JP2004254588A - 油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化安定性が悪く風味劣化が生じやすいα−リノレン酸を含有する油脂を用いても、風味が損なわれず、更には、栄養所要量として望ましい脂肪酸摂取比率を満足する油脂組成物を提供すること。
【解決手段】油脂組成物全体中、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を10重量%以下と、60重量%を超え、且つ、85重量%以下の米由来の食用油脂を含有してなる油脂組成物を用いること。
【選択図】 なし
【解決手段】油脂組成物全体中、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を10重量%以下と、60重量%を超え、且つ、85重量%以下の米由来の食用油脂を含有してなる油脂組成物を用いること。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風味良好で且つ、脂質栄養学的に望ましい脂肪酸摂取率を満足する油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にフライ、マーガリン等に用いられる油脂組成物としては、パーム油、コーン油、大豆油、米油、なたね油などの植物油及び精製ラード、精製牛脂などの動物油及びこれらの硬化油、エステル交換油、分別油を単独又は2種類以上を配合・混合したものが用いられている。
【0003】
油脂組成物に前記記載の油脂が多く使用されている理由は、多くの場合「味が良い事」「長期保存時やフライ時に異臭が少ない事」「酸化安定性が良い事」「経済性に優れている事」等から決定されるのが現状である。
【0004】
近年、脂質栄養学に関する調査研究が進み、厚生労働省の定める日本人の栄養所要量において、第5次改訂の食事摂取基準(平成6年)より脂肪酸の質が明記され、第6次改訂の食事摂取基準(平成11年)では日本人の望ましい脂肪酸摂取比率として、「飽和脂肪酸:1価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=30:40:30」であり、かつ「n−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸=1:4程度」との推奨値が示された。
【0005】
これらの望ましい脂肪酸摂取比率の油脂組成物には、n−3系多価不飽和脂肪酸つまりα−リノレン酸が配合油全体の6%を占める必要があり、その為アマニ油やエゴマ油等のα−リノレン酸を多量に含有する油脂を配合することになる。
【0006】
また、上記の食事摂取基準に沿った脂肪酸バランスを有する油脂組成物が、これまでにいくつか提案されているが(特許文献1、特許文献2、特許文献3)、何れも次のような課題があった。
【0007】
上記油脂組成物は、酸化されやすいα−リノレン酸が多く含有するエゴマ油やアマニ油を含有するため、風味安定性が悪く、加熱時や長期保存時に異臭が発生し易い欠点を有する油脂であり、エゴマ油やアマニ油を配合した油脂組成物は、その油脂製品自体や、それを使用した油ちょう製品が風味劣化する可能性が高い。
【0008】
また、エゴマ油やアマニ油に含まれるα−リノレン酸の酸化による風味の劣化を抑える為に、ごま種子と混合後に搾油する方法(特許文献4)があるが、これには上記の食事摂取基準に沿った脂肪酸バランスを有している油脂組成物について記載されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平2−292397号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平11−4657号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2002−161294号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−31647号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化安定性の悪いα−リノレン酸を含有する油脂を用いても、風味が損なわれず、更には、栄養所要量として望ましい脂肪酸摂取比率を満足する油脂組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、α−リノレン酸を多量に含有するアマニ油やエゴマ油等が劣化した時の好ましくない臭気をマスキング可能な食用油脂について鋭意検討を行った結果、米由来の油脂、即ち米油がエゴマ油やアマニ油の劣化した臭気を効果的にマスキングすることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明の第1は、油脂組成物全体中、米由来の食用油脂の含有量が60重量%を超え、且つ、85重量%以下であり、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を5〜10重量%含有してなる油脂組成物に関する。好ましい実施態様としては、油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が30:35〜45:35〜25であることを特徴とする上記記載の油脂組成物である。更に好ましい実施態様としては、油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が1:3.5〜4.5であることを特徴とする上記記載の油脂組成物であり、更にもっと好ましい実施態様としては、米由来の食用油脂として硬化米油を用いることを特徴とする上記記載の油脂組成物である。本発明の第2は、上記記載の油脂組成物を用いてなる油中水型油脂組成物、及び水中油型油脂組成物に関する。第3は、上記記載の油脂組成物を用いてなる食品に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の油脂組成物について詳細に説明するが、「%」とは「重量%」を意味する。
【0017】
本発明における米由来の食用油脂とは、米糠から搾油された油脂であり、例えば、米白絞油、米サラダ油などが挙げられる。本発明の油脂組成物における米由来の食用油脂の配合比率は、油脂組成物全体中60%を超え、且つ、85%以下であることが望ましい。この理由は、米油配合比率が60%以下では、米油の有する独特の風味が油ちょう製品に十分に付与できない場合や、劣化臭をマスキングする効果が不足する場合があるからである。また、米油の配合比率が85%を越えると、望ましい脂肪酸摂取比率に調整することが困難となる場合があるからである。
