JP4867107B2 - ピルファプルーフキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装体の注出口に装着されるピルファプルーフ(pilfer-proof)キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲食品等の包装体の注出口には、注出口がすでに開封されたか否かを消費者等が容易に確認することができるようにするため、ピルファプルーフキャップが装着される場合がある。
【0003】
このピルファプルーフキャップの構造については、特開平11−189254号公報、特開平11−189255号公報、特開平11−189256号公報等によりすでに開示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
飲食品等の包装体には、消費者等がその注出口を口で咥えて中味を吸い出したり口中に流し込んだりすることができるようにしたものがあるが、そのような注出口は口で咥えやすくしたり、中味の流出を適量にしたり、包装体を搬送する際に嵩張らないようにしたりするため、比較的細く形成される。ところが、注出口が細く形成されると同時に注出口を覆うピルファプルーフキャップも比較的小径に形成されるため、嵩張らないようになる反面、開封操作が面倒になる。ことに指の力の弱い幼児にとっては開封が困難になる場合も生ずる。
【0005】
従って、本発明は、飲食品等の包装体を簡易に開封することができるピルファプルーフキャップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、包装体(1)の注出口(2)に形成された雄ネジ(8)に螺合する雌ネジ(12)を有したネジキャップ(14)と、ネジキャップ(14)を開栓操作する際にネジキャップ(14)から切り離されるピルファプルーフバンド(9)と、ピルファプルーフバンド(9)を露出させるようにネジキャップ(14)に係合手段を介し被せられるオーバーキャップ(15)とを具備し、上記係合手段が、ネジキャップ(14)とオーバーキャップ(15)とを周方向及び軸方向において夫々係合させる周方向係合手段(21,22)と軸方向係合手段(23)とを含んでおり、上記周方向係合手段が、ネジキャップ(14)の周壁の外周面に形成された雄ローレット溝(21)とオーバーキャップ(15)の周壁の内周面に形成された雌ローレット溝(22)とで構成され、上記軸方向係合手段が、オーバーキャップ(15)の下端からネジキャップ(14)とピルファプルーフバンド(9)との隙間に突出する突起(23)により構成されているピルファプルーフキャップ(3)を採用する。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、ネジキャップ(14)の周りにオーバーキャップ(15)が係合するので、実質的にネジキャップ(14)が大径化する。従って、ピルファプルーフキャップ(3)の開栓を簡易かつ迅速に行うことができる。また、オーバーキャップ(15)はピルファプルーフバンド(9)を露出させるようにネジキャップ(14)を覆うので、消費者等は包装体(1)の注出口(2)が開栓されたか否かを確認することができる。
【0008】
【0009】
また、請求項1に係る発明によれば、係合手段が周方向係合手段(21,22)と軸方向係合手段(23)とに分かたれるので、ネジキャップ(14)とオーバーキャップ(15)との係合力が周方向と軸方向において夫々増大し、従って開栓操作が容易になり、またネジキャップ(14)からオーバーキャップ(15)が脱落し難くなる。
【0010】
【0011】
また、請求項1に係る発明によれば、突起(23)がオーバーキャップ(15)の下端からネジキャップ(14)とピルファプルーフバンド(9)との隙間に突出するので、オーバーキャップ(15)はネジキャップ(14)に対し軸方向に拘束され、ネジキャップ(14)上に抜け出ないよう保持される。また、突起(23)はネジキャップ(14)とピルファプルーフバンド(9)との隙間を一定に保持するためのスペーサとしても機能する。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、突起(23)がオーバーキャップ(15)の周方向に間欠的に形成された請求項1に記載のピルファプルーフキャップ(3)を採用する。
【0013】
