JP2004291860A - 坂道発進補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】坂道で停車した際、ブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させるようにした坂道発進補助装置において、ドライバーがパーキングブレーキを引いた際、パーキングブレーキによる制動力が発生するまで坂道発進補助装置による制動を解除しないようにした坂道発進補助装置を提供すること。
【解決手段】パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段からの信号を受け、パーキングブレーキ作動信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設け、このパーキングブレーキ作動信号遅延手段からの信号で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する補助制動解除判断手段を設けた
【選択図】 図1
【解決手段】パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段からの信号を受け、パーキングブレーキ作動信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設け、このパーキングブレーキ作動信号遅延手段からの信号で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する補助制動解除判断手段を設けた
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際にブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させ、再発進動作を容易に行えるようにした坂道発進補助装置に関し、特に、坂道における停車で坂道発進補助装置による制動力が発生し、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてパーキングブレーキを引いた際、パーキングブレーキによる制動力が発生する前に坂道発進補助装置による制動力が解除されることによって車輌が後退するのを防止した坂道発進補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際、再発進動作を容易に行えるようにするため、ブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させ、再発進に際してエンジンの回転数やクラッチのつながり状況、変速機のギアの状況などを勘案して制動力を解除するようにした坂道発進補助装置が、例えば特許文献1などに示されている。
【0003】
すなわちこの特許文献1に示された坂道発進補助装置においては、ブレーキ検出手段によるブレーキペダルが踏み込まれているという信号と車速検出手段による車速が零であるという信号とにより、制動力保持手段が補助制動力解除信号を受信するまでブレーキペダルが解放されても補助制動力を印加し続けるよう構成され、そして再発進のために変速機のギアが入れられ、クラッチがつながれると、前記補助制動力保持手段に補助制動力の印加を解除する信号が送られて、ブレーキペダルやパーキングブレーキを使うことなく坂道発進が行えるようになっている。
【0004】
しかしながらこの特許文献1に示されている坂道発進補助装置では、荷物の積み降ろしなどで駐車するときでも、前記したようにブレーキ検出手段によるブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段による車速が零であるという信号とがあれば坂道発進補助装置が作動して制動力保持手段が補助制動力を印加するため、ドライバーがパーキングブレーキを引いた場合には二重に制動力保持手段が働くことになり、好ましくない。
【0005】
そのため、車輌の停止に当たってパーキングブレーキが引かれたときは、ドライバーは駐車するために停止したのであって再発進する意志はないと判断し、坂道発進補助装置の動作を解除することが考えられる。しかしながら、例えば特許文献2に示されているようなエア圧による制動を行う方式のパーキングブレーキ装置においては、パーキングブレーキを引くことによってエアが送られて始めて制動力が発生するため、制動力が発生するまでに一定の時間を必要とする。
【0006】
ところが前記したように、坂道における停車で坂道発進補助装置による制動力が発生し、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてパーキングブレーキを引いた際、その引かれたことを検出して即座に坂道発進補助装置による制動を解除すると、パーキングブレーキによる制動力が発生する前に坂道発進補助装置による制動力が解除され、車輌が後退して危険な場合がある。またこれは、特許文献2に示されたようなエアによって制動力を得るパーキングブレーキだけでなく、通常のワイヤによってブレーキドラムを動作させる方式のパーキングブレーキにおいても、女性や老人など、非力な人によってパーキングブレーキ操作に時間がかかるような場合も同様である。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−114262号公報
【特許文献2】
特開2000−1878公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そのため本発明においては、乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際、ブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させるようにした坂道発進補助装置において、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめた後でパーキングブレーキを引いても、パーキングブレーキによる制動力が発生するまで、坂道発進補助装置による制動を解除しないようにして安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することが課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明においては、
ブレーキペダル踏込検出手段からのブレーキペダルによる制動が行われているという信号と、車速検出手段からの車速が所定値以下という信号とを受けて補助制動力開始信号を出力する補助制動開始判断手段と、該補助制動開始判断手段からの信号を受けて補助制動力解除信号を受信するまで補助制動力を印加し続ける補助制動力保持手段とを有した坂道発進補助装置において、
パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段と、該パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて該信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段と、該パーキングブレーキ作動信号遅延手段からの信号で前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する補助制動解除判断手段とを設けたことを特徴とする。
【0010】