【0018】
本発明におけるα−リノレン酸を50%以上含有する油脂とは、油脂全体中のα−リノレン酸含有量が50%以上の油脂の事であり、例えば該油脂をFID恒温ガスクロマトグラフ法に則り測定すると、α−リノレン酸のピーク面積比が50%以上となる。具体的にはエゴマ油やアマニ油等が挙げられる。エゴマ油は脂肪酸組成においてα−リノレン酸を約60%、アマニ油はα−リノレン酸を約57%含有している。これらのα−リノレン酸を50%以上含有する油脂の配合比率は、油脂組成物中5〜10%が好ましく、更に好ましくは6〜9%である。この範囲であれば油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が、油脂組成物中の脂肪酸のピーク面積の総和を100とした時に30:35〜45:35〜25であり、且つ油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が1:3.5〜4.5となる。すなわち、油脂組成物中における飽和脂肪酸の比率が、脂肪酸組成全体中30%、一価不飽和脂肪酸の比率が、油脂組成物全体中35〜45%、多価不飽和脂肪酸の比率が、脂肪酸組成全体中25〜35%となり、且つ、多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸の比が1:3.5〜4.5を満足することができる。また、5%より少なければ、風味改善効果が顕著でない場合があり、10%を超えると、上記記載の飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比や多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比を所望の比に調整するのが困難な場合がある。
【0019】
本発明における油脂組成物中の脂肪酸組成として、飽和脂肪酸としては、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等のC8〜C24の直鎖脂肪酸が例示でき、一価不飽和脂肪酸としては、デセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、イコセン酸、ドコセン酸、テトラコセン酸等のC10〜C24の直鎖脂肪酸が例示でき、多価不飽和脂肪酸としては、ヘキサデカトリエン酸、ヘクサデカテトラエン酸、ヘプタデカジエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、オクタデカテトラエン酸、イコサジエン酸、イコサトリエン酸、イコサテトラエン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のC16〜C22の直鎖脂肪酸が例示できる。
【0020】
ここでFID恒温ガスクロマトグラフ法とは、「社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1−1996脂肪酸組成」に記載された方法である。試料の調整は、「社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1−1996脂肪酸組成」に記載された方法に従い、油脂組成物中の脂肪酸部分をメチルエステル化し、それを上記方法にて分離、定量し、各脂肪酸組成を同定する。本発明における脂肪酸組成においては、上記方法にて得られるクロマトグラム上のピーク面積百分率を試料中の各脂肪酸の重量百分率と考える。
【0021】
油脂組成物中の成分比が、上記のような比率になれば、酸化安定性の悪いα−リノレン酸を含有する油脂を用いても、風味が損なわれず、更には、栄養所要量として望ましい脂肪酸摂取比率を満足する油脂組成物を得ることができる。
【0022】
また本発明において、米由来の食用油脂として未硬化の米油に加えて硬化米油を使用することが望ましい。この理由は、米油の脂肪酸組成は1価不飽和脂肪酸(オレイン酸)が約43%、n−6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸)が約36%と大半を占めているので、水素添加によってリノール酸含量を低減し、飽和脂肪酸と1価不飽和脂肪酸の含量を高めた硬化米油を使用した方が、目的である厚生労働省推奨の脂肪酸摂取比率(飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の重量比=30:40:30,n−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸の重量比=1:4)に調整しやすいからである。
【0023】
本発明における硬化米油は、その製法など特に限定は無いが、ニッケル等の触媒を使用する常法の水素添加により製造することができる。硬化米油の脂肪酸組成において、リノール酸の含量が30%以下になるまで水素添加することが望ましい。その理由として、リノール酸の含量が30%を越えるようでは、前記の望ましい脂肪酸摂取比率を満足することが困難な場合があるからである。また、水素添加により発生するトランス酸については、栄養学的に飽和脂肪酸と同様な働きがあるということから、トランス酸の分量は、飽和脂肪酸量に含めた。
【0024】
本発明には上記油脂の他にも一般的な食用油脂を用いることが出来る。例えば、大豆油、なたね油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、パーム油、綿実油等の植物油、牛脂、ラード等の動物油脂、また、これらの混合油、硬化油、分別油、ランダムエステル交換反応の単独・複数処理を行った油脂等を、1種又は、2種以上用いることが出来る。
【0025】
更に、マーガリンの製造時など本発明の油脂組成物の温度が下がる場合に、生成する結晶が大きくなりにくくしたり、結晶が生成しにくくする等の結晶調整効果を目的にポリグリセリン脂肪酸エステルやモノグリセリン脂肪酸エステル等の各種食用乳化剤を使用してもかまわない。
【0026】
また、本発明の油脂組成物においては、フライ性機能向上目的でシリコーン、酸化安定性付与の目的でトコフェロール、カテキン類等の酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。
【0027】
