JP2004142957A - 低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物,プレキャストブロック及び溶融金属容器 - Google Patents
低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物,プレキャストブロック及び溶融金属容器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物と、これを使用したプレキャストブロック及び溶融金属容器を提供する。
【解決手段】質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、20μm未満の粒子においては、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.97であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物である。また、該キャスタブル耐火物からなる低弾性率プレキャストブロックである。さらに、該プレキャストブロックを内張りの一部又は全部に使用した溶融金属容器である。
【選択図】 なし
【解決手段】質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、20μm未満の粒子においては、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.97であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物である。また、該キャスタブル耐火物からなる低弾性率プレキャストブロックである。さらに、該プレキャストブロックを内張りの一部又は全部に使用した溶融金属容器である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特に溶鋼取鍋などの湯当たり部や羽口などに用いられるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物およびそれを用いたプレキャストブロックに関する。またそれを内張りに使用した溶融金属容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼取鍋などの湯当たり部や羽口などは成形品としては比較的大型であったり形状も複雑であったりすることから、一体成形が可能で形状付与性に優れるプレキャストブロックが広く用いられている。プレキャストブロックとは、キャスタブル耐火物を事前に型枠に流し込んで、成形し乾燥させた耐火物ブロックのことである。また、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は適度の荷重軟化性によって迫り出しや剥離を抑えることが出来るため、湯当たり部に広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
近年は受鋼時の機械的衝撃に対する抵抗性を高めるため、高強度化を中心に材質改善が進められてきている。
【0004】
また、内張り耐火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得る不定形耐火物を提供することを目的として、骨材としてAl2O3を主成分としたアルミナ原料と、粒度75μm以下のMgOを主成分とするマグネシア原料を6〜12質量%と、結合剤としての粒径10μm以下のTiO2微粉とで形成してなるアルミナ・マグネシア質不定形耐火物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−185202号公報
【特許文献2】
特開平9−183672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高強度化は一方で緻密化、高弾性化を招き、発生する熱応力が大きくなるためスポーリングによる亀裂の発生と剥離に対しては逆効果となる懸念があった。
【0007】
特開平9−183672号公報に開示された発明をはじめ、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は耐食性や耐スラグ浸潤性を高めるために緻密化を促進させており、スポーリングによって亀裂の発生や剥離が起こりやすくなる懸念があるため、亀裂や剥離が問題となる湯当たり部には必ずしも最適でないおそれがあった。
【0008】