このように、パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0011】
そして前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて経過時間を計時し、所定時間後に前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する計時手段で構成することにより、簡単な構成でパーキングブレーキ作動信号遅延手段を得ることができる。
【0012】
また前記計時手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段が検出したパーキングブレーキの操作量に応じて計時する計時時間を切り替えることにより、パーキングブレーキの操作量に応じて適切な遅延時間で補助制動力の解除を実施できる。
【0013】
また、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、パーキングブレーキ作動信号を受け、坂道の傾斜を検出して傾斜の程度に対応した遅延時間を指示する傾斜勾配検出手段とすることにより、どのような勾配の坂道でも安心してパーキングブレーキにより制動を行うことができ、安全性を高めた坂道発進補助装置とすることができる。
【0014】
そして、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ作動信号を受け、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して該圧力が所定圧力以上となるまで前記パーキングブレーキ作動信号を遅延させるよう構成することにより、確実にパーキングブレーキによる制動力発生を確認してから坂道発進補助装置による制動力を解除することができ、車輌が後退するといった事故を確実に防ぎ、安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することができる。
【0015】
また、前記坂道発進補助装置は、車のインスツルメントパネルなどに配置された警告灯、ブザー等、前記補助制動力保持手段が補助制動力を保持していることを知らせる表示手段を設けることにより、坂道発進補助装置が作動していることを確実に運転者へ知らせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図1は本発明に係る坂道発進補助装置の実施の形態を示した概略ブロック図、図2は本発明に係る坂道発進補助装置において、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図、図3は本発明に係る坂道発進補助装置において、坂道の傾斜によって遅延時間を変化させて坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図、図4はエアを用いたブレーキシステムの概略ブロック図である。
【0018】
図1において、1は本発明に係る坂道発進補助装置、2は補助制動開始判断手段、3は補助制動解除判断手段、4は補助制動力保持手段、5はブレーキペダルの踏み込み時のエア圧などからブレーキペダルによる制動が行われていることを検出するブレーキペダル踏込検出手段、6は車輪近辺などに取り付けられて、車輌が動いているときの車速を検出する車速検出手段、7はパーキングブレーキの近辺に取り付けられてパーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段、8はトランスミッション(変速機)がニュートラルの状態かギアが入った状態かを検出する変速機ギア位置検出手段、9はクラッチストロークを検出し、クラッチが離れているかつながっているかを検出するクラッチ接離検出手段、10は計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時したり、またはパーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時したり、若しくは坂道の勾配量を計測し、予め設定した勾配の程度に対応した遅延時間を計時したりしてパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの間前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させるか、又はパーキングブレーキによる押圧力の測定を行い、制動力が確保されたのを確認するまでの間、前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させたりして出力するパーキングブレーキ作動信号遅延手段、11は変速機ギア位置検出手段8からのギアが入っているという信号とクラッチ接離検出手段9からのクラッチがつながったという信号のアンド出力を補助制動解除判断手段3に伝えるアンド回路、12は変速機ギア位置検出手段8からのギアが入っているという信号若しくはクラッチ接離検出手段9からのクラッチがつながったという信号のいずれかを補助制動開始判断手段3に伝えるオア回路、13はオア回路、14は補助制動開始判断手段2からの信号とオア回路13からの信号の両者が来たときに開くアンド回路、15は制動力を車輪に与えるブレーキ、16は坂道発進補助装置が動作していることを知らせる表示装置である。
【0019】
図4において、41はパーキングブレーキのハンドコントロールバルブ、42はエアタンク、43はリレーバルブ、44はブレーキチャンバー、45はウエッジ、46はホイールシリンダーまたはエキスパンダー、47はブレーキシュー、48はリターンスプリング、49、50は中継バルブ、51、52、53、54、55、56は矢印である。
【0020】
最初に本発明に係る坂道発進補助装置1の坂道発進の動作を説明すると、いま坂道発進補助装置1の図示していない動作スイッチがオンの状態であり、信号などのために車のブレーキペダルが踏み込まれて坂道で停車した場合、坂道発進補助装置1における補助制動開始判断手段2は、ブレーキペダル踏込検出手段5からのブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段6からの予め設定した推定車輌速度以下で車が停止したという信号(走行中に坂道発進補助装置1が動作しないよう、急停車の場合は坂道発進補助装置1を動作させない)と、変速機ギア位置検出手段8からの変速機がニュートラルの状態であるという信号か、又はクラッチ接離検出手段9からのクラッチが離れているという信号がオア回路12を経由して来ると、補助制動力を動作させる条件が揃ったとして補助制動力保持手段4に補助制動力を動作させるよう指示する。そのため補助制動力保持手段4は、ブレーキ15に補助制動力を発生させ、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてもこの状態を保持させるとともに、補助制動力を保持していることを表示装置16に表示してドライバーに知らせる。
【0021】
そしてこの状態で信号が青になり、ドライバーが変速機のギアを入れて図示していないアクセルペダルを踏み込み、エンジンの回転数を上げてクラッチを接続すると、変速機ギア位置検出手段8からはギアが入っているという信号が、クラッチ接離検出手段9からはクラッチが接続されたという信号が補助制動解除判断手段3のアンド回路11に送られる。そのためこのアンド回路11が開き、信号がオア回路13を経由してアンド回路14に送られる。一方このアンド回路14には、補助制動力保持手段4から補助制動力をブレーキ15に印加しているという信号が送られてきているから開き、補助制動力解除信号として補助制動力保持手段4に送られる。そのため補助制動力保持手段4は、ブレーキ15による制動を解除し、表示装置16への表示も停止するから、ドライバーは苦労なく坂道発進を行うことができる。
