JP2005082005A - 自動車用ガラスウエザストリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】 自動車用ガラスウエザストリップにおいて、自動車の窓ガラスが開閉される際に、充分な低摺動性を長期間維持することができるガラスウエザストリップを提供する。
【解決手段】 自動車の開閉する窓ガラス2を保持又はシールするために使用する自動車用ガラスウエザストリップにおいて、ガラスウエザストリップ10は、窓ガラス2がガラスウエザストリップ10と摺動する部分では、基材層と、基材層の上面に設けられ窓ガラスが摺動する表面層13b、14b、15bの少なくとも2層から形成され、基材層は、表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマーから構成され、表面層は、基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散された熱可塑性エラストマーから構成されたことを特徴とする自動車用ガラスウエザストリップである。
【選択図】 図2
【解決手段】 自動車の開閉する窓ガラス2を保持又はシールするために使用する自動車用ガラスウエザストリップにおいて、ガラスウエザストリップ10は、窓ガラス2がガラスウエザストリップ10と摺動する部分では、基材層と、基材層の上面に設けられ窓ガラスが摺動する表面層13b、14b、15bの少なくとも2層から形成され、基材層は、表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマーから構成され、表面層は、基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散された熱可塑性エラストマーから構成されたことを特徴とする自動車用ガラスウエザストリップである。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動車の窓ガラスと、ドアまたは車体との間をシールするとともに、窓ガラスが開閉される際に、窓ガラスと当接して摺動する部分を有する自動車用ウエザストリップに関する。
自動車の窓ガラスは、車室内の換気等のために開閉される。このとき、開閉のために昇降したりスライドする窓ガラスを保持して、窓ガラスと自動車のドアや車体との間をシールするために、ドアガラスラン、アウターウエザストリップ、インナーウエザストリップ等の自動車用ガラスウエザストリップが使用されている。
窓ガラスは、開閉される際に昇降したりスライドしたりして、自動車用ガラスウエザストリップのシールリップ部分と摺動する。この摺動時に窓ガラスとガラスウエザストリップとの摩擦抵抗が大きいと窓ガラスが開け難く、窓ガラスの開閉に無理な力がかかったり、異音が発生したりする。さらにガラスウエザストリップの表面が磨耗して、窓ガラスの表面を汚染したりして、シール性が低下したりする。このため、ガラスウエザストリップの表面の窓ガラスとの摺動部分に摩擦力を低下させる処理を施していた。
例えば、ガラスウエザストリップの表面にナイロン等の短繊維を接着剤で植毛することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。この場合は、ガラスウエザストリップの表面に植毛する工程が手間がかかるとともにコストを上げていた。さらに、植毛のためにガラスウエザストリップに接着剤を塗布するが、この接着剤が他の部分にはみ出す場合があり見栄えが良くなかった。さらに、長時間使用すると植毛の間にごみや小石が挟まり、窓ガラスと擦れて傷ついたり異音が発生したり、植毛がはがれたり接着剤が剥離したりする場合があった。
また、ガラスウエザストリップの表面にウレタン系あるいはシリコーンの摩擦抵抗の低い塗料を塗布する場合もある。この場合にも塗料を塗布する工程が余分に必要となり手間がかかるとともに、コストアップの要因となっていた。そして、この塗料を塗布しても、長期間の使用により、塗料が磨耗して基材が表面に出てしまい、十分な耐久性がなかった。これは、塗料の場合、十分な厚みを得ることが難しいことに起因している。
さらに、低摩擦性の材料であるポリオレフィン系、ナイロン系の樹脂に、雲母、モリブデン黒鉛等の無機物の粉体又は粒子を混入したり、ナイロン、ウレタン、ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の樹脂の粉体又は粒子を混入した樹脂層を基材の表面に同時押出成形することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この場合、樹脂層の表面には粉体又は粒子によって不規則な凹凸が形成されて、ガラス面との接触面積が小さくなって、ガラスの摺動抵抗を下げていた。しかしながら、この場合に混入する粉体または粒子は略円形や多面体の外形を有しているため、長期間使用されると樹脂層が窓ガラスにより磨耗されて、その粉体または粒子が樹脂層の表面から露出し、さらに磨耗が進むと掘り出されて、樹脂層から脱落されやすく、長期の充分な低摩擦性が得られなかった。
特開平5−305815号公報
特開平8−25452号公報
