JP2004256140A - パウチ用ノズル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】袋状容器2の端部に取り付けると共に内容物を注出する口部3に、栓部4を分離可能な脆弱部5を介して接続し、脆弱部5を破断して口部3から栓部4を分離する引張片6を、栓部4に、袋状容器2の長径側に位置する口部3に沿わせて設けることで、引張片6が嵩張らず不用意に外力がかかることも無く、引張片6により応力が集中して脆弱部5の破断もスムーズにでき、栓部4の外径が口部3の内径とほぼ同径にし、且つ栓部4の外周に封止用凸部20を1以上設けて、口部3に分離後の栓部4を嵌合してリシール可能として、上記課題を達成できる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤、シャンプー、食用油、液状あるいはゼリー状飲料、調味料、経口あるいは経腸栄養剤、輸液などを収容する袋状容器の端部に取り付ける、通常スパウトと呼ばれるパウチ用ノズルに関するものであり、より詳しくは、内容物注出具の口部に、分離可能な脆弱部を介して栓部を接続し、口部から栓部を分離するための引張片を袋状容器の長径側に位置する前記口部に沿わせるように設けたパウチ用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
スパウトと呼ばれる袋状容器の内容物注出具(以下、パウチ用ノズルということがある)を取り付けてなる袋状容器は、洗剤、シャンプー、食用油などの詰替容器として、あるいは液状、ゼリー状飲料及び調味料の容器として、さらには経口及び経腸栄養剤、輸液などの医療用容器として多用されている。詰替容器用としての内容物注出用の構成は、容器を構成するフィルム自体で細口のノズルを形成し、シールして、使用時にその細口ノズルを切断し、内容物を正式容器に補充するものである。このフィルム自体の細口ノズルでは使い勝手が悪いため、ノズル部分を型押しして若干膨らませたり、ノズル部分のフィルムを厚手にしたり、やや硬質のフィルムにしたりして、使い勝手を改善したものも見受けられるが、これでは内容物注出に際して使い勝手が悪く不十分である。
【0003】
また、このフィルム自体の細口ノズルはリシールできないため、内容物が使い切れずに余った場合に他の容器に詰め替える必要があり、その対応が煩わしいという問題がある。
また、詰替容器としてのパウチ用ノズルに、射出成形による硬質ノズルに別ピースのキャップを螺着するものもあるが、詰替用のものとしては高価となりすぎるきらいがある。
【0004】
また、飲料及び調味料の容器あるいは医療用容器として、ノズルの一部に分離可能な脆弱部を形成し、引張片により脆弱部を破断して開封するものがある。これは引張片により不用意に脆弱部を破断しないように、防護カバーによりノズル及び引張片を覆っている。特に、このタイプのものは、従来、ノズルの開口部が5mm以下のものが多く存在し、この場合引張片により脆弱部を破断することは比較的容易であったが、10mm以上のものも作られるようになり、この場合には引張片を大きくしないと、脆弱部を破断することができなくなり、引張片を覆う防護カバーも大きくする必要がある。
【0005】
【特許文献1】特許第2930581号公報 また、ノズルの脆弱部を引張片により破断して開封した後、再び蓋をしてシールできるものとして、特許文献1が知られている。
この特許文献1に開示された技術は、図10に示したように、収容物を取り出す口部aと、この口部aの内径に対して薄肉部bに接続し、口部aに嵌合可能であり口部aの内周に密着するシール用の凸部c、cを形成した有底筒状の栓体部dと、この栓体部dに取り付けた引掛部eとを有し、栓体部dに薄肉となった口部aとの接続部の上方に、周方向に亘り切欠部fを形成し且つその内部にリブを配し、引掛部eによる力を薄肉とした口部aの一部に集中させ、口部aから栓体部dを容易且つ確実に分離でき、分離後の栓体部dを口部aに嵌合し直接再封止でき、液漏れ、液だれを確実に防止しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のパウチ用ノズルは、引掛部eによる力を集中させて口部aから栓体部dを容易に分離でき、分離後の栓体部dを口部aに嵌合して、液漏れ、液だれを防止することはできる。