JP2004146292A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記負極活物質が、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計に対する前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の割合が1〜30重量%であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池用負極およびそれを備えた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、PDAおよびデジタルカメラ等の電源として、小形で軽量な非水電解質二次電池が広く用いられており、今後もエネルギー密度の向上が期待されている。現在、実用化されている非水電解質二次電池の負極活物質には炭素材料が、正極活物質にはリチウム遷移金属酸化物が主に用いられている。
【0003】
しかし、負極に使用する炭素材料の利用率は、その理論値近くにまで至っていることから、正極および負極に用いる活物質の重量を、従来の電池と同程度にしたままで、今後の電池の放電容量を10%以上向上させることは、困難な状況になってきている。
【0004】
このため近年、炭素材料に置き代わる、大放電容量を有するケイ素などの材料の研究が盛んにおこなわれている。しかしながら、ケイ素粒子単体を負極活物質に用いた場合、電池の高容量化および高エネルギー密度化は可能となるが、サイクル特性が著しく劣り、初期放電容量に対する500サイクル後の放電容量の比(これを容量保持率とする)は10%にも達しないといった問題があった。
【0005】
そこで、特開平10−3920号公報、特開平2000−215887号公報などでは、重量当たりおよび体積当たりの理論容量が大きいケイ素を炭素材料で被覆した負極活物質を用いた非水電解質二次電池が提案されている。ケイ素粒子を炭素材料で被覆することにより、被覆しないものと比べてサイクル特性の向上は見られたが、負極活物質粒子の充放電に伴う体積変化が大きく、それに伴い、極板内の活物質粒子間または活物質と集電体との接触導電性が損なわれ、充分なサイクル特性を満足できるまでには至っていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のケイ素を負極活物質として用いた非水電解質二次電池の場合、高い放電容量は得られるが、サイクル特性が劣るという問題があった。そこで、ケイ素を負極活物質として用いた非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させるという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、従来の炭素材料を用いた同体積の非水電解質二次電池と比較した場合、放電容量を10%以上向上させ、かつ、初期放電容量に対する500サイクル後の放電容量の比(容量保持率、%)を、従来のケイ素を負極活物質として用いた非水電解質二次電池に比べて5倍以上に改善することにより、大きな放電容量と良好なサイクル特性を両立させた非水電解質二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記負極活物質が、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計に対する前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の割合が1〜30重量%であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記負極活物質が、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計量に対する前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子の割合が1〜30重量%であることを特徴とする。
【0010】
請求項1または2の発明によれば、充放電サイクルの繰り返しによるケイ素の微粉化を防止し、さらに、極板内の活物質粒子間または活物質と集電体との接触導電性を良好に保つことにより、大きな放電容量と良好なサイクル特性を示す非水電解質二次電池を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、非水電解質二次電池の負極活物質が、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計に対する前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の割合を1〜30重量%とするものである。
【0012】
また、本発明は、非水電解質二次電池の負極活物質が、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計量に対する前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子の割合を1〜30重量%とするものである。
【0013】
負極活物質にケイ素を含む材料を使用することにより、放電容量の大きい、高エネルギー密度の非水電解質二次電池を得ることができる。その理由は、ケイ素を含む材料が、リチウムイオンと固溶体や金属間化合物を形成することにより、リチウムイオンを多量に貯蔵することができるからである。
【0014】
さらに、負極活物質が炭素材料を含むことにより、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。その理由は、充放電に伴って、ケイ素を含む粒子が微紛化したとしても、炭素材料によって導電経路が維持されるので、集電力の低下が抑制されるためである。
【0015】
負極活物質として、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子またはケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子を用いることにより、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。その理由は、負極活物質粒子表面に、ケイ素を含む材料が露出している場合には、充放電の繰り返しにより、ケイ素を含む材料が微紛化し、粒子から脱落して、放電容量が低下することがあるため、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆するか、またはケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆することにより、ケイ素を含む材料が露出することを防止し、表面の導電性物質により導電経路が維持され、充放電サイクル特性が向上するものと推定される。
【0016】
また、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計に対するケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の割合、またはケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計量に対するケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子の割合は、1〜30重量%であることが好ましい。割合がこの範囲よりも小さいと、大きな放電容量が得られなくなる。また、割合がこの範囲よりも大きいと、充放電に伴う活物質の膨張収縮の程度が大きいことから、負極の集電劣化を引き起こし、サイクル特性が低下する。なお、充放電サイクル特性をさらに向上させるためには、この割合は5〜10重量%にすることが好ましい。
【0017】
本発明の負極活物質に使用するケイ素を含む材料は、ケイ素、ケイ素の酸化物またはケイ素合金を単独で、または2種以上混合して用いることができる。その具体例としては、一般式SiOx(0≦x<2)で表される物質、またはこの物質にB、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を単独または二種以上を含有する物質が挙げられる。
【0018】