そこで、本発明は、窓ガラスをシールするとともに窓ガラスの昇降を保持する部分に使用される自動車用ガラスウエザストリップにおいて、自動車の窓ガラスが開閉される際に、充分な低摺動性を長期間維持することができるガラスウエザストリップを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車の開閉する窓ガラスを保持又はシールするために使用する自動車用ガラスウエザストリップにおいて、ガラスウエザストリップは、窓ガラスがガラスウエザストリップと摺動する部分では基材層と、基材層の上面に設けられ窓ガラスが摺動する表面層の少なくとも2層から形成され、基材層は、表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマー、もしくは、ソリッドまたは微発泡のエチレン・プロピレンゴム(EPDM)から構成され、表面層は、基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散されて表面に凹凸が形成された熱可塑性エラストマーから構成されたことを特徴とする自動車用ガラスウエザストリップある。
請求項1の本発明では、窓ガラスがガラスウエザストリップと摺動する部分では基材層と、基材層の上面に設けられ窓ガラスが摺動する表面層の少なくとも2層から形成されているため、窓ガラスとの摺動性とドアフレームや車体等に対する柔軟性の両方を満たすことのできるガラスウエザストリップを得ることができる。即ち、基材層は、表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマー、もしくは、ソリッドまたは微発泡のエチレン・プロピレンゴム(EPDM)から構成されているため、ガラスウエザストリップ全体としては柔軟性を有することができ、ドアフレームや車体等の形状に沿ってガラスウエザストリップを装着することができる。
また、窓ガラスが摺動する表面層は、基材層よりも硬質の熱可塑性エラストマーで形成されているため、窓ガラスとの摺動抵抗を下げることができ、磨耗も減らすことができる。さらに、表面層には短繊維が混入分散されているので、その表面には、短繊維によって凹凸が形成され、窓ガラスの端面や表面との接触面積を減らして、窓ガラスとガラスウエザストリップとの摺動抵抗を一層低下させることができる。そして、表面層の凹凸が窓ガラスの摺動により磨耗によって減少させられ、短繊維の一部が表面に露出したとしても、短繊維の方が表面層よりも硬質のため、摺動抵抗が上がることがなく、さらに、短繊維の大部分は表面層の中に埋め込まれているため、粉体や粒状物と異なり、窓ガラスの摺動により表面層から掘り出されて離脱することがないので、表面層の低摺動性を長期間維持することができる。
請求項2の本発明は、短繊維は、フッ素樹脂繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、炭素繊維、ガラス繊維のいずれか一種又は複数種混合された繊維である自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項2の本発明では、フッ素樹脂繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、炭素繊維、ガラス繊維のいずれか一種又は複数種混合された繊維であるため、表面に露出したとしても、窓ガラスとの摺動抵抗が低く、磨耗にも強く、耐久性に優れており、窓ガラスの開閉をスムースにすることができ、長期間にわたりガラスウエザストリップの表面層の磨耗を防止することができる。
請求項3の本発明は、短繊維は、直径が5μm〜30μmで、長さが100μm〜1000μmである自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項3の本発明では、短繊維は、直径が5μm〜30μmであるため、短繊維が表面層の摺動面に露出したとしても窓ガラスと摺動するときに、摺動抵抗を減少させるに必要な十分な太さであるとともに、短繊維の剛性が強く表面層の硬度を大きくすることができる。また、長さが100μm〜1000μmであるため、熱可塑性エラストマーに混入するのに混入時の抵抗が大きくなり過ぎない長さであるとともに、混入後に窓ガラスと摺動するときに、熱可塑性エラストマーから抜け出し難い十分な長さである。また、押出成形時に、短繊維が長手方向に配合されがちとなるので、表面層の摺動面に長手方向に沿って凸状が形成され、長手方向の摺動抵抗を小さくすることができる。もちろん、短繊維は上記の大きさのため、大部分が表面層内に埋設されているので、容易に脱落することがなく、充分な低摺動性を長期間維持することができる。
請求項4の本発明は、短繊維は、混入分散される表面層の材料よりも融点が高い自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項4の本発明では、短繊維は、混入分散される表面層の材料よりも融点が大きいため、混入分散時の熱で熱可塑性エラストマーに溶解することなく、混入後も繊維の状態を維持することができ、表面層の摺動抵抗を減少させることができるとともに長尺状のままであり、表面層から容易に短繊維が抜け落ちることがない。