また、スプレー油においては、酸化安定性付与目的でトコフェロール、カテキン類等の酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、その他、栄養強化を目的とした、ビタミン類例えば、ビタミンA,D,E等を少なくとも1種以上添加しても良い。上記以外の原材料としては、マーガリンやファットスプレッドなどの通常の油中水型エマルジョンに使用されるビタミンEなどの酸化防止剤、カロチンなどの着色剤等が全て使用可能である。
【0028】
本発明の油脂組成物の製造法を次に示す。所定量の米由来の食用油脂に、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を所定の量添加し、所定の温度で混合・溶解し、一定時間攪拌する事で、所望の油脂組成物を得た。
【0029】
また、本発明の油脂組成物を用いて、油中水型乳化物、或いは、水中油型乳化物を製造することが出来る。油中水型乳化物を製造する際には、上記、油脂量に特に制限はなく、通常の油中水型油脂組成物と同様の方法で製造することが出来る。その際、各種香料、全脂粉乳、脱脂粉乳、発酵乳、乳脂肪などの各種乳関連物質、天日塩や岩塩などの各種塩類等を呈味材として水相中に添加することができる。例えば、所定の温度で1種または2種以上の油脂を配合し、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等の添加物を添加し、油相を作製する。この油相に対し、水に所定量の食塩や脱脂粉乳等を溶かした水相を添加し、所定温度に調節し、プロペラミキサーにて撹拌混合して、エマルジョンを作製する。その後、パーフェクター、コンビネーター、ボテーター等の連続式熱交換機を用いて、急冷捏和することで油中水型油脂組成物を製造することができる。
【0030】
水中油型乳化物においても油脂量に特に制限はなく、通常の水中油型油脂組成物と同様の方法で製造することが出来る。例えば、所定の温度に水を温調し、所定量の食塩や脱脂粉乳等を添加し、水相を作製する。この水相に対し、1種または2種以上の油脂を配合し、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等の添加物を添加して作製した油相を所定量添加する。これを所定温度に調節し、プロペラミキサーにて撹拌混合して、水中油型エマルジョンを作製する。その後、UHT殺菌機で高温短時間殺菌を行い、更に、真空冷却、ホモジナイザーによる均質化後、冷却することで水中油型油脂組成物を製造することが出来る。なお、冷却工程は加圧晶析等の手法により冷却後のエージング時間を短縮することも可能である。
【0031】
本発明の油脂組成物は、一般に食用油脂を用いる種々の食品の製造に供することが可能である。例えば、製パン・製菓用材料としてのマーガリン、ショートニング、クリーム等が挙げられ、又これらを用いたパン、パイ、クッキー、ビスケット、ケーキ、ムース等の製品、ポテトチップスやかりんとうなどの油ちょう製品、ミルクセーキや濃縮乳などの飲料、ホワイトソース、カレー、ルーなどのソース類、即席ラーメンなどの乾麺、などが挙げられるが、これに限定されず、各種食品に使用可能である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載に於いて、「部」、「%」は全て「重量部」、「重量%」を意味する。
【0033】
実施例及び比較例で使用した食用油脂の脂肪酸組成を表1に示す。なお、脂肪酸分析には、FID恒温ガスクロマトグラフ法(社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1脂肪酸組成)に則り、測定した。なお、脂肪酸分析値の0.5%未満の脂肪酸成分は切り捨てた。
【0034】
【表1】
【0035】
硬化米油の製造方法は常法による水素添加反応であり、未硬化の米油に対してニッケル触媒を0.1%添加して180℃で0.1Mpaの水素圧力下において水素添加反応を行い、ヨウ素価60、融点40℃の硬化米油を得た。硬化米油はニッケル触媒を除去した後、水蒸気蒸留による常法の脱臭を行い食用油脂とした。
【0036】
(実施例1)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物1を得た。
【0037】
(実施例2)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)16部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部、硬化大豆油(沃素価67.7)10部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、脂組成物2を得た。
【0038】
(実施例3)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)2部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)7部、硬化大豆油(沃素価67.7)25部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物3を得た。
【0039】
(比較例1)
米油(沃素価105.6)30部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)5部、大豆油(沃素価125.7)15部、パーム油(沃素価51.6)43部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物4を得た。
【0040】
(比較例2)
米油(沃素価105.6)40部、エゴマ油(沃素価189.2)8部、大豆油(沃素価125.7)10部、パーム油(沃素価51.6)42部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物5を得た。
【0041】
(比較例3)
エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)20部、硬化大豆油(沃素価67.7)38部、コーン油(沃素価123.7)35部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物6を得た。
【0042】
実施例1〜3と比較例1〜3で得られた油脂組成物1〜6を用いて、フライテストを行い、ポテトチップスの風味を評価した。油脂組成物1〜6の油脂配合と脂肪酸組成を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
