JP5464950B2 - 加熱調理用油脂 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理時の臭気が改善された油脂に関する。
天ぷら・フライ等の加熱調理時には、加熱された油脂から種々の揮発性成分が発生し、臭気(加熱臭)となる。加熱臭が強くなると不快感やいわゆる「油酔い」をひき起こすなど環境上好ましくない。このような油脂の加熱臭を改善するために、従来、精製工程での工夫がなされてきた。例えば、脱色時の脱色剤の増量で油脂中に混入している微量成分をより吸着する方法あげられるが、これは収量低下やろ過速度の低下を招くデメリットがあった。また、水蒸気蒸留(脱臭)をより高温下で長時間行う方法では、保存性の低下、着色等のデメリットがあった。そして、これらの方法では加熱臭を改善する効果は十分ではなかった。
また、分別、水素添加、エステル交換等による油脂の物性改質は広く知られているところであるが、加熱調理時の臭気改善についても若干の知見が存在する。水素添加においては水添臭と呼ばれる特有の風味が油脂に付き、一般的には好まれるところではなかった。特許文献1には、リパーゼによるエステル交換により、パーム油臭や水添臭が消失あるいは非常に弱められたサラダ油を得られることが記載されており、特許文献2には、リパーゼ粉末を油脂に分散処理することによる加熱臭を低減した油脂の製造方法が記載されているが、これらの方法においても加熱臭を改善する効果は十分ではなかった。
また、油脂に胡麻油等の香味油またはフレーバーを添加することにより、加熱調理食品に風味付けをすることも良く知られたことであり、副次的に加熱調理時の不快な加熱臭の改善が成される場合があるが、あくまで加熱調理食品の風味付けが目的であり、加熱臭改善の持続効果に乏しいものであった。
従って、加熱調理時に発生する加熱臭の改善は、今なお十分に解決されていない課題である。
特開平4−66052号公報 特開平11−127884号公報
加熱調理時に発生する不快な臭気が改善された油脂を開発することが、本発明の課題である。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、一般的には好まれない臭気である水添臭を誘引するトランス脂肪酸含量を特定量とし、さらに米油を特定量含有させることによって、意外なことに、加熱調理時に発生する諸々の不快な臭気が改善された油脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明第1の発明は、米油を0.1〜40質量%及びパーム系油脂を30〜99.9質量%含有し、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有する加熱調理用油脂(ただし、米油25部、エゴマ油7部、なたね油14部、硬化大豆油20部、パーム油16部、コーン油18部の比率からなりトランス脂肪酸含量が8.0重量%である調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加した油相83部に、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、急冷捏和して得られるマーガリンを除く)である。
本発明第2の発明は、本発明第1の発明の加熱調理用油脂が、部分水素添加油を含有するものである。
本発明第3の発明は、本発明第1の発明又は第2の発明の加熱調理用油脂に含有される米油が、γ−オリザノールを0.2質量%以上含有するものである。
本発明第4の発明は、本発明第1の発明〜第3の発明の何れかの加熱調理用油脂を用いて加熱調理された食品である。
本発明第5の発明は、油脂中に米油を0.1〜40質量%、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有させることによる油脂の加熱調理における臭気改善方法である。
本発明第6の発明は、油脂中に米油を0.1〜40質量%、パーム系油脂を30〜99.9質量%、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有するように調製する加熱調理用油脂(ただし、米油25部、エゴマ油7部、なたね油14部、硬化大豆油20部、パーム油16部、コーン油18部の比率からなりトランス脂肪酸含量が8.0重量%である調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加した油相83部に、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、急冷捏和して得られるマーガリンを除く)の製造方法である。
本発明の油脂を加熱調理に使用することにより、加熱調理時に発生する不快な臭気が大幅に改善されるので、調理作業場の環境改善に役立ち、また、嗜好性の高い加熱調理食品を提供することができる。
特に、パーム系油脂を含有する油脂を使用した場合の加熱調理時の加熱臭を顕著に改善することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の加熱調理用油脂は、米油を0.1〜40質量%含有する。米油(米胚芽油)は米糠より得られる油脂であり、米糠油とも呼ばれる。米油としては特に限定されるものではないが、γ−オリザノール含量の高いものが好ましい。例えば、日清オイリオグループ社製、商品名:日清おいしい米油(分析例:γ−オリザノール192mg/14g)が好適に使用できる。米油のγ−オリザノール含量は、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましく、0.7質量%以上であることが更に好ましく1.0質量%以上であることが最も好ましい。γ−オリザノール含有量が0.2質量%以上である米油を使用すると、米油の配合量が少量であっても加熱臭改善効果が大きいので好ましい。米油のγ−オリザノール含量の上限値は特に規定されるものではないが、実際上の産品としては2.0質量%が上限である。
