JP2004258527A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】後側透明基板12の内面で画素領域Dpの反射部Drに対応する部分に凹凸下地層16が形成されると共にこの上に散乱反射層17が被着形成され、これら散乱反射層17を覆ってカラーフィルタ層18が形成されている。前側透明基板11の内面には、画素電極13と薄膜トランジスタ14が画素領域Dp毎に配設され、これら両透明基板11、12間に液晶層が封入されている。この液晶セル1を挟んで前、後位相差板4、5と前、偏光板2、3が順次積層され、液晶表示素子Lcが構成されている。そして、液晶表示素子LCの後側には、導光板面光源バックライトBLが配置されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過表示と反射表示の両方の表示が可能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機や携帯情報端末機等の携帯ツールに好適なディスプレイとして、消費電力の少ない半透過反射型液晶表示装置が多用されている。この半透過反射型液晶表示装置は、自然光や室内照明等の使用環境から得られる外光が豊富な場所ではそれら外光を利用した反射表示とし、外光が弱い場所では内蔵の照明装置を利用した透過表示に切り換えることにより、主に照明装置に費やされる消費電力を少なく抑えるようにした液晶表示装置である。
【0003】
そのような半透過反射型液晶表示装置は、大略、半透過反射層を設けた液晶セルを挟んで、その液晶セルを観察する側である前側に前方散乱フィルムと偏光板を積層し、後側に偏光板を積層して液晶表示素子とし、この液晶表示素子の後側にバックライトを配設して構成されている。この場合、液晶セル内に設ける半透過反射層としては、入射光をそれぞれ所定の割合で反射させると共に透過させる半透過反射板タイプのものや、画素領域に部分的に反射膜を設けて反射部と透過部を形成するタイプのものがあり、それら半透過反射層は、液晶セルの後側基板と液晶層の間に設置されている。また、前方散乱フィルムは、半透過反射層の反射面を反射効率を高めるために鏡面反射面とした場合に、鏡面特有の強いミラー反射や外景の写り込みを抑制するために設けてある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−303865号公報(第3〜4頁、図13(a)、(b))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記半透過反射型液晶表示装置においては、隣り合う各画素での異なる情報に対応する各画素光が、液晶表示素子から出射される際に前方散乱フィルムにより散乱され、表示像の境界がにじむ所謂画像ボケが発生する傾向がある。また、透過表示においては、バックライトからの射出光を集光して液晶表示素子に入射させているが、その入射光が出射する際に前方散乱フィルムにより散乱されるために、光強度が低下して表示が暗くなる。
【0006】
本発明は、反射表示における写り込みやミラー反射が抑制されるだけでなく、透過表示と反射表示の両方で画像ボケがなく且つ充分な光強度を備えた良好な表示品質が得られる、半透過反射型液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向配置された後側基板との間に液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも一つの電極が、他方の内面に前記少なくとも一つの電極に対向させて複数の画素を形成するための複数の電極が、それぞれ設けられるとともに、前記液晶層と前記後側基板との間に前記複数の画素の各画素毎に予め定めた一方の領域を除いた他方の領域に反射膜がそれぞれ設けられて成り、前記複数の各画素毎に、前記反射膜が設けられた他方の領域により前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射させる反射部と、前記反射膜が設けられていない一方の領域により後側から入射した光を前側に出射させる透過部とが形成されている液晶素子と、前記液晶素子の前側と後側とにそれぞれ配置された前側偏光板と後側偏光板と、前記後側偏光板の後側に配置されたバックライトとを、備えた液晶表示装置であって、前記後側基板の内面側の少なくとも前記反射部に対応する他方の領域に表面が凹凸に形成された下地層が形成され、この下地層の凹凸表面上に前記反射膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
この液晶表示装置によれば、液晶層と後側透明基板間の反射部に対応する領域に選択配置する反射膜を凹凸表面を有する下地層に被着形成して凹凸反射膜とし、外光の反射と散乱を同時に行った後に液晶層を透過させる構成としたから、反射表示において画像ボケが防止される。また、透過表示においても、液晶層の前方に凹凸面が存在しないから、画像ボケは発生せず、且つ凹凸下地層が存在した場合の光の散乱によるロスも少ない。従って、反射表示におけるミラー反射や写り込みが防止されることは勿論、透過表示と反射表示の両方において、画像ボケがなく充分な光強度を備えた良好な表示品質が得られる。
【0009】
