JP2004139023A - ホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体 Download PDF

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石岡 宏治
Fuji Tanaka
田中 富士
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杉木 美喜雄
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山崎 茂
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Abstract

【課題】位相変調型の空間光変調器から生じるノイズ成分を低減し、データの信頼性を向上できるホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】回折制御素子で回折状態が制御された光をホログラム記録媒体に集光させることで、回折制御素子での回折状態に対応した情報をホログラム記録媒体に記録させる際に、回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断する。この結果、情報の記録の際のノイズ成分を低減できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム記録媒体にデータを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラム記録媒体にデータを記録するホログラム記録装置が開発されている。
ホログラム記録装置では空間光変調器(Spatial Light Modulator)によって変調された信号光と、変調されていない参照光とをホログラム記録媒体上で重ね合わせ、その干渉パターンを記録する。
この空間光変調器での変調方式には明暗型と位相変調型の2つがある。明暗型の空間光変調器では、光の透過量、あるいは反射量を制御することで変調を行うものであり、例えば液晶表示素子を利用できる。
一方、位相変調型の空間光変調器では、光の位相を部分的に変化させ、干渉を起こすことにより光の強弱分布を生成するものであり、例えばSilicon Light Machine社製のGLV(Grating Light Valve)を利用できる。位相変調型では、例えば、空間光変調器から0次回折光のみが発生する状態と、0次回折光は発生せず、±1次の回折光のみが発生する状態とをそれぞれ”1”と”0”に対応させて、ホログラム記録媒体にディジタルデータを記録できる。
なお、GLVの技術は特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5311360公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、我々の研究の結果、位相変調型の空間光変調器から発生するのは0次回折光、±1次の回折光のみではなく、多様な回折光が含まれていることが判った。このような多様な回折光はホログラム記録媒体にデータを記録する際のノイズとなり、データをデコードする際の誤りの原因となる可能性がある。
上記に鑑み、本発明は位相変調型の空間光変調器から生じるノイズ成分を低減し、データの信頼性を向上できるホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
A.上記に鑑み本発明に係るホログラム記録装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を入射し、該入射したレーザ光の回折を制御して出射させる回折制御素子と、前記回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断する回折光成分遮断素子と、前記回折光成分遮断素子で遮断されない回折光成分をホログラム記録媒体に集光させる集光素子と、を具備することを特徴とする。
回折制御素子で回折状態が制御された光をホログラム記録媒体に集光させることで、回折制御素子での回折状態に対応した情報をホログラム記録媒体に記録させることができる。ここで、回折光成分遮断素子によって回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断することで、情報の記録の際のノイズ成分を低減することができる。
回折光成分遮断素子の一例として、開口部を有する部材が挙げられる。所定の回折光成分を簡便に遮断できる。
なお、ホログラム記録装置はホログラム記録媒体を内蔵しても良いし、あるいはホログラム記録媒体を交換可能としても良い。ホログラム記録媒体を交換可能とした場合には、ホログラム記録媒体を保持するためのステージを有することが好ましい。
【0006】
(1)前記回折制御素子が、前記入射したレーザ光の回折を互いに独立して制御する個別回折制御素子を複数有してもよい。
個別回折制御素子の個数に対応した情報をホログラム記録媒体に記録することが可能になり、より高密度の記録が可能となる。
このときの個別回折制御素子の配列として、1次元(線状)あるいは2次元(平面状)の配列が考えられる。回折光成分遮断素子として開口部を有する部材を用いるときには、この配列に対応して開口部の形状をスリット、あるいはピンホールとすることが好ましい。
1)前記回折光成分遮断素子が、前記個別回折制御素子による絶対値で3次以上の回折光を遮断してもよい。
このようにすることで、情報の記録の際のノイズ成分を低減し、データの再現性を良好な状態に保つことができる。
【0007】
2)前記個別回折制御素子が、それぞれからの出射光の位相差を制御する第1、第2の位相制御要素を有してもよい。
