JP2004286553A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】感応層が支持体に十分に密着しており、例えば排ガス雰囲気中などの過酷な環境で使用した場合でも、感応層が剥離することがなく、好適に実使用に耐えうるガスセンサを提供すること。
【解決手段】アンモニアセンサ(1)には、セラミックからなる絶縁基板(5)上に多孔質セラミック層(6)が設けられるとともに一対のリード部(7)、(9)が設けられ、多孔質セラミック層(6)上に一対の櫛歯電極(11)、(13)が形成され、各櫛歯電極(11)、(13)上に感応層(15)が設けられ、感応層(15)の上に保護層(17)が設けられている。このうち、多孔質セラミック層(6)は、厚膜印刷により形成された気孔率14〜39%の多孔質の層であり、主としてアルミナからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばゼオライト等のガス感応材料を用いて、該感応材料の電気的特性の変化からガス濃度等を検出するガスセンサに関し、特に感応材料からなる感応層をガスセンサの支持体上に密着良く形成することができるガスセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、内燃機関から排出されるNOxを浄化する研究が進んでおり、例えば選択還元触媒の前方に尿素を打ち込み、尿素が分解して生じたアンモニアにより、選択還元触媒にてNOxを還元して排ガスを浄化する技術が開発されている。
【0003】
この技術では、実際にどの程度アンモニアが発生したかにより、尿素の添加量を調節する必要があるので、アンモニア濃度を正確に測定する必要がある。
そのため、水晶基板(支持体)上に櫛歯形状のアルミニウム電極を形成し、その上にH−formのゼオライトを形成したゼオライト式アンモニアセンサが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、石英ガラス、Si、又はアルミナ基板(支持体)上に、例えばAu電極からなる櫛歯形状の電極を形成し、感応層に疎水性のゼオライトを使用したゼオライト式アンモニアセンサが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5143696号明細書 (第2頁、第1図、第2図)
【特許文献2】
米国特許第6069013号明細書 (第8頁、第9a図、第9b図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この両特許文献に記載されたセンサは、主として、表面に一対の電極を有する支持体(基板)と、該電極を覆って形成される感応層とから構成される。このようなセンサでは、センサ特性及び実使用(例えば排ガス中での使用)を考慮した場合には、感応層は基板に強固に密着していることが要求される。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術において、感応材料を単に基板上に形成しただけでは、十分な密着性を得ることが難しい場合がある。
特に、センサ用の感応材料を基板に焼き付ける場合には、その材料の感応特性を維持しつつ、基板に強固に固着するように焼き付けを行わなければならない。
【0008】
通常、物質を焼き付ける際、基板に強固に密着させるために、焼き付ける物質の焼結温度付近において焼き付けが行われる。ところが、感応材料によっては、焼結温度付近で焼き付けを行うと、感応特性が失われるものがあり、その場合には、感応材料の焼結温度より低い温度(例えば800℃以下)にて焼き付けを行わなければならない。そのため、感応材料と基板との密着性を確保することが難しい場合がある。
【0009】
そして、密着性が不十分なままで、例えば自動車の排ガス中でセンサを使用すると、排ガスの高流速や車体の振動の影響で感応層の剥離が発生して、センサの機能を十分に発揮できない可能性がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、感応層が支持体に十分に密着しており、例えば排ガス雰囲気中などの過酷な環境で使用した場合でも、感応層が剥離し難く、好適に実使用に耐えうるガスセンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、一対の電極と接触して設けられた感応層(即ちガス感応層)を、セラミックからなる支持体上に形成したガスセンサにおいて、前記支持体と前記感応層との間に、多孔質セラミック層を形成したことを特徴とする。
【0011】
