JP2005088481A - ポリオレフィン化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明ポリオレフィン樹脂層と表面保護層との密着性の経年での低下を防ぎ、経年での諸物性の変化の少ないポリオレフィン化粧シートの製造方法の提供する。
【解決手段】模様層を有するポリオレフィン系基材シートの模様層側の最表層に、透明ポリオレフィン樹脂層を押出しラミネートにより積層し、且つこの基材シート層、模様層、透明ポリオレフィン層、の順に積層された積層体の透明ポリオレフィン層側の最表層部に、押出し積層後にインラインで表面保護層のコーティングを施すポリオレフィン化粧シートの製造方法において、透明ポリオレフィン層の押出しラミネート部から表面保護層のコーティング部に至るまでの間に、ヒーター等による透明ポリオレフィン樹脂の加熱を行うことを特徴とする、ポリオレフィン化粧シートの製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の表面に接着剤で貼り合わせて化粧板として用いる化粧シートの製造方法に関するものである。
従来、主に建築物の内装、建具、家具等の表面装飾等に用いられてきた、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の表面に接着剤で貼り合わせて化粧板として用いる化粧シートは、印刷適性が良い、可塑剤添加により硬軟の度合いの調節が可能で用途に合わせた固さを選択できる、エンボス加工性が良い、ラミネート時の層間の接着強度が強い、切削加工性が良い、等々の利点がある、ポリ塩化ビニルシートに木目柄や抽象柄等を印刷した、ポリ塩化ビニル系化粧シートが広く一般的に使用されてきた。
しかしながら、上述のポリ塩化ビニル系化粧シートは、燃焼した場合に有害なガスが発生する恐れがあり、廃棄物の燃焼処理時の人的影響や環境保全への危惧から、ポリ塩化ビニル系化粧シートに代わる、燃焼した場合にも有毒なガスが発生しない材料を用いた化粧シートの開発がユーザーから強く求められていた。
そこで近年では、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール、ポリエステル、アクリル等及び共重合体樹脂や紙などを、単層または複数のシートの積層よって成る非塩化ビニル系化粧シートが、ポリ塩化ビニル系化粧シートの代替として使用されるようになってきている。その中でも特に、化粧シートに要求される適度な柔軟性、耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性等を備え、なおかつ安価で提供されているポリプロピレンやポリエチレンを用いた、ポリオレフィン化粧シートが数多く提案されている。
このポリオレフィン化粧シートを製造する方法としては、印刷模様層を有する基材シートの模様層側に、透明熱可塑性樹脂層を押出し加工機により積層する方法が、既に公知のものとなっている(特許文献1参照)。
さらに、透明熱可塑性樹脂を押出し加工機により積層した後に、熱可塑性樹脂の表面にコロナ処理を施し、ポリウレタン樹脂等を表面保護層としてコーティングするのも、公知の技術である。
しかしながら、押出し加工機による透明ポリオレフィン樹脂層の積層から表面保護層のコーティングまでをインラインで製造しようとした場合に、瞬時に結晶化が進行し、安定化するような樹脂を選定しなければ、透明ポリオレフィン樹脂の結晶化度が安定する前に表面保護層のコーティングが施されてしまう為、表面保護層コーティング後の透明ポリオレフィン樹脂の結晶化の進行により、透明ポリオレフィン樹脂層と表面保護層との積層界面にストレスがかかり、紫外線や温度・湿度等による経年変化で表面保護層の密着性が低下してしまう。

特許第02630159号が特許文献1である。

特開2003−39613が特許文献2である。
本発明は、係る従来技術の欠点に鑑みてなされたもので、化粧シートの透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネートから表面保護層のコーティングまでをインラインで行う際に、製造した化粧シートの、透明ポリオレフィン樹脂層と表面保護層との密着性の経年での低下を防ぎ、経年での諸物性の変化の少ないポリオレフィン化粧シートの製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決する為に、まず本発明の請求項1の発明では、模様層を有するポリオレフィン系基材シートの模様層側の最表層に、透明ポリオレフィン樹脂層を押出しラミネートにより積層し、且つこの基材シート層、模様層、透明ポリオレフィン層、の順に積層された積層体の透明ポリオレフィン層側の最表層部に、押出し積層後にインラインで表面保護層のコーティングを施すポリオレフィン化粧シートの製造方法において、透明ポリオレフィン層の押出しラミネート部から表面保護層のコーティング部に至るまでの間に、ヒーター等による透明ポリオレフィン樹脂の加熱を行うことを特徴とする、ポリオレフィン化粧シートの製造方法とした。
また本発明の請求項2の発明では、透明ポリオレフィン層に、凹凸のエンボス処理を施す事を特徴とする、請求項1に記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法とした。
また本発明の請求項3の発明では、請求項2に記載のエンボス処理を、透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネートと同時に施す事を特徴とする、ポリオレフィン化粧シートの製造方法とした。
