JP2001272666A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001272666A
JP2001272666A JP2000087247A JP2000087247A JP2001272666A JP 2001272666 A JP2001272666 A JP 2001272666A JP 2000087247 A JP2000087247 A JP 2000087247A JP 2000087247 A JP2000087247 A JP 2000087247A JP 2001272666 A JP2001272666 A JP 2001272666A
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crystal element
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JP2000087247A
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Toshiomi Ono
俊臣 小野
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】STN方式の反射/透過型液晶表示装置とし
て、外光を利用する反射表示のときも、偏光板による吸
収を受けない十分な強度の光を前面に出射し、明るい画
面を得ることができるものを提供する。 【解決手段】液晶分子が180°〜270°の範囲のツ
イスト角でツイスト配向した液晶素子1を挟んで前後一
対の偏光板10,11を配置し、前記液晶素子1の後基
板3の内面の配向処理面と後側偏光板11との間に半透
過反射膜12を設け、前記後側偏光板11の背後にバッ
クライト13を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、STN(スーパ
ー・ツィステッド・ネマティック)方式の反射/透過型
液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】STN方式の液晶表示装置は、対向する
内面それぞれに電極が形成されるとともにその上に配向
処理が施された前後一対の基板間に、液晶分子が180
°〜270°の範囲のツイスト角でツイスト配向した液
晶層が設けられた液晶素子と、前記液晶素子を挟んで配
置された前後一対の偏光板とにより構成されている。
【0003】このSTN方式の液晶表示装置は、液晶分
子のツイスト角が大きいため、電圧に対する透過率の変
化が急峻であり、液晶分子のツイスト角がほぼ90°の
液晶素子を用いるTN(ツィステッド・ネマティック)
方式の液晶表示装置に比べて、時分割駆動性に優れてい
る。
【0004】そのため、STN方式の液晶表示装置は、
TN方式の液晶表示装置のように、各画素毎にその電極
間電圧を保持するためのスイッチング素子(例えばTF
T)を設けることなく、高いデューティーの時分割駆動
が可能である。
【0005】ところで、前記STN方式の液晶表示装置
には、表示の観察側である前面側から入射する外光を利
用する反射表示を行なう反射型のものと、後面側から入
射する照明光を利用する透過表示を行なう透過型のもの
と、前記反射表示と透過表示との両方の表示を行なう反
射/透過型のものとがある。
【0006】反射/透過型の液晶表示装置は、十分な明
るさの外光が得られる環境下では外光を利用する反射表
示を行ない、十分な明るさの外光が得られないときに、
照明光を利用する透過表示を行なうものであり、明るい
環境下でも暗い環境下でも使用することができるととも
に、常に照明光を利用して表示する透過型のものに比べ
て、消費電力が少なくて済むという利点をもっている。
【0007】この反射/透過型液晶表示装置は、従来、
前記液晶素子を挟んで前後一対の偏光板が配置されると
ともに、前記液晶素子の後面側に配置された後側偏光板
の背後に半透過反射膜が配置され、この半透過反射膜の
背後に、前記液晶素子に向けて照明光を出射するバック
ライトが配置された構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反射/
透過型液晶表示装置は、液晶素子を挟んで前後一対の偏
光板が配置され、その後側偏光板の背後に半透過反射膜
が配置され、この半透過反射膜の背後にバックライトが
配置された構成であるため、外光を利用する反射表示の
ときの画面が暗いという問題をもっている。
【0009】すなわち、従来の反射/透過型液晶表示装
置は、バックライトを点灯させて透過表示を行なうとき
は、前記バックライトからの照明光が半透過反射膜を透
過するとともに後側偏光板を透過して直線偏光となって
液晶素子に入射し、この液晶素子の液晶層を透過した光
が前側偏光板に入射して、その光のうち、前記前側偏光
板を透過する偏光成分の光がこの前側偏光板を透過して
画像光となり、その画像光がそのまま前面に出射するた
め、偏光板による光の吸収が、後側偏光板による直線偏
光を得るための吸収と、前側偏光板による画像光を得る
ための吸収だけである。
【0010】これに対して、反射表示のときは、前面側
から入射する外光が、前側偏光板を透過して直線偏光と
なって液晶素子に入射し、この液晶素子の液晶層を透過
した光が後側偏光板に入射して、その光のうち、前記後
側偏光板を透過する偏光成分の光がこの後側偏光板を透
過して画像光となり、その画像光が、前記半透過反射膜
により反射され、前記後側偏光板と液晶素子と前側偏光
板とを順に透過して前面に出射する。
【0011】そのため、反射表示のときは、前側偏光板
と液晶素子と後側偏光板とを透過して画像光となった光
が、前記半透過反射膜により反射されて前面に出射する
過程で、前記後側偏光板と前側偏光板とにより吸収を受
け、その分、前面に出射する光の強度が低下して、画面
が暗くなる。
【0012】この発明は、STN方式の反射/透過型液
晶表示装置として、反射表示のときも明るい画面が得ら