本発明は亀裂および剥離を軽減し、従来材質に比べてその損耗速度を小さくすることができるキャスタブル耐火物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決すべく研究を進め、本発明を得た。すなわち、本発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、20μm未満の粒子においては、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.97であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(2)質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物であって、前記キャスタブル耐火物に、その総質量の5質量倍の水を加えて攪拌した時に、攪拌を停止して10秒以内に沈降しない懸濁液中の耐火物組成においては、Al2O3及びCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.95であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(3)1000℃における熱間圧縮弾性率が1〜25GPaであることを特徴とする(1)または(2)のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物からなるプレキャストブロック。
(5)(1)〜(3)の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物又は(4)に記載のプレキャストブロックを内張りの一部又は全部に使用した溶融金属容器にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、主にアルミナ原料に由来するAl2O3の含有量が、質量%で60%未満では耐食性の低下が大きく、95%超では耐スラグ浸潤性の低下が多くなるため、60〜95%とする。
【0011】
また、主にマグネシア質原料に由来するMgOの含有量が、質量%で1%未満ではスラグの浸潤と溶損が大きく、15%超ではスラグの浸潤が多くなるため、1〜15%とする。
【0012】
主にアルミナセメントに由来するCaOは、質量%で0.1%未満とすると強度が発現しにくく、10%超とすると耐食性が低下するので0.1〜10%とする。
【0013】
また、主にシリカ質原料に由来するSiO2は、質量%で0.2%未満では乾燥中にマグネシアが水和して耐火物に亀裂が生じ、5%超では耐食性が低下するので0.2〜5%とする。
【0014】
ところで、過焼結とは、高温における物質移動によって耐火粒子間の結合が強固となることで緻密化、高弾性率化する現象である。特にアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物においては、1000℃前後で熱間圧縮弾性率が顕著に増大する。これにより、使用中に温度勾配が生じている耐火物の内部には弾性率が急激に変化する部分が生じ、特に温度分布が非定常な場合は局部的に大きな熱応力が生じる。このため耐火物内部に亀裂が生じる。
【0015】
本発明者らは過焼結による熱間圧縮弾性率の上昇を抑制するには、20μm未満の超微粉域に配合されるアルミナ原料とアルミナセメントのうちアルミナ原料の量を少なくする、すなわち化学組成で表現すれば、20μm未満の粒子において、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合を0.7〜0.97にすることで、過焼結や1000℃前後における熱間圧縮弾性率を低減させることができることを明らかにした。これは、20μm未満のアルミナ微粉は焼結しやすいので、この量が少なければ過焼結や1000℃前後の弾性率上昇を防止できるためであると考えられる。
【0016】
本発明が提供するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、20μm未満の超微粉域に配合されるアルミナ原料とアルミナセメントのうちアルミナ原料の量を少なくすることで、1000℃前後における熱間圧縮弾性率の顕著な増大が抑えられるため亀裂が生じにくく、この亀裂からの剥離も極めて少ないという優れた特徴を有し、損耗速度が小さいことが特徴である。
【0017】
ところで、20μm未満の微粉の化学組成を分析するために、本発明者らは以下のような方法を工夫した。まず適当な篩い目の分析用篩を準備する。最も細かい目は45μmとする。これらを目の粗いものから細かいものへと、上から下へと重ね、一番下には受け皿を取り付ける。これをロータップ試験機を使用して篩う。以上はJIS−R2552(1992年度)の方法である。次に篩を重ねたままの状態で、洗びんに入れたエタノールで各篩いの中の粒子を上から順に洗い、液は下の篩へと流す。一つの篩が終了したら、これを取り除き、その下の篩の内容物を同様に洗浄する。この操作を順番に繰り返し、45μmの篩を通過した粉末と液を、さらに20μmの篩で篩う。この際には目が詰まるのを防ぐために超音波洗浄器の中で行う。なお45μmの篩を通過した粉末と液が多い場合には遠心分離器で粉体を濃縮してから行っても良い。
【0018】
このようにして得た20μmの篩下の粒子からエタノールを揮発させて取り除き、化学分析する。化学分析は適当な標準試料を基にガラスビード法による蛍光X線分析で行うのが普通であるが、湿式法やICP法なども適用可能である。
【0019】
