JP2005085972A - 切削装置におけるアライメント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の切削予定ラインを迅速にアライメントすることが可能な,切削装置におけるアライメント方法を提供すること。
【解決手段】 対向配置された第1の切削手段20aおよび第2の切削手段20bと,被加工物12を保持するチャックテーブル30とを具備し,第1の切削手段20aに第1の撮像手段40aが装着され,第2の切削手段20b第2の撮像手段40bが装着された切削装置において,第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40bによって,被加工物12の2つの切削予定ラインLを同時にアライメントする方法が提供される。これにより,1つの撮像手段を用いて2つの切削予定ラインLを1つずつアライメントする場合と比して,撮像手段40の移動量をほぼ半減できるので,複数の切削予定ラインLを迅速にアライメントできる。
【選択図】 図3

Description

本発明は,切削装置におけるアライメント方法に関し,特に,対向配置された2つの切削手段にそれぞれ設けられた2つの撮像手段を用いて,被加工物の切削予定ラインをアライメントする方法に関する。
半導体ウェハ等の被加工物を精密にダイシング加工する切削装置としては,1つの切断手段を備えているものだけではなく,対向配置された2つの切削手段を備えたタイプの切削装置も知られている(例えば,特許文献1参照)。かかる切削装置においては,軸心が略同一の直線上に位置する2つのスピンドルにそれぞれ切削ブレードが装着されており,双方の切削ブレードを被加工物に対して同時に作用させることができる,これにより,被加工物の2つの切削予定ライン(ストリート)を同時に切削加工できるため,切削効率を向上させることができる。
図6(a)に示すように,被加工物として一般的な半導体ウェハ120の表面には,半導体デバイスが形成された矩形のチップ領域Cが複数配されている。かかる複数のチップ領域Cの間には,縦方向の切削予定ラインLxと横方向の切削予定ラインLyとが,所定間隔で略平行に配されている。このような半導体ウェハ120を上記切削装置によって切削する場合は,通常は,まず,ある1つの切削予定ラインと切削ブレードとの位置合わせであるアライメントを行ってから,当該切削予定ラインを切削し,その後は,切削予定ライン間隔ずつ切削ブレードを割り出し送りしながら,同一方向の複数の切削予定ラインを順次切削していく。即ち,一般的な半導体ウェハ120では,すべての切削予定ラインが高精度に平行に形成されていることを前提として,最初に切削する切削予定ラインについてのみアライメントを行うこととしている。
一方,近年では,電子機器の小型化,薄型化,軽量化を図るために,CSP(Chip Size Package)チップが多用されている。このCSPチップは,ボール状の端子が裏面から突出した配線基板の表面に,1または2以上の半導体チップを積層してボンディングし,さらにチップ全体を樹脂でモールドしたものである。かかるCSPチップは,図6(b)に示すように,CSPが作り込まれた複数のチップ領域Cを有するCSP基板220を,チップ領域C間の切削予定ラインLx,Lyに沿って切削して,複数片に分割することによって製造される。
しかしながら,かかるCSP基板220は,樹脂のモールド時に配線基板に歪みが生じるため,切削予定ラインの平行精度が低下しやすい。このように切削予定ラインの平行精度が低いCSP基板220の場合,上記半導体ウェハ120のようにすべての切削予定ラインが平行に形成されていると想定して切削を行うと,切削予定ライン以外の領域(例えばチップ領域C)を切削してしまい,半導体デバイスを損傷してしまうという問題がある。
かかる問題を解決するためには,特許文献2に記載されたように,アライメント段階において,CSP基板のすべての切削予定ラインについて1つずつアライメントを行って,アライメント情報を記録しておき,次いで,切削段階において,各切削予定ラインのアライメント情報を参照してCSP基板の向きを調整しながら,各切削予定ラインを順次切削していく方法も考えられる。
特開平11−26402号公報 特開平9−52227号公報
しかしながら,上記のような全ての切削予定ラインを1つずつアライメントする方法では,アライメント作業に多大な時間を要するため,生産性を低下させてしまうという問題があった。
本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,CSP基板などのような切削予定ラインの平行精度が低い被加工物であっても,複数の切削予定ラインを迅速にアライメントすることが可能な,新規かつ改良された切削装置におけるアライメント方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,対向配置された2つの切削手段を具備する切削装置におけるアライメント方法が提供される。この切削装置は,第1のスピンドルと第1のスピンドルの一端部に装着された第1の切削ブレードとを有する第1の切削手段と,第2のスピンドルと第2のスピンドルの一端部に装着された第2の切削ブレードとを有する第2の切削手段と,被加工物を保持するチャックテーブルとを具備する。この第1の切削手段および第2の切削手段は,第1の切削ブレードと第2の切削ブレードとが対向するように配設されている。さらに,第1の切削手段には,第1の撮像手段が装着されており,第2の切削手段には第2の撮像手段が装着されている。このような切削装置におけるアライメント方法では,第1の撮像手段および第2の撮像手段によって,被加工物の複数の切削予定ラインのうちの2つを同時にアライメントすることを特徴とする。