この請求項2に係る発明によれば、突起(23)がオーバーキャップ(15)の周方向に間欠的に存在するので、ネジキャップ(14)とピルファプルーフバンド(9)との隙間にスペーサ(17)等が介在してもいずれかの突起(23)がスペーサ(17)等との衝突を避けてネジキャップ(14)と係合する。従って、オーバーキャップ(15)はネジキャップ(14)に対し軸方向に確実に拘束され、ネジキャップ(14)上に抜け出ないよう保持される。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、オーバーキャップ(15)の周壁における上記突起(23)の真上に穴(24)が形成された請求項1又は請求項2に記載のピルファプルーフキャップ(3)を採用する。
【0015】
この請求項3に係る発明によれば、オーバーキャップ(15)の周壁における突起(23)の真上の穴(24)を成形型の抜き型に対応させることで突起(23)を鋭利な返しとして適正に形成することができる。従って、突起(23)とネジキャップ(14)の下端との係合力を高め、オーバーキャップ(15)をネジキャップ(14)により確実に保持することができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、包装体が袋体(1)である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のピルファプルーフキャップ(3)を採用する。
【0017】
この請求項4に係る発明によれば、包装体の本体が袋体(1)であり、袋体(1)のピルファプルーフが維持される。袋体(1)の注出口(2)を開封した後は袋体(1)を押える等することにより、中味を注出口(2)から注出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
<実施の形態1>
図1に示すように、包装体は、袋体1と、注出口2と、ピルファプルーフキャップ3とを具備する。
【0020】
袋体1は、包装シートを重ね合わせてその四方をシールすることでピロー型に形成される。包装シートとしては例えば特開2000−33958が開示するような公知の層構成を有した包装材料が用いられる。袋体1の形態としてはこの実施の形態ではピロー型が採用されるが、自立性袋型、ガゼット型等の他の形態としてもよい。袋体1内には、例えば液状、ゼリー状等の飲食物が充填される。
【0021】
注出口2は、図2乃至図6に例示されるように、フランジ4を境として袋体1の内側へ伸びる内側筒部2aと、袋体1の外側へ伸びる外側筒部2bとを有する。
【0022】
内側筒部2aはその側面から翼片5が突出し、翼片5と共に袋体1の包装シートにより挟まれ、ヒートシール等により包装シートに密着する。内側筒部2aの下端からは溝部材2cが袋体1の底の方へ突出する。溝部材2cは袋体1が扁平に密着するのを防止し、内容物を注出口2内へと円滑に導く。溝部材2cは内容物、袋の形状等により省略される場合もある。
【0023】
外側筒部2bの外面には、その中段から先端に向かって、鍔片6、雄ラチェット7、雄ネジ8が順に形成される。鍔片6は後述するピルファプルーフキャップ3から切り離されるピルファプルーフバンド9を受け止める作用を果たすものである。雄ラチェット7は、後述するピルファプルーフバンド9の内面に形成された雌ラチェット10と円周方向において係合するもので、外側筒部2bの外面の円周方向に所定間隔をおいて複数個設けられている。この雄ラチェット7は、後述するピルファプルーフバンド9の円周面に形成された突部11とも軸方向において係合するようになっている。雄ネジ8は、後述するピルファプルーフキャップの雌ネジ12と螺合するためのものである。これら雌雄ネジ12,8の螺合によりピルファプルーフキャップ3が注出口2の開口を封じる。
【0024】
また、注出口2の外側筒部2bの外面における鍔部6と雄ラチェット7との間には、注出口2の軸方向に平行に伸びる複数個の突起13が必要に応じて設けられる。この突起13はピルファプルーフキャップ3から分離したピルファプルーフバンド9をガタつくことなく注出口2の外側筒部2bの外面に保持するためのものである。
【0025】
ピルファプルーフキャップ3は、図7に示すように、ネジキャップ14と、ピルファプルーフバンド9と、オーバーキャップ15とを具備する。
【0026】
