JP2005096544A - 電動パーキングブレーキシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作スイッチの操作により電動パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換える場合に、操作性の悪化を軽減しつつ、誤操作による制動解除を防止する。
【解決手段】 操作スイッチが制動解除操作されかつ該制動解除操作が継続してなされている間にアクセル操作が検出されたときに、パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換える。また、操作スイッチの制動解除操作が継続してなされている間でなくても、該操作スイッチが制動解除操作されたときから設定時間以内にアクセル操作が検出されたときには、パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換える。
【選択図】 図10

Description

本発明は、アクチュエータの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構と、該パーキングブレーキ機構を制動状態と制動解除状態とに切り換えるための操作スイッチと、該操作スイッチの操作に応じて上記アクチュエータによる上記パーキングブレーキ機構の制動作動を制御する制御手段とを備えた電動パーキングブレーキシステムに関する技術分野に属する。
従来より、パーキングブレーキの1つとして電動パーキングブレーキが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この電動パーキングブレーキは、運転者によるスイッチ操作に応じて作動する電動モータと、その電動モータの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構とを備えている。このような電動パーキングブレーキでは、運転者は駐停車時にスイッチ操作だけで容易に制動状態にすることができるようになる。
実開昭64−26569号公報
しかしながら、上記従来の電動パーキングブレーキでは、制動状態と制動解除状態との切り換えを、スイッチ操作だけで行うようにしているため、特に制動状態にあるときに誤ってスイッチ操作された場合に、運転者が知らない間に制動解除状態となる虞れがあり、安全性の観点から改良の余地がある。一方、誤操作を防止するために運転者に複雑な操作をさせたのでは、操作性の悪化を招き、特に車両を急いで発進させようとしている運転者にとっては非常に煩わしくなる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換える場合に、操作性の悪化を軽減しつつ、誤操作による制動解除を防止しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、操作スイッチが制動解除操作されかつ該制動解除操作が継続してなされている間にアクセル操作が検出されたときに、パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換えるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、アクチュエータの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構と、該パーキングブレーキ機構を制動状態と制動解除状態とに切り換えるための操作スイッチと、該操作スイッチの操作に応じて上記アクチュエータによる上記パーキングブレーキ機構の制動作動を制御する制御手段とを備えた電動パーキングブレーキシステムを対象とする。
そして、アクセル操作を検出するアクセル検出手段を備え、上記制御手段は、上記パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、上記操作スイッチが制動解除操作されかつ該制動解除操作が継続してなされている間に上記アクセル検出手段によりアクセル操作が検出されたときに、該パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されているものとする。
上記の構成により、操作スイッチの制動解除操作を継続しながらアクセル操作することで制動が解除されるので、誤操作による制動解除を防止することができる。すなわち、アクセル操作及び操作スイッチの制動解除操作は共に運転者が発進しようとする意思の表れであり、しかも、運転者は操作スイッチを継続して操作する必要があるので、これら2つの操作を運転者にさせることにより、誤操作による制動解除を確実に防止することができる。一方、このような2つの操作を運転者にさせても、アクセル操作は、車両を発進させるときに必ず必要な操作であるので、運転者に煩わしさ感を与えることはない。また、坂道発進時において、車両の逆行を防止して楽に発進することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動解除状態にあるときにおいて、操作スイッチが制動操作されたときには、最大制動力よりも小さい第1制動力を車輪に対して付与して、上記パーキングブレーキ機構を制動状態に切り換えるとともに、該切り換え後に、車両が所定状態にあるときには、上記第1制動力よりも大きい第2制動力を上記車輪に対して付与するように構成されているものとする。
このことにより、制御手段は、操作スイッチが制動操作された場合には、最大制動力よりも小さい第1制動力を車輪に対して付与する。つまり、通常時には、最大制動力よりも小さい制動力を車輪に対して付与する。また、制御手段は、第1制動力が車輪に対して付与された後に、車両が所定状態(例えば車両が移動している状態又は車両が移動しそうな状態)にあるときには、第1制動力よりも大きい第2制動力を車輪に対して付与する。つまり、通常時における制動力が車輪に対して付与されたにも拘わらず、車両が移動している又は移動しそうな所定状態にあるときには、通常時よりも大きい制動力を車輪に対して付与する。したがって、通常時には最大制動力よりも小さい制動力を車輪に対して付与する一方、必要時には通常時における制動力よりも大きい制動力を車輪に対して付与することができる。この結果、電動パーキングブレーキシステムの軽量化及び電動パーキングブレーキシステム(アクチュエータ等)への負担の軽減化を図ることができるとともに、通常時のみならず必要時においても、車両を確実に駐停車させることができる。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、操作スイッチの制動解除操作が継続してなされている間でなくても、該操作スイッチが制動解除操作されたときから設定時間以内にアクセル検出手段によりアクセル操作が検出されたときには、パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されているものとする。
