次に、図面を用いて本願の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、光学的に情報の記録及び再生が可能なディスク状の記録媒体(以下、単に光ディスクと称する。)に対して情報の記録及び再生が可能な情報記録装置に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
始めに、図1を用いて、本願の実施の形態に係る情報記録装置の構成について説明する。
図1に示すように実施の形態の情報記録装置Sは、記録手段及び/または読取手段としてのピックアップ2と、移送手段としてのスライダ3と、A/D(アナログ/ディジタル)コンバータ4と、加工手段を構成する圧縮回路5、記録バッファメモリ6、エンコーダ8並びに記録回路9と、リードイン領域及びリードアウト領域に記録される上述した副情報信号を記憶したメモリ7と、再加工手段を構成する再生回路10、デコーダ11、再生バッファメモリ12並びに伸長回路13と、D/A(ディジタル/アナログ)コンバータ14と、記録可能な光ディスク1に予め記録されているアドレス情報を抽出するアドレス抽出器15と、スピンドルモータ16と、検出手段並びに制御手段としてのCPU17と、サーボ回路18と、操作部19と、表示部20とにより構成されている。
次に各構成部材個々のこの発明に関わる概要動作を説明する。始めに、外部からの記録すべき情報を、記録媒体としての光ディスク1に記録する場合について説明する。
外部から記録すべき情報(当該記録すべき情報としては、具体的には画像情報または音声情報或いはその双方が含まれる。)に対応する情報信号Sin(アナログ信号)が予め設定された入力レートMrで入力されてくると、A/Dコンバータ4は当該情報信号Sinをディジタル化し、ディジタル情報信号Sdを生成して圧縮回路5へ出力する。
そして、圧縮回路5は、CPU17から出力されている制御信号Ss5に基づいて、入力されてくるディジタル情報信号Sdを圧縮し、主情報信号である圧縮情報信号Spdを生成して記録バッファメモリ6へ出力する。このとき、当該ディジタル情報信号Sdを圧縮する際には、例えば、MPEG2(Moving Picture coding Experts Group 2)方式等の圧縮方式が用いられる。
次に記録バッファメモリ6は、入力されてくる圧縮情報信号Spdをそのまま一時的に記憶する。このとき、当該記録バッファメモリ6は蓄積された圧縮情報信号Spdのデータ量を示すデータ量信号Smrを常にCPU17に出力している。
次に、エンコーダ8は、CPU17から出力されている制御信号Ss4に基づいて、一時的に記録バッファメモリ6に記憶されている圧縮情報信号Spd、またはメモリ7に記憶されている副情報信号Scdを上記情報信号Sinの入力レートMr、または、それよりも高い記録レートRrで読み出し、これをエンコード(符号化)してエンコード信号Sedを生成して記録回路9へ出力する。
そして、記録回路9は、CPU17から出力されている制御信号Ss2に基づいて、入力されてくるエンコード信号Sedを記録信号Srに変換し、ピックアップ2へ出力する。このとき記録回路9においては、記録するべき情報に正確に対応した形状のピットを後述の光ディスク1上に形成するべく、エンコード信号Sedに対していわゆるライトストラテジ処理等が施される。
次に、ピックアップ2は、CPU17から出力されている制御信号Ss7に基づいて、スライダモータ3を介して光ディスク1の所定の領域(主情報記録領域またはリードイン/リードアウト領域)への移送制御を受ける。さらに、ピックアップ2は、記録回路9から出力されている記録信号Srに基づいて、当該ピックアップ2内の図示しない半導体レーザ等の光源を駆動して光ビームBを生成して、これを光ディスク1の上記所定の領域の情報記録面に照射し、当該記録信号Srに対応するピットを形成することにより上記記録レートRrに対応する速度で情報信号Sinまたは副情報信号Scdを光ディスク1上に記録する。このとき、当該光ディスク1は、後述するスピンドル制御信号Ssmに基づいて駆動されるスピンドルモータ16により所定の回転数で回転されている。なお、当該光ディスク1上では、例えば、相変化方式により記録信号Srに対応するピットが形成されて情報信号Sinが記録される。
次に、光ディスク1に記録されている情報を再生する場合の動作について説明する。再生時においては、先ず、スライダ3によって光ディスク1の所定の領域に移送されたピックアップ2が再生用の光ビームBを回転する光ディスク1に照射し、その反射光に基づいて光ディスク1に形成されているピットに対応する検出信号Spを検出レートRpで生成し、再生回路10並びにアドレス抽出器15に出力する。