中でも、一般式SiOx(0≦x<2)で表される物質において、SiO2およびSiの両相を含む材料を使用することが好ましい。その理由は、SiO2のマトリックス中のSiにリチウムが吸蔵・放出されることで、体積膨張が小さく、サイクル特性に優れており、両者を最適な比率で混合することにより、放電容量が大きく、しかもサイクル特性に優れた負極活物質が得られるためである。
【0019】
さらに、一般式SiOx(0≦x<2)で表される物質の中では、CuKα線を用いたX線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が46°〜49°の範囲に現れる主回折ピークの半値幅をBとするとき、B<3°であることが好ましい。その理由は、B≧3である物質を用いた場合には、サイクル特性が低下するからである。
【0020】
また、負極活物質に用いるケイ素を含む材料の結晶性は、高結晶性からアモルファスまで使用することができるが、なかでも、アモルファスであることが好ましい。その理由は、高結晶構造が充放電によってアモルファスになると電位が変わる可能性があるため、あらかじめアモルファスのものを用いることが好ましい。
【0021】
さらに、Siからなる粒子、SiOx(但し、0<x≦2)からなる粒子、SiとSiOx(但し、0<x≦2)を含む粒子が、フッ酸、硫酸などの酸で洗浄されているものや水素で還元されているものも使用できる。
【0022】
また、本発明の負極活物質において、ケイ素を含む材料またはケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を被覆する導電性物質としては、Cu、Ni、Ti、Sn、Al、Co、Fe、Zn、Agまたはこれらの二種以上の合金または炭素材料が挙げられるが、これらの中では炭素材料を用いることが好ましい。
【0023】
ケイ素を含む材料またはケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を、炭素材料で被覆する方法としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタンなどを炭素源として気相中で分解し、粒子の表面に化学的に蒸着させるCVD方法、ピッチ、タールあるいはフルフリルアルコールなどの熱可塑性樹脂を粒子の表面に塗布した後に焼成する方法、あるいは粒子と炭素材料との間に機械的エネルギーを作用させて複合体を形成するメカノケミカル反応を用いた方法を用いることができる。中でも、均一に炭素材料を被覆できることからCVD法を用いることが好ましい。
【0024】
また、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子において、粒子全体に対する導電性物質の割合が、1〜30重量%であることが好ましい。さらに、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子において、粒子全体に対する導電性物質の割合が、1〜30重量%であることが好ましい。
【0025】
被覆量がこの範囲よりも小さいものは、導電性を充分に確保できないためサイクル特性が劣る。また、被覆量がこの範囲よりも大きいものは、大きな放電容量を得ることができない。
【0026】
さらに、サイクル特性を向上させるためには、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子において、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子の合計に対するケイ素を含む材料の割合が20〜70重量%であることがより好ましい。
【0027】
また、被覆する導電性物質が炭素材料の場合、その結晶性については高結晶性の黒鉛から低結晶性炭素まで使用することができる。中でも、電解液との反応性が低いことから、低結晶性炭素を使用することが好ましい。
【0028】
さらに、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の数平均粒径は0.1〜20μmであることが好ましい。また、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子の数平均粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。数平均粒径がこの範囲よりも小さいものは、製造が困難で、取り扱いにくくなる。また、数平均粒径がこの範囲よりも大きいものは、活物質内の導電性が劣り、サイクル劣化が大きくなる。なお、粒子の数平均粒径は、レーザー回折法によって求められる数平均値である。
【0029】
また、導電性物質で被覆したケイ素を含む粒子と混合する炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維などがあげられる。中でも、導電性を充分に確保できることから、数平均粒径が1〜15μmの鱗片状黒鉛を含有することが好ましい。
【0030】
また、サイクル特性が向上することからメソカーボンマイクロビーズやメソカーボンファイバーあるいはこれらの炭素材料にホウ素が添加された材料を含有することが好ましい。導電性物質で被覆したケイ素を含む粒子と混合する炭素材料の合計に対するメソカーボンマイクロビーズやメソカーボンファイバーあるいはこれらにホウ素が添加された材料の割合は、5〜40重量%であることが好ましい。
【0031】
負極活物質の結着剤として、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、またはそれらを混合して用い、さらに、他の結着剤を適宜使用することができる。他の結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシ変成ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
【0032】
負極活物質および結着剤を混合する際に用いる溶媒または溶液としては、結着剤を溶解または分散する溶媒または溶液を用いることができる。その溶媒または溶液としては、非水溶媒または水溶液を用いることができる。非水溶媒には、N―メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等をあげることができる。一方、水溶液には、水、または分散剤、増粘剤等を加えた水溶液を用いることができる。後者の水溶液中で、SBR等のラテックスと活物質とを混合し、それらをスラリー化することができる。 負極板の集電体としては、鉄、銅、ステンレス、ニッケルを用いることができる。また、その形状としては、シート、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子が例示される。さらに、集電体として、前記集電体に任意の形状で穴を開けたものを用いてもよい。
【0033】
正極活物質としては、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらの遷移金属とリチウムの複合酸化物LixMO2ただし、Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.5≦x≦1である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有した化合物を使用することができる。
【0034】
さらに、リチウムとニッケルの複合酸化物、すなわちLiNipM1qM2rO2で表される正極活物質(ただし、M1、M2はAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素でも良い。さらにp+q+r=1である)などを用いることができる。なかでも、高電圧、高エネルギー密度が得られ、サイクル特性にも優れることから、リチウム・コバルトの複合酸化物や、リチウム・コバルト・ニッケル複合酸化物が好ましい。
【0035】
正極に用いられる結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース、またはこれらの誘導体を、単独でまたは混合して用いることができる。
【0036】
