JP2004296142A - セラミックヒータおよびそれを用いた検出素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温度におけるヒータの耐久性や急速昇温の際の熱衝撃による破壊等の問題を解決し、ヒータ寿命を長期化した急速昇温が可能なセラミックヒータを提供する。
【解決手段】アルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体26中に白金を主成分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、前記発熱体中に、30〜60体積%のアルミナを含有するとともに、該アルミナを平均結晶粒子径が、0.2〜1.0μmの粒子として存在させてなるとともに、室温〜800℃の範囲における発熱体の熱膨張係数が前記絶縁性セラミック基体より、0.8〜1.4×10−6/℃大きいことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】アルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体26中に白金を主成分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、前記発熱体中に、30〜60体積%のアルミナを含有するとともに、該アルミナを平均結晶粒子径が、0.2〜1.0μmの粒子として存在させてなるとともに、室温〜800℃の範囲における発熱体の熱膨張係数が前記絶縁性セラミック基体より、0.8〜1.4×10−6/℃大きいことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性に優れたセラミックヒータに関し、具体的には、半導体基板の加熱用ヒータや、石油ファンヒータなどに用いられ、特に、車両用のガスセンサなどの検出素子用のヒータとして好適に用いられるものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、アルミナなどの絶縁性セラミックスからなる絶縁基板の内部に発熱体を埋設したセラミックヒータが知られており(特許文献1参照)、半導体基板の加熱ヒータの他、温水ヒータや、石油ファンヒータとして用いられている。
【0003】
一方、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0004】
この検出素子として、主として酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質基板の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。
【0005】
この酸素センサの代表的なものとしては、図6に示すように、平板状の固体電解質基板31の外面および内面に基準電極32と測定電極33をそれぞれ設けると同時に、セラミック絶縁体34の内部に白金からなる発熱体35を埋設したセラミックヒータを一体型した酸素センサが提案されている(例えば、特許文献2、3)。このセラミックヒータを一体化した酸素センサは、セラミックヒータによって直接加熱されることによって検知部は800〜1000℃の高温まで急速昇温されるメリットを有する。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−149791号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−540399号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−236104号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1〜3に記載されるようなこれらセラミックヒータに対しては、上記の用途に対してそれぞれの機能を発現するに至る、いわゆる作動時間を短縮したり、高温度で使用することにより性能の安定化を図るため、セラミックヒータ自身に対して、急速昇温性や、加熱温度の高温化等の要求が高まってきた。
【0010】
しかしながら、セラミックヒータを上記の用途に使用する場合、1000℃を超えるような高温度の環境で使用される場合や、急速にヒータを加熱する場合、ヒータが破損したり、あるいは発熱体の抵抗が急激に増加するという問題があった。そのため、これらのセラミックヒータは、現在1000℃以下、多くの場合700℃以下で、且つ急激な急速昇温を避けて用いられている。
【0011】
本発明は、上記の問題である高温度におけるヒータの耐久性や急速昇温の際の熱衝撃による破壊等の問題を解決し、ヒータ寿命を長期化した急速昇温が可能なセラミックヒータとそれを用いた検出素子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、アルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体中に、白金を主成分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、前記発熱体中に、30〜60体積%のアルミナを含有するとともに、該アルミナを平均結晶粒子径が、0.2〜1.0μmの粒子として存在させてなるとともに、室温〜800℃の範囲における発熱体の熱膨張係数を前記絶縁性セラミック基体より、0.8〜1.4×10−6/℃大きくすることで上記の問題が解決されることを見出し、本発明に至った。
【0013】