次に、再生回路10は、CPU17から出力されている制御信号Ss3に基づいて、出力された検出信号Spを所定の増幅率で増幅すると共にその波形を整形し、再生信号Sprを生成してデコーダ11に出力する。
そして、デコーダ11は、CPU17から出力されている制御信号Ss3に基づいて、上記エンコーダ8におけるエンコード方式に対応するデコード(復号)方式により再生信号Sprをデコードし、デコード信号Sddを生成して上記検出レートRpに対応する速度で再生バッファメモリ12へ出力する。
再生バッファメモリ12は、入力されてくるデコード信号Sddをそのまま一時的に記憶する。このとき、当該再生バッファメモリ12は蓄積されたデコード信号Sddのデータ量を示すデータ量信号Smpを常にCPU17に出力している。
伸長回路13は、CPU17から出力されている制御信号Ss6に基づいて、一時的に再生バッファメモリ12に記憶されているデコード信号Sddを上記検出信号Spの検出レートRp、または、それよりも低い出力レートMpで読み出し、当該読み出したデコード信号Sddに対して上記圧縮回路5における圧縮処理に対応する伸長処理を施し、伸長信号Soを生成してD/Aコンバータ14に出力する。
そして、D/Aコンバータ14は、伸長信号Soをアナログ化し、上記情報信号Sinに対応する出力信号Soutを生成して外部に出力する。
アドレス抽出器15は、CPU17から出力されている制御信号Ss8に基づいて、出力された検出信号Spをデコードすることによってプリ情報であるディスク1上のアドレス情報信号Sdaを取得し、CPU17に出力する。
以上説明した情報記録及び情報再生の動作に伴って、CPU17は上記データ量信号Smp又はSmrに基づいて、後述のフローチャートで示す処理を実行するように上記各制御信号Ss1乃至Ss8を夫々出力する。このとき、操作部19は、使用者等により為された操作に対応する指示信号ScをCPU17に出力し、当該指示信号Scに基づいてCPU17が上記各制御信号Ss1乃至Ss8を夫々出力する。
これと並行して、CPU17は、スピンドルモータ16及びピックアップ2をサーボ制御するための制御信号Ss9を生成してサーボ回路18に出力し、当該サーボ回路18は、制御信号Ss9に基づいてスピンドルモータ16の回転を制御するための上記スピンドル制御信号Ssmを生成して、当該スピンドルモータ16に出力すると共に、ピックアップ2におけるいわゆるトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御のためのピックアップ制御信号Sspを生成して当該ピックアップ2に出力する。そして、ピックアップ2は当該ピックアップ制御信号Sspに基づき、光ビームBに対してトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御を施しつつ上記記録信号Srの記録又は検出信号Spの検出を行う。
なお、上述した情報記録再生装置Sの動作を使用者が制御するために必要な情報は、CPU17からの表示信号Sdpに基づいて表示部20に表示される。
次に、上記構成を有する情報記録装置Sにおける本願に係る記録再生動作について図2乃至図4を用いて説明する。
まず、CPU17は、情報記録装置Sの図示しないターンテーブル上に光ディスク1が載置されると、ピックアップ2をリードイン領域の開始位置近傍にまで移送して、読取ビームを照射する。そして、光ディスクからの反射光に副情報信号を担うRF信号成分が含まれているか否かを判定し、RF信号が含まれている場合には、リードイン領域並びにリードアウト領域における副情報信号の読取りを行わせしめ、各領域における副情報信号が記録されている最終記録位置(最終記録アドレス)を副情報信号記録情報としてCPU17の図示しない内部RAMに記憶する。一方、RF信号が含まれていない場合には、一度も記録されたことの無い未記録のディスクが載置されているとして、リードイン領域/リードアウト領域の各開始アドレスを、上記最終記録アドレスとして上記内部RAMに記憶する(ステップS1)。
次に、CPU17は、操作部19を介して使用者から動作モードを指定する指示信号Scが供給されているか否かを判定し、指示信号Scが供給されていない場合には(ステップS2;no)、ステップS3に移行して、ステップS1で記憶した副情報信号記録情報、つまり、リードイン領域及びリードアウト領域の各領域に記録された副情報信号の最終記録アドレスが、リードイン領域及びリードアウト領域の各最終アドレスより小か否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在する、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小である場合には(ステップS3;yes)、ピックアップ2を副情報信号記録情報が示すリードイン領域またはリードアウト領域内の最終記録アドレスの次のアドレスに移送するべく制御信号Ss7をスライダ3に出力する(ステップS4)。
