JP2004213811A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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藤夫 松石
Kanji Shimizu
完二 清水
Morihito Morishima
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Abstract

【課題】電子情報の記録/再生用のレーザ装置を用いて、低出力のレーザ照射で、媒体に記録された電子情報に熱的影響等を及ぼすことなく、レーベル面に可視情報を記録することができる光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、電子情報記録層102のレーザ光107が入射する側と反対側に接して設けられた第1反射層103と、保護層104と、第2反射層111と、可視情報記録層105と、最外層を形成するオーバーコート層106と、が順次積層された構造を有する光情報記録媒体100。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の光学的記録/再生が可能な光情報記録媒体に関し、より詳しくは、電子情報の光学的な記録/再生ができると共に、レーベル面に、レーザ光を用いて可視情報を良好に記録することができる光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの情報を記録、保存、書き換えするための電子情報記録媒体は、近年、コンピューター周辺機器としての重要性が益々高まっている。中でも、レーザ光を用いて記録、再生を行う光情報記録媒体は、高密度の情報記録、保存、再生が可能なことから、大容量記録媒体として注目されている。このような光情報記録媒体の例としては、CD−RW、DVD−RW等に代表される相変化型光学記録媒体、CD−R、DVD−Rに代表される有機色素系光学記録媒体等が挙げられる。
【0003】
このような光情報記録媒体に記録された電子情報の内容は、光学的に再生することにより確認できるが、一方、この電子情報の内容を可視情報として媒体表面に表示することは、情報管理上重要なことである。このような表示方法としては、従来から、例えば、媒体のレーベル面(電子情報を記録する面とは反対側の面)に、インクジェットプリンター、感熱プリンターにより、電子情報の内容を印刷記録する方法、電子情報の内容を記録したラベル等を貼り付ける方法等が採用されている。又、最近では、レーザ光により媒体のレーベル面側に可視情報を記録する方法が報告され(例えば、特許文献1、特許文献2)、媒体に機械的な影響を及ぼすことなく可視情報を記録する方法として期待されている。
【0004】
図5は、例えば、特許文献1又は特許文献2において報告されているような、レーザ光により光情報記録媒体のレーベル面側に可視情報を記録する従来の方法を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体500は、記録再生用の案内溝又はピットが形成されたポリカーボネート系樹脂製の基板501と、この基板501上に、基板501側から照射されるレーザ光507により電子情報が記録される電子情報記録層502と、Ag、Au等の金属で形成された反射層503と、紫外線(UV)硬化性樹脂からなる保護層504と、レーベル面側から照射されるレーザ光508により可視情報が記録される可視情報記録層505と、最外層を形成するオーバーコート層506と、が順次積層された構造を有している。
【0005】
図5に示すように、例えば、可視情報記録層505を構成する発色性有機色素は、レーベル面側から照射されたレーザ光508を吸収して発色することにより、可視情報記録層505に可視情報が記録される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−173096号公報
【特許文献2】
特開2001−283464号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザ光により媒体のレーベル面側に可視情報を記録する方法は、熱による反応、融解、析出等の変化を利用することから、過度のレーザ照射は、媒体に記録された電子情報に熱的影響等を及ぼすことになるため、照射方法には十分な注意を払う必要がある。このため、このような媒体への熱的影響を低減するためには、低出力のレーザ光を用いる必要がある。このような低出力のレーザ光を用いる場合は、可視情報記録層505にレーザ光508を集光することにより、レーザ光508のエネルギーを効率よく集中することが有効であるが、そのためには、フォーカスサーボをかけることが必要とされる。
【0008】
一方、電子情報記録用ライターのレーザ光を用いて可視情報記録層505に可視情報を記録する場合は、図5に示すように、レーベル面側から照射されたレーザ光508の一部が、反射層503から反射された反射光509を利用することにより、レーザ光508のフォーカシングを行うことが可能となる。
【0009】
しかし、電子情報記録用ライターを用いて、レーベル面側から可視情報記録層505にレーザ光508を集光する場合は、基板501側からレーザ光507を照射するときと比較して光路長が短く、また、いわゆる非点収差が生じるため、フォーカシングが取れにくい状態になる。さらに、基板501に案内溝又はピットが形成されている場合は、これと同様な凹凸形状が反射層503にも形成されているため、レーベル面側から照射されたレーザ光508が、反射層503に形成された凹凸形状の影響を受けて乱反射し、このため、フォーカシングがさらに不安定になる。このような凹凸形状による影響を無くし、フォーカシングの安定性を得るためには、少なくとも、0.8〜1mm以上の光路長が必要であるが、このような光路長をレーベル側に確保することは実質的に困難である。
【0010】