このことで、制動解除の操作性を向上させることができる。すなわち、運転者にアクセル操作するまで操作スイッチの制動解除操作を継続させるようにすると、操作スイッチの制動解除操作の終了タイミングの方がアクセル操作の開始タイミングよりも早くなる傾向にあり、アクセル操作したときには既に制動解除操作が検出されない状態となっていることがある。このような状態になると、パーキングブレーキ機構の制動を直ぐに解除することができなくなり、運転者に煩わしさ感を与えてしまう。しかし、この発明では、操作スイッチが制動解除操作されたときから設定時間(操作スイッチの制動解除操作の終了タイミングとアクセル操作の開始タイミングとのずれ時間(例えば3秒))以内にアクセル操作が検出されたときにも、制動解除操作が継続してなされている間にアクセル操作が検出されたときと同様に、パーキングブレーキ機構が制動解除状態に切り換えられるので、上記両タイミングが多少ずれても問題はなく、制動解除の操作性が向上する。また、運転者が緊張するような坂道発進時において、制動解除操作を継続させる必要がないので、より一層楽に発進することができる。
以上説明したように、本発明の電動パーキングブレーキシステムによると、操作スイッチが制動解除操作されかつ該制動解除操作が継続してなされている間にアクセル操作が検出されたときに、パーキングブレーキ機構を制動状態から制動解除状態に切り換えるようにしたことにより、制動解除の操作性の悪化を軽減しつつ、誤操作による制動解除を防止することができ、しかも、坂道発進を容易に行うことができるようになる。また、操作スイッチが制動解除操作されたときから設定時間以内にアクセル操作が検出されたときにも、制動解除状態に切り換えるようにすることで、操作スイッチの制動解除操作の終了タイミングとアクセル操作の開始タイミングとのずれによる解除不能を防止して、制動解除の操作性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、車両1(自動車)は、車幅方向に延びているインストルメントパネル(以下、インパネという)2と、そのインパネ2から車両後方に向かって突出したステアリングホイール3と、インパネ2の車両後方における車幅方向中央部に設置された変速装置のシフトレバー4と、電動パーキングブレーキシステム10(図1では不図示(図2参照))とを備えている。インパネ2には、電動パーキングブレーキ制御装置50(図2参照)によって、後述のダイナミックパーキング制御中である場合にその旨を運転者に対して報知するための表示装置(図示せず)が収納されている。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る電動パーキングブレーキシステム10は、上記車両1の各種車両用部品の制御などを行う車両側制御装置30と、操作スイッチ53の操作に応じて電動モータ52aによるパーキングブレーキ機構の制動作動を制御する電動パーキングブレーキ制御装置50とを備えている(操作スイッチ53、電動モータ52a及びパーキングブレーキ機構については後述する)。なお、本発明で言うところの制御手段は電動パーキングブレーキ制御装置50に対応する。
車両側制御装置30には、バッテリ31とシフトポジションスイッチ32と車速センサ33とブレーキスイッチ34とアクセル開度センサ35とエアバッグ用超音波センサ36とアイドルアップセンサ37と緑インジゲータランプ38と赤インジゲータランプ39とが接続され、また、車両側CAN(Controller Area Network)40が内蔵されている。なお、本発明で言うところのアクセル検出手段はアクセル開度センサ35に対応し、ブレーキ検出手段はブレーキスイッチ34に対応する。
シフトポジションスイッチ32は、変速装置のシフトレバー4がパーキング状態(P状態)にある場合には、シフトポジション信号としてPレンジ信号を車両側制御装置30に対して発信する一方、シフトレバー4がニュートラル状態(N状態)にある場合には、シフトポジション信号としてNレンジ信号を車両側制御装置30に対して発信する。
車速センサ33は、車両1の車速を検出し、検出されたその車速情報を有する車速信号を車両側制御装置30に対して発信する。
ブレーキスイッチ34は、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ場合に、車両側制御装置30に対してブレーキスイッチ信号(ブレーキSW信号)を発信する。
アクセル開度センサ35は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変化するアクセル開度を検出し、検出したそのアクセル開度情報を有するアクセル開度信号を車両側制御装置30に対して発信する。このアクセル開度信号の発信により、アクセルがON状態になったこと(アクセル操作が行われたこと)が分かる。
エアバッグ用超音波センサ36は車両1の前後左右四隅のそれぞれに取り付けられていて、追突状態を検出するとともに、検出したその追突状態の情報を有する追突信号を車両側制御装置30に対して発信する。ここで、追突状態とは、車両1が他の車両に追突された状態又は車両1が他の車両に追突されそうな状態をいう。
アイドルアップセンサ37はアイドルアップ状態を検出し、検出したそのアイドルアップ状態の情報を有するアイドルアップ信号を車両側制御装置30に対して発信する。ここで、アイドルアップ状態とは、エンジンがアイドルアップしている状態又はエンジンがアイドルアップしそうな状態をいう。