ネジキャップ14は、図8乃至図11に示すように、袋体1の注出口2に形成された雄ネジ8に螺合する雌ネジ12を円筒状の周壁の内周面に有する。ピルファプルーフバンド9は、ネジキャップ14を開栓操作する際にネジキャップ14から切り離されるように、このネジキャップ14の周壁の下端に薄肉部16を介して連結される。薄肉部16は、細い柱状片として形成され、ネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との隙間内において円周方向に所定間隔をおいて複数個設けられている。また、薄肉部16は、ネジキャップ14からピルファプルーフバンド9が切り離された時にネジキャップ14側に残留するようにピルファプルーフバンド9に向って先細状に形成される。ネジキャップ14の下端には薄肉部16同士の中間にピルファプルーフバンド9の方へ突出するスペーサ17が設けられる。このスペーサ17によってネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との間隙が規制される。スペーサ17はピルファプルーフバンド9側に設けてもよいし、ネジキャップ14とピルファプルーフバンド9の双方に設けてもよい。
【0027】
ピルファプルーフバンド9の内周面の下端には、内側へ突出する突部11が環状に設けられている。注出口2を開封した後、ネジキャップ14を繰り返して開け閉めする場合に、この突部11が注出口2の雄ラチェット7に係合することによりピルファプルーフバンド9の注出口2からの落下が防止される。
【0028】
また、ピルファプルーフバンド9の内周面の上端には、円周方向に所定間隙をおいて複数個の雌ラチェット10が注出口2側の雄ラチェット7に対応するように設けられている。雌雄のラチェット10,7はネジキャップ14を開ける方向に回す際に係合するようになっており、そのためネジキャップ14を開ける方向に回すとピルファプルーフバンド9は薄肉部16の箇所でネジキャップ14から切り離され、注出口2上に残留する。
【0029】
また、ピルファプルーフバンド9の上端には、複数個の下ラチェット18が設けられ、ネジキャップ14の下端には下ラチェット18に対応するように上ラチェット19が設けられる。上下ラチェット19,18はネジキャップ14を内容物の充填後に注出口2にねじ込む時に互いに係合するようになっており、この上下ラチェット19,18の係合によって、ネジキャップ14を注出口2にねじ込む際の薄肉部16の破断が防止される。
【0030】
オーバーキャップ15は、図7に示すように、ピルファプルーフバンド9を露出させるようにネジキャップ14に係合手段を介し被せられる。オーバーキャップ15はネジキャップ14より外径が大きく、そのためピルファプルーフキャップ3を最初に開封する際の開封操作を簡易に行うことができる。また、図12乃至図14に示すように、オーバーキャップ15の天壁には楕円形の取っ手20が必要に応じて形成される。この取っ手20を把持することでピルファプルーフキャップ3の開栓操作はさらに簡易化される。取っ手20の天面はオーバーキャップ15の天壁に連なる平坦面にすることにより、袋体1を倒立させることができる。取っ手20はオーバーキャップ15の外径よりも大きく形成することで、幼児の誤飲防止手段としても機能させることができる。取っ手20はオーバーキャップ15の天壁や側壁から水平方向に突出するが、垂直方向に突出させることもできる。取っ手20の形状も楕円に限らず、円形、四角形、多角形、立体形等種々の形状とすることができる。取っ手20には種々の内容を表示することによりディスプレイ効果を高めることも可能である。
【0031】
係合手段は、ネジキャップ14とオーバーキャップ15とを周方向及び軸方向において夫々係合させる周方向係合手段と軸方向係合手段とを含んでいる。
【0032】
周方向係合手段は、具体的にはネジキャップ14の周壁の外周面に形成された雄ローレット溝21とオーバーキャップ15の周壁の内周面に形成された雄ローレット溝21と噛み合う雌ローレット溝22とで構成される。雌雄のローレット溝22,21の係合によりネジキャップ14とオーバーキャップ15は一体で回転可能となる。周方向係合手段は雌雄のローレット溝22,21に限らず、一対又は複数対の突起や、突起と凹溝等で構成することも可能である。
【0033】
軸方向係合手段は、具体的にはオーバーキャップ15の下端からネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との隙間に突出する突起23により構成される。この突起23は望ましくはオーバーキャップ15の周方向の全周に設けられているが、間欠的に形成することも可能である。この突起23がネジキャップ14の下端と係合することによりオーバーキャップ15がネジキャップ14から軸方向に抜け出るのを阻止する。