第1、第2の位相制御要素から出射される出射光同士の位相差を制御することで、この出射光を合成した光の回折状態を制御することができる。例えば、第1、第2の位相制御要素同士の相対的な変位量を調節することで、光の回折状態を制御できる。但し、第1、第2の位相制御要素の一方を固定、他方を可動とし、可動側の変位量によって光の回折状態を制御してもよい。
なお、第3以上の位相制御要素が追加されていても差し支えない。
【0008】
ここで、前記第1、第2の位相制御要素はある程度小さい(光の波長程度かそれよりも小さい)場合が多いので、このそれぞれからの出射光は該第1、第2の位相制御要素によって回折された回折光であるのが通例となる。
このとき、回折光成分遮断素子が、第1、第2の位相制御要素それぞれによる絶対値で1次以上の回折光を遮断することが好ましい。
このようにすることで、情報の記録の際のノイズ成分を低減し、データの再現性を良好な状態に保つことができる。
【0009】
前記第1、第2の位相制御要素それぞれは、種々の形状を採りうるが、一例として、略リボン形状とすることができる。
この形状は作成および駆動が容易である。例えば、このリボンを導電性、かつ弾力性のある材料(例えば、金属材料)で構成することで、リボンに印加した電圧に基づく静電力によって変位させ、リボンの弾力性により元の状態(形状)に復帰させることができる。このようにすることで、前記第1、第2の位相制御要素、ひいては個別回折制御素子を高速で(例えば、1μ秒程度)動作させることが可能となる。
【0010】
(2)前記集光素子が、複数のレンズによって構成されていてもよい。
例えば、回折制御素子から出射された出射光を2つのレンズを通過させることで、フーリエ変換を2回行い、ホログラム記録媒体への記録に回折制御素子の回折スペクトルを用いることが可能となる。
【0011】
(3)ホログラム記録装置が、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を第1、第2の光に分割し、該第1の光を前記回折制御素子に入射させる光分割素子と、前記光分割素子から出射された第2の光を前記ホログラム記録媒体上の前記集光素子から出射されたレーザ光が集光された箇所に集光する第2の集光素子と、をさらに具備してもよい。
レーザ光源から出射されたレーザ光を回折制御素子を通過させない参照光と回折制御素子を通過させる信号光に分割し、ホログラム記録媒体上でその双方を集光することで、ホログラム記録媒体上に参照光と信号光の干渉縞を記録することができる。
なお、光分割素子の一例として、ハーフミラーが挙げられる。
【0012】
ここで、ホログラム記録装置が、前記光分割素子から出射された前記第1の光を遮蔽する光遮蔽素子と、前記第2の集光素子によって前記ホログラム記録媒体上に収束されたレーザ光に基づいて、前記ホログラム記録媒体から出射した光を受光する受光素子と、をさらに具備してもよい。
光分割素子から出射された信号光がホログラム記録媒体に到達しないように遮断して、ホログラム記録媒体に参照光のみが到達するようにすることで、ホログラム記録媒体から記録されたデータに対応する信号光を発生させる。発生した信号光を受光素子で読み取ることで、記録されたデータを再生することができる。この受光素子は、元々の信号を発生した回折制御素子に対応していることが好ましい。例えば、回折制御素子が1次元または2次元に配列された個別回折制御素子から構成されるときには、これに対応して配列された個別受光素子から構成されることが好ましい。
【0013】
B.本発明に係るホログラム記録方法は、回折制御素子によって、レーザ光の回折を制御して出射させる回折制御ステップと、前記回折制御ステップで出射された回折光から所定の回折光成分を遮断する回折光成分遮断ステップと、前記回折光成分遮断ステップで遮断されない回折光成分をホログラム記録媒体に集光させる集光ステップと、を具備することを特徴とする。
回折制御素子で回折状態が制御された光をホログラム記録媒体に集光させることで、回折制御素子での回折状態に対応した情報をホログラム記録媒体に記録させることができる。ここで、回折光成分遮断素子によって回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断することで、情報の記録の際のノイズ成分を低減することができる。
【0014】
ここで、前記回折制御素子が、前記入射したレーザ光の回折を互いに独立して制御する個別回折制御素子を複数有してもよい。
個別回折制御素子の個数に対応した情報をホログラム記録媒体に記録することが可能になり、より高密度の記録が可能となる。
このときの個別回折制御素子の配列として、1次元(線状)あるいは2次元(平面状)の配列が考えられる。
【0015】
1)前記回折光成分遮断素子が、前記個別回折制御素子による絶対値で3次以上の回折光を遮断してもよい。
このようにすることで、情報の記録の際のノイズ成分を低減し、データの再現性を良好な状態に保つことができる。なお、遮断する回折光の例として、個別回折制御素子が順に0101…と最短周期の繰り返しを表す場合における3次の回折光が挙げられる。
【0016】
2)前記個別回折制御素子が、それぞれからの出射光の位相差を制御する第1、第2の位相制御要素を有してもよい。
第1、第2の位相制御要素から出射される出射光同士の位相差を制御することで、この出射光を合成した光の回折状態を制御することができる。この場合に、第3以上の位相制御要素が追加されていても差し支えない。
【0017】
ここで、前記第1、第2の位相制御要素はある程度小さい(光の波長程度かそれよりも小さい)場合が多いので、このそれぞれからの出射光は該第1、第2の位相制御要素によって回折された回折光であるのが通例となる。
このとき、回折光成分遮断素子が、第1、第2の位相制御要素それぞれによる絶対値で1次以上の回折光を遮断することが好ましい。
このようにすることで、情報の記録の際のノイズ成分を低減し、データの再現性を良好な状態に保つことができる。