請求項5の本発明は、基材層の硬度は、JISAタイプスプリング硬度Hs60°〜85°であり、表面層の硬度は、ショアーDタイプ硬度35°〜50°である自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項5の本発明では、基材層の硬度は、JISAタイプスプリング硬度Hs60°〜85°であるため、ガラスウエザストリップの大部分を占める基材層がやわらかく、ガラスウエザストリップをドアフレームや車体に装着する際に、その形状に沿って装着することができ、装着作業も容易である。また、装着後も窓ガラスに柔軟性を持って当接することができるため、シール性に優れている。表面層の硬度は、ショアーDタイプ硬度35°〜50°であるため、窓ガラスと摺動する部分の硬度が高く窓ガラスとの摺動抵抗を低くすることができ、磨耗も少なくすることができる。また、表面層のみ硬度が高いため、ガラスウエザストリップの全体の柔軟性を損なうことがない。
請求項6の本発明は、基材層をオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)とした場合軟化剤を含むEPDMゴム分を60重量部〜85重量部とポリプロピレン樹脂を40重量部〜15重量部混練したTPOをベースの材料とし、表面層は軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂を70重量部〜40重量部からなるTPO100重量部に対して、少なくとも短繊維を含む充填剤を2〜10重量部混練したものである自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項6の本発明では、基材層のTPOが軟化剤を含むEPDMゴム分を60重量部〜85重量部とポリプロピレン樹脂を40重量部〜15重量部混練したTPOをベースの材料としているため、EPDMゴム分が多く十分な柔軟性を有している。また、EPDMゴムとポリプロピレン樹脂を混練したものであるため、耐候性がよく、両方の材料は相溶性がよく、混練が容易である。表面層は軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂を70重量部〜40重量部を混練したものからなるTPO100重量部に対して少なくとも短繊維を含む充填材を2〜10重量部混練したものであるため、オレフィン系の基材層と同種類のオレフィン系の材料であり、基材層と密着性がよく、基材層がTPOの場合には、表面層を同時に押出すことが容易である。表面層に短繊維を含む充填材を2〜10重量部混練したものであるため、表面層の表面に凹凸が形成され、仮に、摩擦抵抗の低い短繊維が摺動表面に露出したとしても、表面層の摺動抵抗を減少させることができ、短繊維と併せて滑材等を混入した場合には、より一層摺動抵抗を下げることができる。2重量部以上混入したため、十分な低摺動性を得ることができるとともに、10重量部以下であるため、柔軟性があり押出成形等も容易であり、型成形接続時においても、接続面の接合強度に影響を与えない。
請求項7の本発明は、ガラスウエザストリップは、自動車ドアフレームの内周に取り付けられる底壁と相対向する両側壁からなる断面略U字形の本体部と、両側壁の先端からU字形の内部方向に相互に対向するように斜めに延設されるシールリップ部からなるガラスランであり、少なくともシールリップ部の対向面と底壁の内面に表面層が設けられた自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項7の本発明では、ガラスウエザストリップは、底壁と相対向する両側壁からなる断面略U字形の本体部と、シールリップ部からなるガラスランであり、少なくともシールリップ部の対向面と底壁の内面に表面層が設けられた自動車用ガラスウエザストリップであるため、断面略U字形の内部をドアガラスが昇降するときに、ドアガラスが摺動するシールリップ部の表面層の摺動抵抗を減少させることができる。このため、ドアガラスの昇降がスムースであり、昇降時に異音が発生することがない。さらに、シールリップ部の基材層は十分な柔軟性を有するため、ドアガラスを保持することができるとともに、シールリップ部がドアガラスに確実に当接することができ、シール性が良い。さらに、ドアフレームの形状に沿って容易に装着することができる。
請求項8の本発明は、前記表面層は、軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂分を70重量部〜40重量部からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO) 100重量部に対して、少なくとも短繊維と滑材を含む充填剤を2〜10重量部混練したものであり、その表面には、前記短繊維により凹凸が形成されてなる自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項8の本発明では、表面層の軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂分を70重量部〜40重量部からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)100重量部に対して、少なくとも短繊維と滑材を含む充填剤を2〜10重量部混練したものである。そのため、その表面には、前記短繊維により凹凸が形成され、窓ガラスとの接触面積を減らしている。また、前記短繊維を被覆しているTPOには、滑材が含まれているので、TPO単体のものよりも摺動抵抗を低くすることができる。