本発明は、感応層を構成する感ガス材料(感応材料)の電気的特性の変化からガス濃度等を検出するガスセンサに関するものであり、特に本発明では、セラミックからなる支持体(例えばセラミック基板)と感応層との間に多孔質セラミック層を備えているので、この多孔質セラミック層により、支持体から感応層までの構成が強固に密着している。
【0012】
つまり、多孔質セラミック層は、粒成長によって、セラミックからなる支持体と強固に密着している。また、多孔質セラミック層の表面には多数の凹凸が形成されているので、この凹凸によるアンカー効果によって、感応層が多孔質セラミック層に強固に密着している。
【0013】
従って、本発明のガスセンサを、例えば自動車の排ガス中で使用した場合に、排ガスの高流速や車体の振動の影響を受けても、感応層の剥離が生じ難く、よって、センサの機能を長期間にわたり十分に発揮することができる。
感応層の感応材料を支持体に焼き付ける場合には、その材料の感応特性を失わないように、通常、感応材料の焼結温度よりも低温で焼き付けを行うが、本発明のガスセンサでは、その様な低温で焼き付けを行っても、十分な密着性を確保することができる。
【0014】
尚、一対の電極は、感応層の内部、感応層の多孔質セラミック層側、感応層の表面側(測定対象ガス側)に配置することができる。
(2)請求項2の発明は、前記支持体上に、該支持体側から、前記多孔質セラミック層、前記一対の電極、前記感応層の順で積層したことを特徴とする。
【0015】
本発明は、ガスセンサの構成を例示したものであり、この様な構成であれば、その製造が容易で、しかも、高い耐久性を有しているので、好適である。
尚、この場合には、一対の電極は、その表面側が感応層で覆われている。
(3)請求項3の発明は、前記多孔質セラミック層の気孔率が、14〜39%であることを特徴とする。
【0016】
本発明は、多孔質セラミック層の気孔率の好ましい範囲を例示したものである。つまり、気孔率が14%以上であると、感応層と多孔質セラミック層との密着性が高く、また、気孔率が39%以下であると、多孔質セラミック層の強度が高い(脆くない)という効果がある。
【0017】
尚、多孔質セラミック層を焼き付けにより形成する際には、粒径が小さい(易焼結性の)出発原料を用いて、焼成温度を低く(使用する材料にもよるが例えば1100〜1300℃、但し、粒成長が起こる程度の温度に)抑制することにより、その気孔率を14〜39%に調整することが可能である。
【0018】
また、ガスセンサ製造工程の都合により、多孔質セラミック層と支持体とを同時焼成する場合には、多孔質セラミック層の気孔率を確保するために、多孔質セラミック層の原料として、支持体の原料より粒径の大きな出発原料を用いて、その気孔率を調整することができる。
【0019】
尚、前記多孔質セラミック層の厚み(平均)としては、1〜30μmの範囲を採用できる。つまり、厚みを1〜30μmとすることで、感応層と多孔質セラミック層との密着性を高くすることができる。特に、多孔質セラミック層を支持体との同時焼成により形成する場合には、支持体との焼成収縮率の違いがあっても、多孔質セラミック層と支持体との密着性を確保できる。
【0020】
(4)請求項4の発明は、前記多孔質セラミック層が、少なくとも、Al、ZrO、及びMgAlから選ばれる1種を主成分とする材料からなることを特徴とする。
本発明は、多孔質セラミック層を形成する材料の好ましい種類を例示したものである。つまり、多孔質セラミック層が、主として(より好ましくは全体が)、Al、ZrO、MgAlにより構成されている場合には、耐熱性等に優れている。従って、本発明のガスセンサは、自動車の排ガス中等で好適に用いられる。
【0021】
(5)請求項5の発明は、前記ガスセンサが、アンモニアセンサ、ガス漏れセンサ、又は湿度センサであることを特徴とする。
本発明は、ガスセンサの用途を例示したものである。
例えばガスセンサがアンモニアセンサの場合には、感応層の感応材料として、ゼオライト(例えばZSM−5、モルデナイト等)、WO−ZrO等を採用できる。また、ガス漏れセンサの場合には、感応層の感応材料として、SnO、ZnO、WO、Fe、NiO、CuO,Cr、TiO等を採用できる。更に、湿度センサ(HOセンサ)の場合には、感応層の感応材料として、Al−SnO−TiO等を採用できる。
【0022】
・また、上述した発明のガスセンサにおいては、感応層を覆う保護層を備えることが好ましい。つまり、感応層の表面を、ガスの通過が可能な(例えば多孔質の)保護層で覆うことにより、例えば排ガス中のカーボン等の被毒物質が感応層に付着することを防止でき、感応層の劣化を抑制することができる。尚、保護層を構成する材料としては、マグネシアアルミナスピネル、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
【0023】