緑及び赤インジゲータランプ38,39はインパネ2に収められている。そして、パーキングブレーキ機構が車輪に対して70%荷重(70%荷重については後述する)を付与している場合には、車両側制御装置30の制御により緑インジゲータランプ38が点灯する一方、車輪に対して100%荷重(100%荷重については後述する)を付与している場合には、緑及び赤インジゲータランプ38,39が点灯する。
車両側CAN40は、車両側制御装置30が受信した各信号(シフトポジション信号と車速信号とブレーキスイッチ信号とアクセル開度信号と追突信号とアイドルアップ信号)を後述するブレーキ側CAN57に対して発信する。
上記電動パーキングブレーキ制御装置50には、バッテリ51とパーキングブレーキ本体部52と操作スイッチ53と位置センサ54と黄ワーニングランプ55と赤ワーニングランプ56とが接続され、また、ブレーキ側CAN57が内蔵されている。
パーキングブレーキ本体部52は、電動パーキングブレーキ制御装置50の制御により作動する電動モータ52aと、この電動モータ52aの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構(図示せず)とを有している。なお、本発明で言うところのアクチュエータは電動モータ52aに対応する。
図1に示すように、操作スイッチ53はシフトレバー4の右側に設置されている。操作スイッチ53はパーキングブレーキ機構を作動状態(制動状態)と解除状態(制動解除状態)とに切り換えるためのものであり、図3に示すように、単一のモーメンタリスイッチ(シーソースイッチ)から成る。ここで、モーメンタリスイッチとは、シーソー動作をするノブなどの片側を押す(引く)操作によってパーキングブレーキ機構を作動状態と解除状態とに切り換えるスイッチである。操作スイッチ53は作動位置(制動位置)と中立位置と解除位置(制動解除位置)とに切換可能に構成されていて(図3を参照)、通常時には中立位置に位置する一方、運転者が、操作スイッチ53を作動位置又は解除位置に切り換えた後に操作スイッチ53に対して力を加えるのを止めた場合には、自動的に中立位置に戻る。また、操作スイッチ53は作動位置に位置するときには、作動信号を電動パーキングブレーキ制御装置50に対して発信し、解除位置に位置するときには、解除信号を電動パーキングブレーキ制御装置50に対して発信する。さらに、操作スイッチ53は、車速が時速5kmよりも遅いときには、通常制御のスイッチとして機能する一方、車速が時速5km以上のときには、ダイナミックパーキング制御(ダイナミックPA制御)のスイッチとして機能する。ここで、通常制御とは、パーキングブレーキ機構を一般的なパーキングブレーキとして機能させる制御であり、ダイナミックパーキング制御とは、パーキングブレーキ機構をフットブレーキのように機能させる制御である。
以下に、通常制御時及びダイナミックパーキング制御時における操作スイッチ53の操作方法などについて説明する。
−通常制御−
(マニュアル作動)
通常制御時において運転者がこの操作スイッチ53を1回だけ引いた(運転者がこの操作スイッチ53を作動位置に1回だけ切り換えることで電動パーキングブレーキ制御装置50が作動信号を1回だけ受信した)場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、パーキングブレーキ機構が、最大制動力の70%に相当する制動力(以下、「最大制動力の70%に相当する制動力」を「70%荷重」と言う)を車輪に対して付与するように電動モータ52aを制御する。この70%荷重は、車両1を20%勾配で駐停車させることができる大きさの荷重である。なお、本発明で言うところの「操作スイッチの制動操作」は、操作スイッチ53を1回だけ引く操作に対応し、第1制動力は70%荷重に対応する。
また、通常制御時において運転者がこの操作スイッチ53を2回だけ引いた(電動パーキングブレーキ制御装置50が作動信号を2回だけ受信した)場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、最大制動力の100%に相当する制動力(以下、「最大制動力の100%に相当する制動力」を「100%荷重」と言う)を車輪に対して付与する。
なお、通常制御時において、運転者がこの操作スイッチ53を1回だけ引くことにより70%荷重が車輪に対して付与された後に、増し引き条件が成立した場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、70%荷重よりも大きい制動力(本実施形態では、例えば、100%荷重)を車輪に対して付与する。ここで、増し引き条件が成立した場合とは、車両1が所定状態にある場合であり、この実施形態では、車両1が移動している状態又は車両1が移動しそうな状態にある場合である(増し引き条件の詳細については後述する)。なお、本発明で言うところの第2制動力は100%荷重に対応する。
(マニュアル解除)
通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態にあるときにおいてマニュアル解除条件が成立した場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、パーキングブレーキ機構を作動状態から解除状態に切り換える。ここで、マニュアル解除条件が成立した場合とは、運転者が操作スイッチを押しかつ該押し操作を継続して行っている間(電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を継続して受信している間)に、アクセル開度センサ35からのアクセル開度信号に基づいて運転者のアクセルペダルの踏み込み操作(アクセル操作)を検出した場合である。なお、本発明で言うところの「操作スイッチの制動解除操作」は、操作スイッチ53を押す操作に対応する。
(オート(Auto)解除)
通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態であるときにおいて、操作スイッチ53の押し操作が継続してなされている間でなくても、オート解除条件が成立したときには、電動パーキングブレーキ制御装置50は車輪の制動を解除して、パーキングブレーキ機構を作動状態から解除状態に切り換える。ここで、オート解除条件が成立した場合とは、操作スイッチ53が押し操作されたときから(電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信したときから)、予め設定された設定時間Tが経過するまでの間に、アクセル開度センサ35からのアクセル開度信号に基づいて運転者のアクセルペダルの踏み込み操作(アクセル操作)を検出した場合である。
