JP2004234821A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子情報の記録/再生用のレーザ装置を用いて、低出力のレーザ照射で、媒体に記録された電子情報に熱的影響等を及ぼすことなく、レーベル面側に可視情報を記録することができる光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、反射層103と、保護層104と、可視情報記録層105と、最外層を形成するオーバーコート層106と、を有し、レーベル面側から照射される光に対する反射率が15以上、50%以下である光情報記録媒体100は、レーベル面側から照射される低出力レーザ光のフォーカシングが良好に行われ、可視情報記録層105に可視情報が良好に記録される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光情報記録媒体に関し、より詳しくは、電子情報が光学的に記録/再生されると共に、レーベル面側に、低出力レーザ光を用いて可視情報が良好に記録される光情報記録媒体に関する。
多くの情報を記録、保存、書き換えするための電子情報記録媒体は、近年、コンピューター周辺機器としての重要性が益々高まっている。中でも、レーザ光を用いて記録、再生を行う光情報記録媒体は、高密度の情報記録、保存、再生が可能なことから、大容量記録媒体として注目されている。このような光情報記録媒体の例としては、CD−RW、DVD−RW等に代表される相変化型光学記録媒体、CD−R、DVD−Rに代表される有機色素系光学記録媒体等が挙げられる。
このような光情報記録媒体に記録された電子情報の内容は、光学的に再生することにより確認できるが、一方、この電子情報の内容を可視情報として媒体表面に表示することは、情報管理上重要なことである。このような表示方法としては、従来から、例えば、媒体のレーベル面(電子情報を記録する面とは反対側の面)に、インクジェットプリンター、感熱プリンターにより、電子情報の内容を印刷記録する方法、電子情報の内容を記録したラベル等を貼り付ける方法等が採用されている。又、最近では、レーザ光により媒体のレーベル面側に可視情報を記録する方法が報告され(特許文献1、特許文献2参照)、媒体に機械的な影響を及ぼすことなく可視情報の記録を行える方法として期待されている。
特開2000−173096号公報 特開2001−283464号公報
ところが、前述した特許文献1又は特許文献2により報告されたレーザ光により媒体のレーベル面側に可視情報を記録する方法には、以下のような問題がある。即ち、レーザ光により媒体のレーベル面側に可視情報を記録する方法は、熱による反応、融解、析出等の変化を利用することから、過度のレーザ照射は、媒体に記録された電子情報に熱的影響等を及ぼすことになるため、照射方法には十分な注意を払う必要がある。このため、このような媒体への熱的影響を低減するためには、低出力のレーザ光を用いる必要がある。このような低出力のレーザ光を用いる場合は、可視情報を記録する層(可視情報記録層)に低出力のレーザ光を集光することにより、レーザ光のエネルギーを効率よく集中させることが有効であるが、そのためには、フォーカスサーボをかけることが必要とされる。
この場合、レーザ光を安定的にフォーカシングするために、レーベル面側から照射されたレーザ光が反射された反射光の光量を十分確保することが必要となる。通常、可視情報記録層のレーザ光の吸収率を上げると、低パワーのレーザ光を照射した場合でも、可視情報記録層に良好な記録が可能となるが、レーベル面側から照射されたレーザ光に対する反射率が低下して、安定的なフォーカシングが困難になる。一方、可視情報記録層のレーザ光の吸収率を下げると、レーベル面側から照射されたレーザ光に対する反射率を上げることは可能であるが、低パワーのレーザ光を照射して、可視情報記録層に良好な記録を行うことが困難になる。
本発明は、このような低出力レーザ光により光情報記録媒体のレーベル面側に形成された可視情報記録層に可視情報を記録する際に浮き彫りになった技術的課題を解決すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、低出力レーザ光をにより、媒体に記録された電子情報に悪影響を及ぼすことなく、レーベル面側に可視情報が記録される光情報記録媒体を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明が適用される光情報記録媒体は、レーベル面側から照射されたレーザ光に対する反射率が、一定の範囲になるように形成されている。即ち、本発明が適用される光情報記録媒体は、基板と、基板上に直接又は他の層を介して設けられ、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を備え、レーベル面側から照射された光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とするものである。
さらに、本発明が適用される光情報記録媒体は、記録再生用の案内溝及び/又はピットを有する基板と、基板上に、少なくとも、当該基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、電子情報記録層上に形成される反射層と、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を順次有する光情報記録媒体であって、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とするものである。
