JP2004279738A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tomoaki Yoshioka
智章 吉岡
Nobuo Momotake
信男 百武
Naotoshi Ishikawa
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Abstract

【課題】画像形成装置において中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることを目的とする。
【解決手段】トナー像が担持される感光ドラム11に形成されたトナー像を中間的に転写担持する中間転写ベルト15が、基層15aと、基層15aに積層された弾性層15bと、トナー像を担持する感光層15dと、弾性層15bと感光層15dとの間に形成され、ヤング率が弾性層15bのヤング率よりも大きく、感光層15dのヤング率よりも小さい緩衝層15cとを積層して構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機などの画像形成装置に係り、より詳しくは、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、例えばフルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものにおいては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)した後、この中間転写ベルトから転写紙上に一括して転写(二次転写)し、この転写紙上に形成されたトナー像を定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成するものが挙げられる。
【0003】
このような中間転写方式を採用した従来の画像形成装置では、中間転写ベルトは樹脂のような硬度の高い材料で形成されていた。このために、画像形成ユニットを構成する感光体ドラムから中間転写ベルトにトナー像が転写される一次転写の際に、エッジ部だけが転写されて中心部が転写されないという、いわゆる中抜け現象が生じる場合がある。同様に、中間転写ベルトから転写紙上に一括して転写する二次転写の際にも、転写紙が硬度の高い、例えばOHPフィルムの場合には、同様に中抜け現象が生じてしまう。この現象は、トナー像が文字等の細線で形成されている場合に顕著に現れる。これは、それぞれ一次転写および二次転写の際に、感光体ドラムと中間転写ベルト、また中間転写ベルトとOHPフィルムという硬度の高い部材同士が接触するために、転写部においてそれぞれがトナー像を挟んで略平行に対向することから、転写電界が電荷密度の高いトナー像のエッジ部に集中してしまうことによるものであると考えられる。
【0004】
そこで、文字部分の中抜け現象を改善すべく、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成する提案がなされている。すなわち、中間転写ベルトの表面を弾性化することによって、転写部においてトナー像の厚みに対応して中間転写ベルトを変形させることで、転写電界がトナー像のエッジ部に集中することを抑制して、中抜け現象を改善することが可能となる。
ところが、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成すると、中間転写ベルトを張架しながら回転させることによる弾性層の伸縮によって、弾性層に亀裂が生じることがある。
【0005】
ここで、従来技術として、中間転写体として少なくとも1層からなる基層と、この基層上に少なくとも1層の弾性層を配設し、これら基層と弾性層との厚さの比を0.1〜1として、中間転写体の表層に亀裂が生じるのを防止する技術が存在する (特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−100545号公報(第7−8頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の画像形成装置において、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成するように構成した場合には、弾性体が高抵抗であると、画像形成動作時の転写の繰り返しにより次第に中間転写ベルトの表面に電荷が蓄積され、それが原因で必要な転写電荷を供給することができなくなる。一方、弾性体が低抵抗であると、転写プレニップ部の感光体ドラムと中間転写ベルトとが密着していない領域まで転写電界が及んで、転写時にトナーがトナー像の周辺に飛び散るトナー飛び散り現象が生じる。そこで、弾性層の表面に感光層を新たに形成し、転写時には感光層の暗抵抗を利用して高抵抗に維持し、トナー飛び散りを抑制し、一方、転写後にはこの感光層に光を照射することで感光層に蓄積した電荷を除電して、転写時に転写電界の供給を充分に行う方法が考えられている。
しかしながら、感光層のヤング率が弾性層に比べて100倍以上も大きく、それぞれのヤング率が極めて異なるために、中間転写ベルトを張架しながら回転させた場合に、感光層が弾性層の伸縮に追随して伸縮することができない。そのために感光層の表面に亀裂が生じてしまい、亀裂の生じた部分では抵抗ムラが発生して転写不良による画像欠陥が生じるという問題があった。
【0008】
なお、特許文献1に記載された基層と弾性層との厚さの比を調整する技術では、弾性層の表面に感光層を形成した場合における、感光層と弾性層との伸縮率の違いによる感光層の表面に生じる亀裂を解消することができない。
【0009】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持する中間転写ベルトが、基層と、基層に積層された弾性層と、トナー像を担持する感光層と、弾性層と感光層との間に形成され、ヤング率が弾性層のヤング率よりも大きく、感光層のヤング率よりも小さい緩衝層とを積層して構成されたことを特徴としている。さらに、中間転写ベルトは、複数の緩衝層を有し、複数の緩衝層が弾性層側から感光層側へ向けてヤング率が高くなるように配置されたことを特徴とすることができる。また、中間転写ベルトは、緩衝層の厚さが10μm〜20μmに構成されたことを特徴とすることもできる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持する中間転写ベルトが、基層と、トナー像を担持する感光層と、基層と感光層との間に形成され、ヤング率が感光層のヤング率よりも小さいとともに、基層側から感光層側に向けて大きくなるように構成された弾性層とを積層して構成されたことを特徴としている。さらに、中間転写ベルトは、弾性層が基層側から感光層側に向けてヤング率が連続的に大きくなるように構成されたことを特徴とすることができる。さらにまた、中間転写ベルトは、弾性層が基層側から感光層側に向けてヤング率が段階的に大きくなるように構成されたことを特徴とすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(転写材)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0013】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を形成するレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0014】