請求項9の本発明は、表面層の短繊維と滑材を含む充填剤は、短繊維と滑材を略同量の割合で含み、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)に混練されている自動車用ガラスウエザストリップである。
請求項9の本発明では、表面層のTPOに配合される短繊維と滑材の割合が略同量づつ混練されているので、凹凸の初期の磨耗は、TPO中の滑材によって抑制され、短繊維の一部が露出した後の磨耗は、この短繊維によって、抑制することができる。
本発明は、自動車用ガラスウエザストリップにおいて、少なくとも表面層が基材層よりも硬質であって、短繊維が混入分散されて表面に凹凸が形成された熱可塑性エラストマーによって構成されているので、窓ガラスの摺動に対する摺動抵抗を充分に低い状態で、長期間維持することができる。すなわち、初期の段階では、上記TPOの凹凸部分での接触面積を減らしたことにより、低摺動性を維持し、上記凹凸が磨耗して短繊維の一部が露出したとしても、短繊維の低摺動性により、低摺動性を維持することができる。しかも、短繊維は大部分が表面層内に埋設されているので、表面層から容易に脱落することがなく、これにより、表面層の低摺動性を長期間維持することができる。なお、短繊維は、直径が5μm〜30μmで、長さが100μm〜1000μmのものが好ましく、表面層は、軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂分を70重量部〜40重量部からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)100重量部に対して、少なくとも短繊維と滑材を含む充填剤を2〜10重量部混練したものが好ましく、さらに、表面層のTPOに配合される短繊維と滑材の割合が略同量づつ混練されているものが好ましい。このように構成することにより、短繊維の表面層からの脱落をより防止でき、滑材の付与によりさらに低摺動性を長期間維持することができるとともに、耐磨耗性も向上させることができる。
本発明の実施の形態を図1から図3に基づき説明する。本発明は、自動車の窓ガラスが開閉される際に、窓ガラスをシールするとともに窓ガラスの昇降を保持する部分に使用され、窓ガラスが開閉される際に窓ガラスと摺動する部分を有する自動車用ウエザストリップに関するものである。ドアの窓ガラスの昇降をシールするドアガラスウエザストリップを例にとり説明するが、他のガラスウエザストリップ、例えば車体に取付けられたスライド窓ガラス用のガラスウエザストリップにも使用することができる。
図1は、自動車のドア1の正面図である。まず第1の実施の形態として、ドアフレーム3の内周面に装着されるガラスウエザストリップであるガラスラン10について説明する。図2は、図1のI―I線に沿った断面図である。ガラスラン10は、ドアフレーム3の内周に設けられたチャンネル4に嵌め込まれて装着される。ガラスラン10は、車外側側壁11、底壁13及び車内側側壁12からなる本体部が断面略U字形をなしている。車外側側壁11の先端から断面略U字形の内部に向かい斜めに車外側シールリップ14が延設されている。同様に、車内側側壁12の先端から断面略U字形の内部に向かい斜めに車内側シールリップ15が延設されている。この車外側シールリップ14と車内側シールリップ15は、断面略U字形の内部で向かい合って、それぞれの外面が対向面をなしている。この対向面の間に窓ガラス2が装着されている。
ガラスラン10において、ドアフレーム3の上辺に装着される部分では、窓ガラス2の先端が昇降するときに、その窓ガラス2が上昇して窓が閉じられる最後のときに、車外側シールリップ14と車内側シールリップ15の対向面の間に窓ガラス2の先端が入る。また、ドアフレーム3の横の縦辺に装着される部分では、窓ガラス2が昇降するときは、窓ガラス2の昇降につれて、窓ガラス2の側端が車外側シールリップ14と車内側シールリップ15の間を摺動して、移動する。
このとき、窓ガラス2の先端や側端が摺動する底壁13の内面、車外側シールリップ14と車内側シールリップ15の対向面には表面層13b、14b、15bが後述するように一体に設けられている。この表面層13b、14b、15bは、ガラスラン10の他の部分である基材層よりも硬質であり、短繊維が混入分散されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO、以下、TPOと略す)によって構成されている。このため、表面層13b、14b、15bの摺動抵抗を低くすることができる。