また、可視情報記録層は、可視情報記録層のレーベル面側に、オーバーコート層が形成されていることを特徴とすることができる。この場合、オーバーコート層は、オーバーコート層の厚さの下限が10μmであり、上限が100μmの範囲に形成されていることが好ましい。また、可視情報記録層は、可視情報記録層に照射されたレーザ光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により構成されていることを特徴とするものである。さらに、可視情報記録層は、可視情報記録層の少なくとも片側に反射層が形成されていることが好ましい。この場合、可視情報記録層と反射層とは接していても良く、又は、可視情報記録層と反射層との間に光を透過する任意の層を設けても良い。
また、本発明は、基板と、基板上に直接又は他の層を介して設けられ、基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、電子情報記録層の基板側とは反対側に形成される反射層と、反射層の基板側とは反対側に形成される保護層と、を有する光情報記録媒体であって、保護層の基板側とは反対側に形成され、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、可視情報記録層のレーベル面側に、光透過性の材料により形成されたオーバーコート層と、を備え、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とする光情報記録媒体としてとらえることができる。尚、本発明が適用される光情報記録媒体において、「可視情報」とは、文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報であり、「電子情報」とは、デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報を意味する。
本発明によれば、低出力レーザ光の照射により、レーベル面に可視情報が記録される光情報記録媒体が提供される。
以下、図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態と称す)が適用される光情報記録媒体について詳述する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第1の実施形態の構造を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体100は、基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、電子情報記録層102のレーザ光107が入射する側と反対側に接して設けられた反射層103と、保護層104と、可視情報記録層105と、最外層を形成するオーバーコート層106と、が順次積層された構造を有している。
図1に示すように、光情報記録媒体100に備えられた電子情報記録層102は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板101を介して入射したレーザ光107により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層105は、例えば、この光情報記録媒体100を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側からオーバーコート層106を介して照射されるレーザ光108により可視情報が記録される。また、レーザ光108の一部は、可視情報記録層105の下側(基板101側)に設けられた反射層103により反射され、その反射光109は、レーザ光108を集光するためのフォーカシングに利用される。
基板101は、基本的には電子情報記録層102に対する記録光及び再生光の波長に対して透明な材料により形成される。基板101を形成するための材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂等の高分子材料の他、ガラス等の無機材料が使用される。特に、ポリカーボネート系樹脂は、光の透過性が高く且つ光学的異方性が小さく、さらに、機械的強度が高い等の点で優れているので好ましい。また、耐薬品性、耐吸湿性、光学特性等の点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。
基板101には、例えば、電子情報記録層102に接する面に、記録再生用の案内溝及び/又はピットが設けられ、射出成形等の成形方法によって成形される。このような案内溝及び/又はピットは、基板101の成形時に付与することが好ましいが、例えば、基板101上に紫外線(UV)硬化樹脂を用いて付与することもできる。また、基板101の厚さの下限は通常1.1mm、好ましくは1.15mmであり、厚さの上限は通常1.3mm、好ましくは1.25mmである。
電子情報記録層102は、レーザ光107の照射により電子情報(デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報)が記録可能な材料により形成され、通常、有機物質よりなる記録層又は無機物質よりなる記録層として形成される。尚、電子情報記録層102は、基板101上に直接形成されていても良く、また、必要に応じて、基板101と電子情報記録層102との間に、任意の層を介して形成されても良い。
電子情報記録層102が有機物質よりなる記録層の場合は、主として有機色素が使用される。かかる有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。これらの中でも含金属アゾ系色素、シアニン色素、フタロシアニン色素が好ましい。特に、含金属アゾ系色素は、耐久性及び耐光性に優れているため好ましい。