【0022】
以上が坂道発進補助装置1における坂道発進時の動作であるが、次にパーキングブレーキを操作したときの動作について説明するが、それに先立って、図4を用いて前記特許文献2に示されたエア圧による制動を行う方式のパーキングブレーキ装置の一例について簡単に説明する。この図4において(A)はブレーキによる制動が開放されている場合を示し、(B)はブレーキによる制動が行われている駐車時を示している。
【0023】
最初に図4(A)のように、ハンドコントロールバルブ41がブレーキ開放位置で制動が開放されている状態を説明すると、この状態では、エアタンク42からのエアが中継バルブ49からハンドコントロールバルブ41を経由してリレーバルブ43に送られるため、このリレーバルブ43をエアタンク42からのエアが通過し、中継バルブ50を経由してブレーキチャンバー441、442に送られる。そのためこのブレーキチャンバー441、442が作動し、ウエッジ461、462が矢印511、512の方向に動いてホイールシリンダーまたはエキスパンダー461、462から外れ、リターンスプリング481、482によってブレーキシュー471、472が矢印521、522の方向に収縮し、パーキングブレーキが解除される。
【0024】
そして駐車のため、図4(B)のようにハンドコントロールバルブ41をブレーキによる制動を行う位置にすると、中継バルブ49からのエアの通過が阻止されると共に内部のエアを矢印53方向に抜く開口ができる。そのため、リレーバルブ43にハンドコントロールバルブ41から送られていたエアが、逆にハンドコントロールバルブ41から矢印53方向に抜け、ブレーキチャンバー441、442内のエアは、このリレーバルブ43に開いた開口から矢印54方向に放出される。そのため、ウエッジ461、462が矢印551、552の方向に動いてホイールシリンダーまたはエキスパンダー461、462内部に挿入され、リターンスプリング481、482に抗してブレーキシュー471、472が矢印561、562の方向に拡張するから、パーキングブレーキによる制動が行われる。即ち前記したように、このように構成したパーキングブレーキにおいては、ブレーキチャンバー441、442のエアが抜けるまでパーキングブレーキとしての制動力が発生せず、パーキングブレーキを引いてから制動力が発生するまで一定の時間がかかるわけである。
【0025】
このようなパーキングブレーキを用いた車輌において、ドライバーが荷下ろしなどを行うために駐車しようという意図のもと、坂道発進補助装置1の図示していない動作スイッチをオンの状態のままでブレーキペダルを踏み込んで停車すると、この場合も前記と同様ブレーキペダル踏込検出手段5からのブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段6からの車が停止したという信号と、変速機ギア位置検出手段8からの変速機がニュートラルの状態であるという信号か、又はクラッチ接離検出手段9からのクラッチが離れているという信号がオア回路12を経由して来るから、補助制動開始判断手段2は、補助制動力保持手段4に補助制動力を動作させるよう指示し、ブレーキ15が作動する。
【0026】
しかし今は、前記したように駐車する意図があるからドライバーはパーキングブレーキを操作する。すると、パーキングブレーキ操作検出手段7がそれを検出し、信号を補助制動解除判断手段3のパーキングブレーキ作動信号遅延手段10に送る。するとパーキングブレーキ作動信号遅延手段10は、前記したように計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時する。そしてその遅延時間が経過すると、制動力が確保されたとして前記パーキングブレーキ作動検出信号を出力するから、この信号がオア回路13を通過し、アンド回路14に達する。このアンド回路14には、補助制動力保持手段4から補助制動力保持中という信号が来ているから開き、補助制動力を解除する信号が保持手段4に送られて坂道発進補助装置による補助制動力が解除され、パーキングブレーキによる制動力に切り換えられる。
【0027】
このように、パーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段10を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0028】
なお以上の説明では、坂道発進補助装置1を補助制動開始判断手段2、補助制動解除判断手段3、補助制動力保持手段4などで構成するよう説明してきたが、これらをCPUを用いてプログラムで構成しても良いことは勿論である。また、パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記した計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時する方法だけでなく、パーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時したり、若しくは坂道の勾配量を計測し、予め設定した勾配の程度に対応した遅延時間を計時したりしてパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの間前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させるか、又はパーキングブレーキによる押圧力の測定を行い、制動力が確保されたのを確認するまでの間、前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させる方法などがある。そのため、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時したり、またはパーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時して遅延させる場合は、予め記憶させた遅延時間や、予め記憶させたパーキングブレーキの操作量に応じた遅延時間を前記したCPUにより演算処理して計時し、処理するようにすればよい。
【0029】
また、パーキングブレーキによる押圧力の測定によって制動力が確保されるまでの間遅延させる方法は、例えば図2に示したフロー図のように、ステップS21でパーキングブレーキ操作検出手段7からパーキングブレーキが作動したという信号が送られてきたら、ステップS22で坂道発進補助装置が作動中かどうかを判断し、坂道発進補助装置が作動中の場合はステップS23に進んでパーキングブレーキによる制動力が確保されているか否かを検出する。この検出は、例えば前記図4に示したブレーキにおけるブレーキシュー47による押圧力を検出するセンサを設けて行う。そして制動力が確保されていない場合はこのステップS23に戻るルーチンを繰り返し、確保されたらステップS24に行って坂道発進補助装置による制動を解除する信号を出力すべく、前記したようにパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号をオア回路13に出力する。すると補助制動力保持手段4に補助制動力の解除信号がアンド回路14から送られ、坂道発進補助装置による制動が解除される。