本発明は、このような電子情報記録用ライターを用いて、低出力レーザ光により光情報記録媒体のレーベル面側に形成された可視情報層に可視情報を記録する際に浮き彫りになった技術的課題を解決すべくなされたものである。従って、本発明の目的は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置を用いて、低出力のレーザ光照射で、媒体に記録された電子情報に熱的影響等を及ぼすことなく、レーベル面側に可視情報を記録することができる光情報記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明が適用される光情報記録媒体は、凹凸形状が形成されていない第2の反射層が、可視情報記録層の上側及び/又は下側に設けられた構成を採用している。即ち、本発明が適用される光情報記録媒体は、基板上に形成され、基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、この電子情報記録層の前記基板側とは反対側に形成される第1反射層と、基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を備え、可視情報記録層の少なくとも片側に第2反射層が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明が適用される光情報記録媒体は、第2反射層は、可視情報記録層のレーベル面側とは反対側に設けられていることを特徴とすることができる。さらに、この第2反射層は、可視情報記録層のレーベル面側とは反対側に設けられ、且つ、第2反射層と可視情報記録層との間に、レーザ光透過性材料から構成されるレーザ光透過層が形成されていることが好ましい。
【0013】
次に、本発明が適用される光情報記録媒体は、第2反射層は、可視情報記録層のレーベル面側に設けられ、レーベル面側から照射される光の一部を反射し、且つ、一部を透過させることを特徴とすることができる。この場合、第2反射層は、第2反射層の厚さの下限が3nmであり、上限が70nmであることが好ましい。
また、可視情報記録層は、可視情報記録層のレーベル面側にレーザ光透過性材料から構成されるオーバーコート層を設けていることが好ましい。さらに、可視情報記録層は、可視情報記録層に照射された光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により形成されることを特徴とするものである。
尚、本発明が適用される光情報記録媒体において、「可視情報」とは、文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報であり、「電子情報」とは、デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本実施の形態が適用される光情報記録媒体について詳述する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第1の実施形態の構造を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体100は、基板101と、この基板101上に順番に形成された、電子情報記録層102と、電子情報記録層102のレーザ光107が入射する側と反対側に接して設けられた第1反射層103と、保護層104と、第2反射層111と、可視情報記録層105と、最外層を形成するオーバーコート層106と、が順次積層された構造を有している。
【0015】
図1に示すように、光情報記録媒体100に備えられた電子情報記録層102は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板101を介して入射したレーザ光107により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層105は、例えば、この光情報記録媒体100を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側からオーバーコート層106を介して照射されるレーザ光108により可視情報が記録される。また、レーザ光108の一部は、可視情報記録層105の下側に接して設けられた第2反射層111により反射され、その反射光109は、レーザ光108を集光するためのフォーカシングに利用される。
【0016】
基板101は、基本的には電子情報記録層102に対する記録光及び再生光の波長に対して透明な材料により形成される。基板101を形成するための材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂等の高分子材料の他、ガラス等の無機材料が使用される。特に、ポリカーボネート樹脂は、光の透過性が高く且つ光学的異方性が小さく、さらに、機械的強度が高い等の点で優れているので好ましい。また、耐薬品性、耐吸湿性、光学特性等の点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。
【0017】
基板101には、例えば、電子情報記録層102に接する面に、記録再生用の案内溝又はピットが設けられ、射出成形等の成形方法によって成形される。このような案内溝又はピットは、基板101の成形時に付与することが好ましいが、例えば、基板101上に紫外線(UV)硬化樹脂を用いて付与することもできる。また、基板101の厚さの下限は通常1.1mm、好ましくは1.15mmであり、厚さの上限は通常1.3mm、好ましくは1.25mmである。
【0018】
電子情報記録層102は、レーザ光107の照射により電子情報(デジタル信号で記録されている情報等、その内容を何らかの再生装置で読み取る情報)が記録可能な材料により形成され、通常、有機物質よりなる記録層又は無機物質よりなる記録層として形成される。尚、電子情報記録層102は、基板101上に直接形成されていても良く、また、必要に応じて、基板101と電子情報記録層102との間に、任意の層を介して形成されても良い。
【0019】
電子情報記録層102が有機物質よりなる記録層の場合は、主として有機色素が使用される。かかる有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。これらの中でも含金属アゾ系色素、シアニン色素、フタロシアニン色素が好ましい。特に、含金属アゾ系色素は、耐久性及び耐光性に優れているため好ましい。