フライテストは、油脂組成物1〜6(表2)をそれぞれ電気フライヤーに1000g採取し、油温180℃に加熱し、ジャガイモを3mmの厚さにスライスしたものをフライ種として投入し、60秒間フライしたポテトチップスを5名のパネラーにより、次の評価基準で風味を評価した。その際、5人の平均点を四捨五入した。「ポテトチップスの風味評価基準」は、フライ後のポテトが、5点=異臭なく、美味しい、4点=少し異臭あり、3点=異臭あり、2点=異臭がやや強い、1点=異臭が強く美味しくない、であった。このようにして評価した結果を表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
これからわかるように、パネラー評価の結果、実施例1〜3の米油の含有率が60%以上のポテトチップスの風味は5点であり、エゴマ油を5〜10重量%配合しても、加熱時の臭気やポテトチップスの風味は良好であることがわかる。
【0047】
それに対し、比較例1〜2の米油の配合比率が60%未満で、エゴマ油の配合比率が5〜10%ではポテトチップスの風味が少し劣るものであった。また、米油を全く含まない比較例3は、更に大きく風味が劣っていた。
【0048】
以上の様に、米油が60%を超え、且つエゴマ油の配合比率が5〜10%でも、風味良好な油ちょう製品が得られた。
【0049】
(実施例4)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率からなる調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加し、油相を作製した。この油相83部に対し、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、約60℃に調温し、プロペラミキサーにて撹拌した後、常法通り掻き取り式連続急冷捏和装置にて急冷捏和してマーガリンAを作製した。
【0050】
(実施例5)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)16部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部、硬化大豆油(沃素価67.7)10部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンBを作製した。
【0051】
(実施例6)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)2部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)7部、硬化大豆油(沃素価67.7)25部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンCを作製した。
【0052】
(比較例4)
米油(沃素価105.6)35部、エゴマ油(沃素価189.2)6部、なたね油(沃素価115.1)18部、硬化大豆油(沃素価67.7)26部、極度硬化なたね油(沃素価0.2)3部、コーン油(沃素価123.7)12部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンDを作製した。
【0053】
(比較例5)
米油(沃素価105.6)25部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)14部、硬化大豆油(沃素価67.7)20部、パーム油(沃素価51.6)16部、コーン油(沃素価123.7)18部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンEを作製した。
【0054】
実施例4〜6と比較例4〜5で得られたマーガリンA〜Eの油脂配合と脂肪酸組成を表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
これらのマーガリンA〜Eを5℃で温調保存し、それによる風味の劣化状態(風味の保存安定性)を、下記の基準に従って、5人のパネラーによる官能テストにより評価した。その際、5人の評価の平均点を四捨五入した。
【0057】
「マーガリンの風味評価基準」は、3ヶ月または、6ヶ月保存後のマーガリンが、5点:異臭なく、美味しい、4点:少し異臭を感じる、3点:異臭を感じる、2点:やや強く異臭を感じる、1点:強く異臭を感じる、であった。上記基準に従い評価した結果を表5に示した。
【0058】
【表5】
【0059】
これからわかるように、パネラー評価の結果、実施例4〜6は、保存期間が長期になっても、劣化による異臭が感じられず、非常に良好であった。それに対し、比較例4〜5は、保存期間が長期になると劣化による異臭を感じ、保存性が悪いものであった。
【0060】
(実施例7) クリームの作製
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率で混合・溶解・撹拌を行い、調合油を得た。この調合油30部を70℃に温調後、レシチン0.1部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.1部を順次溶解して、油相部を作製した。
【0061】
アルブミン態タンパク質1部、脱脂乳60部を50℃まで加温し、ショ糖エステル0.1部及びグラニュー糖10部を添加して、水相部を調整した。
【0062】
調整した水相部と油相部を予備乳化した後、UHT殺菌機にて145℃で4秒間殺菌した。次いで真空冷却した後、均質化機により90kg/cm2の圧力で均質化し、更に10℃までプレート冷却して水中油型油脂組成物であるクリームを得た。得られたクリームの風味、食感とも非常に良好であった。
【0063】
(実施例8) ビスケットの作製
薄力粉100部、実施例4のマーガリンA35部、上白糖40部、全卵5部、塩0.5部及び水18部からなる配合で、常法に従いビスケットを作製した。ビスケットの風味、食感とも非常に良好であった。
【0064】
【発明の効果】
本発明は加熱時の異臭や風味的に劣るα−リノレン酸を50重量%以上含有する油脂を10重量%以下配合しても、60重量%を超え、且つ、85重量%以下の米由来の食用油脂を配合することにより、風味良好な油脂組成物が実現可能となった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、風味良好で且つ、脂質栄養学的に望ましい脂肪酸摂取率を満足する油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にフライ、マーガリン等に用いられる油脂組成物としては、パーム油、コーン油、大豆油、米油、なたね油などの植物油及び精製ラード、精製牛脂などの動物油及びこれらの硬化油、エステル交換油、分別油を単独又は2種類以上を配合・混合したものが用いられている。