【0030】
また、坂道の勾配の程度によりパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの時間だけ遅延させる方法は、予め勾配Aより大きな勾配における遅延時間t1と、勾配Aより小さく、勾配Bより大きい勾配の場合の遅延時間t2など、勾配の程度による複数の遅延時間を定めて記憶しておく。そして、例えば図3に示したフロー図のように、ステップS31でパーキングブレーキ操作検出手段7からパーキングブレーキが作動したという信号が送られてきたら、ステップS32で坂道発進補助装置が作動中かどうかを判断し、坂道発進補助装置が作動中の場合はステップS33に進んで坂道の勾配を計測する。この計測は、車輌の適宜な場所に取り付けた勾配計で行う。そしてステップS34で予め定めた勾配A以上かどうか判断し、勾配がA以上であるならステップS36に進んでt1時間だけ遅延させ、A以下であるなら次のステップS35に進んで勾配がBより大きいかどうかを判断する。そしてこのステップS35で勾配Aより小さく、勾配Bより大きいと判断された場合はステップS37に進んでt2時間だけ遅延させ、勾配Bより小さい場合はステップS38に進んで遅延時間を設定しない(即ち遅延時間零)という判断をする。
【0031】
そしてこれらのステップで設定した遅延時間の後、ステップS39で、前記したようにパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号をオア回路13に出力すると、補助制動力保持手段4に補助制動力の解除信号がアンド回路14から送られ、坂道発進補助装置による制動が解除される。なお、この図3に示したフローでは、勾配を3段階に分けて遅延時間を設定するようにしたが、3段階だけに限らずもっと多くの段階としたり、傾斜と遅延時間の関係を無段階に関係付け、傾斜に対応した遅延時間を設定できるようにしても良い。
【0032】
以上が本発明に係る坂道発進補助装置の、パーキングブレーキ作動時における坂道発進補助装置による制動力の解除であるが、以上の説明ではエアを用いたパーキングブレーキの場合を例に説明を進めてきたが、前記したようにワイヤを使ったパーキングブレーキの場合も全く同様に構成できることはいうまでもない。また、以上の説明ではマニュアルミッション車を例に説明してきたが、オートマチック車においてはクラッチがないだけで、ギアをドライブからニュートラルに入れれば全く同様に坂道における停車時にブレーキペダルの踏み込みをやめても制動が確保される状態にすることができ、その際にパーキングブレーキを作動させた場合は、全く同様にして坂道発進補助装置による制動からパーキングブレーキによる制動への切替が可能である。
【0033】
このように、パーキングブレーキ作動信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させることにより、パーキングブレーキによる制動力が確保された後で坂道発進補助装置による制動力の解除が行われるから、どのような坂道でも車輌が後退するといったことを防いで安全に駐車させることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0035】
そして前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて経過時間を計時し、所定時間後に前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する計時手段で構成することにより、簡単な構成でパーキングブレーキ作動信号遅延手段を得ることができる。
【0036】
また前記計時手段は、パーキングブレーキ操作検出手段が検出したパーキングブレーキの操作量に応じて計時する計時時間を切り替えることにより、パーキングブレーキの操作量に応じて適切な遅延時間で補助制動力の解除を実施できる。
【0037】
そして、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ作動信号を受け、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して該圧力が所定圧力以上となるまで前記パーキングブレーキ作動信号を遅延させるよう構成することにより、確実にパーキングブレーキによる制動力発生を確認してから坂道発進補助装置による制動力を解除することができ、車輌が後退するといった事故を確実に防ぎ、安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することができる。
【0038】
また、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、パーキングブレーキ作動信号を受け、坂道の傾斜を検出して傾斜の程度に対応した遅延時間を指示する傾斜勾配検出手段とすることにより、どのような勾配の坂道でも安心してパーキングブレーキにより制動を行うことができ、安全性を高めた坂道発進補助装置とすることができる。
【0039】
また、前記坂道発進補助装置は、車のインスツルメントパネルなどに配置された警告灯、ブザー等、前記補助制動力保持手段が補助制動力を保持していることを知らせる表示手段を設けることにより、坂道発進補助装置が作動していることを確実に運転者へ知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る坂道発進補助装置の実施の形態を示した概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る坂道発進補助装置において、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図である。
【図3】本発明に係る坂道発進補助装置において、坂道の傾斜によって遅延時間を変化させて坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図である。
【図4】前記特許文献2に示されたエアを用いたブレーキシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 坂道発進補助装置
2 補助制動開始判断手段
3 補助制動解除判断手段
4 補助制動力保持手段
5 ブレーキペダル踏込検出手段
6 車速検出手段
7 パーキングブレーキ操作検出手段
8 変速機ギア位置検出手段
9 クラッチ接離検出手段
10 パーキングブレーキ作動信号遅延手段
11 アンド回路
12、13 オア回路
14 アンド回路
15 ブレーキ
16 表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際にブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させ、再発進動作を容易に行えるようにした坂道発進補助装置に関し、特に、坂道における停車で坂道発進補助装置による制動力が発生し、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてパーキングブレーキを引いた際、パーキングブレーキによる制動力が発生する前に坂道発進補助装置による制動力が解除されることによって車輌が後退するのを防止した坂道発進補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際、再発進動作を容易に行えるようにするため、ブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させ、再発進に際してエンジンの回転数やクラッチのつながり状況、変速機のギアの状況などを勘案して制動力を解除するようにした坂道発進補助装置が、例えば特許文献1などに示されている。