中間転写体である中間転写ベルト15は、フィルム状の無端ベルトで構成されている。そして中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
【0015】
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0016】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト21と、バックアップロール25等とによって構成される。バックアップロール25は、表面にカーボンを分散したCPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はCPDMゴムからなり、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
【0017】
一方、二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された、例えば体積抵抗率が10〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール23によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール22は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。
【0018】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置され、また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。
【0019】
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着器60へと搬送する搬送ベルト55を備えている。
【0020】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示すような画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0021】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0022】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧を付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。
【0023】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0024】
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。このとき、給電ロール26にトナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されると、二次転写搬送ベルト21に対向電極として転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、駆動ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写位置にて、用紙Pに静電転写される。
【0025】
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。搬送ベルト55では、定着器60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着器60まで搬送する。定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着され、定着画像が形成された用紙Pは、排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34およびベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0026】
次に、本実施の形態における中間転写ベルト15の層構造について説明する。図2は、中間転写ベルト15の層構造を説明する図である。図2に示すように、中間転写ベルト15は、基層15aと、基層15aに積層され中間転写ベルト15に弾性を付与する弾性層15bと、中間転写ベルト15の表面に形成されトナー像を担持する感光層15dと、そして弾性層15bと感光層15dとの間に形成された緩衝層15cとで主に構成されている。
【0027】
基層15aは、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が10〜1014Ωcmとなるように形成されている。
弾性層15bは、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、フッ素系ゴム等のゴムやエラストマーにより形成され、一次転写部および二次転写部においてトナー像の厚みに対応して中間転写ベルト15が変形するように構成したものである。なお、弾性層15bの体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されている。
【0028】
感光層15dは、フタロシアニン系、ビスアゾ系の顔料等を分散させた光キャリア発生層と、ヒドラゾン系、アリールアミン系等の化合物をポリカーボネート等の樹脂に相溶させたキャリア輸送層とを積層して構成されている。そして、感光層15dは中間転写ベルト15の表面に形成され、トナー像を担持するように構成されている。
ここで、中間転写ベルト15の表面が低抵抗である場合には、中間転写ベルト15に与えられた転写電荷が横方向に広がるため、転写プレニップ部において、感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが密着していない領域で転写電界が作用し、トナーの飛散が生じる。これに対し、中間転写ベルト15の表面に感光層15dを形成することによって、感光層15dの暗抵抗は1012Ωcm以上と高いため、かかるトナー飛散が生じることはない。