【0020】
有機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式成膜法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている湿式成膜法が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面から湿式成膜法が好ましく、スピンコート法が特に好ましい。
【0021】
電子情報記録層102が無機物質よりなる記録層として形成される場合は、例えば、光磁気効果により記録が行われるTb・Te・CoやDy・Fe・Co等の希土類遷移金属合金が使用される。また、相変化するGe・Te、Ge・Sb・Teのようなカルコゲン系合金も使用し得る。これらの層は、単層であっても良く、2層以上の複層で構成されていても良い。
【0022】
無機物質よりなる電子情報記録層102の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、電子情報記録層102の厚さは、記録層の種類により異なるが、下限は通常5nm、好ましくは10nmであり、上限は通常500nm、好ましくは300nmである。尚、本実施の形態が適用される光情報記録媒体100の電子情報記録層102は、記録/消去が可能な相変化型記録層であっても良い。
【0023】
第1反射層103は、電子情報記録層102の、基板101とは反対側に接して設けられ、通常、基板101側から照射されるレーザ光107を基板101側に反射する機能を有する。第1反射層103は、基板101に記録再生用の案内溝又はピットが設けられている場合は、これと対応した凹凸形状が生じている。第1反射層103を形成するための材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いものが挙げられ、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。これらの中でも、Au、Al、Agは、反射率が高く反射層の材料として適している。また、Agを主成分とするものは、コストが安く、反射率が高い等の点から特に好ましい。
【0024】
第1反射層103の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、第1反射層103の厚さの下限は通常30nm、好ましくは50nmであり、上限は通常150nm、好ましくは120nmである。
【0025】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100には、第1反射層103の基板101とは反対側に保護層104が設けられている。保護層104は、通常、レーザ光透過性の材料により形成され、例えば、紫外線(UV)硬化性樹脂が挙げられる。紫外線(UV)硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料の殆どは、レーザ光透過物質であるため、好適に使用することができる。これらの紫外線(UV)硬化性樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、保護層104は、一層の単層膜でも良く、2層以上の多層膜であっても良い。
【0026】
保護層104を紫外線(UV)硬化性樹脂により形成する方法としては、通常、紫外線(UV)硬化性樹脂をそのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を第1反射層103上に塗布し、紫外線(UV)光を照射して硬化させることにより形成することができる。この場合、塗布方法としては、スピンコート法やキャスト法等を採用することができる。また、保護層104は、上述した各種塗布法やスクリーン印刷法等の各種湿式成膜法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種乾式成膜等により形成することもでき、用いる材料に応じて適宜選択された方法で形成される。中でも湿式成膜法、特にスピンコート法が好ましく、一般的にはスピンコート法が用いられている。また、保護層104の厚さの下限は通常1μm、好ましくは3μmであり、上限は通常15μm、好ましくは10μmである。
【0027】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体100には、保護層104と後述する可視情報記録層105との間に、第2反射層111が設けられている。第2反射層111は、例えば、基板101に設けられた電子情報記録再生用の案内溝やピットのような凹凸形状が形成されていない平滑な形状を有している。本実施の形態が適用される光情報記録媒体100においては、可視情報記録層105の下側(基板101側)に、平滑な第2反射層111を設けることにより、レーベル面側から照射されたレーザ光108が、第1反射層103に形成された凹凸形状の影響を受けて乱反射することが防止される。このため、レーベル面側から照射されたレーザ光108が第2反射層111により反射された反射光109が安定し、この安定した反射光109によりフォーカシングが行われることにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層105に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。
【0028】
第2反射層111を形成するための材料は、第1反射層103の場合と同様な材料を使用することができる。また、第2反射層111の形成方法は、第1反射層103の場合と同様な方法を用いることができる。また、第2反射層111の厚さは、第1反射層103と同様に、厚さの下限は通常30nm、好ましくは50nmであり、上限は通常150nm、好ましくは120nmである。
【0029】