また本発明の請求項4の発明では、透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネート時に、透明ポリオレフィン樹脂層と模様層との間に、透明ポリオレフィン樹脂層との共押出しにより、マレイン酸変性したポリオレフィン系の接着性樹脂層を施す事を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法とした。
また本発明の請求項5の発明では、透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネート時に、模様層の、基材シート面とは反対側の最表層に、アンカーコート層の塗布を予めを施す事を特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法とした。
本発明の製造方法を用いて化粧シートを製造することにより、耐久性に優れた経年変化の少ないポリオレフィン化粧シートを製造することが可能である。
さらに本発明では、塩化ビニル樹脂を一切使用していないため、環境問題の心配の無い化粧シートを提供できる効果がある。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係わる化粧シートの製造工程図の一例である。本発明は、押出し機からT型ダイ(4)を介して広幅状に押出された透明ポリオレフィン樹脂(1)を、印刷法により模様層を有したポリオレフィン系基材シート(2)の模様層側に押出しラミネートし、冷却ロール(5)によって冷却されたあとに、ヒーターゾーン(6)によりアニール処理される。アニール終
了後には、コロナ処理機(7)を施したのちに、グラビアコート部(6)において、表面保護層がグラビアコーティングされる。
ヒーターゾーンによりアニール処理を行う理由は、アニール処理を行うことによって、押出し加工された透明ポリオレフィン樹脂の結晶化速度を促進させ、表面保護層のコーティングを行うまでの間に、充分に結晶化が進んだ状態にする為である。結晶化が不充分な状態で表面保護層のコーティングを行った場合には、表面保護層塗布後の透明ポリオレフィン樹脂の結晶化進行の影響で、表面保護層と透明ポリオレフィン樹脂層の界面にかかる負荷が大きい状態になる。その状態のまま木質系・無機系等の基材表面に貼り付け加工された化粧板は、経年変化やサンシャインウェザーメーター等を用いた耐候促進試験において、表面保護層の密着性の低下が比較的早期に起こってしまい、化粧板自体の耐用年数が低下してしまう。
その一方、押出しラミネートを実施した後にアニール処理を行った場合においては、透明ポリオレフィン樹脂の結晶化が充分に進行して、透明ポリオレフィン樹脂が安定化した状態で表面保護層のコーティングが行われる為に、表面保護層と透明ポリオレフィン樹脂層の界面にかかる負荷は、アニール処理を行わないまま表面保護層のコーティングが行われた化粧シートと比較して小さくなる。これにより、木質系・無機系等の基材表面に貼り付け加工した場合の、経年変化やサンシャインウェザーメーター等を用いた耐候促進試験では、表面保護層の密着性の低下と、それに伴う化粧板自体の耐用年数は、未アニール品よりも延びる。
アニールの条件としては、40℃〜50℃程度の比較的低温で長時間に渡りエージングを行うことが望ましい。しかしながら、インラインでのアニールでは、アニールゾーンの長さ等の設備的制約がある事が多いので、熱量、ラインスピード、アニールゾーン長、等を考えて、最適な条件を設定する必要がある。
化粧シートの意匠性を向上させる為に、図2に示した様に必要に応じて、透明ポリオレフィン樹脂層に凹凸のエンボス加工が施される。エンボス加工はラミネート前、或いはラミネート後のアニール処理を施すよりも前に、凹凸模様有する高温のエンボス版(3)により、透明ポリオレフィン樹脂層を溶融し、凹凸模様を施す方法が一般的である。但し、押出しラミネート法を用いる場合には、図3に示した様に、押出しラミネート時の冷却ロール(3)’に凹凸模様を施してエンボス版としての機能を兼務させる事により、押出しラミネートと同時に透明ポリオレフィン樹脂層にエンボス加工を行うことが可能である。この方法では、ラミネートとエンボス処理を一度に行える為に、製造コストの面で利点が大きい。
押出しラミネートでの透明ポリオレフィン樹脂と模様層を有するポリオレフィン系基材シートの模様層側との密着性をさらに頑強なものにするために、必要に応じて図4に示すように、透明ポリオレフィン樹脂のラミネート界面側にオゾン吹きつけ機(9)でオゾンを吹きつける方法や、2台以上の押出し機を用いた共押出し法を用いて、ポリオレフィン系の接着性樹脂(8)を透明ポリオレフィン樹脂(1)と共に、透明ポリオレフィン樹脂(1)と模様層を有したポリオレフィン系基材シート(2)の模様層側との間にポリオレフィン系の接着性樹脂が来るように押出しラミネートする方法や、押出しラミネート前に、模様層を有したポリオレフィン系基材シート(2)の模様層側の表面に、アンカーコート剤をグラビアコート法によりコーティングする方法などを、単独あるいは2つ以上を組み合わせて施す方法が、好適に用いられる。
ポリオレフィン系の接着性樹脂(8)に用いる材料としては、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂が一般的であるが、これらの樹脂を使用すると、耐熱性、特に90℃以上のでの