【0003】
油脂組成物に前記記載の油脂が多く使用されている理由は、多くの場合「味が良い事」「長期保存時やフライ時に異臭が少ない事」「酸化安定性が良い事」「経済性に優れている事」等から決定されるのが現状である。
【0004】
近年、脂質栄養学に関する調査研究が進み、厚生労働省の定める日本人の栄養所要量において、第5次改訂の食事摂取基準(平成6年)より脂肪酸の質が明記され、第6次改訂の食事摂取基準(平成11年)では日本人の望ましい脂肪酸摂取比率として、「飽和脂肪酸:1価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=30:40:30」であり、かつ「n−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸=1:4程度」との推奨値が示された。
【0005】
これらの望ましい脂肪酸摂取比率の油脂組成物には、n−3系多価不飽和脂肪酸つまりα−リノレン酸が配合油全体の6%を占める必要があり、その為アマニ油やエゴマ油等のα−リノレン酸を多量に含有する油脂を配合することになる。
【0006】
また、上記の食事摂取基準に沿った脂肪酸バランスを有する油脂組成物が、これまでにいくつか提案されているが(特許文献1、特許文献2、特許文献3)、何れも次のような課題があった。
【0007】
上記油脂組成物は、酸化されやすいα−リノレン酸が多く含有するエゴマ油やアマニ油を含有するため、風味安定性が悪く、加熱時や長期保存時に異臭が発生し易い欠点を有する油脂であり、エゴマ油やアマニ油を配合した油脂組成物は、その油脂製品自体や、それを使用した油ちょう製品が風味劣化する可能性が高い。
【0008】
また、エゴマ油やアマニ油に含まれるα−リノレン酸の酸化による風味の劣化を抑える為に、ごま種子と混合後に搾油する方法(特許文献4)があるが、これには上記の食事摂取基準に沿った脂肪酸バランスを有している油脂組成物について記載されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平2−292397号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平11−4657号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2002−161294号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−31647号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化安定性の悪いα−リノレン酸を含有する油脂を用いても、風味が損なわれず、更には、栄養所要量として望ましい脂肪酸摂取比率を満足する油脂組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、α−リノレン酸を多量に含有するアマニ油やエゴマ油等が劣化した時の好ましくない臭気をマスキング可能な食用油脂について鋭意検討を行った結果、米由来の油脂、即ち米油がエゴマ油やアマニ油の劣化した臭気を効果的にマスキングすることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明の第1は、油脂組成物全体中、米由来の食用油脂の含有量が60重量%を超え、且つ、85重量%以下であり、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を5〜10重量%含有してなる油脂組成物に関する。好ましい実施態様としては、油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が30:35〜45:35〜25であることを特徴とする上記記載の油脂組成物である。更に好ましい実施態様としては、油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が1:3.5〜4.5であることを特徴とする上記記載の油脂組成物であり、更にもっと好ましい実施態様としては、米由来の食用油脂として硬化米油を用いることを特徴とする上記記載の油脂組成物である。本発明の第2は、上記記載の油脂組成物を用いてなる油中水型油脂組成物、及び水中油型油脂組成物に関する。第3は、上記記載の油脂組成物を用いてなる食品に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の油脂組成物について詳細に説明するが、「%」とは「重量%」を意味する。
【0017】
本発明における米由来の食用油脂とは、米糠から搾油された油脂であり、例えば、米白絞油、米サラダ油などが挙げられる。本発明の油脂組成物における米由来の食用油脂の配合比率は、油脂組成物全体中60%を超え、且つ、85%以下であることが望ましい。この理由は、米油配合比率が60%以下では、米油の有する独特の風味が油ちょう製品に十分に付与できない場合や、劣化臭をマスキングする効果が不足する場合があるからである。また、米油の配合比率が85%を越えると、望ましい脂肪酸摂取比率に調整することが困難となる場合があるからである。
【0018】
本発明におけるα−リノレン酸を50%以上含有する油脂とは、油脂全体中のα−リノレン酸含有量が50%以上の油脂の事であり、例えば該油脂をFID恒温ガスクロマトグラフ法に則り測定すると、α−リノレン酸のピーク面積比が50%以上となる。具体的にはエゴマ油やアマニ油等が挙げられる。エゴマ油は脂肪酸組成においてα−リノレン酸を約60%、アマニ油はα−リノレン酸を約57%含有している。これらのα−リノレン酸を50%以上含有する油脂の配合比率は、油脂組成物中5〜10%が好ましく、更に好ましくは6〜9%である。この範囲であれば油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が、油脂組成物中の脂肪酸のピーク面積の総和を100とした時に30:35〜45:35〜25であり、且つ油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が1:3.5〜4.5となる。すなわち、油脂組成物中における飽和脂肪酸の比率が、脂肪酸組成全体中30%、一価不飽和脂肪酸の比率が、油脂組成物全体中35〜45%、多価不飽和脂肪酸の比率が、脂肪酸組成全体中25〜35%となり、且つ、多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸の比が1:3.5〜4.5を満足することができる。また、5%より少なければ、風味改善効果が顕著でない場合があり、10%を超えると、上記記載の飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比や多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比を所望の比に調整するのが困難な場合がある。
