しかしながら、上記従来のVTRの構成では、一のヘッドを用いて情報の記録及び再生を行っているので、情報の記録と再生を同時に行うことはできなかった。
従って、例えば、情報の記録中にそれまで記録されていた情報を始めから再生したいときは、その時点で記録を中止して再生するか、又はすべての情報の記録を終了してからそれを再生する必要があった。
この場合、途中で記録を終了するとそれ以降の情報を記録することができず、また、記録が終了するまで待っていると、再生したいときにできないという問題点が生じる。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、一の記録媒体に対して情報の記録と再生を行う情報記録再生装置において、当該記録と再生を同時に実行することにより利便性を向上させることが可能な情報記録再生装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、予め設定された所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録用の記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を前記入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する情報記録部等の情報記録手段と、前記記録媒体に記録されている前記記録情報を予め設定された所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し、前記検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する情報再生部等の情報再生手段と、前記記録レートと前記入力レートの差に起因して生じる前記記録情報の記録が行われない期間に、それまでに前記記録媒体に記録されている前記記録情報を再生するように前記情報再生手段を制御するCPU等の制御手段と、を備える。
請求項1に記載の発明の作用によれば、情報記録手段は、所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する。
一方、情報再生手段は、記録媒体に記録されている記録情報を所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する。
このとき、制御手段は、記録レートと入力レートの差に起因して生じる記録情報の記録が行われない期間に、それまでに記録媒体に記録されている記録情報を再生するように情報再生手段を制御する。
よって、記録レートと入力レートの差に起因して生じる記録情報の記録が行われない期間にそれまでに記録媒体に記録されていた記録情報が再生されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、予め設定された所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録用の記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を前記入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する情報記録部等の情報記録手段と、前記記録媒体に記録されている前記記録情報を予め設定された所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し前記検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する情報再生部等の情報再生手段と、前記検出レートと前記出力レートの差に起因して生じる前記記録情報の検出が行われない期間に、未記録の前記記録情報の記録を行うように前記情報記録手段を制御するCPU等の制御手段と、を備える。
請求項2に記載の発明の作用によれば、情報記録手段は、所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する。
一方、情報再生手段は、記録媒体に記録されている記録情報を所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する。
このとき、制御手段は、検出レートと出力レートの差に起因して生じる記録情報の検出が行われない期間に、未記録の記録情報の記録を行うように情報記録手段を制御する。