可視情報記録層105は、通常、光が照射されることにより、層を構成する記録材料が変色し、その結果、可視情報(文字、記号、イラストや写真等の画像、幾何学的な模様等、目視で読み取る情報)が記録されるものである。可視情報記録層105を構成する記録材料としては、特に限定されないが、可視光の吸収が変化する物質として、大別して、以下のような(a)発色性が変化するタイプと、(b)透明性が変化するタイプとが挙げられる。
【0030】
(a)発色性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、電子情報の光記録に一般的に用いられる、発色性有機色素が挙げられる。かかる有機色素としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
【0031】
また、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ色素が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、例えば、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−2、4−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシジノフルオラン、などのフルオラン化合物;クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどのフタリド化合物、等がある。これらの中でもがフタリド化合物が好ましい。
【0032】
これらのロイコ染料には、必要に応じて電子受容性化合物や、記録用レーザ光を吸収して発熱する色素等が併用される。この場合、電子受容性化合物としては、炭素数6以上の脂肪族基を有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノール化合物等が挙げられる。これらの中でも、フェノール化合物が好ましい。
【0033】
電子受容性化合物の具体例としては、有機リン酸化合物としては、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸化合物としては、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げられる。
【0034】
また、フェノール化合物としては、没食子酸化合物、安息香酸化合物、ビスフェノール系化合物等が挙げられる。これらの化合物の具体例としては、例えば、没食子酸化合物としては、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ラウリル等が挙げられる。安息香酸化合物としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、2,4−ジドロキシ安息香酸等が挙げられる。ビスフェノール系化合物としては、ビスフェノールS、ビスフェノールA等が挙げられる。さらに、4’−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられる。
これらの電子受容性化合物は、単独で用いても複数種を併用してもよい。
【0035】
レーザ光吸収色素としては、電子情報の光記録に使用する有機色素として前掲した各種色素や、ビスアンスロン系、インドアニリン系等の赤外線吸収性色素等が挙げられる。
【0036】
次に(b)透明性が変化するタイプの記録材料としては、例えば、樹脂母材内に0.1〜2.0μm程度で分散し、熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物が挙げられる。このような化合物として、例えば、炭素数12以上の、高級脂肪酸等の周知の有機低分子化合物を使用できる。このような有機低分子化合物は、脂肪酸、脂肪族二塩基酸、ケトン、エーテル、アルコール、脂肪酸エステル及びその誘導体等からなる化合物であってもよく、それらの1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
【0037】
熱処理によって融解又は結晶化する有機低分子化合物のうち、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルは、低融点(mp)のものであり、比較的低温での熱処理によって融解、結晶化するので好ましい。更に、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルに加えて炭素数10以上の高融点(mp)の脂肪族二塩基酸を併用し、脂肪酸アルキルエステルと脂肪族二塩基酸の配合割合を調整すれば、透明化する温度領域を調整することができ、所定温度での透明性及び白濁の程度を変化させることができる。
【0038】
炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルの例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチル等が挙げられる。
【0039】
また、炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸を併用する場合、その配合比としては1:1〜10:1程度が好ましく、2:1〜6:1がより好ましい。高融点側の脂肪族二塩基酸は、低融点側の脂肪酸アルキルエステルの種晶として結晶化挙動を操作する役割を担うと考えられるため、その配合量が少なすぎるとその効果がなくなるおそれがあり、逆に多すぎるとコントラストの低下が生じる可能性がある。
【0040】
可視情報記録層105の形成方法としては、電子情報記録層102の形成方法の項で挙げたような、公知の湿式薄膜形成方法を挙げることができる。なかでも、好ましくはスピンコート法又はスクリーン印刷法、より好ましくはスピンコート法である。また、可視情報記録層105の厚さの下限は、通常0.1μm、好ましくは0.5μmであり、厚さの上限は、通常5μm、好ましくは3μmである。
【0041】