【0019】
本発明における油脂組成物中の脂肪酸組成として、飽和脂肪酸としては、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等のC8〜C24の直鎖脂肪酸が例示でき、一価不飽和脂肪酸としては、デセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、イコセン酸、ドコセン酸、テトラコセン酸等のC10〜C24の直鎖脂肪酸が例示でき、多価不飽和脂肪酸としては、ヘキサデカトリエン酸、ヘクサデカテトラエン酸、ヘプタデカジエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、オクタデカテトラエン酸、イコサジエン酸、イコサトリエン酸、イコサテトラエン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のC16〜C22の直鎖脂肪酸が例示できる。
【0020】
ここでFID恒温ガスクロマトグラフ法とは、「社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1−1996脂肪酸組成」に記載された方法である。試料の調整は、「社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1−1996脂肪酸組成」に記載された方法に従い、油脂組成物中の脂肪酸部分をメチルエステル化し、それを上記方法にて分離、定量し、各脂肪酸組成を同定する。本発明における脂肪酸組成においては、上記方法にて得られるクロマトグラム上のピーク面積百分率を試料中の各脂肪酸の重量百分率と考える。
【0021】
油脂組成物中の成分比が、上記のような比率になれば、酸化安定性の悪いα−リノレン酸を含有する油脂を用いても、風味が損なわれず、更には、栄養所要量として望ましい脂肪酸摂取比率を満足する油脂組成物を得ることができる。
【0022】
また本発明において、米由来の食用油脂として未硬化の米油に加えて硬化米油を使用することが望ましい。この理由は、米油の脂肪酸組成は1価不飽和脂肪酸(オレイン酸)が約43%、n−6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸)が約36%と大半を占めているので、水素添加によってリノール酸含量を低減し、飽和脂肪酸と1価不飽和脂肪酸の含量を高めた硬化米油を使用した方が、目的である厚生労働省推奨の脂肪酸摂取比率(飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の重量比=30:40:30,n−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸の重量比=1:4)に調整しやすいからである。
【0023】
本発明における硬化米油は、その製法など特に限定は無いが、ニッケル等の触媒を使用する常法の水素添加により製造することができる。硬化米油の脂肪酸組成において、リノール酸の含量が30%以下になるまで水素添加することが望ましい。その理由として、リノール酸の含量が30%を越えるようでは、前記の望ましい脂肪酸摂取比率を満足することが困難な場合があるからである。また、水素添加により発生するトランス酸については、栄養学的に飽和脂肪酸と同様な働きがあるということから、トランス酸の分量は、飽和脂肪酸量に含めた。
【0024】
本発明には上記油脂の他にも一般的な食用油脂を用いることが出来る。例えば、大豆油、なたね油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、パーム油、綿実油等の植物油、牛脂、ラード等の動物油脂、また、これらの混合油、硬化油、分別油、ランダムエステル交換反応の単独・複数処理を行った油脂等を、1種又は、2種以上用いることが出来る。
【0025】
更に、マーガリンの製造時など本発明の油脂組成物の温度が下がる場合に、生成する結晶が大きくなりにくくしたり、結晶が生成しにくくする等の結晶調整効果を目的にポリグリセリン脂肪酸エステルやモノグリセリン脂肪酸エステル等の各種食用乳化剤を使用してもかまわない。
【0026】
また、本発明の油脂組成物においては、フライ性機能向上目的でシリコーン、酸化安定性付与の目的でトコフェロール、カテキン類等の酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。
【0027】
また、スプレー油においては、酸化安定性付与目的でトコフェロール、カテキン類等の酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、その他、栄養強化を目的とした、ビタミン類例えば、ビタミンA,D,E等を少なくとも1種以上添加しても良い。上記以外の原材料としては、マーガリンやファットスプレッドなどの通常の油中水型エマルジョンに使用されるビタミンEなどの酸化防止剤、カロチンなどの着色剤等が全て使用可能である。
【0028】
本発明の油脂組成物の製造法を次に示す。所定量の米由来の食用油脂に、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を所定の量添加し、所定の温度で混合・溶解し、一定時間攪拌する事で、所望の油脂組成物を得た。
【0029】
また、本発明の油脂組成物を用いて、油中水型乳化物、或いは、水中油型乳化物を製造することが出来る。油中水型乳化物を製造する際には、上記、油脂量に特に制限はなく、通常の油中水型油脂組成物と同様の方法で製造することが出来る。その際、各種香料、全脂粉乳、脱脂粉乳、発酵乳、乳脂肪などの各種乳関連物質、天日塩や岩塩などの各種塩類等を呈味材として水相中に添加することができる。例えば、所定の温度で1種または2種以上の油脂を配合し、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等の添加物を添加し、油相を作製する。この油相に対し、水に所定量の食塩や脱脂粉乳等を溶かした水相を添加し、所定温度に調節し、プロペラミキサーにて撹拌混合して、エマルジョンを作製する。その後、パーフェクター、コンビネーター、ボテーター等の連続式熱交換機を用いて、急冷捏和することで油中水型油脂組成物を製造することができる。