本発明の加熱調理用油脂は、米油を0.5〜40質量%含有することが好ましく、0.5〜30質量%含有することがより好ましく、0.5〜20質量%含有することが更に好ましく、1〜20質量%含有することが最も好ましい。
本発明の加熱調理用油脂は、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を0.5〜12質量%含有する。トランス脂肪酸は、自然界においては牛脂、乳脂等に数%含有されており、また、油脂の精製時(特に脱臭工程時)に高温に晒されることによっても生成することが知られているが、主には液体油脂に可塑性を付加するために採られる水素添加反応によって多量に生成する。トランス脂肪酸の由来は特に限定するものではないが、トランス脂肪酸を含有する部分水素添加油を配合することにより調整することが、製造上合理的であり好ましい。
トランス脂肪酸を含有する部分水素添加油は、動植物油脂、例えば、大豆油、低リノレン酸大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、胡麻油、米油、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、牛脂、豚脂等、及び、それらの分別油、混合油、エステル交換油等を、部分水素添加することにより得られる。特に、部分水素添加油は菜種油、大豆油、綿実油及びコーン油から選ばれた1種以上の油脂の部分水素添加油であることが好ましい。
水素添加は常法に従って行えばよく、例えば、ニッケル触媒の下、水素圧0.02〜0.3Mpa、160〜200℃の条件にて、5分〜2時間反応することにより行うことができる。反応終了後は、触媒をろ過にて取り除いた後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
部分水素添加油は、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を20〜70質量%含有することが好ましく、25〜60質量%含有することがより好ましく、30〜50質量%含有することが最も好ましい。部分水素添加油のトランス脂肪酸含量が上記の範囲にあると、水添臭が適度であり、加熱調理用油脂中のトランス脂肪酸含量の配合調整が容易となり好ましい。加熱調理用油脂中の部分水素添加油の含量は部分水素添加油中のトランス脂肪酸含量によって異なるが、0.1〜50質量%含有されることが好ましく、0.5〜30質量%含有されることがより好ましく、0.5〜20質量%含有されることが更に好ましく、1〜20質量%含有されることが最も好ましい。
また、近年トランス脂肪酸と心疾患との因果関係が明らかになってきたことを考慮すると、油脂中のトランス脂肪酸含量は低い方が好ましいが、本発明の加熱調理用油脂は、トランス脂肪酸を0.5〜11質量%含有することが好ましく、0.5〜10質量%含有することがより好ましく、1〜10質量%含有することが更に好ましく、2〜10質量%含有することが最も好ましい。
なお、トランス脂肪酸含量の分析は、AOCS Ce1f−96に準拠してガスクロマトグラフィー法で行うことができる。
本発明の加熱調理用油脂は、米油を0.1〜40質量%含有し、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を0.5〜12質量%含有するという条件を満たせば、加熱調理用油脂のベースとなる油脂として、如何なる食用油脂も使用できる。例えば、大豆油、低リノレン酸大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、胡麻油、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、牛脂、豚脂等、及び、それらの分別油、混合油、エステル交換油等が使用できる。より具体的には、菜種油をベースに米油と大豆部分水素添加油とを調合する組み合わせや、パーム油をベースに米油と菜種部分水素添加油とを調合する組み合わせ等が挙げられる。
本発明の加熱調理用油脂のベースとなる油脂としては、特にパーム系油脂を含有することが好ましい。本発明でいうパーム系油脂とは、パーム油及びパーム油の分別油であれば何れでもよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)等、及びそれらの混合油、エステル交換油等が例示できる。本発明の加熱調理用油脂のベースとなる油脂としてパーム系油脂を含有すると、パーム系油脂を使用して加熱調理する際に発生する独特の刺激臭が緩和され臭気改善効果が顕著に得られるので好ましい。本発明の加熱調理用油脂におけるパーム系油脂の含量は、30〜99.9質量%であることが好ましく、50〜99.8質量%であることがより好ましく、70〜99質量%であることが更に好ましく、70〜98質量%であることが最も好ましい。
本発明の加熱調理用油脂の好ましい態様の1つとしては、パームオレイン等の20℃で液状のパーム系油脂をベース油として、米油及び菜種部分水素添加油または大豆部分水素添加油を調合した油脂が挙げられる。パーム系油脂を使用して加熱調理する際に発生する独特の刺激臭が緩和され、作業環境が改善されるとともに、該加熱調理用油脂を使用してフライしたナゲット、ポテト等のフライ類は、独特の好ましい風味を有し嗜好性が高いものである。また、該加熱調理用油脂を生地に使用して焼き上げたマフィン等のケーキは独特の好ましい風味を有し嗜好性が高いものである。