【0018】
C.本発明に係るホログラム記録媒体は、レーザ光の回折を制御して出射させる回折制御素子より出射された回折光中の所定の回折光成分を遮断した回折光を用いてデータが記録されることを特徴とする。
回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断することで、ホログラム記録媒体への情報の記録の際のノイズ成分を低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るホログラム記録装置100を表す模式図である。また、図2は図1のX軸方向からホログラム記録装置100を見た状態を表す模式図である。
図1,2に示すように、ホログラム記録装置100は、レーザ光源10、1次元型ビームエキスパンダ20,ハーフミラー30,1次元型回折制御素子40,スリット素子50,1次元型受光素子60、シリンドリカルレンズ71、凸レンズ81〜85から構成され、ホログラム記録媒体Mへの情報の記録および再生を行う。
【0020】
(1次元型回折制御素子40の内部構成)
まず、1次元型回折制御素子40について説明する。
図3は、1次元型回折制御素子40を上面から見た状態を表す上面図である。また、図4,5はそれぞれ、1次元型回折制御素子40を側面、および正面からみた状態を表す側面図および正面図である。なお、図4,5の(A),(B)はそれぞれ、個別回折制御素子41の2つの状態(OFF、ON)を表している。また、図5ではリボン42の動作状態を模式的に表している。
1次元型回折制御素子40は、個別回折制御素子41がY方向に複数配列されて構成される。個別回折制御素子41は、入射した光を回折して回折光として出射するものであり、互いに独立して回折状態を制御できる。
【0021】
個別回折制御素子41は、6本のリボン42,リボン42と対向する絶縁膜43および対向電極44を有し、基板45上に構成される。6本のリボン42は、1本おきに3本が上下に駆動される。リボン42と対向電極44との間に電圧を印加することで、この間に静電力が発生し、リボン42が対向電極44へと吸引される(ON状態:図4(B)、5(B)参照)。そして、リボン42と対向電極44との間に印加された電圧を除去すると、リボン42の弾性力によりリボン42は元の状態に復帰する(OFF状態:図4(A)、5(A)参照)。
リボン42は、例えば、幅が数μm、長さが100μm程度、距離dが数百nmとすることができる。このとき、リボン42の動作時間は1μs程度とすることができる。
【0022】
以下に、1次元型回折制御素子40の個別回折制御素子41から発生する回折光についての基本的な考え方を説明する。この考え方は回折光のうちリボン42からの0次、1次の回折光以外は強度が弱く無視できるとの考え方を基本としている。
後述のように、1次元型回折制御素子40からは多様な回折光が生じ、これらの存在を必ずしも無視できないが、以下が1次元型回折制御素子40によるホログラム記録媒体Mへのデータの記録の基本であることには変わりがない。1次元型回折制御素子40から生じる回折光の詳細は後に説明する。
【0023】
1次元型回折制御素子40(個別回折制御素子41)に対して、レーザ光が垂直に入射した場合を考える。図5(A)のように、個別回折制御素子41の6本のリボン42が同一平面にあれば(OFF状態)、レーザ光はそのまま垂直に反射し、0次回折光のみが発生する。一方、図5(B)のように、リボン42が1本おきに下がっていれば(ON状態)、垂直に反射する0次回折光の他に1次回折光も発生する。
このとき、1次元型回折制御素子40からの0次回折光と1次回折光の比率は降下したリボン42と降下していないリボン42の間隔dで決まり、間隔dがλ/4(λ:レーザ光の波長)であれば1次回折光のみが出射する。即ち、降下したリボン42からの0次回折光と降下していないリボン42からの0次回折光が、互いに打ち消しあって強度が0となり、1次回折光のみが残存することになる。
【0024】
個別回折制御素子41のON状態での回折光は、降下したリボン42および降下していないリボン42それぞれからの互いに半波長位相がずれた回折光が混合した光である。即ち、リボン42それぞれは、その変位によってそれぞれから回折される回折光の位相を可変できる、位相可変素子と考えることができる。
【0025】
以上のように、1次元型回折制御素子40を構成する個別回折制御素子41それぞれが独立に2つの回折状態(OFF:0次回折光のみ、ON:1次回折光のみ)をとることで、画素数(個別回折制御素子41の個数)分のビット数のデータを表現できる。例えば、1088個の個別回折制御素子41を配列することで、1088ビットのデータを表現できる。
【0026】
レーザ光が直入射した場合における1次元型回折制御素子40(個別回折制御素子41)の動作を説明したが、この動作原理は1次元型回折制御素子40に斜めにレーザ光が入射した場合も基本的に同じである。但し、斜入射では直入射よりも光路長差が短くなるため、間隔dがほぼ(λ/4)/cosθのときに1次回折光のみを出射することになる(θは1次元型回折制御素子40に対するレーザ光の入射角)。
【0027】
(他の構成要素)
以下、1次元型回折制御素子40以外の構成要素について説明する。
レーザ光源10は、レーザ光を出射する光源である。
1次元型ビームエキスパンダ20は、半楕円柱形状の凹みを有する平凹レンズ21と楕円柱形状のシリンドリカルレンズ22を組み合わせて構成され、入射した光のビーム径を1次元方向(Y方向)に拡大する光学素子である。1次元型ビームエキスパンダ20を通過することで、レーザ光源10から出射したレーザ光のビーム形状は略円形から略楕円形へと変換される。この変換は、図2に示されるように、1次元型回折制御素子40のY方向に配列された個別回折制御素子41全体に光ビームを照射するために行われる。
