴射火花点火式内燃機
    関。
  2. 【請求項2】前記温度調節手段は、前記排気還流通路を
    流れる還流ガスを冷却するとともに、前記筒内温度の低
    い領域での機関運転時に、前記還流ガスの冷却度合を小
    さくするものである請求項1記載の筒内噴射火花点火式
    内燃機関。
  3. 【請求項3】前記温度調節手段は、前記筒内温度の低い
    領域での機関運転時に、前記排気還流通路を流れる還流
    ガスを加熱するものである請求項1記載の筒内噴射火花
    点火式内燃機関。
  4. 【請求項4】前記温度調節手段は、さらに、前記筒内温
    度の高い領域での機関運転時に、前記排気還流通路を流
    れる還流ガスを冷却するものである請求項3記載の筒内
    噴射火花点火式内燃機関。
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