かかる構成により,第1の撮像手段によって,被加工物上に形成された複数の略平行な切削予定ラインのうちの1つの切削予定ラインをアライメントすると同時に,第2の撮像手段によって,別の1つの切削予定ラインをアライメントすることができる。このため,1つの撮像手段を用いて複数の切削予定ラインを1つずつアライメントする場合と比して,撮像手段を切削予定ラインに沿って軸移動させる回数及び移動量をほぼ半減できる。このため,複数の切削予定ラインをアライメントするために要するトータル時間を大幅に低減できる。
また,上記前記被加工物の加工面を,一側の第1の領域と他側の第2の領域とに区分し,第1の撮像手段によって,第1の領域に含まれる複数の切削予定ラインを順次アライメントすると同時に,第2の撮像手段によって,第2の領域に含まれる複数の切削予定ラインを順次アライメントするようにしてもよい。かかる構成により,第1の撮像手段によるアライメント対象となる切削予定ラインと,第2の撮像手段によるアライメント対象となる切削予定ラインとを,被加工物の一側と他側とに振り分けることできる。これにより,複数の切削予定ラインのアライメント時において,第1の撮像手段の移動範囲は被加工物の一側にある第1の領域に対応する範囲内で済み,一方,第2の撮像手段の移動範囲は被加工物の他側にある第2の領域に対応する範囲内で済む。このため,複数の切削予定ラインをアライメントする際の第1および第2の撮像手段の移動量を低減できるので,より迅速なアライメントが可能になる。さらに,上記被加工物の加工面を切削予定ラインに対して平行な直線で略半分に領域区分して,当該直線の一側半分の領域を上記第1の領域とし,当該直線の他側半分の領域を上記第2の領域としてもよい。これにより,第1の撮像手段がアライメントする切削予定ラインの数と第2の撮像手段がアライメントする切削予定ラインの数とを略同一にできるので,アライメント作業の効率化が図れる。
また,上記被加工物は,CSP(Chip Size Package)基板であってもよい。CSP基板は,例えば,略矩形状を有する基板であり,その表面には複数のCSPと,このCSPの間に配置され,直交する2方向に延びる複数の切削予定ラインとが形成されている。このCSP基板は,一般的な半導体ウェハ等と比して切削予定ラインの平行精度が低いので,全ての切削予定ライン若しくは何本かおきに複数の切削予定ラインをアライメントする必要がある。このため,かかるCSP基板の複数の切削予定ラインをアライメントするときに,上記切削装置におけるアライメント方法を効果的に適用できる。
また,上記切削装置におけるアライメント方法は,以下の第1〜第5のステップを含むようにしてもよい。第1ステップでは,複数の切削予定ラインの中からアライメント対象として選択された第1の切削予定ラインの一端部を撮像可能な位置に第1の撮像手段を配置するとともに,複数の切削予定ラインの中からアライメント対象として選択された第2の切削予定ラインの一端部を撮像可能な位置に第2の撮像手段を配置する。次いで,第2のステップでは,第1の撮像手段によって第1の切削予定ラインの一端部の座標を検出するとともに,第2の撮像手段によって第2の切削予定ラインの一端部の座標を検出する。さらに,第3のステップでは,第1の撮像手段および第2の撮像手段と被加工物とを切削予定ラインの方向に相対移動させることにより,第1の撮像手段を第1の切削予定ラインの他端部を撮像可能な位置に配置するとともに,第2の撮像手段を第2の切削予定ラインの他端部を撮像可能な位置に配置する。その後,第4のステップでは,第1の撮像手段によって第1の切削予定ラインの他端部の座標を検出するとともに,第2の撮像手段によって第2の切削予定ラインの他端部の座標を検出する。さらに,第5のステップでは,上記第1〜第4のステップを,アライメントの対象である他の切削予定ラインについて繰り返す。かかる構成により,切削予定ラインの一端部と他端部の座標を検出し,かかる両座標に基づいて,当該切削予定ラインの切削方向に対する傾きと,当該切削予定ラインの位置とを求めるアライメントを実行できる。かかるアライメントを,第1および第2の撮像手段を用いて第1および第2の切削予定ラインについて同時に実行できるので,第1および第2の撮像手段と被加工物とを相対移動させる回数とその移動量を低減して,アライメント作業の迅速化を図れる。
以上説明したように本発明によれば,2つの撮像手段を使用して2つの切削予定ラインのアライメントを同時に行うことができるので,アライメントに要する時間を短縮できる。特に,CSP基板などのように,加工面上の複数の切削予定ラインのすべて若しくは多数をアライメントする必要があるときに,アライメント作業を効率的に実行できる,
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかる切削装置として構成されたダイシング装置について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるダイシング装置を示す斜視図である。
図1に示すように,ダイシング装置10は,例えば,対向配置された第1の切削ユニット20aおよび第2の切削ユニット20bと,CSP基板12などの被加工物を保持するチャックテーブル30と,制御装置32と,表示装置34と,切削ユニット移動機構(図示せず。)と,チャックテーブル移動機構(図示せず。)と,を備える。このように,ダイシング装置10は,例えば,2つの切削ユニット20a,20bを具備するいわゆる対面型のデュアルダイサーとして構成されている。