れるものを提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、対向する内
面それぞれに電極が形成されるとともにその上に配向処
理が施された前後一対の基板間に、液晶分子が180°
〜270°の範囲のツイスト角でツイスト配向した液晶
層が設けられた液晶素子を備え、前面側から入射する外
光を利用する反射表示と、後面側から入射する照明光を
利用する透過表示との両方の表示を行なう液晶表示装置
において、前記液晶素子を挟んで前後一対の偏光板が配
置されるとともに、前記液晶素子の後基板の内面の配向
処理面と前記液晶素子の後面側に配置された後側偏光板
との間に半透過反射膜が設けられ、前記後側偏光板の背
後に、前記液晶素子に向けて照明光を出射するバックラ
イトが配置されていることを特徴とするものである。
【0014】この発明の液晶表示装置は、液晶素子を挟
んで前後一対の偏光板を配置し、前記液晶素子の後基板
の内面の配向処理面と後側偏光板との間に半透過反射膜
を設け、前記後側偏光板の背後にバックライトを配置し
たものであるため、外光を利用する反射表示のときも、
偏光板による余計な光吸収は無い。
【0015】すなわち、バックライトを点灯させて透過
表示を行なうときは、前記バックライトからの照明光が
後側偏光板を透過して直線偏光となり、その光が半透過
反射膜を透過して液晶素子に入射し、この液晶素子の液
晶層を透過した光が前側偏光板に入射して、その光のう
ち、前記前側偏光板を透過する偏光成分の光がこの前側
偏光板を透過して画像光となり、その画像光がそのまま
前面に出射する。
【0016】また、外光を利用する反射表示のときは、
前面側から入射する外光が、前側偏光板を透過して直線
偏光となって液晶素子に入射し、この液晶素子の液晶層
を透過した光が前記半透過反射膜により反射され、後側
偏光板を通ることなく前記液晶層を再び透過して前記液
晶素子の前面に出射し、その光のうち、前記前側偏光板
を透過する偏光成分の光がこの前側偏光板を透過して画
像光となり、その画像光がそのまま前面に出射する。
【0017】そのため、この液晶表示装置は、反射表示
のときの偏光板による光の吸収が、前側偏光板による直
線偏光を得るための吸収と画像光を得るための吸収だけ
であり、したがって、外光を利用する反射表示のとき
も、偏光板による余計な吸収を受けない十分な強度の光
を前面に出射し、明るい画面を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、上記
のように、液晶分子が180°〜270°の範囲のツイ
スト角でツイスト配向した液晶素子を挟んで前後一対の
偏光板を配置し、前記液晶素子の後基板の内面の配向処
理面と後側偏光板との間に半透過反射膜を設け、前記後
側偏光板の背後にバックライトを配置することにより、
外光を利用する反射表示のときも、偏光板による余計な
吸収を受けない十分な強度の光を前面に出射し、明るい
画面を得ることができるようにしたものである。
【0019】この発明の液晶表示装置においては、前記
液晶素子の液晶分子のツイスト角を220°〜260°
の範囲、前記液晶素子の液晶の屈折率異方性Δnと液晶
層厚dとの積Δndの値を600nm〜900nmの範
囲とし、前記液晶素子の前面側に配置された前側偏光板
の吸収軸の向きを、前記液晶素子の後基板の配向処理方
向に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に1
0°〜80°の角度範囲の方向またはその方向に対して
ほぼ直交する方向、後側偏光板の吸収軸の向きを、前記
後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に−15°〜55°の角度範囲の方向と
するのが好ましく、このようにすることにより、反射表
示をより明るくするとともに良好なコントラストを得る
ことができる。
【0020】また、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶素子とその前面側に配置された前側偏光板
との間に位相板を配置するのが好ましく、このような構
成とすることにより、表示の帯色を補償することができ
る。
【0021】このように前記液晶素子と前側偏光板との
間に位相板を配置する場合は、上述したように、前記液
晶素子の液晶分子のツイスト角を220°〜260°の
範囲、前記液晶素子のΔndの値を600nm〜900
nmの範囲とし、前側偏光板の吸収軸の向きを、前記液
晶素子の後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分子の
ツイスト方向とは逆方向に10°〜80°の角度範囲の
方向またはその方向に対してほぼ直交する方向、後側偏
光板の吸収軸の向きを、前記後基板の配向処理方向に対
し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に−15°
〜55°の角度範囲の方向にするとともに、前記位相板
の遅相軸の向きを、前記液晶素子の後基板の配向処理方
向に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に9
5°〜175°の角度範囲の方向またはその方向に対し
てほぼ直交する方向とし、前記位相板のリタデーション
を300nm〜700nmの範囲に設定するのが好まし
く、このようにすることにより、表示の帯色をより効果
的に補償するとともに、反射表示のときのコントラスト
をさらに高くすることができる。
【0022】さらに、前記半透過反射膜は、前記液晶素
子と後側偏光板との間に設けてもよいが、前記液晶素子
の後基板の内面に設けるのが好ましく、このようにする
ことにより、反射表示をより明るくすることができる。
【0023】その場合、前記半透過反射膜は、前記液晶
素子の後基板の内面に設けられた電極の上に形成するの
がより好ましく、このようにすることにより、前記反射
表示の明るさをさらに明るくすることができる。
【0024】
【実施例】図1および図2はこの発明の第1の実施例を
