JP2004198361A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大気側カバー2はメインカバー部材21と撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材22とからなる。弾性シール部材17をメインカバー部材21の内側にかしめ固定する第1のかしめ固定部251はメインカバー部材21の外側面で撥水フィルタ23と対面する位置に凹部を形成し,フィルタカバー部材22をメインカバー部材21に対しかしめ固定する2箇所の第2のかしめ固定部252,253は,凹部と対面しない位置でかつ凹部の先端側と凹部の基端側とにそれぞれ位置する。
【選択図】 図1
Description
【技術分野】
本発明は,自動車エンジンの排気管等に取り付けて熱い高温の排気ガス中にさらされて特定ガス濃度を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の排気管に取り付け,空燃比制御に利用するガスセンサが知られている。
このガスセンサ9は,図7に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を絶縁碍子を介して挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する大気側カバー91とを有する。
【0003】
図7に示すごとく,上記大気側カバー91は,先端側がガスセンサ9の外部に露出し,ハウジングの基端側側面に溶接固定するメインカバー部材911と,該メインカバー部材911の基端側に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材912とよりなる。
【0004】
また,上記ガスセンサ9において,大気側カバー91の基端側の内側面に弾性シール部材17をかしめ固定し,該弾性シール部材17において大気側カバー91の基端側がシールされる。
また上記ガスセンサ素子に接続した出力取り出し用及び/または電力印加用リード線16は上記弾性シール部材17を経由して外部へと延設される。そして,上記リード線16は上記弾性シール部材17に設けた挿通穴170に対しシール固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−072464号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,ガスセンサ9を自動車の排気管に取り付けた際は,ハウジングの先端側(図示略)は熱い排気ガスにさらされる。排気ガスにより熱せられ,ハウジングは高温となる。
上記ハウジングに固定されたメインカバー部材911も,ハウジングからの熱伝導で,特に先端側が高温となる。ガスセンサ9における基端側は大気雰囲気にさらされ,メインカバー部材911は大気雰囲気に露出していることもあり,先端側から基端側に向かうに従って温度は少しずつ低くなる。
【0007】
しかしながら,図7に示すごとく,筒型の撥水フィルタ23を設けた部分においてメインカバー部材911は外部に露出せず,筒型の撥水フィルタ23とフィルタカバー部材912で覆われているため熱がこもりやすい。
また,弾性シール部材17をかしめ固定した部分もメインカバー部材911が外部に露出せず,フィルタカバー部材912により覆われており,ここでも熱がこもりやすい。
【0008】
また,撥水フィルタ23は一般に多孔質の樹脂材料よりなるため,弾性シール部材17と同様に熱で変形したり弾性率が変わり,かしめ固定された部分でゆるんでしまうおそれがある。
さらに,撥水フィルタ23は多孔質であるが,熱によって気孔が溶けて変形し,塞がって,通気性が悪化するおそれがある。
【0009】
この撥水フィルタ23は,ガスセンサ9の大気側カバー91の内部に大気を導入する導入穴913,914を覆うように設け,該導入穴913,914からの水分浸入を防止するために設けており,大気を通す通気性が必要である。
撥水フィルタ23の通気性が低下した際は大気の導入が困難となり,ガスセンサ1内部が酸欠状態となってガス濃度測定に支障が生じるおそれがある。
【0010】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,熱に弱い撥水フィルタの周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
第1の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーは,上記ハウジングの基端側に固定したメインカバー部材と該メインカバー部材の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタと対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴を有し,
上記大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を上記メインカバー部材の内側にかしめ固定する第1のかしめ固定部はメインカバー部材の外側面で上記撥水フィルタと対面する位置に凹部を形成し,