−ダイナミックパーキング制御−
(作動)
ダイナミックパーキング制御時において運転者が操作スイッチ53を引いた場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、車速に応じた制動力(この制動力の詳細については後述する)を車輪に対して付与する。そして、この車速に応じた制動力が付与されたことにより車両1が停車した場合には、運転者が操作スイッチ53から指を離すことにより操作スイッチ53が中立位置に戻ったとしても、電動パーキングブレーキ制御装置50は、車輪の制動の解除を禁止して車輪の制動を保持する。
ここで、ダイナミックパーキング制御時に車輪に対して付与される荷重について詳述する。ダイナミックパーキング制御時の荷重は、操作スイッチ53を引いた時間に比例した大きさである。また、ダイナミックパーキング制御時の荷重には、高μ路で車輪がロックしないように、車速に応じた上限荷重が設定されている。具体的には、図4に示すように、上限荷重は、車速が大きくなる程小さくなる。また、ダイナミックパーキング制御時の荷重が上限荷重に達するまでの時間(以下、「ダイナミックパーキング制御時の荷重が上限荷重に達するまでの時間」を「上限荷重到達時間」という)は、図5に示すように設定されている。すなわち、上限荷重到達時間は上限荷重が大きくなる程短くなるとともに、車両1が下り勾配を走行している場合の方が通常の場合(車両1が平坦を走行している場合)よりも短くなる。また、ダイナミックパーキング制御開始時における荷重の上昇の割合は、ショック(衝撃)を防止するために、車速により異なる。具体的には、図6に示すように、ダイナミックパーキング制御開始時における荷重の上昇の割合は、高車速である場合の方が低車速である場合よりも大きい。
(解除)
ダイナミックパーキング制御により車輪の制動が保持されてから、予め設定された所定時間(本実施形態では、例えば、5秒)が経過するまでの間に、運転者がこの操作スイッチ53を押した場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、上記保持された制動を解除する。
なお、車輪の制動が保持されてから5秒が経過した場合には、ダイナミックパーキング制御が終了して通常制御が開始される。ここまで、操作スイッチ53の操作方法などについて説明した。
図2に示すように、上記位置センサ54は電動モータ52aの回転軸の位置を検出し、検出されたその位置情報を有する位置信号を電動パーキングブレーキ制御装置50に対して発信する。上記黄及び赤ワーニングランプ55,56はインパネ2に収められている。そして、パーキングブレーキ機構が車輪に対して制動荷重を付与している場合には、電動パーキングブレーキ制御装置50は、両ワーニングランプ55,56を点灯させる。上記ブレーキ側CAN57は、パーキングブレーキ機構の状態の情報を有するパーキングブレーキ状態信号を車両側CAN40に対して発信する。パーキングブレーキ状態信号としては、70%荷重作動状態信号と100%荷重作動状態信号と解除状態信号とがある。
−電動パーキングブレーキ制御装置による制動作動の制御手順−
以下に、電動パーキングブレーキ制御装置50による制動作動の制御手順を、図7〜図9のフローチャートを用いながら説明する。なお、以下に記されたF=0はブレーキ解除(制動解除)を意味し、F=1は通常制御を意味し、F=2はダイナミックパーキング制御を意味する。
まず、図7に示すように、ステップS1において、フラグがF=0であるか否かを判定する。ステップS1での判定結果がYESである場合にはステップS2に進み、操作スイッチ53が中立位置又は解除位置にあるか否かを判定する。ステップS2での判定結果がYESである場合にはステップS3に進み、ブレーキ解除を行う。その後、スタートに戻る。
また、ステップS2での判定結果がNOである場合にはステップS4に進み、車速が時速5km以上であるか否かを判定する。ステップS4での判定結果がYESである場合にはステップS5に進み、操作スイッチ53が作動位置にあるか否かを判定する。ステップS5での判定結果がNOである場合にはステップS3に進み、ブレーキ解除を行う。
また、ステップS5での判定結果がYESである場合にはステップS6に進み、車両1が旋回中又はアクセルがON状態であるか否かを判定する。ステップS6での判定結果がYESである場合には、ステップS3に進んでブレーキ解除を行う一方、ステップS6での判定結果がNOである場合には、ステップS7に進んでダイナミックパーキング制御を行う(このダイナミックパーキング制御の制御手順の詳細については後述する)。
また、ステップS4での判定結果がNOである場合にはステップS8に進み、通常制御を行う。次に、ステップS9に進み、マニュアル解除条件が成立したか否かを判定する。ステップS9での判定結果がYESである場合にはステップS3に進み、ブレーキ解除を行う。
また、ステップS9での判定結果がNOである場合にはステップS10に進み、運転者が操作スイッチ53を引いた回数が1回目(操作スイッチ53を作動位置に切り換えるのが1回目)であるか否かを判定する。ステップS10での判定結果がYESである場合にはステップS11に進み、70%荷重の制動を行う。次に、ステップS12に進み、増し引き条件が成立したか否かを判定する(この増し引き条件が成立しているか否かの判定手順の詳細については後述する)。ステップS12での判定結果がYESである場合にはステップS13に進み、100%荷重の制動を行う。次に、ステップS14に進み、オート解除条件が成立したか否かを判定する。ステップS14での判定結果がYESである場合には、ステップS3に進んでブレーキ解除を行う一方、ステップS14での判定結果がNOである場合には、スタートに戻る。
また、ステップS10での判定結果がNOである場合にはステップS15に進み、運転者が操作スイッチ53を引いた回数が2回目であるか否かを判定する。ステップS15での判定結果がYESである場合にはステップS13に進み、100%荷重の制動を行う。
また、ステップS12又はステップS15での判定結果がNOである場合にはステップS14に進み、オート解除条件が成立したか否かを判定する。