オーバーコート層106は、可視情報記録層105を物理的な傷付け等から保護し、また、レーザ光108を可視情報記録層105に効率良く絞り込むために、可視情報記録層105のレーベル面側に設けられ、最外層のオーバーコート層を形成する。オーバーコート層106を構成する材料としては、可視情報記録層105を外力等から保護し、且つ、レーザ光透過性の材料であれば良く、特に限定されない。
【0042】
オーバーコート層106の構成材料のうち、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによってオーバーコート層106を形成することができる。紫外線(UV)硬化性樹脂は、そのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線(UV)光を照射して硬化させることによってオーバーコート層106を形成することができる。紫外線(UV)硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。これらの材料は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、オーバーコート層106は、レーザ光108に透過性であれば、単層膜であっても2層以上の多層膜であっても良い。
【0043】
オーバーコート層106は、前述した有機物質を用いて、湿式成膜法により形成されることが好ましい。湿式成膜法としては、前述の保護層104と同様に、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法等を採用することができる。なかでも、特に表面の平滑性が高いという点からスピンコート法が好ましい。
【0044】
オーバーコート層106の厚さは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。オーバーコート層106の厚さが、10μmより小さい場合、レーザ光108のフォーカスが不安定になり、安定した記録が困難になるおそれがある。オーバーコート層106の厚さが、100μmより大きい場合は、塗布時の硬化収縮による媒体の反り、オーバーコート層106と基板材料との吸湿性の違いによる媒体の反り等の影響が大きくなり、安定した光情報記録媒体を得ることができなくなる場合がある。また、オーバーコート層106により、レーザ光を効率的に集光して安定的にフォーカシングするために、オーバーコート層106のレーザ光透過物質の屈折率は0.4以上が好ましく、特に、0.5以上であることがより好ましい。また、2.6以下が好ましく、特に、1.9以下であることがより好ましい。
【0045】
(第2の実施形態)
図2は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第2の実施形態の構造を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体200は、基板201と、この基板201上に順番に形成された、電子情報記録層202と、電子情報記録層202のレーザ光207が入射する側と反対側に接して設けられた第1反射層203と、保護層204と、第2反射層211と、レーザ光透過層212と、可視情報記録層205と、最外層を形成するオーバーコート層206と、が順次積層された構造を有している。
【0046】
図2に示すように、光情報記録媒体200に備えられた電子情報記録層202は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板201を介して入射したレーザ光207により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層205は、例えば、この光情報記録媒体200を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側からオーバーコート層206を介して照射されるレーザ光208により可視情報が記録される。また、レーザ光208の一部は、可視情報記録層205の下側に接して設けられたレーザ光透過層212を介して第2反射層211により反射され、その反射光209は、レーザ光208を集光するためのフォーカシングに利用される。
【0047】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体200を構成する各層の形状、材料等の、前述した第1の実施形態における光情報記録媒体100と重複する部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ詳述する。
【0048】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体200には、可視情報記録層205と第2反射層211との間に、レーザ光透過層212が設けられている。レーザ光透過層212は、最外層を形成するオーバーコート層206と同様なレーザ光透過性の材料を用いて形成される。本実施の形態が適用される光情報記録媒体200において、可視情報記録層205と第2反射層211との間にレーザ光透過層212を設けることにより、レーベル面側から照射されたレーザ光208が、第1反射層203に形成された凹凸形状からの乱反射の影響を受けないことに加えて、可視情報記録層205の厚さにわずかなムラがある場合に生じる光の干渉の影響を低減することができる。このため、レーベル面側から照射されたレーザ光208が第2反射層211により反射された反射光209が安定し、この安定した反射光209によりフォーカシングが行われることにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層205に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。
【0049】
レーザ光透過層212を形成するための材料は、オーバーコート層206とともに、前述した第1の実施形態の光情報記録媒体100におけるオーバーコート層106と同様な材料を挙げることができ、レーザ光208を透過するものであれば特に限定されず、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂等を、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法等の方法により形成される。また、レーザ光透過層212の厚さは1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