次に、ガラスラン10の材料について説明する。ガラスラン10の表面層以外の他の部分である基材層の材料は、軟質の熱可塑性エラストマー、もしくは、ソリッド又は微発泡のエチレン・プロピレンゴム(EPDMゴム)から構成されている。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーが含まれるがTPOが好ましい。TPOとしては、例えば、軟化剤を含むEPDMゴム分を60重量部〜85重量部と、ポリプロピレン樹脂分を40重量部〜15重量部混練してTPO100重量部をベース材料としたものが好ましい。そして基材層の硬度は、JISAタイプスプリング硬度60°〜85°であることが好ましい。具体的には例えば、軟化剤を含むEPDMゴム分を70重量部とポリプロピレン樹脂を30重量部、混練したものである。そして基材層の硬度は、JISAタイプスプリング硬度70°である。
基材層にTPOを使用すると耐候性に優れ、安価なガラスウエザストリップを得ることができ、好ましい。EPDMゴム分を60重量部以下として、ポリプロピレン樹脂を40重量部以上の混練にすると、JISAタイプスプリング硬度が85°以上になり、ガラスラン10が硬くなり、ガラスラン10のシールリップ14,15の柔軟性が低くなりシール性が低下するとともに、チャンネル4に嵌め込む時に嵌め込み難くなる。EPDMゴム分を85重量部以上として、ポリプロピレン樹脂を15重量部以下の混練にすると、JISAタイプスプリング硬度が60°以下になり、ガラスラン10が軟らかくなり、チャンネル4に嵌め込んだ時に、十分な剛性が得られなくなり、チャンネル4から外れ易くなる。また、窓ガラス2の昇降時に、シールリップ14,15が窓ガラス2に巻き込まれ易くなる。なお、基材層の材料としては、JISAタイプスプリング硬度が60°〜80°のソリッド又は微発泡のエチレン・プロピレンゴム(EPDMゴム)でも良い。EPDMゴムはオレフィン系のため、表面層をTPOとした場合に、両者の接合が良好となる。
底壁13、車外側シールリップ14と車内側シールリップ15の表面の表面層13b、14b、15bの材料は、熱可塑性エラストマーから構成されている。しかし、基材層の材料よりも硬質である。この熱可塑性エラストマーとしては、基材層と同様にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーが含まれるがTPOが好ましい。なお、基材層の材料と同質の材料を選択することが、基材層と表面層の密着性を向上させることからも好ましい。
表面層の材料は、例えば、軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂を70重量部〜40重量部混練したものからなるTPO100重量部に対して、少なくとも短繊維と滑材とを含む充填材を2〜10重量部混練したものであり、短繊維と滑材とが略同量ずつ配合されているものが好ましい。そして表面層の硬度は、ショアーDタイプ硬度35°〜50°が好ましい。具体的には例えば、EPDMゴム分を40重量部とポリプロピレン樹脂を60重量部、混練したものである。そして基材層の硬度は、ショアーDタイプ硬度40°である。
表面層にTPOを使用すると基材層のTPOもしくはEPDMゴムとの密着性に優れ、押出成形が容易であり、好ましい。なお、EPDMゴム分を30重量部以下として、ポリプロピレン樹脂を70重量部以上の混練にすると、ショアーDタイプ硬度が50°より大きくなり、シールリップ14、15の表面層が硬くなりすぎて、ガラスラン10のシールリップ14,15の柔軟性が低下して、シール性が低下する恐れがある。EPDMゴム分を60重量部以上として、ポリプロピレン樹脂を40重量部以下の混練にすると、ショアーDタイプ硬度が35°より小さくなり、シールリップ14、15の表面層が柔らかくなり、ガラスラン10のシールリップ14,15と窓ガラス2との摺動抵抗が高くなり、耐磨耗性が低下し、窓ガラス2の昇降に大きな力が必要になるとともに、摺動時に異音等が発生する恐れがある。
表面層の材料は、さらに上記のように混練したTPO100重量部に対して少なくとも短繊維と滑材を含む充填材を2〜10重量部混練したものである。短繊維としては、合成繊維であるフッ素樹脂繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、無機繊維である炭素繊維、ガラス繊維等を使用することができる。これらの繊維を単独で、あるいは複数の繊維を混合して使用することができる。この短繊維を含む充填剤を混入することにより、表面層の表面が凹凸となり、窓ガラスとの接触面積が減って摺動抵抗をさらに減少させることができる。
短繊維の大きさは、直径が5μm〜30μmで、長さが100μm〜1000μmが好ましい。直径については、5μm以下では細くて製造と取り扱いが難しく、また、表面の凹凸が小さく、摺動抵抗を減らすのに十分な太さではなく、30μm以上では、短繊維の剛性が強く、また、均一分散が難しくなるからである。長さについては、100μm以下では混入後に窓ガラスと摺動するときに、短繊維がTPOから抜け出す恐れがあり、1000μm以上では、TPOに混入するのに、混入時の抵抗が大きくなり、また、均一分散が難しくなる恐れがあるからである。