次いでCPU17は、メモリ7に記憶された副情報信号をエンコーダ8をして符号化せしめるように制御信号Ss4を出力すると共に、制御信号Ss2を出力してエンコーダ8から出力されたエンコード信号Sedを記録信号Srに変換せしめて、ステップS4でピックアップ2を移送したディスク上の位置(リードイン領域或いはリードアウト領域における最終記録アドレスの次のアドレス、すなわち、副情報信号の追記位置)から、副情報信号を単位ブロック(例えば、一つのECC(Error Collecting Code)ブロックと等しいデータ量)分記録せしめる(ステップS5)。
次いで、CPU17は、内部メモリの副情報信号記録情報をステップS5の実行に基づく新たな最終記録アドレスで更新し、ステップS2に移行する(ステップS6)。
一方、ステップS3において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在しない、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小で無い場合(等しい場合)には(ステップS3;no)、既にリードイン領域並びにリードアウト領域には全域に亘って副情報信号が記録された状態にあるので、新たな動作の指示に備えるべくステップS2に移行する。
以上のように、情報記録装置Sに指示信号Scが供給されていない場合には、情報記録装置Sが主情報信号の記録動作並びに再生動作の待機状態にあると判断して、リードイン領域並びにリードアウト領域に副情報信号の記録を行うのである。つまり、情報記録装置Sは操作部20から何等指示信号が供給されない状態を空き時間が発生したものと見なして、かかる空き時間に副情報信号の記録を行うのである。
なお、内部RAMに記憶される副情報信号記録情報は、光ディスク1が情報記録装置Sからイジェクトされるたびにクリアされる。
次に、ステップS2において、操作部19から指示信号Scが供給されている場合には、かかる指示信号Scが指示する動作が情報記録動作であるか否かを判定し(ステップS7)、情報記録動作であるときには(ステップS7;yes)、後述する情報記録処理(ステップS8)に移行する。
一方、ステップS7において情報記録動作ではないと判定された場合には(ステップS7;no)、指示信号Scが指示する動作が情報再生動作であるか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9において、情報再生動作であると判定した場合には(ステップS9;yes)、後述する情報再生処理(ステップS10)に移行する。
一方、ステップS9において、指示信号Scが指定する動作が情報再生動作でない場合には、対応する動作は行なえないとして表示部にエラー表示を行うと共に、新たなる指示信号Scの到来に備えるべくステップS2に移行する。
次に、指示信号Scが情報記録動作を指示した場合の処理動作について、図3を用いて説明する。
上記ステップS7において、CPU17は、指示信号Scが情報記録動作を指示すると判断した場合には(ステップS7;yes)、制御信号Ss5を出力して記録すべき情報信号SinのA/D変換及び圧縮処理を入力レートMrに対応する速度で行わせしめ、圧縮情報信号Spdを記録バッファメモリ6に蓄積する(ステップS801)。
次に、CPU17は、記録バッファメモリ6からのデータ量信号Smrに基づいて、当該記録バッファメモリ6の蓄積データ量が予め設定された第1の所定量以上となったか否かを判定する(ステップS802)。そして、記録バッファメモリ6の蓄積データ量が第1の所定量以上であるときは(ステップS802;yes)、制御信号Ss7をスライダ3に出力して、記録するべき記録信号Srを記録する光ディスク1上の位置(アドレス)を検索し、当該検索した位置に光ビームBの光スポットを移動せしめる(ステップS803)。
そして、制御信号Ss4をエンコーダ8に出力して、予め設定されている第2の所定量の圧縮情報信号Spdを記録バッファメモリ6から読み出して、かかる圧縮情報信号Spdに対するエンコード信号Sedを生成せしめると共に、制御信号Ss2を記録回路9に出力して、上記エンコード信号Sedに相当する記録信号Srを生成し、この記録信号Srをピックアップ2をして記録レートRrで光ディスク1に記録せしめる(ステップS804)。
一方、ステップS802の判定において、記録バッファメモリ6の蓄積データ量が上記第1の所定量まで達していないと判定された場合には(ステップS802;no)、情報信号Sinに対応する記録信号Srの記録を一時中断すると共に、内部メモリに記憶されている副情報信号記録情報、つまり、リードイン領域及びリードアウト領域の各領域に記録された副情報信号の最終記録アドレスが、リードイン領域及びリードアウト領域の各最終アドレスより小か否かを判定する(ステップS805)。