・更に、上述した発明のガスセンサとしては、例えば支持体にヒータを埋設するようにして、ヒータを備えた構成を採用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のガスセンサの実施の形態の例(実施例)について説明する。(実施例)
ここでは、ガスセンサとしてアンモニアセンサを例に挙げる。
【0025】
a)まず、本実施例のアンモニアセンサの構成について説明する。尚、図1はアンモニアセンサの全体及びその分解した状態を示す斜視図、図2は図1のA−A断面図である。
図1に示す様に、本実施例のアンモニアセンサ1は、アンモニア濃度に応じてインピーダンスが変化する感ガス材料(感応材料)を用いたインピーダンス変化式のアンモニアセンサ1である。尚、直流を印加する場合には、その抵抗の変化に基づいてアンモニア濃度を検出する。
【0026】
前記アンモニアセンサ1の要部を構成する素子部3は、絶縁基板5上に、以下の様に、順次各構成要素が積層されて形成されたものである。
つまり、アルミナ製の絶縁基板5上には、その先端側(同図右側)に、アルミナ製の多孔質セラミック層6が設けられるとともに、その基端側(同図左側)に、白金を主成分とする一対のリード部7、9が設けられている。また、多孔質セラミック層6上に、一対の櫛歯電極11、13が形成されるともに、各櫛歯電極11、13の基端側は各リード部7、9にそれぞれ接続されている。更に、各櫛歯電極11、13の上には、櫛歯電極11、13の全体を覆うように前記感ガス材料からなる感応層15が設けられ、感応層15の上には、感応層15の全体を覆うように、保護層17が設けられている。
【0027】
また、図2に示す様に、絶縁基板5内には、素子部3を加熱するヒータ19と測温抵抗体である温度センサ21とが配置されている。このヒータ19は主として白金からなり、温度センサ21も主として白金からなる。
このうち、前記多孔質セラミック層6は、厚膜印刷により形成された膜厚1〜30μmの範囲(例えば15μm)、気孔率14〜39%の範囲(例えば20%)の多孔質の層であり、主としてアルミナからなる。
【0028】
前記感応層15は、厚膜印刷により形成された膜厚約30μmの多孔質の層であり、主としてゼオライト(結晶性の多孔質アルミノケイ酸の総称)の感ガス材料、詳しくは、ZSM−5(Na[AlSi96−n192]・xHOのNaをHでイオン交換したもの)からなる。この感ガス材料は、周囲の雰囲気のアンモニア濃度が変化すると、そのインピーダンスが変化する、即ちアンモニアが増加するとインピーダンス(又は抵抗)が減少する性質を有するものである。
【0029】
前記保護層17は、カーボン等のデポジットなどが櫛歯電極11、13や感応層15に付着することを防止するために、厚膜印刷により形成された膜厚約30μmの層であり、主としてマグネシアアルミナスピネル(MgAl)からなる多孔質の保護膜である。
【0030】
b)次に、本実施例のアンモニアセンサ1の製造方法について説明する。
▲1▼まず、絶縁基板5上に、多孔質セラミック層6を形成する。
具体的には、平均粒子径2μm、BET比表面積3m/gのアルミナ粉末を用いて、多孔質セラミック層6用のペーストを作製し、これを絶縁基板5用のアルミナグリーンシート上にスクリーン印刷し、60℃にて乾燥後、400℃にて4時間脱脂した後に、1550℃にて1時間焼成する。これにより、気孔率14.1〜38.7%の多孔質セラミック層(焼結体)6を付加した絶縁基板(焼結体)5を形成する。
【0031】
▲2▼次に、絶縁基板5上に、リード部7、9を形成する。
具体的には、絶縁基板5上に、Pt系ペーストを印刷し、120℃にて1時間乾燥し、1400℃で1時間焼成する。
▲3▼次に、多孔質セラミック層6上に、櫛歯電極11、13を形成する。
【0032】
具体的には、櫛歯電極11、13の形状の開口部を有するマスクを用い、リード部7、9の端部と櫛歯電極11、13の端部とを重ねる様にして、多孔質セラミック層6上に、Auペーストを印刷し、60℃で乾燥後、1000℃で1時間焼成する。
【0033】
▲4▼次に、櫛歯電極11、13を覆うように、感応層15を形成する。
具体的には、感応層15を構成する感ガス材料(感応材料)として、平均粒子径4μm、BET比表面積340m/gのゼオライトを用いる。或いは、平均粒子径19μm、BET比表面積47m/gのWO/ZrO複合酸化物を用いてもよい(尚、この場合、WOはZrO粒子表面に化学結合して存在していると推定される)。
【0034】
そして、乳鉢に、この感応材料の粉末と有機溶剤と分散剤とを入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダーを添加し、更に4時間湿式混合を行ってスラリーとし、粘度調整を行ってペーストとする。