有機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式成膜法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている湿式成膜法が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面から湿式成膜法が好ましく、スピンコート法が特に好ましい。
電子情報記録層102が無機物質よりなる記録層として形成される場合は、例えば、光磁気効果により記録が行われるTb・Te・CoやDy・Fe・Co等の希土類遷移金属合金が使用される。また、相変化するGe・Te、Ge・Sb・Teのようなカルコゲン系合金も使用し得る。これらの層は、単層であっても良く、2層以上の複層で構成されていても良い。
無機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、電子情報記録層102の厚さは、記録層の種類により異なるが、下限は通常5nm、好ましくは10nmであり、上限は通常500nm、好ましくは300nmである。尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100の電子情報記録層102は、記録/消去が可能な相変化型記録層であっても良い。
反射層103は、電子情報記録層102の、基板101とは反対側に接して設けられ、通常、基板101側から照射されるレーザ光107を基板101側に反射する機能を有する。反射層103は、基板101に記録再生用の案内溝及び/又はピットが設けられている場合は、これと対応した凹凸形状が生じている。
反射層103を形成するための材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いものが挙げられ、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。これらの中でも、Au、Al、Agは、反射率が高く反射層の材料として適している。また、Agを主成分とするものは、コストが安く、反射率が高い等の点から特に好ましい。
反射層103の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、反射層103の厚さの下限は通常30nm、好ましくは50nmであり、上限は通常150nm、好ましくは120nmである。
保護層104は、通常、光透過性の材料により形成され、例えば、紫外線(UV)硬化性樹脂が挙げられる。紫外線(UV)硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料の殆どは、レーザ光透過物質であるため、好適に使用することができる。これらの紫外線(UV)硬化性樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、保護層104は、一層の単層膜でも良く、2層以上の多層膜であっても良い。
保護層104を紫外線(UV)硬化性樹脂により形成する方法としては、通常、紫外線(UV)硬化性樹脂をそのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を反射層103上に塗布し、紫外線(UV)光を照射して硬化させることにより形成することができる。この場合、塗布方法としては、スピンコート法やキャスト法等を採用することができる。また、保護層104は、上述した各種塗布法や、スクリーン印刷法等の各種湿式成膜法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種乾式成膜等により形成することもでき、用いる材料に応じて適宜選択された方法で形成される。中でも湿式成膜法、特にスピンコート法が好ましく、一般的にはスピンコート法が用いられている。また、保護層104の厚さの下限は通常1μm、好ましくは3μmであり、上限は通常15μm、好ましくは10μmである。
可視情報記録層105は、通常、光が照射されることにより、層を構成する記録材料が変色し、その結果、可視情報(文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報)が記録されるものである。可視情報記録層105を構成する記録材料としては、特に限定されないが、可視光の吸収が変化する物質として、大別して、以下のような(a)発色性が変化するタイプと、(b)透明性が変化するタイプとが挙げられる。
(a)発色性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、電子情報の光記録に一般的に用いられる、発色性有機色素が挙げられる。かかる有機色素としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
また、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ色素が挙げられる。ロイコ色素によれば、発色時のコントラストが大きく、また発色に必要な熱量を低く抑えられるため好ましい。
ロイコ色素の具体例としては、例えば、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−2、4−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシジノフルオラン等のフルオラン化合物;クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物等が挙げられる。これらの中でもフタリド化合物が好ましい。