電解液に使用する有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の非水溶媒を、単独でまたはこれらの混合溶媒を使用することができる。また、電解液中にビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート系、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン系、プロパンスルトンなどの硫黄系の化合物を単独または混合して含有しても使用できる。
【0037】
さらに、固体電解質との組み合わせでも使用することができる。固体電解質としては、無機固体電解質、ポリマー固体電解質を用いることができる。無機固体電解質としては、結晶質または非晶質の固体電解質を用いることができる。前者には、LiI、Li3N、Li1+xMxTi2−x(PO4)3(M=Al、Sc、Y、La)、Li0.5−3xR0.5+xTiO3(R=La、Pr、Nd、Sm)、またはLi4−xGe1−xPxS4に代表されるチオLISICONを用いることができ、後者にはLiI−Li2O−B2O5系、Li2O−SiO2系等の酸化物ガラス、またはLiI−Li2S−B2S3系、LiI−Li2S−SiS2系、Li2S−SiS2−Li3PO4系等の硫化物ガラスを用いることができる。また、これらの混合物を用いることができる。
【0038】
なお、本発明においては、有機溶媒に溶解する軽金属の塩としてはリチウム塩を使用することが好ましい。リチウム塩としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF(CF3)5、LiCF2(CF3)4、LiCF3(CF3)3、LiCF4(CF3)2、LiCF5(CF3)、LiCF3(C2F5)3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2、LiN(COCF3)2、LiN(COCF2CF3)2、LiC4BO8などの塩もしくはこれらの混合物でもよい。なかでも、サイクル特性が良好になることから、リチウム塩としては、LiPF6を用いるのが好ましい。さらに、これらのリチウム塩濃度は、0.5〜2.0Mとするのが好ましい。
【0039】
また、本発明に係る非水電解質電池のセパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜が好適に用いることができる。その材質としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィンが例示される。なかでもポリエチレンおよびポリプロビレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などのポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
【0040】
さらに高分子固体電解質などの固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を使用するなどして高分子固体電解質にさらに電解液を含有させても良い。この場合、ゲル状の高分子固体電解質を用いる場合には、ゲルを構成する電解液と、細孔中などに含有されている電解液とは異なっていてもよい。また、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。
【0041】
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、楕円形、コイン形、ボタン形、シート形電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
【0042】
【実施例】
つぎに、大きな放電容量と良好なサイクル特性を両立させた本発明の非水電解質二次電池を、実施例に基づいてさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
コア材としてケイ素を含む材料、被覆材の導電性物質としては炭素を用いた。ケイ素を含む材料として、微結晶質のSiとアモルファスのSiO2とに分相しているSiO粒子(これを記号「s」とする)を使用した。また、CuKα線のX線回折パターンにおけるSiのピークから、このSiO粉末では、回折角(2θ)が46°〜49°の範囲に回折ピークを示し、前記範囲に現れる主回折ピークの半値幅をBとするとき、B<3°(2θ)であった。
【0044】
アルゴン雰囲気中、ベンゼンガスを1000℃で熱分解する方法(CVD)によって、コア材としてのSiO粒子(s)の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は10μmであった。
【0045】
この炭素を被覆したSiO粒子を用いて、非水電解質二次電池を製作した。まず、炭素を被覆したSiO粒子10重量%と、炭素材料としてメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とからなる炭素混合材料とを混合し、これを負極活物質とした。
【0046】
この負極活物質97重量%と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)2重量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1重量%とを、水中で分散させることにより、ペーストを作製した。このペーストを厚さ15μmの銅箔上に1.15mg・cm−2、電池内に収納する負極活物質量が2gとなるように塗布し、つぎに、150℃で乾燥することにより、水を蒸発させた。この作業を銅箔の両面に対しておこない、さらに、両面をロールプレスで圧縮成型した。このようにして、銅箔の両面に負極合剤層を備えた負極板を製作した。
【0047】
つぎに、コバルト酸リチウム90重量%と、アセチレンブラック5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを、NMP中で分散させることによりペーストを作製した。このペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔上に2.5mg・cm− 2、電池内に収納する正極活物質量が5.3gとなるように塗布し、つぎに、150℃で乾燥することにより、NMPを蒸発させた。以上の操作をアルミニウム箔の両面におこない、さらに、両面をロールプレスで圧縮成型した。このようにして、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を備えた正極板を製作した。
【0048】
このようにして準備した正極板および負極板を、厚さ20μm、多孔度40%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ねて巻き、高さ48mm、幅30mm、厚さ4.2mmの容器中に挿入して、角形非水電解質二次電池を組み立てた。最後に、この電池の内部に非水電解液を注入することによって、実施例1の角形非水電解質二次電池を得た。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(EMC)との体積比1:1の混合溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解したものを用いた。電池の公称容量は700mAhとした。
【0049】
[実施例2]
コア材としてはSiO粒子(s)と鱗片状人造黒鉛との混合粒子、被覆材としては炭素を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状人造黒鉛を1:1の重量混合比でボールミル機を使って複合粒子とした後、アルゴン雰囲気中、ベンゼンガスを1000℃で熱分解する方法(CVD)によって、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、SiO粒子と鱗片状人造黒鉛と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は10μmであった。
【0050】
炭素で被覆した複合粒子を用いて、非水電解質二次電池を製作した。炭素で被覆した複合粒子10重量%と、炭素材料としてMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とからなる炭素混合材料とを混合し、これを負極活物質とした。負極活物質以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例2とした。
【0051】
[比較例1]