【0029】
また一方で、中間転写ベルト15の表面が高抵抗である場合には、一次転写動作を繰り返し行う間に、中間転写ベルト15の表面に電荷が蓄積されて電位が上がり、必要な転写電荷が一次転写ロール16から供給することができなくなる。
これに対し、中間転写ベルト15の表面に感光層15dを形成することによって、一次転写ロール16よりも中間転写ベルト15の搬送方向上流側に配置された除電ランプ18を用いて、一次転写後に中間転写ベルト15の表面を光照射することによって、感光層15d上に蓄積された電荷を除電することができるので、一次転写の際には充分な転写電荷を一次転写ロール16から供給することができる。
【0030】
緩衝層15cは、EPゴム、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等から形成されている。そして、緩衝層15cは弾性層15bと感光層15dとの間に形成されて、弾性層15bと感光層15dとの間の緩衝体としての機能を有する。すなわち、緩衝層15cのヤング率の大きさは、感光層15dのヤング率よりは小さく、弾性層15bのヤング率よりは大きく構成されている。
【0031】
このように、緩衝層15cのヤング率の大きさを感光層15dのヤング率と弾性層のヤング率との間に設定することによって、中間転写ベルト15を張架する駆動ロール31、支持ロール32、テンションロール33、バックアップロール25、クリーニングバックアップロール34の近傍で生じる弾性層15bの急激な伸縮が感光層15dに直接的に伝達されることがなく、緩衝層15cに弾性層15bの伸縮を吸収させることができる。そのため、弾性層15bの急激な伸縮によって感光層15dに亀裂が生じることを抑制することができる。
【0032】
なお、緩衝層15cの厚さは、厚くすると緩衝層15cの外側に形成されている感光層15dの表面は弾性層15bの伸びの影響を大きく受け、亀裂が生じ易くなる。他方、薄くする製造過程で混入した混入させたカーボンファイバが感光層15dに突き刺さることで中間転写ベルト15の表面に低抵抗部が生じ、転写不良による画像欠陥が発生する。このため、緩衝層15cの厚さは、10〜20μmの範囲に設定するのが好ましい。
【0033】
ここで、図3に示したように、中間転写ベルト15を4本のφ30mmのロールで張架し、中間転写ベルト15がロールを挟む接線が作る角度θ1、θ2、θ3、θ4のうち最小角度(最小接触角度)を60°(θ2=60°)に構成して、10℃の環境の下で中間転写ベルト15を2500回だけ回転させた後の感光層15dの亀裂の有無について調べた。
中間転写ベルト15の構成として、以下に示すものを比較した。図4は、緩衝層15cとしてヤング率4MPa、厚さ10μmのEPゴムを用いた場合、図5は、緩衝層15cとしてヤング率500MPa、厚さ10μmのポリエチレンを用いた場合、図6は、緩衝層15cとしてヤング率3000MPa、厚さ10μmのポリスチレンを用いた場合をそれぞれ示している。ここで、基層15aはヤング率5000MPa、厚さ85μmのポリイミド、弾性層15bはヤング率10MPa、厚さ95μmのクロロプレンゴム、感光層15dはヤング率2400MPa、厚さ20μmのポリカーボネートを用いた。なお、ヤング率の測定はJIS規格のもとに行った(以下、同様である)。
【0034】
図4〜図6に示した構成では、緩衝層15cのヤング率を感光層15dより小さく、弾性層15bより大きく構成した図5の中間転写ベルト15において、感光層15dに亀裂は発生しなかった。これに対し、緩衝層15cのヤング率を弾性層15b、感光層15dのいずれよりも小さく構成した図4の中間転写ベルト15、および緩衝層15cのヤング率を弾性層15b、感光層15dのいずれよりも大きく構成した図6の中間転写ベルト15では、いずれも感光層15dに亀裂が発生した。
【0035】
これは、緩衝層15cのヤング率を感光層15dより小さく、弾性層15bより大きく構成した図5の中間転写ベルト15では、緩衝層15cが弾性層15bの伸縮を吸収し、弾性層15bに急激な伸縮が生じても感光層15dに亀裂が生じることを抑制したものと考えられる。一方、緩衝層15cのヤング率を弾性層15b、感光層15dのいずれよりも小さく構成した図4の中間転写ベルト15や、緩衝層15cのヤング率を弾性層15b、感光層15dのいずれよりも大きく構成した図6の中間転写ベルト15では、緩衝層15cが弾性層15bの伸縮を吸収できず、弾性層15bの急激な伸縮により感光層15dに亀裂が生じたものである。
【0036】
さらに、図7に示した中間転写ベルト15の構成は、基層15a、弾性層15b、感光層15dを前述した図4〜図6に示したものと同様に構成し、緩衝層15cとしてヤング率500MPa、厚さ20μmのポリエチレンを用いた場合であるが、図7に示した中間転写ベルト15でも、緩衝層15cのヤング率を感光層15dより小さく、弾性層15bより大きく構成したので、図5の中間転写ベルト15と同様に感光層15dに亀裂は発生しなかった。
なお、図8に示したように、緩衝層15cを配設せず、基層15a、弾性層15b、感光層15dだけで構成した中間転写ベルト15においては、感光層15dに亀裂が発生した。
【0037】
かかる図4〜図8に示す構成の中間転写ベルト15を比較することで分かるように、中間転写ベルト15において弾性層15bと感光層15dとの間に緩衝層15cを配設し、緩衝層15cのヤング率を感光層15dより小さく、弾性層15bより大きく構成することによって、中間転写ベルト15の感光層15dに亀裂が発生することを抑制することができる。
【0038】
なお、本実施の形態の中間転写ベルト15では、緩衝層15cを1層で構成したが、緩衝層15cを複数の層で構成し、各層毎のヤング率を基層15aから感光層15dに向けて大きくなるように配置するように構成することもできる。かかる構成によっても、弾性層15bの急激な伸縮が感光層15dに直接的に伝達されることがなく、緩衝層15cがその伸縮を吸収するため、感光層15dに亀裂が生じることを抑制することができる。
【0039】
次に、本実施の形態における中間転写ベルト15として次のように構成することも可能である。すなわち、中間転写ベルト15は、図9に示すように、基層15aと、基層15aに積層され中間転写ベルト15に弾性を付与する弾性層15bと、弾性層15bに積層されて形成され、トナー像を担持する感光層15dとで主に構成される。そして、弾性層15bは、基層15aから感光層15dに向けてヤング率が連続的に大きくなるように構成され、かつ、弾性層15bの感光層15d側のヤング率は感光層15dよりも小さく構成する。
かかる弾性層15bは、例えばゴム粒子の配列密度を徐々に変化させることでヤング率を基層15aから感光層15dに向けて連続的に大きくなるように構成することができる。