よって、検出レートと出力レートの差に起因して生じる記録情報の検出が行われない期間に未記録の記録情報が記録されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、予め設定された所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録用の記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を前記入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する情報記録部等の情報記録手段と、前記記録媒体に記録されている前記記録情報を予め設定された所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し前記検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する情報再生部等の情報再生手段と、前記記録レートと前記入力レートの差に起因して生じる前記記録情報の記録が行われない期間に、外部からの前記情報の入力を継続しつつそれまでに前記記録媒体に記録されている前記記録情報を再生すると共に、前記検出レートと前記出力レートの差に起因して生じる前記記録情報の検出が行われない期間に、前記再加工された記録情報の外部への出力を継続しつつ未記録の前記記録情報の記録を行うように前記情報記録手段及び前記情報再生手段を夫々制御するCPU等の制御手段と、を備える。
請求項3に記載の発明の作用によれば、情報記録手段は、所定の入力レートで外部から入力されてくる情報を加工して記録情報を生成すると共に、当該生成された記録情報を入力レートよりも高い記録レートで記録媒体に記録する。
一方、情報再生手段は、記録媒体に記録されている記録情報を所定の検出レートで当該記録媒体から検出すると共に、当該検出された記録情報を再加工して再生し検出レートよりも低い出力レートで外部へ出力する。
このとき、制御手段は、記録レートと入力レートの差に起因して生じる記録情報の記録が行われない期間に、外部からの情報の入力を継続しつつそれまでに記録媒体に記録されている記録情報を再生すると共に、検出レートと出力レートの差に起因して生じる記録情報の検出が行われない期間に、検出された記録情報の外部への出力を継続しつつ未記録の記録情報の記録を行うように情報再生手段及び情報記録手段を夫々制御する。
よって、外部からの情報の入力を継続しつつそれまでに記録媒体に記録されていた記録情報が再生されると共に、検出された記録情報の外部への出力を継続しつつ未記録の記録情報が記録されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録再生装置において、前記情報記録手段は、前記入力レートで入力された前記情報を加工して前記記録情報を生成する圧縮回路等の加工手段と、前記生成された記録情報を一時的に記憶する記録バッファメモリ等の記録情報記憶手段と、前記記憶されている記録情報を読み出し、前記記録レートで前記記録媒体に記録するピックアップ等の記録手段と、を含み、前記制御手段は、前記記録情報を前記記録情報記憶手段に記憶中の期間であって前記記録媒体への当該記録情報の記録を実行しないときに、外部からの前記情報の入力を継続するように前記情報記録手段を制御しつつそれまでに前記記録媒体に記録されている前記記録情報を検出するように前記情報再生手段を制御するように構成される。
請求項4に記載の発明の作用によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、情報記録手段内の加工手段は、入力レートで入力された情報を加工して記録情報を生成する。
そして、情報記録手段内の記録情報記憶手段は、生成された記録情報を一時的に記憶する。
更に、情報記録手段内の記録手段は、記憶されている記録情報を読み出し、記録レートで記録媒体に記録する。
このとき、制御手段は、記録情報を記録情報記憶手段に記憶中の期間であって記録媒体への当該記録情報の記録を実行しないときに、外部からの情報の入力を継続するように情報記録手段を制御しつつそれまでに記録媒体に記録されている記録情報を検出するように情報再生手段を制御する。