また、ステップS1での判定結果がNOである場合にはステップS16に進み、フラグがF=1であるか否かを判定する。ステップS16での判定結果がYESである場合にはステップS8に進み、通常制御を行う。
また、ステップS16での判定結果がNOである場合にはステップS17に進み、フラグがF=2であるか否かを判定する。ステップS17での判定結果がYESである場合には、ステップS18に進んでダイナミックパーキング制御を行う一方、ステップS17での判定結果がNOである場合には、スタートに戻る。
(ダイナミックパーキング制御の制御手順)
図8に示すように、まず、ステップS19で、フラグをF=2にするとともに、インパネ2の表示装置に、ダイナミックパーキング制御中であることを表示する。
次に、ステップS20に進み、運転者が操作スイッチ53を引いた回数が1回目であるか否かを判定する。ここで、「操作スイッチ53を引いた回数が1回目であるか否か」の判定は、操作スイッチ53を前回引いてから今回引くまでの経過時間が、予め設定された基準時間以上であるか否かに基づいて行われる。そして、その経過時間が基準時間以上である場合には、操作スイッチ53を引いた回数が1回目であると判定される。ステップS20での判定結果がYESである場合にはステップS21に進み、操作スイッチ53を引く操作が連続操作であるか否かを判定する。具体的には、その引く操作が1秒以上続いたか否かを判定する。ステップS21での判定結果がYESである場合にはステップS22に進み、車速に応じた制動力を車輪に対して付与する(図4〜図6を参照)。
次に、ステップS23に進み、車両が停車しているか否かを判定する。ステップS23での判定結果がYESである場合にはステップS24に進み、操作スイッチ53が中立位置にある場合でも制動解除が禁止されて制動(例えば、70%荷重の制動)が保持される。次に、ステップS25に進み、制動が保持されてからの経過時間が所定時間、すなわち、5秒以上であるか否かを判定する。ステップS25での判定結果がYESである場合にはステップS26に進み、フラグがF=2からF=1になる。そして、ダイナミックパーキング制御を終了して通常制御を開始する(ステップS27)。その後、スタートに戻る。
また、ステップS25での判定結果がNOである場合にはステップS28に進み、操作スイッチ53が解除位置にあるか否かを判定する。ステップS28での判定結果がYESである場合にはステップS29に進み、制動を解除し、その後、スタートに戻る。一方、ステップS28での判定結果がNOである場合にはステップS25に戻る。
また、ステップS20での判定結果がNOである場合、すなわち、操作スイッチ53を引いた回数が2回目以上である場合にはステップS22に進み、車速に応じた制動力を車輪に対して付与する(図4〜図6を参照)。なお、操作スイッチ53を引いた回数が2回目以上である場合には、操作スイッチ53を引いた回数が1回目である場合と異なり、操作スイッチ53の制動操作直後から制動力を付与し始める。
また、ステップS23での判定結果がNOである場合にはステップS30に進み、操作スイッチ53が中立位置にあるか否かを判定する。ステップS30での判定結果がYESである場合にはステップS29に進み、制動を解除する一方、ステップS30での判定結果がNOである場合にはステップS22に進み、車速に応じた制動力を車輪に対して付与する(図4〜図6を参照)。
また、ステップS21での判定結果がNOである場合にはステップS31に進み、操作スイッチ53の制動操作が誤操作であると判定してフラグをF=0にするととに、パーキングブレーキ機構が作動状態にあれば、解除状態にする。その後、スタートに戻る。
(増し引き条件が成立しているか否かの判定手順)
まず、図9に示すように、ステップS40において、アイドルアップ信号に基づいてアイドルアップ状態であるか否かを判定する。ステップS40での判定結果がYESである場合にはステップS41に進み、増し引き条件が成立したと判定される。
また、ステップS40での判定結果がNOである場合にはステップS42に進み、追突信号に基づいて追突状態であるか否かを判定する。ステップS42での判定結果がYESである場合にはステップS41に進み、増し引き条件が成立したと判定される。
また、ステップS42での判定結果がNOである場合にはステップS43に進み、ブレーキスイッチ信号に基づいてブレーキ踏込状態であるか否かを判定する。ここで、ブレーキ踏込状態とは、踏み込まれたブレーキペダルが更に踏み込まれた状態(もう1つ別のブレーキスイッチにより判定するか、踏み込み量を検出可能なブレーキスイッチにより判定する)又は踏み込まれたブレーキペダルが初期位置に戻った後該ブレーキペダルが再び踏み込まれた状態である。ステップS43での判定結果がYESである場合にはステップS41に進み、増し引き条件が成立したと判定される。
また、ステップS43での判定結果がNOである場合にはステップS44に進み、アクセル開度センサ35からのアクセル開度信号に基づいてアクセルがON状態であるか否かを判定する。ステップS44での判定結果がNOである場合にはステップS45に進み、車速信号に基づいて車両1が移動しているか否かを判定する。ステップS45での判定結果がYESである場合にはステップS41に進み、増し引き条件が成立したと判定される。
また、ステップS44での判定結果がYESである場合又はステップS45での判定結果がNOである場合にはステップS46に進み、増し引き条件が成立していないと判定される。
上記制御により、通常制御時であってパーキングブレーキ機構が解除状態にあるときにおいて、運転者が操作スイッチ53を1回だけ引いたときには、電動パーキングブレーキ制御装置50は、70%荷重を車輪に対して付与して、パーキングブレーキ機構を作動状態に切り換える。つまり、通常時には、最大制動力よりも小さい70%荷重を車輪に対して付与する。また、通常制御時において、運転者が操作スイッチ53を1回だけ引くことにより70%荷重が車輪に対して付与された後に(パーキングブレーキ機構を作動状態に切り換えた後に)、増し引き条件が成立した場合には、100%荷重を車輪に対して付与する。つまり、70%荷重が車輪に対して付与されたにも拘わらず、車両1が移動している状態又は車両1が移動しそうな状態にある場合、具体的には、アイドルアップ状態、追突状態、ブレーキ踏込状態、アクセルON状態、及びアクセルOFF状態(アクセル操作がされていない状態)でかつ車両1が移動している状態のいずれか1つの状態にある場合には、70%荷重よりも大きい100%荷重を車輪に対して付与する。したがって、通常時には最大制動力よりも小さい荷重を車輪に対して付与する一方、必要時には通常時における荷重よりも大きい荷重を車輪に対して付与することができる。その結果、電動パーキングブレーキシステム10の軽量化及び電動パーキングブレーキシステム10(電動モータ52a等)への負担の軽減化を図ることができるとともに、通常時のみならず必要時においても、車両1を確実に駐停車させることができる。