さらには前記アルミナ中のNaの含有量が50ppm以下であることが耐久性を高める上で望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセラミックヒータの基本構造を説明する。本発明のセラミックヒータにおいては、図1に示すようにアルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体1中に白金を主成分とする発熱体2が埋設されている。またこの発熱体2は、リード3およびスルーホール導体4を介して、絶縁性セラミック基体1の一表面に形成された電極5と電気的に接続されている。
【0015】
本発明においては、かかるセラミックヒータにおいて、室温〜800℃の範囲における発熱体2の熱膨張係数が絶縁性セラミック基体1の熱膨張係数より、0.8〜1.4×10−6/℃大きいことが重要である。この熱膨張差が1.4×10−6/℃より大きいと、急激にヒータを加熱する場合、あるいは高温度にヒータを加熱した場合など、発熱体2と絶縁性セラミック基体1との熱膨張係数の差に起因する熱応力によりクラックが進展し、その結果、素子が破壊する。一方、0.8×10−6/℃以下にするには発熱体を形成する時の導体ペーストの管理が難しく、量産性が悪くなり、結果としてコストが高くなるためである。この熱膨張差は特に0.9〜1.2×10−6/℃が望ましい。
【0016】
本発明における発熱体2は、白金を主成分としている。具体的には、白金単体の他、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との白金の合金が用いられる。
【0017】
また、この発熱体2は、上記金属成分以外に、30〜60体積%のアルミナを含有することが重要である。このアルミナの含有率が30体積%より少ないと、絶縁性セラミック基体と発熱体の熱膨張係数差が1.4×10−6より大きくなるためにヒータの加熱時に発熱体が断線しやすい。逆に、アルミナ含有率が60体積%を越えると発熱体2の電気抵抗が高くなる結果、発熱体2の厚みを厚くする必要があり、そのために急速昇温やヒータの加熱によりセラミック基体1にクラックが発生し易くなる。発熱体2のアルミナの含有率としては、特に35〜45体積%の範囲が好ましい。
【0018】
また、発熱体2中のアルミナの平均結晶粒子径が0.2〜1.0μm、特に0.3〜0.5μmとすることが重要である。これは、平均粒子径が1.0μmより大きいと発熱体に凹凸ができ、特性のばらつきが発生したり、凹凸部分に応力は集中して発熱体2が断線しやすくなる。一方、0.2μmより小さいとアルミナが凝集することにより、2次粒子径にばらつきができ、発熱体中に温度ばらつきが生じ断線等が発生しやすくなる。
【0019】
また、本発明においては、絶縁性セラミック基体1を構成するアルミナセラミックスは、焼結助剤成分として、シリカ、カルシア、マグネシアを3質量%以下、特に0.5〜1.5質量%含有するセラミックスであることが望ましい。また、NaやKのマイナス極側への移動と抵抗増加を防止する観点からセラミック基体1中のNaおよびKの含有量としてはそれぞれ50ppm以下、特に30ppm以下にすることが望ましい。
【0020】
かかるセラミックヒータを作製する方法としては、まず、白金等の金属粉末とアルミナ粉末とを上記の範囲に秤量し混合してなる印刷用の発熱体ペーストを作製し、アルミナグリーンシート表面に発熱体パターンにリード、電極パターン、スルーホールとともに印刷形成した後、これらをすべて同時に焼成して作製することが望ましい。
【0021】
この際、発熱体を作製するペーストは、グラインドゲージによる測定値で20μm以下、特に15μm以下に制御することが発熱体の耐久性の観点から重要である。このグラインドゲージとは、ペーストの粒径測定用装置であり、最大粒径を表すパラメータである。即ち、このグラインドゲージが20μmよりも大きいと、発熱体に凹凸ができ、特性の信頼性を低下させる原因となる。なお、このグラインドゲージは、ペースト中のアルミナ粒子径や白金粒子径を調整すること制御できる。
【0022】
なお、本発明のセラミックヒータの発熱体のパターンは、素子の長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造でも、あるいは長手方向と直交する方向の端部で折り返した波形(ミアンダ)構造でもよい。
【0023】
また、本発明のセラミックヒータは図1のような平板形状の他、円筒形状であっても問題は無い。さらに、本発明のセラミックヒータを有する酸素センサ素子、NOxセンサ、COセンサ等のガスセンサも本発明に含まれる。
【0024】
本発明の応用例として、図2に本発明のセラミックヒータを酸素センサ素子の加熱に応用した場合を示した。
【0025】
これは、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、図2の例ではセンサ部20とヒータ部21とが一体的に形成されている。
【0026】
図2の酸素センサ素子においては、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有する固体電解質基板22と、この固体電解質基板22の対向する両面には、空気に接する基準電極23aと、排気ガスと接する測定電極24aとが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部20を形成している。
【0027】
一方、発熱体27aを埋設する絶縁性セラミック基体26から構成されるヒータ部21は先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔22aを形成している。そして、この中空内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極23aが被着形成され、この基準電極23aと対向する固体電解質基板22の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極24aが形成されている。