この感応材料のペーストを、前記櫛歯電極11、13を形成した絶縁基板5上にスクリーン印刷し、厚膜化する。その後、60℃で乾燥後、600℃で1時間焼成する。
【0035】
▲5▼次に、感応層15の上に、保護層17を形成する。
具体的には、感応層15の上にスピネル(MgAl)粉末を溶射して、保護層17を形成する。
これにより、本実施例のアンモニアセンサ1が完成する。
【0036】
c)本実施例の効果
本実施例のアンモニアセンサ1は、絶縁基板5と感応層15との間に多孔質セラミック層6を備えている。多孔質セラミック層6は、粒成長により絶縁基板5と強固に密着している。また、多孔質セラミック層6の表面には多数の凹凸が形成されているので、この凹凸によるアンカー効果によって、多孔質セラミック層6と感応層15とが強固に密着している。
【0037】
従って、本実施例のアンモニアセンサ1を、例えば自動車の排ガス中で使用した場合に、排ガスの高流速や車体の振動の影響を受けても、感応層15の剥離が生じ難く、よって、アンモニアセンサ1の機能を長期間にわたり十分に発揮することができる。
【0038】
また、センサ用の感応材料を絶縁基板5に焼き付ける場合には、その材料の感ガス特性を失わないように、焼結温度より低温で焼き付けを行う必要があるが、本実施例のアンモニアセンサ1では、その様な低温で焼き付けを行っても、十分な密着性を確保することができる。
【0039】
更に、本実施例のアンモニアセンサ1の多孔質セラミック層6の気孔率は、14〜39%であるので、多孔質セラミック層6と感応層15との密着性が高く、且つ、多孔質セラミック層6の強度が高い(脆くない)という効果がある。
d)実験例
次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0040】
▲1▼焼成温度と気孔率との関係を示す実験例
平均粒子径0.22μm、BET比表面積14m/gのアルミナ粉末を、φ10×5mmの形状にプレス成形し、147MPaの圧力でCIPして、複数の成形体を得た。この成形体を、1100℃、1200℃、1300℃、1400℃、1500℃の各温度で1時間焼成し、気孔率の異なる(多孔質セラミック層に相当する)焼結体を得た。
【0041】
そして、これらの焼結体に対して、その気孔率を水銀ポロシメータ(島津製作所社製、Micromeritics Poresizer 9320)で測定した。その結果を、図3に示す。
図3は、焼成温度と気孔率との関係を示すものであり、図3から、焼成温度が高くなるほど気孔率が小さくなることが分かる。従って、焼成温度を調節することにより、気孔率を調整することが可能であることが分かる。
【0042】
▲2▼気孔率と密着性との関係を示す実験例
上述した(気孔率が異なる)各焼結体の一方の表面に、前記実施例にて説明した感応層の形成方法によって感応層を焼き付けて、下記の剥離試験に用いる試料(試料No.1〜5)を作製した。尚、剥離試験に用いた各焼結体は、前記気孔率の測定に用いた焼結体と同様な条件にて作成したものである。
【0043】
また、本発明の範囲外の比較例として、前記実施例と同様な絶縁基板上に直接に感応層を焼き付けて、多孔質セラミック層の無い比較例の試料(試料No.6)を作製した。
そして、各試料における感応層の密着性を、メンディングテープを用いた剥離試験により評価した。
【0044】
この剥離試験とは、メンディングテープとして、コクヨ社製のメンディングテープT−112(縦12mm×横35mm)を用い、このメンディングテープを感応層全体を覆うように貼り付け、指で強く押しつけた後にテープを引き剥がし、目視によって、感応層が剥離したか否かを確認した実験である。
【0045】
尚、本試験は、JIS H 8504(1990年)「めっきの密着性試験方法」を参考にして行ったものである。
この剥離試験の結果を下記表1に示す。同表で密着性が○とは、剥離が生じなかったことを示し、△とは感応層の一部に剥離が認められたものを示し、×とは感応層の全体に剥離が生じたことを示すものである。
【0046】
【表1】
Figure 2004286553
【0047】
この表1から、絶縁基板と感応層との間に多孔質セラミック層(焼結体)を設けた場合には、多孔質セラミック層がない場合と比べて、剥離し難く、密着性に優れていることが分かる。特に多孔質セラミック層の気孔率が14.1〜38.7%の場合には、一層密着性が良好であることが分かる。
【0048】
▲3▼センサ特性の実験例
また、本発明例として、前記実施例と同様なアンモニアセンサを作製するとともに、本発明の範囲外の比較例として、多孔質セラミック層が無い以外は前記実施例と同様なアンモニアセンサを作製した。
【0049】
そして、両アンモニアセンサを用い、保管時間とセンサ特性(インピーダンス)の関係を測定した。