本実施形態では,このダイシング装置10が切削加工する被加工物として,例えばCSP基板12の例を挙げて説明する。このCSP基板12は,上記図6(b)で説明したように,半導体デバイスであるCSPが縦横に等間隔に配された略矩形状を有する基板である。かかるCSP基板12は,上記CSPの間に位置する切削予定ライン(ストリート)に沿って切削加工され,複数のCSPチップに分割される。
以下に,このダイシング装置10の各部について詳細に説明する。
第1の切削ユニット20aは,本実施形態にかかる第1の切削手段として構成されている。この第1の切削ユニット20aは,図2に示すように,例えば,切削ブレード22aと,フランジ23aと,スピンドル24aと,スピンドルハウジング26aと,切削水供給ノズル27aと,ホイルカバー28aと,第1の撮像手段40aと,第3の撮像手段40cとを備える。
切削ブレード22aは,本実施形態にかかる第1の切削ブレードとして構成されており,略リング形状を有する極薄の切削砥石である。この切削ブレード22aは,フランジ23aによって両側から挟持されてスピンドル24aの一端部に装着される。スピンドル24aは,本実施形態にかかる第1のスピンドルとして構成されており,一端部に切削ブレード22aが装着され,他端部でスピンドルモータM1と連結されている。このスピンドル24aは,例えば,Y軸方向に延びるように配設されており,スピンドルモータM1が発生した回転駆動力によって切削ブレード24を高速回転させることができる。スピンドルハウジング26aは,スピンドル24aを回転可能に支持する。切削水供給ノズル27aは,加工点に切削水を供給して冷却する。ホイルカバー28aは,切削ブレード22aの外周を覆って切削水や切り屑などの飛散を防止する。
かかる構成の第1の切削ユニット20aは,切削ブレード22aを高速回転させながらCSP基板12に切り込ませることにより,CSP基板12の加工面を切削予定ラインに沿って切削して,極薄のカーフ(切溝)を形成することができる。なお,この切削予定ラインは,CSP基板12の縦方向(X軸方向)および横方向(Y軸方向)にそれぞれ略平行に複数配されており,切削予定ライン全体としては,CSP基板12上に略格子状の切削領域を形成している。
また,第1の切削ユニット20aには,第1の撮像手段40aが装着されている。この第1の撮像手段40aは,例えば,顕微鏡やCCDカメラ等で構成された可視光カメラなどである。この第1の撮像手段40aは,例えば,撮像倍率がミクロ倍率(例えば1.5〜7.5倍)に設定されており,CSP基板12表面の一部(後述するターゲット等)を上方から拡大して撮像することができる。この第1の撮像手段40aによる撮像画像は,表示装置34に表示することができる。かかる第1の撮像手段40aを用いてCSP基板12を撮像することにより,例えば,切削加工前には,CSP基板12の切削予定ラインをアライメントし,切削加工後には,CSP基板12に形成されたカーフをチェックすることができる。
さらに,第1の切削ユニット20aには,例えば,第3の撮像手段40cが装着されている。この第3の撮像手段40cも,例えば,顕微鏡やCCDカメラ等で構成された可視光カメラなどである。かかる第3の撮像手段40cは,例えば,撮像倍率がマクロ倍率(例えば0.75倍)に設定されており,CSP基板12全体を撮像してラフアライメント用の画像を出力することができる。
なお,上記第1および第3の撮像手段40a,40cは,例えば,スピンドルハウジング26aの切削方向前方(X軸正方向)側の側面に固定されているので,切削加工時に主に切削方向後方側に飛散する切削水や切り屑によって,第1および第3の撮像手段40a,40cが汚染することを防止できる。
第2の切削ユニット20bは,本実施形態にかかる第2の切削手段として構成されている。この第2の切削ユニット20aは,上記第1の切削ユニット20aと略同一の機能構成を有するので,その詳細説明は省略する。また,かかる第2の切削ユニット20bにも,上記第1の撮像手段40aと略同一の機能構成を有する第2の撮像手段40bが装着されている。
なお,本実施形態にかかる第2の切削ユニット20bには,例えば,上記第3の撮像手段40cに対応する撮像手段は設けられていない。しかし,かかる例に限定されず,例えば,上記第3の撮像手段40cを,第1の切削ユニット20aの代わりに,第2の切削ユニット20bに設けても良く,或いは,双方の切削ユニット20a,20bにそれぞれ設けてもよい。
切削ユニット移動機構は,例えば,電動モータなどから構成され,第1の切削ユニット20aおよび第2の切削ユニット20bを例えばY軸およびZ軸方向に同時若しくは個別に移動させることができる。この切削ユニット移動機構が切削ユニット20a,20bをZ軸方向に移動させることにより,CSP基板12に対する切削ブレード22a,22bの切り込み深さを調整することができる。また,この切削ユニット移動機構30が切削ユニット20a,20bをY軸方向に移動させることにより,例えば,CSP基板12上の切削予定ラインに切削ブレード22a,22bの刃先位置を合わせたり,切削予定ライン若しくはカーフ上に第1及び第2の撮像手段40a,40bを配置したりすることができる。
図1に戻り,チャックテーブル30は,例えば,真空チャック等を備えた略円盤状のテーブルであり,その上部に載置された被加工物を保持する。このチャックテーブル30は,例えば,ウェハテープ14を介してフレーム16に支持された状態のCSP基板12を,真空吸着して保持することができる。