本発明の加熱調理用油脂のまた別の好ましい態様の1つとしては、パーム油、パームステアリン、パームミッドフラクション等の20℃で固体状のパーム系油脂をベース油として米油及び菜種部分水素添加油または大豆部分水素添加油を調合した油脂が挙げられる。パーム系油脂を使用して加熱調理する際に発生する独特の刺激臭が緩和され、作業環境が改善されるとともに、該加熱調理用油脂を使用して調理したドーナツ、フライビーンズ等のフライ類は、独特の好ましい風味を有し嗜好性が高いものである。
本発明の加熱調理用油脂は、米油を0.1〜40質量%含有し、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を0.5〜12質量%含有する油脂であり、典型的には上記説明の米油と部分水素添加油とを上記説明の加熱調理用油脂のベースとなる油脂と混合し、米油含量とトランス脂肪酸含量とを調整することによって製造することができる。例えば、米油とトランス脂肪酸含量が40質量%の部分水素添加油を使用する場合、米油を0.1〜40質量%、部分水素添加油を1.3質量%〜30質量%配合し、残余をベース油で調整して100質量%とすればよい。米油の部分水素添加油を使用する場合は、米油の部分水素添加油が米油とトランス脂肪酸との双方の供給源に該当することを注意すればよい。
米油含量とトランス脂肪酸含量とは、0.5:9.5〜9.5:0.5の含量比(質量比)を満たすことが好ましく、1:9〜9.5:0.5を満たすことがより好ましく、2:8〜9:0.5を満たすことが最も好ましい。米油含量とトランス脂肪酸含量とが上記含量比にある場合、部分水素添加油由来の水添臭に対しての不快感がほとんどなく、むしろ好ましい臭気と感じられるようになるので好ましい。
本発明はまた、上記加熱調理用油脂の製造方法とともに、加熱調理用油脂に米油を0.1〜40質量%、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を0.5〜12質量%含有させることで、加熱調理時に発生する臭気を改善する方法を提供するものである。
本発明の加熱調理用油脂は、必要に応じて通常の加熱調理用の油脂に用いられる添加剤(乳化剤、酸化防止剤、色素等)を適宜配合することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリソルベート、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、オリザノール、ステロール、ステロール脂肪酸エステル、シリコーン、トコフェロール及びレシチン等が挙げられる。
本発明の加熱調理用油脂は、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷら等の揚げ物や炒め物等の加熱調理に好適に用いることができる。また、食材にスプレーしてオーブン加熱等する加熱調理にも好適に用いることができる。
また、本発明の加熱調理用油脂は、可塑性、乳化性等の加工性を付与することで、製菓製パン等で使用する焼成用フィリングやコーテイング、または、ケーキ等の焼成用生地に配合することができる。
本発明の加熱調理食品は、本発明の加熱調理用油脂を用いて加熱調理された食品であることを特徴とする。本発明の加熱調理食品の具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げ、カツ、コロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、ピロシキ、炒め物、天板焼き、せんべい、あられ、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、フライビーンズ、バターピーナツ、焼きカレーパン、スナック菓子、マフィン、マドレーヌ、シフォンケーキ等が挙げられる。
本発明の加熱調理食品は、本発明による加熱調理用油脂を用いること以外は、使用する素材や特別な条件を必要とせず、常法により製造することができる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。但し、以下の実施例のうち、実施例5、実施例11、実施例12は、参考例である。
以下の試験用油脂を用いて表1〜4に示した配合にて、実施例1〜12、比較例1〜5及び対照油脂1〜5を調製した。
<試験用油脂>
パーム油 (商品名:精製パーム油(S)、日清オイリオグループ株式会社
製、トランス脂肪酸含量0.3質量%)
大豆油 (商品名:大豆白絞油(S)、日清オイリオグループ株式会社製、
トランス脂肪酸含量1.8質量%)
米油A (商品名:日清おいしい米油、日清オイリオグループ株式会社製、
トランス脂肪酸含量1.6質量%、γ−オリザノール含量1.5
質量%)
米油B (脱蝋した米原油を、アルカリ脱酸、脱色、脱臭した。トランス脂
肪酸含量1.8質量%、γ−オリザノール含量0.2質量%)
菜種部分水素添加油 (商品名:菜種硬化油34℃、日清オイリオグループ株式会社製、
トランス脂肪酸含量43.1質量%)
大豆部分水素添加油 (商品名:大豆硬化油34℃、日清オイリオグループ株式会社製、
トランス脂肪酸含量38.0質量%)