具体的には、ガス管に前記各アンモニアセンサを取り付け、ガス管内に下記のガス条件にて測定対象のガスを供給した。
【0050】
<ガス条件>
・ガス温度: 300℃
・ガス流量: 18L/min
・ガス組成: O:10体積%、CO:10体積%、HO:5体積%、NH:0ppm又は100ppm、N:残余
そして、上記ガスを供給した状態で、ヒータに通電して素子温(素子部の温度)が350℃となるように加熱するとともに、ガス組成として、NHを0ppm又は100ppmに切り替え、図4に示す回路にて、各ガス組成におけるアンモニアセンサのインピーダンスを測定した。測定は、10時間毎に実施し、測定が終了するとアンモニアセンサをガス管から取り外して、常温にて冷却した。
【0051】
ここで、前記図4に示す回路とは、アンモニアセンサ(1)の一方のリード部(7)に交流電源(31)を接続するとともに、他方のリード部(9)に負帰還をかけたオペアンプ(33)を接続し、オペアンプ(33)の出力側に電圧計(35)を接続したものである。
【0052】
この回路により、アンモニアセンサの両リード部(従って櫛歯電極)間に、周波数400Hzの交流電圧Vin(実効値2V)を印加し、その際のオペアンプの出力電圧Voutを測定した。次に、下記式(1)及び式(2)により、インピーダンスZsen、即ちアンモニアセンサの両櫛歯電極間のインピーダンスZsenを求めた。尚、Rrefは負帰還の回路部分の抵抗値である。
Zsen =Vin/I ・・・(1)
I =Vout/Rref ・・・(2)
この結果を図5及び図6に示す。図5は多孔質セラミック層を備えた本発明例であり、本発明例のアンモニアセンサでは、4回の測定の際において、NHが0ppm及び100ppmの両方とも、インピーダンスが略同じ値でありインピーダンスの変動が少なく、よって、測定精度が低下しないことが分かる。
【0053】
それに対して、図6に示す様に、比較例の多孔質セラミック層を備えていないアンモニアセンサでは、2回目の測定の際に、NHが0ppm及び100ppmの両方とも、インピーダンスが大きく増加しておりインピーダンスの変動が大きく、測定精度が低下することが分かる。尚、3回目の測定の際には、感応層が剥離し、測定が不能であった。
【0054】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えばアンモニアセンサに限らず、ガス漏れセンサや湿度センサ(HOセンサ)等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のアンモニアセンサの素子部の全体及び分解した状態を示す説明図である。
【図2】素子部の図1におけるA−A断面図である。
【図3】実験例▲1▼の焼成温度と気孔率との関係を示すグラフである。
【図4】実験例▲2▼のインピーダンスの測定に用いる回路を示す説明図である。
【図5】実験例▲3▼の本発明例における保管時間とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
【図6】実験例▲3▼の比較例における保管時間とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アンモニアセンサ
3…素子部
5…絶縁基板
6…多孔質セラミック層
7、9…リード部
11、13…櫛歯電極
15…感応層
17…保護層

Claims (5)

  1. 一対の電極と接触して設けられた感応層を、セラミックからなる支持体上に形成したガスセンサにおいて、
    前記支持体と前記感応層との間に、多孔質セラミック層を形成したことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記支持体上に、該支持体側から、前記多孔質セラミック層、前記一対の電極、前記感応層の順で積層したことを特徴とする前記請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記多孔質セラミック層の気孔率が、14〜39%であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記多孔質セラミック層が、少なくとも、Al、ZrO、及びMgAlから選ばれる1種を主成分とする材料からなることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記ガスセンサが、アンモニアセンサ、ガス漏れセンサ、又は湿度センサであることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
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