これらのロイコ色素には、必要に応じて電子受容性化合物や、記録用レーザ光を吸収して発熱する色素等が併用される。この場合、電子受容性化合物としては、炭素数6以上の脂肪族基を有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノール化合物等が挙げられる。好ましくは、フェノール化合物である。
電子受容性化合物の具体例としては、有機リン酸化合物としては、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸化合物としては、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げられる。また、フェノール化合物としては、没食子酸化合物、安息香酸化合物、ビスフェノール系化合物等が挙げられる。
これらの化合物の具体例としては、例えば、没食子酸化合物としては、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ラウリル等が挙げられる。安息香酸化合物としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、2,4−ジドロキシ安息香酸等が挙げられる。ビスフェノール系化合物としては、ビスフェノールS、ビスフェノールA等が挙げられる。さらに、4’−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられる。これらの電子受容性化合物は、単独で用いても複数種を併用してもよい。
光吸収色素としては、電子情報の光記録に使用する有機色素として前掲した各種色素や、ビスアンスロン系、インドアニリン系等の赤外線吸収性色素等が挙げられる。
次に、(b)透明性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、樹脂母材内に0.1〜2μm程度で分散し、熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物が挙げられる。このような化合物として、例えば、炭素数12以上の高級脂肪酸等の周知の有機低分子化合物を使用できる。このような有機低分子化合物は、脂肪酸、脂肪族二塩基酸、ケトン、エーテル、アルコール、脂肪酸エステル及びその誘導体等からなる化合物であってもよく、それらの1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物のうち、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルは融点(mp)が低く、比較的低温での熱処理によって融解、結晶化するので好ましい。更に、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルに加えて、炭素数10以上の高融点(mp)の脂肪族二塩基酸を併用し、脂肪酸アルキルエステルと脂肪族二塩基酸の配合割合を調整すれば、透明化する温度領域を調整することができ、所定温度での透明性及び白濁の程度を変化させることができる。
炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルの例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチル等が挙げられる。
また、炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸を併用する場合、その配合比としては1:1〜10:1程度が好ましく、2:1〜6:1がより好ましい。高融点側の脂肪族二塩基酸は、低融点側の脂肪酸アルキルエステルの種晶として結晶化挙動を操作する役割を担うと考えられるため、その配合量が少なすぎるとその効果がなくなるおそれがあり、逆に多すぎるとコントラストの低下が生じる可能性がある。
可視情報記録層105を構成するこれらの記録材料の中でも、(a)発色性が変化するタイプのロイコ色素を含有するもの、及び、(b)透明性が変化するタイプのものは、発色時に気体を発生しないので、可視情報記録層105上に設けられたオーバーコート層106等の他の層を浮き上がらせ、又は、剥離を生じさせるおそれがないので好ましい。
可視情報記録層105の形成方法としては、電子情報記録層102の形成方法の項で挙げたような、公知の湿式成膜法を挙げることができる。なかでも、好ましくはスピンコート法又はスクリーン印刷法、より好ましくはスピンコート法である。また、可視情報記録層105の厚さの下限は、通常0.1μm、好ましくは0.5μmであり、厚さの上限は、通常5μm、好ましくは3μmである。
オーバーコート層106は、可視情報記録層105を物理的な傷付け等から保護し、また、レーザ光108を可視情報記録層105に効率良く絞り込むために、可視情報記録層105のレーベル面側に設けられ、最外層を形成する。オーバーコート層106を設けることにより、レーザ光108を効率よく絞り込むことが出来るため、レーザ光108のパワーを低下させても可視情報記録層105に可視情報を記録することができる。これにより、電子情報への熱的影響をさらに低減することが出来る。
オーバーコート層106を構成する材料としては、可視情報記録層105を外力等から保護し、且つ、レーザ光透過性の材料であれば良く、特に限定されない。オーバーコート層106を構成する材料としては、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによってオーバーコート層106を形成することができる。紫外線(UV)硬化性樹脂は、そのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線(UV)光を照射して硬化させることによってオーバーコート層106を形成することができる。紫外線(UV)硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。これらの材料は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、オーバーコート層106は、レーザ光108に透過性であれば、単層膜であっても2層以上の多層膜であっても良い。
