JP2004279752A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tomoaki Yoshioka
智章 吉岡
Nobuo Momotake
信男 百武
Naotoshi Ishikawa
尚稔 石川
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Abstract

【課題】画像形成装置において中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることを目的とする。
【解決手段】トナー像が担持される感光ドラム11に形成されたトナー像を中間的に転写担持し、基層15aと弾性層15bと感光層15cとが積層して形成された中間転写ベルト15に対し、光源18によって中間転写ベルト15に形成された感光層15cを励起させるとともに、中間転写ベルト15を加熱する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機などの画像形成装置に係り、より詳しくは、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、例えばフルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものにおいては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)した後、この中間転写ベルトから転写紙上に一括して転写(二次転写)し、この転写紙上に形成されたトナー像を定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成するものが挙げられる。
【0003】
このような中間転写方式を採用した従来の画像形成装置では、中間転写ベルトは樹脂のような硬度の高い材料で形成されていた。このために、画像形成ユニットを構成する感光体ドラムから中間転写ベルトにトナー像が転写される一次転写の際に、エッジ部だけが転写されて中心部が転写されないという、いわゆる中抜け現象が生じる場合がある。同様に、中間転写ベルトから転写紙上に一括して転写する二次転写の際にも、転写紙が硬度の高い、例えばOHPフィルムの場合には、同様に中抜け現象が生じてしまう。この現象は、トナー像が文字等の細線で形成されている場合に顕著に現れる。これは、それぞれ一次転写および二次転写の際に、感光体ドラムと中間転写ベルト、また中間転写ベルトとOHPフィルムという硬度の高い部材同士が接触するために、転写部においてそれぞれがトナー像を挟んで略平行に対向することから、転写電界が電荷密度の高いトナー像のエッジ部に集中してしまうことによるものであると考えられる。
【0004】
そこで、文字部分の中抜け現象を改善すべく、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成する提案がなされている。すなわち、中間転写ベルトの表面を弾性化することによって、転写部においてトナー像の厚みに対応して中間転写ベルトを変形させることで、転写電界がトナー像のエッジ部に集中することを抑制して、中抜け現象の改善を可能とするものである。
ところが、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成すると、中間転写ベルトを張架しながら回転させることによる弾性層の伸縮によって、弾性層に亀裂が生じることがある。
【0005】
ここで、従来技術として、低温で顕著に現れる弾性層の亀裂を抑制するために、中間転写ベルトを加温するための熱源を設けることで中間転写体の表面に亀裂が生じるのを防止する技術が存在する(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−30918号公報(第3−4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の画像形成装置において、中間転写ベルトの表面を弾性体で形成するように構成した場合には、弾性体が高抵抗であると、画像形成動作時の転写の繰り返しにより次第に中間転写ベルトの表面に電荷が蓄積され、それが原因で必要な転写電荷を供給することができなくなる。一方、弾性体が低抵抗であると、転写プレニップ部の感光体ドラムと中間転写ベルトとが密着していない領域まで転写電界が及んで、転写時にトナーがトナー像の周辺に飛び散るトナー飛び散り現象が生じる。そこで、弾性層の表面に感光層を新たに形成し、転写時には感光層の暗抵抗を利用して高抵抗に維持し、トナー飛び散りを抑制し、一方、転写後にはこの感光層に光を照射することで感光層に蓄積した電荷を除電して、転写時に転写電界の供給を充分に行う方法が考えられている。
しかしながら、感光層のヤング率が弾性層に比べて100倍以上も大きく、それぞれのヤング率が極めて異なるために、中間転写ベルトを張架しながら回転させた場合に、感光層が弾性層の伸縮に追随して伸縮することができない。そのために感光層の表面に亀裂が生じてしまい、亀裂の生じた部分では抵抗ムラが発生して転写不良による画像欠陥が生じるという問題があった。
【0008】
なお、特許文献1に記載された中間転写ベルトを加温するための熱源を設ける技術では、弾性層の上にヤング率が弾性層に比べて100倍以上も大きい感光層を設けた場合に、感光層が弾性層の伸縮に追随して伸縮することができないために、感光層と弾性層との伸縮率の違いによる感光層の表面に生じる亀裂を根本的に解消することができない。
【0009】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持し、基層と弾性層と感光層とが積層して形成された中間転写ベルトに対し、光源によって中間転写ベルトに形成された感光層を励起させるとともに、中間転写ベルトを加熱することを特徴としている。ここで、光源として、600〜900nmの波長成分を含む光源を用いることを特徴とすることができる。また、光源としては、ハロゲンランプまたはキセノンランプを用いることを特徴とすることもできる。さらに、光源は、トナー像が像担持体から中間転写ベルトへ転写する領域から中間転写ベルトの搬送方向上流側に配置されたことを特徴とすることもできる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持し、基層と弾性層と感光層とが積層して形成された中間転写ベルトとを含み、中間転写ベルトは、少なくとも4つのローラで支持されるとともに、中間転写ベルトがローラを挟む接触角度が90°以上に設定されたことを特徴としている。さらに、中間転写ベルトに形成された感光層を励起させるとともに、中間転写ベルトを加熱する光源をさらに備えたことを特徴とすることができる。さらにまた、中間転写ベルトは、直径が20〜40mmのローラで支持されたことを特徴とすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(転写材)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0013】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を形成するレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0014】