本発明の液晶表示装置においては、請求項2に記載のように前記下地層と前記反射膜を覆って少なくとも各画素領域全体に所定の色のカラーフィルタを形成することが好ましく、これにより、ミラー反射や画像ボケの無い良好な反射カラー表示を得ることができる。そしてこの場合、請求項3に記載のように、前記下地層を少なくとも前記透過部を除いた領域に設け、前記カラーフィルタを反射部における膜厚が透過部における膜厚よりも薄くなるように形成することが好ましく、これにより、透過カラー表示と反射カラー表示の各表示品質をほぼ同一にするために反射部のカラーフィルタの膜厚を透過部の膜厚よりも薄くした液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0010】
また、本発明の液晶表示装置は、請求項4に記載のように、カラーフィルタは反射部に対応する領域に透孔が穿設されていることが好ましく、これにより、充分に明るい反射カラー表示が得られ、各色の画素毎の透孔の開口面積比を最適設定して反射表示においてより純白色に近い白色を得ることが可能となる。
【0011】
更に、請求項5に記載のように、前記液晶素子を、前側基板の内面に設けられた電極がマトリクス状に画素毎に配置されるとともにスイッチング素子としての薄膜トランジスタがそれぞれ接続された複数の画素電極であるアクティブマトリックス型液晶素子とすることが好ましく、これにより、アクティブマトリックス型液晶表示装置における薄膜トランジスタを形成しない後側基板に、凹凸が規則性を有さずにランダムに形成された下地層を転写法や印刷法により容易に形成することができ、反射表示において反射光の干渉による不良着色が防止され、反射/透過の両方において画像ボケの無い良好な表示品質を備えた、アクティブマトリックス型液晶表示装置を歩留まり良く製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態としての液晶表示装置について、図1及び図2に基づき説明する。図1は本実施形態の液晶表示装置を示す分解斜視図で、図2はその要部の構成を示す模式的断面図である。
【0013】
本例の液晶表示装置は携帯電話機のディスプレイとして用いられる半透過反射式カラー液晶表示装置であり、図1に示すように、大別して、液晶表示素子LDとその後側(反観察側)に配置された面光源バックライトBLからなる。液晶表示素子LDは、液晶セル1と、この液晶セル1を挟んでその前側(表示の観察側)と後側にそれぞれ設置された前偏光板2と後偏光板3、液晶セル1と前偏光板2との間に設置された前位相差板4、及び、液晶セル1と後偏光板3との間に設置された後位相差板5から構成されている。
【0014】
液晶セル1は、図2に示すように、前側の透明基板11と後側透明基板12とが図示されていない枠状に配置されたシール材により所定の間隙を保って接合され、このシール材に囲まれた両透明基板11、12間に液晶Lcが封入されてなる。
【0015】
本例の液晶表示素子LDは、アクティブマトリックス型液晶表示素子であり、両透明基板11、12間に液晶を封入して形成されている液晶層Lcは、TN(ツイストネマチック)型液晶層である。従って、前側透明基板11の後側透明基板12に対向させる面(以下、内面という)には、複数の画素電極13がマトリクス状に配置されている。各画素電極13には、印加電圧のスイッチング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)14がそれぞれ設けられている。これら各TFT14は、図示しないゲート配線とドレイン配線に接続されており、これら配線を通じて印加される各種駆動電圧に応じて各TFT14がオン・オフし、各画素電極13に信号電圧が印加される。そして、全ての画素電極13と薄膜トランジスタ14を覆って、前配向膜15が被着されている。前配向膜15の液晶に接する表面には、液晶層Lcの液晶分子をツイスト配向させるために、ラビング等の方法により所定の方向に配向処理が施されている。
【0016】
一方、後側透明基板12の内面には、前側透明基板11の各画素電極13に対応させて下地層16が配置されている。これら下地層16は、前側透明基板11の各薄膜トランジスタ14からこれに接続された各画素電極13の約半分に至るまでの領域と対向する各領域に、それぞれ配置されている。これら下地層16の各表面(液晶層Lc側に向いた面)は、微細な凹凸面に形成されている。なお、図2ではその凹凸が実物よりも大きく図示されている。
【0017】
そして、各下地層16の凹凸表面には、スパッタ法や蒸着法によりアルミニウム、銀、銀−パラジウム合金等の金属からなる薄膜が成膜され、散乱反射層17が形成されている。この場合、散乱反射層17はその膜厚が1000〜1500Å程度に薄く形成され、これにより、散乱反射層17の表面も下地層16の凹凸表面に追従した微細な凹凸面となる。この微細な凹凸の散乱反射面により反射光が干渉しないようにランダムに入射光を反射させるには、凹凸が規則性を有しないランダムな凹凸であることが要求される。
【0018】
そのようなランダムな凹凸反射面を備えた散乱反射層17は、下地層16をフォトリソグラフィー法により形成して得ることは極めて難しい。ところが、本例のアクティブマトリックス型の液晶表示素子LDでは、薄膜トランジスタ14を前側透明基板11に設けるから、後側透明基板12に下地層16を形成する方法として、フォトリソグラフィー法以外の転写法や印刷法を用いることができる。転写法や印刷法を用いれば、所望のランダムな凹凸面を備えた下地層16を容易に形成することができ。従って、薄膜トランジスタ14を形成しない後側透明基板12上に転写法を用いてランダムな凹凸面を備えた下地層16を形成し、その上に上述したようにスパッタ法等により金属薄膜を形成することにより、所望のランダムな凹凸反射面を有する散乱反射層を容易に得ることができる。また、前側透明基板11は薄膜トランジスタ14と画素電極13をマトリクス状に設けただけの通常のアクティブマトリックス用基板である。その結果、ランダムな凹凸反射面を有する散乱反射層を備えたアクティブマトリックス型液晶表示素子を高い歩留まりで製造することが可能となる。