ステップS805において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在しない、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスと等しい場合には(ステップS805;no)、ステップS802に戻り、記録バッファメモリの蓄積データ量が第1の所定量となるまで、記録動作の中断状態を継続する。
一方、ステップS805において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在する、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小である場合には(ステップS805;yes)、ピックアップ2を副情報信号記録情報に基づくリードイン領域或いはリードアウト領域の副情報信号の追記位置に移送せしめる(ステップS806)。
次いで、CPU17は、エンコーダ8に対して、記録バッファメモリ6から出力される圧縮情報信号Spdに代えて副情報信号メモリ7から出力される単位ブロック(例えば、一つのECCブロックと等しいデータ量)分の副情報信号をエンコードせしめるべく制御信号Ss4を出力すると共に、記録回路9に制御信号Ss2を出力してエンコーダ8から出力された副情報信号に対応するエンコード信号Sedを記録信号Srに変換して、ステップS806でピックアップ2を移送したディスク上の位置(リードイン領域或いはリードアウト領域)に、記録せしめる(ステップS807)。
そして、CPU17は、内部メモリの副情報信号記録情報をステップS807の実行に基づいて変化した新たな最終記録アドレスで更新し、再びステップS802に移行する(ステップS808)。
上記ステップS806乃至ステップS808によって、情報信号Sinに対応する圧縮情報信号Spdが記録バッファメモリ6に第1の所定量蓄積されるまでの期間、つまり、本来ピックアップ2の情報信号の記録動作を待機せしめる期間を利用して、リードイン領域並びにリードアウト領域の形成が行われるのである。
なお、上記第1の所定量は、記録バッファメモリ6の容量Brに基づいて、ステップS802における判定からステップS803におけるピックアップ2の移動までを完了して記録信号Srの記録を開始するまでに圧縮情報信号Spdが記録バッファメモリ6に上記入力レートMrで蓄積され続けても当該記録バッファメモリ6が満杯にならない所定量とされている。また、上記第2の所定量は、上記第1の所定量と同じとしても良いし、または記録位置のサーチや記録信号Srの記録中に新たに記録バッファメモリ6に蓄積される圧縮情報信号Spdの量を勘案し、記録バッファメモリ6に蓄積される全ての圧縮情報信号Spdを排出すべく第1の所定量よりも多い所定量としてもよい。
ステップS804を実行した後、CPU17は、全ての記録すべき情報(情報信号Sin)を記録したか否かを判定し(ステップS809)、全て記録されていないときは(ステップS809;no)、再びステップS802に移行して全ての記録すべき情報が記録されるまで、上記ステップS802乃至ステップS809の動作を繰り返し実行する。
一方、ステップS809の判定において、全ての記録すべき情報が記録されたと判定された場合には(ステップS809;yes)、ステップS810に移行して、操作部19から情報再生動作の指示がなされているか否かを判定する。このステップS810は、今記録した情報信号を直ちに確認する場合などに必要となる。ステップS810において、再生動作の指示がなされている場合には、記録処理を終了し、ステップS2(図2)に移行する。
一方、ステップS810の判定において、情報再生動作の指示がなされていない場合には(ステップS810;no)、記録動作の最終処理を行なうべくステップS811に移行して、内部メモリに記憶されている副情報信号記録情報、つまり、リードイン領域及びリードアウト領域の各領域に記録された副情報信号の最終記録アドレスが、リードイン領域及びリードアウト領域の各最終アドレスより小か否かを判定する(ステップS811)。
ステップS811において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在する、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小である場合には(ステップS811;yes)、ピックアップ2を副情報信号記録情報が示すリードイン領域またはリードアウト領域内の追記位置に移送するべく制御信号Ss7をスライダモータ3に出力する(ステップS812)。