よって、記録情報記憶手段への記録情報の記憶中にそれまでに記録されている記録情報を検出するので、簡易な構成で情報の記録と再生を同時進行させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録再生装置において、前記情報再生手段は、前記記録媒体から前記検出レートで前記記録情報を検出するピックアップ等の検出手段と、前記検出された記録情報を一時的に記憶する再生バッファメモリ等の記憶手段と、前記記憶されている記録情報を読み出すと共に再加工して再生し、前記出力レートで外部に出力する伸長回路等の再加工手段と、を含み、前記制御手段は、前記記録情報を前記記憶手段から読み出して再加工して再生している期間であって前記記録媒体からの当該記録情報の検出を実行しないときに、当該再加工された前記情報の外部への出力を継続するように前記情報再生手段を制御しつつ未記録の前記記録情報を前記記録媒体に記録するように前記情報記録手段を制御するように構成される。
請求項5に記載の発明の作用によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、情報再生手段内の検出手段は、記録媒体から検出レートで記録情報を検出する。
そして、情報再生手段内の記憶手段は、検出された記録情報を一時的に記憶する。
更に、情報再生手段内の再加工手段は、記憶されている記録情報を読み出すと共に再加工して再生し、出力レートで外部に出力する。
このとき、制御手段は、記録情報を記憶手段から読み出して再加工して再生している期間であって記録媒体からの当該記録情報の検出を実行しないときに、当該再生された情報の外部への出力を継続するように情報再生手段を制御しつつ未記録の記録情報を記録媒体に記録するように情報記録手段を制御する。
よって、記憶手段からの記録情報の読み出し中に未記録の記録情報を記録するので、簡易な構成で情報の記録と再生を同時進行させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、記録レートと入力レートの差に起因して生じる記録情報の記録が行われない期間にそれまでに記録媒体に記録されていた記録情報が再生されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
従って、情報記録再生装置の利便性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、検出レートと出力レートの差に起因して生じる記録情報の検出が行われない期間に未記録の記録情報が記録されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
従って、情報記録再生装置の利便性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、外部からの情報の入力を継続しつつそれまでに記録媒体に記録されていた記録情報が再生されると共に、検出された記録情報の外部への出力を継続しつつ未記録の記録情報が記録されるので、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
従って、情報記録再生装置における利便性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、記録情報記憶手段への記録情報の記憶中にそれまでに記録されている記録情報を検出するので、簡易な構成で情報の記録と再生を同時進行させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、記憶手段からの記録情報の読み出し中に未記録の記録情報を記録するので、簡易な構成で情報の記録と再生を同時進行させることができる。
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、光学的に情報の記録及び再生が可能なディスク状の記録媒体(以下、単に光ディスクと称する。)に対して情報の記録及び再生が可能な情報記録再生装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
始めに、図1を用いて、実施形態に係る情報記録再生装置の構成について説明する。
図1に示すように、実施形態の情報記録再生装置Sは、記録手段及び検出手段としてのピックアップ2と、A/D(アナログ/ディジタル)コンバータ3と、加工手段としての圧縮回路4と、記録情報記憶手段としての記録バッファメモリ5と、エンコーダ6と、記録回路7と、再生回路8と、デコーダ9と、記憶手段としての再生バッファメモリ10と、再加工手段としての伸長回路11と、D/A(ディジタル/アナログ)コンバータ12と、スピンドルモータ13と、制御手段としてのCPU14と、サーボ回路15と、操作部16と、表示部17とにより構成されている。