【0050】
(第3の実施形態)
図3は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第3の実施形態の構造を説明するための図である。ここに示された光情報記録媒体300は、基板301と、この基板301上に順番に形成された、電子情報記録層302と、電子情報記録層302のレーザ光307が入射する側と反対側に接して設けられた第1反射層303と、保護層304と、可視情報記録層305と、半透明第2反射層313と、最外層を形成するオーバーコート層306と、が順次積層された構造を有している。
【0051】
図3に示すように、光情報記録媒体300に備えられた電子情報記録層302は、電子情報の記録/再生用のレーザ装置の対物レンズ(図示せず)から基板301を介して入射したレーザ光307により、電子情報の記録再生が行われる。一方、可視情報記録層305は、例えば、この光情報記録媒体300を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、レーベル面側からオーバコート層306を介して照射されるレーザ光308により可視情報が記録される。また、レーザ光308の一部は、可視情報記録層305の上側に接して設けられた半透明第2反射層313により反射され、その反射光309は、レーザ光308を集光するためのフォーカシングに利用される。
【0052】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体300を構成する各層の形状、材料等の、前述した第1の実施形態における光情報記録媒体100と重複する部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ詳述する。
【0053】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体300には、可視情報記録層305の上側(レーベル面側)に、半透明第2反射層313が設けられている。半透明第2反射層313は、第1反射層303と同様な材料を用いて、可視情報の記録・再生光波長における反射率が10〜50%程度になるように形成されている。また、半透明第2反射層313は、レーベル面側から照射されるレーザ光308の一部を反射し、又、一部を透過させて可視情報記録層305に到達させる機能を有する。半透明第2反射層313の反射率を制御する方法は特に限定されないが、例えば、層の厚さを変動させることにより制御する方法が挙げられる。半透明第2反射層313を形成するための材料としては、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。これらのなかでも、Au、Al、Agは、層厚さを変化させて反射率を制御することが容易であることから好ましい。
【0054】
半透明第2反射層313の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも、量産性、コスト面からスパッタリング法が特に好ましい。また、半透明第2反射層313の厚さの下限は通常3nm、好ましくは5nmであり、上限は通常70nm、好ましくは50nmである。
【0055】
本実施の形態が適用される光情報記録媒体300において、可視情報記録層305の上側(レーベル面側)に半透明第2反射層313を設けることにより、レーベル面側から照射されたレーザ光308が半透明第2反射層313により反射され、この反射光309を利用してフォーカシングが行われることにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層305に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。
【0056】
(第4の実施形態)
図4は、本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第4の実施形態の構造を説明するための図である。ここに示された貼り合わせ型光情報記録媒体400は、第1基板401と、この第1基板401上に順番に形成された、電子情報記録層402と、第1反射層403と、保護層404と、接着剤層413と、第2反射層411と、可視情報記録層405と、最外層を形成する第2基板416と、が順次積層された構造を有している。
【0057】
図4に示された貼り合わせ型光情報記録媒体400は、電子情報記録層402、第1反射層403及び保護層404を積層した第1基板401と、第2反射層411及び可視情報記録層405を積層した第2基板416とが、接着剤層413を介して貼り合わされて形成される。図4に示すように、可視情報記録層405は、例えば、この光情報記録媒体400を裏返して電子情報の記録/再生用のレーザ装置にセットしたとき、第2基板416側から照射されるレーザ光408により可視情報が記録される。また、レーザ光408の一部は、可視情報記録層405の下側に接して設けられた第2反射層411により反射され、その反射光409は、レーザ光408を集光するためのフォーカシングに利用される。
【0058】
尚、以上詳述した4つの実施の形態は、本実施形態が適用される光情報記録媒体の実施の形態の一例を示すものであって、これらに示された層の構成のものに限定されるものではない。例えば、第3の実施形態における光情報記録媒体300の可視情報記録層305と半透明第2反射層313の間に、レーザ光透過層が形成されても良い。また、電子情報記録層が無機物質からなる形成される場合は、記録層を挟持する誘電体層を設けてもよい。前述した4つの実施の形態の中では、より安定的にフォーカシングが行えること、また生産性の面から、第1または第2の実施形態が好ましく、第2の実施形態がより好ましい。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態が適用される光情報記録媒体を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。