【0019】
上述の各散乱反射層17を覆ってその上には、カラーフィルタ層18が積層されている。本例のカラーフィルタ層18は、赤、緑、青の各色フィルタ要素18R、18G、18Bからなり、各色フィルタ要素18R、18G、18Bは、画素電極13が配置された各画素領域Dp毎にそれぞれ所定の配列で配置されている。従って、一つの画素領域Dpは、拡散反射層17上に対応する例えば赤色フィルタ要素18Rが積層されている反射部Drと、後側透明基板12の内面にその同じ赤色フィルタ要素18Rが直接積層された透過部Dtとからなる。ここで、赤色フィルタ要素18Rの反射部Drに対応する部分の膜厚は透過部Dtに対応する部分の膜厚よりも薄く形成されている。これら、透過部Dtと反射部Drにおける各フィルタ膜厚は、透過部Dtと反射部Drにおける各カラー表示の色特性が最適となるように設定されている。
【0020】
すなわち、反射部Drのフィルタ膜厚は、液晶表示素子LDの前側から反射部Drに入射し散乱反射層17で反射されて前側に出射する光、例えば赤色フィルタ要素18Rの薄肉部(反射部Drに対応する部分)を往復透過して出射する光Ra1等を、色純度及び強度が共に充分に高い着色光として出射させる厚さに設定され、液晶表示素子LDの後側から透過部Dtに入射してこの透過部Dtを透過して前側に出射する光、例えば赤色フィルタ要素18Rの厚肉部(透過部Dtに対応する部分)を一方向に透過して出射する光Rb1等を、色純度及び強度が共に充分に高い着色光として出射させる厚さに設定されている。この膜厚構成は、他の緑色、青色の各色フィルタ要素18G、18Bについても同様に適用されている。
【0021】
カラーフィルタ層18の上には、透明な平坦化保護層19が積層されている。この平坦化保護層19は、反射部Dr毎に選択配置された凹凸下地層16と散乱反射層17に起因するカラーフィルタ層18表面の凹凸を吸収して平坦な表面を得るために設けられるものであり、本例ではアクリル樹脂材料をスピンコート法によりカラーフィルタ層18上に一様に塗布して形成されている。
【0022】
平坦化保護膜19の平坦な表面には、一枚平面状の透明な対向電極20が積層され、その上には後配向膜21が一様に積層されている。従って、この後配向膜21の表面は後側透明基板12に平行な平坦面であり、画素領域Dpにおける前、後配向膜15、21の各表面間の距離つまり液晶層厚dは、反射部Dr及び透過部Dtの両方の領域において共にd0で一定ある。
【0023】
後配向膜21には、液晶層Lcを挟んで対向する前配向膜15と同様に、液晶層Lcの液晶分子をツイスト配向させるために所定の方向に沿ってラビングによる配向処理が施されている。
【0024】
そして、上述の前、後配向膜15、21間に液晶を封入して形成されている液晶層Lcにおいては、画素電極13と対向電極20間に電圧が印加されていない無電界時における液晶層Lcにおける液晶分子の初期配向状態におけるツイスト角度と、この初期配向状態の屈折率異方性Δn、及び画素領域Dpにおける液晶層厚dは、次のように設定されている。
【0025】
まず、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時において、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるリタデーションをもつように、液晶の屈折率異方性Δnと層厚dとの積Δndが設定されている。この場合のΔndとしては、195±10nm〜235±10nmの範囲が好ましく、本例では195±10nmに設定し、また液晶分子のツイスト角度は、60°〜70°が好ましく、本例では64°に設定してある。この64°のツイスト角度を得るために、本例では、図1に示すように、前、後各配向膜15、21の配向処理方向が設定されている。
【0026】
すなわち、前透明基板11側の配向膜15に施される配向処理方向11aを液晶表示装置の画面(前偏光板2の前面)の横軸xに平行で矢印方向に向かう(図中右から左に向かう)方向とし、後透明基板12側の配向膜21に施される配向処理方向12aを、横軸xに対して64°で交差し矢印方向に向かう方向としてある。これにより、液晶分子は前側透明基板11の方から視て反時計回り(左回り)方向へ64°にわたりツイスト配向する。
【0027】
ここで、上述のように液晶分子が配向した液晶層Lcの遅相軸1aは、二点鎖線で示すように、横軸xに対して45°の角度で交差する方向に存在する。
【0028】
以上のように構成された液晶セル1に対し、その前側に設置されている前偏光板2は、その透過軸2aが液晶セル1の前側透明基板11側の配向処理方向11aに対し平行となる配置で設置され、後側に設置されている後偏光板3は、その透過軸3aが前偏光板2の透過軸2a対し直交する配置で設置されている。
【0029】
液晶セル1と両偏光板2、3との間に配置されている前位相差板4と後位相差板5は、何れも透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差板であり、それぞれ、各遅相軸4a、5aを隣接する前、後偏光板2、3の各透過軸2a、3aに対し45°で交差させて、設置されている。従って、前位相差板4の遅相軸4aが液晶セル1の仮想遅相軸1aに対して直交し、後位相差板5の遅相軸5aがその仮想遅相軸1aに対して平行となり、各遅相軸4a、5aが互いに直交する、光学軸配置となっている。
【0030】