上記の構成のうち、ピックアップ2、A/Dコンバータ3、圧縮回路4、記録バッファメモリ5、エンコーダ6及び記録回路7が情報記録手段としての情報記録部Rを構成している。
また、ピックアップ2、再生回路8、デコーダ9、再生バッファメモリ10、伸長回路11及びD/Aコンバータ12が情報再生手段としての情報再生部Pを構成している。
次に、各構成部材個々の概要動作を説明する。
始めに、外部からの記録すべき情報を記録媒体としての光ディスク1に記録する場合について説明する。
外部から記録すべき情報(当該記録すべき情報としては、具体的には、画像情報又は音声情報或いはその双方が含まれる。)に対応する情報信号Sin(アナログ信号)が予め設定された入力レートMrで入力されてくると、A/Dコンバータ3は当該情報信号Sinをディジタル化し、ディジタル情報信号Sdを生成して圧縮回路4へ出力する。
そして、圧縮回路4は、CPU14から出力されている制御信号S5に基づいて、入力されてくるディジタル情報信号Sdを圧縮し、圧縮情報信号Spdを生成して記録バッファメモリ5へ出力する。このとき、当該ディジタル情報信号Sdを圧縮する際には、例えば、MPEG2(Moving Picture coding Experts Group 2)方式等の圧縮方式が用いられる。
次に、記録バッファメモリ5は、入力されてくる圧縮情報信号Spdをそのまま一時的に記憶する。このとき、当該記録バッファメモリ5は蓄積された圧縮情報信号Spdのデータ量を示すデータ量信号Smrを常にCPU14に出力している。
次に、エンコーダ6は、CPU14から出力されている制御信号S4に基づいて、一時的に記録バッファメモリ5に記録されている圧縮情報信号Spdを上記情報信号Sinの入力レートMrよりも高い記録レートRrで読み出し、これをエンコード(符号化)してエンコード信号Sedを生成して記録回路7へ出力する。
そして、記録回路7は、CPU14から出力されている制御信号S2に基づいて、入力されてくるエンコード信号Sedを記録用の記録信号Srに変換し、ピックアップ2へ出力する。このとき記録回路7においては、記録すべき情報に正確に対応した形状のピットを後述の光ディスク1上に形成すべく、エンコード信号Sedに対していわゆるライトストラテジ処理等が施される。
次に、ピックアップ2は、記録回路7から出力されている記録信号Srに基づいて、当該ピックアップ2内の図示しない半導体レーザ等の光源を駆動してレーザ光等の光ビームBを生成して光ディスク1の情報記録面に照射し、当該記録信号Srに対応するピットを形成することにより上記記録レートRrに対応する速度で情報信号Sinを光ディスク1上に記録する。このとき、当該光ディスク1は、後述するスピンドル制御信号Ssmに基づいて駆動されるスピンドルモータ13により所定の回転数で回転されている。なお、当該光ディスク1上では、例えば、相変化方式により記録信号Srに対応するピットが形成されて情報信号Sinが記録される。
次に、光ディスク1に記録されている情報を再生する場合の動作について説明する。
再生時においては、先ず、ピックアップ2が再生用の光ビームBを回転する光ディスク1に照射し、その反射光に基づいて光ディスク1上に形成されているピットに対応する検出信号Spを検出レートRpで生成し、再生回路8に出力する。
次に、再生回路8は、CPU14から出力されている制御信号S1に基づいて、出力された検出信号Spを所定の増幅率で増幅すると共にその波形を整形し、再生信号Sppを生成してデコーダ9に出力する。
そして、デコーダ9は、CPU14から出力されている制御信号S3に基づいて、上記エンコーダ6におけるエンコード方式に対応するデコード(復号)方式により再生信号Sppをデコードし、デコード信号Sddを生成して上記検出レートRpに対応する速度で再生バッファメモリ10へ出力する。
次に、再生バッファメモリ10は、入力されてくるデコード信号Sddをそのまま一時的に記憶する。このとき、当該再生バッファメモリ10は蓄積されたデコード信号Sddのデータ量を示すデータ量信号Smpを常にCPU14に出力している。
次に、伸長回路11は、CPU14から出力されている制御信号S6に基づいて、一時的に再生バッファメモリ10に記憶されているデコード信号Sddを上記検出信号Spの検出レートRpよりも低い出力レートMpで読み出し、当該読み出したデコード信号Sddに対して上記圧縮回路4における圧縮処理に対応する伸長処理を施し、伸長信号Soを生成してD/Aコンバータ12に出力する。
そして、D/Aコンバータ12は、伸長信号Soをアナログ化し、上記情報信号Sinに対応する出力信号Soutを生成して外部に出力する。