また、短繊維は、混入分散される表面層の材料よりも融点が高いものが好ましい。短繊維を熱可塑性エラストマーに混練するときに、熱可塑性エラストマーが流動性を増すようにその温度を上げる場合があるが、そのとき短繊維が溶融して、熱可塑性エラストマーの中に溶解することがなく、短繊維の形状を保つことが、表面層13b、14b、15bの摺動抵抗を減少させる上で好ましい。
さらに、表面層には、短繊維の他にさらに摺動抵抗を減少させるために脂肪酸アミド、オルガノポリシロキサン等の滑材、補強剤等の充填剤を混入することができる。脂肪酸アミドとしては、ステアロアミド、オレイルアミド、メチロールアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミドを使用することができ、オルガノポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、変性ポリシロキサン等を使用することができる。
また、通常の充填剤として炭酸カルシュウム、ケイ酸カルシュウム、クレー、タルク、シリカ、二硫化モリブデン等を混入することができる。このような少なくとも短繊維を含む充填剤は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して2〜10重量部を混練することが好ましい。2重量部以下では、摺動摩擦抵抗を充分に減少させることができなく、10重量部以上では表面層の剛性が高くなり、窓ガラス2への追従性が悪くなるとともにシール性が低下する。なお、EPDMゴム分の軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイル等を例示することができる。また、本実施の形態のガラスラン10では、上記のように構成したので、短繊維の表面層からの脱落を防止して、滑材の効果も合わせて、充分な低摺動性を長期間維持することができる。
次に、このガラスラン10の製造方法を説明する。ガラスラン10は、押出成形により成形することができる。基材層を形成する熱可塑性エラストマーは、上述のように予め所定の硬度を有するように調整されている。表面層は上述のように基材層より高い硬度の熱可塑性エラストマーに対して、短繊維とその他の充填剤が混練された状態で準備される。この2種類の材料を2層押出成形で成形する。ガラスラン10の本体部分である基材層のうえに、底壁13の内面と、車外側シールリップ14と車内側シールリップ15のそれぞれの対向面の部分において表面層を同時一体的に押し出しする。基材層と表面層は同じ種類の熱可塑性エラストマーで構成されているため、押出成形時に基材層と表面層は溶融して密着することができる。この押出成形したガラスラン10を所定寸法に切断して、コーナー部は型成型により接続して製品とすることができる。なお、基材層がEPDMゴムの場合には、押出成形、加硫工程を経た後に、表面層の熱可塑性エラストマーを別途押出成形し、基材層の上に表面層を配置して両者を接合して形成する。
次に、図3に基づき第2の実施の形態として、ドアのベルトラインに装着されるアウターウエザストリップ20とインナーウエザストリップ30についての本発明の実施の形態について説明する。アウターウエザストリップ20は、自動車のドア1のドアアウターパネル5の上辺のフランジ部5bに取付けられ、ドア1の窓ガラス2とドアアウターパネル5の間をシールする。アウターウエザストリップ20は、取付基部21とアウター上部シールリップ22、アウター下部シールリップ23から構成される。
アウターウエザストリップ20の取付基部21は、断面略逆U字形をなし、逆U字形の内部の両側壁面にそれぞれ対抗するように2本の保持リップ24、24、24、24、が合わせて4本一体的に形成される。この逆U字形の内部にドアアウターパネル5のフランジ部5bが挿入され、保持リップ24、24、24、24により、アウターウエザストリップ20が固定保持される。
アウターウエザストリップ20の取付基部21の車内側の外面に長手方向に伸びる2本の上下のシールリップ、即ちアウター上部シールリップ22とアウター下部シールリップ23が設けられる。アウター上部シールリップ22とアウター下部シールリップ23は、窓ガラス2が昇降するときに、窓ガラス2の車外側の面と当接して摺動して、窓ガラス2とドア1のドアアウターパネル5の上辺との間をシールする。このとき、アウター上部シールリップ22とアウター下部シールリップ23が窓ガラス2とスムースに摺動するように、その摺動面に表面層22b、23bが設けられている。このシールリップ22、23はシール性をより確実にするために上部と下部の2本設けたが、車体の形状によっては1本にしても良い。
アウターウエザストリップ20の表面層22b、23b以外の部分である基材層とアウター上部シールリップ22の表面層22bとアウター下部シールリップ23の表面層23bの材質は、それぞれガラスラン10の基材層と、ガラスラン10のシールリップ14、15の表面層14b、15bの材質と同じである。即ち、取付基部21とアウター上部シールリップ22、アウター下部シールリップ23を構成する基材層は、表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマーもしくは、ソリッド又は微発泡のEPDMゴムから構成され、表面層22b、23bは、基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散された熱可塑性エラストマーから構成されている。熱可塑性エラストマーの混練材料、硬度及び短繊維等の充填剤もガラスラン10と同様である。なお、シールリップ22,23と保持リップ24を除く取付基部21をポリプロピレン等の硬質樹脂又は硬質のTPOにしても良い。この場合、内部に埋設されている芯金を省略することができる。