負極活物質として天然黒鉛100重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを比較例1とした。
【0052】
[比較例2]
数平均粒径10μmのSiO粒子(s)10重量%と、MCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とからなるの炭素混合材料を用いた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを比較例2とした。
【0053】
[比較例3]
負極活物質として、実施例1で作製した、コア材としてのSiO粒子(s)の表面に炭素を被覆させたものを単独で用いた。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は10μmであった。負極活物質以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを比較例3とした。
【0054】
[比較例4]
コア材としてケイ素(Si)を、被覆材としては炭素を用いた。アルゴン雰囲気中、ベンゼンガスを1000℃で熱分解する方法(CVD)によって、Si粒子の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆したSi粒子の数平均粒径は1μmであった。この炭素を被覆したSi粒子を負極活物質とした以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを比較例4とした。
【0055】
実施例1〜2および比較例1〜4に用いた負極活物質の内容を表1にまとめた。
【0056】
【表1】
【0057】
[実施例3〜7および比較例5、6]
コア材としてSiO粒子(s)、被覆材としては炭素を用い、実施例1と同様のCVD法により、コア材としてのSiO粒子(s)の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は1μmであった。
【0058】
この炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。炭素材料としては、MCMBと天然黒鉛と人造黒鉛との混合物を用いた。負極活物質の組成以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0059】
実施例3では、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子1重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛39重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例4は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子5量%とMCMB40重量%と天然黒鉛35量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例5は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子10%とMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例6は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子20重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛20重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例7は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子30重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛10重量%と人造黒鉛20重量%とした。
【0060】
比較例5は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子0.5重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛39.5重量%と人造黒鉛20重量%とした。比較例6は、負極活物質の組成を、炭素を被覆したSiO粒子35重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛5重量%と人造黒鉛20重量%とした。
【0061】
実施例3〜7および比較例5、6に用いた負極活物質の内容を表2にまとめた。
【0062】
【表2】
【0063】
[実施例8〜12]
コア材としてSiO粒子(s)、被覆材としては炭素を用い、実施例1と同様のCVD法により、コア材としてのSiO粒子(s)の表面に炭素を被覆させた。この炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、炭素を被覆したSiO粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。
【0064】
炭素を被覆したSiO粒子において、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対する炭素の組成を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0065】
実施例8は、炭素を被覆したSiO粒子における炭素の組成を0.5重量%とし、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は約1.0μmであった。実施例9は、炭素を被覆したSiO粒子における炭素の組成を1重量%とし、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は約1.0μmであった。実施例10は、炭素を被覆したSiO粒子における炭素の組成を10重量%とし、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は約1.0μmであった。実施例11は、炭素を被覆したSiO粒子における炭素の組成を30重量%とし、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は約1.1μmであった。実施例12は、炭素を被覆したSiO粒子における炭素の組成を40重量%とし、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は約1.2μmであった。
【0066】
実施例8〜12に用いた負極活物質の内容を表3にまとめた。
【0067】
【表3】
【0068】
[実施例13〜16]
コア材として数平均粒子径の異なるSiO粒子(s)を用い、被覆材としては炭素を用い、実施例1と同様のCVD法により、コア材としてのSiO粒子(s)の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。この炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。負極活物質の組成は、炭素を被覆したSiO粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。
【0069】
炭素を被覆したSiO粒子において、数平均粒径を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0070】
実施例13では、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は0.05μmとした。実施例14では、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は0.1μmとした。実施例15では、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は20μmとした。実施例16では、炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は30μmとした。
【0071】
実施例13〜16に用いた負極活物質の内容を表4にまとめた。なお、表4には、実施例1の内容についても掲載した。