上記フィルタカバー部材を上記メインカバー部材に対しかしめ固定する2箇所の第2のかしめ固定部は,上記凹部と対面しない位置でかつ上記凹部の先端側と上記凹部の基端側とにそれぞれ位置することを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0012】
第2の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーは,上記ハウジングの基端側に固定したメインカバー部材と該メインカバー部材の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタと対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴を有し,
上記フィルタカバー部材は,上記弾性シール部材と共に上記撥水フィルタを上記メインカバー部材に対しかしめ固定する第3のかしめ固定部を有し,
上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタを上記メインカバー部材にかしめ固定し,第3のかしめ固定部より先端側に位置する第4のかしめ固定部を有することを特徴とするガスセンサにある(請求項3)。
【0013】
本発明の作用効果につき説明する。
第1及び第2の発明にかかるガスセンサを高温の被測定ガスに浸して使用する場合,該被測定ガスによってハウジングが加熱され,さらに該ハウジングからメインカバー部材に熱が伝導する。したがって,メインカバー部材はハウジング付近の温度が高く,ハウジングから離れた基端側に向かうに従って温度がじょじょに低下する。
【0014】
第1の発明にかかるガスセンサは,第1のかしめ固定部で弾性シール部材とメインカバー部材をかしめ固定し,また第1のかしめ固定部を凹部となし,さらに凹部となった第1のかしめ固定部に対面するよう撥水フィルタを設け,さらにフィルタカバー部材を設け,凹部を避けた第2のかしめ固定部で,フィルタカバー部材をメインカバー部材に対しかしめ固定する。この構成により,弾性シール部材と撥水フィルタとを対面する位置にかしめ固定できる。
【0015】
また,第2の発明にかかるガスセンサは,第3のかしめ固定部によって,弾性シール部材と対面する位置で,撥水フィルタの一部をフィルタカバー部材と共にメインカバー部材にかしめ固定できる。
【0016】
第1,第2の発明にかかる構成は共に撥水フィルタの位置をより弾性シール部材側に,すなわちガスセンサの基端側に押し上げることができるため,従来のように撥水フィルタの位置が弾性シール部材よりも先端側にある場合(図7参照)と比較して,撥水フィルタをハウジングからより遠ざけて,撥水フィルタの温度が高くならないようにすることができる。
よって,撥水フィルタの熱による変形や劣化を防止することができる。
【0017】
以上,本発明によれば,熱に弱い撥水フィルタの周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1,第2の発明にかかるガスセンサは,被測定ガス中の酸素濃度やNOx濃度,CO濃度,HC濃度などを測定する各種のガスセンサに対し適用することができる。また,自動車エンジン等の内燃機関の排気系に設置して,燃焼制御に利用する空燃比センサとして用いることができる。
また,ガスセンサ素子も積層型,コップ型,いずれを採用したガスセンサについても,本発明を適用することができる。
なお,ガスセンサの詳細構成は実施例で説明するが,本発明は実施例の構成にとどまらず,多くのガスセンサにおいて適用することができる。
【0019】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,撥水フィルタは,大気側カバーに設けた導入穴から内部に水が侵入することを防ぐために設ける。テトラフルオロエチレンなどの各種樹脂材料よりなる多孔質材料で構成することが一般的である。
【0020】
また,第1の発明で第1のかしめ固定部により凹部がメインカバー部材の外側面に形成される。そして撥水フィルタはこの凹部と対面する位置にあり,上記メインカバー部材及び上記フィルタカバー部材において,上記撥水フィルタと対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴がある。よって,撥水フィルタとメインカバー部材との間に上記凹部による空洞が形成され,フィルタカバー部材からメインカバー部材に向かって大気のとおりが良好となる。
【0021】
また,第1の発明において,上記メインカバー部材に設けた導入穴の最先端は上記弾性シール部材の先端側の端面よりもさらに先端側にあることが好ましい(請求項2)。
これにより,メインカバー部材の導入穴から大気側カバーの内部へ向かって大気のとおりが良好となる。
【0022】
また,第1及び第2の発明において,上記メインカバー部材は,上記フィルタカバー部材よりも硬度の高い材料よりなることが好ましい(請求項4)。
これにより,フィルタカバー部材のメインカバー部材にたいするかしめ固定を強固とすることができる。なお,フィルタカバー部材及びメインカバー部材は共にステンレス鋼などより構成することが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例にかかるガスセンサ1は,図1,図2に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子19と該ガスセンサ素子19を挿通固定する筒型のハウジング10と,上記ガスセンサ素子19の先端側を覆うように上記ハウジング10の先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバー11と,上記ガスセンサ素子19の基端側を覆うように上記ハウジング10の基端側に固定する筒型の大気側カバー2とを有する。