【0003】
すなわちこの特許文献1に示された坂道発進補助装置においては、ブレーキ検出手段によるブレーキペダルが踏み込まれているという信号と車速検出手段による車速が零であるという信号とにより、制動力保持手段が補助制動力解除信号を受信するまでブレーキペダルが解放されても補助制動力を印加し続けるよう構成され、そして再発進のために変速機のギアが入れられ、クラッチがつながれると、前記補助制動力保持手段に補助制動力の印加を解除する信号が送られて、ブレーキペダルやパーキングブレーキを使うことなく坂道発進が行えるようになっている。
【0004】
しかしながらこの特許文献1に示されている坂道発進補助装置では、荷物の積み降ろしなどで駐車するときでも、前記したようにブレーキ検出手段によるブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段による車速が零であるという信号とがあれば坂道発進補助装置が作動して制動力保持手段が補助制動力を印加するため、ドライバーがパーキングブレーキを引いた場合には二重に制動力保持手段が働くことになり、好ましくない。
【0005】
そのため、車輌の停止に当たってパーキングブレーキが引かれたときは、ドライバーは駐車するために停止したのであって再発進する意志はないと判断し、坂道発進補助装置の動作を解除することが考えられる。しかしながら、例えば特許文献2に示されているようなエア圧による制動を行う方式のパーキングブレーキ装置においては、パーキングブレーキを引くことによってエアが送られて始めて制動力が発生するため、制動力が発生するまでに一定の時間を必要とする。
【0006】
ところが前記したように、坂道における停車で坂道発進補助装置による制動力が発生し、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてパーキングブレーキを引いた際、その引かれたことを検出して即座に坂道発進補助装置による制動を解除すると、パーキングブレーキによる制動力が発生する前に坂道発進補助装置による制動力が解除され、車輌が後退して危険な場合がある。またこれは、特許文献2に示されたようなエアによって制動力を得るパーキングブレーキだけでなく、通常のワイヤによってブレーキドラムを動作させる方式のパーキングブレーキにおいても、女性や老人など、非力な人によってパーキングブレーキ操作に時間がかかるような場合も同様である。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−114262号公報
【特許文献2】
特開2000−1878公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そのため本発明においては、乗用車、トラック、バスなどの車輌が坂道で停車した際、ブレーキの踏み込みを行わなくても制動力を発生させるようにした坂道発進補助装置において、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめた後でパーキングブレーキを引いても、パーキングブレーキによる制動力が発生するまで、坂道発進補助装置による制動を解除しないようにして安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することが課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明においては、
ブレーキペダル踏込検出手段からのブレーキペダルによる制動が行われているという信号と、車速検出手段からの車速が所定値以下という信号とを受けて補助制動力開始信号を出力する補助制動開始判断手段と、該補助制動開始判断手段からの信号を受けて補助制動力解除信号を受信するまで補助制動力を印加し続ける補助制動力保持手段とを有した坂道発進補助装置において、
パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段と、該パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて該信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段と、該パーキングブレーキ作動信号遅延手段からの信号で前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する補助制動解除判断手段とを設けたことを特徴とする。
【0010】
このように、パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0011】
そして前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて経過時間を計時し、所定時間後に前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する計時手段で構成することにより、簡単な構成でパーキングブレーキ作動信号遅延手段を得ることができる。
【0012】
また前記計時手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段が検出したパーキングブレーキの操作量に応じて計時する計時時間を切り替えることにより、パーキングブレーキの操作量に応じて適切な遅延時間で補助制動力の解除を実施できる。
【0013】
また、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、パーキングブレーキ作動信号を受け、坂道の傾斜を検出して傾斜の程度に対応した遅延時間を指示する傾斜勾配検出手段とすることにより、どのような勾配の坂道でも安心してパーキングブレーキにより制動を行うことができ、安全性を高めた坂道発進補助装置とすることができる。
【0014】
そして、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ作動信号を受け、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して該圧力が所定圧力以上となるまで前記パーキングブレーキ作動信号を遅延させるよう構成することにより、確実にパーキングブレーキによる制動力発生を確認してから坂道発進補助装置による制動力を解除することができ、車輌が後退するといった事故を確実に防ぎ、安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することができる。
【0015】
また、前記坂道発進補助装置は、車のインスツルメントパネルなどに配置された警告灯、ブザー等、前記補助制動力保持手段が補助制動力を保持していることを知らせる表示手段を設けることにより、坂道発進補助装置が作動していることを確実に運転者へ知らせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図1は本発明に係る坂道発進補助装置の実施の形態を示した概略ブロック図、図2は本発明に係る坂道発進補助装置において、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図、図3は本発明に係る坂道発進補助装置において、坂道の傾斜によって遅延時間を変化させて坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図、図4はエアを用いたブレーキシステムの概略ブロック図である。