中間転写体である中間転写ベルト15は、フィルム状の無端ベルトで構成されている。そして中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34、二次転写部20に向けて中間転写ベルト15を支持する支持ロール36を有している。
【0015】
中間転写ベルト15は、図2に示すように、基層15aと、基層15aに積層され中間転写ベルト15に弾性を付与する弾性層15bと、中間転写ベルト15の表面に形成されトナー像を担持する感光層15cとが積層されて構成されている。
基層15aは、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられ、厚さは85μmで、その体積抵抗率が10〜1014Ωcmとなるように形成されている。弾性層15bは、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、フッ素系ゴム等のゴムやエラストマーにより形成され、一次転写部および二次転写部においてトナー像の厚みに対応して中間転写ベルト15が変形するように構成したものである。なお、弾性層15bの厚さは95μm、体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されている。
【0016】
感光層15cは、フタロシアニン系、ビスアゾ系の顔料等を分散させた光キャリア発生層と、ヒドラゾン系、アリールアミン系等の化合物をポリカーボネート等の樹脂に相溶させたキャリア輸送層とを厚さ20μmに積層して構成されている。
そして、感光層15cは中間転写ベルト15の表面に形成されてトナー像を担持するが、一般に中間転写ベルト15の表面が低抵抗である場合には、中間転写ベルト15に与えられた転写電荷が横方向に広がるため、転写プレニップ部において、感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが密着していない領域で転写電界が作用し、トナーの飛散が生じる。これに対し、かかる中間転写ベルト15の表面には感光層15cを形成しているので、感光層15cの暗抵抗が1012Ωcm以上と高抵抗であることから、かかるトナー飛散を抑止することができる。
【0017】
また一方で、一般に中間転写ベルト15の表面が高抵抗である場合には、一次転写動作を繰り返し行う間に、中間転写ベルト15の表面に電荷が蓄積されて電位が上がり、必要な転写電荷が一次転写ロール16から供給することができなくなる。これに対し、かかる中間転写ベルト15の表面には感光層15cを形成しているので、画像形成ユニット10Kに対向して設けられた一次転写ロール16よりも中間転写ベルト15の搬送方向上流側に除電ランプ18を配置し、この除電ランプ18を用いて、二次転写後に中間転写ベルト15の表面を光照射することによって、感光層15cを除電することができ、次の画像形成にかかる一次転写の際には充分な転写電荷を一次転写ロール16から供給することができる。
【0018】
そして、各々の一次転写ロール16は、各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられている。また、各一次転写ロール16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0019】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト21と、バックアップロール25等とによって構成される。バックアップロール25は、表面にカーボンを分散したCPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はCPDMゴムからなり、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
【0020】
一方、二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された、例えば体積抵抗率が10〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール23によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール22は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。
【0021】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置され、また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。
【0022】
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着器60へと搬送する搬送ベルト55を備えている。
【0023】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示すような画像形成装置1に入力される。画像形成装置1では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0024】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0025】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧を付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。
【0026】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0027】