ハーフミラー30は、入射した光を2つの光に分岐する光学素子である。
シリンドリカルレンズ71は、入射した光ビームをX方向に集光するための光学素子である。この集光は、1次元型回折制御素子40のX方向での大きさにレーザ光を対応させるために行われる。
凸レンズ81は、1次元型回折制御素子40から出射した回折光の回折スペクトルを形成するための光学素子である。
【0028】
スリット素子50は、凸レンズ81の焦点付近に配置され、1次元型回折制御素子40から出射した回折光から所定の回折光成分を除去するための光学素子であり、回折光成分遮断素子として機能する。スリット素子50には、スリット51(開口)が形成され、所定の回折光成分がこのスリット51を通過しないようにしている。
例えば、図6に示すように、0次回折光L0はスリット51を通過するが、1次回折光L1(正負の1次回折光L+1、L−1の双方を含む)はスリット51を通過できずスリット素子50によって遮蔽される。これは、1次回折光L1は0次回折光L1に対して角度±α傾いて出射するからである(角度αの正負は1次回折光の正負(+1次か−1次か)に対応する)。
【0029】
以上では、1次元型回折制御素子40からの出射光をリボン42からの0次、1次の回折光に限られるとして説明している。
しかし、前述のように、1次元型回折制御素子40からは0次、1次の回折光に限らず、多様な回折光が出射される。このため、スリット素子50によって遮断されるのは、リボン42からの1次の回折光のみではなく、ホログラム記録媒体Mへの記録時にノイズの原因となる回折光全般である。なお、この詳細は後述する。
【0030】
凸レンズ82は、スリット素子50から出射した光を略平行光に変換するための光学素子である。
凸レンズ83は、凸レンズ82から出射した略平行光をホログラム記録媒体Mに集光するための光学素子である。
ここで、凸レンズ82、83とレンズを2つ用いているのは、スリット51で1次回折光を除去した回折光の回折スペクトル自体をホログラム記録媒体Mに記録するためである。
もしも凸レンズ82、83の1つのみを用いた場合には、回折光が一度のみフーリエ変換されることになり、ホログラム記録媒体Mに記録されるのは1次元型回折制御素子40の実像になる。この実像は、スリット素子50により回折光から1次回折成分が除去されているので、リボン42の位置がそろっている画素(図5(A))は明、リボン42が1本おきに上下している画素(図5(B))は暗となったものである。本実施形態では、凸レンズ82、83を用いることで、回折光の回折スペクトル自体をホログラム記録媒体Mに記録している。
なお、ホログラム記録媒体Mへのデータの記録は、1次元型回折制御素子40からの回折スペクトル自体またはその実像のいずれによっても行うことが可能である。
【0031】
凸レンズ84は、ハーフミラー30からX負方向に出射した光をホログラム記録媒体Mに集光するための光学素子である。凸レンズ84から出射した光は凸レンズ83から出射した光とホログラム記録媒体Mの同一箇所に照射され干渉縞(光の明暗)を形成する。
【0032】
ホログラム記録媒体Mは、凸レンズ83,84からの出射光による干渉縞を屈折率の変化として記録する記録媒体である。ホログラム記録媒体Mの屈折率が露光量に応じて変化することで、参照光と信号光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率の変化としてホログラム記録媒体Mに記録できる。
ホログラム記録媒体Mの構成材料として、光の強度に応じて屈折率の変化が行われる材料であれば、有機材料、無機材料の別を問うことなく利用可能である。無機材料として、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO)のような電気光学効果によって露光量に応じ屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を用いることができる。
有機材料として、例えば、光重合型フォトポリマを用いることができる。光重合型フォトポリマは、その初期状態では、モノマがマトリクスポリマに均一に分散している。これに光が照射されると、露光部でモノマが重合する。そして、ポリマ化するにつれ、その場所の屈折率が変化する。
【0033】
凸レンズ85は、ホログラム記録媒体Mからの記録の再生を行った際の再生光を1次元型受光素子60に集光させるための光学素子である。
1次元型受光素子60は、Y方向に複数の受光素子が配列され、凸レンズ85から出射した再生光を受光し、受光した光の強度に応じた信号を出力する。1次元型受光素子60は、1次元型回折制御素子40の個別回折制御素子41に対応して、受光素子がY方向に1次元的に配列されている。
ここで、1次元型回折制御素子40の受光素子の個数は、1次元型回折制御素子40の回折制御素子41の個数より多くし、1つの個別回折制御素子41に複数の受光素子を対応させるのが好ましい。
なお、1次元型受光素子60に換えて、2次元(平面的)に複数の受光素子が配列されたものを用いることも可能である。
【0034】
(1次元型回折制御素子40から出射する回折光の詳細)
ここで、1次元型回折制御装置40から出射される回折光の詳細を考える。
今までは1次元型回折制御素子40から出射されるのはリボン42からの0次、1次の回折光のみで、他の成分の回折光は無視できるとして説明していた。
しかし、我々の研究の結果、1次元型回折制御素子40からは多様な回折光が生じ、これらの存在を必ずしも無視できないことが判った。即ち、1次元型回折制御素子40から発生する多様な回折光がホログラム記録媒体Mへのデータの記録の際のノイズ要因となる可能性がある。
【0035】