【0034】
次に、上記構成のピルファプルーフキャップ3の作用について説明する。
【0035】
まず、ネジキャップ14にオーバーキャップ15を被せてピルファプルーフキャップ3を組み立てる。オーバーキャップ15をネジキャップ14に被せることで、オーバーキャップ15の下端の突起23がネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との隙間に突出しオーバーキャップ15とネジキャップ14とが軸方向で係合する。また、同時に雌雄のローレット溝22,21が係合する。これにより、ネジキャップ14とオーバーキャップ15は一体で回転可能となる。このオーバーキャップ15は袋体1に内容物を充填しネジキャップ14を装着した後でネジキャップ14に被せるようにしてもよい。
【0036】
また、注出口2から袋体1内に飲食物等の内容物を充填し、その後注出口2をピルファプルーフキャップ3で閉じる。すなわち、ピルファプルーフキャップ3を注出口2上で例えば右方向に回し、ネジキャップ14の雌ネジ12を注出口2の雄ネジ8と螺合させる。ネジキャップ14の雌ネジ12が注出口2の雄ネジ8に対して螺進し、ピルファプルーフバンド9が注出口2の鍔部6側へ接近すると、注出口2の雄ラチェット7上をピルファプルーフバンド9の突起11が乗り越え、ネジキャップ14が注出口2に対して装着され、ピルファプルーフキャップ3の装着が完了する。
【0037】
この装着の際、ネジキャップ14側の上ラチェット19とピルファプルーフバンド9側の下ラチェット18が係合し、ネジキャップ14にピルファプルーフバンド9を連結する薄肉部16の破断を防止する。
【0038】
これにより、包装体が完成し、密封された状態で搬送され、冷却され、販売に供される。
【0039】
注出口2を開封する際は、まず消費者等の使用者がオーバーキャップ15を把持して、ピルファプルーフキャップ3の全体をねじ込み方向と逆の例えば左方向に回転させる。ピルファプルーフキャップ3の回転に伴い、注出口2の雄ラチェット7とピルファプルーフバンド9の雌ラチェット10とが円周方向において係合し、ピルファプルーフバンド9を注出口2側に拘束する。このため、オーバーキャップ15及びネジキャップ14が注出口2上を緩む方向に回転し、ネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との間の薄肉部16が破断し、ネジキャップ14からピルファプルーフバンド9が切り離される。
【0040】
この場合、薄肉部16はネジキャップ14からピルファプルーフバンド9に向って先細状となっているので、薄肉部16はピルファプルーフバンド9の表面において破断する。このため、薄肉部16の破断片はネジキャップ14側に残り、ピルファプルーフバンド9が残留した注出口2に口を当てる消費者等に違和感を与えない。
【0041】
更にオーバーキャップ15及びネジキャップ14を注出口2に対して緩める方向に回転させることによって、注出口2側の雄ネジ8と、ネジキャップ14側の雌ネジ12との係合が解除し、オーバーキャップ15及びネジキャップ14が注出口2から取り外される。
【0042】
一方、ネジキャップ14から分離したピルファプルーフバンド9は、その突起11が注出口2の雄ラチェット7に当接することから、注出口2上に拘束される。
【0043】
消費者等の使用者は開封された注出口2に口をあてて内容物を飲食する。例えば、内容物が液体、流動体等を凍らせたものである場合は、袋体1を手で揉み解しながら内容物を砕き氷解させつつ注出口2から吸い出すことができる。内容物を吸い出す際、ピルファプルーフバンド9の突部11が注出口2の雄ラチェット7に係合するので、袋体1を逆さまにしてもピルファプルーフバンド9が注出口2の先端から使用者の口内へ落下してしまうようなことはない。
【0044】
その後、使用者は袋体1の注出口2に対してオーバーキャップ15及びネジキャップ14を再度装着することにより、袋体1を再び密封することができる。この場合、ネジキャップ14からピルファプルーフバンド9が分離した状態となっているので、この袋体1がすでに開封されたことを容易に認識することができる。
【0045】
<実施の形態2>