【0030】
水中油型乳化物においても油脂量に特に制限はなく、通常の水中油型油脂組成物と同様の方法で製造することが出来る。例えば、所定の温度に水を温調し、所定量の食塩や脱脂粉乳等を添加し、水相を作製する。この水相に対し、1種または2種以上の油脂を配合し、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等の添加物を添加して作製した油相を所定量添加する。これを所定温度に調節し、プロペラミキサーにて撹拌混合して、水中油型エマルジョンを作製する。その後、UHT殺菌機で高温短時間殺菌を行い、更に、真空冷却、ホモジナイザーによる均質化後、冷却することで水中油型油脂組成物を製造することが出来る。なお、冷却工程は加圧晶析等の手法により冷却後のエージング時間を短縮することも可能である。
【0031】
本発明の油脂組成物は、一般に食用油脂を用いる種々の食品の製造に供することが可能である。例えば、製パン・製菓用材料としてのマーガリン、ショートニング、クリーム等が挙げられ、又これらを用いたパン、パイ、クッキー、ビスケット、ケーキ、ムース等の製品、ポテトチップスやかりんとうなどの油ちょう製品、ミルクセーキや濃縮乳などの飲料、ホワイトソース、カレー、ルーなどのソース類、即席ラーメンなどの乾麺、などが挙げられるが、これに限定されず、各種食品に使用可能である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載に於いて、「部」、「%」は全て「重量部」、「重量%」を意味する。
【0033】
実施例及び比較例で使用した食用油脂の脂肪酸組成を表1に示す。なお、脂肪酸分析には、FID恒温ガスクロマトグラフ法(社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」、2.4.2.1脂肪酸組成)に則り、測定した。なお、脂肪酸分析値の0.5%未満の脂肪酸成分は切り捨てた。
【0034】
【表1】
【0035】
硬化米油の製造方法は常法による水素添加反応であり、未硬化の米油に対してニッケル触媒を0.1%添加して180℃で0.1Mpaの水素圧力下において水素添加反応を行い、ヨウ素価60、融点40℃の硬化米油を得た。硬化米油はニッケル触媒を除去した後、水蒸気蒸留による常法の脱臭を行い食用油脂とした。
【0036】
(実施例1)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物1を得た。
【0037】
(実施例2)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)16部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部、硬化大豆油(沃素価67.7)10部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、脂組成物2を得た。
【0038】
(実施例3)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)2部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)7部、硬化大豆油(沃素価67.7)25部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物3を得た。
【0039】
(比較例1)
米油(沃素価105.6)30部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)5部、大豆油(沃素価125.7)15部、パーム油(沃素価51.6)43部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物4を得た。
【0040】
(比較例2)
米油(沃素価105.6)40部、エゴマ油(沃素価189.2)8部、大豆油(沃素価125.7)10部、パーム油(沃素価51.6)42部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物5を得た。
【0041】
(比較例3)
エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)20部、硬化大豆油(沃素価67.7)38部、コーン油(沃素価123.7)35部の比率の油脂を65℃で混合・溶解した後、20分間撹拌を行い、油脂組成物6を得た。
【0042】
実施例1〜3と比較例1〜3で得られた油脂組成物1〜6を用いて、フライテストを行い、ポテトチップスの風味を評価した。油脂組成物1〜6の油脂配合と脂肪酸組成を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
フライテストは、油脂組成物1〜6(表2)をそれぞれ電気フライヤーに1000g採取し、油温180℃に加熱し、ジャガイモを3mmの厚さにスライスしたものをフライ種として投入し、60秒間フライしたポテトチップスを5名のパネラーにより、次の評価基準で風味を評価した。その際、5人の平均点を四捨五入した。「ポテトチップスの風味評価基準」は、フライ後のポテトが、5点=異臭なく、美味しい、4点=少し異臭あり、3点=異臭あり、2点=異臭がやや強い、1点=異臭が強く美味しくない、であった。このようにして評価した結果を表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
これからわかるように、パネラー評価の結果、実施例1〜3の米油の含有率が60%以上のポテトチップスの風味は5点であり、エゴマ油を5〜10重量%配合しても、加熱時の臭気やポテトチップスの風味は良好であることがわかる。
【0047】
それに対し、比較例1〜2の米油の配合比率が60%未満で、エゴマ油の配合比率が5〜10%ではポテトチップスの風味が少し劣るものであった。また、米油を全く含まない比較例3は、更に大きく風味が劣っていた。
【0048】
以上の様に、米油が60%を超え、且つエゴマ油の配合比率が5〜10%でも、風味良好な油ちょう製品が得られた。
【0049】