また、通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態にあるときにおいて、図10に示すように、運転者が操作スイッチ53を押し(制動解除操作し)かつ該押し操作を継続して行っている間(操作スイッチ53が解除位置に位置し続けている間、つまり電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を継続して受信している間)にアクセル操作する(アクセルON状態にする)と、車輪に対する制動を解除して、パーキングブレーキ機構を解除状態に切り換える。このアクセル操作は運転者が発進しようとする意思の表れであり、しかも、運転者は操作スイッチ53を押し続けなければならないので、誤操作による制動解除を確実に防止することができる。一方、このような2つの操作を運転者にさせても、アクセル操作(アクセルペダルの踏み込み操作)は、車両を発進させるときに必ず必要な操作であるので、運転者に煩わしさ感を与えることはない。また、坂道発進時において、車両の逆行を防止して楽に発進することができる。
そして、通常制御時であってパーキングブレーキ機構が作動状態にあるときにおいて、操作スイッチ53の押し操作が継続してなされている間でなくても、図11に示すように、操作スイッチ53が押し操作されたときから(電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信したときから)t時間経過後にアクセル操作が検出され、その時間tが設定時間T以下であれば、そのアクセル操作の検出時に制動を解除する。すなわち、運転者にアクセル操作するまで操作スイッチ53の押し操作を継続させるようにすると、特に本実施形態の操作スイッチ53では、中立位置に戻るようになっているので所定以上の力で操作スイッチ53を押し続けていなければならないため、操作スイッチ53の押し操作の終了タイミングの方がアクセル操作の開始タイミングよりも早くなる傾向にあり、アクセル操作したときには既に電動パーキングブレーキ制御装置50が解除信号を受信していない状態となっていることがある。このような状態になると、パーキングブレーキ機構の制動を直ぐに解除することができなくなり、運転者に煩わしさ感を与えてしまう。しかし、上記のように、操作スイッチ53が押し操作されたときから設定時間T以内にアクセル操作を行えば、パーキングブレーキ機構が制動解除状態に切り換えられるので、上記両タイミングが多少ずれても問題はなく、制動解除の操作性が向上する。また、運転者が緊張するような坂道発進時において、操作スイッチ53を押し操作し続ける必要がないので、より一層楽に発進することができる。なお、上記設定時間Tとしては、操作スイッチ53の押し操作の終了タイミングとアクセル操作の開始タイミングとのずれ時間であって坂道発進に対応可能な時間(例えば3秒)とすればよい。
(その他の実施形態)
なお、本実施形態では、操作スイッチ53は作動位置と中立位置と解除位置との3つに切換可能な押し引き操作スイッチ(図3を参照)から成るが、図13に示すように、作動・解除位置と中立位置との2つに切換可能な引き操作スイッチで構成されてもよい。この場合も、運転者が、操作スイッチ53を作動・解除位置に切り換えた後に操作スイッチ53に対して力を加えるのを止めた場合には、自動的に中立位置に戻る。そして、このような引き操作スイッチでは、運転者が操作スイッチ53を引いた時間に応じて、作動と解除との区別を行う。
また、本実施形態では、操作スイッチ53は単一のモーメンタリスイッチから成るが、パーキングブレーキ機構を作動状態にするためのスイッチと解除状態にするためのスイッチとを別々に設けてもよく、さらには、オート解除により解除状態にするためのスイッチを、マニュアル解除により解除状態にするためのスイッチとは別に設けてもよい。
さらに、本実施形態では、パーキングブレーキ機構をフットブレーキのように機能させるダイナミックパーキング制御を行うようにしているが、このダイナミックパーキング制御はなくてもよい。
−電動パーキングブレーキシステムの更なる課題とその課題を解決するための手段−
以下に、本電動パーキングブレーキシステム10の更なる課題とその課題を解決するための手段(構成)について記す。
<制御>
(全自動)
(1)平坦な道
車両が平坦な道にある場合には、操作スイッチ53の操作回数で制動荷重の設定を行う(例えば、操作回数が1回目の場合には70%荷重、2回目の場合には100%荷重)。また、操作スイッチ53の操作時間で制動荷重の設定を行ってもよい(例えば、操作時間が0.5秒よりも小さい場合には70%荷重、0.5秒以上の場合には100%荷重)。
(2)坂道
(i)坂道での適切なブレーキ力
坂道で適切なブレーキ力を付与するために、制動荷重を傾斜角に応じて変更する。ただし、以下のような補正を行う。
(補正1)エンジンアイドルアップ補正(始動時、エアコン、電気負荷、パワステ、デフォッガ等)
車両1が停止している場合であってシフトレバー4がNレンジにあるときには、制動力を傾斜角に応じて設定する基本荷重設定でよいが、車両1が停止している場合であってシフトレバー4が走行レンジにあるときには、エンジン回転数のアップ量に応じて、制動荷重を大きくする。
(補正2)傾斜角とシフト位置(前進レンジ、後退レンジ)とに応じた補正
車両1が下り勾配にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が上り勾配にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、荷重を大きくする。一方、車両1が上り勾配にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が下り勾配にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、荷重を小さくする。