【0024】
上記大気側カバー2は,上記ハウジング10の基端側に固定したメインカバー部材21と該メインカバー部材21の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材22とからなる。
上記メインカバー部材21及び上記フィルタカバー部材22は,上記撥水フィルタ23と対面する位置に大気を大気側カバー2内に導入する導入穴210,220を有する。
【0025】
上記大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17をメインカバー部材21の内側にかしめ固定する第1のかしめ固定部251がメインカバー部材21にある。また,第1のかしめ固定部251はメインカバー部材21の外側面で上記撥水フィルタ23と対面する位置に凹部を形成する。
上記フィルタカバー部材22を上記メインカバー部材21に対しかしめ固定する2箇所の第2のかしめ固定部252,253は,上記第1のかしめ固定部251による凹部と対面しない位置でかつ第1のかしめ固定部251の先端側と基端側とにそれぞれ位置する。
【0026】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は,自動車エンジンに接続した排気管の壁面に取り付けて,自動車エンジンの空燃比を測定して空燃比制御に使用する(図示略)。このときガスセンサ1は,ハウジング10の側面に設けた径方向に突出する胴部101の先端側端面102を排気管の外壁面に向けて取り付ける。また,先端側端面102を上記排気管に対してシール固定できるようにバネ部103を設けてある。
【0027】
そして,図1に記載した破線Lより下側が,ガスセンサ1による空燃比測定時に排気ガスに加熱される領域である。破線Lより上側は大気雰囲気である。したがって,破線Lからガスセンサ1の基端側に向かうに従って,ガスセンサ1の温度が低下する。なお,図1等では図面の上側をガスセンサ1の基端側,下方を先端側とした。
上記ハウジング10の先端側に,二重構成の被測定ガス側カバー11が設けてあり,該カバー11の内部に排気ガスを導入する導入穴が側面に設けてある。また,被測定ガス側カバー11の内部でガスセンサ素子19の先端側が露出する。
【0028】
上記ガスセンサ素子19は,素子側絶縁碍子12を介してハウジング10内部に固定する。素子側絶縁碍子12とハウジング10との間,素子側絶縁碍子12とガスセンサ素子19との間はそれぞれシール固定して,ガスの流通が生じないようにする。
上記素子側絶縁碍子12の基端側端面にガスセンサの軸方向(すなわち先端側と基端側とを結び,略筒型のガスセンサにおける中心軸と平行な方向)の復元力を生じる皿バネ122を配置する。皿バネ122は基端側から皿バネ押え部材121が被せられ,上記復元力が生じるようにたわませた状態にある。
この復元力が,素子側絶縁碍子12をハウジング10の内側面に設けた載置用のテーパー面105に押圧する力となる。
【0029】
そして上記皿バネ122の押え部材121の上に大気側絶縁碍子13を載置する。大気側絶縁碍子13は内部が空洞130で,そこにガスセンサ素子19の基端側を収納する。また,上記空洞130と大気側絶縁碍子13の基端側の端面との間を連絡する連絡穴131がある。
【0030】
上記ガスセンサ素子19と電気的に接続して,外部に素子19の出力を取り出したり,または外部から素子19に電力を供給する端子191がある。この端子191は上記連絡穴131を通じて,大気側絶縁碍子13の外部で大気側カバー2の内部に突出する。この突出した箇所において,連結部材192を介して上記端子191はリード線16に電気的に接続される。
上記リード線16は,大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17に設けた挿通穴170を通じてガスセンサ1の外部へと引き出され,外部に設けた測定装置や電源などと接続する。
【0031】
さらに上記大気側絶縁部材13の基端側に側面が階段状の筒状の押え部材151を被せる。また,押え部材151の基端側は,径方向内側に向かって力を加えて押え部材151の基端側が開かないように固定する環状部材152が設けてある。
これらの部材によって,大気側絶縁碍子13を大気側カバー2内部でがたつきや位置ずれの生じないように固定することができる。
【0032】
上記大気側カバー2について説明する。
図2に示すごとく,大気側カバー2はハウジング10の基端側側面100に直接溶接固定したメインカバー部材21と,メインカバー部材21の基端側の外側面で撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材22とよりなる。いずれのカバー部材21,22も略筒型であり,双方共にステンレス鋼(SUS304)よりなり,メインカバー部材21はHV(ビッカース硬度)230,フィルタカバー部材22はHV140とした。