チャックテーブル移動機構は,例えば,電動モータなどから構成され,チャックテーブル30をX軸およびY軸方向に移動させたり,回転させたりすることができる。これにより,切削加工前には,チャックテーブル30上に保持されたCSP基板12を,撮像手段40a,40bに対して切削予定ラインの方向(X軸方向)に平行移動させることができる。また,切削加工中には,CSP基板12の表面に例えば2つの切削ブレード22a,22bを切り込ませた状態で,当該CSP基板12を切削ユニット20a,20bに対して切削方向(X軸方向)に平行移動させることができる。
制御装置32は,例えばダイシング装置10の内部に配設され,例えば,CPU等で構成された演算処理装置と,ROM,RAM,ハードディスク等で構成され,各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と,を備える。この制御装置32は,オペレータの入力や予め設定されたプログラム等に基づいて,上記各部の動作を制御する機能を有する。また,この制御装置32は,切削予定ラインのアライメントを行うために,撮像手段40a,40bによる撮像画像をパターンマッチング処理等する画像処理手段(図示せず。)や,後述するアライメント情報の作成・記録処理などを実行するデータ処理手段(図示せず。)などとしても機能する。
以上のような構成のダイシング装置10は,高速回転させた切削ブレード22a,22bをCSP基板12に所定の切り込み深さで切り込ませながら,第1および第2の切削ユニット20a,20bとチャックテーブル30とを例えばX軸方向に相対移動させることができる。これにより,CSP基板12上の2つの切削予定ラインを同一ストロークで同時に切削加工することができる。かかる切削加工を同一方向の全ての切削予定ラインについて繰り返した後に,CSP基板12を例えば90°回転させ,新たにX軸方向に配された全ての切削予定ラインについて同様の切削加工を繰り返すことにより,CSP基板12をダイシング加工して,複数のCSPチップに分割することができる。
また,ダイシング装置10は,かかる切削加工に先立ち,CSP基板12の各切削予定ラインをアライメントすることができる。以下に,かかるダイシング装置10のアライメント動作について詳細に説明する。
まず,図3に基づいて,本実施形態にかかるダイシング装置10によってアライメントを行うときの,切削ユニット20a,20bと,CSP基板12との位置関係について説明する。なお,図3(a)および(b)は,本実施形態にかかるダイシング装置10によるアライメント時における,第1および第2の切削ユニット20a,20bとCSP基板12との位置関係を示す正面図および平面図である。
図3(a)に示すように,第1の切削ユニット20aと第2の切削ユニット20bは,切削ブレード22aの側面と切削ブレード22bの側面とが対峙するように,対向して配設されている。このとき,両切削ユニット20a,20bのスピンドル24a,24bの軸心が,例えば,略同一直線上となっている。かかる第1の切削ユニット20aには第1の撮像手段40aと第3の撮像手段40cとが装着されており,第2の切削ユニット20bには第2の撮像手段40bが装着されており,それぞれの撮像手段でCSP基板12の加工面を撮像可能である。なお,第1の撮像手段40aと第2の撮像手段40bの装着位置は,アライメント前に予め測定・調整されている。
このように配設された第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40bによって,図3(b)に示すように,CPS基板12上にX軸方向に略平行に配された2つの切削予定ラインL(第1の切削予定ラインLaおよび第2の切削予定ラインLb)を同時にアライメントする手順について説明する。なお,第1の切削予定ラインLaは,CSP基板12上に形成された複数の切削予定ラインのうち,第1の撮像手段40aによるアライメント対象となる1又は2以上のラインである。また,第1の切削予定ラインLaは,CSP基板12上に形成された複数の切削予定ラインのうち,第2の撮像手段40bによるアライメント対象となる1又は2以上のラインである。
まず,チャックテーブル30及び/又は切削ユニット20a,20bを,X軸及び/又はY軸方向に移動させて,図3(b)の二点鎖線で示すように,第1の撮像手段40aを第1の切削予定ラインLaの一端部付近にあるターゲットTaの直上に配置するとともに,第2の撮像手段40bを第2の切削予定ラインLbの一端部付近にあるターゲットTbの直上に配置する。このターゲットTとは,CSP基板12の表面上において,他の部分と識別できる特徴的なパターン形状を有しているため,アライメントの対象となり得る部分である。このターゲットは,対応する切削予定ラインLから所定距離だけ離れたパターン形状であることが一般的であるが,例えば,切削予定ラインL上に位置するパターン形状であってもよい。かかるターゲットTとしては,例えば,CSP基板12表面上の半導体デバイスおよびその周辺のパターン形状のみならず,CSP基板12の縁部や角部等の形状なども含む。
次いで,第1および第2の撮像手段40a,40bによって,それぞれのターゲットTa,Tbの画像を撮像して,画像処理およびパターンマッチング処理を行うことにより,各ターゲットTa,Tbの座標を求める。
さらに,例えばチャックテーブル30をX軸正方向に移動させることにより,第1および第2の撮像手段40a,40bを,切削予定ラインLa,Lbに沿ってCSP基板12をX軸方向に横切るように同時に相対移動させる。これにより,図3(b)の実線で示すように,第1の撮像手段40aを第1の切削予定ラインLaの他端部付近にあるターゲットTa’の直上に配置するとともに,第2の撮像手段40bを第2の切削予定ラインLbの他端部付近にあるターゲットTb’の直上に配置する。