以上説明した情報記録及び情報再生の動作に伴って、CPU14は上記データ量信号Smp又はSmrに基づいて、後述のフローチャートで示す処理を実行するように上記各制御信号S1乃至S6を夫々出力する。このとき、操作部16は、使用者等により為された操作に対応する指示信号ScをCPU14に出力し、当該指示信号Scに基づいてCPU14が上記各制御信号S1乃至S6を夫々出力する。
これと並行して、CPU14は、スピンドルモータ13及びピックアップ2をサーボ制御するための制御信号Ssを生成してサーボ回路15に出力し、当該サーボ回路15は、制御信号Ssに基づいてスピンドルモータ13の回転を制御するための上記スピンドル制御信号Ssmを生成して当該スピンドルモータ13に出力すると共に、ピックアップ2におけるいわゆるトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御のためのピックアップ制御信号Sspを生成して当該ピックアップ2に出力する。そして、ピックアップ2は、当該ピックアップ制御信号Sspに基づき、光ビームBに対してトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御を施しつつ上記記録信号Sr(情報信号Sin)の記録又は検出信号Spの検出を行う。
なお、上述した情報記録再生装置Sの動作を使用者が制御するために必要な情報は、CPU14からの表示信号Sdpに基づいて表示部17に表示される。
次に、上記構成を有する情報記録再生装置Sにおける本発明に係る記録再生動作について図2を用いて説明する。なお、図2において、ステップS1乃至S8が情報再生のみを実行する際の処理を示し、ステップS25乃至S32が情報記録のみを実行する際の処理を示し、ステップS10乃至S18が情報記録と情報再生を(見かけ上)同時に実行する際の処理を示している。
始めに、当初再生中であったときに同時記録が指定された場合の動作について説明する。
情報記録再生装置Sにおいて、光ディスク1からの情報再生が指示されると、先ず、再生すべき記録信号Srが記録されている光ディスク1上の位置を検索し、当該検索した位置に光ビームBの光スポットを移動して検出レートRpで検出信号Spの生成を開始し(ステップS1)、その後、生成された検出信号Spに対するデコーダ9によるデコードを開始する(ステップS2)。このデコードが開始されると、上記検出レートSpに対応する速度で再生バッファメモリ10にデコード信号Sddが蓄積されていく。
次に、CPU14は、再生バッファメモリ10からのデータ量信号Smpに基づいて、当該再生バッファメモリ10の空き容量が予め設定された第1の所定量以下となったか否かを判定する(ステップS3)。ここで、当該第1の所定量は、デコード信号Sddにおける最小デコード単位(例えば、デコード信号Sddにおける一つのECC(Error Collecting Code)ブロックと等しいデータ量)とされる。
ステップS3の判定において、再生バッファメモリ10の空き容量が上記第1の所定量以下となったときは(ステップS3;yes)、それ以上検出信号Spの生成を継続すると再生バッファメモリ10が満杯になってしまうとしてピックアップ2を一時的に停止させ検出信号Spの生成を停止させて(ステップS4)ステップS6へ移行する。
一方、ステップS3の判定において、再生バッファメモリ10の空き容量が上記第1の所定量以下でないときは(ステップS3;no)、引き続き記録信号Srを検出して検出信号Spを生成し(ステップS5)、次に、CPU14は操作部15を介して再生中における情報記録が指示されたか否かを判定する(ステップS6)。
そして、再生中における情報記録が指示されていないときは(ステップS6;no)、次に全ての再生すべき情報を再生したか否かが判定され(ステップS7)、全ての情報の再生が完了しているときは(ステップS7;yes)、デコーダ9におけるデコードを停止して(ステップS8)情報再生処理を終了する。
一方、ステップS7の判定において、再生終了でないときは(ステップS7;no)ステップS3に戻って上述した情報再生処理を繰り返す。
また、ステップS6の判定において、再生中における情報記録が指示されたときは(ステップS6;yes)、次に、記録バッファメモリ5に一時的に記録されている圧縮情報信号Spd(上記ステップS6において再生中の情報記録が指示された直後に、A/Dコンバータ3における入力された情報信号SinのA/D変換及び圧縮回路4における圧縮処理が行われており、記録バッファメモリ5には圧縮情報信号Spdが入力レートMrに対応する速度で蓄積されている。)を記録レートRrで読み出すと共にエンコーダ6における当該圧縮情報信号Spdのエンコードを開始する(ステップS9)。