ラミネート強度が著しく低下してしまう。そこ為、常温での充分なラミネート強度をはもちろん、たとえば接着剤に無溶剤型のホットメルトを使用した場合や基材に金属板を使用した場合など、化粧シートに高温がかかった場合においても充分なラミネート強度を保持するためには、接着性樹脂には耐熱性の高いマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を採用すると良い(特許文献2参照)。
さらに本発明において使用されるアンカーコート剤の種類は、特に規定されるものではないが、ポリオールとイソシアネートとの反応でウレタン結合を形成するイソシアネート硬化型ポリウレタン系樹脂を用いることが望ましい。また、ポリプロピレン系の接着性樹脂を使用する場合には、ウレタン系アンカーコート剤にエポキシ系樹脂を添加したものを使用することにより、よりラミネート強度向上が図られる。これはエポキシ系樹脂を添加する事により、ポリプロピレン系の接着性樹脂の第2成分として一般的に用いられている、エチレン−プロピレン−ラバーやスチレン−ブタジエン−ラバー等のゴム成分との密着力がより強固になる為である。
また、化粧シート及びこの化粧シートを用いて作られた化粧板の耐候性能向上および経年変化を少なくし、耐用年数を長くする為には、透明ポリオレフィン層及び表面保護層への紫外線吸収剤及び光安定剤等の添加は必須条件である。紫外線吸収剤としては、所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はないが、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等の中から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて添加することが可能である。
光安定剤も所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はない。例えばコハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等のヒンダードアミン系光安定剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルキシ)−4−ピペリジニル)エステル等のアミノエーテル型の光安定剤等から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて使用することが可能である。
その他にも必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等が添加される。熱
安定剤は、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]−プロピオネート、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等の中から1種、あるは1種以上組み合わせて使用可能である。
難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等があるが、特に成分に限定は無い。但し、環境を考慮した非塩化ビニル製シートであるならば、ハロゲン系の難燃剤の使用は考慮する必要がある。
ブロッキング防止剤は珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミドのような有機系ブロッキング防止剤等が任意に添加される。
カレンダー法により作成された、厚み70μmのランダムポリプロピレンシート上に、2液硬化型のウレタンインキを用いて、木目模様をグラビアコート法を用いて塗布した。その上に2液硬化型のウレタン接着剤(いずれも三井武田ケミカル株式会社製で、主剤:タケラックA520、硬化剤:タケネートA80)を厚み5μmで塗布し、更にその上に、フェノール系酸化防止剤を0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量部、ブロッキング防止剤を0.2重量部それぞれ添加した、アイソタクティシティ(沸騰デカン抽出残量)が95%以上、JIS K6760に規定されるMFR(メルトフローレート)が4g/min以上5g/min以下の透明ホモポリプロピレン樹脂を押出しラミネート法を用いて透明ホモポリプロピレン樹脂層の厚みが70μmになるように積層した。
このラミネートシートを60℃のヒーターで1分間加熱した後に、透明ホモポリプロピレン側の最外表面に、光安定剤と紫外線吸収剤を添加した2液硬化型ウレタン系表面保護剤を厚み6μm/m2で塗布して、実施例1の化粧シートを得た。
<性能比較>
実施例1〜5及び比較例1〜5の製造方法により作製された化粧シートについて、ダイプラウインテス(株)社製のメタルウェザーメーターを用いて、照度6.5W/m2、波長が295〜780nmの光を0〜420時間まで60時間刻みで照射した耐候性の促進試験を行い、表面保護層の脆化の程度を確認した。その結果、実施例1〜5までの製造方法で作製した化粧シートは、300時間を過ぎた頃から表面保護層の脆化現象が現れはじめた。それに対し、比較例1〜5で作製した化粧シートは、脆化の傾向が180時間を過ぎた頃から脆化の兆候が現れ始め、240時間では、明らかな表面保護層の脆化現象が確認された。
また、実施例2及び比較例2で製造方法で作製された化粧シートは、実施例1及び比較例1の製造方法で作製された化粧シートと比べて、より本物の木材に近い意匠性を有しており、格段に良い仕上がりの化粧シートになっている。
また、実施例3及び比較例3で製造方法で作製された化粧シートは、実施例2及び比較例2の製造方法で作製された化粧シートと比べて、冷却とエンボス加工が同時にできる分、製造コストの点で優れる。