次いでCPU17は、メモリ7に記憶された副情報信号をエンコーダ8をして符号化せしめるように制御信号Ss4を出力すると共に、制御信号Ss2を出力してエンコーダ8から出力されたエンコード信号Sedを記録信号Srに変換せしめて、ステップS812でピックアップ2を移送したディスク上の追記位置(リードイン領域或いはリードアウト領域)に、副情報信号を記録せしめる(ステップS813)。
次いで、CPU17は、内部メモリの副情報信号記録情報をステップS813の実行に基づく新たな最終記録アドレスで更新し、ステップS811に移行する(ステップS814)。
一方、ステップS811の判定において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在しない、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小で無い場合(等しい場合)には(ステップS811;no)、リードイン領域並びにリードアウト領域の全域に亘って副情報信号が記録された状態にあるので、情報記録処理を終了する。
次に、図3を用いて説明した情報記録処理動作を、記録バッファメモリ6の蓄積データ量の変化を中心として図4を用いて説明する。なお、図4は、情報記録が指示された場合の記録バッファメモリ6における蓄積データ量の変化を示すものであり、図4中のピックアップ2の状態を示す図のうち、網かけ領域で示されている時間帯は記録信号Srの記録が実行されており、白抜き領域で示されている時間帯は単位ブロック分の副情報信号の記録が実行されている。
時刻t1で情報記録が指示されると(上記ステップS7参照)、記録バッファメモリ6への圧縮情報信号Spdの蓄積を入力レートMrで開始すると共に(上記ステップS801参照)、当該蓄積データ量が上記第1の所定量となる時刻t2までの期間において、ピックアップ2を副情報信号記録情報が示すリードイン領域或いはリードアウト領域の追記位置に移送して、副情報信号メモリ7から出力される副情報信号に対応する記録信号Srを記録する(上記ステップS806及びステップ807参照)。そして、蓄積データ量が第1の所定量となる時刻t2において、それまでの副情報信号の記録動作を中断すると共に副情報信号記録情報を更新し(ステップS808参照)、新たな記録信号Srの記録位置をサーチして、時刻t3から記録信号Srの記録を開始する(上記ステップS803乃びステップS804参照)。
そして、時刻t4で上記第2の所定量だけ記録信号Srの記録が終了すると、次に、再び副情報信号のリードイン領域またはリードアウト領域への記録を行うべく、副情報信号記録情報で示される次の記録位置にピックアップ2を移動し、時刻t5から記録バッファメモリ6の蓄積データ量が第1の所定量以上となるまで(すなわち、時刻t6まで)副情報信号の記録を行う。
そして、記録バッファメモリ6の蓄積データ量が第1の所定量以上となったとき以降、上記記録位置へのピックアップ2の移動及び情報信号Sinに対応する記録信号Srの記録を行なう。
これ以後は、記録すべき情報信号Sinを全て記録し終わるまで、または、リードイン領域及びリードアウト領域に全て副情報信号が記録されるまで上述した動作が繰り返されることとなる。
なお、記録バッファメモリ6の蓄積データ量は、情報記録が指示されてから記録位置へのピックアップ2の移動が完了するまでの期間(すなわち、時刻t1からt3までの期間)は、その蓄積データ量は入力レートMrで増加し、次に実際に圧縮情報信号Spdに対応する記録信号Srが記録されているときは、その蓄積データ量は
R=(入力レートMr)−(記録レートRr)
で示されるレートRで減少する。そして、再度副情報信号の記録が再開されたとき、情報信号Sinの入力は継続されているので、その蓄積データ量は再び入力レートMrで増加し、以後、この変化を繰り返す。
以上説明したように、実施形態の情報記録再生装置Sの動作によれば、外部か入力された情報信号Sinに対応する記録信号の記録を継続しつつ、記録バッファメモリ6の蓄積データ量に応じて、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の記録が行なわれるので、情報再生装置S全体でみた場合、見掛け上、情報信号Sinの記録と副情報信号の記録を同時に進行させることができる。
次に、図2におけるステップS2において、指示信号Scが情報再生動作を指示した場合の処理動作について、図5を用いて説明する。
なお、以下に説明する情報再生処理は、上記情報記録動作における情報信号の記録終了後(ステップS809;yes)における記録動作の最終処理(ステップS811乃至ステップS814)を実行しないうちに情報再生動作の指示がなされた場合、つまり、図3におけるステップS810において情報再生動作の指示が為されていると判定した場合(ステップS810;yes)であって、リードイン領域/リードインアウト領域の副情報信号の記録が完了していない状態があることも想定されている。