オーバーコート層106は、前述した各種の有機物質を用いて湿式製膜法により形成されることが好ましい。湿式製膜法としては、前述した保護層104と同様に、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法等を採用することができる。なかでも、特に表面の平滑性が高いという点からスピンコート法が好ましい。特に、オーバーコート層106を形成する場合、予め、レーザ光透過性の材料で作成した透明基板を貼り合わせようとすると、基板の正確な位置合わせを行う必要があり、また、接着層に気泡が入らないよう貼り合わせ工程を減圧状態にする等、製造工程上の工夫が種々必要となる。従って、生産性の面からは、オーバーコート層106は、スピンコート、スクリーン印刷等の湿式成膜法により設けることが有利である。
オーバーコート層106の厚さの下限は10μm、好ましくは20μm、厚さの上限は100μm、好ましくは80μmである。オーバーコート層106の厚さが過度に低い場合、可視情報記録層105の十分な保護機能が保てないおそれがある。また、記録用レーザ光のフォーカスが不安定になり、安定して記録を行うことができない。例えば、オーバーコート層106の厚さが10μm未満の場合、オーバーコート層106の周方向の厚さ変動がレーザ光の波長(〜900nm)以上あると、レーザ光の干渉が起こり、フォーカシングのための反射光量の変動が大きくなり、安定的にフォーカシングすることができなくなる。厚さ10μm以上であれば、厚さ変動があっても、干渉が起こり難いため、安定的にフォーカシングが可能となる。オーバーコート層106の厚さが過度に高い場合、オーバーコート層106を塗布により形成する際に、重ね塗布等が必要になり形成工程が複雑になる。さらに、塗布材の硬化収縮によってディスクの反りが大きくなる等の問題が生じるおそれがある。オーバーコート層106の屈折率は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。また、2.6以下が好ましく、1.9以下であることがより好ましい。オーバーコート層106の屈折率が過度に大きいと、オーバーコート層106表面におけるレーザ光108の反射量が増大し、可視情報記録層105に効率良く可視情報を記録することが困難になるおそれがある。
一般に、スピンコート法により層を形成する場合、塗布液の粘度、回転数、回転時間の3要素を制御して、形成する層の厚さをコントロールする。通常、光ディスクに形成される保護層等の層の厚さの上限値は3〜7μm程度であるため、スピンコート法で層を形成する場合、層を形成する塗布液の粘度100CPS以下、回転数7000〜1000rpm、回転時間1〜3秒にコントロールをして、層を形成する。
しかし、本実施の形態におけるオーバーコート層106は、通常の光ディスクに設ける保護層等よりも厚い層である。即ち、10μm以上の厚さのオーバーコート層106を形成するため、スピンコート法によりオーバーコート層106を形成する場合、塗布液の粘度をできるだけ大きく、回転数はできるだけ遅く、回転時間はできるだけ長くしてオーバーコート層106を形成する。具体的には、粘度は、通常、200CPS以上、好ましくは、300CPS以上である。但し、通常、10000CP以下、好ましくは、6000CPS以下である。回転数は、通常、1000rpm以上、好ましくは、2000rpm以上である。但し、通常、6000rpm以下、好ましくは、5000rpm以下である。回転時間は、通常、4秒以上、但し、10秒以下である。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100は、レーベル面側から照射される光に対する反射率が、15%以上、好ましくは20%以上、但し、50%以下、好ましくは40%以下の範囲になるように形成されている。
ここで、反射率は、可視情報を記録する前の光情報記録媒体100のレーベル面側に、可視情報記録層105に照射するレーザ光の波長(λ)に相当する波長の光を照射し、そのときのレーベル面側の分光反射率を、分光光度計の反射測定用積分球(10°角度付きスペーサー)を用いて測定した数値である。なお、一般に本発明で用いられるレーザ光は半導体レーザ光であり、半導体レーザ光であれば波長(λ)は300〜800nm程度である。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100においては、レーベル面側から照射される光に対する反射率が、15%以上、好ましくは20%以上、但し、50%以下、好ましくは40%以下の範囲になるように形成されている。これにより、レーベル面側から照射されたレーザ光108が、可視情報記録層105に吸収される割合とレーベル面側に反射される反射光109の割合とのバランスが保たれる。その結果、可視情報記録層105に入射する光量が確保され、又、レーベル面側から照射されたレーザ光108が反射された反射光109が安定し、この安定した反射光109によりフォーカシングが行われる。これにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層105に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100を、レーベル面側から照射される光に対する反射率が15%以上、50%以下の範囲になるように形成する方法は特に限定されない。例えば、可視情報記録層105が発色性有機色素から構成される場合は、発色性有機色素と併用されるレーザ光吸収色素の配合割合により、レーザ光108に対する可視情報記録層105の吸収率を制御し、反射率を15%以上、50%以下に形成する方法が挙げられる。尚、吸収率は吸光度として測定される。この場合、可視情報記録層105を形成するために使用する記録材料の組成物(塗布液)中に、レーザ光吸収色素が、固形分濃度で1重量%以上、好ましくは3重量%以上、15重量%以下、好ましくは7重量%以下含有されていることが好ましい。通常、可視情報記録層105の熱吸収効率を考慮した場合、光吸収色素を20%程度含有させると思われるが、本実施の形態においては、反射率を15%以上、50%以下とするために、光吸収色素を上記範囲として反射率を調整している。