また、実施例4及び比較例4で製造方法で作製された化粧シートは、実施例1及び比較例1の製造方法で作製された化粧シートと比べて、ラミネート強度の経時変化がより少なくなっている。前記のダイプラウインテス(株)社製のメタルウェザーメーターによる促進試験結果では、実施例1及び比較例1の製造方法で作製された化粧シートの120時間後のラミネート強度は320N/m程度であるのに対して、実施例4及び比較例4の製造方法で作製された化粧シートのメタルウェザー120時間後のラミネート強度は480N/m程度であった。
実施例5及び比較例5で製造方法で作製された化粧シートも、実施例1、4及び比較例1、4の製造方法で作製された化粧シートと比べて、更にラミネート強度の経時変化が少ない化粧シートになっている。前記と同じくダイプラウインテス(株)社製のメタルウェザーメーターによる促進試験結果では、実施例5及び比較例5の製造方法で作製された化粧シートの120時間後のラミネート強度は600N/m程度あり、実施例1、4及び比較例1、4の製造方法で作製された化粧シートよりも優れた結果となった。
透明ホモポリプロピレンの押出しラミネート後に、熱エンボス法により透明ポリプロピレン層に凹凸のエンボス処理を施した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて、実施例2の化粧シートを得た。
透明ホモポリプロピレンの押出しラミネート時に、押出しラミネートと同時に透明ポリプロピレン層に凹凸のエンボス処理を施した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて、実施例3の化粧シートを得た。
透明ホモポリプロピレン樹脂層の押出しラミネート時に、ウレタンの接着剤を塗布せずに、その代わりに透明ホモポリプロピレン樹脂層と模様層との間に、透明ホモポリプロピレン樹脂層との共押出しにより、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂層を厚み10μmで施した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて、実施例4の化粧シートを得た。
ランダムポリプロピレン層と模様層との間に、ウレタンのアンカーコート(いずれも三井武田ケミカル株式会社製で、主剤:タケラックA520、硬化剤:タケネートA80)を厚み1.2μmで模様層側に塗布した以外は、実施例4と同様の製造方法を用いて、実施例5の化粧シートを得た。
〔比較例〕
実施例1〜5において、60℃のヒーターでの1分間の加熱を行わない以外は、実施例1〜5と同様の製造方法を用いて、比較例1〜5の化粧シートを得た。
本発明は、主に建築物の内装、建具、家具等の表面装飾等に用いられる。
本発明に係わる化粧シートの製造工程図の一例を示す概念側面図である。 本発明に係わる化粧シートの製造工程で、凹凸模様有する高温のエンボス版により、透明ポリオレフィン樹脂層を溶融し、凹凸模様を施す場合の部分概念断面図である。 本発明に係わる化粧シートの製造工程で押出しラミネート時の冷却ロールに凹凸模様を施してエンボス版としての機能を兼務させる場合の部分概念断面図である。 本発明に係わる化粧シートの製造工程でオゾンを吹きつける方法を用いた場合の部分概念断面図である。
符号の説明
1 透明ポリオレフィン樹脂
2 ポリオレフィン系基材シート
3 エンボス版
3’押出しラミネート時の冷却ロールを兼ねたエンボス版
4 T型ダイ
5 冷却ロール
6 ヒーターゾーン
7 コロナ処理機
8 接着性樹脂
9 オゾン吹きつけ機

Claims (5)

  1. 模様層を有するポリオレフィン系基材シートの模様層側の最表層に、透明ポリオレフィン樹脂層を押出しラミネートにより積層し、且つこの基材シート層、模様層、透明ポリオレフィン層、の順に積層された積層体の透明ポリオレフィン層側の最表層部に、押出し積層後にインラインで表面保護層のコーティングを施すポリオレフィン化粧シートの製造方法において、透明ポリオレフィン層の押出しラミネート部から表面保護層のコーティング部に至るまでの間に、ヒーター等による透明ポリオレフィン樹脂の加熱を行うことを特徴とする、ポリオレフィン化粧シートの製造方法。
  2. 透明ポリオレフィン層に、凹凸のエンボス処理を施す事を特徴とする、請求項1に記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法。
  3. 請求項2に記載のエンボス処理を、透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネートと同時に施す事を特徴とする、ポリオレフィン化粧シートの製造方法。
  4. 透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネート時に、透明ポリオレフィン樹脂層と模様層との間に、透明ポリオレフィン樹脂層との共押出しにより、マレイン酸変性したポリオレフィン系の接着性樹脂層を施す事を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法。
  5. 透明ポリオレフィン樹脂層の押出しラミネート時に、模様層の、基材シート面とは反対側の最表層に、アンカーコート層の塗布を予め施す事を特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のポリオレフィン化粧シートの製造方法。
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