【0072】
【表4】
【0073】
[実施例17〜21及び比較例7、8]
コア材としてSiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛とを50:50の重量混合比でボールミル機を使って複合体化させた。その後、実施例1と同様の方法(CVD)により、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、複合粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は20μmとした。
【0074】
この炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。炭素材料としては、MCMBと天然黒鉛と人造黒鉛との混合物を用いた。負極活物質の組成以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0075】
実施例17では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子1重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛39重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例18では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子5重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛35重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例19では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例20では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子20重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛20重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例21では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子30重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛10重量%と人造黒鉛20重量%とした。
【0076】
比較例7は、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子0.5重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛39.5重量%と人造黒鉛20重量%とした。実施例21では、負極活物質の組成を、炭素を被覆した複合粒子35重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛5重量%と人造黒鉛20重量%とした。
【0077】
実施例17〜21および比較例7、8に用いた負極活物質の内容を表5にまとめた。
【0078】
【表5】
【0079】
[実施例22〜27]
コア材としてSiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛とを50:50の重量混合比でボールミル機を使って複合体化させた。その後、実施例1と同様の方法(CVD)により、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。
【0080】
この炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、炭素を被覆した複合粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛40重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。炭素を被覆した複合粒子において、複合粒子と被覆材としての炭素との合計に対する炭素の組成を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0081】
実施例22は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を0.5重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。実施例23は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を1重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。実施例24は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を10重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.4μmであった。実施例25は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を20重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.8μmであった。実施例26は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を30重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.2μmであった。実施例27は、炭素を被覆した複合粒子における被覆炭素の組成を40重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.8μmであった。
【0082】
実施例22〜27に用いた負極活物質の内容を表6にまとめた。
【0083】
【表6】
【0084】
[実施例28〜32]
コア材としてSiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛とをボールミル機を使って複合体化させた。その後、実施例1と同様の方法(CVD)により、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。複合粒子と被覆材としての炭素との合計に対する炭素の被覆量を20重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。
【0085】
この炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、炭素を被覆した複合粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛40重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。炭素を被覆した複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛の混合比を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0086】
実施例28は、複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛との重量混合比を10:90とした。実施例29は、複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛との重量混合比を20:80とした。実施例30は、複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛との重量混合比を40:60とした。実施例31は、複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛との重量混合比を70:30とした。実施例32は、複合粒子におけるSiO粒子と鱗片状黒鉛との重量混合比を80:20とした。
【0087】
実施例28〜32に用いた負極活物質の内容を表7にまとめた。なお、表7には、実施例19の内容についても掲載した。
【0088】
