JP5361795B2 - 内張り流し込み材 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼用内張り流し込み材に関し、特に、耐スラグ浸透性に優れた溶鋼取鍋用内張り流し込み材に関する。
近年、溶鋼取鍋の内張り用不定形耐火物として、アルミナ原料とスピネル原料とを組み合わせたアルミナ・スピネル質流し込み材や、アルミナ質流し込み材にマグネシア原料を添加したアルミナ・マグネシア質流し込み材が開発されている。例えば、特許文献1には、Al成分が65〜85wt%、MgO成分が5〜25wt%、その他SiO成分30wt%以下からなる高アルミナ質流し込み材において、粒径1mm未満の材料のAl/(Al+SiO)の成分比が0.80〜0.95であることを特徴とする特殊精錬取鍋用高アルミナ質流し込み材(請求項1);前記高アルミナ質流し込み材にアルミナセメント、耐火粘土、シリカ超微粉および珪酸ガラスから選ばれた1種ないし2種以上の物質をバインダーとして添加してなる特殊精錬取鍋用高アルミナ質流し込み材(請求項2);バインダーの添加量が2〜15wt%である請求項(2)の特殊精錬取鍋用高アルミナ質流し込み材が開示されている。
また、特許文献2には、非晶質シリカ微粒子が0.3〜5重量%、高アルミナセメントが0.5〜4重量%、残部がアルミナからなる鍋用不定形耐火物(請求項1);非晶質シリカ粒子が0.3〜3重量%、高アルミナセメントが0.5〜4重量%、スピネル若しくはマグネシアがMgO組成に換算して2〜15重量%、残部がアルミナからなる鍋用不定形耐火物(請求項3)が開示されている。
更に、特許文献3には、150メッシュ以下のマグネシア系原料4〜25wt%と粒径5μm以下のシリカ系原料0.5〜5wt%および残部がアルミナ系原料、アルミナセメントと必要に応じた特性を付与するための耐火性材料より成る耐火物原料であり、該耐火物原料100wt%において、MgO含有量が3〜25wt%であり、SiO含有量が0.5〜6wt%であることを特徴とする溶融金属容器内張り用不定形耐火物(請求項1)が開示されている。
また、特許文献4には、耐火材の組成において、粒子径0.15mm以下の部分が、Al含有率98重量%以上のアルミナ質原料とMgO含有率95重量%以上のマグネシア質原料の混合物からなり、かつ、前記粒子径0.15mm以下の部分の化学組成が、Al:65〜85重量%、MgO:15〜35重量%の範囲にあるとともに、全体の3〜12重量%を占める平均粒子径5μm以下のアルミナ質原料の少なくとも一部を構成している耐火材に対して、シリカフラワーを外掛けで2重量%以下の割合で添加したことを特徴とする流し込み不定形耐火物が開示されている。また、特許文献4の[0017]段落には、「シリカフラワーを添加することにより、高温下での熱間膨張を抑制し、熱間での塑性変形により熱応力を緩和できること、及び高温下での変形量を減少させることが可能になることによる。すなわち、シリカフラワーを添加することにより、1300〜1700℃の温度で処理した後の組織の均一性を向上させることが可能になるとともに、加熱・冷却に伴う膨張・収縮などの熱間特性を制御して施工体の亀裂や剥離の発生を抑制することが可能になることによる。」旨の記載がある。
これらのアルミナ・マグネシア質流し込み材は、使用中にアルミナとマグネシアが反応して2次スピネルを生成することで材料組織が緻密化するため、予めスピネルを添加したアルミナ・スピネル質流し込み材よりもスラグに対する耐食性に優れることから、取鍋内張り用材質として広く適用されている。
また、不定形耐火物に中空アルミナ粒子を使用することも提案されている。例えば、特許文献5には、アルミナ質材料10〜90重量%及びマグネシア質材料90〜10重量%からなる耐火物原料100重量部及び造粒処理した電融アルミナ中空粒3〜15重量部を含有する誘導炉用乾式ラミング材が開示されている。
また、特許文献6には、アルミナ−スピネル質流し込み耐火物であって、耐火物中に粒子径0.3〜3mmの中空粒子が2.5〜12wt%含まれ、かつ耐火物の見掛け気孔率が20〜32%であることを特徴とする取鍋内張り用耐火物(請求項1);耐火物中の中空粒子が電融されてなる中空粒子である取鍋内張り用耐火物(請求項4);中空粒子がアルミナ質のものである取鍋内張り用耐火物(請求項5)が開示されている。
更に、特許文献7には、アルミナ−スピネル質流し込み耐火物であって、粒子径0.3〜3mmの中空粒子が2.5〜7.5重量%とスピネル粒子が24〜50重量%含まれ、かつ1000℃における熱伝導率が2kcal/m・h・℃以下であることを特徴とする取鍋内張り用耐火物(請求項1)が開示されている。