そして、後偏光板3の後側に設置されている面光源バックライトBLは、アクリル樹脂等の透明板からなる導光板30と、その一方の端面に対向配置された例えばLED(発光ダイオード)等の複数の発光素子31とからなる。
【0031】
この面光源バックライトBLは、発光素子31から射出された光を導光板30により導いてその前面から面状に出射させるものであり、発光素子31からの射出光は、対向端面から導光板30内に入射し、この導光板30の前後面と外側の空気相との界面において全反射を繰り返しながら導光板30内を進行するうちに前面から出射し、前面全域から後偏光板3に向けて面状に光が照射される。なおこのバックライトBLの光源は、LED等の発光素子に限らず、冷陰極管等の線状光源でもよい。
【0032】
上述のように構成された液晶表示装置によれば、使用環境の光である外光の照度が充分な条件下では、その外光を利用する反射表示を行い、外光の照度が不充分な暗い環境下では内蔵されている面光源バックライトBLの照射光による透過表示を行うことができる。
【0033】
まず、外光を利用する反射表示動作について説明する。、液晶セル1において、入力情報に応じて駆動電圧が印加される画素領域Dp毎に、電極間に電界が形成されず液晶分子が初期のツイスト配向状態にある画素領域Dp(以下、オフ画素という)と、電極間に所定の強さの電界が形成されて液晶分子が立上がり配向した状態の画素領域Dp(以下、オン画素という)とが、形成されている。因みに、図2では、赤色フィルタ要素18Rに対応する画素領域Dp1がオフ画素であり、緑色フィルタ要素18Gと青色フィルタ要素18Bに対応する両画素領域Dp2、Dp3がオン画素である。
【0034】
図2において、オフ画素の例えば赤色フィルタ要素18Rが設けられた画素領域Dp1の反射部Drに入射した外光(非偏光)Ra1は、前偏光板2を透過することによりその振動方向がその透過軸2aに沿った直線偏光となり、前位相差板4に入射する。前位相差板4に入射した直線偏光は、これを透過することによりλ/4の位相差が付与されて円偏光となり液晶セル1に入射する。
【0035】
液晶セル1に入射した上記円偏光は、液晶分子が64°にわたって初期ツイストし、λ/4の位相差に相当するリタデーション(Δnd)を備えたオフ状態の液晶層Lcを透過する。ここで、液晶層Lcが前述したように液晶分子が初期ツイスト配向したオフ状態にある場合は、その透過軸1aが前位相差板4の遅相軸4aに対して直交する方向に存在するから、これを透過することによりλ/4の位相差が相殺されて、元の直線偏光と振動方向が同じ直線偏光となる。
【0036】
この直線偏光は、赤色フィルタ要素18Rを透過して赤色に着色された後、散乱反射層17に入射して散乱反射される。この散乱反射においては、入射位置に応じて反射方向が不規則に散乱するが、偏光状態の変化は僅かである。
【0037】
散乱反射層17により散乱反射された直線偏光は、散乱反射層17に至るまでの往光路とは逆順の復光路を進行する。すなわち、赤色フィルタ要素18Rを透過した後、オフ状態の液晶層Lcと前位相差板4を透過する。オフ状態の液晶層Lcと位相差板4は、これらを逆方向に透過する復光路においても、往光路と同様に互いに位相差を相殺しあうから、振動方向が前偏光板2を透過した後の直線偏光と同じ直線偏光として前位相差板4から出射され、前偏光板2に入射する。この入射直線偏光の振動方向は、前偏光板2の透過軸2aに沿っているから、前偏光板2をそのまま吸収さることなく透過して観察側である前方に効率良く出射され、画素領域Dp1に対応する画素が充分な光強度で赤色表示される。
【0038】
なお、画素領域Dp1の透過部に入射した外光Ra1は、液晶セル1においてオフ状態の液晶層Lcを透過して直線偏光に戻った後、散乱反射されずにその直線偏光のまま液晶セル1を透過して後側へ出射される。この後、その直線偏光は後位相差板5を透過して円偏光となり、後偏光板3の吸収軸に沿った偏光成分光が吸収され、透過軸に沿った偏光成分光だけが後側に透過されて最終的には消失する。
【0039】
一方、オン状態の画素領域である例えば青色フィルタ要素18Bが設けられた画素領域Dp3の反射部Drに入射する外光(非偏光)Ra2は、前偏光板2を透過して前位相差板4を透過し、上述したオフ状態の画素領域の場合と同様に円偏光となってオン状態の液晶層Lcに入射する。
【0040】
オン状態の液晶層Lcでは、電極間に形成された電界により液晶分子が立上がり配向している。立上がり配向した液晶層Lcは層厚方向に透過する光に対するリタデーション(Δnd)は実質的に0であるから、入射した円偏光はその円偏光のまま出射し、散乱反射層16で散乱反射されて再び円偏光のままオン状態の液晶層Lcを透過し、前位相差板4に入射する。前位相差板4に入射した円偏光は、ここでλ/4の位相差を付与されて直線偏光となり出射される。この出射された直線偏光の振動方向に沿った面(以下、偏光面という)は、往光路で前偏光板2を透過して出射された直線偏光にλ/2の位相差が付与されてその偏光面が90°回転され、前偏光板2の透過軸2aに直交する吸収軸(不図示)に沿った方向になる。従って、この前位相差板4から前側に出射された直線偏光は、前偏光板2に入射し吸収されて観察側(前側)には出射されず、このオン状態の画素領域Dp3に対応する画素は黒表示となる。
【0041】
なお、このオン状態の画素領域Dp3の透過部Dtは、一対の前後偏光板2、3間に、リタデーション値が同じでそれぞれの遅相軸を互いに直交させて配置された前、後位相差板4、5が、リタデーションが略0の液晶層Lcを挟んで設置された構成であるから、この透過部Dtを透過する外光は、透過軸を直交させた2枚の偏光板だけを透過する場合と同じであり、全て両偏光板2、3により吸収される。