【0018】
図1において、1は本発明に係る坂道発進補助装置、2は補助制動開始判断手段、3は補助制動解除判断手段、4は補助制動力保持手段、5はブレーキペダルの踏み込み時のエア圧などからブレーキペダルによる制動が行われていることを検出するブレーキペダル踏込検出手段、6は車輪近辺などに取り付けられて、車輌が動いているときの車速を検出する車速検出手段、7はパーキングブレーキの近辺に取り付けられてパーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段、8はトランスミッション(変速機)がニュートラルの状態かギアが入った状態かを検出する変速機ギア位置検出手段、9はクラッチストロークを検出し、クラッチが離れているかつながっているかを検出するクラッチ接離検出手段、10は計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時したり、またはパーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時したり、若しくは坂道の勾配量を計測し、予め設定した勾配の程度に対応した遅延時間を計時したりしてパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの間前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させるか、又はパーキングブレーキによる押圧力の測定を行い、制動力が確保されたのを確認するまでの間、前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させたりして出力するパーキングブレーキ作動信号遅延手段、11は変速機ギア位置検出手段8からのギアが入っているという信号とクラッチ接離検出手段9からのクラッチがつながったという信号のアンド出力を補助制動解除判断手段3に伝えるアンド回路、12は変速機ギア位置検出手段8からのギアが入っているという信号若しくはクラッチ接離検出手段9からのクラッチがつながったという信号のいずれかを補助制動開始判断手段3に伝えるオア回路、13はオア回路、14は補助制動開始判断手段2からの信号とオア回路13からの信号の両者が来たときに開くアンド回路、15は制動力を車輪に与えるブレーキ、16は坂道発進補助装置が動作していることを知らせる表示装置である。
【0019】
図4において、41はパーキングブレーキのハンドコントロールバルブ、42はエアタンク、43はリレーバルブ、44はブレーキチャンバー、45はウエッジ、46はホイールシリンダーまたはエキスパンダー、47はブレーキシュー、48はリターンスプリング、49、50は中継バルブ、51、52、53、54、55、56は矢印である。
【0020】
最初に本発明に係る坂道発進補助装置1の坂道発進の動作を説明すると、いま坂道発進補助装置1の図示していない動作スイッチがオンの状態であり、信号などのために車のブレーキペダルが踏み込まれて坂道で停車した場合、坂道発進補助装置1における補助制動開始判断手段2は、ブレーキペダル踏込検出手段5からのブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段6からの予め設定した推定車輌速度以下で車が停止したという信号(走行中に坂道発進補助装置1が動作しないよう、急停車の場合は坂道発進補助装置1を動作させない)と、変速機ギア位置検出手段8からの変速機がニュートラルの状態であるという信号か、又はクラッチ接離検出手段9からのクラッチが離れているという信号がオア回路12を経由して来ると、補助制動力を動作させる条件が揃ったとして補助制動力保持手段4に補助制動力を動作させるよう指示する。そのため補助制動力保持手段4は、ブレーキ15に補助制動力を発生させ、ドライバーがブレーキペダルの踏み込みをやめてもこの状態を保持させるとともに、補助制動力を保持していることを表示装置16に表示してドライバーに知らせる。
【0021】
そしてこの状態で信号が青になり、ドライバーが変速機のギアを入れて図示していないアクセルペダルを踏み込み、エンジンの回転数を上げてクラッチを接続すると、変速機ギア位置検出手段8からはギアが入っているという信号が、クラッチ接離検出手段9からはクラッチが接続されたという信号が補助制動解除判断手段3のアンド回路11に送られる。そのためこのアンド回路11が開き、信号がオア回路13を経由してアンド回路14に送られる。一方このアンド回路14には、補助制動力保持手段4から補助制動力をブレーキ15に印加しているという信号が送られてきているから開き、補助制動力解除信号として補助制動力保持手段4に送られる。そのため補助制動力保持手段4は、ブレーキ15による制動を解除し、表示装置16への表示も停止するから、ドライバーは苦労なく坂道発進を行うことができる。
【0022】
以上が坂道発進補助装置1における坂道発進時の動作であるが、次にパーキングブレーキを操作したときの動作について説明するが、それに先立って、図4を用いて前記特許文献2に示されたエア圧による制動を行う方式のパーキングブレーキ装置の一例について簡単に説明する。この図4において(A)はブレーキによる制動が開放されている場合を示し、(B)はブレーキによる制動が行われている駐車時を示している。
【0023】
最初に図4(A)のように、ハンドコントロールバルブ41がブレーキ開放位置で制動が開放されている状態を説明すると、この状態では、エアタンク42からのエアが中継バルブ49からハンドコントロールバルブ41を経由してリレーバルブ43に送られるため、このリレーバルブ43をエアタンク42からのエアが通過し、中継バルブ50を経由してブレーキチャンバー441、442に送られる。そのためこのブレーキチャンバー441、442が作動し、ウエッジ461、462が矢印511、512の方向に動いてホイールシリンダーまたはエキスパンダー461、462から外れ、リターンスプリング481、482によってブレーキシュー471、472が矢印521、522の方向に収縮し、パーキングブレーキが解除される。
【0024】
そして駐車のため、図4(B)のようにハンドコントロールバルブ41をブレーキによる制動を行う位置にすると、中継バルブ49からのエアの通過が阻止されると共に内部のエアを矢印53方向に抜く開口ができる。そのため、リレーバルブ43にハンドコントロールバルブ41から送られていたエアが、逆にハンドコントロールバルブ41から矢印53方向に抜け、ブレーキチャンバー441、442内のエアは、このリレーバルブ43に開いた開口から矢印54方向に放出される。そのため、ウエッジ461、462が矢印551、552の方向に動いてホイールシリンダーまたはエキスパンダー461、462内部に挿入され、リターンスプリング481、482に抗してブレーキシュー471、472が矢印561、562の方向に拡張するから、パーキングブレーキによる制動が行われる。即ち前記したように、このように構成したパーキングブレーキにおいては、ブレーキチャンバー441、442のエアが抜けるまでパーキングブレーキとしての制動力が発生せず、パーキングブレーキを引いてから制動力が発生するまで一定の時間がかかるわけである。