また、特許文献8には、粒度0.5〜6.0mmの高耐火性セラミックスの中空粒15〜70wt%、粒度1mm以下の耐火原料10〜35wt%、η、δ、χ、γ−アルミナ中間体10〜40wt%、マイクロシリカ0.5〜5.0wt%、空気連行剤0.01〜0.4wt%、及び増粘剤0.01〜0.5wt%からなることを特徴とする耐火断熱キャスタブル耐火物(請求項1)が開示されている。なお、特許文献8の実施例においては、高耐火性セラミックスの中空粒として中空アルミナが使用されている。
更に、特許文献9には、粒径が0.5〜6.0mmのアルミナ中空粒15〜70重量%と、粒径が1mm以下のマグネシア、スピネルを主成分とする少なくともいずれか1種の第1の微粒の耐火原料の2〜30重量%と、粒径が1mm以下のアルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニアの少なくとも1種を主成分とする第2の微粒の耐火原料8〜60重量%と、水硬性アルミナ、アルミナ成分65重量%以上のアルミナセメントの少なくともいずれか1種5〜45重量%と、空気連行剤0.01〜0.4重量%と、増粘剤0.01〜0.5重量%との混合物から成ることを特徴とする不定形耐火物が開示されている。
特開平2−208260号公報 特開平5−185202号公報 特開平7−25669号公報 特開平9−52775号公報 特公平7−42173号公報 特開平4−144981号公報 特開平7−237978号公報 特開平9−157045号公報 特開平11−49577号公報
しかしながら、特許文献1ないし4に開示されているアルミナ・マグネシア質流し込み材は、高い耐食性を有しているものの、耐スラグ浸透性が未だ十分とは言えない。これは、実際の取鍋において、スラグ浸透に伴う変質層の生成と剥離(構造スポーリング)が損傷の主要因となっていることからもわかる。これらの流し込み材を使用して取鍋の寿命を更に延長させることは限界となっている。
また、中空アルミナを使用した耐火物について、特許文献5は、焼結抑制を指向したラミング材に関するものであり、また、特許文献8は、工業炉の断熱ライニング材に関するものであり、溶融金属に触れる内張り材を想定するものではない。更に、特許文献6及び7は、取鍋内張り用耐火物に関するものであるが、熱損失の低減を目的としており、耐食性及び耐スラグ浸透性は劣るものであった。特に、マグネシアを添加した耐火物は、使用中にアルミナと反応してスピネルを生成し、この際に膨張に起因する亀裂が発生して耐用性が劣るという問題があり、これに対する対策は何ら講じられていない。また、特許文献9は、アルミナ中空体の配合量が15〜70質量%(特に、実施例においては30〜60質量%)と多いために、空隙が多くなりすぎて耐食性が低下するために不定形耐火物としては不適である。
従って、本発明の目的は、耐スラグ浸透性を従来のアルミナ・マグネシア質流し込み材よりも格段に向上させたアルミナ・マグネシア質内張り流し込み材を提供することにある。
本発明者らは、高耐スラグ浸透性を得るために、アルミナ・マグネシア質内張り流し込み材の低熱伝導率化に着目し、中空アルミナ粒子の活用について鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の内張り流し込み材は、粒子径が0.3mm以下であるマグネシアを2〜20質量%、粒子径が5mm以下である中空アルミナ粒子を2〜15質量%、残部がアルミナを主体とする原料からなる配合物100質量%に、外掛けで非晶質のシリカ超微粉を0.21.5質量%配合してなり、非晶質のシリカ超微粉の配合によって加熱使用時の中空アルミナ粒子の潰れを防止していることを特徴とする
また、本発明の内張り流し込み材は、アルミナを主体とする原料が、バインダーとしてのアルミナセメントを2〜15質量%含むことを特徴とする。
更に、本発明の内張り流し込み材は、アルミナを主体とする原料が、粒子径0.045mm以下の仮焼アルミナを2〜18質量%含むことを特徴とする。
また、本発明の内張り流し込み材は、アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、発泡剤、金属ファイバー、有機ファイバー、セラミックファイバー及び分散剤からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含むことを特徴とする。
更に、本発明の内張り流し込み材は、溶鋼取鍋用内張り流し込み材であることを特徴とする。