【表7】
【0089】
[実施例33〜37]
コア材としてSiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛とを50:50の重量混合比でボールミル機を使って複合体化させた。その後、実施例1と同様の方法(CVD)により、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。複合粒子と被覆材としての炭素との合計に対する炭素の被覆量を20重量%とした。
【0090】
この炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、炭素を被覆した複合粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛40重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0091】
実施例33では、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を0.05μmとした。実施例34では、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を0.1μmとした。実施例35では、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を20μmとした。実施例36では、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を30μmとした。実施例37では、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径を40μmとした。
【0092】
実施例33〜37に用いた負極活物質の内容を表8にまとめた。なお、表8には、実施例2の内容についても掲載した。
【0093】
【表8】
【0094】
[実施例38]
コア材としてSiO粒子(s)を用い、炭素とSiO粒子とを混合して、メカニカルミリング法によってSiO粒子の表面に炭素を被覆した。炭素の被覆量は、SiO粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は10μmであった。
【0095】
この炭素を被覆したSiO粒子を用いて、非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、炭素を被覆したSiO粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。負極活物質以外は実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例38とした。
【0096】
[実施例39]
実施例38で用いたのと同じ、メカニカルミリング法によって炭素を被覆したSiO粒子10重量%と、炭素材料としてホウ素を含有するメソカーボンファイバー40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とからなる炭素混合材料とを混合し、これを負極活物質とした。負極活物質以外は実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例39とした。
【0097】
[実施例40]
実施例38で用いたのと同じ、メカニカルミリング法によって炭素を被覆したSiO粒子10重量%と、炭素材料として天然黒鉛70重量%と人造黒鉛20重量%とからなる炭素混合材料とを混合し、これを負極活物質とした。負極活物質以外は実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例340した。
【0098】
[実施例41]
コア材としてSi粒子と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。Si粒子と鱗片状黒鉛とを50:50の重量混合比でボールミル機を使って複合化させた。その後、実施例1と同様の方法(CVD)により、複合粒子の表面に炭素を被覆させた。炭素の被覆量は、複合粒子と被覆材としての炭素との合計に対して20重量%とした。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径は20μmであった。
【0099】
この炭素を被覆した複合粒子10重量%と、炭素材料としてMCMB40重量%と天然黒鉛30重量%と人造黒鉛20重量%とを混合し、これを負極活物質とした。負極活物質の組成以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例41とした。
【0100】
[実施例42]
コア材として、ZrSi2粒子と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた以外は実施例41と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例42とした。
【0101】
[実施例43]
コア材として、アモルファス質単相のSiO粒子(X線回折パターンのSiのピークから同定)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた以外は実施例41と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製し、これを実施例43とした。
【0102】
実施例38〜43に用いた負極活物質の内容を表9と表10にまとめた。ただし、表10において、実施例39の「MCMB」の欄は、ホウ素を含有するメソカーボンファイバーを使用している。
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】
[実施例44〜49]
コア材としてSiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子を用いた。SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛とを50:50の重量混合比でボールミル機を使って複合体化させた。その後、この複合粒子を電解浴に浸漬し、無電解メッキにより、複合粒子の表面に銅(Cu)を被覆させた。
【0106】
このCuを被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした、非水電解質二次電池を製作した。負極活物質は、Cuを被覆した複合粒子10重量%とMCMB40重量%と天然黒鉛40重量%と人造黒鉛20重量%との混合物を用いた。Cuを被覆した複合粒子において、複合粒子と被覆材としてのCuとの合計に対するCiの組成を変えた以外は実施例1と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0107】
実施例44は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を0.5重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。実施例45は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を1重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。実施例46は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を10重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.5μmであった。実施例47は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を20重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.9μmであった。実施例48は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を30重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.5μmであった。実施例49は、Cuを被覆した複合粒子における被覆Cuの組成を40重量%とした。Cuを被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.7μmであった。