示しており、図1は液晶表示装置の一部分の断面図であ
る。
【0025】この液晶表示装置は、外光を利用する反射
表示と、照明光を利用する透過表示との両方の表示を行
なうSTN方式のものであり、図1のように、液晶素子
1と、前記液晶素子1を挟んで配置された前後一対の偏
光板10,11と、前記液晶素子1の後基板3の内面の
配向処理面と前記液晶素子1の後面側に配置された後側
偏光板11との間に設けられた半透過反射膜12と、前
記後側偏光板11の背後に配置されたバックライト14
とを備えている。
【0026】前記液晶素子1は、対向する内面それぞれ
に透明な電極4,5が形成されるとともにその上に配向
処理が施された前後一対の透明基板2,3間に、液晶分
子が180°〜270°の範囲のツイスト角でツイスト
配向した液晶層9が設けられたものであり、前記一対の
基板2,3はその周縁部において図示しない枠状のシー
ル材を介して接合されており、これらの基板2,3間の
前記シール材で囲まれた領域に誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶が封入されて前記液晶層9が形成されてい
る。
【0027】この液晶素子1は、単純マトリックス型の
ものであり、その一方の基板、例えば前基板2の内面の
電極4は、行方向(図1において左右方向)に沿う互い
に平行な複数の走査電極、後基板3の内面の電極5は、
列方向(図1において紙面に垂直な方向)に沿う互いに
平行な複数の信号電極である。
【0028】また、この液晶素子1は、フルカラー画像
を表示するものであり、そのいずれか一方の基板、例え
ば前基板2の内面に、前記複数の走査電極4と信号電極
5とが互いに対向する複数の画素にそれぞれ対応する複
数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ6
R,6G,6Bを備えている。なお、このカラーフィル
タ6R,6G,6Bを形成した前基板3の内面の電極4
は、前記カラーフィルタ6R,6G,6Bの上に形成さ
れている。
【0029】さらに、前記一対の基板2,3の内面には
それぞれ、前記電極4,5を覆ってポリイミド等からな
る水平配向膜7,8が設けられており、これらの配向膜
7,8に、その膜面のラビングによる配向処理が施され
ている。
【0030】そして、前記一対の基板2,3間に設けら
れた液晶層9の液晶分子は、それぞれの基板2,3の近
傍においてその基板2,3の配向処理方向(配向膜7,
8のラビング方向)に沿って配向し、前記一対の基板
2,3間において180°〜270°の範囲のツイスト
角でツイスト配向している。
【0031】図2は、前記液晶素子1の一対の基板2,
3の配向処理方向と、前記液晶素子1の前面側に配置さ
れた前側偏光板10の吸収軸の向きと、前記液晶素子1
の後面側に配置された後側偏光板11の吸収軸の向きと
を示しており、図において、2aは液晶素子1の前基板
2の配向処理方向、3aは後基板3の配向処理方向を示
している。
【0032】図2のように、この実施例では、前記液晶
素子1の前基板2の配向処理方向2aを、液晶表示装置
の画面の横軸xに対し前面側から見て右回りに20°〜
40°の角度範囲の方向にし、後基板3の配向処理方向
3aを、前記横軸xに対し前面側から見て左回りに20
°〜40°の角度範囲の方向にし、前記液晶層9の液晶
分子を、そのツイスト方向を図に破線矢印で示したよう
に、前記後基板3の配向処理方向3aを基準として、前
面側から見て右回りに220°〜40°の範囲のツイス
ト角でツイスト配向させている。
【0033】さらに、この実施例では、前記液晶素子1
として、液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δ
ndの値を、600〜900nmの範囲に設定したもの
を用いている。
【0034】また、図2において、10aは前記前側偏
光板10の吸収軸、11aは前記後側偏光板11の吸収
軸を示しており、この実施例では、前側偏光板10の吸
収軸10aの向きを、前記横軸xに対し前面側から見て
左回りに50°〜100°または140°〜190°の
角度範囲の方向にし、後側偏光板11の吸収軸11aの
向きを、前記横軸xに対し前面側から見て左回りに25
°〜75°の角度範囲の方向にしている。
【0035】すなわち、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶分子のツイスト角を220°〜260°の範
囲、前記液晶素子1のΔndの値を600nm〜900
nmの範囲にするとともに、前記前側偏光板10の吸収
軸10aの向きを、前記液晶素子1の後基板3の配向処
理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆
方向に10°〜80°の角度範囲の方向またはその方向
に対してほぼ直交する方向(後基板3の配向処理方向3
aに対し、液晶分子のツイスト方向とは逆方向に100
°〜170°の角度範囲の方向)、後側偏光板11の吸
収軸11aの向きを、前記後基板3の配向処理方向3a
に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に−1
5°〜55°の角度範囲の方向にしている。
【0036】また、前記液晶素子1の後基板3の内面の
配向処理面(配向膜8)と前記後側偏光板11との間に
設けられた半透過反射膜12は、液晶表示装置の反射型
表示と透過型表示のうちのいずれかを主要な表示に選ぶ
かにより、その反射と透過の比率が設定されるものであ
り、この実施例では、透過率型表示を主要な表示として
いるため、反射率が透過率よりも高い反射/透過特性に
設定されており、前記液晶素子1の後基板3の外面に、
アルミニウム等の高反射率金属からなる粗い膜質の反射
膜を形成したものである。
【0037】さらに、前記後側偏光板11の背後に配置
されたバックライト13は、前記液晶素子1に向けて照
明光を出射する面光源であり、例えば、端面から光を取
り込んでその光を前面全体から出射する透明な導光板