【0028】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極24a表面には電極保護層としてセラミック多孔質層25が形成されている。
【0029】
本発明の酸素センサ素子において用いられる固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。
【0030】
また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。
【0031】
さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0032】
固体電解質基板22の表面に被着形成される基準電極23a、測定電極24aは、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。
【0033】
また、動作時に、電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。
【0034】
また、電極23a,24aの形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0035】
一方、発熱体27aを埋設する絶縁性セラミック基体26としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。
【0036】
この際、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10質量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイグレーションしてヒータ部2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で50ppm以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0037】
ヒータ部21における絶縁性セラミック基体26内に埋設された発熱体27aは、白金を主成分とし、室温〜800℃の範囲における発熱体27aの熱膨張係数が絶縁性セラミック基体26のそれより、0.8〜1.4×10−6/℃大きくするため、30〜60体積%のアルミナを含有することが望ましい。また、発熱体27aの信頼性を高めるため、該アルミナの平均結晶粒子径は0.2〜1.0μmであることが望ましい。
【0038】
なお、ヒータ部21における発熱体27aの発熱パターンとしては、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、ミアンダ構造であってもよい。
【0039】
また、測定電極24aの表面に形成されるセラミック多孔質層25は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0040】
また、本発明のセラミックヒータまたは酸素センサなどの検出素子は、素子全体の厚さとしては、0.8〜1.5mm、特に1.0〜1.2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0041】
次に、本発明のセラミックヒータ構造体の製造方法について、図2のセラミックヒータ構造体の製造方法を例にして図3の分解斜視図をもとに説明する。
【0042】
まず、固体電解質のグリーンシート41を作製する。このグリーンシート41は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
【0043】
次に、上記のグリーンシート41の両面に、それぞれ測定電極24および基準電極23となるパターン42a、42cやリードパターン42b、42d、パット43a、スルーホール43bなどを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーディップ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成することにより、センサ部Aを作製する。
【0044】
さらに、この時に使用する白金を含有する導電性ペーストとしては、上述のセラミック固体電解質成分からなるジルコニアを1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で包含する白金粒子を用いて、その他に、エチルセルロース等の有機樹脂成分を含有するものが望ましい。
【0045】
次に、絶縁性セラミック基体からなるグリーンシート47の表面に、平均粒径が0.5〜2.0μmの白金と、平均粒径が0.1〜1.2μmのアルミナとの混合粉末とバインダーからなる発熱体の印刷用ペースト用い、発熱体パターン49やリードパターン50、電極パターン51、スルーホール52などをスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷して形成形成する。そして、さらにアルミナのグリーンシートをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら、大気導入孔44を形成した絶縁性セラミック基体からなるグリーンシート45、46と機械的に接着することにより、ヒータ部21用の積層体Bを作製する。この際、発熱体の印刷用ペーストは、グラインドゲージによる測定値で20μm以下とすることが望ましい。グラインドゲージを上記の範囲に制御するには、回転ミル等で白金やアルミナを粉砕することにより調整すればよい。
【0046】