また、坂道で適切なブレーキ力を付与するために、制動荷重を停止時(車速0km/hのとき)のブレーキ圧に基いて設定してもよい。
(ii)坂道での解除タイミング
車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、アクセル操作により自動解除(オート解除)を行う。一方、車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が前進レンジにあるときには、ブレーキペダルがOFF状態になることにより自動解除を行う。
(3)事故防止
(i)飛び出し防止
電動パーキングブレーキシステム10は、アクセル操作だけでは自動解除を行わず、操作スイッチ53の操作、すなわち、運転者の発進意思があったことを前提として、アクセル操作により自動解除を行うものである。具体的には、パーキングブレーキ機構が作動している場合において、不意のアクセル操作により車両1が移動したときには、自動的に増し引きを行う。また、アクセル操作が入力された場合には、自動的に増し引きを行う。また、エンジンがアイドルアップしている場合には、自動的に増し引きを行う。
(ii)対障害物対策
レーダ・CCDカメラ・超音波センサ等により障害物を検出する。そして、障害物が検出された場合には、自動解除を禁止するとともに警報を発する。
(4)MT車の自動解除
(i)クラッチミートを検出して、解除を行う。具体的には、発進時のアクセル開度(エンジン回転数)によりクラッチミート位置(ストローク)を予め設定して、制動力を解放する。また、発進時のクラッチミートを車両1のピッチ(Gセンサ)から判断して、制動力を解放する。また、クラッチの戻し速度(エンジン回転数の落ち込み)を検出して、制動力の解放を速くする。また、エンジン回転数と車速(T/M)のスリップ率とを検出して、制動力を解放する。
(ii)エンスト対策等
エンストが検出された場合には、自動作動を行う(坂道での逆行防止)。
また、エンストを予測して、自動解除を禁止する。エンストが予測された場合とは、アクセルペダルを踏み込まず且つクラッチミート操作をした場合又はクラッチミートの前にアクセル操作をしなかった場合である。さらに、エンストを予測した場合には、スロットルの制御を付加する(エレキスロットルで補正する)。
また、車両1が下り坂にある場合にはクラッチミート時においてアクセルがほとんど開かない。そのため、制動力の解放が遅いと、エンストを起こす可能性がある。そこで、車両1が下り坂にある場合には、制動力の解放を速くする(減圧勾配)。また、クラッチ操作が入力された場合には、制動力の解放を開始する(クラッチミート前における制動力の解放)。また、ブレーキペダルから足が離れた場合には、制動力を解放する(坂の惰性を利用した発進操作)。
(操作スイッチの手動操作時における作動/解除条件)
ドアが開いている場合、トランクが開いている場合、ボンネットが開いている場合、及びシートベルト未装着の場合には、解除を禁止する。
(ダイナミックパーキング制御)
(1)ダイナミックパーキング制御における作動/解除条件
(i)高μ路
走行中にパーキングブレーキ機構を作動させる場合には、車輪をロックしないような制御を基本的に行う。具体的には、操作スイッチ53を一定時間だけ制動操作し続けると、作動する。なお、誤操作防止のため、短時間の制動操作では作動しない。また、操作スイッチ53から手を離すと、すぐに解除する。
また、車輪のロックの防止のために、車速に応じた上限荷重が設定されている。そして、操作スイッチ53を制動操作し続けると、制動力は一定の上昇割合で上限荷重まで上昇していく。
また、作動中にアクセルを踏み込んだ場合には解除する。さらに、アクセル操作中に操作スイッチ53を制動操作した場合には作動しない。
また、初回の操作スイッチ53の制動操作では、減速度コントロールを行うために、該操作後一定時間が経過してから作動する一方、2回目以降の制動操作では、該操作後すぐに制動を開始(以下、「操作後すぐに制動を開始する」ことをスイッチ操作即開始という)する。これは、毎回一定時間が経過してから作動すると、減速度コントロールを行うことができないためである。さらに、次の操作スイッチ53の制動操作が、前の制動操作後一定時間内(例えば、2秒以内)に行われない場合には、スイッチ操作即開始をリセットする。車両1が停止した場合にも、スイッチ操作即開始をリセットする。
また、ダイナミックパーキング制御により車両1が停止した場合(車速が5km/h以下になった場合)には、操作スイッチ53から手を離しても制動力を保持する(停止制御に切り換える)。
(ii)低μ路補正
ABSユニットからロック信号を受信して、モータによる制御を行う。ABSロック信号を制御ループに入れて、モータのON−OFF制御によりモータによるABS制御を行う。ABSロック信号を入力すると、ロック解除までモータを解除し、その後、そのロック解除制動力を保持する。
また、ABSからμ推定を受ける。このとき、上限荷重を低μ路用として設定し、制動力荷重の増圧勾配を滑らかにする(すなわち、高μ路よりも遅くする)。このABSのμ推定はABSが作動しないと判らないため、時間差が生じる。
また、μ推定を間接的に行う(外気温、ワイパー作動状態、車輪のスリップ等)。このとき、上限荷重を低μ路用として設定し、制動荷重の増圧勾配を滑らかにする(高μ路よりも遅くする)。この間接的なμ推定は精度が悪いが直接的であるため、時間差がない。
(2)ダイナミックパーキング制御における誤操作防止
(i)作動禁止
操作スイッチ53の制動操作時間が短時間である場合には、作動を開始しない。また、アクセル操作中である場合には作動を禁止する。
(ii)急制動防止
コーナーを走行中(舵角)である場合には、パーキングブレーキ機構の増圧を禁止して、それまでの制動力を保持する。また、コーナーを走行中である場合には作動の開始を禁止する。また、車速ロックにより車速が0km/hであると検出されないように、ロジックで対応する。具体的には、車速の急変(1G以上)が検出された場合には、停止ロジックに入らないようにする。