しかしながら、このパウチ用ノズルは、力を集中させて分離し易くしているものの、その構造が複雑であり、しかも依然として引掛部eが大きくなりがちであり、不用意に薄肉部bを破断して口部aを分離してしまう虞も払拭することができないことから、その対策として防護カバーを被せる必要がある。したがって、構造が複雑な点及び防護カバーが必要となる点においてコストの上昇要因となるし、パウチ用ノズルの部分が大きく、防護カバーを被せばより大きくなって、内容物を収容した状態での袋状容器の輸送時や保管時に、余分にスペースを占めることになる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、内容物の取り出しが容易で、栓部を分離するための引張片を限りなく小型化でき、防護カバーがなくても栓部を不用意に分離することもなく、しかも開封後の口部をリシールできる安価なパウチ用ノズルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、袋状容器の端部に取り付けた内容物注出具の口部に、分離可能な脆弱部を介して栓部を接続し、該栓部に前記脆弱部破断用の引張片を、前記袋状容器の長径側に位置する前記口部に沿わせて設けたことを特徴とするパウチ用ノズルが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記口部に前記引張片を易分離可能な連結部によりつないで、前記引張片の振れを防止するパウチ用ノズルが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記引張片の先端部に膨出部を設けて、前記連結部を分離する際のすべり止めとしたパウチ用ノズルが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、前記栓部はその外径が前記口部の内径とほぼ同径であり、且つ前記栓部の外周に1以上の封止用凸部を設けて、前記口部に分離後の前記栓部を嵌合してリシール可能としたパウチ用ノズルが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、前記引張片の基端側に折り目を付け、前記口部に分離後の前記栓部を嵌合した後、前記折り目により前記引張片を前記口部側に垂れるようにしたパウチ用ノズルが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態を示すパウチ用ノズルを取り付けた袋状容器の正面図、図2はその側面図、図3はパウチ用ノズルの平面図、図4はその半裁断面図、図5はその底面図、図6は図4のVI−VI 線に沿う断面図、図7は図4の側面図である。
上記図において、パウチ用ノズル1は、袋状容器(パウチ)2の端部にヒートシール(溶着)によって取り付けられ、袋状容器2は、ヒートシール可能なプラスチックシート、通常ポリオレフィン系の2枚の胴体を構成するシートを重ね合わせ、図1の斜線部分を溶着して作られる。パウチがスタンディングパウチである時は、2枚の胴体を構成するシート間に底材を構成するシートを介在させて、側断面が略三角垂形状になるようにして立脚可能なスタンディングパウチとしてもよい。
【0014】
胴体を構成するプラスチックシートは、少なくとも内層がヒートシール可能なプラスチックフィルムで構成されているものであれば、シート単体でも良いが、通常、ガスバリア層などのプラスチックフィルム層あるいは印刷層や着色層としてのプラスチックシートを積層したものが用いられる。
本発明のパウチ用ノズル1は、袋状容器2の端部に溶着により取り付けると共に袋状容器2の内容物を注出する口部3に、栓部4を分離可能な脆弱部5を介して接続し、この脆弱部5を破断して口部3から栓部4を分離する引張片6を、上記した栓部4に、袋状容器2の長径7側に位置する口部3に沿わせて設けたものである。
【0015】
前記口部3は、円筒状ノズル10の下端に袋状容器2の開口した端部に溶着するためのほぼ菱形をなした中空台座部11を設けてなり、円筒状ノズル10の外周に整列搬送用鍔部12を設け、この整列搬送用鍔部12と中空台座部11との間にガイドレールを通すことで、パウチ用ノズル1の整列搬送に寄与している。中空台座部11はその上面部が若干外方に張り出し周縁部13を形成し、この周縁部13は袋状容器2の端部にパウチ用ノズル1を挿入して溶着する際の上下方向の位置決めとして作用する。中空台座部11の側壁に溶着用リブ14を形成し、この溶着用リブ14は袋状容器2の端部との溶着を容易且つ確実にする。