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。このとき、給電ロール26にトナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されると、二次転写搬送ベルト21に対向電極として転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、駆動ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写位置にて、用紙Pに静電転写される。
【0028】
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。搬送ベルト55では、定着器60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着器60まで搬送する。定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着され、定着画像が形成された用紙Pは、排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34およびベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0029】
ところで、本実施の形態における画像形成装置1では、上述したように、画像形成ユニット10のうち最も上流側に配設された画像形成ユニット10Yに対向して設けられた一次転写ロール16よりも中間転写ベルト15の搬送方向上流側において、中間転写ベルト15の表面側近傍に除電ランプ18を配置している。そして、全ての画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)において二次転写が終了した後に、この除電ランプ18から中間転写ベルト15の表面を光照射することによって、中間転写ベルト15の表面に形成した感光層15c上に残留している電荷を除電している。
かかる除電ランプ18は、輻射熱を放射する熱源を兼ねた発光体で構成されている。そして、中間転写ベルト15の表面を光照射して中間転写ベルト15の感光層15cを除電すると同時に、中間転写ベルト15の表面を20〜35℃に加熱することができるように構成されている。
【0030】
すなわち、除電ランプ18は、中間転写ベルト15の感光層15cの吸収スペクトル(600〜900nm)を含む波長を有して感光層15cを励起するとともに、中間転写ベルト15を加熱することができる近赤外領域の波長を含んだ光源で構成されている。具体的には、除電ランプ18はハロゲンランプ(タングステンフィラメント)、キセノンフラッシュランプ等の600〜900nmの波長の光を含んだ光源で構成されている。
【0031】
除電ランプ18は中間転写ベルト15を加熱することによって、感光層15cの表面に発生する亀裂を抑制することができる。すなわち、中間転写ベルト15を駆動ロール31や支持ロール32等のロールで張架しながら回転させた場合に、中間転写ベルト15がこれらのローラの部分で湾曲する際に、特に低温環境下(例えば、10℃)において、感光層15cが弾性層15bの伸縮に追随して伸縮することができず、感光層15cの表面に亀裂が発生する。そこで、中間転写ベルト15を除電ランプ18によって加熱することで、この亀裂の発生を抑制するものである。
これは、常温でも感光層15cのヤング率が弾性層15bのヤング率に比べて100倍以上も大きいが、低温環境下では両者のヤング率の差がさらに大きくなって感光層15cが弾性層15bの伸縮に追随できずに亀裂が発生するものと考えられ、中間転写ベルト15を常温まで加熱することによって感光層15cのヤング率と弾性層15bのヤング率との差が小さくなるように是正し、感光層15cが弾性層15bの伸縮に追随して伸縮できるようにするものである。
【0032】
ここで、図3に示したように、基層15aとして厚さ85μmのポリイミド、弾性層15bとして厚さ95μmのクロロプレンゴム、感光層15cとして厚さ20μmのポリカーボネートバインダを用いた3層構成の中間転写ベルト15を使用し、中間転写ベルト15をシート状に形成したものを、ローラ101を中心としてローラ102、103を対称に配置して、シート状の中間転写ベルト15を支持し、中間転写ベルト15の両端部に3kgの重り110、111を結びつけた。なお、ローラ101、102、103の直径は30mmである。中間転写ベルト15のローラ101を中心とした中心角θは、ローラ102とローラ103との間隔を変えることで調整できるように構成されている。また、中間転写ベルト15のローラ101に支持されている領域をハロゲンヒータ120で加熱できるように構成した。
【0033】
図3に示した構成を用いて、中間転写ベルト15の表面に生じる亀裂の有無について調べた結果を図4に示した。図4に示した亀裂の有無を調べた際の実験条件は、まず中間転写ベルト15を10℃の環境下に24時間放置した後、中心角θを30°、60°、90°、120°にそれぞれ設定し、設定された中心角θのそれぞれにおいて中間転写ベルト15のローラ101に支持されている領域の表面温度を10℃、20℃、30℃に設定した。そして、これらの設定条件で1時間放置した後に中間転写ベルト15の表面の亀裂の有無について調べた。
【0034】
図4に示したように、中間転写ベルト15の表面温度を30℃以上に設定することで、いずれの中心角θにおいても中間転写ベルト15の表面に亀裂は発生しなかった。また、中間転写ベルト15を画像形成装置1に実際に配置した場合において、中間転写ベルト15を駆動ロール31や支持ロール32等のロールで張架した際に設定されると考えられる中心角θが60°以上の範囲では、表面温度を20℃以上に設定することで亀裂の発生を抑止することができる。
なお、図4には示していないが、中間転写ベルト15の表面温度を35℃以上に設定すると、中間転写ベルト15の膨張により、中間転写ベルト15の蛇行が許容範囲を超える等の看過できない不都合が生じて適切ではない。
【0035】
このように、中間転写ベルト15に対し、感光層15cを励起させる波長を有する光源を用いた除電ランプ18で中間転写ベルト15を加熱することにより、中間転写ベルト15の表面に亀裂が発生することを抑制することができるとともに、感光層15cの表面に蓄積した電荷を除電することができるので、一次転写の際には充分な転写電荷を一次転写ロール16から供給することができ、良好な転写画像を得ることができる。
また、除電ランプ18を配設するだけで、中間転写ベルト15の加熱と感光層15cの除電とを同時に行うことができるので、画像形成装置1をシンプルに構成することができるとともに、省電力化、低コスト化を実現することが可能となる。