この後、センサ部20の積層体Aとヒータ部21の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0047】
【実施例】
図1に示すセラミックヒータを作製した。市販の純度が99.9%で平均粒子径が0.5μmアルミナ粉末(シリカ0.1重量%含有)と、平均粒子径が0.2μmを有するアルミナ粉末を1〜50体積%含有する白金粉末を準備した。アルミナ粉末にアクリル系のバインダーとトルエンを添加してスラリーを作製し、ドクターブレード法により、シートの厚さが0.3mmになるようなアルミナのグリーンシートを作製した。
【0048】
上記のアルミナ粉末添加量を20〜80体積%と変化させ、表1に示すように発熱体の熱膨張係数を変化させた白金粉末からなるペースト(アルミナ平均結晶粒子径が0.1〜1.2μmと変化)(グラインドゲージ5〜25μm)を作製し、これを用いてアルミナのグリーンシート表面に焼成後抵抗値が室温で約8Ωになりようにヒータパターンをスクリーン印刷で印刷した。そして、これらのヒータパターンの状面にアルリルバインダーを用いてアルミナのグリーンシートを3枚積層してヒータの積層体を作製した。焼成は、1500℃で2h大気中で行った。この後、ヒータの幅が4mm、長さ5mmになるように外周を加工した後、さらにエッジ部については、0.2mmのC面取りを施した。
【0049】
ヒータの耐久性は、ヒータ間に約25V前後の電圧を印加し、室温から1100℃まで約20秒で昇温し、さらにこの温度で1分保持した後、印加電圧を切ってヒータを室温まで空冷した。この温度サイクルを1サイクルとして、これを10万回繰り返した時のヒータの破損率を求めた。この際、試料はそれぞれ10個とした。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1より、発熱体と絶縁性セラミック基体の熱膨張係数の差が1.4×10−6/℃を超える試料No.1と試料No.2では破損率が高いことがわかる。
【0052】
また、その差が0.8×10−6/℃より小さい試料No.6と試料No.7では、アルミナの含有率が60体積%を超え、発熱体の抵抗値が高くヒータとしては不適当であった。一方、本発明品はいずれも破損率が50%以下と低く、耐久性に優れたセラミックヒータであった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、発熱体の高温度におけるヒータの耐久性や急速昇温の際の熱衝撃による破壊等の問題を解決し、ヒータ寿命を長期化した急速昇温が可能なセラミックヒータを提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックヒータの構造を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの一例を説明するための概略断面図である。
【図3】図2のセラミックヒータの製造方法を説明するための分解斜視図である。
【符号の説明】
1、27a ・・・発熱体
2 ・・・パット
3 ・・・スルホール
4、26 ・・・絶縁性セラミック基体
22 ・・・固体電解質基盤
22a ・・・大気導入孔
23a ・・・基準電極
24a ・・・測定電極
25 ・・・セラミック多孔質層
20 ・・・センサ部
21 ・・・ヒータ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性に優れたセラミックヒータに関し、具体的には、半導体基板の加熱用ヒータや、石油ファンヒータなどに用いられ、特に、車両用のガスセンサなどの検出素子用のヒータとして好適に用いられるものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、アルミナなどの絶縁性セラミックスからなる絶縁基板の内部に発熱体を埋設したセラミックヒータが知られており(特許文献1参照)、半導体基板の加熱ヒータの他、温水ヒータや、石油ファンヒータとして用いられている。
【0003】
一方、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0004】
この検出素子として、主として酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質基板の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。
【0005】
この酸素センサの代表的なものとしては、図6に示すように、平板状の固体電解質基板31の外面および内面に基準電極32と測定電極33をそれぞれ設けると同時に、セラミック絶縁体34の内部に白金からなる発熱体35を埋設したセラミックヒータを一体型した酸素センサが提案されている(例えば、特許文献2、3)。このセラミックヒータを一体化した酸素センサは、セラミックヒータによって直接加熱されることによって検知部は800〜1000℃の高温まで急速昇温されるメリットを有する。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−149791号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−540399号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−236104号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1〜3に記載されるようなこれらセラミックヒータに対しては、上記の用途に対してそれぞれの機能を発現するに至る、いわゆる作動時間を短縮したり、高温度で使用することにより性能の安定化を図るため、セラミックヒータ自身に対して、急速昇温性や、加熱温度の高温化等の要求が高まってきた。