【0040】
このように構成することによって、弾性層15bと感光層15dとの間にヤング率が感光層15dより小さく、弾性層15bより大きい緩衝層15cを配設した場合と同様に、弾性層15bの急激な伸縮が感光層15dに直接的に伝達されることがなく、弾性層15b自体がその伸縮を緩和して感光層15dに伝達するため、感光層15dに亀裂が生じることを抑制することができる。
【0041】
ここで、弾性層15bのヤング率が基層15aから感光層15dに向けて連続的に大きくなるように構成した場合について、前述した図3に示した構成を用いて、10℃の環境の下で中間転写ベルト15を2500回だけ回転させた後の感光層15dの亀裂の有無について調べた。
中間転写ベルト15として、弾性層15bのヤング率が基層15a側(裏側)の10MPaから感光層15d側(表側)の400MPaまで連続的に変化して構成された厚さ95μmのクロロプレンゴムを用いた図10に示した構成と、弾性層15bのヤング率が10MPaと一様で厚さ95μmのクロロプレンゴムを用いた図11に示した構成とを比較した。ここで、基層15aはヤング率5000MPa、厚さ85μmのポリイミド、感光層15dはヤング率2400MPa、厚さ20μmのポリカーボネートを用いた。
【0042】
図10に示した中間転写ベルト15の構成では、感光層15dに亀裂は発生しなかった。これに対し、図11に示した中間転写ベルト15の構成では、感光層15dに亀裂が発生した。
このように、弾性層15bをヤング率が基層15aから感光層15dに向けて連続的に大きくなるように構成することによっても、弾性層15bの伸縮を弾性層15b自体が緩和して感光層15dに伝達するため、感光層15dに亀裂が生じることを抑制することができる。
なお、弾性層15bのヤング率を基層15aから感光層15dに向けて連続的に大きくなるように構成する他に、弾性層15b内でヤング率が基層15aから感光層15dに向けて段階的に大きくなるように構成してもよい。
【0043】
また、弾性層15bをヤング率が基層15aから感光層15dに向けて連続的に大きくなるように構成するだけで感光層15dに亀裂が生じることを抑制することができるために、中間転写ベルト15を薄く構成できる。このため、感光層15dの伸縮がより小さく抑えられるため、さらに効果的に感光層15dの亀裂を抑制することができる。
なお、本発明者による知見では、弾性層15bのヤング率を、基層15a側において10〜100MPa、感光層15d側において400〜500MPaに構成することによって優れた亀裂抑止効果を発揮することができる。
【0044】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、画像形成装置において中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。
【図2】中間転写ベルトの層構造を説明する図である。
【図3】中間転写ベルトの感光層の亀裂の有無について調べた際に用いた構成を説明する図である。
【図4】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図5】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図6】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図7】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図8】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図9】中間転写ベルトの層構造を説明する図である。
【図10】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【図11】中間転写ベルトの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、10Y,10M,10C,10K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像装置、15…中間転写ベルト、15a…基層、15b…弾性層、15c…緩衝層、15d…感光層、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、18…徐電ランプ、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…アイドルロール、25…バックアップロール、40…制御部、50…用紙トレイ、60…定着器

Claims (6)

  1. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー像が中間的に転写担持される中間転写ベルトとを含み、
    前記中間転写ベルトは、基層と、当該基層に積層された弾性層と、前記トナー像を担持する感光層と、当該弾性層と当該感光層との間に形成され、ヤング率が当該弾性層のヤング率よりも大きく、当該感光層のヤング率よりも小さい緩衝層とが積層されたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記中間転写ベルトは、複数の緩衝層を有し、当該複数の緩衝層が前記弾性層側から前記感光層側へ向けてヤング率が高くなるように配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記中間転写ベルトは、前記緩衝層の厚さが10μm〜20μmに構成されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー像が中間的に転写担持される中間転写ベルトとを含み、
    前記中間転写ベルトは、基層と、前記トナー像を担持する感光層と、当該基層と当該感光層との間に形成され、ヤング率が当該感光層のヤング率よりも小さいとともに、当該基層側から当該感光層側に向けて大きくなるように構成された弾性層とが積層されたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記中間転写ベルトは、前記弾性層が前記基層側から前記感光層側に向けてヤング率が連続的に大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記中間転写ベルトは、前記弾性層が前記基層側から前記感光層側に向けてヤング率が段階的に大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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