(1)光情報記録媒体への可視情報の記録
図6は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。図6に示された記録装置600は、可視情報記録層を有する光情報記録媒体11に、通常の光ディスクドライブで可視情報記録を行えるようにしたものであり、光情報記録媒体11が装着されるスピンドル12と、スピンドル12を回転させるスピンドルモータ13と、フィード送り用のステッピングモータ14と、ステッピングモータ14により回転するねじ軸15と、任意の位置に移動されるピックアップ16と、を備えている。
【0060】
図6に示すように、この記録装置600は、光情報記録媒体11をスピンドル12に装着してスピンドルモータ13で回転させると共に、フィード送り用のステッピングモータ14でねじ軸15を回転させ、任意の位置にピックアップ16を移動させる。スピンドルモータ13をFGパルス信号にてサーボを行い、光情報記録媒体11を任意の回転数に合わせる。フォーカスサーボにて光情報記録媒体11面に焦点を合わせ、レーザ光17を集光させて光情報記録媒体11に可視情報を書き込む。このときレーザパワーはフロントモニターにより適度なパワーで書き込めるように制御しておく。書きこみ信号は、デューティー約50%のパルスを光情報記録媒体11面にて40〜50mWの出力で照射する。尚、スピンドル回転数は160〜2560rpmである。
【0061】
(実施例1)
以下の方法により、図1に示した第1の実施形態の光情報記録媒体を作製した。即ち、射出成形により、幅0.55μm、深さ190nmのグルーブを有し、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を成形した。この基板上に、含金属アゾ系色素のフッ素アルコール溶液をスピンコートにより塗布し、90℃で15分間乾燥して、厚さ70nmの電子情報記録層を形成した。次に、この電子情報記録層上に、Agをスパッタリングして、厚さ70nmの反射層(第1反射層)を形成した。さらにこの第1反射層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂(大日本インキ社製「SD?374」)をスピンコートで塗布した後、紫外線(UV)光を照射して硬化させ、厚さ7μmの保護層を形成しCD−R媒体を作製した。続いて、この保護層上に、Agをスパッタリングして、厚さ70nmの反射層(第2反射層)を形成した。更に、その第2反射層上に、フタリド系ロイコ色素を0.2重量部、フェノール性化合物からなる電子受容性化合物を0.6重量部、ビスアンスロン系赤外線吸収性色素を0.05重量部、およびポリメタクリル酸メチル(10重量%トルエン溶液)4重量部に、トルエン2.0重量部を配合してなる発色性有機色素組成物を、スピンコートにより塗布して、50℃で30分間乾燥して、可視情報記録層を形成した。そして、この可視情報記録層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂をスピンコートで塗布して、紫外線(UV)光を照射して硬化し、厚さ20μmのオーバーコート層を形成し光情報記録媒体(光情報記録媒体1)を作製した。
【0062】
このようにして作製した光情報記録媒体1を、図6に示した記録装置600にセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報を記録した。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例2)
以下の方法により、図2に示した第2の実施形態の光情報記録媒体を作製した。即ち、実施例1と同様な方法により光情報記録媒体を作製する際に、第2反射層を形成した後、この第2反射層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂(大日本インキ社製「SD?374」)をスピンコートにより塗布した後、紫外線(UV)光を照射して硬化させ、厚さ7μmのレーザ光透過層を形成した。更に、そのレーザ光透過層上に、実施例1と同様に、ロイコ染料、電子受容性化合物、赤外線吸収性色素及びアクリル系樹脂を配合してなる発色性有機色素組成物のトルエン溶液をスピンコートにより塗布して、50℃で30分間乾燥して、可視情報記録層を形成し、この可視情報記録層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂をスピンコートで塗布して、紫外線(UV)光を照射して硬化し、厚さ20μmのオーバーコート層を形成して光情報記録媒体(光情報記録媒体2)を作製した。このようにして作製した光情報記録媒体2について、実施例1と同様に、図6に示した記録装置600にセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報を記録した。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例3)
以下の方法により、図3に示した第3の実施形態の光情報記録媒体を作製した。即ち、実施例1と同様な方法により光情報記録媒体を作製する際に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂を硬化させて形成した保護層の上に、ロイコ染料、電子受容性化合物、赤外線吸収性色素及びアクリル系樹脂を配合してなる発色性有機色素組成物のトルエン溶液をスピンコートにより塗布して、50℃で30分間乾燥して、可視情報記録層を形成し、次に、この可視情報記録層の上に、Auをスパッタリングして厚さ5nmの半透明第2反射層(波長780nmの光における反射率35%)を形成し、さらに、この半透明第2反射層の上に、アクリレート系モノマーを主体にした紫外線(UV)硬化性樹脂をスピンコートで塗布して、紫外線(UV)光を照射して硬化し、厚さ20μmのオーバーコート層を形成し光情報記録媒体(光情報記録媒体3)を作製した。このようにして作製した光情報記録媒体3について、実施例1と同様に、図6に示した記録装置600にセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報を記録した。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例)