図15乃至図18に示すように、このピルファプルーフキャップ3は実施の形態1のピルファプルーフキャップ3と相違し、オーバーキャップ15の下端に形成される突起23がオーバーキャップ15の周方向に間欠的に複数個形成されている。このため、図16に示すように、一部の突起23がスペーサ17や上下のラチェット19,18に重なってネジキャップ14とピルファプルーフバンド9との隙間に入り込まない場合であっても、他の突起23が隙間の他の箇所に入り込むことができる。従って、図17又は図18に示すように、オーバーキャップ15がネジキャップ14に対し種々の位置で嵌め込まれたとしても、オーバーキャップ15はネジキャップ14に対し軸方向に適正に拘束され、ネジキャップ14上に抜け出ないよう保持される。
【0046】
また、このピルファプルーフキャップ3では、オーバーキャップ15の周壁における突起23の真上に穴24が形成されている。この穴24はオーバーキャップ15を成形するための図示しない成形型が有する抜き型に対応する。抜き型はオーバーキャップ15の成形時にこの穴24の位置に侵入しており、溶融樹脂の射出後に成形型から引き抜かれる。そして、成形型が型開きされ、射出成形されたオーバーキャップ15が成形型から取り出される。このように穴24内に抜き型が入り込んだ状態で突起23が形成されるので、突起23は尖った先端を有することになり、ネジキャップ14の下端に食い込む返しとして適正な形に形成される。従って、突起23とネジキャップ14の下端との係合力が高まり、オーバーキャップ15はネジキャップ14に強固に保持される。
【0047】
<実施の形態3>
図19乃至図21に示すように、このピルファプルーフキャップ3は実施の形態1のピルファプルーフキャップ3と相違し、オーバーキャップ15における楕円形の取っ手20の外周からスカート部25が垂下し、スカート部25とオーバーキャップ15の周壁15aとの間に空洞が形成されている。取っ手20にスカート部25が設けられていることから、消費者等の使用者は取っ手20を把持しやすくなり、ピルファプルーフキャップ3を簡易に開けることができる。
【0048】
<実施の形態4>
図22乃至図25に示すように、このピルファプルーフキャップ3は実施の形態1のピルファプルーフキャップ3と相違し、オーバーキャップ15の突起23が羽状の折り返し片23aで形成される。折り返し片23aはオーバーキャップ15の下端に薄肉のヒンジ26を介して連結され、ヒンジ26の箇所でオーバーキャップ15の内面に折り込まれることで突起23とされる。折り返し片23a及びヒンジ26はオーバーキャップ15を射出成形すると時にオーバーキャップ15と一体に成形される。折り返し片23aがオーバーキャップ15内に折り返された状態でネジキャップ14をオーバーキャップ15内に挿入すると、折り返し片23aの尖った縁がネジキャップ14の下端と係合し、オーバーキャップ15とネジキャップ14との分離を防止する。
【0049】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、ネジキャップの周りにオーバーキャップが係合するので、実質的にネジキャップが大径化する。従って、ピルファプルーフキャップの開栓を簡易かつ迅速に行うことができる。また、オーバーキャップはピルファプルーフバンドを露出させるようにネジキャップを覆うので、消費者等は包装体の注出口が開栓されたか否かを確認することができる。
【0050】
また、請求項1に係る発明によれば、係合手段が、ネジキャップとオーバーキャップとを周方向及び軸方向において夫々係合させる周方向係合手段と軸方向係合手段とを含んだ請求項1に記載のピルファプルーフキャップであり、係合手段が周方向係合手段と軸方向係合手段とに分かたれるので、ネジキャップとオーバーキャップとの係合力が周方向と軸方向において夫々増大し、従って開栓操作が容易になり、またネジキャップからオーバーキャップが脱落し難くなる。
【0051】
また、請求項1に係る発明によれば、突起がオーバーキャップの下端からネジキャップとピルファプルーフバンドとの隙間に突出するので、オーバーキャップはネジキャップに対し軸方向に拘束され、ネジキャップ上に抜け出ないよう保持される。また、突起はネジキャップとピルファプルーフバンドとの隙間を一定に保持するためのスペーサとしても機能する。
【0052】
請求項2に係る発明によれば、突起がオーバーキャップの周方向に間欠的に形成された請求項2に記載のピルファプルーフキャップであり、突起がオーバーキャップの周方向に間欠的に存在するので、ネジキャップとピルファプルーフバンドとの隙間にスペーサ等が介在してもいずれかの突起がスペーサ等との衝突を避けてネジキャップと係合する。従って、オーバーキャップはネジキャップに対し軸方向に確実に拘束され、ネジキャップ上に抜け出ないよう保持される。