次に、CPU14は、記録バッファメモリ5からのデータ量信号Smrに基づいて、当該記録バッファメモリ5の蓄積データ量が予め設定された第2の所定量以上となったか否かを判定する(ステップS10)。そして、当該蓄積データ量が第2の所定量以上であるときは(ステップS10;yes)、それまでのピックアップ2による検出信号Spの生成を一時中断し(この中段後でも、再生バッファメモリ10に蓄積されているデコード信号Sddの伸長及びD/A変換(出力レートMpで実行されている。)を継続するようにCPU14が伸長回路11及びD/Aコンバータ12を制御する。)、次にエンコードされている(ステップS9)エンコード信号Sedを記録すべき光ディスク1上の位置にピックアップ2を移動させ(ステップS11)、その後、予め設定されている第3の所定量のエンコード信号Sed(記録信号Sr)をピックアップ2を介して光ディスク1に記録する(ステップS12)。
このとき、上記第2の所定量は、記録バッファメモリ5の容量Brに基づいて、ステップS10における判定からステップS11におけるピックアップ2の移動までを完了して記録信号Srの記録を開始するまでにエンコード信号Sedが記録バッファメモリ5に上記入力レートMrで蓄積されつづけても当該記録バッファメモリ5が満杯にならない所定量とされている。また、上記第3の所定量については、上記第2の所定量と同じとしてもよいし、又は記録信号Srの記録中に新たに記録バッファメモリ5に蓄積されるエンコード信号Sedの量を勘案し記録バッファメモリ5に蓄積されている全てのエンコード信号Sedを排出すべく第2の所定量よりも多い所定量としてもよい。
そして、記録すべき記録信号Srが全て記録されたか否かが判定され(ステップS13)、全て記録されていないときは(ステップS13;no)、それまでのピックアップ2による記録信号Srの記録を一時中断し(この中段後でも、記録バッファメモリ5に対する圧縮情報信号Spdの蓄積を入力レートMrで継続するようにCPU14がA/Dコンバータ3及び圧縮回路4を制御する。)、再生バッファメモリ10の蓄積データ量の減少に伴って再度検出信号Spの生成を開始すべく、次に再生すべき記録信号Srが記録されている光ディスク1上の位置にピックアップ2を移動させ(ステップS14)、ステップS10に戻る。
一方、ステップS13の判定において、全ての記録信号Srの記録が完了しているときは(ステップS13;yes)エンコーダ6におけるエンコードを終了し(ステップS19)、再度情報再生を再開すべく次に検出すべき記録信号Srが記録されている光ディスク1上の位置にピックアップ2を移動させ(ステップS20)、ステップS3に戻る。
次に、ステップS10の判定において、記録バッファメモリ5の蓄積データ量が第2の所定量以上でないときは(ステップS10;no)、圧縮情報信号Spdの記録バッファメモリ5への蓄積を継続しつつ引き続き検出信号Spの生成を継続すべく、CPU14は再生バッファメモリ10からのデータ量信号Smpに基づいて、当該再生バッファメモリ10の空き容量が上記第1の所定量以下となったか否かを再度判定する(ステップS15)。
そして、再生バッファメモリ10の空き容量が上記第1の所定量以下となったときは(ステップS15;yes)、上記ステップS4と同様にピックアップ2を一時的に停止させ検出信号Spの生成を停止させて(ステップS16)ステップS18へ移行する。なお、この時でも、情報信号Sinの入力及びそれに伴う圧縮情報信号Spdの記録バッファメモリ5への蓄積、並びに再生バッファメモリ10からのデコード信号Sddの出力及びそれに伴うD/Aコンバータ12からの出力信号Soutの出力は継続されている。
一方、ステップS15の判定において、再生バッファメモリ10の空き容量が上記第1の所定量以下でないときは(ステップS15;no)、引き続き検出レートRpで記録信号Srを検出して検出信号Spを生成し(ステップS17)、次に全ての再生すべき情報を再生したか否かが判定され(ステップS18)、全ての情報の再生が完了しているときは(ステップS18;yes)、デコーダ9におけるデコードを停止し(ステップS21)、今度は記録信号Srの記録を開始すべくエンコードされている(ステップS9)エンコード信号Sedを記録すべき光ディスク1上の位置にピックアップ2を移動させ(ステップS22)、その後、後述するステップS27へ移行する。なお、上記ステップS17を実行中においても、情報信号Sinの入力及びそれに伴う圧縮情報信号Spdの記録バッファメモリ5への蓄積は継続されている。