【0016】
口部3の円筒状ノズル10の上端には、上述のとおり、分離可能な脆弱部5を介して栓部4が接続され、この栓部4は有底短円筒体15に鍔部16を設けて構成される。この鍔部16の一部から延出して引張片6を形成し、この引張片6は上記した袋状容器2の長径7側に位置する口部3に沿わせて設け、その先端部に膨出部17を設けて、前記脆弱部5を破断する際のすべり止めとしている。この引張片6の幅寸法は、口部3及び栓部4の最大径よりも小さく設定し、更に、この引張片6は、その先端部側が易分離可能な連結部18により口部3に接続されており、引張片6の振れを防止している。
【0017】
したがって、この引張片6は、栓部4及び口部3よりも幅が小さく、これらに沿って設けてあり、更に引張片6の先端部側が易分離可能な連結部18により口部3に接続されているから、引張片6により不用意に脆弱部5を破断することはなく、この引張片6により、口部3の円筒状ノズル10の上端から栓部4を分離するには、まず、手指にて引張片6の膨出部17をつかみ、易分離可能な連結部18を破断し、更に引張片6を上方に引き上げれば、脆弱部5の引張片6に一番近い部位に力が集中し、そこから徐々に脆弱部5を破断して行き、それほど力を入れなくなくても、口部3から栓部4を分離することができる。このため、図10に示す従来例のように、袋状容器2の端部に大きな引掛部eを設けたり、破断し易くするための複雑な構造を必要としないで、不用意に脆弱部5を破断することのない引張片6により、脆弱部5を容易に破断でき、スペースを占領することもない。
【0018】
そして、この栓部4はその外径(R1)が口部3の内径(R2)とほぼ同径であり(図7、8参照)、且つ栓部4の外周に1以上の環状の封止用凸部20を設けて、口部3に分離後の栓部4を逆さまにして嵌合してリシールを可能とするものであり、上記した環状の封止用凸部20によりシール性を向上させている。なお、口部3に分離後の栓部4を逆さまにして嵌合すると、引張片6が栓部4から大きく張り出すことになり邪魔であることから、引張片6の基端側に近い部位に折り目21を付け、この折り目21により引張片6を図8中矢線の方向に折り曲げて、口部3側に垂れるようにすることができる。
【0019】
このような形状のパウチ用ノズル1は、金型上におけるキャビティー側を、図7に示す状態でその中心線Lを境とした割型構造となるが、これを利用すれば、脆弱部5、袋状容器2の長径7側に位置する口部3に沿わせた引張片6、すべり止めの膨出部17及び連結部18などは容易に一体に形成することができて、安価となる。
【0020】
次に、上記構成になるパウチ用ノズル1の利用方法について説明する。
まず、胴体を構成する2枚のプラスチックシートを重ね合わせ溶着して作られた袋状容器2の開口端部にパウチ用ノズル1を溶着するが、これはパウチ用ノズル1の整列搬送用鍔部12と中空台座部11上との間にガイドレールを通し、整列搬送したパウチ用ノズル1を袋状容器2の開口端部に挿入し、周縁部13により上下方向の位置決めをして、溶着機により溶着用リブ14を活用して袋状容器2の端部にパウチ用ノズル1を容易且つ確実に溶着する。次に、袋状容器2の開けてある底部から内容物を充填しその底部をシールして、必要に応じて包装して最終製品とする。この際、先にパウチ用ノズル1を挿入する開口端部から内容物を充填し、そのあと開口端部にパウチ用ノズル1を溶着してもよい。この場合、当然に袋状容器2の底部は閉じられている。
【0021】
容器の開蓋に際しては、パウチ用ノズル1部分を裸出し、引張片6の膨出部17を手指にてつかみ、まず易分離可能な連結部18を破断し、更に引張片6を上方に引き上げて、脆弱部5の引張片6に一番近い部位に応力を集中させ、そこから徐々に脆弱部5を破断して行き、口部3から栓部4を分離する。
栓部4を分離後、口部3から袋状容器2の内容物を他の容器などに移す。容器内容物が一度には使い切れず、一時的にあるいは短期間ではあるが袋状容器2に内容物を留めおきたい場合が生じた時、栓部4を逆さにして口部3に嵌合すれば、環状の封止用凸部20によりシール性を上げ、袋状容器2に内容物を容易に留めおくことができる。そして、口部3から引張片6が図8に示すように大きく張り出すことになるから、折り目21により曲げて引張片6を口部3側に垂らすようにすることができる。再び、袋状容器2の内容物が必要となれば、口部3から栓部4を嵌脱して内容物を取り出せばよい。