【0042】
以上のように、本例の液晶表示装置による反射表示は、液晶層Lcの後側に散乱反射層17を設け、散乱反射させた後に再度液晶層Lcを透過させた反射光により画像表示を行うものであり、従って、反射光が液晶層Lcを透過した後は散乱されないで観察側に出射されるから、表示が滲む所謂画像ボケの発生が防止される。また、その反射表示は、オン状態の画素が黒表示となる所謂ノーマリーホワイト表示であるが、オフ状態において前偏光板2による光のロスが最小限に抑制されると共にオン状態において入射光が前、後偏光板2、3によって略完全に吸収されるから、コントラストの高いカラー反射表示が得られる。更に、各色フィルタ要素の反射部Drに対応する部分の膜厚は、これを往復透過する光を色純度及び光強度が共に充分に高い着色光として出射させる厚さに設定されているから、色純度及び強度が共に充分に高いカラー表示が得られる。よって、本例の反射表示モードの液晶表示装置によれば、色純度、光強度及びコントラストが充分に高く、且つ、散乱反射層により画像ボケを発生させることなく写り込みや鏡面反射特有のギラツキが抑制された、良好なカラー反射表示が得られる。
【0043】
次に、本例の液晶表示装置による透過表示動作について説明する。
図2において、発光素子31(図1参照)から射出されて導光板30に入射したバックライト光のうち、オフ状態の画素領域Dp1に向けて出射されたバックライト光(非偏光)Rb1は、後偏光板3を透過し、偏光面がその透過軸3aに沿った直線偏光となり、後位相差板5に入射する。この直線偏光は、後位相差板5を透過することにより円偏光となって液晶セル1に入射し、赤色フィルタ要素18Rの透過部Dtに対応する部分を透過して赤色に着色され、オフ状態の液晶層Lcに入射する。この赤色に着色された円偏光は、オフ状態の液晶層Lcを透過する際にλ/4の位相差が付与されて直線偏光となり、液晶セル1を出射する。この出射直線偏光は偏光面が後偏光板3を透過した時点から90°回転されてx軸に沿った直線偏光であり、この直線偏光は位相差がλ/4で遅相軸をx軸に対して45°に交差させた前位相差板4を透過することにより円偏光となる。この円偏光が前偏光板2に入射し、偏光面がその透過軸2aに沿った偏光成分光だけが前側に出射される。これにより、このオフ画素は、赤色に着色された透過偏光成分光により赤色表示される。
【0044】
一方、オン状態の画素領域である例えば青色フィルタ要素18Bが設けられた画素領域Dp3の透過部Dtに入射するバックライト光Rb2も、上述したオフ状態の画素領域Dp1の場合と同様の作用を経て青色の円偏光となりオン状態の液晶層Lcに入射する。オン状態の液晶層Lcはリタデーション(Δnd)が略0であるから、入射した円偏光はそのまま透過して液晶セル1から出射し、前位相差板4に入射する。前位相差板4は後位相差板5とは互いに遅相軸を直交させた配置関係にあって互いに付与する位相差を打ち消し合うから、入射した円偏光は前位相差板4を透過することにより偏光面が後偏光板3の透過軸に沿った元の直線偏光に戻り、この直線偏光は偏光面が前偏光板2の吸収軸に沿った方向の直線偏光であるから前偏光板2に入射して吸収される。従って、このオン状態の画素領域Dp3に対応する画素は黒表示となる。なお、本例の散乱反射層17は入射光を実質的に透過させない反射層であるから、各画素領域の反射部をバックライト光Rbが透過することはなく、従って、漏れ光のない良好な黒表示が得られる。
【0045】
このように、本例の液晶表示装置による透過表示も、オン状態の画素が黒表示となるノーマリーホワイト表示であり、オン状態の画素領域Dp3の透過部Dtでは入射光が前、後偏光板2、3によって略完全に吸収されるから、コントラストの高いカラー透過表示が得られる。また、各画素領域の透過部には散乱反射層が存在しないから、透過光が散乱されて画像ボケが発生したりカラー表示の光強度つまり輝度が低下することもない。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について、図3に基づき説明する。なお、以下の実施形態においては、上述した第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本例の液晶表示装置は、第1実施形態の液晶表示装置においてカラーフィルタ層18と対向電極20との間に介設していた平坦化保護層19を省略した構造となっている。そして、凹凸下地層16等の層厚を調整し、各画素領域Dpにおける反射部Drと透過部Dtの各液晶層厚(ギャップ)d1、d2を、次のように個々に最適設定してある。
【0048】
すなわち、反射部Drの液晶層厚d1は、これと液晶の屈折率異方性Δnとの積Δn・d1が、透過光の波長をλ、0を含む正の整数をkとした場合に、
Δn・d1=λ(2k+1)/4
となるように設定する。
【0049】
一方、透過部Dtの液晶層厚d2は、これと液晶分子がオフ状態の配向状態にあるときの屈折率異方性Δnとの積Δn・d2が、透過光の波長をλ、0を含む正の整数をk´とした場合に、
Δn・d2=λ (2k´+1) /2
となるように設定する。
【0050】
本例では、反射部Drの液晶層厚d1を、第1実施形態と同様に反射部Drの液晶層のΔn・d1がλ/4となる値とし、透過部Drの液晶層厚d2をそのΔn・d2がλ/2となる値としてある。そして、このような液晶層厚構成を得るために、凹凸下地層16の厚さを第1実施形態のものより厚くしてある。その他の、各色フィルタ要素18R、18G、18Bの反射部と透過部での膜厚比等の構成は、第1実施形態と同じである。
【0051】