また、上記ステップS11及びS12において、新しい記録信号Srの記録位置としては、それまでの記録信号Srが記録されている領域以外の光ディスク1上の領域に継続して記録するようにしてもよいし、再生が終了した記録信号Srが記録されていた領域に上書きするようにして新しい記録信号Srを記録するようにしてもよい。このとき、後者の場合には、未記録の新たな領域が使用されないので、光ディスク1における記録可能領域を有効に活用することができる。
次に、当初記録中であったときに同時再生が指定された場合の動作について説明する。
情報記録再生装置Sにおいて、光ディスク1への情報記録が指示されると、先ず、記録すべき情報信号SinのA/D変換及び圧縮処理を入力レートMrに対応する速度で行って圧縮情報信号Spdを記録バッファメモリ5に蓄積すると共に、それを記録レートRrに対応する速度で読み出してエンコーダ6におけるエンコードを開始する(ステップS25)。
次に、記録すべき記録信号Srを記録する光ディスク1上の位置を検索し、当該検索した位置に光ビームBの光スポットを移動して記録レートRrで記録信号Srの記録を行う(ステップS26)。
次に、CPU14は、記録バッファメモリ5からのデータ量信号Smrに基づいて、当該記録バッファメモリ5の蓄積データ量が予め設定された第4の所定量以上となったか否かを判定する(ステップS27)。そして、記録バッファメモリ5の蓄積データ量が当該第4の所定量まで達していないときは(ステップS27;no)蓄積データ量が当該第4の所定量になるまで待機すべくピックアップ2による記録信号Srの記録を一時中断し(ステップS28)、ステップS30に移行する。なお、この時でも、情報信号Sinの入力及びそれに伴う圧縮情報信号Spdの記録バッファメモリ5への蓄積は継続されている。
一方、ステップS27の判定において、記録バッファメモリ5の蓄積データ量が第4の所定量以上であるときは(ステップS27;yes)、次に予め設定されている第5の所定量のエンコード信号Sed(記録信号Sr)をピックアップ2を介して記録レートRrで光ディスク1に記録する(ステップS29)。
このとき、当該第4の所定量は、上記第2の所定量以下のデータ量であればいずれのデータ量であってもよい。また、第5の所定量についても、上記第3の所定量以下のデータ量であればいずれのデータ量であってもよい。
次に、CPU14は、操作部15を介して記録中における情報再生が指示されたか否かを判定する(ステップS30)。
そして、記録中における情報再生が指示されていないときは(ステップS30;no)、次に全ての記録すべき情報を記録したか否かが判定され(ステップS31)、全ての情報の記録が完了しているときは(ステップS31;yes)、エンコーダ6におけるエンコードを停止して(ステップS32)情報記録処理を終了する。
一方、ステップS31の判定において、記録終了でないときは(ステップS31;no)ステップS27に戻って上述した情報記録処理を繰り返す。
また、ステップS30の判定において、記録中における情報再生が指示されたときは(ステップS30;yes)、次に、それまでのピックアップ2による記録信号Srの記録を一時中断し(この中段後でも、情報信号SinのA/D変換及び圧縮処理を継続するようにCPU14がA/Dコンバータ3及び圧縮回路4を制御しており、生成された圧縮情報信号Spdの記録バッファメモリ5への入力レートMrでの蓄積は継続されている。)、次に再生すべき記録信号Srが記録されている光ディスク1上の位置を検索し、当該検索した位置に光ビームBの光スポットを移動して検出レートRpでの検出信号Spの生成を開始し(ステップS33)、その後、生成された検出信号Spに対するデコーダ9によるデコードを開始する(ステップS34)。このデコードが開始されると、上記検出レートSpに対応する速度で再生バッファメモリ10にデコード信号Sddが蓄積されていく。
その後は、上記ステップS10に移行し、記録バッファメモリ5及び再生バッファメモリ10の蓄積データ量を夫々監視しつつ上記ステップS10乃至S22が実行され、情報記録中における情報再生が行われる。
次に、図2を用いて説明した情報再生及び情報記録を、記録バッファメモリ5及び再生バッファメモリ10の蓄積データ量の変化を中心として図3を用いて説明する。なお、図3は、情報再生中に情報記録が指示された場合の各蓄積データ量の変化を示すものであり、更に、図3中のピックアップ2の状態を示す図のうち、白抜き領域で示されている時間帯は検出信号Spの検出が実行されており、網掛け領域で示されている時間帯は記録信号Srの記録が実行されている。