【0010】
しかしながら、セラミックヒータを上記の用途に使用する場合、1000℃を超えるような高温度の環境で使用される場合や、急速にヒータを加熱する場合、ヒータが破損したり、あるいは発熱体の抵抗が急激に増加するという問題があった。そのため、これらのセラミックヒータは、現在1000℃以下、多くの場合700℃以下で、且つ急激な急速昇温を避けて用いられている。
【0011】
本発明は、上記の問題である高温度におけるヒータの耐久性や急速昇温の際の熱衝撃による破壊等の問題を解決し、ヒータ寿命を長期化した急速昇温が可能なセラミックヒータとそれを用いた検出素子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、アルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体中に、白金を主成分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、前記発熱体中に、30〜60体積%のアルミナを含有するとともに、該アルミナを平均結晶粒子径が、0.2〜1.0μmの粒子として存在させてなるとともに、室温〜800℃の範囲における発熱体の熱膨張係数を前記絶縁性セラミック基体より、0.8〜1.4×10−6/℃大きくすることで上記の問題が解決されることを見出し、本発明に至った。
【0013】
さらには前記アルミナ中のNaの含有量が50ppm以下であることが耐久性を高める上で望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセラミックヒータの基本構造を説明する。本発明のセラミックヒータにおいては、図1に示すようにアルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体1中に白金を主成分とする発熱体2が埋設されている。またこの発熱体2は、リード3およびスルーホール導体4を介して、絶縁性セラミック基体1の一表面に形成された電極5と電気的に接続されている。
【0015】
本発明においては、かかるセラミックヒータにおいて、室温〜800℃の範囲における発熱体2の熱膨張係数が絶縁性セラミック基体1の熱膨張係数より、0.8〜1.4×10−6/℃大きいことが重要である。この熱膨張差が1.4×10−6/℃より大きいと、急激にヒータを加熱する場合、あるいは高温度にヒータを加熱した場合など、発熱体2と絶縁性セラミック基体1との熱膨張係数の差に起因する熱応力によりクラックが進展し、その結果、素子が破壊する。一方、0.8×10−6/℃以下にするには発熱体を形成する時の導体ペーストの管理が難しく、量産性が悪くなり、結果としてコストが高くなるためである。この熱膨張差は特に0.9〜1.2×10−6/℃が望ましい。
【0016】
本発明における発熱体2は、白金を主成分としている。具体的には、白金単体の他、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との白金の合金が用いられる。
【0017】
また、この発熱体2は、上記金属成分以外に、30〜60体積%のアルミナを含有することが重要である。このアルミナの含有率が30体積%より少ないと、絶縁性セラミック基体と発熱体の熱膨張係数差が1.4×10−6より大きくなるためにヒータの加熱時に発熱体が断線しやすい。逆に、アルミナ含有率が60体積%を越えると発熱体2の電気抵抗が高くなる結果、発熱体2の厚みを厚くする必要があり、そのために急速昇温やヒータの加熱によりセラミック基体1にクラックが発生し易くなる。発熱体2のアルミナの含有率としては、特に35〜45体積%の範囲が好ましい。
【0018】
また、発熱体2中のアルミナの平均結晶粒子径が0.2〜1.0μm、特に0.3〜0.5μmとすることが重要である。これは、平均粒子径が1.0μmより大きいと発熱体に凹凸ができ、特性のばらつきが発生したり、凹凸部分に応力は集中して発熱体2が断線しやすくなる。一方、0.2μmより小さいとアルミナが凝集することにより、2次粒子径にばらつきができ、発熱体中に温度ばらつきが生じ断線等が発生しやすくなる。
【0019】
また、本発明においては、絶縁性セラミック基体1を構成するアルミナセラミックスは、焼結助剤成分として、シリカ、カルシア、マグネシアを3質量%以下、特に0.5〜1.5質量%含有するセラミックスであることが望ましい。また、NaやKのマイナス極側への移動と抵抗増加を防止する観点からセラミック基体1中のNaおよびKの含有量としてはそれぞれ50ppm以下、特に30ppm以下にすることが望ましい。
【0020】
かかるセラミックヒータを作製する方法としては、まず、白金等の金属粉末とアルミナ粉末とを上記の範囲に秤量し混合してなる印刷用の発熱体ペーストを作製し、アルミナグリーンシート表面に発熱体パターンにリード、電極パターン、スルーホールとともに印刷形成した後、これらをすべて同時に焼成して作製することが望ましい。
【0021】
この際、発熱体を作製するペーストは、グラインドゲージによる測定値で20μm以下、特に15μm以下に制御することが発熱体の耐久性の観点から重要である。このグラインドゲージとは、ペーストの粒径測定用装置であり、最大粒径を表すパラメータである。即ち、このグラインドゲージが20μmよりも大きいと、発熱体に凹凸ができ、特性の信頼性を低下させる原因となる。なお、このグラインドゲージは、ペースト中のアルミナ粒子径や白金粒子径を調整すること制御できる。
【0022】
なお、本発明のセラミックヒータの発熱体のパターンは、素子の長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造でも、あるいは長手方向と直交する方向の端部で折り返した波形(ミアンダ)構造でもよい。