なお,撥水フィルタ23は多孔質で通気性に優れ,大気を通すことができる材料で,本例はテトラフルオロエチレンよりなる。
上記メインカバー部材21は先端側が径大で,大気側絶縁碍子13の基端側の端面付近で径が切り替わって小径となる。
【0033】
また,弾性シール部材17は,メインカバー部材21とフィルタカバー部材22とが重なる部分で,もっとも大気側カバー2において基端側となる内側面に対しかしめ固定される。弾性シール部材17のかしめ固定は図2における第1のかしめ固定部251において行われる。この第1のかしめ固定部215は,図2に示すごとく,径方向内側にへこんだ凹部を形成する。
【0034】
上記フィルタカバー部材22は,上記第1のかしめ固定部251の外側に位置し,第1のかしめ固定部251より基端側と先端側にそれぞれ第2のかしめ固定部252,253を設けて固定する。フィルタカバー部材22は,径が略一様であり,メインカバー部材21の径細となった部分に差し込まれる。そして,フィルタカバー部材22をメインカバー部材21にかしめ固定するかしめ固定部254はメインカバー部材21の径が切り替わる近傍にも設けてある。
【0035】
上記大気側カバー2の内部に大気を導入する導入穴210,220について説明する。
上記メインカバー部材21,フィルタカバー部材22にはそれぞれ側面の周方向に等間隔に並べられた複数の導入穴210,220がある。この導入穴210,220を設けた部分はいずれも撥水フィルタ23に対面する。
メインカバー部材21に設けた導入穴210は,図1,図2に示すごとく,最先端は上記弾性シール部材17の先端側の端面よりもさらに先端側に位置し,大気側カバー2の内部に対面している。
【0036】
従って,フィルタカバー部材22の導入穴220から導入された大気は撥水フィルタ23,第1かしめ固定部251により形成された凹部を通ってメインカバー部材21の導入穴210を主として先端側へ向かって斜め方向に通過して,大気側カバー2の内部に入り込む。
【0037】
本例のガスセンサ1において,メインカバー部材21やフィルタカバー部材22をかしめる順序について説明する。
図3に示すごとく,メインカバー部材21の基端側に弾性シール部材17を挿入し,メインカバー部材21の側面より圧力F1を加えて,側面をへこませ,図4に示すごとく,第1のかしめ固定部251を形成する。また,同時にメインカバー部材21の径大な箇所の側面219にも圧力を加えて径方向内側にへこませる。
【0038】
次いで,図5に示すごとく,メインカバー部材21の径細な箇所に撥水フィルタ23とフィルタカバー部材22を挿入する。この時,弾性シール部材17と対面する位置に撥水フィルタ23を配置する。その後,フィルタカバー部材22の側面より圧力F2,F3,F4を加えて,かしめ固定する。これにより第2のかしめ固定部252,253が形成され,また別のかしめ固定部254を形成する。
【0039】
以上により,図1及び図2に示すごとき状態で,メインカバー部材21に対しフィルタカバー部材22をかしめ固定し,同時に弾性シール部材17や撥水フィルタ23もかしめ固定する。
【0040】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例のガスセンサ1は,第1のかしめ固定部251で弾性シール部材17とメインカバー部材21をかしめ固定し,また第1のかしめ固定部251を凹部となし,さらに凹部となった第1のかしめ固定部251で対面するよう撥水フィルタ23を設け,さらにフィルタカバー部材22を設け,凹部を避けた第2のかしめ固定部252,253で,かしめ固定する。
この構成により,弾性シール部材17と撥水フィルタ23とを対面する位置にかしめ固定できる。
【0041】
そのため,撥水フィルタ23の位置をより弾性シール部材17側に,すなわちガスセンサ1の基端側に押し上げることができるため,従来のように撥水フィルタの位置が弾性シール部材よりも先端側にある場合(図7参照)と比較して,撥水フィルタ23をハウジング10からより遠ざけて,撥水フィルタ23の温度が高くならないようにすることができる。
よって,撥水フィルタ23の熱による変形や劣化を防止することができる。
【0042】
また,第1のかしめ固定部251により凹部がメインカバー部材21の外側面に形成される。そして撥水フィルタ23はこの凹部と対面する位置にあり,上記メインカバー部材21及び上記フィルタカバー部材22において,上記撥水フィルタ23と対面する位置に大気を大気側カバー2内に導入する導入穴210,220がある。よって,撥水フィルタ23とメインカバー部材21との間に上記凹部による空洞が形成され,フィルタカバー部材22からメインカバー部材21に向かって大気のとおりが良好となる。
【0043】
さらに,本例では,導入穴210の最先端が弾性シール部材17の先端側の端面よりさらに先端側となっており,導入された大気は撥水フィルタ23からメインカバー部材21の第1のかしめ固定部251により形成された凹部へ向かい,ここから導入穴210を介して,大気側カバー2の内部に流れていく。
従って大気が効率よく導入できる構成である。
【0044】
以上,本例によれば,熱に弱い撥水フィルタの周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0045】
(実施例2)