(その他)
キーを抜いた場合には自動作動を行う。また、操作スイッチ53を解除位置にしてキーを抜いた場合には、自動解除を禁止する。
<表示>
自動解除スタンバイ時には、インジゲータランプ38,39を点滅させる。なお、点滅時には、アクセルのリリースが可能である。点滅後一定時間が経過した場合には、点滅していたインジゲータランプ38,39を点灯させる。なお、点灯後は、アクセルのリリースはできない。具体的には、操作スイッチ53を1回だけ引いた場合には、緑インジゲータランプ38が点灯する一方、その後自動解除スタンバイ状態になった場合には、緑インジゲータランプ38が点滅する。また、操作スイッチ53を2回だけ引いた場合には、緑及び赤インジゲータランプ38,39が点灯する一方、その後自動解除スタンバイ状態になった場合には、緑及び赤インジゲータランプ38,39が点滅する。
<坂道での自動作動>
(1)AT車のクリープにより停止不可能な場合には、自動作動を行う。具体的には、車両1が上り坂にある場合であってシフトレバー4が走行レンジにあるとき及び車両1が下り坂にある場合であってシフトレバー4が後退レンジにあるときには、自動作動を行う。その自動作動時における制動力は、傾斜角に応じて変更する。また、エンジンアイドルアップ時には荷重の補正を行う。
(2)停止時の傾斜判定の問題
傾斜角はGセンサにより検出する。しかしながら、Gセンサは車両1のピッチ等により出力変動する(この出力変動は、減速の仕方により変化する)ため、変動が停止するまで傾斜角を判定することができない。そのため、車両1停止後における作動の開始時間が遅れる。その結果、車両1停止後に運転者がブレーキペダルから足を離すと、車両1が逆行するおそれがある。そこで、停止時の傾斜判定は以下のように行う。
(i)停止推定(車速0km/h判定)
電磁ピックアップは3km/h以下を計測することができない。そこで、ブレーキペダルがON状態になることにより減速して車速が3km/hになったときに減速度を検出して、車速が0km/hになる時間を推定する。また、Gセンサの値から停止判定を行う(停止時の車両ピッチから判定する)。
(ii)傾斜角判定開始(信号出力変動)
停止後一定時間が経過した後、判定を開始する。その判定開始時間は、減速度に応じて変更する。
(iii)傾斜角推定
停止過程のデータから傾斜角を推定する(傾斜角=Gセンサ値−加速度)。ここまで、電動パーキングブレーキシステム10の更なる課題とその課題を解決するための手段について記した。
本発明は、操作スイッチの操作に応じてアクチュエータによるパーキングブレーキ機構の制動作動を制御するようにした電動パーキングブレーキシステムに有用である。
本発明の実施形態に係る電動パーキングブレーキシステムを搭載した自動車の一部の平面図である。 電動パーキングブレーキシステムの回路図である。 操作スイッチの側面図である。 車速と上限荷重との関係を示すグラフである。 上限荷重と上限荷重到達時間との関係を示すグラフである。 ダイナミックパーキング制御開始時における荷重の上昇の割合を示すグラフである。 電動パーキングブレーキ制御装置による制動作動の制御手順を示すフローチャートの一部である。 電動パーキングブレーキ制御装置による制動作動の制御手順を示すフローチャートの一部である。 電動パーキングブレーキ制御装置による制動作動の制御手順を示すフローチャートの一部である。 マニュアル解除により制動解除する場合の、操作スイッチの解除操作とアクセル操作とのタイミング関係を示すタイムチャートである。 オート解除により制動解除する場合の、操作スイッチの解除操作とアクセル操作との別のタイミング関係を示すタイムチャートである。 操作スイッチの変形例を示す図3相当図である。
符号の説明
1 自動車
10 電動パーキングブレーキシステム
35 アクセル開度センサ(アクセル検出手段)
50 電動パーキングブレーキ制御装置(制御手段)
52 パーキングブレーキ本体部
53 操作スイッチ

Claims (3)

  1. アクチュエータの作動によって車輪に対して制動力を付与するパーキングブレーキ機構と、該パーキングブレーキ機構を制動状態と制動解除状態とに切り換えるための操作スイッチと、該操作スイッチの操作に応じて上記アクチュエータによる上記パーキングブレーキ機構の制動作動を制御する制御手段とを備えた電動パーキングブレーキシステムであって、
    アクセル操作を検出するアクセル検出手段を備え、
    上記制御手段は、上記パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、上記操作スイッチが制動解除操作されかつ該制動解除操作が継続してなされている間に上記アクセル検出手段によりアクセル操作が検出されたときに、該パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。
  2. 請求項1記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
    制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動解除状態にあるときにおいて、操作スイッチが制動操作されたときには、最大制動力よりも小さい第1制動力を車輪に対して付与して、上記パーキングブレーキ機構を制動状態に切り換えるとともに、該切り換え後に、車両が所定状態にあるときには、上記第1制動力よりも大きい第2制動力を上記車輪に対して付与するように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。
  3. 請求項1又は2記載の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
    制御手段は、パーキングブレーキ機構が制動状態にあるときにおいて、操作スイッチの制動解除操作が継続してなされている間でなくても、該操作スイッチが制動解除操作されたときから設定時間以内にアクセル検出手段によりアクセル操作が検出されたときには、パーキングブレーキ機構を制動解除状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。
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