また、湿式成膜法により形成される可視情報記録層105の厚さを変化させて、反射率を制御する方法も可能である。可視情報記録層105の厚さを厚くすることにより、反射率を小さく、可視情報記録層105の厚さを薄くすることにより、反射率を大きくすることができる。一般に、反射率が15%以上、50%以下となる可視情報記録層105の厚さは、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であり、厚さの上限は、通常5μm以下、好ましくは3μm以下である。通常、可視情報記録層の記録部を十分に変化させ、可視情報を鮮明に記録するために、可視情報記録層の厚さを10μm程度にすると思われるが、本願発明では、反射率を15%以上、50%以下とするために、可視情報記録層105の厚さを上記範囲として反射率を調整している。
本実施の形態において、安定的に反射率を15%以上、50%以下とするには、可視情報記録層105の光吸収色素の含有量を、固形分濃度で1重量%以上、15重量%以下とし、さらに、可視情報記録層105の厚さを0.1μm以上、5μm以下とすることが非常に効果的である。
尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100は、反射層103が、電子情報を記録するために基板101側から照射されたレーザ光107に対する反射層としての役割と、可視情報を記録するためにレーベル面側から照射されたレーザ光108に対する反射層としての役割とを果たすため、層の構成を簡素化して製造コストを低減する上で好ましい。また、可視情報を可視情報記録層105に記録する際に、安定的にフォーカシングするための反射光109を得るために、可視情報記録層105の下側(記録用レーザ光の入射面と反対側)に、第2の反射層が設けられていることが好ましい。さらに、この第2の反射層と可視情報記録層105との間には、光透過性の材料で形成されたオーバーコート層が形成されていても良い。
(第2の実施形態)
図2は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第2の実施形態の構造を説明するための図である。図2に示された光情報記録媒体200は、基板201と、この基板201上に順番に形成された、電子情報記録層202と、電子情報記録層202のレーザ光207が入射する側と反対側に接して設けられた第1反射層203と、保護層204と、可視情報記録層205と、半透明第2反射層213と、最外層を形成するオーバーコート層206と、が順次積層された構造を有している。
図2に示すように、光情報記録媒体200に備えられた電子情報記録層202は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板201を介して入射したレーザ光207により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層205は、例えば、この光情報記録媒体200を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側からオーバーコート層206を介して照射されるレーザ光208により可視情報が記録される。また、レーザ光208の一部は、可視情報記録層205の上側に接して設けられた半透明第2反射層213により反射され、その反射光209は、レーザ光208を集光するためのフォーカシングに利用される。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体200を構成する各層の形状、材料等の、前述した第1の実施形態における光情報記録媒体100と重複する部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ詳述する。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体200には、可視情報記録層205の上側(レーベル面側)に、半透明第2反射層213が設けられている。半透明第2反射層213は、第1反射層203と同様な材料を用いて、反射率が10%以上、50%以下程度になるように形成されている。また、半透明第2反射層213は、レーベル面側から照射されるレーザ光208の一部を反射し、又、一部を透過させて可視情報記録層205に到達させる機能を有する。半透明第2反射層213の反射率を制御する方法は特に限定されないが、例えば、層の厚さを変動させることにより制御する方法が挙げられる。
半透明第2反射層213を形成するための材料としては、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。これらのなかでも、Au、Al、Agは、層厚さを変化させて反射率を制御することが容易であることから好ましい。