以下の方法により、図5に示した従来の光情報記録媒体を作製した。即ち、実施例1と同様な方法により光情報記録媒体を作製する際に、保護層と可視情報記録層との間に、第2反射層を形成しない以外は、実施例1と同様な方法で、第2反射層を有しない光情報記録媒体(光情報記録媒体4)を作製し、このようにして作製した光情報記録媒体4について、実施例1と同様に、図6に示した記録装置600にセットし、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光を、光情報記録媒体のレーベル面側から照射して、可視情報記録層に可視情報を記録した。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 2004213811
【0067】
表1に示した結果から、発色性有機色素からなる可視情報記録層の上側又は下側に、AgまたはAuからなる第2反射層を設けた光情報記録媒体1〜光情報記録媒体3(実施例1〜3)は、波長(λ)780nm、出力50mwの低出力レーザ光のフォーカシングが良好に行われ、可視情報記録層に可視情報が良好に記録されることが分かる。これに対して、第2反射層を設けない従来の光情報記録媒体4(比較例)の場合は、レーザ光のフォーカシングを良好に行えず、その結果、可視情報記録層に鮮明な可視情報を記録することが困難であることが分かる。
【0068】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、低出力のレーザ照射により、レーベル面に可視情報を記録することができる光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第1の実施形態の構造を説明するための図である。
【図2】本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第2の実施形態の構造を説明するための図である。
【図3】本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第3の実施形態の構造を説明するための図である。
【図4】本実施の形態が適用される光情報記録媒体の第4の実施形態の構造を説明するための図である。
【図5】レーザ光により光情報記録媒体のレーベル面側に可視情報を記録する従来の方法を説明するための図である。
【図6】可視情報記録層を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する記録装置を説明するための図である。
【符号の説明】
11,100,200,300,400,500…光情報記録媒体、12…スピンドル、13…スピンドルモータ、14…ステッピングモータ、15…ねじ軸、16…ピックアップ、17…レーザ光、101,201,301,501…基板、102,202,302,402,502…電子情報記録層、103,203,303,403…第1反射層、104,204,304,404,504…保護層、105,205,305,405,505…可視情報記録層、106,206,306,506…オーバーコート層、107,207,307,407,507…レーザ光、108,208,308,408,508…レーザ光、109,209,309,409,509…反射光、111,211,411…第2反射層、212…レーザ光透過層、313…半透明第2反射層、401…第1基板、413…接着剤層、416…第2基板、503…反射層、600…記録装置

Claims (7)

  1. 基板上に形成され、前記基板側から照射される光によりデジタル情報が記録される電子情報記録層と、
    前記電子情報記録層の前記基板側とは反対側に形成される第1反射層と、
    前記基板側とは反対側であるレーベル面側から照射される光により可視情報が記録される可視情報記録層と、を備え、
    前記可視情報記録層の少なくとも片側に第2反射層が設けられていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記第2反射層は、前記可視情報記録層のレーベル面側とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 前記第2反射層は、前記可視情報記録層のレーベル面側とは反対側に設けられ、且つ、当該第2反射層と当該可視情報記録層との間に、レーザ光透過性材料から構成されるレーザ光透過層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
  4. 前記第2反射層は、前記可視情報記録層のレーベル面側に設けられ、レーベル面側から照射される光の一部を反射し、且つ、一部を透過させることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  5. 前記第2反射層は、当該第2反射層の厚さの下限が3nmであり、上限が70nmであることを特徴とする請求項4記載の光情報記録媒体。
  6. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層のレーベル面側にレーザ光透過性材料から構成されるオーバーコート層を設けていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光情報記録媒体。
  7. 前記可視情報記録層は、当該可視情報記録層に照射された光により発色性が変化する材料又は透明性が変化する材料により形成されることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の光情報記録媒体。
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