図3において、情報再生のみが実行されているときは、上記ステップS1乃至S8の処理により、再生バッファメモリ10(容量はBpである。)の蓄積データ量は、その空き容量が上記最小デコード単位以下のデータ量の範囲となるように変化する。すなわち、空き容量が上記第1の所定量以上となると、再生バッファメモリ10の容量が
R=(検出レートRp)−(出力レートMp)
で示されるレートRで増加するように記録信号Srの検出(検出レートRp)を開始し、その後、空き容量が第1の所定量未満となると記録信号Srの検出を停止し、出力レートMpでの出力信号Soutの出力(出力レートMp)のみを行うことを繰り返している。
そして、時刻t1で再生中の情報記録が指示されると(上記ステップS6参照)、記録バッファメモリ5への圧縮情報信号Spdの蓄積を入力レートMrで開始すると共に(上記ステップS9参照)、当該記録バッファメモリ5の蓄積データ量を監視し(上記ステップS10参照)、その蓄積データ量が上記第2の所定量となった時刻t2においてそれまでの検出信号Spの検出動作を一時中断し、新たな記録信号Srの記録位置をサーチして、時刻t3から記録信号Srの記録を開始する(上記ステップS11及びS12参照)。このときでも、再生バッファメモリ10からのデコード信号Sddの出力は継続されている。
そして、時刻t4で上記第3の所定量だけ記録信号Srの記録が終了すると、次に、再び検出信号Spの検出を行うべく次の検出位置にピックアップ2を移動し(上記ステップS14参照)、時刻t5から記録バッファメモリ5の蓄積データ量が第2の所定量以上となるまで(すなわち、時刻t6まで)検出信号Spの検出を行う。
そして、記録バッファメモリ5の蓄積データ量が第2の所定量以上となったとき以降、上記記録位置へのピックアップ2の移動及び記録信号Srの記録を行う(上記ステップS11及び12参照)。
これ以後は、記録すべき情報信号Sinを全て記録し終わるまで上述した動作が繰り返されることとなる。
このとき、各バッファメモリの蓄積データ量については、再生バッファメモリ10では、記録位置へのピックアップ2の移動及び実際の記録信号Srの記録並びに検出位置へのピックアップ2の移動を実行している期間(すなわち、時刻t2からt5までの期間)は、その蓄積データ量は出力レートMpで減少し、再度検出信号Spの検出が再開されたときは、その蓄積データ量は上記レートRで増加することを繰り返す。
一方、記録バッファメモリ5については、再生中の情報記録が指示されてから記録位置へのピックアップ2の移動が完了するまでの期間(すなわち、時刻t1からt3までの期間)は、その蓄積データ量は入力レートMrで増加し、次に実際に記録信号Srが記録されているときは、その蓄積データ量は
R’=(入力レートMr)−(記録レートRr)
で示されるレートR’で減少する。そして、再度検出信号Spの検出処理が再開されたとき、情報信号Sinの入力は継続されているので、その蓄積データ量は再び入力レートMrで増加し、以後、この変化を繰り返す。
以上説明したように、実施形態の情報記録再生装置Sの動作によれば、外部からの情報の入力を継続しつつそれまでに光ディスク1に記録されていた記録信号Srが再生されると共に、検出された記録信号Srの外部への出力を継続しつつ未記録の記録信号Srが記録されるので、情報記録再生装置S全体として見た場合、見かけ上、情報の記録とそれまで記録された情報の再生を同時に進行させることができる。
また、記録バッファメモリ5への圧縮情報信号Spdの記憶中にそれま記録されている記録信号Srを検出すると共に、再生バッファメモリ10からのデコード信号Sddの読み出し中に未記録の記録信号Srを記録するので、簡易な構成で情報の記録と再生を同時進行させることができる。
なお、上述した実施形態は、記録媒体として光ディスク1を用いた場合について説明したが、これ以外に、情報の読み書きが共に可能でありランダムアクセスが可能な記録媒体であれば、例えば、半導体メモリ等にも適用することができる。
更に、上述した実施形態では、圧縮処理及び伸長処理を行う情報の記録再生に対して本発明を適用した場合について説明したが、これ以外に、外部からの情報の入力レートが当該情報の記録媒体への記録レートよりも低く、更に記録媒体からの情報の検出レートが外部への当該情報の出力レートよりも高い情報の記録再生を行う情報記録再生装置であれば、本発明を広く適用することができる。