本発明によれば、中空アルミナ粒子を活用して低熱伝導率化することにより、加熱時に施工体内部に発生する温度勾配を急勾配化させることによってスラグ浸透を大幅に抑制でき、近年の過酷な炉操業条件においても十分に対応できるアルミナ・マグネシア質内張り流し込み材を提供することができる。
また、例えば、溶鋼取鍋の内張りにおいて、スラグ浸透に起因する剥離(構造スポーリング)を大幅に低減でき、耐用性が大幅に向上し、背部への地金進入も皆無となり、トータルライフを延命化できる。
更に、内張り流し込み材の軽量化、低熱伝導率化によって、施工量低減による経済的メリットや熱ロス低減によるエネルギーコストの節減も可能となる。
本発明の内張り流し込み材(以下、単に「流し込み材」と記載する)は、中空アルミナ粒子を活用して高耐食性を有するアルミナ・マグネシア質流し込み材の熱伝導率を低減させ、使用中の流し込み材の稼動面から背面にかけての温度勾配を大きくすることによって、耐スラグ浸透性を大幅に向上させたところに特徴がある。
例えば、取鍋は溶鋼に触れる稼動面側に流し込み材がライニング(内張り)され、その背面にパーマ煉瓦が二層または三層ライニングされ、さらにその背面が鉄皮で構成されている。稼動面に内張りされる流し込み材の施工厚みは約100mm〜250mmが一般的であり、稼働中の取鍋では流し込み材の表面温度は溶鋼温度と同じ1650℃程度となり、流し込み材の背面は800〜1000℃程度になる。流し込み材は稼動面から背面にかけて温度勾配が発生することになり、稼動面から流し込み材に浸透したスラグは背面側の低温度領域(スラグの融点以下)に進むと液相から固相へ変わるため、それ以上浸透できなくなる。熱伝導率の低い流し込み材を内張りに使用すると、稼動面から背面にかけての温度勾配が急勾配になる、すなわち、流し込み材の中央部や背面温度が低下するため、浸透したスラグは稼動面付近でしか液相状態を保てなくなる。その結果、スラグ浸透が抑制される。逆に、流し込み材の背面側を断熱煉瓦や断熱シートで断熱し、温度勾配を緩やかにした場合、スラグ浸透が助長され耐用性が低下することが実際の取鍋で確認されている。
本発明の流し込み材において、マグネシアは使用中にアルミナと反応してMgO・Al系スピネルを生成することで、流し込み材の耐食性と耐スラグ浸透性を向上させる作用を有する。特に、本発明の流し込み材では、マグネシアは中空アルミナ粒子と反応して中空アルミナ粒子表面をスピネル化することによって、中空アルミナ粒子の耐食性を向上させる作用も有する。そのため、本発明の流し込み材では耐食性を低下させることなく中空アルミナ粒子を使用することができる。
また、マグネシアとしては、その粒子径が0.3mm以下の微粉や超微粉を使用することが好ましく、また、粒子径が75μm以下のものを25質量%以上含むものが更に好ましい。マグネシアの粒子径が0.3mmより粗い場合には、マグネシアと中空アルミナおよび他のアルミナ原料との反応により生成するスピネルの生成速度が遅くなり、反応による耐食性向上効果が得難くなるために好ましくない。また、粒子径が75μm以下のものが25質量%未満であると、同様に耐食性向上効果を得難くなる場合がある。なお、マグネシアは、マグネシア含有量が90質量%以上の高純度のものを使用することが好ましい。ここで、マグネシア含有量が90質量%未満のマグネシアでは、シリカ、ライムあるいは鉄酸化物等の不純物が多く含まれるため、耐食性の低下や残存膨張率の低下により十分な耐用性が得られなくなることがあるために好ましくない。マグネシアとしては、例えば、マグネシア含有量が90質量%以上の天然に産するマグネサイトやその焼成物、海水より得られる海水マグネシアあるいは電融することにより得られる電融マグネシアの1種または2種以上の混合物を使用することができる。なお、マグネシアの配合量は2〜20質量%、好ましくは5〜10質量%の範囲内である。マグネシアの配合量が2質量%未満の場合には、マグネシアとアルミナとの反応により生成するスピネルの生成量が少なく耐食性が低下するために好ましくない。また、マグネシアの配合量が20質量%を超えると、マグネシアとアルミナとの反応により生成したスピネルと、未反応のマグネシアが共存した状態となり、特に、溶鋼取鍋のような溶鋼と接する容器の内張り材として使用する場合には、処理スラグの浸透が抑制されず、いわゆる構造的スポーリングが発生し、耐用性が低下するために好ましくない。