実施例1〜7及び比較例1〜4は対照油脂1を、実施例8は対照油脂2を、実施例9は対照油脂3を、実施例10は対照油脂4を、そして、実施例11〜12及び比較例5は対照油脂5を基準として、加熱臭の評価を行った。加熱臭は、200ml容のビーカーに調製した油脂を100g量りとり、180℃に加熱した時の臭気を以下に示した評価基準に従って5人のパネラーによって評価し、その評点の平均値を採った。表1〜4に、油脂配合、米油及びトランス脂肪酸含量、加熱臭改善効果の評価結果を纏めた。

<加熱臭改善効果の評価基準>
対照油脂と比較して、 非常に好ましい 5
好ましい 4
やや好ましい 3
どちらでもない 2
不快感が増すなどマイナス 1
Figure 0005464950
*加熱臭改善効果の評価以外、数値の単位は質量%
Figure 0005464950
*加熱臭改善効果の評価以外、数値の単位は質量%
Figure 0005464950
*加熱臭改善効果の評価以外、数値の単位は質量%
Figure 0005464950
*加熱臭改善効果の評価以外、数値の単位は質量%
(調理評価1)
パームミッドフラクション(日清オイリオグループ株式会社社内調製品、ヨウ素価45、トランス脂肪酸含量0質量%)90質量部、米油A5質量部及び菜種部分水素添加油5質量部を混合し、実施例13(米油含量5質量%、トランス脂肪酸含量2.2質量%)とした。対照油脂6としてパームミッドフラクション単品を用いて、予め湯せんして渋皮を剥き水切りしたピーナッツを、180℃で8分間フライ調理し、フライ後、塩とバターを絡めて、実施例13のバターピーナッツ及び対照油脂5のバターピーナッツを得た。
フライ調理中、対照油脂5はパーム系油脂特有の刺激臭を発していたのに対して、実施例13の油脂からは刺激臭を殆ど感じず、甘いような好ましい臭いが感じられた。また、実施例13の油脂でフライして得られたバターピーナッツは、風味豊かであり嗜好性が高いものであった。
(調理評価2)
実施例2及び対照油脂1の油脂を用いて、市販のから揚げ粉(日清製粉株式会社製)100質量部に対してガラムマサラを5質量部加えたものを適量塗付したとりもも肉を、180℃でフライし、実施例2及び対照油脂1のフライドチキンを得た。
フライ調理中、対照油脂1はパーム系油脂特有の刺激臭を発していたのに対して、実施例2の油脂からは刺激臭を殆ど感じず、甘いような好ましい臭いが感じられた。また、実施例2の油脂でフライして得られたフライドチキンは香味が効いた嗜好性が高いものであった。
(調理評価3)
パームオレイン(日清オイリオグループ株式会社社内調製品、ヨウ素価65、トランス脂肪酸含量0.6質量%)80質量部、米油A15質量部及び菜種部分水素添加油5質量部を混合し、実施例14(米油含量15質量%、トランス脂肪酸含量2.7質量%)とした。対照油脂7としてパームオレイン単品を用いて、実施例14の油脂と対照油脂7のそれぞれを使用したマドレーヌ(配合、作り方は表5参照)を作製した。
Figure 0005464950

実施例14の油脂を使用したマドレーヌは、焼成後オーブンを開けた時の臭いが、対照油脂7と比較して好ましかった。また、焼成したマドレーヌも風味豊かでコク味が感じられ、嗜好性の高いものであった。
本発明の油脂を加熱調理に使用することにより、加熱調理時に発生する不快な臭気が大幅に改善されるので、調理作業場の環境改善に役立ち、また、嗜好性の高い加熱調理食品を提供することができる。

Claims (6)

  1. 米油を0.1〜40質量%及びパーム系油脂を30〜99.9質量%含有し、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有することを特徴とする加熱調理用油脂(ただし、米油25部、エゴマ油7部、なたね油14部、硬化大豆油20部、パーム油16部、コーン油18部の比率からなりトランス脂肪酸含量が8.0重量%である調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加した油相83部に、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、急冷捏和して得られるマーガリンを除く)。
  2. 部分水素添加油を含有することを特徴とする請求項1記載の加熱調理用油脂。
  3. 米油がγ−オリザノールを0.2質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理用油脂。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の加熱調理用油脂を用いて加熱調理された食品。
  5. 油脂中に米油を0.1〜40質量%、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有させることによる油脂の加熱調理における臭気改善方法。
  6. 油脂中に米油を0.1〜40質量%、パーム系油脂を30〜99.9質量%、構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を1〜10質量%含有するように調製することを特徴とする加熱調理用油脂(ただし、米油25部、エゴマ油7部、なたね油14部、硬化大豆油20部、パーム油16部、コーン油18部の比率からなりトランス脂肪酸含量が8.0重量%である調合油にグリセリン脂肪酸エステル0.1部、大豆レシチン0.1部、βカロチン0.001部を添加した油相83部に、脱脂粉乳1部を水16部に溶解した水相17部を添加し、急冷捏和して得られるマーガリンを除く)の製造方法。
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