図7,図8は、個別回折制御素子41を一つ置きにON状態(ON、OFFの繰り返しパターン)とした1次元型回折制御素子40から発生する回折光を模式的に表した模式図である。図7は、1次元型回折制御素子40から発生する回折光を1次元型回折制御素子40の側面から見た状態を表す。また、図8は、1次元型回折制御素子40から発生する回折光を凸レンズを通してスクリーンに投影した状態(回折パターンのFourier像)を表し、いわば回折光を1次元型回折制御素子40の正面から見た状態に対応する。
【0036】
図7,図8に示されるように、ON、OFFの繰り返しパターンの1次元型回折制御素子40からの回折光には、リボン42からの回折光(L00、L±01、L±02、L±03、…)に加えて、個別回折制御素子41からの回折光(L±11、L±12、…、L±15、L±21、…、L±25、L±31、…)が含まれる。
リボン42からの回折光は、0次回折光L00、1次回折光L±01、2次回折光L±02、3次回折光L±03、…に区分される。このリボン42からの回折光(L00、L±01、L±02、L±03、…)には、リボン42からの回折光以外に、個別回折制御素子41からの回折光が加わっている。
また、個別回折制御素子41からの回折光は、第1の1次回折光L±11、第1の2次回折光L±12、第1の3次回折光L±13、…、第2の1次回折光L±21、第2の2次回折光L±22、第2の3次回折光L±23、に区分される。なお、リボン42からの回折光(L±01、L±02、L±03、…)と一致する個別回折制御素子41からの回折光は、第1、第2、第3の6次回折光L±16、L±26、L±36と称してもよい。
これらの回折光のうち、既述の0次回折光L0、1次回折光L±1に対応するのはそれぞれ、リボン42による0次回折光L00、1次回折光L±01である。
【0037】
以上から判るように、個別回折制御素子41からの回折光の間隔は、リボン42からの回折光の間隔より小さい。また、個別回折制御素子41からの回折光は6つ目毎にリボン42からの回折光と一致している。
これは、回折光の間隔(出射角度の間隔)が回折格子の格子間隔と対応していることから生じている。即ち、回折格子の格子間隔が大きくなるほど、回折光の間隔が小さくなる。リボン42の幅は個別回折制御素子41の幅より小さいことから、リボン42による回折光の間隔は個別回折制御素子41による回折光の間隔より大きい。さらに、6つのリボン42が1つの個別回折制御素子41に対応することから、個別回折制御素子41からの回折光の6番目がリボン42からの回折光と重なっている。
【0038】
上述のように、個別回折制御素子41を交互にON、OFFとする繰り返しパターンを1次元型回折制御素子40が表示することによって、個別回折制御素子41を回折格子とする回折光(個別回折制御素子41からの回折光)が生じている。これに対して、個別回折制御素子41を全てONにした場合に観測される回折光はリボン42からの回折光のみ(L00、L±01、L±02、L±03、…)であり、個別回折制御素子41からの回折光は事実上無視できる。
【0039】
個別回折制御素子41を2個おきにON/OFFとした場合((ON、ON、OFF、OFF)を繰り返すパターンを表示する場合)には、(ON、OFF)の繰り返しを表示した場合に比べて格子間隔が2倍になる。このため、回折光の間隔は半分になり、個別回折制御素子41からの回折光の12番目(12次の回折光)がリボン42からの回折光と重なる。
以上は、個別回折制御素子41を3個おき、4個おきにON/OFFとした場合(それぞれ(ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF)、(ON、ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF)を繰り返すパターンを表示する場合)も同様であり、パターンの繰り返し周期に応じて個別回折制御素子41からの回折光が出現する。
【0040】
図9は、スリット素子50を通過させない場合における1次元型回折制御素子40からの回折光の光強度分布を表すグラフである。横軸が相対的な距離(位置)を表し、縦軸が各位置での光強度(White Level)を表す。1次元型受光素子60と同様の1次元型受光素子によって信号光のみを受光することで光強度の分布を測定している。図9のグラフは、図8に示したFourier像を実像に変換したものに対応する。なお、図9の1次元型回折制御素子40では、個別回折制御素子41が”1、0”を繰り返す(”ON、OFF”を繰り返す)パターンを表している。
図9に示すように、スリット素子50が無い場合には1次元型回折制御素子40から発生する回折光には、ノイズ(特に高周波ノイズ)が多く含まれることが判る。
【0041】
スリット素子50は、1次元型受光素子60から発生する回折光のうちノイズとなる回折光を遮蔽する。即ち、このスリット素子50のスリット51には、ノイズとなる回折光を遮蔽するように、0次回折光L00を中心にY方向に適当な幅を持たせている。
【0042】
図10は、絶対値で1次以上のリボン42からの回折光(L±01,L±02、…)を遮蔽する場合のスリット素子50と回折光との対応関係を表す模式図である。ここでは、スリット51が回折光L00、L±11〜L±15を通過させ、他の回折光L±01、L±21〜L±25,L±03等を遮蔽している。
また、図11は、絶対値で3次以上の個別回折制御素子41からの回折光(L±13,L±14、…)を遮蔽する場合のスリット素子50と回折光との対応関係を表す模式図である。ここでは、スリット51が回折光L00、L±11〜L±12を通過させ、他の回折光L±13〜L±15、L±01、L±21〜L±25,L±03等を遮蔽している。
【0043】
図12は、図11に示したスリット素子50を通過させた場合における1次元型回折制御素子40からの回折光の光強度分布を表すグラフである。1次元型受光素子60と同様の1次元型受光素子によって信号光のみを受光することで光強度の分布を測定している。なお、図11の1次元型個別回折制御素子40では、図9と同様に、個別回折制御素子41が”1、0”を繰り返す(”ON、OFF”を繰り返す)パターンを表している。