図1に20μm以下の粒子のAl2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示した。なお熱間圧縮弾性率はφ60×100mmの試料を1000℃のアルゴン雰囲気下で圧縮して、その時の応力−変位曲線から算出した。なおクロスヘッド移動速度は0.005mm/s、応力の範囲は1〜3MPaとし、この間の応力変位曲線を一次近似し、その傾きを熱間圧縮弾性率とした。
【0020】
図1からわかるように、Al2O3/(Al2O3+CaO)が0.97より大きい場合は1000℃における熱間圧縮弾性率が25GPaを超えるが、0.97以下では25GPa程度以下となることがわかる。本発明者らの実験では1000℃における熱間圧縮弾性率が25GPaを超える材料を溶鋼取鍋の湯当たり部分で使用すると稼動面に平行な亀裂が発生し剥離損耗が顕著になるので、これを抑制するにはAl2O3/(Al2O3+CaO)は0.97以下と制限した。一方、Al2O3/(Al2O3+CaO)は0.7以上とした。これより小さくなると耐食性が低下するためである。
【0021】
ところで、前述のような篩い分け方法は精度が高い反面、非常に手間が掛かる。そこでより簡易な方法で微粉の化学組成を求める方法も工夫した。すなわち、まず粉体状の試料を20g準備し、これにビーカー中で100gの水を加えて5分間攪拌する。攪拌を停止したら10秒以内に沈降しない懸濁液を蒸発皿に流し込む。残渣はビーカーに残す。懸濁液は蒸発皿ごと80℃の乾燥器に入れ水分を蒸発させる。こうして得た蒸発残渣を化学分析する。分析方法は前述の方法でよい。この方法で測定したAl2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における弾性率の関係を図2に示す。この値が0.95以下では熱間圧縮弾性率が低いことがわかる。
【0022】
この方法では、懸濁液には40μm以下の粒子が存在し、これよりも大きい粒子はビーカーに残渣として残るので、40μm以下の粒子が分離できる。アルミナセメントは20〜40μmの粒径のものも多いので、篩を使用する方法よりも多くのアルミナセメントが捕捉され、しきい値は篩法の場合の0.97よりも低い0.95となるものと考えられる。一方、Al2O3/(Al2O3+CaO)の下限は前述の方法と同様に0.7以上とした。これより小さくなると耐食性が低下するためである。
【0023】
本発明において使用されるアルミナ原料とマグネシア質原料は、通常耐火物用に使用されているもので差し支えないが、より高純度のものが望ましい。すなわちアルミナ質原料としては焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、電融ボーキサイト、ばん土頁岩などが使用できるが、望ましくは焼結アルミナまたは電融アルミナを使用する。均質な施工体を得るために粒径が5mm以下のものを用い、さらに良好な充填密度が得られるように粗粒(1〜5mm)、中粒(0.1〜1mm)、微粉(0.1mm未満)にそれぞれ分けて調整したものを用いる事が好ましい。また、これらに加え、亀裂や剥離の防止のためにアルミナの大粗粒(10mm以上)を添加することができる。
【0024】
マグネシア質原料は焼結または電融品が使用できる。粒径1mm以下のマグネシア微粉は95質量%以上が粒径1〜0.01mmの範囲に入り、平均粒径10〜90μmとすることが望ましい。なぜなら、平均粒径10μm未満では混練・養生時に容易に水と反応して亀裂を生じ、また90μm超ではスピネルが生成しにくく、耐スラグ浸潤性の向上や膨張性付与の効果が小さくなるからである。本発明において、平均粒径とは、市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる体積平均粒径であると定義する。また、マグネシア質原料として炭酸マグネシウムを添加しても良い。この場合に用いる炭酸マグネシウムは低純度のものは耐食性を悪化させるため純度95質量%以上の高純度マグネサイト鉱石または合成炭酸マグネシウムを少なくとも粒径1mm以下としたものが好ましい。なお、マグネサイトは炭酸マグネシウムからなる鉱物のことであり、炭酸マグネシウムの化学式はMgCO3である。
【0025】
本発明品には熱間における軟化性を付与するために粒径45μm以下のシリカ粉末を使用することが好ましい。粒径は市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる体積平均粒径であると定義する。粒径が45μmを超えると分散性が悪くなるので、45μm以下に規定する。シリカ粉末の含有量が本発明のキャスタブル耐火物の原料となるアルミナ原料、マグネシア原料、アルミナセメント及びシリカ質原料の合計質量の0.2%未満のときには高温における軟化性が乏しく熱膨張によるせり割れを起こし、3%超だと過焼結が促進されて弾性率が上昇してしまうため0.2〜3%とする。この場合のシリカ粉末には一般的な蒸発シリカの使用が好ましい。
【0026】
アルミナセメントは硬化材として使用するが、硬化材はこれに限らず、例えばケイ酸ソーダ、シリカゾル、アルミナゾル、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどから選ばれる1種または2種以上が使用できる。
【0027】