本発明の流し込み材において、中空アルミナ粒子は、流し込み材を軽量化すると共に熱伝導率を低減させる作用を有する。中空アルミナ粒子としては、電融法によって得られた市販品を使用できるが、その粒子径は5mm以下であり、好ましくは0.1〜5mmの範囲内である。粒子径が5mmを超えると、中空アルミナ粒子内部の気孔が大きくなり、流し込み材の耐食性が低下するために好ましくない。また、中空アルミナ粒子のアルミナ含有量は95重量%以上が好ましく、更に好ましくは98重量%以上である。アルミナ含有量が95重量%未満では、流し込み材の耐食性が低下するために好ましくない。ここで、中空アルミナ粒子の配合量は2〜15質量%、好ましくは5〜10質量%の範囲内である。中空アルミナ粒子の配合量が2質量%未満の場合には、熱伝導率の低減効果が十分ではなく、また、15質量%を超えると、流し込み材中の空隙が多くなりすぎて耐食性が低下するために好ましくない。
本発明の流し込み材において、上述のマグネシア及び中空アルミナ粒子以外の残部はアルミナを主体とする原料から構成される。アルミナを主体とする原料はアルミナと、バインダーとして作用するアルミナセメントに大別される。
アルミナは耐食性と容積安定性とを兼ね備えた材質であり、本発明の流し込み材において主骨材としての役割を有する。アルミナとしては、焼結品、電融品などのいずれをも使用することができ、アルミナの含有量が90質量%以上のものが好ましい。なお、TiOを1〜8質量%程度含有するものを使用することもできる。また、ボーキサイト、ばん土けつ岩、シリマナイト、ムライトなどの低純度品を使用することもできる。また、耐スポーリング性や耐食性を向上させるために、粒子径8mm以上の粗大粒を添加することもでき、また、微粉部には、高純度品を使用することが好ましい。特に、粒子径が0.045mm以下の超微粉としてアルミナ含有量が98質量%以上の仮焼アルミナを使用すれば、マグネシアと反応して微細なスピネルを生成するため、耐食性及び耐スラグ浸透性を向上することができる。なお、仮焼アルミナの配合量は2〜18質量%、好ましくは3〜15質量%の範囲内である。
また、アルミナセメントとしては、カルシア含有量が30質量%未満であって、カルシウムアルミネートとコランダムを主体鉱物とする高純度のハイアルミナセメントを使用することができる。なお、アルミナセメントの配合量は2〜15質量%、好ましくは5〜8質量%の範囲内である。ここで、カルシア含有量が30質量%以上のアルミナセメントを使用した場合やアルミナセメントの配合量が15質量%を超える場合には、耐食性が極端に低下するために好ましくない。また、アルミナセメントの配合量が2質量%未満の場合には、施工体の強度が十分に得られないため、乾燥時の爆裂や使用中の施工体組織のギャップにより剥離損傷を起こすことがあるために好ましくない。
本発明の流し込み材においては、上述のマグネシア、中空アルミナ粒子及びアルミナを主体とする原料よりなる配合物100質量%に対して、外掛けで0.21.5質量%、好ましくは0.5〜1.2質量%の非晶質のシリカ超微粉を配合する。非晶質のシリカ超微粉を使用する目的は、使用時の流し込み材中に(Ca−Al−Si)酸化物系や(Na−Mg−Si)酸化物系の液相を生成させ、施工体の応力緩和性を高めることにある。すなわち、流し込み材中に適量の液相が存在すると材料が軟化し、外部からの応力や自身の熱膨張を吸収することができる。本発明の流し込み材では、上記配合物へ非晶質のシリカ超微粉を配合することによる応力緩和によって中空アルミナ粒子が潰れることを防止することができる。
ここで、アルミナとマグネシアが反応してスピネルを生成する際に体積が約8%膨張することが知られており、鉄皮で拘束されている取鍋等の内張りへアルミナ・マグネシア質流し込み材を適用した場合、この体積膨張によって施工体に亀裂が生ずることがある。特に、本発明の流し込み材では、中空アルミナ粒子を使用するため、この体積膨張によって中空アルミナ粒子が潰れて、熱伝導率を低下させる効果が得られなくなる恐れがある。そのため、非晶質のシリカ超微粉を使用することは本発明の流し込み材にとって必須である。非晶質のシリカ超微粉の配合量が上記配合物100質量%に対して、外掛けで0.1質量%未満の場合には、上述した液相生成量が少なく材料が軟化し難くなるため、中空アルミナ粒子が潰れ易くなり、熱伝導率を低下することができず、その結果、耐スラグ浸透性が低下するために好ましくない。一方、非晶質のシリカ超微粉の配合量が2質量%を超えると、液相生成量が多くなりすぎるため、耐食性が極端に低下し、また、過焼結により亀裂が発生し易くなるために好ましくない。