まず、図2のステップS9において、CPU17は、指示信号Scが情報再生動作を指示すると判断した場合には(ステップS9;yes)、制御信号Ss1、Ss3、Ss6及びSs7を出力して、再生すべき記録信号Srが記録されている光ディスク1上の位置を検索し、当該検索した位置に光ビームBの光スポットを移動させて検出レートRpで検出信号Spの生成を開始せしめると共に、生成された検出信号Spに対するデコーダ9によるデコードを開始せしめ、これを再生バッファメモリ12に記憶せしめる。さらに、再生バッファメモリ12に記憶されているデコード信号Sddを出力レートMpで読み出して伸長回路13による伸長処理を行わしめる(ステップS101)。このステップS101により、上記検出レートRpと出力レートMpとの差に対応する速度で再生バッファメモリ12にデコード信号Sddが蓄積されていく。
次に、CPU17は、再生バッファメモリ12からのデータ量信号Smpに基づいて、当該再生バッファメモリ12の空き容量が予め設定された第3の所定量以下となったか否かを判定する(ステップS102)。ここで、当該第3の所定量は、例えば、デコード信号Sddにおける一つのECCブロックと等しいデータ量とされる。
ステップS102の判定において、再生バッファメモリ12の空き容量が上記第3の所定量以下となったときは(ステップS102;yes)、それ以上検出信号Spの生成を継続すると再生バッファメモリ12が満杯になってしまうとしてピックアップ2による読み取り動作を一時的に中断すると共に中断した検出位置を内部メモリに記憶する(ステップS103)。
次いで、内部メモリに記憶されている副情報信号記録情報、つまり、リードイン領域及びリードアウト領域の各領域に記録された副情報信号の最終記録アドレスが、リードイン領域及びリードアウト領域の各最終アドレスより小か否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在しない、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスと等しい場合には(ステップS104;no)、ステップS102に戻り、再生バッファメモリの空き容量が上記第3の所定量より大となるまで、再生検出動作の中断状態を継続する。
一方、ステップS104において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在する、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小である場合には(ステップS104;yes)、ピックアップ2を副情報信号記録情報に基づくリードイン領域或いはリードアウト領域の副情報信号の追記位置に移送せしめる(ステップS105)。
次いで、CPU17は、制御信号Ss4を出力して、エンコーダ8に対して、副情報信号を記憶したメモリ7から出力される単位ブロック分の副情報信号Scdをエンコードせしめると共に、記録回路9に制御信号Ss2を出力して、エンコーダ8から出力された副情報信号Scdに対応するエンコード信号Sedを記録信号Srに変換せしめて、かかる記録信号SrをステップS105でピックアップ2を移送したディスク上の位置(リードイン領域或いはリードアウト領域)に記録せしめる(ステップS106)。
そして、CPU17は、内部メモリの副情報信号記録情報をステップS106の実行に基づいて変化した新たな最終記録アドレスで更新し、再びステップS102に移行する(ステップS107)。
一方、ステップS102の判定において、再生バッファメモリ12の空き容量が上記第3の所定量以下でないときは(ステップS102;no)、ステップS103で記憶した再生検出位置をサーチして(ステップS108)、引き続き記録信号Srを検出せしめて検出信号Spを生成させる(ステップS109)。
次に、CPU17は、すべての再生すべき情報を再生したか否かを判定し(ステップS110)、すべての情報の再生が完了しているときは(ステップS110;yes)、再生回路10並びにデコーダ11における検出動作を停止せしめた後、ステップS111に移行して、内部メモリに記憶されている副情報信号記録情報、つまり、リードイン領域及びリードアウト領域の各領域に記録された副情報信号の最終記録アドレスが、リードイン領域及びリードアウト領域の各最終アドレスより小か否かを判定する(ステップS111)。
ステップS111において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在する、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小である場合には(ステップS111;yes)、ピックアップ2を副情報信号記録情報が示すリードイン領域またはリードアウト領域内の追記位置に移送する(ステップS112)。