【0025】
このようなパーキングブレーキを用いた車輌において、ドライバーが荷下ろしなどを行うために駐車しようという意図のもと、坂道発進補助装置1の図示していない動作スイッチをオンの状態のままでブレーキペダルを踏み込んで停車すると、この場合も前記と同様ブレーキペダル踏込検出手段5からのブレーキペダルが踏み込まれているという信号と、車速検出手段6からの車が停止したという信号と、変速機ギア位置検出手段8からの変速機がニュートラルの状態であるという信号か、又はクラッチ接離検出手段9からのクラッチが離れているという信号がオア回路12を経由して来るから、補助制動開始判断手段2は、補助制動力保持手段4に補助制動力を動作させるよう指示し、ブレーキ15が作動する。
【0026】
しかし今は、前記したように駐車する意図があるからドライバーはパーキングブレーキを操作する。すると、パーキングブレーキ操作検出手段7がそれを検出し、信号を補助制動解除判断手段3のパーキングブレーキ作動信号遅延手段10に送る。するとパーキングブレーキ作動信号遅延手段10は、前記したように計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時する。そしてその遅延時間が経過すると、制動力が確保されたとして前記パーキングブレーキ作動検出信号を出力するから、この信号がオア回路13を通過し、アンド回路14に達する。このアンド回路14には、補助制動力保持手段4から補助制動力保持中という信号が来ているから開き、補助制動力を解除する信号が保持手段4に送られて坂道発進補助装置による補助制動力が解除され、パーキングブレーキによる制動力に切り換えられる。
【0027】
このように、パーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段10を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0028】
なお以上の説明では、坂道発進補助装置1を補助制動開始判断手段2、補助制動解除判断手段3、補助制動力保持手段4などで構成するよう説明してきたが、これらをCPUを用いてプログラムで構成しても良いことは勿論である。また、パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記した計時手段を有してパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号を受け、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時する方法だけでなく、パーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時したり、若しくは坂道の勾配量を計測し、予め設定した勾配の程度に対応した遅延時間を計時したりしてパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの間前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させるか、又はパーキングブレーキによる押圧力の測定を行い、制動力が確保されたのを確認するまでの間、前記パーキングブレーキ作動検出信号を遅延させる方法などがある。そのため、予め設定したパーキングブレーキの操作から制動力が確保されるまでの遅延時間を計時したり、またはパーキングブレーキの操作量に応じて変化させた遅延時間を計時して遅延させる場合は、予め記憶させた遅延時間や、予め記憶させたパーキングブレーキの操作量に応じた遅延時間を前記したCPUにより演算処理して計時し、処理するようにすればよい。
【0029】
また、パーキングブレーキによる押圧力の測定によって制動力が確保されるまでの間遅延させる方法は、例えば図2に示したフロー図のように、ステップS21でパーキングブレーキ操作検出手段7からパーキングブレーキが作動したという信号が送られてきたら、ステップS22で坂道発進補助装置が作動中かどうかを判断し、坂道発進補助装置が作動中の場合はステップS23に進んでパーキングブレーキによる制動力が確保されているか否かを検出する。この検出は、例えば前記図4に示したブレーキにおけるブレーキシュー47による押圧力を検出するセンサを設けて行う。そして制動力が確保されていない場合はこのステップS23に戻るルーチンを繰り返し、確保されたらステップS24に行って坂道発進補助装置による制動を解除する信号を出力すべく、前記したようにパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号をオア回路13に出力する。すると補助制動力保持手段4に補助制動力の解除信号がアンド回路14から送られ、坂道発進補助装置による制動が解除される。
【0030】
また、坂道の勾配の程度によりパーキングブレーキの制動力が確保されるまでの時間だけ遅延させる方法は、予め勾配Aより大きな勾配における遅延時間t1と、勾配Aより小さく、勾配Bより大きい勾配の場合の遅延時間t2など、勾配の程度による複数の遅延時間を定めて記憶しておく。そして、例えば図3に示したフロー図のように、ステップS31でパーキングブレーキ操作検出手段7からパーキングブレーキが作動したという信号が送られてきたら、ステップS32で坂道発進補助装置が作動中かどうかを判断し、坂道発進補助装置が作動中の場合はステップS33に進んで坂道の勾配を計測する。この計測は、車輌の適宜な場所に取り付けた勾配計で行う。そしてステップS34で予め定めた勾配A以上かどうか判断し、勾配がA以上であるならステップS36に進んでt1時間だけ遅延させ、A以下であるなら次のステップS35に進んで勾配がBより大きいかどうかを判断する。そしてこのステップS35で勾配Aより小さく、勾配Bより大きいと判断された場合はステップS37に進んでt2時間だけ遅延させ、勾配Bより小さい場合はステップS38に進んで遅延時間を設定しない(即ち遅延時間零)という判断をする。
【0031】
そしてこれらのステップで設定した遅延時間の後、ステップS39で、前記したようにパーキングブレーキ操作検出手段7からのパーキングブレーキが作動したという信号をオア回路13に出力すると、補助制動力保持手段4に補助制動力の解除信号がアンド回路14から送られ、坂道発進補助装置による制動が解除される。なお、この図3に示したフローでは、勾配を3段階に分けて遅延時間を設定するようにしたが、3段階だけに限らずもっと多くの段階としたり、傾斜と遅延時間の関係を無段階に関係付け、傾斜に対応した遅延時間を設定できるようにしても良い。
【0032】
以上が本発明に係る坂道発進補助装置の、パーキングブレーキ作動時における坂道発進補助装置による制動力の解除であるが、以上の説明ではエアを用いたパーキングブレーキの場合を例に説明を進めてきたが、前記したようにワイヤを使ったパーキングブレーキの場合も全く同様に構成できることはいうまでもない。また、以上の説明ではマニュアルミッション車を例に説明してきたが、オートマチック車においてはクラッチがないだけで、ギアをドライブからニュートラルに入れれば全く同様に坂道における停車時にブレーキペダルの踏み込みをやめても制動が確保される状態にすることができ、その際にパーキングブレーキを作動させた場合は、全く同様にして坂道発進補助装置による制動からパーキングブレーキによる制動への切替が可能である。
【0033】