本発明に係る耐火物は不可避的不純物として、たとえば酸化鉄、酸化マンガン、TiO2、B2O3、P2O5、V2O5などの1種又は2種以上を含有しても良い。
【0028】
均質な成形体を得るために、必要に応じて分散剤を添加することができるが、例えばトリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、クエン酸ソーダ、酒石酸塩などから選ばれる1種または2種以上を使用する。
【0029】
適当な可使時間を得るために、必要に応じて硬化調整剤を添加することが出来るが、これには例えばホウ酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸アンモニウム、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸リチウムなどから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
【0030】
また、以上に示した配合物以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、他の耐火材(たとえば珪石、ろう石、粘土、シャモット、ムライト、シリマナイト族鉱物、クロム鉱、電融マグクロ、ドロマイト、電融マグドロ、スピネル、黒鉛、炭化けい素、ガラスなど)、耐火粗大粒子、繊維類、金属粉末、金属線、酸化防止剤、結合剤などを添加しても良い。
【0031】
本発明に係るキャスタブル耐火物の施工は常法どおり、以上の配合組成に外掛けで4〜8質量%程度の水分を添加し、型枠に流し込み施工する。施工の際には充填性を向上させるため、一般には型枠にバイブレータを取り付けるか、あるいは耐火物中に棒状バイブレータを挿入して加振する。
【0032】
本発明のキャスタブルブロックは上記のように施工した後、乾燥し、又はさらに加熱して使用することができる。
【0033】
本発明のキャスタブル耐火物又はキャスタブルブロックは溶鋼取鍋、タンディッシュ、二次精錬設備をはじめとする溶融金属容器に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例とその比較例を示す。表1は各例の配合組成と施工体の試験結果を示す。各例は、外掛けで施工水6質量%および分散剤(ポリアクリル酸ソーダ)を0.1質量%添加し、混練後、型枠に振動を付与した状態で流し込み施工し、養生後、110℃×24時間乾燥、あるいはその後大気雰囲気中1500℃で3時間焼成した。試験方法は以下のとおりである。
【0035】
線変化率;110℃×24時間乾燥した試料を1500℃×3時間焼成し、焼成前後の長さの変化が焼成前の長さに占める百分率で算出した。
【0036】
曲げ強さ;試験片を110℃×24時間乾燥または1500℃×3時間焼成したものを室温下において測定し、施工体の強度を比較した。
【0037】
室温音速弾性率(GPa);試験片を1500℃×3時間加熱したものを室温下において測定し、音速(m/s)の2乗に嵩密度(g/cm3)を乗じ、さらに10−6を乗じて算出した。
【0038】
熱間圧縮弾性率(GPa);試験片を110℃×24時間乾燥したものを1000℃のアルゴン雰囲気中で測定した。
【0039】
本発明例A〜Cは1000℃での熱間圧縮弾性率も18GPa以下と小さい。これに対し、比較例DとEは24GPa以上と高かった。これらの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
上記した実施例Bと比較例Dについて、以下の方法により実機試験を行った。
【0042】
まず、大きさおよそ800×1000mm、厚さ300mmのプレキャストブロックを製造し、これをパーマれんがを築造した後の溶鋼取鍋(容量300t)の底部のほぼ中心に取り付け、周囲にアルミナスピネル質キャスタブルを厚さ250mmで流し込んだ。この取鍋を約60回使用した後に当該ブロックの厚さを測定し、元の厚さから差し引いた値を使用回数で除し、損耗速度を算出した。この結果、比較例Dの損耗速度が2.6mm/チャージであるのに対し、実施例Bの損耗速度は1.9mm/チャージと大幅に抑制された。また実施例Bは比較例Dよりも稼動中の亀裂の発生が少なかった。
【0043】
【発明の効果】
このように本発明のキャスタブル耐火物は、20μm未満の粒子において、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合を小さくすることで、過焼結や1000℃前後における熱間圧縮弾性率を低減させることができ、実機試験結果においても、亀裂および剥離を軽減でき、従来材質に比べてその損耗速度を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャスタブル耐火物の20μm以下の粒子についての、Al2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示す図である。