本例のガスセンサにかかる大気側カバー2は,図6に示すごとく,ハウジング(図示略)の基端側に固定したメインカバー部材21と該メインカバー部材21の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材22とからなる。
上記メインカバー部材21及びフィルタカバー部材22は,撥水フィルタ23と対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴210,220を有する。
そして,フィルタカバー部材22は,弾性シール部材17と共に撥水フィルタ23をメインカバー部材2に対しかしめ固定する第3のかしめ固定部261を有し,フィルタカバー部材22は,撥水フィルタ23をメインカバー部材21にかしめ固定し,第3のかしめ固定部261より先端側に位置する第4のかしめ固定部262を有する。
【0046】
本例にかかるガスセンサは,第3のかしめ固定部261によって,弾性シール部材17と対面する位置で,撥水フィルタ23をフィルタカバー部材22と共にメインカバー部材21にかしめ固定できる。第4のかしめ固定部262では,フィルタカバー部材22によって撥水フィルタ23をメインカバー部材21にかしめ固定できる。
【0047】
このような構成とすることで,撥水フィルタ23の位置をより弾性シール部材17側に,すなわちガスセンサの基端側に押し上げることができるため,従来のように撥水フィルタの位置が弾性シール部材よりも先端側にある場合(図7参照)と比較して,撥水フィルタ17をハウジング(図示略)からより遠ざけて,撥水フィルタ23の温度が高くならないようにすることができる。
よって,撥水フィルタ23の熱による変形や劣化を防止することができる。
その他詳細は実施例1と同様の構成であり,同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサの軸方向全体断面図。
【図2】実施例1における,ガスセンサの要部断面説明図。
【図3】実施例1における,メインカバー部材に弾性シール部材を挿入しただけの状態を示す説明図。
【図4】実施例1における,メインカバー部材に弾性シール部材をかしめ固定した状態を示す説明図。
【図5】実施例1における,メインカバー部材に撥水フィルタとフィルタカバー部材を挿入した状態を示す説明図。
【図6】実施例2における,先端側のかしめ固定部でフィルタカバー部材とメインカバー部材とをかしめ固定し,基端側のかしめ固定部でフィルタカバー部材,撥水フィルタ,メインカバー部材と共に弾性シール部材をかしめ固定したガスセンサの要部断面説明図。
【図7】従来における,ガスセンサの要部断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
17...弾性シール部材,
19...ガスセンサ素子,
10...ハウジング,
2...大気側カバー,
21...メインカバー部材,
22...フィルタカバー部材,
23...撥水フィルタ,
Claims (4)
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーは,上記ハウジングの基端側に固定したメインカバー部材と該メインカバー部材の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタと対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴を有し,
上記大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を上記メインカバー部材の内側にかしめ固定する第1のかしめ固定部はメインカバー部材の外側面で上記撥水フィルタと対面する位置に凹部を形成し,
上記フィルタカバー部材を上記メインカバー部材に対しかしめ固定する2箇所の第2のかしめ固定部は,上記凹部と対面しない位置でかつ上記凹部の先端側と上記凹部の基端側とにそれぞれ位置することを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1において,上記メインカバー部材に設けた導入穴の最先端は上記弾性シール部材の先端側の端面よりもさらに先端側にあることを特徴とするガスセンサ。
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーは,上記ハウジングの基端側に固定したメインカバー部材と該メインカバー部材の基端側の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタと対面する位置に大気を大気側カバー内に導入する導入穴を有し,
上記フィルタカバー部材は,上記弾性シール部材と共に上記撥水フィルタを上記メインカバー部材に対しかしめ固定する第3のかしめ固定部を有し,
上記フィルタカバー部材は,上記撥水フィルタを上記メインカバー部材にかしめ固定し,第3のかしめ固定部より先端側に位置する第4のかしめ固定部を有することを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1〜3のいずれか1項において,上記メインカバー部材は,上記フィルタカバー部材よりも硬度の高い材料よりなることを特徴とするガスセンサ。
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