このように構成された液晶表示装置における動作は、第1実施形態における動作とほぼ同じであるが、オフ画素での透過表示作用だけが異なっている。
【0052】
本例の液晶表示装置におけるオフ画素領域Dp1の透過部Dtでは、互いに遅相軸が直交し同じ値の位相差を相殺し合う前、後位相差板4、5間に位相差がλ/2の液晶層Lcをその遅相軸1aを何れか一方の位相差板の遅相軸に対して平行に揃えて配置した構成となっているから、これらを透過する光にはλ/2の位相差が与えられる。したがって、後偏光板3を透過した直線偏光が、それらを透過することにより偏光面が90°回転され、偏光面が前偏光板2の透過軸2a(図1参照)に沿った直線偏光となって出射される。この出射直線偏光は、前偏光板2を吸収されることなくそのまま透過し、各色フィルタ要素で着色された明るい着色光が観察側である液晶表示装置前方に出射される。この場合の出射着色光の強度は、第1実施形態において、円偏光のまま前偏光板2に入射させてその透過軸に沿った偏光成分光だけを透過させ出射させた着色光よりも強度が高く、極めて明るい着色表示がなされる。したがって、本例の液晶表示装置によれば、第1実施形態により得られる透過カラー表示よりもコントラストがより高く且つ色純度及び光強度も充分に高い高品質な透過カラー表示が得られる。
【0053】
従って、本第2実施形態の液晶表示装置によれば、反射表示と透過表示の双方において、光の散乱による画像ボケや光強度の低下が解消されるだけでなく、色純度及び光強度が共に高く且つコントラストも極めて高い良好なカラー表示品質が得られる。
【0054】
次いで、本発明の第3実施形態を図4に基づき説明する。
本例の液晶表示装置は、第1実施形態の液晶表示装置において、各色フィルタ要素18R、18G、18Bの各反射部Drに対応する部分に、所定の大きさの円柱又は角柱形状の透孔h1〜h3をそれぞれ部分的に穿設したものである。この場合、各色フィルタ要素18R、18G、18Bに設けた各透孔h1〜h3の開口面積は、反射部Dr全体の面積(総面積)の50%以下が好ましい。このように、反射部の色フィルタ要素部分に透孔を設けることにより、反射カラー表示における表示品質がより一層改善される。
【0055】
すなわち、反射表示は外光を利用するため内蔵の照明光を用いる透過表示に比べて入射光量が少なく且つカラーフィルタ層を往復透過させるために表示の明るさが暗くなる傾向があり、それを補うために第1乃至第2実施形態の場合と同様に反射部のカラーフィルタの層厚を透過部のそれよりも所定の厚さだけ薄くしてあるが、カラーフィルタの層厚は必要な色純度を得るのに最低限必要な膜厚以上に薄くはできない。そこで、本例の液晶表示装置においては、上述した透孔h1〜h3を穿設してある。これら透孔h1〜h3に入射した外光は、散乱反射膜17に反射されて、同じ透孔から出射されれば非着色光として、周囲の色フィルタ要素部分から出射されればその色の着色光として出射されるが、いずれの出射光も色フィルタ要素を往復透過した光よりは強度が大きい。従って、その色フィルタ要素から出射される光は、往復透過した色純度の高い光と透孔を介した強度の大きい光が混合された色純度及び強度が共に充分に高い着色光である。
【0056】
そして、本例の液晶表示装置においては、緑色フィルタ要素18Gに設けた透孔(以下、緑画素の透孔という)h2の開口面積を他の赤、青の各色フィルタ要素18R、18Gに設けた透孔(以下、赤画素の透孔、青画素の透孔という)h1、h3の開口面積より大きく設定してある。これは、赤、緑、青の各着色光の視感度のうちでは緑色光の視感度が最も低く、その視感度の差を補償するためであり、これにより、赤、緑、青の各反射着色光の視感度が補正され、それらの加法混色による白色光がより純白色に近い光となる。すなわち、ホワイトポイントが改善される。この場合、緑画素の透孔h2の開口面積は、緑色フィルタ要素18Gの反射部Drに対応する部分の総面積(以下、緑反射部総面積という)の5〜50%、赤、青の各画素の透孔h1、h3の各開口面積は、赤、青反射部総面積の0〜50%が好ましく、そのうちでも、緑画素の透孔h2の開口面積率は20〜40%、赤、青各画素の透孔h1、h3の各開口面積率は0〜30%がより好ましく、本例では、緑画素の透孔h2の開口面積率を30%とし、赤、青各画素の透孔h1、h3の開口面積率を1%としてある。
【0057】
以上のように、本例の液晶表示装置によれば、反射表示と透過表示の両方において、画像ボケが防止されることは勿論、色純度及び強度が共に充分に高く且つホワイトポイントが改善された良好なカラー画像表示を得ることができる。
【0058】
次に、本発明の第4実施形態について、図5に基づき説明する。
本例の液晶表示装置は、第2の実施形態の液晶表示装置において、凹凸下地層16を後透明基板12の内面の略全域にわたって一様に形成された凹凸下地層16´とし、カラーフィルタ層18´と対向電極20との間に画素領域Dpの透過部Dtを除いて透明ギャップ調整層22を設け、反射部Drと透過部Dtにおける各ギャップつまり液晶層厚d1、d2を第2実施形態と同様に適正化したものである。
【0059】
本例の凹凸下地層16´は、後透明基板11の内面に一様に積層形成されるものであるから、大きさが均一であるが規則性が無くランダムな配置の凹凸を、反射部Drに選択的に設ける場合に比べて転写法或いは印刷法により容易に形成できる。
【0060】
凹凸下地層16´上の画素領域Dpの透過部Dtに対応する部分を除いた領域には、散乱反射層17´が被着形成されている。このように、反射部Drに対応する領域だけでなく薄膜トランジスタ14に対向する領域にも散乱反射層17´を延在配置することにより、薄膜トランジスタ14に対するバックライト光Rbの照射を遮断してその誤動作を防止することができる。