【0036】
次に、本実施の形態における画像形成装置1では、中間転写ベルト15を4本以上のローラで張架するとともに、ローラに張架される中間転写ベルト15の接線が作る角度(接触角度)がそれぞれのローラにおいて90°以上となるように構成することも可能である。
本実施の形態の画像形成装置1では、駆動ロール31、支持ロール32、テンションロール33、バックアップロール25、クリーニングバックアップロール34、支持ロール36の6本のロールによって中間転写ベルト15を支持し、それぞれのロールにおける中間転写ベルト15の接触角度が90°以上に設定している。すなわち、図5に示したように、駆動ロール31における接触角度θ1、支持ロール32における接触角度θ2、テンションロール33における接触角度θ3、支持ロール36における接触角度θ4、バックアップロール25における接触角度θ5、クリーニングバックアップロール34における接触角度θ6がすべて90°以上となるように各ロールを配設している。
【0037】
それぞれのローラにおける中間転写ベルト15の接触角度が90°以上に設定されると、これらのローラの部分で湾曲する際に、弾性層15bの急激な伸縮が生じることがないので、感光層15cが弾性層15bの伸縮に追随して伸縮することが可能となる。このため、中間転写ベルト15の表面に亀裂が生じることを抑制することができる。
【0038】
ここで、図4の結果を再度参照すると、中間転写ベルト15の中心角θ、すなわち接触角度が90°以上に設定された場合には、中間転写ベルト15の表面温度が10℃においても中間転写ベルト15の表面に亀裂が生じることはない。
【0039】
このように、中間転写ベルト15の各ロールにおける接触角度を90°以上に設定することにより、中間転写ベルト15の表面に亀裂が生じることを抑制することができる。このため、転写不良のない良好な画像を得ることができる。
なお、この場合にロールの直径は20〜40mmの範囲に設定するのが好ましい。すなわち、ロールの直径は弾性層15bの急激な伸縮を抑制するためには大きいほど適しているが、そのために中間転写ベルト15部全体の構成が大きくなる。一方、ロールの直径を小さくすると弾性層15bの急激な伸縮が生じるとともに、ロールに撓みが生じるという不都合があるからである。
【0040】
また、かかる構成に加えて、画像形成ユニット10のうち最も上流側に配設された画像形成ユニット10Yに対向して設けられた一次転写ロール16よりも中間転写ベルト15の搬送方向上流側に、感光層15cの吸収スペクトルを含む波長を有する光源を用いた除電ランプ18を配置することによって、中間転写ベルト15を加熱して中間転写ベルト15の表面に亀裂が発生することをさらに抑制することができるとともに、感光層15cの表面に蓄積した電荷を除電して一次転写の際には充分な転写電荷を供給することができるので、良好な転写画像を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、画像形成装置において中間転写体の表面に形成された感光層に亀裂が発生するのを抑制して、良好な転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。
【図2】中間転写ベルトの層構造を説明する図である。
【図3】中間転写ベルトの感光層の亀裂発生の有無について調べた際に用いた構成を説明する図である。
【図4】中間転写ベルト表面の亀裂発生の有無を示す図である。
【図5】中間転写ベルトにおけるローラの配置構成を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、10Y,10M,10C,10K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像装置、15…中間転写ベルト、15a…基層、15b…弾性層、15c…感光層、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、18…除電ランプ、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…アイドルロール、25…バックアップロール、31…駆動ロール、32…支持ロール、33…テンションロール、34…クリーニングバックアップロール、36…支持ロール、40…制御部、60…定着器

Claims (7)

  1. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持し、基層と弾性層と感光層とが積層して形成された中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトに形成された前記感光層を励起させるとともに、当該中間転写ベルトを加熱する光源と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記光源は、600〜900nmの波長成分を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記光源は、ハロゲンランプまたはキセノンランプであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記光源は、前記トナー像が前記像担持体から前記中間転写ベルトへ転写する領域から当該中間転写ベルトの搬送方向上流側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー像を中間的に転写担持し、基層と弾性層と感光層とが積層して形成された中間転写ベルトとを含み、
    前記中間転写ベルトは、少なくとも4つのローラで支持されるとともに、当該中間転写ベルトが当該ローラを挟む接触角度が90°以上に設定されたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記中間転写ベルトに形成された前記感光層を励起させるとともに、当該中間転写ベルトを加熱する光源をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記中間転写ベルトは、直径が20〜40mmの前記ローラで支持されたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015152759A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 富士ゼロックス株式会社 転写体、転写装置及び画像形成装置

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