【0022】
図9は本発明の実施の形態を示すパウチ用ノズル1を他の形状、すなわち傾斜した端部を有する袋状容器2aに装着した構成を示すものであり、このパウチ用ノズル1は袋状容器2に適用したものと同じであるから、その説明は省略する。
なお、図1から図9に示すパウチ用ノズル1は、その口部3の簡易的なリシールを示したが、そのシール性を高めるには口部3の開口端部の内周に内ネジを刻設し、栓部4の外周に上記の内ネジに沿う外ネジを刻設して、螺着すれば実現でき、また、リシールの必要性が無ければ、栓部4の有底短円筒体15の代わりに板状にして、その板に引張片を延出して口部3に沿わせるようにしてもよい。
【0023】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更は適宜なし得るものと理解されるべきである。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、前記栓部に引張片を袋状容器の長径側に位置する口部に沿わせて設けたことにより、引張片が嵩張らず不用意に外力がかかることも無く、引張片により応力が集中して脆弱部の破断もスムーズにできる。したがって、内容物の取り出しが容易で、引張片を限りなく小型化でき、防護カバーが無くても栓部を不用意に分離することもなく、しかも安価にすることができる効果がある。
さらに、口部に引張片を連結部により接続した場合には引張片の振れが無く、脆弱部あるいは連結部を破断する際、膨出部により滑らないという効果を享受できる。また、口部から栓部を分離したあと、必要に応じて口部に栓部を嵌合してリシールすることができるし、口部に分離後の栓部を嵌合した後、引張片を折り目により口部側に折り曲げることによって、リシール後の栓部をコンパクトに折りたため、袋状容器の扱いが良好となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態を示すパウチ用ノズルを取り付けた袋状容器の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明のパウチ用ノズルの平面図である。
【図4】図3の半裁断面図である。
【図5】同上の底面図である。
【図6】図4のVI−VI 線に沿う断面図である。
【図7】同上の側面図である。
【図8】本発明のパウチ用ノズルの使用状態の一例を示す断面図である。
【図9】本発明のパウチ用ノズルを取り付けた他の形状の袋状容器の正面図である。
【図10】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 パウチ用ノズル
2,2a 袋状容器(パウチ)
3,a 口部
4 栓部
5 脆弱部
6 引張片
7 袋状容器の長径
10 円筒状ノズル
11 中空台座部
12 整列搬送用鍔部
13 周縁部
14 溶着用リブ
15 有底短円筒体
16 鍔部
17 膨出部
18 連結部
20 封止用凸部
21 折り目
b 薄肉部
c シール用の凸部
d 栓体部
e 引掛部
f 切欠部
Claims (5)
- 袋状容器の端部に取り付けた内容物注出具の口部に、分離可能な脆弱部を介して栓部を接続し、該栓部に前記脆弱部破断用の引張片を、前記袋状容器の長径側に位置する前記口部に沿わせて設けたことを特徴とするパウチ用ノズル。
- 前記口部に前記引張片を易分離可能な連結部によりつないで、前記引張片の振れを防止する請求項1記載のパウチ用ノズル。
- 前記引張片の先端部に膨出部を設けて、前記脆弱部あるいは前記連結部を破断する際のすべり止めとした請求項1または2記載のパウチ用ノズル。
- 前記栓部はその外径が前記口部の内径とほぼ同径であり、且つ前記栓部の外周に1以上の封止用凸部を設けて、前記口部に分離後の前記栓部を嵌合してリシール可能とした請求項1ないし3のいずれか1項記載のパウチ用ノズル。
- 前記引張片の基端側に折り目を付け、前記口部に分離後の前記栓部を嵌合した後、前記折り目により前記引張片を前記口部側に垂れるようにした請求項1ないし4のいずれか1項記載のパウチ用ノズル。
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