【0061】
散乱反射層17´が選択配置された凹凸下地層16´上には、それら散乱反射層17´上も含めてカラーフィルタ層18´が一様に積層されている。従って、各色フィルタ要素18´R、18´G、18´Bは層厚が等しく、個々の色フィルタ要素においても反射部Drと透過部Dtの区別無くその層厚で一定である。このように、本例のカラーフィルタ層18´は、色フィルタ要素18´R、18´G、18´B毎及び反射部Drと透過部Dtの区別無く層厚が一定であるから、極めて容易に積層することができる。
【0062】
そして、その一定の層厚は、透過カラー表示において充分な色純度と強度が得られる厚さに設定されている。このため、反射カラー表示においては、反射部Drの色フィルタ要素の層厚を単に透過部Dtと同じ層厚に形成しただけでは層厚が必要以上に厚くなり、色純度は充分であるが強度が不足して暗いカラー表示となる。そこで、本例においては、各色フィルタ要素18´R、18´G、18´Bの反射部Drに対応する部分に第3実施形態と同様に透孔h1〜h3をそれぞれ穿設してある。各透孔h1〜h3の開口面積比も同様に緑色フィルタ要素18Gの透孔h2を他の透孔h1、h3より所定の同じ比率で大きくしてある。これにより、反射カラー表示においても、色純度と強度が充分で且つ白色特性が改善された良好なカラー表示品質を得ることができる。
【0063】
また、本例のカラーフィルタ層18´は、凹凸下地層16´と屈折率が略同じ材料を用いて形成されている。例えば、凹凸下地層16´の材質を屈折率が約1.5程度のアクリル樹脂とした場合、カラーフィルタ層の基材として屈折率が1.5程度のアクリル系樹脂基材を用いる。これにより、透過部Dtの凹凸下地層16´からカラーフィルタ層18´に透過するバックライト光Rbが凹凸下地層16´とカラーフィルタ層18´の凹凸界面で散乱されるのを防止することができる。その結果、透過表示における光の散乱が略解消され、画像ボケと光強度の低下がより顕著に抑制される。
【0064】
カラーフィルタ層18´上の本例では透過部Dtに対応する領域を除いた略全域に、例えばアクリル樹脂等の透明樹脂材料からなるギャップ調整層22が設置されている。このギャップ調整層22は、各画素領域Dpにおける反射部Drのギャップつまり液晶層厚d1を適正に設定するために設けられるものであり、従って、少なくとも反射部Drに対応する領域に設ければよい。そして、ギャップ調整層22上とそれらの間のカラーフィルタ層18´上を覆って、対向電極20と後配向膜21が順次積層されている。
【0065】
以上のように形成された本例の液晶表示装置においては、凹凸下地層16´とギャップ調整層22の各層厚を適宜調整することにより、反射部Drと透過部Dtにおける各ギャップつまり液晶層厚d1、d2が第2実施形態と同様に最適設定されている。
【0066】
すなわち、反射部Drの液晶層厚d1は、これと液晶の屈折率異方性Δnとの積Δn・d1がλ/4となるように設定されまた、透過部Dtの液晶層厚d2は、これと液晶の屈折率異方性Δnとの積Δn・d2がλ /2となるように設定されている。
【0067】
上述のように反射部Drと透過部Dtの各液晶層厚を設定することにより、反射表示と透過表示の両方において第2実施形態の場合と同様にコントラストの高いカラー表示が得られる。よって、反射表示と透過表示の両方において、色純度及び光強度が共に充分に高く且つ高コントラストで画像ボケの無い良好なカラー表示が得られる半透過反射式カラー液晶表示装置を、より簡単な製造工程によって容易に製造することができる。
【0068】
なお、本発明の液晶表示装置は上記第1乃至第4実施形態に限定されるるものではない
例えば、液晶層は、ツイスト配向角度が64°のTN配向に限らず、ツイスト配向角度が180°以上の所謂STN(Super Twist Nematic)でも良く、またツイスト配向以外のホモジニアス配向の液晶層でも良い。
【0069】
また、前、後位相差板はλ/4の位相差を付与する位相差板に限らず、適宜省略することも可能であり、また、位相差板や偏光板及び液晶層の各光学軸や配向処理方向の配置も上記実施形態の配置に限定されるものではない。
【0070】
すなわち、外光による往復反射表示光路と内蔵バックライト光による透過表示光路のそれぞれにおいて、液晶層のオン・オフに応じ観察側(前側)に出射される光量の差つまり表示のコントラストが最大となる位相差が得られるように、前、後位相差板の位相差と遅相軸の配置、前、後偏光板の透過軸の配置、及び液晶層のツイスト角度と配向処理方向等の光学条件を最適設定すればよい。
【0071】
さらに、上記実施形態では、各画素領域の略半分の領域を反射部とし残りの略半分の領域を透過部としたが、これら反射部と透過部は液晶表示装置の用途等に応じ任意の形状で任意の面積比に形成すればよく、或いは、反射部と透過部の一方または両方を一つの画素に複数形成してもよい。
【0072】
また更に、各実施形態のカラーフィルタ層や第4実施形態のギャップ調整層は前側透明基板の内面に設けてもよい。
【0073】
加えて、液晶表示素子は、アクティブマトリックス型に限らず、単純マトリクス型液晶表示素子としてもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置によれば、液晶層と後側透明基板間の反射部に対応する領域に選択配置する反射膜を凹凸表面を有する下地層に被着形成して凹凸反射膜とし、外光の反射と散乱を同時に行った後に液晶層を透過させる構成としたから、反射表示において画像ボケが防止される。また、透過表示においても、液晶層の前方に凹凸面が存在しないから、画像ボケは発生せず、且つ凹凸下地層が存在した場合の光の散乱によるロスも少ない。従って、反射表示におけるミラー反射や写り込みが防止されることは勿論、透過表示と反射表示の両方において、画像ボケがなく充分な光強度を備えた良好な表示品質が得られる。