【0108】
実施例44〜49に用いた負極活物質の内容を表11にまとめた。
【0109】
【表11】
【0110】
[実施例50〜55]
SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛の複合粒子の表面をニッケル(Ni)で被覆した以外は実施例44と同様にして、角形非水電解質二次電池を作製した。
【0111】
実施例50は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を0.5重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20μmであった。実施例51は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を1重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.1μmであった。実施例52は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を10重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.4μmであった。実施例53は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を20重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約20.8μmであった。実施例54は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を30重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.3μmであった。実施例55は、Niを被覆した複合粒子における被覆Niの組成を40重量%とした。Niを被覆した複合粒子の数平均粒径は約21.5μmであった。
【0112】
【表12】
【0113】
[充放電測定]
上記各電池を25℃において、700mA定電流で4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で2時間充電した後、700mA定電流で2.0Vまで放電した。この充放電過程を1サイクルとし、500サイクルの充放電試験をおこなった。表13に実施例1〜43および比較例1〜10の電池に関する1サイクル目の放電容量(初期容量)および容量保持率を示し、図14に実施例44〜55の電池に関する1サイクル目の放電容量(初期容量)および容量保持率を示した。なお、ここで「容量保持率」とは、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合(百分率表示)を表すものとする。
【0114】
【表13】
【0115】
【表14】
【0116】
実施例1〜41および比較例1〜10の比較から、つぎのようなことが明らかになった。
【0117】
実施例1、2および比較例1〜4を比較する。負極活物質に従来の黒鉛材のみを用いた比較例1では、初期容量は635mAh、容量保持率は80%であったのに対し、負極活物質にSiOと炭素材料との混合物を用いた比較例2では、初期容量は同程度であったが、容量保持率は極めて劣った。また、負極活物質にSiO粒子の表面に炭素を被覆したもののみを用いた比較例3と比較例1とを比較した場合、容量保持率は同程度であったが、初期容量は非常に小さくなった。さらに、負極活物質にSi粒子の表面に炭素を被覆したもののみを用いた比較例4と比較例1とを比較した場合、初期容量は大きかったが、容量保持率は極めて劣った。
【0118】
負極活物質にSiO粒子の表面に炭素を被覆した粒子と炭素材料の混合物を用いた実施例1およびSiO粒子と鱗片状人造黒鉛との混合粒子の表面を炭素で被覆した複合粒子と炭素材料の混合物を用いた実施例2では、比較例1〜4と比較して、初期容量も大きく、容量保持率も優れていた。この結果から、SiO粒子の表面を炭素で被覆することで電子電導性が向上しているものと考えられる。
【0119】
つぎに、負極活物質に炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との混合物を用い、炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との混合比の異なる実施例3〜7および比較例5、6とを比較する。炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との合計量に対する炭素を被覆したSiO粒子の組成が1〜30重量%である実施例3〜7の場合、初期容量も大きく、容量保持率も非常に大きくなった。一方、炭素を被覆したSiO粒子の組成が0.5重量%である比較例5では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、電池として大きい初期容量を得ることができなくなり、また、炭素を被覆したSiO粒子の組成が35重量%である比較例6では、負極板の膨張収縮の程度が大きく、集電劣化を引き起こし、著しく容量保持率が低くなった。したがって、サイクル特性および放電容量の観点から、SiO粒子を炭素で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を負極活物質とする場合、炭素を被覆したSiO粒子と炭素材料との合計量に対する炭素を被覆したSiO粒子の組成は1〜30重量%であることが好ましい。
【0120】
つぎに、実施例8〜12は、炭素を被覆したSiO粒子において、SiO粒子と表面に被覆した炭素の合計量に対する被覆炭素の組成を変えたものである、被覆炭素の組成が1〜30重量%である実施例9〜11の場合には、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、被覆炭素の組成が0.5重量%である実施例8では、容量保持率がやや小さくなって、その効果が得られにくくなり、また、被覆炭素の組成が40重量%である実施例12では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、初期容量はやや小さくなった。したがって、SiO粒子と表面に被覆した炭素の合計量に対する被覆炭素の組成は1〜30重量%であることがより好ましい。
【0121】
実施例1および実施例13〜16は、表面に炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径を変えたものである。表面に炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径が0.1〜20μmである実施例1、14、15の場合に、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、表面に炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径が0.05μmである実施例13では、活物質の製造が困難で取り扱いも難しくなり、容量維持率もやや小さくなった。また、表面に炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径が30μmである実施例16では、負極板の作製が難しくなり、容量維持率もやや小さくなった。したがって表面に炭素を被覆したSiO粒子の数平均粒径は0.1〜20μmであることがより好ましい。
【0122】
次に、SiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子の表面に炭素を被覆し、この炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との混合物を負極活物質とした場合を比較する。
【0123】