と、この導光板の前記端面に対向させて配置された直管
状の蛍光ランプからなっている。
【0038】この液晶表示装置は、上記のような構成で
あるため、バックライト13を点灯させて透過表示を行
なうときは、前記バックライト13からの照明光が後側
偏光板11を透過して直線偏光となり、その光が半透過
反射膜12を透過して液晶素子1に入射し、この液晶素
子1の液晶層9を透過した光が前側偏光板10に入射し
て、その光のうち、前記前側偏光板10を透過する偏光
成分の光がこの前側偏光板10を透過して画像光とな
り、その画像光がそのまま前面に出射する。
【0039】この透過表示は、ノーマリーブラックモー
ドの表示であり、前記液晶素子1の電極4,5間にオフ
電圧を印加したとき、つまり液晶分子が初期のツイスト
配向状態に配向したときの光の出射率(バックライト1
3からの照明光の強度に対する前面への出射光の強度の
比)が最も低く、前記電極4,5間へのオン電圧の印加
により液晶分子が基板2,3面に対して立上がり配向す
るのにともなって前記出射率が高くなる。
【0040】また、外光を利用する反射表示のときは、
前面側から入射する外光が、前側偏光板10を透過して
直線偏光となって液晶素子1に入射し、この液晶素子1
の液晶層9を透過した光が前記半透過反射膜12により
反射され、後側偏光板11を通ることなく前記液晶層9
を再び透過して前記液晶素子1の前面に出射し、その光
のうち、前記前側偏光板10を透過する偏光成分の光が
この前側偏光板10を透過して画像光となり、その画像
光がそのまま前面に出射する。
【0041】この反射表示は、ノーマリーホワイトモー
ドの表示であり、前記液晶素子1の電極4,5間にオフ
電圧を印加したとき、つまり液晶分子が初期のツイスト
配向状態に配向したときの光の出射率(バックライト1
3からの照明光の強度に対する前面への出射光の強度の
比)が最も高く、前記電極4,5間へのオン電圧の印加
により液晶分子が基板2,3面に対して立上がり配向す
るのにともなって前記出射率が低くなる。
【0042】このように、上記液晶表示装置は、外光を
利用する反射表示のときに、前面側から入射した光が、
前側偏光板10と液晶素子1の液晶層9を透過して半透
過反射膜12により反射され、後側偏光板11を通るこ
となく前記液晶層9と前記前側偏光板10とを透過して
前面に出射するため、反射表示のときの偏光板による光
の吸収が、前記前側偏光板10による直線偏光を得るた
めの吸収と画像光を得るための吸収だけである。
【0043】したがって、この液晶表示装置によれば、
外光を利用する反射表示のときも、偏光板による余計な
吸収を受けない十分な強度の光を前面に出射し、明るい
画面を得ることができる。
【0044】この液晶表示装置においては、上述したよ
うに、前記液晶素子1の液晶分子のツイスト角を220
°〜260°の範囲、前記液晶素子1のΔndの値を6
00nm〜900nmの範囲とし、前記液晶素子1の前
面側に配置された前側偏光板10の吸収軸10aの向き
を、前記液晶素子1の後基板3の配向処理方向3aに対
し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に10°〜
80°(より好ましくは20°〜70°)またはその方
向に対してほぼ直交する方向、後側偏光板11の吸収軸
11aの向きを、前記後基板3の配向処理方向3aに対
し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に−15°
〜55°(より好ましくは−5°〜60°)の角度範囲
の方向とするのが好ましく、このようにすることによ
り、反射表示をより明るくするとともに良好なコントラ
ストを得ることができる。
【0045】この液晶表示装置の反射表示のときのオフ
電圧印加時(明表示時)と最も高いオン電圧の印加時
(最も暗い暗表示時)の出射率およびコントラストと、
透過表示のときのオフ電圧印加時(暗表示時)と最も高
いオン電圧の印加時(最も明るい明表示時)の出射率お
よびコントラストは、次の通りである。
【0046】なお、この出射率およびコントラストは、
液晶素子1としてカラーフィルタ6R,6G,6Bを備
えないものを用いた、次のような構成の試験装置におけ
る値である。
【0047】[試験装置の構成] 液晶素子1の液晶分子のツイスト角=240° 液晶素子1のΔnd=800nm 前側偏光板10の吸収軸10aの向き;液晶素子1の後
基板3の配向処理方向3aに対し、液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に45°の方向 後側偏光板11の吸収軸11aの向き;前記後基板3の
配向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向
とは逆方向に20°の方向 [反射表示] オフ電圧印加時の出射率=31.7% オン電圧印加時の出射率= 1.7% コントラスト;27 この反射表示におけるオフ電圧印加時およびオフ電圧印
加時の出射光の色度(CIE色度図上での色度)は、オ
フ電圧印加時で、 xコーディネイト=0.30 yコーディネイト=0.33 であり、したがって、オフ電圧印加時の明表示は、無彩
色点に近い白の表示である。
【0048】また、オン電圧印加時の色度は、 xコーディネイト=0.22 yコーディネイト=0.10 であり、オン電圧印加時の暗表示が色を帯びるが、この
ときの出射率が1.7%と低いため、暗表示の帯色はほ
とんど目立たない。
【0049】[透過表示] オフ電圧印加時の出射率= 1.6% オン電圧印加時の出射率=18.4% コントラスト;12 この透過表示におけるオフ電圧印加時およびオフ電圧印
加時の出射光の色度は、オフ電圧印加時で、 xコーディネイト=0.25 yコーディネイト=0.11 であり、オフ電圧印加時の暗表示が色を帯びるが、この
ときの出射率が1.6%と低いため、暗表示の帯色はほ
とんど目立たない。
【0050】また、オン電圧印加時の色度は、 xコーディネイト=0.38 yコーディネイト=0.39 であり、したがって、オン電圧印加時の明表示は、ほぼ
