JP3988729B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
したがって、例えば、駆動力要求量が大きいときほど減速制御分担量を大きくすることにより、車線逸脱傾向でアクセルペダルが踏み込まれているような車線変更時の可能性がある場合には、ヨーモーメントが作用することによる違和感を与えることが回避されると共に、アクセル開度の変動に応じた加速が行われ、逆に、車線逸脱傾向でアクセルペダルの踏込みが小さい場合等、車線変更時ではない場合には、ヨーモーメントが作用することにより車線逸脱の回避が図られることになる。このとき、駆動力要求量に相当する駆動力から反発力を差し引いて減速制御分担量に応じた減速を達成し得る目標駆動力及び目標制動力を算出するようにしているから、駆動力と減速制御による減速を達成するための制御力との干渉が回避される。
図1は、第1の実施の形態における車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。なお、この車両は、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
また、この車両には、自車両の走行車線からの逸脱判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための前方外界認識センサとして、CCDカメラ等で構成される単眼カメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、単眼カメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角θ、すなわち走行車線に対する自車両の向き、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β等を算出することができるように構成されている。
具体的には、自車両が走行している走行車線の両側の白線等のレーンマーカを検出し、そのレーンマーカを用いて自車両が走行している走行車線を検出する。ここで、撮像された画像全域で白線等のレーンマーカを検出する(走査する)と、演算負荷も大きいし、時間もかかる。そこで、レーンマーカが存在しそうな領域に、更に小さな検出領域(いわゆるウィンドウ)を設定し、その検出領域内でレーンマーカを検出する。一般に、車線に対する自車両の向きが変わると、画像内に映し出されるレーンマーカの位置も変わるので、例えば前記特開平11−296660号公報では、操舵角δから車線に対する自車両の向きを推定し、画像内のレーンマーカが映し出されているであろう領域に検出領域を設定する。
次に、前記車両状態コントロールユニット8で行われる演算処理の処理手順を図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
Xs=Tt×V×(θ+Tt×V×β)+X ……(1)
なお、式(1)において、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位Xsが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断する。
なお、ここでは、前左右輪速度VwFL、VwFRに基づいて走行速度Vを算出するようにした場合について説明したが、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御手段が搭載されており、このABS制御手段によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにすればよい。
具体的には、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値XcとがXs≧Xcである場合には左に逸脱すると判断し、逸脱判断フラグをFLD=ONに設定する。また、Xs≦−Xcである場合には右に逸脱すると判断し、逸脱判断フラグをFLD=ONに設定する。また、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しない場合には、逸脱していないと判断し逸脱判断フラグをFLD=OFFに設定する。
具体的には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差(つまり逸脱量)に基づき算出し、Xs≧Xcの場合には次式(2)を参照し、Xs≦−Xcの場合には次式(3)を参照して、前記ヨーモーメント分担横変位Xm及び減速制御分担横変位Xdを算出する。
Xd=Hd×(Xs−Xc) ……(2)
Xm=Hm×(Xs+Xc)
Xd=Hd×(Xs+Xc) ……(3)
次いで、ステップS5に移行し、減速制御分担比Hdに応じた減速量を得るための制動力を発生させた場合に、要求駆動力τmに応じて発生される駆動力と互いに反発すると予測される反発力に相当する制駆動力反発力τcを算出する。この制駆動力反発力τcは、ステップS3で設定した逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときのみ、ステップS4で算出された減速制御分担横変位Xdに応じて次式(4)にしたがって算出する。なお、逸脱判断フラグFLDが“OFF”であるときには、τc=0とする。
なお、(4)式中のK1は、車両諸元によって定まる比例係数である。また、K2は車速に応じて変動する比例係数であって、例えば、車速が大きくなるほど比例係数K2が小さくなるように設定される。