(実施例4)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率からなる調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加し、油相を作製した。この油相83部に対し、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、約60℃に調温し、プロペラミキサーにて撹拌した後、常法通り掻き取り式連続急冷捏和装置にて急冷捏和してマーガリンAを作製した。
【0050】
(実施例5)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)16部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部、硬化大豆油(沃素価67.7)10部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンBを作製した。
【0051】
(実施例6)
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)2部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)7部、硬化大豆油(沃素価67.7)25部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンCを作製した。
【0052】
(比較例4)
米油(沃素価105.6)35部、エゴマ油(沃素価189.2)6部、なたね油(沃素価115.1)18部、硬化大豆油(沃素価67.7)26部、極度硬化なたね油(沃素価0.2)3部、コーン油(沃素価123.7)12部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンDを作製した。
【0053】
(比較例5)
米油(沃素価105.6)25部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)14部、硬化大豆油(沃素価67.7)20部、パーム油(沃素価51.6)16部、コーン油(沃素価123.7)18部の比率に油脂を調合した以外は、実施例4と同様の配合及び操作により、油相を調整し、さらに水相を添加して、マーガリンEを作製した。
【0054】
実施例4〜6と比較例4〜5で得られたマーガリンA〜Eの油脂配合と脂肪酸組成を表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
これらのマーガリンA〜Eを5℃で温調保存し、それによる風味の劣化状態(風味の保存安定性)を、下記の基準に従って、5人のパネラーによる官能テストにより評価した。その際、5人の評価の平均点を四捨五入した。
【0057】
「マーガリンの風味評価基準」は、3ヶ月または、6ヶ月保存後のマーガリンが、5点:異臭なく、美味しい、4点:少し異臭を感じる、3点:異臭を感じる、2点:やや強く異臭を感じる、1点:強く異臭を感じる、であった。上記基準に従い評価した結果を表5に示した。
【0058】
【表5】
【0059】
これからわかるように、パネラー評価の結果、実施例4〜6は、保存期間が長期になっても、劣化による異臭が感じられず、非常に良好であった。それに対し、比較例4〜5は、保存期間が長期になると劣化による異臭を感じ、保存性が悪いものであった。
【0060】
(実施例7) クリームの作製
米油(沃素価105.6)59部、硬化米油(沃素価60.0)26部、エゴマ油(沃素価189.2)7部、なたね油(沃素価115.1)8部の比率で混合・溶解・撹拌を行い、調合油を得た。この調合油30部を70℃に温調後、レシチン0.1部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.1部を順次溶解して、油相部を作製した。
【0061】
アルブミン態タンパク質1部、脱脂乳60部を50℃まで加温し、ショ糖エステル0.1部及びグラニュー糖10部を添加して、水相部を調整した。
【0062】
調整した水相部と油相部を予備乳化した後、UHT殺菌機にて145℃で4秒間殺菌した。次いで真空冷却した後、均質化機により90kg/cm2の圧力で均質化し、更に10℃までプレート冷却して水中油型油脂組成物であるクリームを得た。得られたクリームの風味、食感とも非常に良好であった。
【0063】
(実施例8) ビスケットの作製
薄力粉100部、実施例4のマーガリンA35部、上白糖40部、全卵5部、塩0.5部及び水18部からなる配合で、常法に従いビスケットを作製した。ビスケットの風味、食感とも非常に良好であった。
【0064】
【発明の効果】
本発明は加熱時の異臭や風味的に劣るα−リノレン酸を50重量%以上含有する油脂を10重量%以下配合しても、60重量%を超え、且つ、85重量%以下の米由来の食用油脂を配合することにより、風味良好な油脂組成物が実現可能となった。
Claims (8)
- 油脂組成物全体中、α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂を10重量%以下と、60重量%を超え、且つ、85重量%以下の米由来の食用油脂を含有してなる油脂組成物。
- α−リノレン酸の含有量が50重量%以上である油脂の量が5〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の油脂組成物。
- 油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が30:35〜45:35〜25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油脂組成物。
- 油脂組成物において、FID恒温ガスクロマトグラフ法に則り、測定した多価不飽和脂肪酸中のn−3系多価不飽和脂肪酸:n−6系多価不飽和脂肪酸のピーク面積比が1:3.5〜4.5であることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の油脂組成物。
- 米由来の食用油脂として硬化米油を用いることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の油脂組成物。
- 請求項1〜5の油脂組成物を用いてなる油中水型油脂組成物。
- 請求項1〜5の油脂組成物を用いてなる水中油型油脂組成物。
- 請求項1〜7何れかに記載の油脂組成物を用いてなる食品。
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