その後,第1および第2の撮像手段40a,40bによって,上記と同様にして各ターゲットTa’,Tb’の座標を求める。以上のようにして,第1の切削予定ラインLaの両端付近にあるターゲットTa,Ta’の座標と,第2の切削予定ラインLbの両端付近にあるターゲットTb,Tb’の座標をそれぞれ検出できる。これにより,双方の切削予定ラインLa,LbのY軸方向の位置情報およびX軸方向(切削方向)に対する傾き(即ち,平行精度)を求めることができる。
以上のように,本実施形態にかかるダイシング装置10では,2つの切削ユニット20a,20bにそれぞれ装着された2つの撮像手段40a,40bを,2つの切削予定ラインLa,Lbに沿って同時に平行移動させて,その両端付近にあるターゲットTa,Ta’,Tb,Tb’の座標を検出することにより,2つの切削予定ラインLa,Lbのアライメントを同時に実行することができる。
次に,図4および図5に基づいて,上記のような本実施形態にかかるダイシング装置10を用いたアライメント方法について詳細に説明する。なお,図4は,本実施形態にかかるダイシング装置10におけるアライメント方法を示すフローチャートである。また,図5A〜Dは,本実施形態にかかるダイシング装置10におけるアライメント方法の各工程を説明するための工程図である。
図4に示すように,まず,ステップS100では,アライメントに必要な基準パターン形状が登録される(ステップS100)。本ステップはいわゆるティーチ工程である。具体的には,例えば,加工対象であるCSP基板12の基本データ(基板の種類,大きさ,厚さ,切削予定ライン間隔等)がオペレータによって入力され,その後,例えばCSP基板12のマスター基板を撮像手段40a等によって撮像し,CSP基板12上のターゲットの基準パターン形状および基準位置を,制御装置32の記憶部に記憶して登録する。この基準パターン形状は,例えば,マスター基板全体をマクロ倍率で撮像したマクロターゲットの基準パターン形状と,マスター基板の各切削予定ラインの例えば両端付近のパターン形状を撮像したミクロターゲットの基準パターンと,を含む。
次いで,ステップS102では,CSP基板12全体がラフアライメントされる(ステップS102)。本ステップでは,以下のステップS104〜S116における切削予定ラインLごとの詳細なアライメントに先立ち,実際に切削加工されるCSP基板12全体の大まかなアライメント(ラフアライメント)がなされる。このラフアライメントでは,まず,例えば第1の切削ユニット20aに装着されているマクロ倍率に設定された第3の撮像手段40cによって,CSP基板12全体の表面パターンをマクロターゲットとして撮像する。次いで,画像処理手段によって,撮像されたマクロターゲットと,上記ステップS102で記憶されているマクロターゲットの基準パターンとを比較して,パターンマッチング処理等を行う。これにより,チャックテーブル30上に載置されているCSP基板12の概略的な傾斜角度と位置とをアライメントして,かかる情報を記憶部に記憶することができる。
なお,本実施形態にかかるCSP基板12は,例えば,図5Aに示すように,短手方向には例えば6本の切削予定ラインL1〜L6が略平行に略等間隔で配されており,図5Dに示すように,長手方向には例えば4本の切削予定ラインL7〜L10が略平行に略等間隔で配されている。また,かかる切削予定ラインL1〜L10の両端部付近(CSP基板12表面の縁部近傍)には,それぞれ,CSP基板12の一側にターゲットT1〜T10,他側にT1’〜T10’が定められている。
次いで,以下のステップS104〜S116では,CSP基板12上の短手方向に配された切削予定ラインL1〜L6の例えば全てについて,詳細なアライメントが成される。
なお,図5Aに示すように,CSP基板12の加工面は,例えば,CSP基板12の短手方向に対して平行で,長手方向の中央部を通る第1の中央線CL1を境界として,一側の第1の領域と,他側の第2の領域とに半分に区分されている。本実施形態では,このように区分された第1の領域に含まれる切削予定ラインL4〜L6を,第1の撮像手段40aによってアライメントし,第2の領域に含まれる切削予定ラインL1〜L3を,第2の撮像手段40bによってアライメントするように構成されている。換言すると,切削予定ラインL4〜L6は,第1の撮像手段40aによるアライメント対象である第1の切削予定ラインLaとして構成されており,一方,切削予定ラインL1〜L3は,第2の撮像手段40bによるアライメント対象である第2の切削予定ラインLbとして構成されている。以下に,かかる切削予定ラインL1〜L6のアライメントの詳細について説明する。
まず,ステップS104では,第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40bが,それぞれ,最初の切削予定ラインL上に配置される(ステップS104)。本実施形態では,例えば,第1の撮像手段40aを用いて切削予定ラインL4→L5→L6の順にアライメントし,第2の撮像手段40bを用いて切削予定ラインL1→L2→L3の順にアライメントする。従って,第1の撮像手段40aが最初にアライメントするのは,切削予定ラインL4であり,第2の撮像手段40bが最初にアライメントするのは,切削予定ラインL1である。
そこで,本ステップでは,例えば,上記切削ユニット20a,20b及び/又はチャックテーブル30を,X軸及び/又はY軸方向に移動させることにより,第1の撮像手段40aを切削予定ラインL4の一端部付近のターゲットT4上に配置するとともに,第2の撮像手段40bを切削予定ラインL1の一端部付近のターゲットT1上に配置する。この結果,図5Aに示すように,第1の撮像手段40aの撮像領域(視野)42aは,ターゲットT4を含む領域となり,第2の撮像手段40bの撮像領域42bは,ターゲットT1を含む領域となる。