次いで、ステップS6に移行し、逸脱回避のために車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出する。この目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときにのみ設定し、具体的には、前記ヨーモーメント分担横変位Xmに応じて次式(5)にしたがって参照する。なお、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”であるときには、目標ヨーモーメントはMs=0に設定する。
なお、式(5)中のK11は車両諸元によって定まる比例係数である。また、K12は車速に応じて変動する比例係数であって、例えば、車速が大きくなるほど比例係数K12が小さくなるように設定される。また、Kaは、アクセル開度Accに応じて設定される補正ゲインであって、例えば、図4に示すように設定される。
τs=−τe ……(7)
次いで、ステップS8に移行し、目標制動流体圧Psを算出する。
まず、減速制御分担相当の減速を行うための目標制動力τbを算出し、この目標制動力τbに相当する減速制動制御流体圧Pgを算出する。具体的には、前記ステップS5で算出した制駆動力反発力τcのうち、ステップS7における駆動力制限を行っても不足する制駆動力反発力相当分を、目標制動力τbとする。つまり、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合、制駆動力反発力τcが、τc≦τm+τeの場合には、目標制動力τb=0とする。逆に、τc>τm+τeの場合には、目標制動力τbは、次式(8)から算出する。
そして、このようにして算出した目標制動力τbに、制動力を制御流体圧に換算するための換算係数Kbを乗算し、減速制動制御流体圧Pg(=Kb×τb)を算出する。なお、この換算係数Kbは、ブレーキ諸元により定まる。
次に、前記減速制動制御流体圧Pg、ステップS6で算出した目標ヨーモーメントMs及び、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに基づいて、各車輪への目標制動流体圧PSiを算出する。
同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPsFは次式(10)で、また後左右輪目標制動流体圧差ΔPsRは次式(11)で与えられる。
ΔPsF=2×KbF×(|Ms|−Ms0)/T ……(10)
ΔPsR=2×KbR×Ms0/T ……(11)
なお、ここでは、前後輪をそれぞれ制御するようにした場合について説明したが、例えば前輪のみで制御するようにしてもよく、この場合には、ΔPsF=2×KbF×|Ms|/Tとするようにしてもよい。
PsFR=Pm+PgF+ΔPsF
PsRL=PmR+PgR
PsRR=PmR+PgR+ΔPsR ……(12)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMsが正値であるとき、すなわち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは下記(13)式で与えられる。
PsFR=Pm+PgF
PsRL=PmR+PgR+ΔPsR
PsRR=PmR+PgR ……(13)
なお、ここでは、各車輪の目標制動流体圧Psとして、マスタシリンダ液圧Pmと、目標ヨーモーメントMsから算出される制動流体圧と、減速制動制御量Pgから算出される制動流体圧との和から算出するようにしているが、これに限るものではなく、例えば、これらのうちの何れか大きいものを選択するようにしてもよい。
次いで、ステップS10に移行して、前記ステップS8で算出した各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記車線逸脱フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させ車線逸脱傾向にあることを通報する等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
今、自車両が走行車線中央を走行している場合には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグはFLD=OFFに設定される(ステップS3)。
そして、このときのアクセル開度Accに基づいてヨーモーメント分担比Hm及び減速制御分担比Hdが設定され、これに基づいて、推定横変位Xsとしきい値Xcとの差つまり、自車両の逸脱量に応じて、ヨーモーメント分担横変位Xm及び減速制御分担横変位Xdが算出される(ステップS4)。このとき、逸脱判断フラグがFLD=OFFであって自車両は車線逸脱傾向にないから、目標ヨーモーメントはMs=0に設定され(ステップS6)、また、目標駆動力τsはアクセルペダルの操作量に応じた要求駆動力τmが設定される。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグがFLD=ONに設定され(ステップS3)、例えばドライバに車線変更の意思がなくアクセル開度Accが比較的小さい場合には、図3の制御マップからヨーモーメント制御の割合がより大きくなるよう分担比が設定され、この分担比に応じた減速制御分担横変位Xd及びヨーモーメント分担横変位Xmに応じて制駆動力反発力τc及び目標ヨーモーメントMsがそれぞれ算出される。このとき、アクセル開度Accが小さくなるほど補正ゲインKaは大きくなるように設定されるから、目標ヨーモーメントMsは逸脱量に応じたヨーモーメント近傍の値に設定される。
したがって、例えば、ドライバが無意識のうちに車線逸脱傾向になった場合等、アクセルペダルの操作量が比較的小さくドライバに車線変更の意思がないと判断される場合には、ヨーモーメント制御による制御割合が大きく、車線逸脱量に応じたヨーモーメントが車両に作用することになって、車両の車線逸脱が速やかに回避されることになる。