図11に示した波形は、図9と比較して、再生すべき所望の信号に近いことが判る。
【0044】
スリット51の幅を狭くすればするほどスリット51を通過する回折光が限られ、回折光L00のみを通過するようになる。一見すると、このようにスリット51の幅を狭くすればするほどノイズとなる回折光が低減して、ホログラム記録媒体Mへの記録の信号雑音比が向上するようにも思える。
しかしながら、我々の実験の結果、スリット51の幅を狭くし過ぎると信号の再現性が却って低下する場合もあることが判った。
【0045】
我々は、1次元型個別回折制御素子40の個別回折制御素子41が”110”、”001”のいずれかを繰り返す(”ON、ON、OFF”、”OFF、OFF、ON”のいずれかを繰り返す)パターンを表す場合に、スリット51の幅が信号の再現性に与える影響を検証した。これは”1”と”0”の出現比率が1対1ではない繰り返しパターンの中では最短のものであり、回折光L±19が回折光L0±1と重なる。
このときのスリット51の幅として、(1)全ての回折光を通過する(幅が無限大:スリット素子50がない)場合、(2)回折光L00、L±11,L±12のみを通過する場合、(3)回折光L00、L±11のみを通過する場合の3通りを設定し、信号の再現性を比較した。
【0046】
図13〜図15はそれぞれ、設定(1)〜(3)の場合における1次元型回折制御素子40からの回折光の光強度分布を表すグラフである。図9,図12と同様に、1次元型受光素子60と同様の1次元型受光素子によって信号光のみを受光することで光強度の分布を測定している。
図13から、図9と同様に、スリット素子50を通さない場合(設定(1))には1次元型回折制御素子40から発生する回折光に、ノイズが多く含まれることが判る。
これに対して、図14に示した波形は、図13と比較して、再生すべき所望の信号に近いことが判る(1と0の比率が2対1であり、原信号が保存されている)。
ところが、図15に示した波形では、図14と比較して、1と0の比率が1対1となり、原信号が失われていることが判る。
【0047】
上述のように、スリット51の幅を狭くし過ぎると信号の再現性が却って低下する場合がある。
連続する3つの個別回折素子41(画素)が”110”、または”001”の繰り返しのときには、1次元型回折素子40から出射される回折光のパターンにもこの繰り返しが反映される。これは、この繰り返しが行われる間隔(周期)が、回折格子の間隔に対応するためである。この結果、信号としての回折光が個別回折素子41からの2次の回折光L±12を成分として含むこととなる。このパターンは記録、再生のためのデータに出現しうるから、スリット51がこの2次の回折光L±12を通過させることが好ましい。
【0048】
なお、このパターン(”110”、”001”のいずれかを繰り返すパターン)における2次回折光L±12は、図10で示した回折光L±12と同一ではない。パターンの繰り返し周期(回折格子の格子間隔)によって回折光の間隔が変化するためである。このパターンでの回折光L±12の位置は、図10に示した”10”の繰り返しパターンでの回折光L±11とL±12の間に位置する。この位置を形式的に小数点で表せばL±1、1.33(第1の1.33次の回折光)となる。
【0049】
(ホログラム記録装置100の動作)
A.ホログラム記録媒体Mへのデータの記録(図1、2参照)
レーザ光源10から出射したレーザ光は1次元型ビームエキスパンダ20によってY方向にビーム径が拡大された後に、ハーフミラー30によって2つの光(参照光、信号光)に区分される。
参照光は、凸レンズ84を通過してホログラム記録媒体Mに集光される。
【0050】
信号光は、シリンドリカルレンズ71によってX方向に収束され、1次元型回折制御素子40に入射する。既述のように、個別回折制御素子41それぞれが独立に2つの回折状態(OFF:”1”、ON:”0”)をとることで、1次元型回折制御素子40全体で個別回折制御素子41の個数分のビット数(例えば、個別回折制御素子41が1088個の場合には、1088ビット)のデータを表現できる。
【0051】
1次元型回折制御素子40で回折された回折光は、凸レンズ81で収束されてスリット素子50を通過することで、余分な回折光が遮蔽されてノイズが低減される。その結果、個別回折制御素子41の2つの回折状態(OFF,ON)が互いに分離され、1次元型回折制御素子40の表示パターンが信号光に正確に反映されることとなる(信号雑音比の向上)。
回折状態が強度に変換された回折光は、凸レンズ82,83を経由してホログラム記録媒体Mに集光される。このときに参照光と信号光がホログラム記録媒体Mの略同一箇所に集光されることから、ホログラム記録媒体Mに干渉縞が形成され、干渉縞に対応してホログラム記録媒体Mの屈折率が変化する。このとき、信号光の信号雑音比が向上されていることから、ホログラム記録媒体Mに記録された信号も信号雑音比が向上する。
【0052】
以上のように、1次元型回折制御素子40の個別回折制御素子41それぞれの2値状態に対応してホログラム記録媒体Mの屈折率分布が形成され、ホログラム記録媒体Mへのデータの記録が可能となる。例えば、個別回折制御素子41が1088個の場合には、1次元型回折制御素子40を用いてホログラム記録媒体Mを一回露光することで、1088ビットのデータが記録される。
参照光と信号光の集光箇所をずらしてホログラム記録媒体M上への露光を複数回行うことで、個別回折制御素子41の個数の複数倍のビット数のデータをホログラム記録媒体Mに記録できる。
【0053】
B.ホログラム記録媒体Mからのデータの再生
図16は、ホログラム記録装置100を用いてホログラム記録媒体Mからのデータの再生を行っている状態を表す模式図である。