まず、炭素を被覆したSiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子と、炭素材料との混合比を変えた実施例17〜21および比較例7、8を比較する。炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との合計量に対する炭素を被覆した複合粒子の組成が1〜30重量%である実施例17〜21の場合には、放電容量も大きく、容量保持率も大きかった。一方、炭素を被覆した複合粒子の組成が0.5重量%である比較例7では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、電池として高い初期容量を得ることができなくなり、また、炭素を被覆した複合粒子の組成が35重量%である比較例8では、負極板の膨張収縮の程度が大きく、集電劣化を引き起こし、容量保持率は極めて低くなった。したがって、初期容量および容量維持率をともに大きくするためには、炭素を被覆した複合粒子と炭素材料との合計量に対する炭素を被覆した複合粒子の組成は1〜30重量%であることが好ましい。
【0124】
つぎに、炭素を被覆したSiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子において、被覆炭素とSiO粒子と鱗片状黒鉛の合計に対する被覆炭素の混合比を変えた実施例22〜27を比較した。被覆炭素の組成が1〜30重量%である実施例23〜26の場合には、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、被覆炭素の組成が0.5重量%である実施例22では、容量保持率がやや小さくなり、また、被覆炭素の組成が40重量%である実施例27では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、初期容量はやや小さくなった。したがって、被覆炭素とSiO粒子と鱗片状黒鉛の合計に対する被覆炭素の組成は1〜30重量%であることが好ましい。
【0125】
さらに、炭素を被覆したSiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子において、SiO粒子と鱗片状黒鉛との混合組成を変えた実施例19および実施例28〜32を比較した。SiO粒子と鱗片状黒鉛の合計量にたいする鱗片状黒鉛の組成が20〜70重量%である実施例19および実施例29〜31の場合には、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、SiO粒子の組成が10重量%である実施例28では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、初期容量が小さく、また、SiO粒子の組成が80重量%である実施例32では、SiO粒子の充放電に伴う体積の膨張収縮の影響が大きく、容量保持率がやや小さくなった。したがって、SiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子におけるSiO粒子の組成は20〜70重量%であることが好ましい。
【0126】
さらに、炭素を被覆したSiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子の数平均粒径を変えた実施例2および実施例33〜37を比較した。炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径が0.1〜30μmである実施例2および実施例34〜36の場合に、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径が0.05μmである実施例32では、活物質の製造が困難で取り扱いも難しくなり、容量保持率はやや小さくなり、また、炭素を被覆した複合粒子の数平均粒径が40μmである実施例37では、負極板の作製が難しくなり、容量保持率はやや小さくなった。したがって、炭素を被覆したSiO粒子と鱗片状黒鉛との複合粒子の数平均粒径は0.1〜30μmであることがより好ましい。
【0127】
また、実施例38〜43を比較する。実施例38〜40は、SiO粒子の表面に炭素を被覆させる方法としてメカニカルミリング法を用いたものである。そして、炭素を被覆したSiO粒子と混合する炭素材料を変えたものである。
【0128】
実施例38と、SiO粒子の表面に炭素を被覆させる方法としてCVD法を用いた実施例5とを比較すると、いずれの方法でも大きい初期容量が得られたが、容量保持率はCVD法を用いた実施例5の方が大きくなった。これは、CVD法で被覆させた方がより均一に表面を被覆しているためと考えられる。また、炭素を被覆したSiO粒子と混合する炭素材料としてMCMBを用いた実施例38と、ホウ素を含有するメソカーボンファイバーを用いた実施例39では、共に大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。しかし、炭素材料としてMCMBを用いず、天然黒鉛と人造黒鉛を用いた実施例40では、容量保持率はやや小さくなった。
【0129】
また、ケイ素を含む材料としてSiOの代わりにSiを用いた実施例41およびZrSi2を用いた実施例42の場合は、いずれも大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。さらに、ケイ素を含む材料として、アモルファス質単相のSiOを使用した実施例43の場合は、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。このように、SiOが微結晶質のSiとアモルファスのSiO2とに分相し、CuKα線を用いたX線回折パターンにおいて、回折角(2θ)が46°〜49°の範囲に回折ピークを示し、前記範囲に現れる主回折ピークの半値幅をBとするとき、B<3°(2θ)である場合は、高い初期容量と極めて大きな容量保持率が得られた。
【0130】
最後に、コア材として、SiO粒子(s)と鱗片状黒鉛との複合粒子を用い、この複合粒子の表面を銅(Cu)またはニッケル(Ni)で被覆し、被覆Cuまたは被覆NiとSiO粒子と鱗片状黒鉛の合計に対する、被覆Cuまたは被覆Niの混合比を変えた実施例44〜55を比較した。
【0131】
被覆材にCuを用いた実施例44〜49の比較では、被覆Cuの組成が1〜30重量%である実施例45〜48の場合には、大きい初期容量と大きい容量保持率が得られた。一方、被覆Cuの組成が0.5重量%である実施例44では、容量保持率がやや小さくなり、また、被覆Cuの組成が40重量%である実施例49では、リチウムの吸蔵能力が高いSiO粒子の含有量が少ないため、初期容量はやや小さくなった。したがって、被覆CuとSiO粒子と鱗片状黒鉛の合計に対する被覆Cuの組成は1〜30重量%であることが好ましい。
【0132】
また、被覆材にNiを用いた実施例50〜55の比較でも、被覆量と初期容量および容量保持率との関係は、被覆材がCuの場合と同様の関係が得られた。また、この関係は、被覆材が炭素である実施例22〜27の場合とも同様であった。
【0133】
【発明の効果】
本発明になる非水電解質二次電池は、正極および負極に用いる活物質の重量をそれぞれ同じにしたまままで、従来の炭素材料を用いたリチウムイオン電池の初期の放電容量よりも10%以上向上させ、かつケイ素を負極活物質として用いたリチウムイオン電池の容量保持率(初期放電容量に対する500サイクル後の放電容量の比)を5倍以上に改善し、大きな放電容量と良好なサイクル特性を両立した非水電解質二次電池を提供することができる。
Claims (2)
- 正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記負極活物質が、ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計に対する前記ケイ素を含む材料を導電性物質で被覆した粒子の割合が1〜30重量%であることを特徴とする非水電解質二次電池。
- 正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記負極活物質が、ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と、炭素材料との混合物を含み、前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子と炭素材料との合計量に対する前記ケイ素を含む材料と炭素材料とを含む粒子を導電性物質で被覆した粒子の割合が1〜30重量%であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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