また、図3に示すように、アクセル開度Accの増加に伴って減速制御分担比Hdを増加させ、アクセル開度Accの低下に伴ってヨーモーメント分担比Hmを増加させるようにしているから、車線変更開始時及び車線変更終了時のアクセル開度Accの変化に即してなめらかにヨーモーメント制御及び減速制御を切り替えることができる。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順が異なること以外は上記第1の実施の形態と同様であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態では、図5のフローチャートに示す手順で演算処理を行う。まず、ステップS11で各種データを読み込み、次いで、ステップS12に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして、推定横変位Xsを算出し車線逸脱判断(ステップS13)を行った後、逸脱回避分担量の算出を行う(ステップS14)。
すなわち、図6に示すように、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合には、擬似アクセル開度Asとして、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り替わった時点におけるアクセル開度Accを初期値A0として、この初期値A0から零まで徐々に減少する値を設定する。一方、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”に切り替わった時点における擬似アクセル開度Asを初期値として逐次入力されるアクセル開度Accまで徐々に増加する値を設定する。なお、擬似アクセル開度Asがアクセル開度Accに達した場合には以後、逐次入力されるアクセル開度Accを擬似アクセル開度Asとして設定する。
次いで、ステップS18に移行し、前記ステップS16で算出した目標ヨーモーメントMs、ステップS17で算出した減速制動制御流体圧Pgに応じて、前記ステップS8での処理と同様にして自車両の車線からの逸脱を回避するために必要な目標制動流体圧Psを算出する。
今、自車両が走行車線中央よりを走行している場合には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグはFLD=OFFに設定される(ステップS13)。
そして、このときのアクセル開度Accに基づいてヨーモーメント分担比Hm及び減速制御分担比Hdが設定され、これに基づいて、推定横変位Xsとしきい値Xcとの差つまり、自車両の車線逸脱量に応じて、ヨーモーメント分担横変位Xm及び減速制御分担横変位Xdが算出される(ステップS14)。このとき、逸脱判断フラグがFLD=OFFであって自車両は車線逸脱傾向にないから、擬似アクセル開度Asとしてこのときのアクセル開度Accが設定され、このとき前回の擬似アクセル開度Asとして前回のアクセル開度Accが設定されていない場合には、逐次読み込まれるアクセル開度Accに徐々に近づくように擬似アクセル開度Asが設定される(ステップS15)。また、目標ヨーモーメントはMs=0に設定され(ステップS16)、減速制動制御流体圧Pgは零に設定される(ステップS17)。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグがFLD=ONに設定され(ステップS13)、例えばドライバに車線変更の意思がなくアクセル開度Accが比較的小さい場合には、図3の制御マップからヨーモーメント制御の割合がより大きくなるよう分担比が設定され、この分担比に応じた減速制御分担横変位Xd及びヨーモーメント分担横変位Xmが算出される(ステップS14)。そして、擬似アクセル開度Asは、この時点における擬似アクセル開度Asを初期値として零まで徐々に減少するように設定される(ステップS15)。
したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同様に、ドライバが無意識のうちに車線逸脱傾向にある場合等、アクセルペダルの操作量が比較的小さくドライバに車線変更の意思がないと判断される場合には、ヨーモーメント制御の制御割合が大きく、車線逸脱量に応じたヨーモーメントが車両に作用することになって、車両の車線逸脱が速やかに回避されることになる。また、このとき、発生される駆動力は、アクセル開度Accに応じた駆動力から徐々に減少するから、車線逸脱のためのヨーモーメントや減速制動流体圧と駆動力とが互いに干渉することを回避することができ、十分な逸脱回避効果を得ることができる。
また、車線変更の意思がなく、アクセルペダルが踏み込まれた場合には、主に減速制御を行うようにしており、減速制御分担横変位Xdに相当する減速制動制御流体圧を発生させるようにしているから、車線逸脱を抑制するための減速制御を行うことができる。また、このとき、車線逸脱回避のためのヨーモーメントや制動力を発生させている間は、擬似アクセル開度Asに応じた駆動力を発生させることで、駆動力の低減を図るようにしているから、車線逸脱回避のための制動力と駆動力とが干渉することを回避し、自車両の車線逸脱を効果的に回避することができると共に、車線逸脱を検知した時点におけるアクセル開度Accにおける駆動力を初期値として駆動力は徐々に減少するから、車線変更の意思がある場合には、比較的大きな駆動力から徐々に減少することになり、車線変更に十分な駆動力を確保することができる。