【0075】
本発明の液晶表示装置においては、請求項2に記載のように、前記下地層と前記反射膜を覆って少なくとも各画素領域全体に所定の色のカラーフィルタを形成することにより、ミラー反射や画像ボケの無い良好な反射カラー表示を得ることができる。この場合、請求項3に記載のように、前記下地層を少なくとも透過部を除いた領域に設け、カラーフィルタを反射部における膜厚が透過部における膜厚よりも薄くなるように形成することにより、透過カラー表示と反射カラー表示の各表示品質をほぼ同一にするために反射部のカラーフィルタの膜厚を透過部の膜厚よりも薄くした液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0076】
また、請求項4に記載のように、カラーフィルタの反射部に対応する領域に透孔を穿設することにより、充分に明るい反射カラー表示を得ることができ、各色の画素毎の透孔の開口面積比を最適設定して反射表示においてより純白色に近い白色を得ることが可能となる。
【0077】
更に、請求項5に記載のように、前記液晶素子を、前側基板の内面に設けられた電極がマトリクス状に画素毎に配置されるとともにスイッチング素子としての薄膜トランジスタがそれぞれ接続された複数の画素電極であるアクティブマトリックス型液晶素子とすることにより、アクティブマトリックス型液晶表示装置における薄膜トランジスタを形成しない後側基板に、凹凸が規則性を有さずにランダムに形成された下地層を転写法や印刷法により容易に形成することができ、反射表示において反射光の干渉による不良着色が防止され、反射/透過の両方において画像ボケの無い良好な表示品質を備えたアクティブマトリックス型液晶表示装置を歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】上記第1実施形態の要部構成を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての液晶表示装置の要部構成を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態としての液晶表示装置の要部構成を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態としての液晶表示装置の要部構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…液晶セル
2…前偏光板
3…後偏光板
4…前位相差板
5…後位相差板
11…前側透明基板
12…後側透明基板
13…画素電極
14…薄膜トランジスタ(TFT)
15…前配向膜
16、16´…凹凸下地層
17、17´…散乱反射層
18、18´…カラーフィルタ層
19…平坦化保護膜
20…対向電極
21…後配向膜
22…ギャップ調整層
LD…液晶表示素子
Lc…液晶層
Dp…画素領域
Dr…反射部
Dt…透過部
Claims (5)
- 表示を観察する側である前側の基板とこの前側基板に対向配置された後側基板との間に液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも一つの電極が、他方の内面に前記少なくとも一つの電極に対向させて複数の画素を形成するための複数の電極が、それぞれ設けられるとともに、前記液晶層と前記後側基板との間に前記複数の画素の各画素毎に、予め定めた一方の領域を除いた他方の領域に反射膜がそれぞれ設けられて成り、前記複数の各画素毎に、前記反射膜が設けられた他方の領域により前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射させる反射部と、前記反射膜が設けられていない一方の領域により後側から入射した光を前側に出射させる透過部とが形成されている液晶素子と、
前記液晶素子の前側と後側とにそれぞれ配置された前側偏光板と後側偏光板と、
前記後側偏光板の後側に配置されたバックライトとを、
備えた液晶表示装置であって、
前記後側基板の内面側の少なくとも前記反射部に対応する他方の領域に、表面が凹凸に形成された下地層が形成され、前記反射膜は前記下地層の凹凸表面上に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記下地層と前記反射膜を覆って少なくとも各画素領域全体に所定の色のカラーフィルタが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記下地層は少なくとも前記透過部を除いた領域に設けられ、前記カラーフィルタの前記反射部における膜厚が前記透過部における膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記カラーフィルタは、前記反射部に対応する領域に透孔が穿設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶素子は、前側基板の内面に設けられた電極がマトリクス状に画素毎に配置されるとともにスイッチング素子としての薄膜トランジスタがそれぞれ接続された複数の画素電極からなるアクティブマトリックス型液晶素子であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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