次いで,ステップS106では,切削予定ラインL1及びL4の一端部にあるターゲットT1及びT4の座標位置が検出される(ステップS106)。具体的には,まず,第1の撮像手段40aによって撮像領域42a内のターゲットT4を撮像するとともに,第2の撮像手段40bによって撮像領域42b内のターゲットT1を撮像する。次いで,制御装置32によって,ターゲットT4の撮像画像と,上記ステップS102で記憶されているターゲットT4に相当するミクロターゲットの基準パターンとを比較して,パターンマッチング処理を行う。これにより,実際のCSP基板12上でのターゲットT4の座標位置を検出できる。また,同様にして,第2の撮像手段40bによる撮像画像に基づいて,ターゲットT1の座標位置も検出できる。このようにして,本ステップでは,2つの撮像手段40a,40bを用いて,切削予定ラインL4及びL1の一側にある2つのターゲットT4及びT1の座標位置が,例えば同時に検出される。
さらに,ステップS108では,第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40aが,CSP基板12に対して切削予定ラインL方向(X軸方向)に相対移動される(ステップS108)。具体的には,CSP基板12を保持しているチャックテーブル30を,X軸正方向に所定距離(切削予定ラインLの一端部のターゲットTと他端部のターゲットT’との距離)だけ移動させる。これにより,第1の撮像手段40aは,CSP基板12に対して切削予定ラインL4に沿って相対移動して,ターゲットT4’上に配置される。一方,第2の撮像手段40bは,CSP基板12に対して切削予定ラインL1に沿って相対移動して,ターゲットT1’上に配置される。この結果,図5Bに示すように,第1の撮像手段40aの撮像領域42aは,ターゲットT4’を含む領域となり,第2の撮像手段40bの撮像領域42bは,ターゲットT1’を含む領域となる。このように,本ステップでは,2つの撮像手段40a,40bが,切削予定ラインL4,L1の一側から他側に向けて同時にスライドするようにして,ターゲットT4’,T1’を撮像可能な位置に配置される。
その後,ステップS110では,切削予定ラインL1及びL4の他端部付近にあるターゲットT1’,T4’の座標位置が検出される(ステップS110)。具体的には,上記ステップS106と同様にして,第1および第2の撮像手段40a,40bによって,ターゲットT4’及びT1’をそれぞれ撮像した後,制御装置32によってパターンマッチング処理等することにより,ターゲットT4’及びT1’の座標位置がそれぞれ検出される。
次いで,ステップS112では,切削予定ラインL1及びL4についてのアライメント情報が,例えば制御装置32の記憶部に記憶される(ステップS112)。具体的には,例えば,制御装置32のデータ処理手段は,上記ステップS106およびS110で検出された切削予定ラインL4(若しくはL1)の両端付近のターゲットT4及びT4’(若しくはT1及びT1’)のY座標値に基づいて,調整角度θおよび調整Y座標値などを算出する。この調整角度θは,切削予定ラインLと切削方向(X軸方向)とのなす角度であり,この角度が大きいほど切削予定ラインLの平行精度が悪いことを意味する。また,上記調整Y座標値は,上記調整角度θだけチャックテーブル30を回転させたときの当該切削予定ラインLのY座標値である。従って,当該切削予定ラインLの実際の切削加工時には,上記調整角度θだけチャックテーブル30を回転させるとともに,上記調整Y座標値が表す位置に切削ブレード22aまたは22bを配置して切削することにより,チップ領域を損傷することなく当該切削予定ラインLに沿ってCSP基板12を好適に切削できる。
このように,制御装置32のデータ処理手段は,切削予定ラインL4及びL1ついて,調整角度θおよび調整Y座標値をそれぞれ算出し,算出した調整角度θおよび調整Y座標値を切削予定ラインL4及びL1についてのアライメント情報として,例えば制御装置32の記憶部にそれぞれ記憶する。このように記憶されたアライメント情報は,当該切削予定ラインL4,L1の切削時に随時読み出され,切削ブレード22a,22bと当該切削予定ラインL4,L1との位置合わせの基準となる。
以上までのステップS106〜S112までで,切削予定ラインL4およびL1のアライメントが終了する。
次いで,ステップS114では,同一方向の全ての切削予定ラインL1〜L6のアライメントが終了したか否かが判断される(ステップS114)。全ての切削予定ラインL1〜L6のアライメントが終了していると判断された場合には,ステップS118に進み,一方,終了していないと判断された場合には,ステップS116に進む。
さらに,ステップS116では,第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40aが,CSP基板12に対してX軸およびY軸方向に相対移動される(ステップS116)。より詳細には,CSP基板12を保持しているチャックテーブル30をX軸およびY軸方向に移動させることにより,第1及び第2の撮像手段40a,40bを,CSP基板12に対して相対移動させ,次にアライメントされる第1及び第2の切削予定ラインLa,Lbの一端部付近のターゲットT上にそれぞれ配置する。