なお、本発明の流し込み材には、必要に応じて、アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、発泡剤、金属ファイバー、有機ファイバー、セラミックファイバー、縮合燐酸塩やポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボン酸カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属塩やそれらの重合体または共重合体などの分散剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明の流し込み材の流し込み施工は、特に限定されるものではなく、慣用・公知の手段を用いて行うことができ、例えば、流し込み材をミキサーに投入し、水を4〜10質量%程度添加・混練した後、混合物をダイレクトあるいは搬送ホッパー、あるいはピストンポンプやスクイズポンプ等の圧送機器を使用し、施工枠内に投入し、バイブレーター等の加振機器を使用して行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明の流し込み材を更に説明する。
以下の表1に記載の原料配合割合にて本発明品及び比較品の流し込み材を作製した。なお、本発明品8は参考例である。
Figure 0005361795
上記表1において、
焼結アルミナ(5〜1mm)のアルミナ含有量は99.4質量%であった。
焼結アルミナ(1mm以下)のアルミナ含有量は99.4質量%であった。
電融アルミナ(5〜1mm)のアルミナ含有量は99.5質量%であった。
電融アルミナ(1mm以下)のアルミナ含有量は99.3質量%であった。
仮焼アルミナのアルミナ含有量は99.7質量%であった;
焼結マグネシア(0.3mm以下)のマグネシア含有量は95.2質量%であり、粒子径75μm以下の粒子の含有量は65質量%であった;
アルミナセメントのカルシア含有量は17.0質量%であり、主体鉱物はカルシウム・アルミネート(CA)およびコランダムより構成されるものであった;
中空アルミナ粒子のアルミナ含有量は99.0質量%であった。
次に、本発明品1〜8並びに比較品1〜6の流し込み材に、表1に記載する量の水を加え、万能ミキサーで混練した後、型枠に流し込み、硬化、脱枠後、110℃で24時間乾燥することにより下記の曲げ強さ、熱伝導率、侵食試験用の供試体を作製した。得られた結果を表1に併記する。
・曲げ強さ
JIS R2553に準じ、110℃乾燥後及び1000℃焼成後の各供試体について測定した;
・熱伝導率
115×114×65mmの供試体を1000℃で3時間焼成した後、熱線法により測定した;
・侵食試験
転炉スラグを侵食剤とし、1650℃で4時間の回転侵食試験を実施し、「侵食深さ(mm)」、「浸透深さ(mm)」を測定した。また、侵食試験後の供試体の亀裂の発生状況を観察した。
表1から明らかなように、本発明品1〜8は、熱伝導率が低下すると共に耐食性及び耐スラグ浸透性に優れた流し込み材である。これに対して、比較品1〜6は、耐食性や耐スラグ浸透性に劣り、比較品6を除いて侵食試験後に亀裂の発生が確認された。
本発明の内張り流し込み材は、溶鋼取鍋の内張りに好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 粒子径が0.3mm以下であるマグネシアを2〜20質量%、粒子径が5mm以下である中空アルミナ粒子を2〜15質量%、残部がアルミナを主体とする原料からなる配合物100質量%に、外掛けで非晶質のシリカ超微粉を0.21.5質量%配合してなり、非晶質のシリカ超微粉の配合によって加熱使用時の中空アルミナ粒子の潰れを防止していることを特徴とする内張り流し込み材。
  2. アルミナを主体とする原料が、バインダーとしてのアルミナセメントを2〜15質量%含む、請求項記載の内張り流し込み材。
  3. アルミナを主体とする原料が、粒子径0.045mm以下の仮焼アルミナを2〜18質量%含む、請求項1または2記載の内張り流し込み材。
  4. 更に、アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、発泡剤、金属ファイバー、有機ファイバー、セラミックファイバー及び分散剤からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含む、請求項1ないしのいずれか1項記載の内張り流し込み材。
  5. 溶鋼取鍋用内張り流し込み材である、請求項1ないしのいずれか1項記載の内張り流し込み材。
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