半透明第2反射層213の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、半透明第2反射層213の厚さの下限は、通常3nm、好ましくは5nmであり、上限は、通常70nm、好ましくは50nmである。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体200において、可視情報記録層205の上側(レーベル面側)に半透明第2反射層213を設けることにより、レーベル面側から照射されたレーザ光208が半透明第2反射層213により反射され、この反射光209を利用してフォーカシングが行われることにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層205に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。
尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100,200には、上述した以外の任意の層を有していても良い。例えば、第1の実施形態において、電子情報記録層102として無機物質からなる記録層を使用する場合には、電子情報記録層102を挟持する誘電体層を設ける等、さらに、各層の間又は光情報記録媒体100,200の最外層に接して、任意の層を設けても良い。
以上、本発明が適用される光記録媒体の2つの実施形態について説明したが、本実施形態は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変形を行うことができる。例えば、光記録媒体が複数の電子記録層を有していても良い。また、厚さが0.6mm程度の案内溝及び/又はピットを有する基板(第1の基板)と案内溝及び/又はピットを有さないいわゆるダミー基板(第2の基板)を用いた光記録媒体であれば、第1の基板/電子情報記録層/反射層/接着層/第2の基板/可視情報記録層/オーバーコート層からなる積層構造、又は第1の基板/電子情報記録層/反射層/接着層/可視情報記録層/第2の基板/からなる積層構造とすることにより本発明を適用できる。なお、この場合、それぞれオーバーコート層及び第2の基板側がレーベル面側であり、各層間や最外層として必要に応じて他の層を設けてもよい。
更に、いわゆる基板面入射型光ディスクに限られず、保護層側(即ち、膜面側)からレーザ光を照射して情報の記録・再生を行なう、いわゆる膜面入射型光記録媒体であれば、オ−バーコート層/可視情報記録層/基板/反射層/電子情報記録層/保護層からなる積層構造とすることにより本発明を適用できる。なお、この場合、オーバーコート層側がレーベル面側であり、基板は情報記録層を設けた側に案内溝及び/又はピットを有している。また、各層間や最外層として必要に応じて他の層を設けてもよい。
以下に実施例を挙げて、本実施の形態が適用される光情報記録媒体を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。
(1)光情報記録媒体への可視情報の記録
図3は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。図3に示された記録装置300は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体11に、通常の光ディスクドライブで可視情報記録を行えるようにしたものであり、光情報記録媒体11が装着されるスピンドル12と、スピンドル12を回転させるスピンドルモータ13と、フィード送り用のステッピングモータ14と、ステッピングモータ14により回転するねじ軸15と、任意の位置にを移動されるピックアップ16と、を備えている。
図3に示すように、この記録装置300は、光情報記録媒体11をスピンドル12に装着してスピンドルモータ13で回転させると共に、フィード送り用のステッピングモータ14でねじ軸15を回転させ、任意の位置にピックアップ16を移動させる。スピンドルモータ13をFGパルス信号にてサーボを行い、光情報記録媒体11を任意の回転数に合わせる。フォーカスサーボにて光情報記録媒体11面に焦点を合わせ、レーザ光17を集光させて光情報記録媒体11に可視情報を書き込む。このときレーザパワーはフロントモニターにより適度なパワーで書き込めるように制御しておく。書きこみ信号は、デューティー約50%のパルスを光情報記録媒体11面にて40〜50mWの出力で照射する。尚、スピンドル回転数は160〜2560rpmである。
(2)反射率の測定
日立分光光度計Uー3500型の反射測定用積分球(10°角度付きスペーサー)を用いて(標準白板に対する)、光情報記録媒体のレーベル面の分光反射率を、可視情報を記録するために使用するレーザ光波長に相当する波長(780nm)の光により測定した(単位:%)。
(実施例1〜実施例7、比較例1及び比較例2)
射出成形により、幅0.45μm、深さ155nmのグルーブを有し、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を成形した。この基板上に、含金属アゾ系色素のフッ素アルコール溶液をスピンコートにより塗布し、90℃で15分間乾燥して、厚さ70nmの電子情報記録層を形成した。次に、この電子情報記録層上に、Agをスパッタリングして、厚さ70nmの反射層を形成した。さらにこの反射層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂(大日本インキ社製「SD−374」)をスピンコートで塗布した後、紫外線(UV)光を照射して硬化させ、厚さ7μmの保護層を形成しCD−Rを作製した。続いて、フタリド系ロイコ色素0.2重量部、フェノール性化合物からなる電子受容性化合物0.6重量部、ビスアンスロン系赤外線吸収性色素0.05重量部、および表1に示した結着樹脂(10重量%トルエン溶液)4重量部にトルエンを加え、表1に示した固形分濃度の発色性有機色素組成物を調製し、これを保護層上にスピンコートにより塗布して、50℃で30分間乾燥して、可視情報記録層を形成した。そして、この可視情報記録層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂(大日本インキ社製「SD−301」、粘度500CPS)を回転数250rpm、回転時間6秒の条件でスピンコート法により塗布して、紫外線(UV)光を照射して硬化し、厚さ20μmのオーバーコート層(屈折率1.5)を形成し、表1に示す反射率が異なる9種類の光情報記録媒体を作製した。