アウター上部シールリップ22の表面層22bとアウター下部シールリップ23の表面層23bに短繊維が混入分散されているため、その表面に凹凸が生じ、窓ガラス2が昇降するときに摺動抵抗が減少し、摺動がスムースであるとともに窓ガラス2が下降するときにアウター上部シールリップ22とアウター下部シールリップ23が巻き込まれることがない。また、短繊維の表面層からの脱落を防止して、充分な低摺動性を長時間維持することができる。さらに、アウター上部シールリップ22のアウター下部シールリップ23基材層は、柔軟性を有するため、窓ガラス2の振動やズレに対しても窓ガラス2との当接を維持することができるため、シール性を確保することができる。
次に、アウターウエザストリップ20の製造方法について説明する。基本的には上記したガラスラン10の製造方法と同様である。アウターウエザストリップ20の取付基部21には、フランジ部5bの把持力を大きくするため、内部に金属板等からなるインサートを埋設することができる。インサートを埋設し、熱可塑性エラストマー材料で成形する場合には、アウターウエザストリップ20の製造は3重押出成形により成形される。即ち、インサートと、インサートを被覆する基材層と、表面層22b、23bを同時に押出成形機により押出して形成する。このとき取付基部21、アウター上部シールリップ22、アウター下部シールリップ23及び保持リップ24、24、24、24は一体的に同時に形成される。表面層22b、23bは基材層の表面に一体的に押し出され、表面層22b、23bと基材層とは同じ種類の熱可塑性エラストマーで形成されているため、押出成形時に強固に融着している。アウターウエザストリップ20は、この押出成形後に取付基部21を逆U字形に曲げて、所定の寸法に切断されて、製品とすることができる。EPDMゴム材料で成形する場合には、その基材層の成形時にインサートを埋設させる2重押出成形に変わるだけで、上記したガラスラン10の場合と同様である。
次に、インナーウエザストリップ30について説明する。インナーウエザストリップ30は、ドアインナーパネル6にドアトリムボードを介して取付けられる取付基部31と取付基部31の車外側側面の上下に長手方向に設けられた2本のシールリップ、即ちインナー上部シールリップ32とインナー下部シールリップ33から構成される。取付基部31は、長手方向に連続する板状をなし、車内側側面がドアトリムボードの先端部に密着して、ボルト、クリップ、接着剤等により装着される。
インナーウエザストリップ30の取付基部31の車外側の側面に長手方向に伸びる上下に2本のシールリップ、即ちインナー上部シールリップ32とインナー下部シールリップ33は、窓ガラス2が昇降するときに、窓ガラス2の車内側の面と当接して摺動して、窓ガラス2とドア1のドアインナーパネル6の上辺との間をシールする。このとき、インナー上部シールリップ32とインナー下部シールリップ33が窓ガラス2とスムースに摺動するために、その摺動面に表面層32b、33bが設けられている。このシールリップ32、33はシール性をより確実にするために上部と下部の2本設けたがアウターウエザストリップ20と同様に、車体の形状によっては1本にしても良い。
インナーウエザストリップ30の表面層32b、33b以外の部分である基材層と、インナー上部シールリップ32の表面層32bとインナー下部シールリップ33の表面層33bの材質は、それぞれガラスラン10の基材層と、ガラスラン10のシールリップ14、15の表面層14b、15bの材質と同じである。特に、本発明の特徴である、表面層32b、33bは、基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散された熱可塑性エラストマーから構成されている。熱可塑性エラストマーの混練材料、硬度及び短繊維等の充填剤の配合もガラスラン10と同様である。
インナー上部シールリップ32の表面層32bとインナー下部シールリッ33の表面層33bに短繊維が混入分散されているため、その表面に凹凸が生じ、窓ガラス2が昇降するときに摺動抵抗が減少し、摺動がスムースであるとともに窓ガラス2が下降するときにインナー上部シールリップ32とインナー下部シールリップ33が巻き込まれることがない。また、短繊維の表面層からの脱落を防止して、充分な低摺動性を長時間維持することができる。さらに、インナー上部シールリップ32のインナー下部シールリップ33基材層は、柔軟性を有するため、窓ガラス2の振動やズレに対しても窓ガラス2との当接を維持することができるため、遮音性やシール性を確保することができる。