ここで、上記第1の実施の形態において、図2のステップS3の処理が逸脱検出手段に対応し、アクセル開度センサ18が駆動力要求量検出手段に対応し、図2のステップS4の処理が分担量設定手段に対応し、ステップS6の処理が目標ヨーモーメント算出手段に対応し、ステップS5の処理が反発力検出手段に対応し、ステップS7及びステップS8の処理が制駆動力算出手段に対応し、ステップS9の処理が駆動力制御手段に対応し、ステップS10の処理が制動力制御手段に対応している。
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御回路
8 車両状態コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 単眼カメラ
14 カメラコントローラ
15 加速度センサ
16 ヨーレートセンサ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
20 方向指示スイッチ
22FL〜22RR 車輪速度センサ
23 モニタ
Claims (4)
- 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段を備え、
当該逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、自車両の走行車線からの逸脱を、自車両にヨーモーメントを付与するヨーモーメント制御と自車両を減速させる減速制御とで分担して回避するようにした車線逸脱防止装置において、
駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
当該駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に応じて前記ヨーモーメント制御及び前記減速制御の分担量を設定する分担量設定手段と、
当該分担量設定手段で設定したヨーモーメント制御分担量に応じて目標ヨーモーメントを算出する目標ヨーモーメント算出手段と、
前記駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に相当する駆動力と前記分担量設定手段で設定した減速制御分担量に応じた減速制御を行うための制御力との間の互いに反発する方向に作用する反発力を推測する反発力検出手段と、
前記駆動力要求量に相当する駆動力から前記反発力を差し引いて前記減速制御分担量に応じた減速を行うための目標駆動力及び目標制動力を算出する制駆動力算出手段と、
自車両が逸脱傾向にあるとき、前記制駆動力算出手段で算出した目標駆動力を発生するように駆動力制御を行う駆動力制御手段と、
自車両が逸脱傾向にあるとき、前記目標ヨーモーメント算出手段で算出された目標ヨーモーメントを付与するための制動力と前記制駆動力算出手段で算出された目標制動力との和に相当する制動力を発生するように制動力制御を行う制動力制御手段と、
を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段を備え、
当該逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、自車両の走行車線からの逸脱を、自車両にヨーモーメントを付与するヨーモーメント制御と自車両を減速させる減速制御とで分担して回避するようにした車線逸脱防止装置において、
駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、
前記駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
当該駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に応じて前記ヨーモーメント制御及び前記減速制御の分担量を設定する分担量設定手段と、
当該分担量設定手段で設定したヨーモーメント制御分担量に応じて目標ヨーモーメントを算出する目標ヨーモーメント算出手段と、
前記分担量設定手段で設定した減速制御分担量に応じた減速制御を行うための減速制御用制動力を算出する減速制御量算出手段と、
前記車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、前記駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制する駆動力抑制手段と、
前記車線逸脱傾向にあるとき、前記減速制御量算出手段で算出した減速制御用制動力と前記目標ヨーモーメント算出手段で算出した目標ヨーモーメントを実現するための制動力との和に相当する制動力を発生するよう制動力制御を行う制動力制御手段と、を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記分担量設定手段は、前記駆動力要求量が第1のしきい値以下であるときには前記ヨーモーメント制御のみを行い、前記駆動力要求量が前記第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値以上であるときには前記減速制御のみを行い、前記駆動力要求量が前記第1のしきい値よりも大きく且つ前記第2のしきい値よりも小さいときには前記ヨーモーメント制御及び前記減速制御を所定の割合で共に行うようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の車線逸脱防止装置。
- 前記目標ヨーモーメント算出手段で算出される目標ヨーモーメントは、前記駆動力要求量に応じて算出されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置
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