ホログラム記録媒体Mからデータの再生を行うには、レーザ光源10から出射され、ハーフミラー30によって区分された2つの光(参照光、信号光)の内、遮蔽板90によって信号光を遮断し、参照光のみを凸レンズ84を通過してホログラム記録媒体Mに集光している。なお、遮蔽板90から反射された光が参照光に混入してノイズの原因になるのを防止するため、例えば、遮蔽板90を入射光に対して少し傾けるのが好ましい。また、ハーフミラー30に換えて、通常のミラーを用いれば遮蔽板90は不要となる。
ホログラム記録媒体Mに入射した参照光はホログラム記録媒体M内の屈折率分布によって回折され、信号光が発生する。発生した信号光は、ホログラム記録媒体Mへの記録の際に信号光が入射してきた記録用の信号光の進行方向延長上から出射する。この再生された信号光を凸レンズ85で収束して1次元型受光素子60に入射させる。1次元型受光素子60それぞれの受光素子が受光した光の強度として、ホログラム記録媒体M内に記録されたデータを再生することができる。このとき、ホログラム記録媒体M内への記録が良好な信号雑音比で行われていることから、生成された信号の信号雑音比も良好となり、データの再現性が向上する。
【0054】
(第2の実施形態)
図17は本発明の第二の実施形態に係るホログラム記録装置200を表す模式図である。
図17に示すように、ホログラム記録装置200は、レーザ光源10、2次元型ビームエキスパンダ20A,ハーフミラー30,2次元型回折制御素子40A,ピンホール素子50A,2次元型受光素子60A、凸レンズ71A、凸レンズ81〜85から構成され、ホログラム記録媒体Mへの情報の記録および再生を行う。
基本的には、ホログラム記録装置100の1次元型回折制御素子40に換えて、2次元型回折制御素子40Aを用いている。この2次元型回折制御素子40Aは、前述の個別回折制御素子41を2方向に(平面的に)配列したものである。この結果、一度に記録できる情報量が増大し、また前述のようにホログラム記録媒体Mへのビット当たりの記録速度をより向上させることができる。
【0055】
2次元型回折制御素子40Aを用いたことに伴って、1次元型ビームエキスパンダ20に換えて通常の凹レンズ21Aと凸レンズ22Aとを組み合わせた2次元型ビームエキスパンダ20Aが、スリット素子50に換えてピンホール素子50Aが、シリンドリカルレンズ71に換えて凸レンズ71Aが配置されている。ピンホール素子50Aには略円形のスリット51A(微少な開口)が形成されている。また、1次元型受光素子60に換えて、2次元型受光素子60Aが配置されている。
【0056】
2次元型ビームエキスパンダ20A、および凸レンズ71Aへの変更は、2次元型受光素子60Aの全画素にレーザーが照射されるようにするためである。ピンホール素子50Aへの変更は、2次元型回折制御素子40Aからの回折光の回折方向が2次元的となることに対応している。また、2次元型受光素子60Aは2次元型回折制御素子40Aに対応させたものである。
ホログラム記録装置200の基本的な動作は、ホログラム記録装置100と本質的に異なる訳ではないので、説明を省略する。
【0057】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、1次元型回折制御素子あるいは2次元型回折制御素子に換えて、回折状態を制御可能な回折格子一般を用いることができる。個別回折制御素子41がそれぞれ有するリボンは6つに限らずもっと多数、あるいはより少ない個数でも差し支えない。このとき、個別回折制御素子41による回折光がリボン42による回折光と一致するのは、個別回折制御素子41をひとつおきにONとする場合であっても6番目毎ではなくなる。
回折格子として、リボンから回折される回折光それぞれに位相差を付与する位相差方式以外の種々の回折格子を用いることができる。
また、既述のように、回折制御素子を構成するリボンそれぞれを位相可変素子(位相変調素子)と考えられることから、位相可変素子を組み合わせて回折格子を構成することができる。即ち、1次元型回折制御素子あるいは2次元型回折制御素子に換えて、1次元あるいは2次元の位相変調素子一般を用いてホログラム記録装置を構成できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば位相変調型の空間光変調器から生じるノイズ成分を低減し、データの信頼性を向上できるホログラム記録装置、ホログラム記録方法、およびホログラム記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るホログラム記録装置を表す模式図である。
【図2】図1のX軸方向からホログラム記録装置を見た状態を表す模式図である。
【図3】図1に示す1次元型回折制御素子を上面から見た状態を表す上面図である。
【図4】図1に示す1次元型回折制御素子を側面から見た状態を表す上面図である。
【図5】図1に示す1次元型回折制御素子を正面から見た状態を表す正面図である。
【図6】1次元型回折制御素子からの1次回折光がスリット素子により遮断されている状態を表した模式図である。
【図7】1次元型回折制御素子からの回折光を1次元型回折制御素子の側面から見た状態を表す模式図である。
【図8】1次元型回折制御素子からの回折光を1次元型回折制御素子の正面から見た状態を表す模式図である。
【図9】スリット素子を通過させない場合における1次元型回折制御素子からの回折光の光強度分布の一例を表すグラフである。
【図10】絶対値で1次以上のリボンからの回折光を遮蔽する場合のスリット素子と回折光との対応関係を表す模式図である。
【図11】絶対値で3次以上の個別回折制御素子からの回折光を遮蔽する場合のスリット素子と回折光との対応関係を表す模式図である。
【図12】図11に示したスリット素子を通過させた場合における1次元型回折制御素子からの回折光の光強度分布の一例を表すグラフである。