【0023】
また、本発明のセラミックヒータは図1のような平板形状の他、円筒形状であっても問題は無い。さらに、本発明のセラミックヒータを有する酸素センサ素子、NOxセンサ、COセンサ等のガスセンサも本発明に含まれる。
【0024】
本発明の応用例として、図2に本発明のセラミックヒータを酸素センサ素子の加熱に応用した場合を示した。
【0025】
これは、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、図2の例ではセンサ部20とヒータ部21とが一体的に形成されている。
【0026】
図2の酸素センサ素子においては、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有する固体電解質基板22と、この固体電解質基板22の対向する両面には、空気に接する基準電極23aと、排気ガスと接する測定電極24aとが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部20を形成している。
【0027】
一方、発熱体27aを埋設する絶縁性セラミック基体26から構成されるヒータ部21は先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔22aを形成している。そして、この中空内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極23aが被着形成され、この基準電極23aと対向する固体電解質基板22の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極24aが形成されている。
【0028】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極24a表面には電極保護層としてセラミック多孔質層25が形成されている。
【0029】
本発明の酸素センサ素子において用いられる固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。
【0030】
また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。
【0031】
さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0032】
固体電解質基板22の表面に被着形成される基準電極23a、測定電極24aは、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。
【0033】
また、動作時に、電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。
【0034】
また、電極23a,24aの形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0035】
一方、発熱体27aを埋設する絶縁性セラミック基体26としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。
【0036】
この際、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10質量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイグレーションしてヒータ部2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で50ppm以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0037】
ヒータ部21における絶縁性セラミック基体26内に埋設された発熱体27aは、白金を主成分とし、室温〜800℃の範囲における発熱体27aの熱膨張係数が絶縁性セラミック基体26のそれより、0.8〜1.4×10−6/℃大きくするため、30〜60体積%のアルミナを含有することが望ましい。また、発熱体27aの信頼性を高めるため、該アルミナの平均結晶粒子径は0.2〜1.0μmであることが望ましい。
【0038】
なお、ヒータ部21における発熱体27aの発熱パターンとしては、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、ミアンダ構造であってもよい。
【0039】
また、測定電極24aの表面に形成されるセラミック多孔質層25は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0040】
また、本発明のセラミックヒータまたは酸素センサなどの検出素子は、素子全体の厚さとしては、0.8〜1.5mm、特に1.0〜1.2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0041】
次に、本発明のセラミックヒータ構造体の製造方法について、図2のセラミックヒータ構造体の製造方法を例にして図3の分解斜視図をもとに説明する。
【0042】
まず、固体電解質のグリーンシート41を作製する。このグリーンシート41は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
【0043】
次に、上記のグリーンシート41の両面に、それぞれ測定電極24および基準電極23となるパターン42a、42cやリードパターン42b、42d、パット43a、スルーホール43bなどを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーディップ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成することにより、センサ部Aを作製する。