【図2】キャスタブル耐火物に、その総質量の5質量倍の水を加えて攪拌した時に、攪拌を停止して10秒以内に沈降しない粒子についての、Al2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は特に溶鋼取鍋などの湯当たり部や羽口などに用いられるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物およびそれを用いたプレキャストブロックに関する。またそれを内張りに使用した溶融金属容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼取鍋などの湯当たり部や羽口などは成形品としては比較的大型であったり形状も複雑であったりすることから、一体成形が可能で形状付与性に優れるプレキャストブロックが広く用いられている。プレキャストブロックとは、キャスタブル耐火物を事前に型枠に流し込んで、成形し乾燥させた耐火物ブロックのことである。また、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は適度の荷重軟化性によって迫り出しや剥離を抑えることが出来るため、湯当たり部に広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
近年は受鋼時の機械的衝撃に対する抵抗性を高めるため、高強度化を中心に材質改善が進められてきている。
【0004】
また、内張り耐火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得る不定形耐火物を提供することを目的として、骨材としてAl2O3を主成分としたアルミナ原料と、粒度75μm以下のMgOを主成分とするマグネシア原料を6〜12質量%と、結合剤としての粒径10μm以下のTiO2微粉とで形成してなるアルミナ・マグネシア質不定形耐火物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−185202号公報
【特許文献2】
特開平9−183672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高強度化は一方で緻密化、高弾性化を招き、発生する熱応力が大きくなるためスポーリングによる亀裂の発生と剥離に対しては逆効果となる懸念があった。
【0007】
特開平9−183672号公報に開示された発明をはじめ、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は耐食性や耐スラグ浸潤性を高めるために緻密化を促進させており、スポーリングによって亀裂の発生や剥離が起こりやすくなる懸念があるため、亀裂や剥離が問題となる湯当たり部には必ずしも最適でないおそれがあった。
【0008】
本発明は亀裂および剥離を軽減し、従来材質に比べてその損耗速度を小さくすることができるキャスタブル耐火物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決すべく研究を進め、本発明を得た。すなわち、本発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、20μm未満の粒子においては、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.97であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(2)質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物であって、前記キャスタブル耐火物に、その総質量の5質量倍の水を加えて攪拌した時に、攪拌を停止して10秒以内に沈降しない懸濁液中の耐火物組成においては、Al2O3及びCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.95であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(3)1000℃における熱間圧縮弾性率が1〜25GPaであることを特徴とする(1)または(2)のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物からなるプレキャストブロック。
(5)(1)〜(3)の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物又は(4)に記載のプレキャストブロックを内張りの一部又は全部に使用した溶融金属容器にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、主にアルミナ原料に由来するAl2O3の含有量が、質量%で60%未満では耐食性の低下が大きく、95%超では耐スラグ浸潤性の低下が多くなるため、60〜95%とする。
【0011】
また、主にマグネシア質原料に由来するMgOの含有量が、質量%で1%未満ではスラグの浸潤と溶損が大きく、15%超ではスラグの浸潤が多くなるため、1〜15%とする。
【0012】
主にアルミナセメントに由来するCaOは、質量%で0.1%未満とすると強度が発現しにくく、10%超とすると耐食性が低下するので0.1〜10%とする。
【0013】