具体的には,上記のように,切削予定ラインL4及びL1の組のアライメントが終了している場合には,次に,切削予定ラインL5及びL2の組についてのアライメントがなされる。このため,第1の撮像手段40aは,切削予定ラインL5の一端部付近のターゲットT5上に配置され,第2の撮像手段40bは,切削予定ラインL2の一端部付近のターゲットT2上に配置される。この結果,図5Cに示すように,第1の撮像手段40aの撮像領域42aは,ターゲットT5を含む領域となり,第2の撮像手段40bの撮像領域42bは,ターゲットT2を含む領域となる。
以後は,上記ステップS106〜S112と同様にして,第1及び第2の撮像手段40a,40bによって,切削予定ラインL5及びL2の組のアライメントが同時に行われる。切削予定ラインL5及びL2の組のアライメント終了後には,さらに,上記ステップS116,S106〜S112と同様にして,次の切削予定ラインL6及びL3の組が同時にアライメントされる。この結果,CSP基板12上の短手方向の全ての切削予定ラインL1〜L6のアライメントが終了するため,ステップS114によりステップS118に進む。
なお,このように複数組の切削予定ラインL(即ち,L4とL1の組,L5とL2の組,L6とL3の組)を順次アライメントする際に,第1の撮像手段40aと第2の撮像手段40bとの間隔(Y軸方向の距離)を変更する必要はない。これは,本実施形態にかかるCSP基板12上では,切削予定ラインL1〜L6は略等間隔に配されているので,切削予定ラインL1とL4との間隔,切削予定ラインL2とL5との間隔,および切削予定ラインL3とL6との間隔が,略同一であるからである。このため,第1の撮像手段40aと第2の撮像手段40bを,次にアライメントする切削予定ラインLの組に位置合わせする際(ステップS116)に,第1の撮像手段40aと第2の撮像手段40bとを,両者の間隔を維持したまま共にスライドさせるだけで,各切削予定ラインLの組に容易に位置合わせができる。
次いで,ステップS118では,CSP基板12が例えば90°回転される(ステップS118)。即ち,チャックテーブルを90°回転させることによって,CSP基板12を第1及び第2の切削ユニット20a,20bに対して90°回転させる。これにより,図5Dに示すように,上記短手方向の切削予定ラインL1〜L6に対して直交している長手方向の切削予定ラインL7〜L10が,X軸方向に対して略平行となるように,CSP基板12の向きを変えることができる。
その後,ステップS120では,長手方向の切削予定ラインL7〜10について,上記ステップS104〜S116と同様にして,第1及び第2の撮像手段40a,40bによって2つずつ同時にアライメントされる(ステップS120)。具体的には,図5Dに示すように,CSP基板12の加工面は,例えば,CSP基板12の長手方向に対して平行で,短手方向の方向の中央部を通る第2の中央線CL2を境界として,一側の第1の領域と,他側の第2の領域とに半分に区分されている。本実施形態では,このように区分された第1の領域に含まれる切削予定ラインL9及びL10を,第1の撮像手段40aによってアライメントし,一方,第2の領域に含まれる切削予定ラインL7及びL8を,第2の撮像手段40bによってアライメントする。この場合,例えば,まず,図5Dに示すように,第1及び第2の撮像手段40a,40bを切削予定ラインL9,L7の一端部付近のターゲットT7,T9上にそれぞれ配置し,次いで,撮像手段40a,40bによって2つの切削予定ラインL9及びL7を,上記ステップS106〜S112と同様にして同時にアライメントし,さらに,第1及び第2の撮像手段40a,40bを切削予定ラインL10,L8の他端部付近のターゲットT10,T8上に移動させ,その後,2つの切削予定ラインL10及びL8を上記と同様にして同時にアライメントする。
上記のようして,CSP基板12上の2方向の全ての切削予定ラインL1〜L10についてのアライメントが完了し,本実施形態にかかる切削装置におけるアライメント方法のすべてのステップが終了する。
以上のように,本実施形態にかかる切削装置におけるアライメント方法では,2つの切削ユニット20a,20bにそれぞれ装着された2つの撮像手段40a,40bを用いて,略平行な2つの切削予定ラインLを同時にアライメントできる。このため,CSP基板12などのように切削予定ラインLの平行精度が低いため,すべての切削予定ラインLをアライメントする,或いは何ラインか毎に複数の切削予定ラインLをアライメントする必要がある場合に,撮像手段40a,40bをX軸およびY軸方向に移動させる回数および移動量を半減できる。従って,複数の切削予定ラインLのアライメントを迅速に行うことができるので,アライメントに要する時間を大幅に低減できる。具体的には,本実施形態のように2つの切削予定ラインLを同時にアライメントするために必要な時間は,例えば約6秒程度であり,従来のように2つの切削予定ラインを1つずつアライメントしていた場合に要する時間(約10秒)と比して,ほぼ半減している。このように,アライメント作業を迅速化することにより,CSPチップの生産性を向上させることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,ダイシング装置10の被加工物としてCSP基板12の例を挙げて説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。被加工物は,複数の切削予定ラインL(ストリート)を有する基板であれば,例えば,半導体ウェハ(シリコンウェハ等),GPS基板,BGA基板,ガラス基板,石英板,サファイア基板,セラミックス材,金属材などであってもよい。