【0044】
さらに、この時に使用する白金を含有する導電性ペーストとしては、上述のセラミック固体電解質成分からなるジルコニアを1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で包含する白金粒子を用いて、その他に、エチルセルロース等の有機樹脂成分を含有するものが望ましい。
【0045】
次に、絶縁性セラミック基体からなるグリーンシート47の表面に、平均粒径が0.5〜2.0μmの白金と、平均粒径が0.1〜1.2μmのアルミナとの混合粉末とバインダーからなる発熱体の印刷用ペースト用い、発熱体パターン49やリードパターン50、電極パターン51、スルーホール52などをスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷して形成形成する。そして、さらにアルミナのグリーンシートをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら、大気導入孔44を形成した絶縁性セラミック基体からなるグリーンシート45、46と機械的に接着することにより、ヒータ部21用の積層体Bを作製する。この際、発熱体の印刷用ペーストは、グラインドゲージによる測定値で20μm以下とすることが望ましい。グラインドゲージを上記の範囲に制御するには、回転ミル等で白金やアルミナを粉砕することにより調整すればよい。
【0046】
この後、センサ部20の積層体Aとヒータ部21の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0047】
【実施例】
図1に示すセラミックヒータを作製した。市販の純度が99.9%で平均粒子径が0.5μmアルミナ粉末(シリカ0.1重量%含有)と、平均粒子径が0.2μmを有するアルミナ粉末を1〜50体積%含有する白金粉末を準備した。アルミナ粉末にアクリル系のバインダーとトルエンを添加してスラリーを作製し、ドクターブレード法により、シートの厚さが0.3mmになるようなアルミナのグリーンシートを作製した。
【0048】
上記のアルミナ粉末添加量を20〜80体積%と変化させ、表1に示すように発熱体の熱膨張係数を変化させた白金粉末からなるペースト(アルミナ平均結晶粒子径が0.1〜1.2μmと変化)(グラインドゲージ5〜25μm)を作製し、これを用いてアルミナのグリーンシート表面に焼成後抵抗値が室温で約8Ωになりようにヒータパターンをスクリーン印刷で印刷した。そして、これらのヒータパターンの状面にアルリルバインダーを用いてアルミナのグリーンシートを3枚積層してヒータの積層体を作製した。焼成は、1500℃で2h大気中で行った。この後、ヒータの幅が4mm、長さ5mmになるように外周を加工した後、さらにエッジ部については、0.2mmのC面取りを施した。
【0049】
ヒータの耐久性は、ヒータ間に約25V前後の電圧を印加し、室温から1100℃まで約20秒で昇温し、さらにこの温度で1分保持した後、印加電圧を切ってヒータを室温まで空冷した。この温度サイクルを1サイクルとして、これを10万回繰り返した時のヒータの破損率を求めた。この際、試料はそれぞれ10個とした。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1より、発熱体と絶縁性セラミック基体の熱膨張係数の差が1.4×10−6/℃を超える試料No.1と試料No.2では破損率が高いことがわかる。
【0052】
また、その差が0.8×10−6/℃より小さい試料No.6と試料No.7では、アルミナの含有率が60体積%を超え、発熱体の抵抗値が高くヒータとしては不適当であった。一方、本発明品はいずれも破損率が50%以下と低く、耐久性に優れたセラミックヒータであった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、発熱体の高温度におけるヒータの耐久性や急速昇温の際の熱衝撃による破壊等の問題を解決し、ヒータ寿命を長期化した急速昇温が可能なセラミックヒータを提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックヒータの構造を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの一例を説明するための概略断面図である。
【図3】図2のセラミックヒータの製造方法を説明するための分解斜視図である。
【符号の説明】
1、27a ・・・発熱体
2 ・・・パット
3 ・・・スルホール
4、26 ・・・絶縁性セラミック基体
22 ・・・固体電解質基盤
22a ・・・大気導入孔
23a ・・・基準電極
24a ・・・測定電極
25 ・・・セラミック多孔質層
20 ・・・センサ部
21 ・・・ヒータ部
Claims (3)
- アルミナを主成分とする絶縁性セラミック基体中に、白金を主成分とする発熱体が埋設されたセラミックヒータであって、前記発熱体中に、30〜60体積%のアルミナを含有するとともに、該アルミナを平均結晶粒子径が、0.2〜1.0μmの粒子として存在させてなるとともに、室温〜800℃の範囲における発熱体の熱膨張係数が前記絶縁性セラミック基体より、0.8〜1.4×10−6/℃大きいことを特徴とするセラミックヒータ。
- 前記アルミナ中のNaの含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 請求項1乃至3のうち、いずれか1項に記載のセラミックヒータを備えた検出素子。
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