また、主にシリカ質原料に由来するSiO2は、質量%で0.2%未満では乾燥中にマグネシアが水和して耐火物に亀裂が生じ、5%超では耐食性が低下するので0.2〜5%とする。
【0014】
ところで、過焼結とは、高温における物質移動によって耐火粒子間の結合が強固となることで緻密化、高弾性率化する現象である。特にアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物においては、1000℃前後で熱間圧縮弾性率が顕著に増大する。これにより、使用中に温度勾配が生じている耐火物の内部には弾性率が急激に変化する部分が生じ、特に温度分布が非定常な場合は局部的に大きな熱応力が生じる。このため耐火物内部に亀裂が生じる。
【0015】
本発明者らは過焼結による熱間圧縮弾性率の上昇を抑制するには、20μm未満の超微粉域に配合されるアルミナ原料とアルミナセメントのうちアルミナ原料の量を少なくする、すなわち化学組成で表現すれば、20μm未満の粒子において、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合を0.7〜0.97にすることで、過焼結や1000℃前後における熱間圧縮弾性率を低減させることができることを明らかにした。これは、20μm未満のアルミナ微粉は焼結しやすいので、この量が少なければ過焼結や1000℃前後の弾性率上昇を防止できるためであると考えられる。
【0016】
本発明が提供するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、20μm未満の超微粉域に配合されるアルミナ原料とアルミナセメントのうちアルミナ原料の量を少なくすることで、1000℃前後における熱間圧縮弾性率の顕著な増大が抑えられるため亀裂が生じにくく、この亀裂からの剥離も極めて少ないという優れた特徴を有し、損耗速度が小さいことが特徴である。
【0017】
ところで、20μm未満の微粉の化学組成を分析するために、本発明者らは以下のような方法を工夫した。まず適当な篩い目の分析用篩を準備する。最も細かい目は45μmとする。これらを目の粗いものから細かいものへと、上から下へと重ね、一番下には受け皿を取り付ける。これをロータップ試験機を使用して篩う。以上はJIS−R2552(1992年度)の方法である。次に篩を重ねたままの状態で、洗びんに入れたエタノールで各篩いの中の粒子を上から順に洗い、液は下の篩へと流す。一つの篩が終了したら、これを取り除き、その下の篩の内容物を同様に洗浄する。この操作を順番に繰り返し、45μmの篩を通過した粉末と液を、さらに20μmの篩で篩う。この際には目が詰まるのを防ぐために超音波洗浄器の中で行う。なお45μmの篩を通過した粉末と液が多い場合には遠心分離器で粉体を濃縮してから行っても良い。
【0018】
このようにして得た20μmの篩下の粒子からエタノールを揮発させて取り除き、化学分析する。化学分析は適当な標準試料を基にガラスビード法による蛍光X線分析で行うのが普通であるが、湿式法やICP法なども適用可能である。
【0019】
図1に20μm以下の粒子のAl2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示した。なお熱間圧縮弾性率はφ60×100mmの試料を1000℃のアルゴン雰囲気下で圧縮して、その時の応力−変位曲線から算出した。なおクロスヘッド移動速度は0.005mm/s、応力の範囲は1〜3MPaとし、この間の応力変位曲線を一次近似し、その傾きを熱間圧縮弾性率とした。
【0020】
図1からわかるように、Al2O3/(Al2O3+CaO)が0.97より大きい場合は1000℃における熱間圧縮弾性率が25GPaを超えるが、0.97以下では25GPa程度以下となることがわかる。本発明者らの実験では1000℃における熱間圧縮弾性率が25GPaを超える材料を溶鋼取鍋の湯当たり部分で使用すると稼動面に平行な亀裂が発生し剥離損耗が顕著になるので、これを抑制するにはAl2O3/(Al2O3+CaO)は0.97以下と制限した。一方、Al2O3/(Al2O3+CaO)は0.7以上とした。これより小さくなると耐食性が低下するためである。
【0021】
ところで、前述のような篩い分け方法は精度が高い反面、非常に手間が掛かる。そこでより簡易な方法で微粉の化学組成を求める方法も工夫した。すなわち、まず粉体状の試料を20g準備し、これにビーカー中で100gの水を加えて5分間攪拌する。攪拌を停止したら10秒以内に沈降しない懸濁液を蒸発皿に流し込む。残渣はビーカーに残す。懸濁液は蒸発皿ごと80℃の乾燥器に入れ水分を蒸発させる。こうして得た蒸発残渣を化学分析する。分析方法は前述の方法でよい。この方法で測定したAl2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における弾性率の関係を図2に示す。この値が0.95以下では熱間圧縮弾性率が低いことがわかる。
【0022】