白の表示である。
【0051】なお、上述したように、前記液晶素子1の
液晶分子のツイスト角は220°〜260°の範囲、前
記液晶素子1のΔndの値は600nm〜900nmの
範囲、前記液晶素子1の前面側に配置された前側偏光板
10の吸収軸10aの向きは、前記液晶素子1の後基板
3の配向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に10°〜80°(より好ましくは20
°〜70°)の角度範囲の方向またはその方向に対して
ほぼ直交する方向、後側偏光板11の吸収軸11aの向
きは、前記後基板3の配向処理方向3aに対し、前記液
晶分子のツイスト方向とは逆方向に−15°〜55°
(より好ましくは−5°〜60°)の角度範囲の方向で
あればよく、この範囲であれば、上記試験装置とほとん
ど変わらない出射率およびコントラストが得られる。
【0052】また、この実施例の液晶表示装置は、液晶
素子1に、複数の画素にそれぞれ対応する赤、緑、青の
3色のカラーフィルタ6R,6G,6Bを備えさせたも
のであるため、各画素から前記カラーフィルタ6R,6
G,6Bの色に着色した赤、緑、青の着色光を出射さ
せ、フルカラー画像を表示することができる。
【0053】このように、上記液晶表示装置は、反射表
示における明表示のとき(オフ電圧印加時)の出射率が
高く、したがって、外光を利用する反射表示のときも明
るい画面を得ることができるとともに、良好なコントラ
ストを得ることができる。
【0054】ただし、この液晶表示装置は、透過表示に
おける明表示のとき(オン電圧印加時)の出射率が、前
記反射表示における明表示のときの出射率に比べて低い
が、この出射率の低さはバックライト13からの照明光
の強度を高くすることにより補うことができるため、透
過表示のときも、十分に明るい画面を得ることができ
る。
【0055】図3および図4はこの発明の第2の実施例
を示しており、図3は液晶表示装置の一部分の断面図で
ある。
【0056】この実施例の液晶表示装置は、図3のよう
に、液晶素子1とその前面側に配置された前側偏光板1
0との間に位相板14を配置したものであり、他の構成
は上述した第1の実施例の液晶表示装置と同じである。
【0057】図4は、前記液晶素子1の一対の基板2,
3の配向処理方向と、前側偏光板10および後側偏光板
11の吸収軸の向きと、前記位相板14の吸収軸の向き
とを示している。
【0058】図4のように、この実施例では、前記液晶
素子1の前基板2および後基板3のの配向処理方向2
a,3aを上記第1の実施例と同じにし、液晶層9の液
晶分子を、そのツイスト方向を図に破線矢印で示したよ
うに、前記後基板3の配向処理方向3aを基準として、
前面側から見て右回りに220°〜40°の範囲のツイ
スト角でツイスト配向させるとともに、前記液晶素子1
のΔndの値を600〜900nmの範囲に設定してい
る。
【0059】また、この実施例では、前記前側偏光板1
0および後側偏光板11の吸収軸10a,11aの向き
を上記第1の実施例と同じにし、前記前側偏光板10の
吸収軸10aの向きを、前記液晶素子1の後基板3の配
向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向と
は逆方向に10°〜80°(より好ましくは20°〜7
0°)の角度範囲の方向またはその方向に対してほぼ直
交する方向、前記後側偏光板11の吸収軸11aの向き
を、前記後基板3の配向処理方向3aに対し、前記液晶
分子のツイスト方向とは逆方向に−15°〜55°(よ
り好ましくは−5°〜60°)の角度範囲の方向にして
いる。
【0060】そして、この実施例では、前記位相板14
の遅相軸14aの向きを、液晶表示装置の画面の横軸x
に対し前面側から見て左回りに135°〜195°また
は45°〜105°の角度範囲の方向に、つまり、前記
液晶素子1の後基板3の配向処理方向3aに対し、前記
液晶分子のツイスト方向とは逆方向に95°〜175°
(より好ましくは105°〜165°)の角度範囲の方
向またはその方向に対してほぼ直交する方向にあるとと
もに、前記位相板14として、300nm〜700nm
の範囲のリタデーションを有するものを用いている。
【0061】この実施例の液晶表示装置によれば、前記
液晶素子1とその前面側に配置された前側偏光板10と
の間に位相板14を配置しているため、表示の帯色を補
償することができる。
【0062】すなわち、STN方式の液晶表示装置は、
前後一対の偏光板の吸収軸がそれぞれ液晶素子の一対の
基板の配向処理方向に対して斜めに交差しているため、
いずれか一方の偏光板を透過して直線偏光となって液晶
素子に入射し、その液晶層を透過した各波長光に位相差
が生じ、各波長毎に偏光状態の異なる楕円偏光となった
光となって他方の偏光板に入射するため、この偏光板を
透過した光が色を帯びるが、この実施例では、液晶素子
1と前側偏光板10との間に位相板14を配置している
ため、反射表示のときも透過表示のときも、前記液晶素
子1の液晶層9を透過した各波長光の位相差を前記位相
板14の複屈折作用により小さくし、出射光の帯色を補
償することができる。
【0063】そして、この実施例においては、上述した
ように、前記液晶素子1の液晶分子のツイスト角を22
0°〜260°の範囲、前記液晶素子1のΔndの値を
600nm〜900nmの範囲とし、前側偏光板10の
吸収軸10aの向きを、前記液晶素子1の後基板3の配
向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向と
は逆方向に10°〜80°(より好ましくは20°〜7
0°)の角度範囲の方向またはその方向に対してほぼ直
交する方向、前記後側偏光板11の吸収軸11aの向き
を、前記後基板3の配向処理方向3aに対し、前記液晶
分子のツイスト方向とは逆方向に−15°〜55°(よ
り好ましくは−5°〜60°)の角度範囲の方向にする
とともに、前記位相板14の遅相軸14aの向きを、前