次いでCPU17は、制御信号Ss4を出力してメモリ7に記憶された副情報信号Scdをエンコーダ8をして符号化せしめると共に、制御信号Ss2を出力してエンコーダ8から出力されたエンコード信号Sedを記録信号Srに変換せしめて、ステップS112でピックアップ2を移送したディスク上の追記位置(リードイン領域或いはリードアウト領域)に、副情報信号を記録せしめる(ステップS113)。
次いで、CPU17は、内部メモリの副情報信号記録情報をステップS113の実行に基づく新たな最終記録アドレスで更新し、ステップS111に移行する(ステップS114)。
一方、ステップS111の判定において、リードイン領域/リードアウト領域に副情報信号の未記録領域が存在しない、つまり、上記最終記録アドレスが上記最終アドレスより小で無い場合(等しい場合)には(ステップS111;no)、リードイン領域並びにリードアウト領域の全域に亘って副情報信号が記録された状態にあるので、情報再生処理を終了する。
次に、図5を用いて説明した上記情報再生処理動作を、再生バッファメモリ12の蓄積データ量の変化を中心として図6を用いて説明する。なお、図6は、情報再生が指示された場合の再生バッファメモリ10における蓄積データ量の変化を示すものであり、図6中のピックアップ2の状態を示す図のうち、網かけ領域で示されている時間帯は記録信号Srの検出が実行されており、白抜き領域で示されている時間帯は単位ブロック分の副情報信号の記録が実行されていることを示している。
時刻tt1において情報再生が指示されると、再生バッファメモリ12(容量はBpである。)の蓄積データ量は、
R=(検出レートRp)−(出力レートMp)
で示されるレートRで増加するように記録信号Srの検出(検出レートRp)を開始し、その後、空き容量が第3の所定量未満となった後の最初のCPU17による上記ステップS102の判定タイミング(時刻tt2)において、記録信号Srの検出が停止されるので、蓄積データ量は出力レートMpで減少する。
このとき、ピックアップ2は副情報信号記録情報が示すリードイン領域或いはリードアウト領域の追記位置に移送されて、副情報信号メモリ7から出力される副情報信号に対応する記録信号Srの記録が行われる(上記ステップS103乃びステップS104参照)。
その後、空き容量が上記第3の所定量以上となった後の最初のCPU17によるステップS102の判定タイミング(時刻tt3)において、副情報信号の記録動作が中断されると共に副情報信号記録情報が更新され(ステップS107参照)、時刻tt2において停止された記録信号Srの検出を再開するべく、検出位置をサーチして、時刻tt4から記録信号Srの検出が再開される(上記ステップS108乃びステップS109参照)。そして、再び記録信号Srの検出が開始されるので、蓄積データ量は上記レートRで再び増加する。以後、この動作はリードイン領域及びリードアウト領域に全て副情報信号が記録されるまで繰り返されることとなる。
なお、上記説明では、リードアウト領域の開始位置を固定した例(図7に示す例では直径116mm以上がリードアウト領域である。)について説明したが、記録するべき主情報信号の情報量に応じてリードアウト領域の開始位置を異ならしめる事ができる場合においても、本願を適用することは可能である。つまり、主情報信号の情報量に応じて主情報記録領域の最外周位置、すなわちリードアウト領域の開始位置を設定し、かかる開始位置から主情報信号の記録動作の空き時間に副情報信号を記録するのである。この場合、光ディスクの記録容量を有効に利用するために、主情報信号の追記を行う際には、追記位置を先の記録で設定されたリードアウト領域の開始位置として、新たに追記する主情報信号の情報量に応じて、再度、リードアウト領域の開始位置を設定すれば良い。
また、主情報信号の記録動作に関わる上記空き時間に、リードアウト領域の全域に対する副情報信号の記録が完了した後においても主情報信号の記録動作が引き続き行われている場合、つまり、図3におけるステップS805においてnoと判断された場合、上記リードアウト領域の最内周位置(図7に示す光ディスクの場合、直径116mmの位置)から内周方向(図7に示す光ディスクにおける主情報記録領域内)に向かってリードアウトを示す副情報信号を順次記録するように構成してもよい。主情報信号の情報量が主情報記録領域(図7に示す光ディスクの場合、直径48mm乃至116mm)の記録容量よりも少ない場合に、主情報記録領域の未記録部分に副情報信号を記録する必要があるが、上記構成によれば、主情報信号の記録動作に関わる空き時間に副情報信号が主情報記録領域の外周側から記録されているので、その分だけ主情報信号を記録した後の残りの記録領域が小さくなり副情報信号を記録する時間が短縮されることとなる。