また,上記実施形態では,CSP基板12上の全ての切削予定ラインLについてアライメントする例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,被加工物上の複数の切削予定ラインLを,1,2,…,n本おきに順次アライメントする,或いは任意に抽出した特定の複数の切削予定ラインLを順次アライメントするなどしてもよい。これにより,全ての切削予定ラインLをアライメントする場合よりも,迅速にアライメントを実行することができる。
また,上記実施形態では,ミクロ倍率に設定された撮像手段(即ち,第1の撮像手段40aおよび第2の撮像手段40b)と,マクロ倍率に設定した撮像手段(即ち,第3の撮像手段40c)とをそれぞれ別途に設置したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,1つの撮像手段の倍率をミクロとマクロに切り替え可能に構成してもよい。なお,実際には,撮像手段の倍率の調整には精度が要求されるため,上記実施形態のように倍率を固定した撮像手段を別途設ける方が好ましい。
また,上記実施形態では,切削予定ラインLの両端付近のターゲットT,T’の座標値に基づいて算出した調整角度θおよび調整Y座標値を,当該切削予定ラインLについてのアライメント情報として記憶したが,本発明は,かかる例に限定されない。アライメント情報は,アライメントされた切削予定ラインLの位置を特定できる情報であれば,如何なる情報であってもよい。例えば,切削予定ラインLの両端付近のターゲットT,T’の座標値自体を,アライメント情報として記録しておき,切削加工時に当該座標値を読み出して,上記調整角度θおよび調整Y座標値などを演算するようにしてもよい。
本発明は,切削装置におけるアライメント方法に適用可能であり,特に,CSP基板等といった切削予定ラインの平行精度の低い被加工物を切削加工する切削装置におけるアライメント方法に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる第1の切削ユニットを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置によるアライメント時における,第1及び第2の切削ユニットとCSP基板との位置関係を示す正面図および平面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置におけるアライメント方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置におけるアライメント方法のステップS104等を説明するための工程図である。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置におけるアライメント方法のステップS108等を説明するための工程図である。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置におけるアライメント方法のステップS116等を説明するための工程図である。 本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置におけるアライメント方法のステップS118等を説明するための工程図である。 切削装置の被加工物である半導体ウェハ(a)およびCSP基板(b)を示す平面図である。
符号の説明
10 : ダイシング装置
12 : CSP基板
20a : 第1の切削ユニット
20b : 第2の切削ユニット
22a,22b : 切削ブレード
24a,24b : スピンドル
30 : チャックテーブル
32 : 制御装置
40a : 第1の撮像手段
40b : 第2の撮像手段
40c : 第3の撮像手段
42a : 第1の撮像手段の撮像領域
42b : 第2の撮像手段の撮像領域
La : 第1の切削予定ライン
Lb : 第2の切削予定ライン
L1〜L10,L : 切削予定ライン
T1〜T10,T1’〜T10’,T,T’ : ターゲット
CL1,CL2 : 中央線

Claims (3)

  1. 第1のスピンドルと前記第1のスピンドルの一端部に装着された第1の切削ブレードとを有する第1の切削手段と,第2のスピンドルと前記第2のスピンドルの一端部に装着された第2の切削ブレードとを有する第2の切削手段と,被加工物を保持するチャックテーブルと,前記第1の切削手段に装着された第1の撮像手段と,前記第2の切削手段に装着された第2の撮像手段とを具備し,前記第1の切削ブレードと前記第2の切削ブレードとが対向するように前記第1の切削手段および前記第2の切削手段が配設された切削装置におけるアライメント方法において;
    前記第1の撮像手段および前記第2の撮像手段によって,前記被加工物の複数の切削予定ラインのうちの2つを同時にアライメントすることを特徴とする,切削装置におけるアライメント方法。
  2. 前記被加工物の加工面を,一側の第1の領域と他側の第2の領域とに区分し,
    前記第1の撮像手段によって,前記第1の領域に含まれる複数の前記切削予定ラインを順次アライメントすると同時に,前記第2の撮像手段によって,前記第2の領域に含まれる複数の前記切削予定ラインを順次アライメントすることを特徴とする,請求項1に記載の切削装置におけるアライメント方法。
  3. 前記被加工物は,CSP基板であることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の切削装置におけるアライメント方法。
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