【0053】
請求項3に係る発明によれば、オーバーキャップの周壁における上記突起の真上に穴が形成された請求項1又は請求項2に記載のピルファプルーフキャップであるから、オーバーキャップの周壁における突起の真上の穴を成形型の抜き型に対応させることで突起を返しとして適正に形成することができる。従って、突起とネジキャップの下端との係合力を高め、オーバーキャップをネジキャップにより確実に保持することができる。
【0054】
請求項4に係る発明によれば、包装体が袋である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のピルファプルーフキャップであるから、袋体のピルファプルーフが維持される。袋体の注出口を開封した後は袋を押える等することにより、中味を注出口から注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るピルファプルーフキャップが装着された包装体の正面図である。
【図2】 注出口の正面図である。
【図3】 注出口の右側面図である。
【図4】 注出口の平面図である。
【図5】 注出口の底面図である。
【図6】 図2中、VI−VI線矢視断面図である。
【図7】 ピルファプルーフキャップの垂直断面図である。
【図8】 ネジキャップの正面図である。
【図9】 ネジキャップの垂直断面図である。
【図10】 ネジキャップの平面図である。
【図11】 ネジキャップの底面図である。
【図12】 オーバーキャップの半断面図である。
【図13】 オーバーキャップの平面図である。
【図14】 オーバーキャップの底面図である。
【図15】 本発明の実施の形態2に係るピルファプルーフキャップの部分切欠正面図である。
【図16】 図15中、XVI−XVI線矢視断面図である。
【図17】 オーバーキャップとネジキャップを位相を変えて結合させた状態を図16と同様に表した図である。
【図18】 オーバーキャップとネジキャップを更に位相を変えて結合させた状態を図16と同様に表した図である。
【図19】 本発明の実施の形態3に係るピルファプルーフキャップの垂直断面図である。
【図20】 オーバーキャップの垂直断面図である。
【図21】 オーバーキャップの底面図である。
【図22】 本発明の実施の形態4に係るピルファプルーフキャップの垂直断面図である。
【図23】 オーバーキャップの半断面図である。
【図24】 オーバーキャップの平面図である。
【図25】 オーバーキャップの底面図である。
【符号の説明】
1…袋体
2…注出口
3…ピルファプルーフキャップ
8…雄ネジ
9…ピルファプルーフバンド
12…雌ネジ
14…ネジキャップ
15…オーバーキャップ
21…雄ローレット溝
22…雌ローレット溝
23…突起
24…穴
Claims (4)
- 包装体の注出口に形成された雄ネジに螺合する雌ネジを有したネジキャップと、ネジキャップを開栓操作する際にネジキャップから切り離されるピルファプルーフバンドと、ピルファプルーフバンドを露出させるようにネジキャップに係合手段を介し被せられるオーバーキャップとを具備し、上記係合手段が、ネジキャップとオーバーキャップとを周方向及び軸方向において夫々係合させる周方向係合手段と軸方向係合手段とを含んでおり、上記周方向係合手段が、ネジキャップの周壁の外周面に形成された雄ローレット溝とオーバーキャップの周壁の内周面に形成された雌ローレット溝とで構成され、上記軸方向係合手段が、オーバーキャップの下端からネジキャップとピルファプルーフバンドとの隙間に突出する突起により構成されていることを特徴とするピルファプルーフキャップ。
- 突起がオーバーキャップの周方向に間欠的に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のピルファプルーフキャップ。
- オーバーキャップの周壁における上記突起の真上に穴が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピルファプルーフキャップ。
- 包装体の本体が袋体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のピルファプルーフキャップ。
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