【図13】スリット素子を通過させない場合における1次元型回折制御素子からの回折光の光強度分布の一例を表すグラフである。
【図14】図12に示したスリット素子を通過させた場合における1次元型回折制御素子からの回折光の光強度分布の一例を表すグラフである。
【図15】図12に示したスリット素子よりスリット幅の狭いスリット素子を通過させた場合における1次元型回折制御素子からの回折光の光強度分布の一例を表すグラフである。
【図16】ホログラム記録装置を用いてホログラム記録媒体からのデータの再生を行っている状態を表す模式図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係るホログラム記録装置を表す模式図である。
【符号の説明】
100 ホログラム記録装置
10 レーザ光源
20 1次元型ビームエキスパンダ
21 平凹レンズ
22 シリンドリカルレンズ
30 ハーフミラー
40 1次元型回折制御素子
41 個別回折制御素子
42 リボン
43 絶縁膜
44 対向電極
45 基板
50 スリット素子
51 スリット
60 1次元型受光素子
71 シリンドリカルレンズ
81〜85 凸レンズ
M ホログラム記録媒体

Claims (18)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を入射し、該入射したレーザ光の回折を制御して出射させる回折制御素子と、
    前記回折制御素子から出射された回折光から所定の回折光成分を遮断する回折光成分遮断素子と、
    前記回折光成分遮断素子で遮断されない回折光成分をホログラム記録媒体に集光させる集光素子と、
    を具備することを特徴とするホログラム記録装置。
  2. 前記回折制御素子が、前記入射したレーザ光の回折を互いに独立して制御する個別回折制御素子を複数有する
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラム記録装置。
  3. 前記回折光成分遮断素子が、前記個別回折制御素子による絶対値で3次以上の回折光を遮断することを特徴とする請求項2記載のホログラム記録装置。
  4. 前記個別回折制御素子が、それぞれからの出射光の位相差を制御する第1、第2の位相制御要素を有する
    ことを特徴とする請求項2記載のホログラム記録装置。
  5. 前記第1、第2の位相制御要素それぞれからの出射光が該第1、第2の位相制御要素によって回折された回折光である
    ことを特徴とする請求項4記載のホログラム記録装置。
  6. 前記回折光成分遮断素子が、第1、第2の位相制御要素それぞれによる絶対値で1次以上の回折光を遮断する
    ことを特徴とする請求項5記載のホログラム記録装置。
  7. 前記第1、第2の位相制御要素それぞれが、略リボン形状である
    ことを特徴とする請求項5記載のホログラム記録装置。
  8. 前記第1、第2の位相制御要素の少なくともいずれかが、静電力によって変位する
    ことを特徴とする請求項7記載のホログラム記録装置。
  9. 前記集光素子が、複数のレンズによって構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラム記録装置。
  10. 前記レーザ光源から出射されたレーザ光を第1、第2の光に分割し、該第1の光を前記回折制御素子に入射させる光分割素子と、
    前記光分割素子から出射された第2の光を前記ホログラム記録媒体上の前記集光素子から出射されたレーザ光が集光された箇所に集光する第2の集光素子と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録装置。
  11. 前記光分割素子から出射された前記第1の光を遮蔽する光遮蔽素子と、
    前記第2の集光素子によって前記ホログラム記録媒体上に収束されたレーザ光に基づいて、前記ホログラム記録媒体から出射した光を受光する受光素子と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項10記載のホログラム記録装置。
  12. 回折制御素子によって、レーザ光の回折を制御して出射させる回折制御ステップと、
    前記回折制御ステップで出射された回折光から所定の回折光成分を遮断する回折光成分遮断ステップと、
    前記回折光成分遮断ステップで遮断されない回折光成分をホログラム記録媒体に集光させる集光ステップと、
    を具備することを特徴とするホログラム記録方法。
  13. 前記回折制御素子が、前記入射したレーザ光の回折を互いに独立して制御する個別回折制御素子を複数有する
    ことを特徴とする請求項12記載のホログラム記録方法。
  14. 前記回折光成分遮断素子が、前記個別回折制御素子による絶対値で3次以上の回折光を遮断する
    ことを特徴とする請求項13記載のホログラム記録方法。
  15. 前記個別回折制御素子が、それぞれからの出射光の位相差を制御する第1、第2の位相制御要素を有する
    ことを特徴とする請求項13記載のホログラム記録方法。
  16. 前記第1、第2の位相制御要素それぞれからの出射光が該第1、第2の位相制御要素によって回折された回折光である
    ことを特徴とする請求項15記載のホログラム記録方法。
  17. 前記回折光成分遮断素子が、第1、第2の位相制御要素それぞれによる絶対値で1次以上の回折光を遮断する
    ことを特徴とする請求項16記載のホログラム記録装置。
  18. レーザ光の回折を制御して出射させる回折制御素子より出射された回折光中の所定の回折光成分を遮断した回折光を用いてデータが記録される
    ことを特徴とするホログラム記録媒体。
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