このようにして作製した9種類の光情報記録媒体を、図3に示した記録装置300にそれぞれセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報をそれぞれ記録した。結果を表1に示す。
Figure 2004234821
表1に示した結果から、波長(λ)780nmの低出力レーザ光を可視情報記録層に照射したとき、反射率が15.3〜40.6%である光情報記録媒体(実施例1〜実施例7)は、波長(λ)780nm、出力50mWの低出力レーザ光のフォーカシングが良好に行われ、可視情報記録層に可視情報が良好に記録されることが分かる。これに対して、反射率が6.8%(比較例1)と12.0%(比較例2)である光情報記録媒体の場合は、レーザ光のフォーカシングを良好に行えず、その結果、可視情報記録層に鮮明な可視情報を記録することが困難であることが分かる。
本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第1の実施形態の構造を説明するための図である。 本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第2の実施形態の構造を説明するための図である。 可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。
符号の説明
11,100,200…光情報記録媒体、12…スピンドル、13…スピンドルモータ、14…ステッピングモータ、15…ねじ軸、16…ピックアップ、17…レーザ光、101,201…基板、102,202…電子情報記録層、103…反射層、203…第1反射層、104,204…保護層、105,205…可視情報記録層、106,206…オーバーコート層、107,207…レーザ光、108,208…レーザ光、109,209…反射光、213…半透明第2反射層、300…記録装置

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に直接又は他の層を介して設けられ、当該基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を備え、
    前記レーベル面側から照射された光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 記録再生用の案内溝及び/又はピットを有する基板と、
    前記基板上に、少なくとも、当該基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、
    前記電子情報記録層上に形成される反射層と、
    前記基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を順次有する光情報記録媒体であって、
    前記基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層の前記レーベル面側に、光透過性の材料により構成されたオーバーコート層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
  4. 前記オーバーコート層は、当該オーバーコート層の厚さの下限が10μmであり、上限が100μmの範囲に形成されていることを特徴とする請求項3記載の光情報記録媒体。
  5. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層に照射された光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の光情報記録媒体。
  6. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層の少なくとも片側に反射層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光情報記録媒体。
  7. 基板と、
    前記基板上に直接又は他の層を介して設けられ、当該基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、
    前記電子情報記録層の前記基板側とは反対側に形成される反射層と、
    前記反射層の前記基板側とは反対側に形成される保護層と、を有する光情報記録媒体であって、
    前記保護層の前記基板側とは反対側に形成され、当該基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、
    前記可視情報記録層の前記レーベル面側に、光透過性の材料により形成されたオーバーコート層と、を備え、
    前記基板側とは反対側であるレーベル面側から照射された光に対する反射率が15%以上、50%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
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