記液晶素子の後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分
子のツイスト方向とは逆方向に95°〜175°(より
好ましくは105°〜165°)の角度範囲の方向また
はその方向に対してほぼ直交する方向とし、前記位相板
14のリタデーションを300nm〜700nmの範囲
に設定しているため、前記表示の帯色をより効果的に補
償するとともに、反射表示のときのコントラストをさら
に高くすることができる。
【0064】この液晶表示装置の反射表示のときのオフ
電圧印加時(明表示時)と最も高いオン電圧の印加時
(最も暗い暗表示時)の出射率およびコントラストと、
透過表示のときのオフ電圧印加時(暗表示時)と最も高
いオン電圧の印加時(最も明るい明表示時)の出射率お
よびコントラストは、次の通りである。
【0065】なお、この出射率およびコントラストは、
液晶素子1としてカラーフィルタ6R,6G,6Bを備
えないものを用いた、次のような構成の試験装置におけ
る値である。
【0066】[試験装置の構成] 液晶素子1の液晶分子のツイスト角=240° 液晶素子1のΔnd=800nm 前側偏光板10の吸収軸10aの向き;液晶素子1の後
基板3の配向処理方向3aに対し、液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に45°の方向 後側偏光板11の吸収軸11aの向き;前記後基板3の
配向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向
とは逆方向に20°の方向 位相板14の遅相軸14aの向き;前記後基板3の配向
処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト方向とは
逆方向に140°の方向 位相板14のリタデーション=600nm すなわち、この試験装置は、上述した第1の実施例の試
験装置と同じ構成のものに、前記位相板14を付加した
ものである。
【0067】[反射表示] オフ電圧印加時の出射率=31.0% オン電圧印加時の出射率= 0.9% コントラスト;34 この反射表示におけるオフ電圧印加時およびオフ電圧印
加時の出射光の色度(CIE色度図上での色度)は、オ
フ電圧印加時で、 xコーディネイト=0.30 yコーディネイト=0.33 であり、したがって、オフ電圧印加時の明表示は、上述
した第1の実施例の試験装置と同じ、無彩色点に近い白
の表示である。
【0068】また、オン電圧印加時の色度は、 xコーディネイト=0.23 yコーディネイト=0.15 であり、上述した第1の実施例の試験装置に比べて、出
射光の帯色が改善されるとともに、出射率が0.9%と
低い(第1の実施例の試験装置では出射率=1.7%)
ため、暗表示の帯色がさらに目立たない。
【0069】そして、この試験装置の反射表示のときの
コントラストは34であり、前記第1の実施例の試験装
置(コントラスト=27)に比べて十分に高いコントラ
ストが得られる。
【0070】[透過表示] オフ電圧印加時の出射率; 1.4% オン電圧印加時の出射率;18.1% コントラスト;13 この透過表示におけるオフ電圧印加時およびオフ電圧印
加時の出射光の色度は、オフ電圧印加時で、 xコーディネイト=0.29 yコーディネイト=0.14 であり、前記第1の実施例の試験装置に比べて、出射光
の帯色が改善されるとともに、出射率が1.4%と低い
(第1の実施例の試験装置では出射率=1.6%)た
め、暗表示の帯色がさらに目立たない。
【0071】そして、この試験装置の透過表示のときの
コントラストは13であり、前記第1の実施例の試験装
置(コントラスト=12)と同等以上のコントラストが
得られる。
【0072】また、オン電圧印加時の色度は、 xコーディネイト=0.37 yコーディネイト=0.36 であり、したがって、前記第1の実施例の試験装置に比
べて、さらに白に近い明表示が得られる。
【0073】なお、上述したように、前記液晶素子1の
液晶分子のツイスト角は220°〜260°の範囲、前
記液晶素子1のΔndの値は600nm〜900nmの
範囲、前記液晶素子1の前面側に配置された前側偏光板
10の吸収軸10aの向きは、前記液晶素子1の後基板
3の配向処理方向3aに対し、前記液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に10°〜80°(より好ましくは20
°〜70°)の角度範囲の方向またはその方向に対して
ほぼ直交する方向、後側偏光板11の吸収軸11aの向
きは、前記後基板3の配向処理方向3aに対し、前記液
晶分子のツイスト方向とは逆方向に−15°〜55°
(より好ましくは−5°〜60°)の角度範囲の方向、
前記位相板14の遅相軸14aの向きは、前記液晶素子
の後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分子のツイス
ト方向とは逆方向に95°〜175°(より好ましくは
105°〜165°)の角度範囲の方向またはその方向
に対してほぼ直交する方向、前記位相板14のリタデー
ションは300nm〜700nmの範囲であればよく、
この範囲であれば、上記試験装置とほとんど変わらない
出射率およびコントラストが得られる。
【0074】また、この実施例の液晶表示装置は、液晶
素子1に、複数の画素にそれぞれ対応する赤、緑、青の
3色のカラーフィルタ6R,6G,6Bを備えさせたも
のであるため、各画素から前記カラーフィルタ6R,6
G,6Bの色に着色した赤、緑、青の着色光を出射さ
せ、フルカラー画像を表示することができる。
【0075】なお、上述した第1および第2の実施例で
は、半透過反射膜12を液晶素子1の後基板3の外面に
形成しているが、前記半透過反射膜12は、前記液晶素
子1の後面側に配置された後側偏光板11の前面に形成
してもよく、また、単体の半透過反射膜を用いて、それ
を前記液晶素子1と後側偏光板11との間に挟持しても
よい。
【0076】さらに、半透過反射膜は、前記液晶素子1
の後基板3の内面の配向処理面(配向膜8)と前記後側