この方法では、懸濁液には40μm以下の粒子が存在し、これよりも大きい粒子はビーカーに残渣として残るので、40μm以下の粒子が分離できる。アルミナセメントは20〜40μmの粒径のものも多いので、篩を使用する方法よりも多くのアルミナセメントが捕捉され、しきい値は篩法の場合の0.97よりも低い0.95となるものと考えられる。一方、Al2O3/(Al2O3+CaO)の下限は前述の方法と同様に0.7以上とした。これより小さくなると耐食性が低下するためである。
【0023】
本発明において使用されるアルミナ原料とマグネシア質原料は、通常耐火物用に使用されているもので差し支えないが、より高純度のものが望ましい。すなわちアルミナ質原料としては焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、電融ボーキサイト、ばん土頁岩などが使用できるが、望ましくは焼結アルミナまたは電融アルミナを使用する。均質な施工体を得るために粒径が5mm以下のものを用い、さらに良好な充填密度が得られるように粗粒(1〜5mm)、中粒(0.1〜1mm)、微粉(0.1mm未満)にそれぞれ分けて調整したものを用いる事が好ましい。また、これらに加え、亀裂や剥離の防止のためにアルミナの大粗粒(10mm以上)を添加することができる。
【0024】
マグネシア質原料は焼結または電融品が使用できる。粒径1mm以下のマグネシア微粉は95質量%以上が粒径1〜0.01mmの範囲に入り、平均粒径10〜90μmとすることが望ましい。なぜなら、平均粒径10μm未満では混練・養生時に容易に水と反応して亀裂を生じ、また90μm超ではスピネルが生成しにくく、耐スラグ浸潤性の向上や膨張性付与の効果が小さくなるからである。本発明において、平均粒径とは、市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる体積平均粒径であると定義する。また、マグネシア質原料として炭酸マグネシウムを添加しても良い。この場合に用いる炭酸マグネシウムは低純度のものは耐食性を悪化させるため純度95質量%以上の高純度マグネサイト鉱石または合成炭酸マグネシウムを少なくとも粒径1mm以下としたものが好ましい。なお、マグネサイトは炭酸マグネシウムからなる鉱物のことであり、炭酸マグネシウムの化学式はMgCO3である。
【0025】
本発明品には熱間における軟化性を付与するために粒径45μm以下のシリカ粉末を使用することが好ましい。粒径は市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる体積平均粒径であると定義する。粒径が45μmを超えると分散性が悪くなるので、45μm以下に規定する。シリカ粉末の含有量が本発明のキャスタブル耐火物の原料となるアルミナ原料、マグネシア原料、アルミナセメント及びシリカ質原料の合計質量の0.2%未満のときには高温における軟化性が乏しく熱膨張によるせり割れを起こし、3%超だと過焼結が促進されて弾性率が上昇してしまうため0.2〜3%とする。この場合のシリカ粉末には一般的な蒸発シリカの使用が好ましい。
【0026】
アルミナセメントは硬化材として使用するが、硬化材はこれに限らず、例えばケイ酸ソーダ、シリカゾル、アルミナゾル、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどから選ばれる1種または2種以上が使用できる。
【0027】
本発明に係る耐火物は不可避的不純物として、たとえば酸化鉄、酸化マンガン、TiO2、B2O3、P2O5、V2O5などの1種又は2種以上を含有しても良い。
【0028】
均質な成形体を得るために、必要に応じて分散剤を添加することができるが、例えばトリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、クエン酸ソーダ、酒石酸塩などから選ばれる1種または2種以上を使用する。
【0029】
適当な可使時間を得るために、必要に応じて硬化調整剤を添加することが出来るが、これには例えばホウ酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸アンモニウム、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸リチウムなどから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
【0030】
また、以上に示した配合物以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、他の耐火材(たとえば珪石、ろう石、粘土、シャモット、ムライト、シリマナイト族鉱物、クロム鉱、電融マグクロ、ドロマイト、電融マグドロ、スピネル、黒鉛、炭化けい素、ガラスなど)、耐火粗大粒子、繊維類、金属粉末、金属線、酸化防止剤、結合剤などを添加しても良い。
【0031】
本発明に係るキャスタブル耐火物の施工は常法どおり、以上の配合組成に外掛けで4〜8質量%程度の水分を添加し、型枠に流し込み施工する。施工の際には充填性を向上させるため、一般には型枠にバイブレータを取り付けるか、あるいは耐火物中に棒状バイブレータを挿入して加振する。
【0032】
本発明のキャスタブルブロックは上記のように施工した後、乾燥し、又はさらに加熱して使用することができる。