次に、インナーウエザストリップ30の製造方法について説明するが基本的には上記したアウターウエザストリップ20の製造方法と同様である。インナーウエザストリップ30の取付基部31に、取付基部31の形状保持力を大きくするため、内部に金属板等からなるインサートを埋設することができ、3重押出成形により成形される。即ちインサートとインサートを被覆する基材層と表面層32b、33bを同時に押出成形機により押出して形成する。このとき取付基部31、インナー上部シールリップ32とインナー下部シールリップ33は一体的に同時に形成される。表面層32b、33bと基材層とは同じ種類の熱可塑性エラストマーで形成されているため、押出成形時に強固に融着している。インナーウエザストリップ30は、この押出成形後に所定の寸法に切断されて、製品とすることができる。
1 ドア
2 窓ガラス
3 ドアフレーム
10 ガラスラン
11 車外側側壁
12 車内側側壁
13 底壁
14 車外側シールリップ
15 車内側シールリップ
13b、14b、15b、22b、23b、32b、33b 表面層
20 アウターウエザストリップ
30 インナーウエザストリップ
2 窓ガラス
3 ドアフレーム
10 ガラスラン
11 車外側側壁
12 車内側側壁
13 底壁
14 車外側シールリップ
15 車内側シールリップ
13b、14b、15b、22b、23b、32b、33b 表面層
20 アウターウエザストリップ
30 インナーウエザストリップ
Claims (9)
- 自動車の開閉する窓ガラスを保持又はシールするために使用する自動車用ガラスウエザストリップにおいて、
該ガラスウエザストリップは、上記窓ガラスがガラスウエザストリップと摺動する部分では基材層と、該基材層の上面に設けられ上記窓ガラスが摺動する表面層の少なくとも2層から形成され、
該基材層は、該表面層よりも軟質の熱可塑性エラストマー、もしくは、ソリッドまたは微発泡のエチレン・プロピレンゴム(EPDM)から構成され、
上記表面層は、上記基材層よりも硬質であって短繊維が混入分散されて表面に凹凸が形成された熱可塑性エラストマーから構成されたことを特徴とする自動車用ガラスウエザストリップ。 - 上記短繊維は、フッ素樹脂繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、炭素繊維、ガラス繊維のいずれか一種又は複数種混合された繊維である請求項1に記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記短繊維は、直径が5μm〜30μmで、長さが100μm〜1000μmである請求項1又は2に記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記短繊維は、混入分散される上記表面層の材料よりも融点が高い請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記基材層の硬度は、JISAタイプスプリング硬度60°〜85°であり、上記表面層の硬度は、ショアーDタイプ硬度35°〜50°である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記基材層をオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)とした場合、軟化剤を含むEPDMゴム分を60重量部〜85重量部とポリプロピレン樹脂を40重量部〜15重量部混練したTPOをベースの材料とし、上記表面層は軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂を70重量部〜40重量部からなるTPO100重量部に対して、少なくとも短繊維を含む充填剤を2〜10重量部混練したものである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記ガラスウエザストリップは、自動車ドアフレームの内周に取り付けられる底壁と相対向する両側壁からなる断面略U字形の本体部と、該両側壁の先端からU字形の内部方向に相互に対向するように斜めに延設されるシールリップ部からなるガラスランであり、少なくとも該シールリップ部の対向面と上記底壁の内面に、短繊維によって表面層の表面に凹凸が形成された表面層が設けられた請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記表面層は、軟化剤を含むEPDMゴム分を30重量部〜60重量部とポリプロピレン樹脂分を70重量部〜40重量部からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)100重量部に対して、少なくとも短繊維と滑材を含む充填剤を2〜10重量部混練したものであり、その表面には、上記短繊維により凹凸が形成されてなるものである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
- 上記表面層の短繊維と滑材を含む充填剤は、短繊維と滑材を略同量の割合で含み、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)に混練されている請求項8記載の自動車用ガラスウエザストリップ。
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