偏光板11との間であれば、前記液晶素子1の後基板3
の内面に設けてもよい。
【0077】図5および図6はそれぞれこの発明の第3
および第4の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面
図であり、これらの実施例は、液晶素子1の後基板3の
内面に半透過反射膜を設けたものである。
【0078】すなわち、図5に示した第3の実施例は、
液晶素子1の後基板3の内面に、アルミニウム等の高反
射率金属からなる粗い膜質の半透過反射膜12aを形成
し、この半透過反射膜12aを透明な絶縁膜15で覆っ
て、この絶縁膜15の上に電極5を設けるとともに、そ
の上に配向膜8を形成したものであり、他の構成は上述
した第2の実施例と同じである。
【0079】また、図6に示した第4の実施例は、液晶
素子1の後基板3の内面に設けられた複数の電極5の上
にそれぞれ、アルミニウム等の高反射率金属からなる粗
い膜質の半透過反射膜12bを形成し、その上に配向膜
8を形成したものであり、他の構成は上述した第2の実
施例と同じである。
【0080】この第3および第4の実施例の液晶表示装
置は、液晶素子1の後基板3の内面に半透過反射膜12
a,12bを設けたものであるため、液晶素子1と後側
偏光板11との間に半透過反射膜12を設けた第1およ
び第2の実施例の液晶表示装置に比べて、反射表示のと
きの視差(半透過反射膜上の反射像と、前面に出射する
光像とのずれ)を少なくするとともに、反射表示をより
明るくすることができる。
【0081】すなわち、液晶素子1と後側偏光板11と
の間に半透過反射膜12を設けた第1および第2の実施
例の液晶表示装置では、反射表示のときに、前面側から
入射し、前側偏光板10と液晶素子1の液晶層9とを透
過した光が、前記液晶素子1の後基板3を透過して半透
過反射膜12により反射され、その反射光が前記後基板
3を再び透過し、さらに前記液晶層9と前側偏光板10
とを透過して前面に出射するため、前記後基板3の内面
(電極5との界面)および外面(半透過反射膜12また
は空気層との界面)での光の屈折による迷光が生じ、そ
の分、前面に出射する光の強度が低下する。
【0082】これに対して、液晶素子1の後基板3の内
面に半透過反射膜12a,12bを設けた第3および第
4の実施例の液晶表示装置は、前面側から入射し、前側
偏光板10と液晶素子1の液晶層9とを透過した光が、
前記液晶素子1の後基板3の内面において半透過反射膜
12a,12bにより反射され、その反射光が前記後基
板3を通らずに前記液晶層9と前側偏光板10とを透過
して前面に出射するため、前面に出射する光の強度を高
く保ち、反射表示をより明るくすることができる。
【0083】さらに、上記第3および第4の実施例とを
比較すると、図5のように液晶素子1の後基板3の内面
に半透過反射膜12aを形成し、この半透過反射膜12
aを覆う絶縁膜15の上に電極5を設けた第3の実施例
では、前記半透過反射膜12aへの入射光および反射光
が前記電極5を透過するが、ITO等の透明導電膜から
なる前記電極5による光吸収および絶縁膜15との界面
による光の散乱、反射が発生し、その分、前面に出射す
る光の強度が低下する。
【0084】一方、図6のように液晶素子1の後基板3
の内面に設けられた複数の電極5の上にそれぞれ半透過
反射膜12bを形成した第4の実施例では、前記半透過
反射膜12bへの入射光および反射光が前記電極5を通
ることがなく、また光学的な界面が少なくなるため、前
面に出射する光の強度が高く、したがって、反射表示の
明るさを前記第3の実施例よりも明るくすることができ
る。
【0085】なお、上記第1〜第4の実施例では、液晶
素子1にカラーフィルタ6R,6G,6Bを備えさせて
いるが、この発明は、カラーフィルタを備えない液晶素
子を用いて白黒画像を表示するSTN方式の反射/透過
型液晶表示装置にも適用することができる。
【0086】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、液晶分子が
180°〜270°の範囲のツイスト角でツイスト配向
した液晶素子を挟んで前後一対の偏光板を配置し、前記
液晶素子の後基板の内面の配向処理面と後側偏光板との
間に半透過反射膜を設け、前記後側偏光板の背後にバッ
クライトを配置したものであるため、STN方式の反射
/透過型液晶表示装置であるが、外光を利用する反射表
示のときも、偏光板による余計な吸収を受けない十分な
強度の光を前面に出射し、明るい画面を得ることができ
る。
【0087】この発明の液晶表示装置においては、前記
液晶素子の液晶分子のツイスト角を220°〜260°
の範囲、前記液晶素子の液晶の屈折率異方性Δnと液晶
層厚dとの積Δndの値を600nm〜900nmの範
囲とし、前記液晶素子の前面側に配置された前側偏光板
の吸収軸の向きを、前記液晶素子の後基板の配向処理方
向に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に1
0°〜80°の角度範囲の方向またはその方向に対して
ほぼ直交する方向、後側偏光板の吸収軸の向きを、前記
後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分子のツイスト
方向とは逆方向に−15°〜55°の角度範囲の方向と
するのが好ましく、このようにすることにより、反射表
示をより明るくするとともに良好なコントラストを得る
ことができる。
【0088】また、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶素子とその前面側に配置された前側偏光板
との間に位相板を配置するのが好ましく、このような構
成とすることにより、表示の帯色を補償することができ
る。
【0089】このように前記液晶素子と前側偏光板との
間に位相板を配置する場合は、上述したように、前記液
晶素子の液晶分子のツイスト角を220°〜260°の
範囲、前記液晶素子のΔndの値を600nm〜900
nmの範囲とし、前側偏光板の吸収軸の向きを、前記液