このように、パーキングブレーキ作動信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させることにより、パーキングブレーキによる制動力が確保された後で坂道発進補助装置による制動力の解除が行われるから、どのような坂道でも車輌が後退するといったことを防いで安全に駐車させることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキ作動信号を受けてこの信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段を設けることで、前記したようなエア圧により制動力を発するパーキングブレーキにおける制動遅れや、ワイヤを使ったパーキングブレーキの非力な人の操作による制動遅れなどがあっても、パーキングブレーキによる制動力が発生した後で補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号が発せられるから、たとえ坂道であっても車輌が後退するということは避けられて安全性が高められる。
【0035】
そして前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて経過時間を計時し、所定時間後に前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する計時手段で構成することにより、簡単な構成でパーキングブレーキ作動信号遅延手段を得ることができる。
【0036】
また前記計時手段は、パーキングブレーキ操作検出手段が検出したパーキングブレーキの操作量に応じて計時する計時時間を切り替えることにより、パーキングブレーキの操作量に応じて適切な遅延時間で補助制動力の解除を実施できる。
【0037】
そして、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ作動信号を受け、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して該圧力が所定圧力以上となるまで前記パーキングブレーキ作動信号を遅延させるよう構成することにより、確実にパーキングブレーキによる制動力発生を確認してから坂道発進補助装置による制動力を解除することができ、車輌が後退するといった事故を確実に防ぎ、安全性を高めた坂道発進補助装置を提供することができる。
【0038】
また、前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、パーキングブレーキ作動信号を受け、坂道の傾斜を検出して傾斜の程度に対応した遅延時間を指示する傾斜勾配検出手段とすることにより、どのような勾配の坂道でも安心してパーキングブレーキにより制動を行うことができ、安全性を高めた坂道発進補助装置とすることができる。
【0039】
また、前記坂道発進補助装置は、車のインスツルメントパネルなどに配置された警告灯、ブザー等、前記補助制動力保持手段が補助制動力を保持していることを知らせる表示手段を設けることにより、坂道発進補助装置が作動していることを確実に運転者へ知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る坂道発進補助装置の実施の形態を示した概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る坂道発進補助装置において、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図である。
【図3】本発明に係る坂道発進補助装置において、坂道の傾斜によって遅延時間を変化させて坂道発進補助装置による制動力を解除する場合のフロー図である。
【図4】前記特許文献2に示されたエアを用いたブレーキシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 坂道発進補助装置
2 補助制動開始判断手段
3 補助制動解除判断手段
4 補助制動力保持手段
5 ブレーキペダル踏込検出手段
6 車速検出手段
7 パーキングブレーキ操作検出手段
8 変速機ギア位置検出手段
9 クラッチ接離検出手段
10 パーキングブレーキ作動信号遅延手段
11 アンド回路
12、13 オア回路
14 アンド回路
15 ブレーキ
16 表示装置
Claims (6)
- ブレーキペダル踏込検出手段からのブレーキペダルによる制動が行われているという信号と、車速検出手段からの車速が所定値以下という信号とを受けて補助制動力開始信号を出力する補助制動開始判断手段と、該補助制動開始判断手段からの信号を受けて補助制動力解除信号を受信するまで補助制動力を印加し続ける補助制動力保持手段とを有した坂道発進補助装置において、
パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ操作検出手段と、該パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて該信号をパーキングブレーキによる制動力が発生するまで遅延させるパーキングブレーキ作動信号遅延手段と、該パーキングブレーキ作動信号遅延手段からの信号で前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する補助制動解除判断手段とを設けたことを特徴とする坂道発進補助装置。 - 前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段からのパーキングブレーキが作動したという信号を受けて経過時間を計時し、所定時間後に前記補助制動力保持手段に補助制動力の解除信号を発する計時手段で構成したことを特徴とする請求項1に記載した坂道発進補助装置。
- 前記計時手段は、前記パーキングブレーキ操作検出手段が検出したパーキングブレーキの操作量に応じて計時する計時時間を切り替えることを特徴とする請求項2に記載した坂道発進補助装置。
- 前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、パーキングブレーキ作動信号を受け、坂道の傾斜を検出して傾斜の程度に対応した遅延時間を指示する傾斜勾配検出手段であることを特徴とする請求項1に記載した坂道発進補助装置。
- 前記パーキングブレーキ作動信号遅延手段は、前記パーキングブレーキ作動信号を受け、パーキングブレーキによる制動圧力を検出して該圧力が所定圧力以上となるまで前記パーキングブレーキ作動信号を遅延させるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載した坂道発進補助装置。
- 前記坂道発進補助装置は、前記補助制動力保持手段が補助制動力を保持していることを知らせる表示手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載した坂道発進補助装置。
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Legal Events
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Effective date: 20071012 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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