【0033】
本発明のキャスタブル耐火物又はキャスタブルブロックは溶鋼取鍋、タンディッシュ、二次精錬設備をはじめとする溶融金属容器に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例とその比較例を示す。表1は各例の配合組成と施工体の試験結果を示す。各例は、外掛けで施工水6質量%および分散剤(ポリアクリル酸ソーダ)を0.1質量%添加し、混練後、型枠に振動を付与した状態で流し込み施工し、養生後、110℃×24時間乾燥、あるいはその後大気雰囲気中1500℃で3時間焼成した。試験方法は以下のとおりである。
【0035】
線変化率;110℃×24時間乾燥した試料を1500℃×3時間焼成し、焼成前後の長さの変化が焼成前の長さに占める百分率で算出した。
【0036】
曲げ強さ;試験片を110℃×24時間乾燥または1500℃×3時間焼成したものを室温下において測定し、施工体の強度を比較した。
【0037】
室温音速弾性率(GPa);試験片を1500℃×3時間加熱したものを室温下において測定し、音速(m/s)の2乗に嵩密度(g/cm3)を乗じ、さらに10−6を乗じて算出した。
【0038】
熱間圧縮弾性率(GPa);試験片を110℃×24時間乾燥したものを1000℃のアルゴン雰囲気中で測定した。
【0039】
本発明例A〜Cは1000℃での熱間圧縮弾性率も18GPa以下と小さい。これに対し、比較例DとEは24GPa以上と高かった。これらの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
上記した実施例Bと比較例Dについて、以下の方法により実機試験を行った。
【0042】
まず、大きさおよそ800×1000mm、厚さ300mmのプレキャストブロックを製造し、これをパーマれんがを築造した後の溶鋼取鍋(容量300t)の底部のほぼ中心に取り付け、周囲にアルミナスピネル質キャスタブルを厚さ250mmで流し込んだ。この取鍋を約60回使用した後に当該ブロックの厚さを測定し、元の厚さから差し引いた値を使用回数で除し、損耗速度を算出した。この結果、比較例Dの損耗速度が2.6mm/チャージであるのに対し、実施例Bの損耗速度は1.9mm/チャージと大幅に抑制された。また実施例Bは比較例Dよりも稼動中の亀裂の発生が少なかった。
【0043】
【発明の効果】
このように本発明のキャスタブル耐火物は、20μm未満の粒子において、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合を小さくすることで、過焼結や1000℃前後における熱間圧縮弾性率を低減させることができ、実機試験結果においても、亀裂および剥離を軽減でき、従来材質に比べてその損耗速度を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャスタブル耐火物の20μm以下の粒子についての、Al2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示す図である。
【図2】キャスタブル耐火物に、その総質量の5質量倍の水を加えて攪拌した時に、攪拌を停止して10秒以内に沈降しない粒子についての、Al2O3/(Al2O3+CaO)と1000℃における熱間圧縮弾性率の関係を示す図である。
Claims (5)
- 質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、20μm未満の粒子においては、Al2O3とCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.97であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
- 質量%で、Al2O3を60〜95%、MgOを1〜15%、CaOを0.1〜10%、SiO2を0.2〜5%含有し、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物であって、前記キャスタブル耐火物に、その総質量の5質量倍の水を加えて攪拌した時に、攪拌を停止して10秒以内に沈降しない懸濁液中の耐火物組成においては、Al2O3及びCaOの合量に占めるAl2O3の割合が0.7〜0.95であることを特徴とする低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
- 1000℃における熱間圧縮弾性率が1〜25GPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の低弾性率アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物からなる低弾性率プレキャストブロック。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のキャスタブル耐火物又は請求項4に記載のプレキャストブロックを内張りの一部又は全部に使用した溶融金属容器。
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