晶素子の後基板の配向処理方向に対し、前記液晶分子の
ツイスト方向とは逆方向に10°〜80°の角度範囲の
方向またはその方向に対してほぼ直交する方向、後側偏
光板の吸収軸の向きを、前記後基板の配向処理方向に対
し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に−15°
〜55°の角度範囲の方向にするとともに、前記位相板
の遅相軸の向きを、前記液晶素子の後基板の配向処理方
向に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に9
5°〜175°の角度範囲の方向またはその方向に対し
てほぼ直交する方向とし、前記位相板のリタデーション
を300nm〜700nmの範囲に設定するのが好まし
く、このようにすることにより、表示の帯色をより効果
的に補償するとともに、反射表示のときのコントラスト
をさらに高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図2】第1の実施例における液晶素子の一対の基板の
配向処理方向と前側偏光板および後側偏光板の吸収軸の
向きを示す図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図4】第2の実施例における液晶素子の一対の基板の
配向処理方向と前側偏光板およ配向処理方向と位相板の
吸収軸の向きを示す図。
【図5】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図6】この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【符号の説明】
1…液晶素子 2,3…基板 4,5…電極 6R,6G,6B…カラーフィルタ 7,8…配向膜 9…液晶層 10,11…偏光板 12…半透過反射膜 13…バックライト 14…位相板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する内面それぞれに電極が形成される
    とともにその上に配向処理が施された前後一対の基板間
    に、液晶分子が180°〜270°の範囲のツイスト角
    でツイスト配向した液晶層が設けられた液晶素子を備
    え、前面側から入射する外光を利用する反射表示と、後
    面側から入射する照明光を利用する透過表示との両方の
    表示を行なう液晶表示装置において、 前記液晶素子を挟んで前後一対の偏光板が配置されると
    ともに、前記液晶素子の後基板の内面の配向処理面と前
    記液晶素子の後面側に配置された後側偏光板との間に半
    透過反射膜が設けられ、前記後側偏光板の背後に、前記
    液晶素子に向けて照明光を出射するバックライトが配置
    されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶素子の液晶分子のツイスト角が220
    °〜260°の範囲、前記液晶素子の液晶の屈折率異方
    性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が600nm〜9
    00nmの範囲であり、前記液晶素子の前面側に配置さ
    れた前側偏光板の吸収軸の向きが、前記液晶素子の後基
    板の配向処理方向に対し、前記液晶分子のツイスト方向
    とは逆方向に10°〜80°の角度範囲の方向またはそ
    の方向に対してほぼ直交する方向、後側偏光板の吸収軸
    の向きが、前記後基板の配向処理方向に対し、前記液晶
    分子のツイスト方向とは逆方向に−15°〜55°の角
    度範囲の方向にあることを特徴とする請求項1に記載の
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】液晶素子とその前面側に配置された前側偏
    光板との間に、位相板が配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶素子の液晶分子のツイスト角が220
    °〜260°の範囲、前記液晶素子の液晶の屈折率異方
    性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が600nm〜9
    00nmの範囲であり、前側偏光板の吸収軸の向きが、
    前記液晶素子の後基板の配向処理方向に対し、前記液晶
    分子のツイスト方向とは逆方向に10°〜80°の角度
    範囲の方向またはその方向に対してほぼ直交する方向、
    後側偏光板の吸収軸の向きが、前記後基板の配向処理方
    向に対し、前記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に−
    15°〜55°の角度範囲の方向、位相板の遅相軸の向
    きが、前記液晶素子の後基板の配向処理方向に対し、前
    記液晶分子のツイスト方向とは逆方向に95°〜175
    °の角度範囲の方向またはその方向に対してほぼ直交す
    る方向にあるとともに、前記位相板が、300nm〜7
    00nmの範囲のリタデーションを有していることを特
    徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510943A (ja) * 2002-12-19 2006-03-30 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ノーマリホワイト方式スーパーツイストネマチック液晶表示装置
KR100813472B1 (ko) * 2002-02-15 2008-03-13 삼성전자주식회사 반사-투과형 액정 표시 장치
KR100917015B1 (ko) * 2002-07-08 2009-09-10 삼성전자주식회사 반투과형 액정표시장치

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